JPH088073B2 - カラーブラウン管 - Google Patents

カラーブラウン管

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JPH088073B2
JPH088073B2 JP27968792A JP27968792A JPH088073B2 JP H088073 B2 JPH088073 B2 JP H088073B2 JP 27968792 A JP27968792 A JP 27968792A JP 27968792 A JP27968792 A JP 27968792A JP H088073 B2 JPH088073 B2 JP H088073B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシャドウマスクを具備す
るカラーブラウン管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラーブラウン管のシャドウマスクは規
則正しく配列された微細孔を多数有するが、この微細孔
を通過する電子ビームは全体の約1/3以下であり、残
りの電子ビームはシャドウマスクに射突するため、シャ
ドウマスクが加熱され、熱膨張を生じて色純度を劣化さ
せてしまうという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、シャドウマ
スクを有するカラーブラウン管では、熱膨張に起因する
ビーム移動量の抑制が必要とされ、その手段としてシャ
ドウマスク自体の構造、シャドウマスクとマスクサポー
トとの組立体構造の改善、さらにはシャドウマスク用材
料の検討などが行われているが、いまだ問題の解決に至
っていない。
【0004】特にシャドウマスク用材料としては、従来
一般には軟鋼が素材として使用されているが、軟鋼はプ
レス成形性は良好であるが、熱膨張係数が約12×10
6/℃と大きく、電子ビームの照射により加熱され熱
膨張を生じて色純度を劣化させてしまうという問題があ
った。また熱膨張による変形を防止するため、熱膨張係
数の小さいFe−Ni系のインバー(登録商標)合金の
使用が提案されており、近時例えば特開昭59−598
61号公報によってもそれらが開示されている。
【0005】しかしこれらのFe−Ni合金を素材とす
るシャドウマスクは熱膨張係数は小さいが機械的強度が
十分でなくシャドウマスク製造およびカラーブラウン管
製造中のマスクの取扱い時や使用時にマスク変形を生じ
色純度の劣化が問題とされている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記の問題点を
解決するため、Fe−Niを主成分とし、これにさらに
添加元素を含む合金で、かつ析出強化処理後の析出強化
相がNixXy(但しX:Al,Ti,Nb,Ta,Z
r等の一種もしくは複数の元素、x:2〜4、y:0.
5〜1.5)であり、しかも20℃〜100℃の平均熱
膨張係数が6×10〜6/℃以下である析出強化型Fe
−Ni系合金からなり、使用時には機械的強度が高く、
かつ低膨張係数を有した析出強化型Fe−Ni系合金か
らなるシャドウマスクを具備したカラーブラウン管を提
供するものである。
【0007】
【作用】本発明は、Fe−Niを主成分とし、これにさ
らに添加元素を含む合金で、かつ析出強化処理後の析出
強化相がNixXy(但しX:Al,Ti,Nb,T
a,Zr等の一種もしくは複数の元素、x:2〜4、
y:0.5〜1.5)であり、しかも20℃〜100℃
の平均熱膨張係数が6×10〜6/℃以下である析出強
化型Fe−Ni系合金からなるもので、析出強化するこ
とにより、プレス成形性、低膨張係数及び機械的強度を
所望のものとすることができる。
【0008】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。
【0009】図1は本発明になるカラーブラウン管の一
実施例を示す一部切欠断面図で、図において1はバル
ブ、2は電子銃、3は浅皿状のシャドウマスクで、この
シャドウマスク3は後述するような組成の析出強化型イ
ンバー系合金から構成されている。4は蛍光面、5はマ
スクサポートで、このマスクサポート5で前記シャドウ
マスク3を保持している。6は複数個の支持体、7はバ
ルブ1に植設されたパネルピンで前記支持体の自由端が
これと係合する構造である。また図2は図1の要部拡大
図、図3は図1の蛍光面4側からみた一部切欠平面図で
ある。図2及び図3において、シャドウマスク3はその
スカート部3aをマスクサポート5の縦フランジ5aの
外側面5a1に溶接等により固定しており、また支持体
6もその一端を外側面5a1に固定し、自由端はパネル
ピン7に係合する構成となっている。また3bはマスク
孔である。さらに、シャドウマスク3は一点鎖線で示す
ように、マスクサポート5の内側面5a2に固定しても
よい。5bはマスクサポート5の横フランジで管軸(図
示せず)方向へ延在している。
【0010】次に、図4は本発明のカラーブラウン管の
他の実施例を示す要部断面図で、この実施例では前述し
たと同様な析出強化型Fe−Ni系合金からなるシャド
ウマスク13を有し、このシャドウマスク13はマスク
サポート15の縦フランジ15aに直接固定せず両者が
間隔Lを有して中間部材18を介して固定している。こ
の固定方法によればマスクサポート15とシャドウマス
ク13とがたとえ熱膨張係数の異なる材料で構成されて
いても、マスクサポート15によってシャドウマスク1
3が変形を受けることを軽減できる。
【0011】また、図5は本発明のカラーブラウン管の
さらに他の実施例を示す要部断面図で、この実施例では
前述と同様な析出強化型Fe−Ni系合金からなるシャ
ドウマスク23のスカート部23aの開放端側に突起2
3a1を複数個設け、この突起23a1によってシャドウ
マスク23をマスクサポート(図示せず)に固定したも
のである。このような構造によれば、前述したようなマ
スク変形を同様に防止できる。
【0012】また、図6は本発明のカラーブラウン管の
さらに他の実施例を示す要部断面図で、この実施例では
前述と同様なFe−Ni系合金材からなるシャドウマス
ク33のスカート部33aに開放端側から切込み33a
1を設け、切込み33a1に挟まれた舌片33a2部分で
図示しないマスクサポートと固定したものである。この
ような構造によればシャドウマスクとマスクサポートと
が同一材料でもマスク変形を防止できる。さらにまた、
シャドウマスクのスカート部から有孔面の周縁の無孔領
域にかけて例えば実公昭55−52610号公報に示す
ような機械的強度の調整可能な構成とすることも可能で
ある。
【0013】次に、前述したような本発明のカラーブラ
ウン管のシャドウマスクに使用する材料について説明す
る。なお、説明の便宜上シャドウマスクの製造からカラ
ーブラウン管完成迄の製造工程を簡単に説明する。
【0014】まず、シャドウマスクは原板に多数のマス
ク孔をエッチングによって穿設する。この場合原板の性
状がマスク孔の形状,寸法の均一性,作業性等に大きな
影響を与える。次に、多数のマスク孔を有するマスク原
板をプレス成形するが、プレスに先立ち高温熱処理が必
要であればレベラかけを行いプレス性を向上させる。換
言すればマスク原板の0.2%耐力をプレスに適合する
程度に低下させる。この高温熱処理は通常約800℃程
度もしくはそれより高い温度で行う。次に、成形された
シャドウマスクを洗浄した後、黒化処理を行う。この処
理によりシャドウマスク表面に酸化膜が生成され防錆が
可能となる。次にシャドウマスクをマスクサポートと固
定し、さらに必要な数の支持体をマスクサポートに固定
することによりシャドウマスク組立体を形成する。
【0015】一方、パネル内面に蛍光体と感光性結合剤
等を含む薄膜を形成したのち、前記シャドウマスク組立
体をパネル内に仮装着し、前記薄膜を光源からの光でこ
のシャドウマスクを介して露光したのち、シャドウマス
ク組立体を取外し、パネル内面を現像して所望の配列か
らなる蛍光体ドット(ストライプ)をパネル内面に形成
する。この塗布−露光−現像工程は蛍光体の各色毎に行
われ、さらに必要であればブラックマトリックスの形成
も行われる。続いて必要な蛍光体配列、更に要すればブ
ラックマトリックス膜を備えた蛍光膜上にメタルバック
層を被着する。このメタルバック層は一般にはアルミニ
ウムの蒸着膜が用いられる。メタルバックが終了したパ
ネル部はパネルベークと呼称される熱処理(温度約35
0〜450℃)を施し、続いてパネル部内に前記露光で
使用したシャドウマスク組立体を装着した状態でネック
部を有するファンネル部を組合わせて両者間をフリット
ガラスを介して封緘する。続いてネック部内に電子銃を
挿入したのち封止を行い、排気(温度300〜400
℃)を行ってカラーブラウン管を製造する。
【0016】カラーブラウン管は、前述から明らかなよ
うにシャドウマスクを蛍光面露光時のマスクとして使用
し、かつ完成球においては同じシャドウマスクを電子ビ
ーム選択手段として用いることから、露光時と完成球に
おけるマスク孔の位置は常に不変であることが最低条件
となる。またこのため、製造工程中に変形が生じないこ
とは勿論のこと、カラーブラウン管の動作中においても
熱変形しないことが要求されており、シャドウマスクの
強度確保は極めて重要である。また、蛍光面の精細度の
高い例えば端末用カラーブラウン管では、ドットピッチ
が小さいため、ドーミングによるビーム移動量は特に問
題となる。
【0017】このような観点から本発明のシャドウマス
クに使用する材料は次の条件を満足するものである。す
なわち、(1)熱膨張係数は従来のシャドウマスク材で
ある軟鋼板の約半分の6×10〜6/℃以下であり、
(2)プレス成形時は従来のインバー合金製シャドウマ
スクと同等以上の加工性をもち、(3)しかも使用時の
シャドウマスク強度は従来のインバー合金製シャドウマ
スクより飛躍的に改善するという三つの条件を同時に満
足するものである。これらの条件を満足する思想は前述
した公開公報及び従来技術には開示されていない。
【0018】従って、これら三つの条件を同時に満足す
る材料としては、本発明者等の長年に亘る実験,研究の
結果、インバー合金またはスーパーインバー合金として
知られる低膨張合金を析出強化型に改善することによっ
て達成できることが明らかとなり、特にシャドウマスク
のプレス成形前の高温熱処理で軟化し、しかもプレス成
形後に行われる熱処理、例えば前述した黒化処理あるい
はスタビライズ処理等の低温熱処理で析出強化し、かつ
それ以降のカラーブラウン管の製造工程、さらにはカラ
ーブラウン管の使用時の雰囲気温度などによって強度劣
化が生じないものである。
【0019】本発明のカラーブラウン管に用いるシャド
ウマスクは、Fe−Niを主成分(これらの合計が80
重量%以上)とし、Al,Ti,Nb,Ta,Zr,C
o,Si,Mn,W,Cr,Moの1種もしくは複数の
添加元素を含む合金で、かつ析出強化処理後NixXy
(但しXはAl,Ti,Nb,Ta,Zrから選ばれる
1種もしくは複数の元素、xは2〜4、yは0.5〜
1.5)の析出強化相を形成させたものである。上記析
出強化相はインバーまたはスーパーインバーの基地のオ
ーステナイト相と整合性が高いので、容易に析出が生
じ、また析出強化の度合も大きい。そこで、インバーま
たはスーパーインバーの組成に上記析出強化相の組成を
組み合わせることによって、20℃〜100℃の平均熱
膨張係数が6×10〜6/℃以下望ましくは4×10〜6
/℃以下で、かつ機械的強度を飛躍的に改善したもので
ある。
【0020】本発明のカラーブラウン管に用いるシャド
ウマスク材料において各合金元素は下記の作用を有す
る。
【0021】NiはFeとともに基地組成を形成し、そ
の含有量が重量%(以下同じ)で30〜50%、望まし
くは35〜45%において合金の熱膨張係数を最小にす
る作用がある。
【0022】Ti,Al,Nb,TaおよびZrはいず
れもNiの一部と結合し、Ni3Xを基本型とするNi
xXy型の金属間化合物を析出させ、合金の強度を高め
る作用がある。これらの元素のうち析出強化作用の顕著
なものはTiであり、本発明のカラーブラウン管に用い
るシャドウマスク用の合金はTiを1%以上含むことが
望ましいが、Tiの量が5%を越えると熱膨張係数が大
きくなり合金の加工性が劣化するので好ましくない。A
l,Nb,TaおよびZrはそれぞれ単独またはTiの
一部を代替して合金を析出強化する作用があるので適当
量添加することができるが、4%を越えるAl、10%
を越えるNbあるいはTa、1%を越えるZrは合金の
加工性を劣化させるので好ましくない。
【0023】Cr,Mo,及びWは本発明のカラーブラ
ウン管に用いるシャドウマスク材料においてTi,A
l,Nb,Ta,Zr等の析出強化元素の固溶度を低
め、NixXy型金属間化合物の析出を促進させる作用
があるので、若干量添加できるが、いずれも10%を越
えると合金の熱膨張係数を高めるので好ましくない。特
にCrは固溶化処理状態の耐力を低め、プレス成型性を
改善するのに効果を奏する。
【0024】Si,Mnは脱酸剤としての作用があり、
さらにMnは脱硫剤としての作用もあるので、若干量添
加することができるが、1%以上のSi、2%以上のM
nは合金の熱膨張係数を高めるので好ましくない。
【0025】Niを除くこれらの合金元素(Ti,A
l,Nb,Ta,Zr,Cr,Mo,W,Si,Mn)
は総量が10%を越えると合金の熱膨張係数を高めるの
で好ましくない。
【0026】Coは10%以下の範囲で等量のNiと置
換することにより合金の熱膨張係数を下げる作用があ
る。しかし10%を越えるCoは熱膨張係数を下げる作
用がないばかりでなく、合金の価格を過度に高めるので
好ましくない。
【0027】図8に組成例と析出強化処理後の特性を示
す。いずれの例でも比較用のインバー合金(27)に比
べて0.2%耐力および硬さが格段に高く、また平均熱
膨張係数は軟鋼(28)に比べて格段に小さい。
【0028】次に具体例を説明する。
【0029】(具体例1)試料No.1〜6の組成で、板
厚0.13mmの原板を用い、0.40mmピッチ、孔径
0.090mmの孔あきシャドウマスク原板をエッチング
により製造したのち、1000℃で1時間、窒素と水素
の混合ガス雰囲気中で溶体化処理を兼ねた焼鈍を行い孔
あきシャドウマスク原板を製造する。ついでこの原板を
プレス成形して15″用シャドウマスクを各3個合計1
8個形成した。これらのシャドウマスクを650℃で
0.5時間析出強化処理をかねた黒化処理後、図4に示
すようなシャドウマスク組立体を形成した。この場合、
中間部材としては0.15mm×30mm×18mmのステン
レス板を長辺では2枚/辺、短辺では1枚/辺として使
用し、またマスクサポートは1.6mm厚の軟鋼材を使用
し、L=0として両者を固定した。
【0030】このような工程を経て形成されたシャドウ
マスク組立体を使用して公知の方法でカラーブラウン管
を製造したのち、このカラーブラウン管をパネルの外面
を上向きとして木箱内に固定し、これを高さ30cmの位
置から落下させシャドウマスク強度を試験した。その結
果、本具体例1になるカラーブラウン管では、図9に示
した仕様からなる従来のカラーブラウン管と比較した結
果、シャドウマスクの変形は起こらなかった。
【0031】これに対し、仕様2のインバー材を用いた
ものではしわ状の永久変形が残り、カラーブラウン管の
画面に大きな欠陥が生じ実用できなかった。軟鋼を用い
た仕様1のものは、シャドウマスクの変形は本具体例1
のものとほぼ同等であったが、電気的特性、特にドーミ
ングによるビーム移動量が所望の範囲内におさまらず、
この点で問題があった。本発明のシャドウマスクはビー
ム移動量が少なく、従来の仕様1のものを100とすれ
ば本発明になるものは50以下となり、極めて良好な特
性を得ることができた。仕様2のものは、ビーム移動量
は40以下と良好であったが、シャドウマスク変形が大
きく、問題があった。従って本発明のものは、シャドウ
マスク変形防止とドーミング対策の両方を兼ね備えたも
のである。
【0032】図7は本発明によって特徴づけられたシャ
ドウマスクと従来のシャドウマスクとを用いた場合にお
けるドーミング特性、すなわち時間経過にともなってシ
ャドウマスク中心がどの程度ドリフトするかを示してい
る。同図において特性aは仕様1の軟鋼材より製造した
シャドウマスクを用いた場合、特性bは試料27の従来
のインバー合金より製造したシャドウマスクを用いた場
合、特性cは本発明の範囲内であるNi:39.8%,
Ti:1.7%,Al:0.3%,Cr:2%、残部は
不回避の不純物以外はFeよりなるものを用いた試料で
あって析出強化処理をしない場合、特性dは特性cを得
るために用いた試料を700℃で析出強化処理を行った
場合を示す。
【0033】これらの特性から明らかな通り、本発明に
なるシャドウマスクはドーミング特性の優れたものであ
る。
【0034】(具体例2)具体例1と同様な材料を用
い、図5に示すような舌片の幅を長辺側18mm、短辺側
14mm、長さ5.5mmを各辺の中心に各1個設け、かつ
角部は直付けの組立構造とした。
【0035】なお、比較用としては具体例1の仕様1,
2と同一とした。
【0036】これらにつきシャドウマスク変形およびド
ーミングによるビーム移動量を調べた結果、具体例1と
同様な結果を得ることができた。
【0037】従って、前述した各試料の組成でしかもプ
レス前の熱処理及び成形後の析出強化熱処理を施した本
発明のものはプレス成形も従来のインバー材と同等以上
に行うことができ、しかも完成したシャドウマスクの強
度は従来のインバー材を用いたものより飛躍的に向上
し、さらには20℃〜100℃の平均熱膨張係数が軟鋼
の約半分の6×10〜6/℃以下であるので、ドーミン
グによるビーム移動量を軟鋼製の従来球に比べ1/2以
下におさえることができるという優れた特徴を有してい
る。この熱膨張係数が6×10〜6/℃をこえるとビー
ム移動量を所望の範囲内におさめることができない。
【0038】またプレス成形前に望ましくは850℃以
上で溶体化処理したのちプレス成形後は別に設けた熱処
理、または管球の製造プロセスである黒化処理、スタビ
ライズ処理などにより、望ましくは400℃〜700℃
で析出強化させることができる。
【0039】また試料No.7のAl添加のものは穿孔エ
ッチング性が特に優れている。
【0040】また、前述の具体例ではシャドウマスクと
マスクサポートとを異種の金属として説明したが両者が
共に前述したような本発明に用いる組成からなる析出強
化型Fe−Ni系合金であれば熱変形をさらに軽減でき
色純度の向上が一層期待でき、さらに前述のマスクサポ
ート材も薄板とし、例えば特公昭59−13824号公
報に示すような構造としてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明はプレス成形前後で
強度を制御できるシャドウマスクを使用することを特徴
とするブラウン管を提供するものであり、カラーブラウ
ン管の製造工程、さらにカラーブラウン管の使用時のシ
ャドウマスクの強度が高く、変形を防止できると共に熱
膨張も小さい為、ドーミングによるビーム移動量が少な
いので色純度の向上が図れ、さらには精細な表示を可能
にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるカラーブラウン管の一
部破断側面図である。
【図2】本発明の一実施例によるカラーブラウン管の要
部拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施例によるカラーブラウン管の蛍
光面側から見た一部切欠平面図である。
【図4】本発明の他の実施例によるカラーブラウン管の
要部断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施例によるカラーブラウ
ン管の要部断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例によるカラーブラウ
ン管の要部断面図である。
【図7】本発明によるカラーブラウン管と従来のカラー
ブラウン管のドーミング特性を示す図である。
【図8】本発明が係わる合金の組成例と比較用インバー
合金の特性を示す図である。
【図9】本発明によるカラーブラウン管のシャドウマス
クと比較した従来のシャドウマスクの仕様を説明する図
である。
【符号の説明】
1・・・バルブ 2・・・電子銃 3,13,23,33・・・シャドウマスク 4・・・蛍光体 5,15・・・マスクサポート 6・・・支持体。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で30〜50%のNi、0.3〜1
    0%以下のCr、析出強化添加元素として、Al,T
    i,Nb,Ta,Zrの1種もしくは複数種を含み、ま
    たはさらに、10%以下のW,10%以下のMoを含
    み、残部不可避不純物およびFeからなり、かつ析出強
    化処理後の析出強化相がNixXy(但しXはAl,T
    i,Nb,Ta,Zrから選ばれる一種もしくは複数の
    元素、xは2〜4、yは0.5〜1.5)であり、該析
    出強化処理後のビッカース硬さが185を越え、しかも
    20℃〜100℃の平均熱膨張係数が6×10〜6/℃
    以下である析出強化型合金からなるシャドウマスクを具
    備したことを特徴とするカラーブラウン管。
  2. 【請求項2】重量%で30〜50%のNi、2%以下の
    Mn、析出強化添加元素としてAl,Ti,Nb,T
    a,Zrの1種または複数種を含み、またはさらに10
    %以下のW,10%以下のMoを含み、残部不可避不純
    物およびFeからなり、かつ析出強化処理後の析出強化
    相がNixXy(但しXはAl,Ti,Nb,Ta,Z
    rから選ばれる一種もしくは複数の元素、xは2〜4、
    yは0.5〜1.5)であり、該析出強化処理後のビッ
    カース硬さが185を越え、しかも20℃〜100℃の
    平均熱膨張係数が6×10〜6/℃以下である析出強化
    型合金からなるシャドウマスクを具備したことを特徴と
    するカラーブラウン管。
  3. 【請求項3】重量%で30〜50%のNi、2%以下の
    Mn,0.3〜10%のCr,析出強化添加元素として
    Al,Ti,Nb,Ta,Zrの1種または複数種を含
    み、またはさらに10%以下のW、10%以下のMoを
    含み、残部不可避不純物およびFeからなり、かつ析出
    強化処理後の析出強化相がNixXy(但しXはAl,
    Ti,Nb,Ta,Zrから選ばれる一種もしくは複数
    の元素、xは2〜4、yは0.5〜1.5)であり、該
    析出強化処理後のビッカース硬さが185を越え、しか
    も20℃〜100℃の平均熱膨張係数が6×10〜6
    ℃以下である析出強化型合金からなるシャドウマスクを
    具備したことを特徴とするカラーブラウン管。
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