JPH0880850A - 車両の換気方法およびその装置 - Google Patents

車両の換気方法およびその装置

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JPH0880850A
JPH0880850A JP7130053A JP13005395A JPH0880850A JP H0880850 A JPH0880850 A JP H0880850A JP 7130053 A JP7130053 A JP 7130053A JP 13005395 A JP13005395 A JP 13005395A JP H0880850 A JPH0880850 A JP H0880850A
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JP
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vehicle
duct
exhaust
air
air supply
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JP7130053A
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English (en)
Inventor
Haruo Hirakawa
治生 平川
Shinichiro Ishikawa
紳一郎 石川
Hiroshi Higaki
博 檜垣
Masakazu Matsumoto
雅一 松本
Atsushi Ikio
篤 壱岐尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】車両の高速化による車外圧力の増大に伴う給排
気送風機の風量アンバランスから、換気装置を経由して
車内に伝播する過大な圧力変動を、簡単な装置構成によ
り、抑制し、乗客が受ける耳つん現象を防止する。 【構成】換気送風機の風量の増加により変形する板ばね
2、板ばね2の変形により板ばねに接触して接点の入・
切を行うリミットスイッチ4、可動式締切板6と固定式
締切板7から成る締切装置、前記可動式締切板の閉動作
を行わせる直線動作型ソレノイド5、可動式締切板の開
動作を行わせる戻しばね8から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の換気方法および
その換気装置に係り、特に高速列車に好適な換気方法お
よびその換気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両は一般的に、車外の新鮮空気を
車内に取り入れる給気ファンと、車内の汚染空気を車外
に排出する排気ファンと、給気ファン及び排気ファンが
備えられた給気および排気用のダクトによって換気され
ている。車両がトンネルを走行する場合においては、車
外圧力が大きく変動し、その大きさは列車とトンネルの
断面積が同一であればほぼ列車速度の二乗に比例して変
動し、かつ、トンネル内で車両がすれ違う場合におい
て、最も大きく変動する。よって、近年の、在来軌道を
使用した250km/hを超える速度での運行、300
km/hを超える高速新幹線等の高速列車の開発におい
ては、上述の圧力変動に関連した、以下の問題が生じ
る。
【0003】つまり、換気系統で使用される送風機のト
ップ圧力を超える車外圧力の変動に対しては、換気の排
気用ダクトを通っての空気の強制逆流或いは、給気用ダ
クトを通じて大量の空気の吸い込みが生じ、その結果、
車内において圧力の急激な変化が起こり、乗客に気圧変
動による耳への不快感(以下、耳つんと呼ぶ)を与える
ことになる。よって、乗客の耳つんを防止するために
は、走行中に作用する最大車外圧力変動以上の圧力特性
を有する送風機をもちいるか、車外圧力の車内への伝播
を抑制する圧力緩和機構を換気系統に設ける必要があ
る。しかし、前者の方法では換気装置の大型化を招くこ
とになるため、後者の方法により対策がなされるのが一
般的である。
【0004】従来、高速で走行する鉄道車両に用いられ
る圧力緩和機構付換気装置としては、特開昭62−22
7850号に記載されているように、車内の圧力を圧力
センサ−により検知して、検知結果に応じて給気と排気
用の両ダクト内に設けられた絞り弁を制御するもの、あ
るいは、特開平1−119470号に記載されているよ
うに、ダクトを横切り相対するような二枚のたわみ板を
突き出させ、差圧による二枚のたわみ板の変形により、
該板間の流路面積を絞り、車内圧力を緩和する方法が知
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、前者は圧力センサーと圧力検知結果に応じて絞り弁
を制御するため、中央処理装置等を有した制御器を必要
とし、制御系の簡略化、信頼性に十分な配慮がなされて
いない。また、後者のたわみ板を使用した構造は機構的
に簡単であるが、板の自由な運動を利用しているために
大きな空間が必要であり、かつ、自由な運動を行なわせ
るために設けられた隙間によって完全に流路の締切りが
行なえないなど省スペ−スおよび圧力変動の増大に伴う
能力の点で十分ではない。
【0006】本発明の第1の目的は、車外の圧力変動の
車内への伝播の抑制を容易に行えるようにすることにあ
る。
【0007】本発明の第2の目的は、車外の圧力の変動
に応じて車内の圧力変動を簡単に抑制できるようにする
ことにある。
【0008】本発明の第3の目的は、車外の圧力の変動
を容易に検出できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的は、車両
の内部から外部へまたは外部から内部に送風している換
気ダクトを、トンネル内において閉じ、閉じてから所定
時間後に開くこと、によって達成できる。
【0010】前記第2の目的は、車両の内部から外部へ
送風している排気ダクトと、該排気ダクトを閉じる排気
用締切手段と、車両の外部から内部へ送風している給気
ダクトと、該給気ダクトを閉じる給気用締切手段と、か
らなり、車両の外部の圧力が所定以上の正圧の期間にお
いて、前記給気締切手段を閉じ、閉じてから所定時間後
に開き、車両の外部の圧力が所定以上の負圧の期間にお
いて、前記排気締切手段を閉じ、閉じてから所定時間後
に開くこと、によって達成できる。
【0011】前記第3の目的は、給気用または排気用の
換気ダクト内に設置され、該換気ダクトの空気流路を開
閉する締切手段と、前記換気ダクトの空気流量を検出す
る検知手段と、該検知手段の動作によって前記締切手段
を閉動作させ、所定時間後に前記締切手段を開動作させ
る駆動手段と、から車両用換気装置を構成することによ
って達成できる。
【0012】
【作用】前記第1の目的に対する手段によれば、閉じて
から所定時間後には開くので、車両の内部の圧力を問題
の無い値にすることができると共に、適宜な換気を行う
ことができるものである。
【0013】前記第2の目的に対する手段によれば、給
気と排気を行っている状態で、車両の外部の圧力が所定
以上の正圧の期間において、前記給気締切手段を閉じ、
閉じてから所定時間後に開き、一方、車両の外部の圧力
が所定以上の負圧の期間において、前記排気締切手段を
閉じ、閉じてから所定時間後に開く。このため、正圧の
場合は排気ダクトにおいて連続して換気が行われ、所定
時間後には給気ダクトにおいても換気が行われる。この
ため、車内の圧力変動の抑制と換気を行うことができる
ものである。負圧の場合は逆に動作する。
【0014】前記第3の目的に対する手段によれば、換
気ダクトの空気流量が所定値よりも大きくなればそれを
検出して換気ダクトを締切り、所定時間後にその締切り
を停止する。このため、車内の乙力変動を抑制できると
共に換気を行うことができるものである。この装置を給
気ダクトと排気ダクトにそれぞれ設ければ、ダクトに作
用する車外の圧力の方向(正圧か負圧か)と空気量を検
出でき、締切りの必要な給気ダクト、または排気ダクト
を締切ることができるものである。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1ないし図10は本発明の第1実施例を示す図
であり、それぞれ、図1は本発明による換気装置の一実
施例を示す破断斜視図、図2は換気系統を示した車両の
概略側面図、図3は装置の作動の一部を概略的に示した
図1のA−A視断面図、図4は締切部を示した図1のB
−B視断面図、図5は板ばね状のフラップを示した図1
のC−C視断面図、図6は締切装置の取付を示した図4
の中間部下方の断面図、図7は板ばね状のフラップの変
位と装置を通過する空気流量との関係図、図8は耳つん
の許容限界図、図9は制御系の配線図、図10はトンネ
ル通過時の先頭車についての圧力変動の変化の一例を示
した図である。
【0016】図2において、70は鉄道車両であり、車
両の下に位置した電動式の給気用送風機50から新鮮空
気を取り入れ、車両の天井に沿って延びた給気ダクト5
1により車内へ供給したのち、車内の床面近くに沿って
延びた排気ダクト53を経由して電動式の排気用送風機
52により車両の外部へと空気を導いている。図1から
図6において、1は本発明による圧力緩和装置すなわち
換気装置であり、給気ダクト51と排気ダクト53の外
部口に車外開口部寄りに配置した送風機50、52の車
外側流路に取付けた長方形断面の鋼ダクトの一部に形成
されている。101は該ダクト部分における上流側の開
口部、102は下流側の開口部102である。該上流側
の開口部101に近い位置に、金属製の板ばね2がその
一方の側にある固定架装具12からダクトを横切る方向
つまり、幅方向へおよそ3/4ほど突き出している。板
ばね2はばね性の鋼、例えばばね用に作られた冷間圧延
のステンレス鋼製の長方形の薄板である。板ばね2の大
きさはダクト高さの大半を占めるが、長さはダクト幅に
対して約3/4である。ストッパ3とブラケット4bに
取付けられた検知器としてのリミットスイッチ4は、板
ばね2の下流側で板ばね2に近接した位置のダクト壁面
へ固定されている。図3に示すように板ばね2に十分な
曲げ変位が生じることによって、板ばね2は該リミット
スイッチ4の接点を閉じるよう該スイッチの可動式作動
エレメント4aに接する。ストッパ3は板ばね2の曲げ
変位に対して該板ばね2を保持することになるので、板
ばね2はそれ以上動けなくなりそれ自体やリミットスイ
ッチ4を損傷することがない。6及び7は前記板ばね
2、リミットスイッチ4の下流側にダクトを横切るよう
に設置された締切装置である。固定式締切板7はダクト
面積の全体を占めるように固定され、ダクトの一方の側
に向けて空気を通すグリルを形成するための換気用の孔
17を持っている。可動式締切板6は、固定式締切板7
のグリル面積に重なるように上流側に配され、固定式締
切板7と対応するようにグリルを形成する孔16を持っ
ている。したがって、二枚の締切板6、7で通路を完全
に塞いだり、開いたりする開閉動作は孔ピッチに相当す
る距離だけ可動式締切板6を動かせばよい。ここで、孔
17、16は平行した細長い長円形をしたものである。
可動式締切板6はこの動作を可能にするためにダクト上
下にある直線動作形の軸受11の間に取付けられ、作動
抵抗を小さくしている。二枚の締切板6、7は摩擦接触
を起こすことがないように二枚の板6,7の間に小さな
層状の隙間が残してある。二つの孔16,17が図4に
見られるように完全に重なっていない場合はわずかな空
気が二枚の締切板6、7を通過するが、二つの孔16,
17を図3及び図6に見られるように合わした場合は、
ほとんどの空気が抵抗なく通過することができる。
【0017】直線動作型ソレノイド5はブラケット5b
を介して固定式締切板7へ固定することによりダクト内
に固定される。ソレノイド5の可動軸5aは、ソレノイ
ド5が作動した時、可動式締切板6を閉じた状態へ駆動
するよう可動式締切板6の突き出した一端部分へ固定さ
れる。また、ダクトの反対側と可動式締切板6の他端部
分との間に戻しばね8が設けられており、これはソレノ
イド5が作動しない時に可動式締切板6を開いた状態へ
戻すためのものである。
【0018】図3に圧力緩和装置1の基本的な作動条件
の概略を示す。送風機50、52のモータへ供給される
中圧のAC電力は変圧器9によってソレノイド5の所定
電圧まで下げられ、制御盤10を介してリミットスイッ
チ4に送られる。板ばね2は換気ダクトを通って流れる
空気の流量の大きさに応じてたわみ、図3に示すよう
に、予め設定された程度のたわみの後で、板ばね2の後
部表面がリニアソレノイド5を動作させるリミットスイ
ッチ4を作動させる。可動式締切板6は締切り装置を閉
じるべくその後直ちに駆動される。非常にわずかなスト
ロークSが要求されるだけであるから、操作は極めて速
い。
【0019】図7の曲線Pは板ばね2の換気ダクトを通
って流れる空気の流量に対する変位特性を示したもので
ある。Qは換気系統の定格流量を表わし、Rは“耳つ
ん”現象を引き起こす車内での圧力変化を避けるために
換気送風機が締切られるべき過剰流量を表わしている。
Rは経験的に検討して定めることができる。図8は非常
に大きな圧力変化か又は非常に速い圧力変化のいずれか
がどのように耳つん感を引き起こし得るかを示したもの
である。Xの領域は耐えられる領域であり、Yの領域は
不快の領域であるが、その間のラインは耳つん感の始ま
りを表わしている。このように、図7から締切空気量の
値Rに相当する板ばねの変位を定めることができ、それ
に応じてリミットスイッチ4の位置を設定できる。無
論、リミットスイッチを固定させて、代わりに板ばね2
のばね特性を選択することも可能である。
【0020】図9は換気制御のより詳細な電気系統図で
ある。給気送風機と排気送風機を制御するための両回路
は同じである。電気は、真空回路遮断器21を介してパ
ンタグラフ20を使用してAC25kVにて架線ケーブ
ルから集電される。主変圧器22はAC440Vまで電
圧を下げ、給気と排気の両送風機用のモータ26,31
はこれから電気をとっている。このモータには回路遮断
器23(配線用)と、また過電流保護装置としての役目
を果たす電磁接触器24及び熱動継電器25が接続され
ている。三相モータの始動用としてはコンデンサ27が
設けられている。
【0021】リニアソレノイド5の電力は電磁接触器2
4の出力側から取っている。ソレノイド5には故障を検
知する目的で更にもう一つの熱動継電器29が設けられ
ており、該熱動継電器29は故障が検知された際に主電
磁接触器24を開放するように設置されている。すなわ
ち、熱動継電器29は熱動継電器25、電磁接触器24
に直列に設置されている。これにより、ソレノイド5に
故障が生じると、ソレノイド5及び同一系統に配置され
た電動送風機50または52への電力の供給は断ち切ら
れ、したがって送風機50または52は作動しないので
故障を容易に認識でき、ソレノイド5の損傷を最小限に
食い止めることができる。さらに、ソレノイド5の故障
をモニタ−するモニタ−装置を車上に設けることにより
故障に対する早期の対策を講じることが可能である。更
にまた、各送風機の系には板ばね2とリミットスイッチ
4とソレノイド5とを有していることから、これらに問
題があると、その問題を一つの換気装置だけに封じ込め
ることが可能であり、他の客車内の他の制御装置類に影
響を与えることがない。
【0022】図9にもリミットスイッチ4と、ソレノイ
ド5を作動させたり停止させたりするその電磁接触器2
8との関係を示している。これらの回路にはリミットス
イッチ4が一旦動作した後に接触しなくなっても予め設
定された時間ほどソレノイド5の通電を保ってくれるタ
イマ30が更に含まれている。このタイマ30の設定時
間T1は通常少くとも5秒はあるとよいが、好適なもの
としては10秒から25秒、最もあり得るものとしては
15秒から20秒である。
【0023】ここで換気装置1の動作例について説明す
る。まず、客車外部の圧力が内部のそれよりかなり高い
圧力(正圧)のところまで上がった場合においては、給
気用の送風機50を通る空気の流量は上昇し、排気用の
送風機52を通る空気の流量は減少する。ここで、急速
に上昇する給気部を通る空気流はリミットスイッチ4に
向けて板ばね2を曲げて、直ちに締切板6を閉める。そ
の後、給気流量はゼロまで落ち、板ばね2はリミットス
イッチ4を開きながらその休止状態まで戻る。しかしな
がら、給気系のタイマ30は設定時間T1の間は締切装
置を閉じた状態に保っている。この時間は比較的短い。
したがって、この間の換気の休止は換気量不足を引き起
こすほど長く続くことはない。ここで、給気流路を即時
に締切ることにより、高い圧力変動が車内へ伝播するの
を防ぐことになり、よって乗客への耳つんを防ぐことに
なる。このとき、給気は前記のごとく小量ながら行わ
れ、また排気は少量ながら連続して行われているので、
換気を継続して行うことができるものである。
【0024】一方、客車外部の圧力が内部のそれよりか
なり低い圧力(この場合は、負圧)のところまで下がっ
た場合においては、給気用の送風機50を通る空気の流
量は減少し、排気用の送風機52を通る空気の流量は上
昇する。このため、排気部を給気部を通る空気流はリミ
ットスイッチ4に向けて板ばね2を曲げて、直ちに締切
板6を閉める。その後、給気流量はゼロまで落ち、板ば
ね2はリミットスイッチ4を開きながらその休止状態ま
で戻る。しかしながら、排気系のタイマ30は設定時間
1の間は締切装置を閉じた状態に保っている。この時
間は比較的短い。したがって、この間の換気の休止は換
気量不足を引き起こすほど長く続くことはない。ここ
で、給気流路を即時に締切ることにより、高い圧力変動
が車内へ伝播するのを防ぐことになり、よって乗客への
耳つんを防ぐことになる。このとき、排気は前記のごと
く小量ながら行われ、また給気は少量ながら連続して行
われているので、換気を継続して行うことができるもの
である。
【0025】このように、給気ダクト、排気ダクトのう
ち過大な流量となるダクトのみを検出し、このダクトの
みを締切っているので、車内の圧力変動の抑制と換気を
行うことができるものである。
【0026】このような換気装置は例えば給気部の一基
だけの場合でも効果が得られるが、給気と排気の両方に
そのような装置をもつことにより、さらに大きな効果が
得られる。
【0027】締切板6,7の下流側に板ばね2がある場
合は、板ばね6は締切板6,7の穴16,17を通過し
た空気の乱れの影響を受け、板ばね2が振動しやすくな
り、検出の信頼性が低下する。しかし、この実施例では
板ばね2は締切板6,7の上流側にあるので、前記のこ
とが無く、正確に過大な流量を検出できるものである。
【0028】板ばね2の動作を検出するリミットスイッ
チ4、およびソレノイド5をダクト内に設置しているの
で、ダクトの外部に出るのはその電線のみであり、ダク
トの密閉を容易にできるものである。
【0029】締切板6,7の孔16,17は長穴であ
る。丸穴に比べて長穴の方が、同じ寸法内では大きに開
口面積を取ることができ、通風抵抗を小さくできるもの
である。
【0030】次に、本発明の車内圧力緩和効果の一例と
して、車外圧力変化時の車内圧力変化を図10により説
明する。示したものは非常に高速度、例えば300km
/hでトンネルを通過する列車の先頭車に起こる典型的
な車外圧力変化である。図10の上段は車外圧力変化
と、シミュレーションにより算定した本発明の換気装置
を有する車両の車内圧力の変化を示している。外部にお
ける圧力はトンネルへの突入の開始と共に上昇を開始
し、15秒をいくらか上回る程度の時間の中におよそ+
300mmH2Oの高い値まで上昇し、次に、−500
mmH2Oの高い値まで急激に下降する。それ以後は、
徐々に通常のレベルまで戻る。図10の中段と下段はそ
れぞれ給気ファン風量、排気ファン風量の応答を図解し
たものである。初期の外部の圧力上昇が起こるにつれ、
給気流量は急速に上昇し、数秒内で35m3/minの
しきい値(所定値)に達する。これによって給気系の板
ばね2が下流側に曲がり、リミットスイッチ4の接点を
閉じ、給気の可動式締切板6は速やかに給気ダクトを閉
じる。この段階では、正圧であるので排気ダクトは閉じ
ない。正圧であるので、排気系の送風機52の流量が低
下することによって車内の過剰な圧力低下が防止でき
る。外部圧力に拘らず、給気装置のタイマ30はこのと
き給気ダクトを時間T1(この場合およそ15秒に設定
される)ほど締切ったままにしている。その後、ソレノ
イド5が解除されて、戻しばね8が締切板6を動作させ
締切装置を開くので、給気は再開される。この時には、
外部圧力はさほど極端ではなく、したがって結果的に給
気流量は定格流量RFよりも若干上にあるもののしきい
値Tよりは低くなる。したがって、給気ダクトおよび排
気ダクトは開いたままである。その後、外部圧力は上述
の如く急激に負圧に落ちる。このため、給気流量の低下
を引き起こし、給気の板ばね2が締切板6を作動させる
ことはない。しかし、排気流量は外部圧力の低さ故に急
激に増しており、排気流量はしきい値Tまで急速に上昇
して時間T1ほど排気ダクトの締切板6を閉じる。この
場合の吸気と排気の締切板6の閉じ時間T1は同じ程度
でよい。15秒経過後、ソレノイド5は停止して排気ダ
クトは再び開く。しかし、外部圧力はなお非常に低く、
結果的に排気部を通る全流量はまだしきい値より上であ
る。極めて素早く、板ばね2はもう一度リミットスイッ
チ4を打ち、排気ダクトは短い時間T2、例えば板ばね
2が作動するのにかかる時間に相当する2秒から5秒の
後、再び閉じる。更にもう15秒経過後、再び締切板6
は開放される。このように排気流量がしきい値Tよりも
低い状態になるまで、「締切板6の15秒間の閉じ動作
−開放」が繰り返される。締切板6を開放した時点で空
気流量がしきい値Tよりも低ければ締切板6は再び閉じ
ることは無く、換気は通常通り行われることになる。こ
の結果、図10の上段に示すように、外部で発生してい
る圧力が非常に高く急激な変動にも拘らず、車内の圧力
変動を比較的低く保つことになるのかがわかる。車内の
圧力状態は図8の領域“X”内に保たれ、乗客は不快を
感ずることはない。
【0031】かかる構成によれば、板ばね2とリミット
スイッチ4と締切装置6、7とタイマ30の組合せによ
り、従来技術における圧力センサ及び連続的に読み取り
をモニタするための回路の演算処理やその読み値を基準
しきい値と比較する等の制御装置を省略することができ
る。また、従来技術では、センサと制御装置を動かすた
めには特殊な低電圧のDC電源が必要とされていた。そ
の代わりとして、リミットスイッチ4と板ばね2とを組
み合わせて用いているので、板ばね2は基準値なるもの
を持った連続センサとしての役目を果たしている。この
ため、構成を簡単にできるものである。板ばね2は丈夫
で、公知の感知回路と違って、電気騒音や類似のものか
らの干渉を受け難いという利点を有する。
【0032】次に、本発明による第2実施例を図11に
よって説明する。同図において第1実施例と同一符号は
同一部材を示すものである。本実施例の前記第1実施例
との相違点はダクト側に取付けたピボット61に剛性の板
2xが取付けられており、これは該板2xの上流側ダク
トへ固定された支え62へ接続された引張ばね60の復
元力に逆らうように動く。定格流量時に板2xをばね力
に対し直角に保つために上流側には特別なストッパ部材
3xが必要になっている。
【0033】このような構成によれば、引っ張りばね6
0の性能あるいは板2xの大きさを変更するだけで容易
に締切装置の特性を変えられる。このことにより、最適
条件で換気が行なえる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、車
両の高速走行時における車外の圧力変動の車内への伝播
を抑制できると共に、換気を適宜行うことができるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による換気装置の一実施例を示す破断斜
視図である。
【図2】本発明による換気装置の第1実施例の換気系統
を示した車両の概略側面図である。
【図3】図1のA−A視断面図である。
【図4】図1のB−B視断面図である。
【図5】図1のC−C視断面図である。
【図6】締切板の取付状態を示した図4の中間部下方の
断面図である。
【図7】板ばねの変位と装置を通る流量との関係を示す
グラフである。
【図8】耳つんの許容限界図である。
【図9】本発明による換気装置の一実施例における制御
系の回路図である。
【図10】本発明による換気装置の一実施例を備えた列
車の先頭車についてトンネル通過時の典型的な圧力変動
と換気のパラメータを示したグラフである。
【図11】本発明による換気装置の第2実施例を示した
図3に相当する断面図である。
【符号の説明】
2…板ばね、4…リミットスイッチ、5…直線動作型ソ
レノイド、6…可動式締切板、7…固定式締切板、8…
戻しばね、30…タイマ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 雅一 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 (72)発明者 壱岐尾 篤 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の内部から外部へまたは外部から内部
    に送風している換気ダクトを、トンネル内において閉
    じ、閉じてから所定時間後に開くこと、 を特徴とする車両の換気方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両の換気方法におい
    て、前記換気ダクト内の流量が所定値以上になることに
    よって、前記閉じ動作を行うこと、を特徴とする車両の
    換気方法。
  3. 【請求項3】車両の内部から外部へ送風している排気ダ
    クトと、該排気ダクトを閉じる排気用締切手段と、車両
    の外部から内部へ送風している給気ダクトと、該給気ダ
    クトを閉じる給気用締切手段と、からなり、 車両の外部の圧力が所定以上の正圧の期間において、前
    記給気締切手段を閉じ、閉じてから所定時間後に開き、 車両の外部の圧力が所定以上の負圧の期間において、前
    記排気締切手段を閉じ、閉じてから所定時間後に開くこ
    と、 を特徴とする車両用換気装置の制御方法。
  4. 【請求項4】給気用または排気用の換気ダクト内に設置
    され、該換気ダクトの空気流路を開閉する締切手段と、 前記換気ダクトの空気流量を検出する検知手段と、 該検知手段の動作によって前記締切手段を閉動作させ、
    所定時間後に前記締切手段を開動作させる駆動手段と、 からなる車両用換気装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の車両用換気装置におい
    て、前記駆動手段は前記締切手段を閉動作させてから所
    定時間の後、前記開動作をさせる計時手段を有するこ
    と、を特徴とする車両用換気装置。
  6. 【請求項6】車両の外部から内部へ空気を導くための給
    気ダクトと、該給気ダクトに送風するための給気用送風
    機と、前記給気ダクトの空気流路を開閉する給気用締切
    手段と、前記給気ダクトを流れる空気流量が所定値以上
    の場合にそれを検出する給気用検知手段と、該給気用検
    知手段の検出によって前記給気用締切手段を閉動作さ
    せ、所定時間後に前記給気用締切手段を開動作させる給
    気用駆動手段と、 車両の内部から外部へ空気を排出するための排気ダクト
    と、該排気ダクトに送風するための排気用送風機と、前
    記排気ダクトの空気流路を開閉する排気用締切手段と、
    前記排気ダクトを流れる空気流量が所定値以上の場合に
    それを検出する排気用検知手段と、該排気用検知手段の
    検出によって前記排気用締切手段を閉動作させ、所定時
    間後に前記排気用締切手段を開動作させる排気用駆動手
    段と、 を有する車両。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の車両において、前記のそ
    れぞれの駆動手段は前記それぞれの締切手段を閉動作さ
    せてから所定時間の後、前記開動作をさせる計時手段を
    有すること、を特徴とする車両。
  8. 【請求項8】請求項6項に記載の車両において、前記そ
    れぞれの駆動手段はリニアソレノイドであり、該リニア
    ソレノイドの故障を検出する熱動継電器と前記送風機の
    故障を検出する熱動継電器とを備え、前記それぞれの熱
    動継電器を前記送風機の電源を投入する電磁接触器に直
    列に設けたこと、を特徴とする車両。
JP7130053A 1991-02-08 1995-05-29 車両の換気方法およびその装置 Pending JPH0880850A (ja)

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