JPH0881401A - 銅(ii)アルコキシドの合成法 - Google Patents

銅(ii)アルコキシドの合成法

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JPH0881401A
JPH0881401A JP22023794A JP22023794A JPH0881401A JP H0881401 A JPH0881401 A JP H0881401A JP 22023794 A JP22023794 A JP 22023794A JP 22023794 A JP22023794 A JP 22023794A JP H0881401 A JPH0881401 A JP H0881401A
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JP
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copper
alkoxide
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JP22023794A
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Ichiro Kijima
島 一 郎 木
Ikuko Wakejima
島 郁 子 分
Hiroto Imai
井 博 人 今
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Matsumoto Seiyaku Kogyo KK
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Matsumoto Seiyaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 銅(II)アルコキシドを安価に容易に高収率
で合成することができる方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 β‐ケトエステル銅(II)錯体をナトリウム
アルコキシドと室温で反応させることによって銅(II)
アルコキシドを容易に合成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な銅(II)アルコキ
シドの合成方法に関する。
【0002】
【従来の技術と解決しようとする課題】銅(II)アルコ
キシドCu(OR)(ここにRは低級アルキル基を示
す)はゾル−ゲル法等による銅含有酸化物導電性材料の
製造の前駆物質として用いられる外、ブロムベンゼンと
ナトリウムアルコキシドからアニソール(メトキシベン
ゼン)を合成する際の触媒として用いること、銅アルコ
キシドと二酸化炭素からカルボネートを合成するに当っ
て、中間体として生成すること等が報告されている。
【0003】このような銅(II)アルコキシドの合成法
としては種々のものが知られており、たとえば次の4つ
の方法が報告されている。
【0004】 1. CuCl+2LiOR→Cu(OR)+2LiCl Brubaker, Jr, Wicholas J. Inorg. Nucl. Chem., 27, 59 (1965) 3. CuCl+2ROH+2EtN → Cu(OR)+2EtNHCl (特許出願中;木島ら) 4. Cu(OR)+2R′OH→Cu(OR′)+2ROH Cu(OR)+2R′OCOCH → Cu(OR′)+ROCOCH Singh, Mehrotra., Z. Anorg. Allg. Chem., 477, 235 (1981) 一般に生成する銅(II)アルコキシドは加水分解性が高
く、揮発性が小さく、有機溶媒に難溶のものが多いが、
上記各合成法には次の如き問題点があった。
【0005】上記(1)の方法ではリチウムアルコキシ
ドと塩化銅(II)を反応させ銅(II)アルコキシドがつ
くられるが、この場合は原料となるリチウムアルコキシ
ドが高価であるばかりでなく、反応で生成する金属リチ
ウムの分離除去が困難で、これが、目的とする銅(II)
アルコキシド中に不純物として残存するという難点があ
った。
【0006】又(2)の方法ではメチル銅が用いられる
が、かかる原料の入手が難しく合成も難しい、又(3)
の方法では用いられるアミン塩を分離除去が必要とな
り、高温になると分解反応が起こるため反応温度を低温
(0〜−30℃)にすることが必要となる。
【0007】かくて本発明は上記の如き問題点に鑑みて
高価な原料を用いることなく、安価に入手し得る原料を
用い、しかも困難な反応操作を用いることなく容易に収
率も高く目的とする銅(II)アルコキシドを合成する方
法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等によれば、か
かる目的は、β‐ケトエステル銅(II)錯体をナトリウ
ムアルコキシドと反応させることにより達成し得ること
が見出されたのである。
【0009】よって本発明はβ‐ケトエステル銅(II)
錯体をナトリウムアルコキシドと反応させることを特徴
とする銅(II)アルコキシドの合成法を提供するもので
ある。
【0010】本発明について詳しく説明すれば、本発明
に係るβ‐ケトエステル銅(II)錯体は一般に次の式 Cu(CHCOCHCOOR ………(1) で表わされる。ここにRは炭素数1〜8の炭化水素基
を示し、特に好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブ
チル基の如き炭素数1〜4の直鎖又は分枝低級アルキル
基を示す。通常Rがメチル又はエチルであるアセト酢
酸メチル、又は同エチルエステルから得られる銅(II)
錯体ビス(メトキシカルボニルアセトナト)銅(II)C
u(CHCOCHCOOCH、ビス(エトキ
シカルボニルアセトナト)銅(II)Cu(CHCOC
COOCが好んで用いられる。前者はま
たビス(メチル3‐オキソブタノアト)銅(II)Cu
(mtac)、後者はビス(エチル3‐オキソブタノ
アト)銅(II)Cu(etac)とも表わされる。後
者は有機溶媒に可溶性であり、加水分解性が小さいの
で、合成、精製そして取扱い法も容易である。
【0011】ナトリウムアルコキシドは一般式 NaOR ………(2) を有する。ここにRは炭素数1〜4の直鎖又は分枝アル
キル基であり、メチル(Me)、エチル(Et)、n‐
プロピル(n‐Pr)、イソプロピル(i‐Pr)、n
‐ブチル(n‐Bu)、第二ブチル(s‐Bu)基等が
好ましい。(1)式のRと(2)式のRは異なるアル
キル基であっても反応には差支えないが混合エステルに
なる心配があるためできればこれらは互いに同じものを
用いるのが好ましい。
【0012】上記(1)と(2)式の化合物とから
(2)式のナトリウムアルコキシドに相応する、次の式
の銅(II)アルコキシド Cu(OR) (Rは上記(2)式に規定のとおり) ……(3) が得られるが、この合成反応は次のように配位子交換反
応として進行するものと考えられる。
【0013】 Cu(CHCOCHCOOR+2NaOR → Cu(OR)+2Na(CHCOCHCOOR)…(4) (ここにR、Rは上述のとおり) 配位子交換反応が進行すると考えられるのは、例えばe
tac- 又mtac-がRO- に比べてNa+ に対する
親和力が強いためと考えられるからである。
【0014】この反応を実施するに当っては(1)式の
化合物とその2倍モル量相当の(2)式の化合物とをテ
トラヒドロフラン(THF)、アルコール等の有機溶剤
に溶解せしめて室温で撹拌しながら添加、混合して行な
われる。通常室温で1〜2時間の短時間で80%前後乃
至それ以上の高収率で青色乃至緑色の固状の目的物を合
成することができる。これは他の副生成物等との分離が
容易である。反応率を特に高くしたいときは反応時間を
長くする方が有利であり、通常は2時間で95%以上反
応する。一般に低級アルコキシドの方が反応性が大き
い。
【0015】上記反応ではNa(CHCOCHCO
ORが生成するがこの化合物は目的生成物と分離
後塩化銅を反応させるとCu(CHCOCHCOO
が得られ、これを原料化合物として再度使用に
供することができる。この場合塩化銅を用いるので高価
となるが、上記のように原料化合物を循環して製造して
使用することができるためコストを低減することができ
る。
【0016】以上のように本発明によれば目的とする銅
(II)アルコキシドを低い温度に保つ必要なく室温で容
易に高収率で合成することができて誠に有効である。
【0017】
【実施例】以下に本発明の実施例をあげるが本発明はこ
れに限定されるものではない。 〔実施例〕銅(II)ジエトキシドの合成は以下のように
行った。300mlの二口フラスコに滴下ロートをとり
つけ、このフラスコ中にビス(エチル 3‐オキソブタ
ノアト)銅(II)〔Cu(etac)〕1.50g
(4.66mmol)を入れ、THF(100ml)に
溶解させた。室温で撹拌しながら、滴下ロートよりナト
リウムエトキシド0.70g(10.29mmol)の
エタノール(30ml)溶液を10分間で滴下した。滴
下終了後、反応混合物を2時間撹拌した。反応終了後、
生成した青色固体をろ別し、エタノールで洗浄し、真空
乾燥し銅(II)ジエトキシド0.662g(収率92.
4%)を得た。
【0018】この生成物の銅含量をキレート滴定により
測定したところ41.30%(理論値41.35%)で
ありIRスペクトルからは、νC-O (1102,105
4cm-1)およびνCu-O(536,434cm-1)の吸
収帯が確認された。そのスペクトルを図1に示す。
【0019】また、ビス(メチル 3‐オキソブタノア
ト)銅(II)〔Cu(mtac)〕を原料に用い、ナ
トリウムメトキシドとの反応を行った。反応は同様の操
作で5時間行い銅(II)ジメトキシドが収率80.1%
で得られた。この生成物の銅分析値は49.82%(理
論値50.59%)であり、そのIRスペクトルから
は、νC-O (1152,1064cm-1)およびνCu-O
(524,440cm-1)の吸収帯が確認された。
【0020】他の銅(II)アルコキシドの合成も同様に
行った。即ち(2)式のRと(1)式のRが互に同一
な化合物を用いて行なった。その結果を上記の結果とと
もに表1、生成物のIRスペクトルを表2に示す。
【0021】 表 1 番 号 R 収 率 測定値 Cu%* 生成物の状態 1 Me 80.1 49.60 青色固体 2 Et 92.4 41.30 〃 3 n‐Pr 93.0 34.66 〃 4 i‐Pr 75.7 35.34 緑色固体 5 n‐Bu 75.6 30.31 〃 6 s‐Bu 79.3 30.39 〃 * 理論値 Cu%: Cu(OMe)=50.59, Cu(OEt)=41.35 Cu(OPr)=34.97, Cu(OBu)=30.29 表 2 IRスペクトル 番 号 化 合 物 νC-O νCu-O 1 Cu(OMe) 1152,1064 528,440 2 Cu(OEt) 1102,1054 536,434 3 Cu(OPr 1104,1066 558,478 4 Cu(OPr 1128,1066 598,472 5 Cu(OBu 1116,1078 560,490 6 Cu(OBu 1126,1060 576,500
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で得られた生成物のIRスペクトル。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】β‐ケトエステル銅(II)錯体をナトリウ
    ムアルコキシドと反応させることを特徴とする銅(II)
    アルコキシドの合成法。
  2. 【請求項2】β‐ケトエステル銅(II)錯体は一般式 Cu(CHCOCHCOOR ………(1) (ここにRは炭素数1〜8の炭化水素基を示す)を有
    する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】Rが炭素数1〜4の直鎖又は分枝低級ア
    ルキル基を示す請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】ナトリウムアルコキシドが一般式 NaOR ………(2) (ここにRは炭素数1〜4の直鎖又は分枝低級アルキル
    基を示す)を有する請求項1記載の方法。
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