JPH0881408A - ベルベノン誘導体の光学異性体分離法 - Google Patents

ベルベノン誘導体の光学異性体分離法

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JPH0881408A
JPH0881408A JP22152494A JP22152494A JPH0881408A JP H0881408 A JPH0881408 A JP H0881408A JP 22152494 A JP22152494 A JP 22152494A JP 22152494 A JP22152494 A JP 22152494A JP H0881408 A JPH0881408 A JP H0881408A
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JP
Japan
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derivative
berbenone
optically active
clathrate
verbenone
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JP22152494A
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English (en)
Inventor
Fumio Toda
芙三夫 戸田
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学純度のより高いベルベノン誘導体を効率
的に入手する方法の提供。 【構成】 下記式(1)で表されるようなベルベノン誘
導体の光学異性体混合物と光学活性なホスト化合物から
クラスレイト化合物を形成させ、このクラスレイト化合
物からベルベノン誘導体の光学異性体の一方を分離す
る。 【化1】 (式中、 Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基
を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はベルベノン誘導体の光学
異性体分離法に関するものであり、本発明の光学異性体
分離法は医薬や農薬を中心とするファインケミストリー
の分野で利用することができる。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ベル
ベノン誘導体は医薬や農薬を中心とする各種ファインケ
ミカルの中間体として重要な位置を占めている。しかし
ながら、高い光学純度を有するベルベノン誘導体の合成
は非常に難しい。例えば、光学活性なベルベノンは光学
活性なα−ピネンの酸化反応により得ることが可能であ
るが(ヘルベチカ ケミカ アクタ(HELVETICA CHIMICA
ACTA),60, 1498(1977)) 、この方法で得られたベルベ
ノンの光学純度は90%である。光学活性なベルベノン誘
導体を出発原料とする合成反応では光学純度の高い化合
物が好ましく、光学純度のより高いベルベノン誘導体を
効率的に入手する手段が求められていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らはベルベノン
誘導体の光学異性体の分離方法を鋭意探索した結果、ベ
ルベノン誘導体と光学活性なホスト化合物のクラスレイ
ト化合物形成を利用することによる簡便で分割能の高い
光学異性体分離法を見出し、本発明を完成した。すなわ
ち本発明は、ベルベノン誘導体の光学異性体混合物と光
学活性なホスト化合物からクラスレイト化合物を形成さ
せ、このクラスレイト化合物からベルベノン誘導体の光
学異性体の一方を分離することを特徴とするベルベノン
誘導体の光学異性体分離法を提供するものである。
【0004】本発明において、ベルベノン誘導体として
は、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
【0005】
【化4】
【0006】(式中、 Rは水素原子または炭素数1〜6
のアルキル基を示す。) 上記式(1)において、 Rで示される炭素数1〜6のア
ルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル
等の基が挙げられる。
【0007】本発明で用いられる光学活性なホスト化合
物としては、下記式(2)で表される光学活性な酒石酸
誘導体が挙げられる。
【0008】
【化5】
【0009】
【化6】
【0010】本発明においては、先ずベルベノン誘導体
の光学異性体混合物と光学活性なホスト化合物からクラ
スレイト化合物を形成させるが、光学活性なホスト化合
物とベルベノン誘導体との混合比率は、モル比で光学活
性なホスト化合物:ベルベノン誘導体=1:0.5 から
1:8にするのが適当である。クラスレイト化合物の晶
析率と分割されたベルベノン誘導体の光学純度等を考慮
し、好ましくは1:0.5から1:4である。
【0011】本発明の方法においては、ベルベノン誘導
体の光学異性体の一方と光学活性なホスト化合物とがク
ラスレイト化合物を形成することを利用して、光学異性
体である(+)−および(−)−ベルベノン誘導体を分
割する。本発明の方法におけるクラスレイト化合物の製
造にはいかなる方法を用いても良い。最も一般的な方法
は、分離対象とするベルベノン誘導体とホスト化合物の
適当量を種々の溶媒、例えば水、ジエチルエーテル、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒド
ロフラン、アセトニトリル、ジオキサン、ペンタン、ヘ
キサン、シクロヘキサン、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノール、あるいはジクロロメタン、ク
ロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン系溶媒等に溶
解あるいは分散させ、温度変化、溶媒蒸発、あるいは貧
溶媒の添加等によってクラスレイト化合物を析出させ
る。また、単に混合によってクラスレイト化合物が生成
する場合もある。このようにして得られた固体がクラス
レイト化合物であれば、出発物質とは異なった物理的性
状(融点や結晶形等)を示す。しかし、実用上は所期の
分離が達成されれば良く、該クラスレイト化合物の存在
を確認する必要性はない。
【0012】該クラスレイト化合物から分離対象とする
ベルベノン誘導体の光学異性体の一方を回収する方法は
いかなる方法であってもよいが、最も簡便なのは結晶と
濾液を分離した後、結晶を加熱することによって結晶中
に含まれる沸点の低い成分のみを分離することである。
こうした操作によって、目的とするベルベノン誘導体の
特定の異性体の含量を高めることができる。また、純度
をより高めたい場合には、クラスレイト化合物の段階で
再結晶するのが良い方法である。
【0013】
【作用】本発明の方法がベルベノン誘導体の光学異性体
の分離に適している理由は明らかではないが、本発明で
用いられる光学活性なホスト化合物が、光学異性体のう
ち一方のベルベノン誘導体と相互作用しやすい大きさと
極性を持っており、クラスレイト化合物を形成しやすい
ものと考えられる。
【0014】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0015】実施例1 光学純度78%eeを示す下記式(3)で表されるベルベノ
ン(0.30g(2.0mmol)、下記式(4)で表されるホスト
化合物の(−)体(1.0g(1.9mmol))およびヘキサン(5
ml)を容器に入れ、室温で12時間放置すると、ベルベノ
ンとホスト化合物からなる黒色プリズム状の結晶が得ら
れた。さらに、この結晶をヘキサンで数回洗浄した後、
得られた結晶(0.4g) を減圧下(20mmHg) 、 200℃に加
熱すると、(−)−ベルベノン(0.08g)が得られた。
この比旋光度は〔α〕D=−274°(c 0.4, クロロホル
ム)を示し、HPLC(ダイセル化学工業(株)製、Ch
iralpak AS)を用いて光学純度を測定したところ、99
%eeに相当した。
【0016】
【化7】
【0017】実施例2 光学純度91%eeを示す下記式(5)で表されるアポベル
ベノン(1.2g(8.6mmol))、下記式(6)で表されるホス
ト化合物の(−)体(2.0g(4.3mmol))およびトルエン
(5ml)、ヘキサン(10ml)を容器に入れ、室温で12時
間放置すると、アポベルベノンとホスト化合物からなる
結晶が得られた。さらに結晶をトルエンから再結晶する
と、無色プリズム状の結晶 (1.2g) が得られた。この結
晶を減圧下(20mmHg)、 200℃に加熱することにより、
(+)−アポベルベノン(0.22g) が得られた。この比旋
光度は〔α〕D=+268°(c 0.1, クロロホルム)を示
し、HPLC(ダイセル化学工業(株)製、Chiralpak
AS)を用いて光学純度を測定したところ、98%eeに相
当した。
【0018】
【化8】
【0019】
【発明の効果】本発明に用いるホスト化合物は比較的安
価に入手でき、しかも繰り返し利用することもできる。
また、本発明の方法は分離操作が簡単であるので、多く
のベルベノン誘導体を処理できる。従って、本発明の方
法は工業的に有用なベルベノン誘導体の光学活性体を高
い純度で大量に供給することを可能にするものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルベノン誘導体の光学異性体混合物と
    光学活性なホスト化合物からクラスレイト化合物を形成
    させ、このクラスレイト化合物からベルベノン誘導体の
    光学異性体の一方を分離することを特徴とするベルベノ
    ン誘導体の光学異性体分離法。
  2. 【請求項2】 ベルベノン誘導体が下記式(1)で表さ
    れる化合物である請求項1記載のベルベノン誘導体の光
    学異性体分離法。 【化1】 (式中、 Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基
    を示す。)
  3. 【請求項3】 ベルベノン誘導体とクラスレイト化合物
    を形成する光学活性なホスト化合物が、下記式(2)で
    表される光学活性な酒石酸誘導体である請求項1または
    2記載のベルベノン誘導体の光学異性体分離法。 【化2】 【化3】
JP22152494A 1994-09-16 1994-09-16 ベルベノン誘導体の光学異性体分離法 Pending JPH0881408A (ja)

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Effective date: 20040810