JPH0880516A - 抜き中子を有するブロック用型枠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート等を成形する型枠に関し、成形
されるブロック体に通孔を貫設するための抜き中子の着
脱作業が容易、且つ確実に行える抜き中子を有するブロ
ック用型枠を提供することを目的とする。 【構成】 枠体の側板２、２間に渡って挿通され、且つ
その一端部に設けた当て板４が側板２の外側に当接する
とともに、他端部に設けられる締結部によって棒状の中
子３が枠体に装着されてなるブロック用型枠１であっ
て、前記締結部が中子３の端面から突出するボルト５と
中子３の断面最小寸法よりも小径で該ボルト５に螺合す
るナット６及び凹状部１０を形成した座金９とからな
り、該座金９は枠体の外部において側板２間とに間隔を
保持し、且つ移動自在に設けられるとともに、その凹状
部１０には前記中子３のボルト５が係合し、座金９を介
してナット６が螺締されることにより枠体に中子３が締
結されてなることにある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート等を成形
するブロック用型枠に関し、更に詳しくは成形されるブ
ロック体に通孔を貫設するための抜き中子を有するブロ
ック用型枠に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の抜き中子を有する型枠としては、
例えて図１３に示すような型枠２０があり該型枠２０に
おける中子装着方法は、図１４乃至図１７に示すように
対向する側板２０ａ、２０ａの一方に中子２１の断面形
状と相似形で、且つ該断面形状よりも稍大きい通孔２２
を設け、他方の側板２０ａにはその外側に補強板２３を
添着するとともに、ボルト挿通孔２４を貫設して型枠２
０としている。

【０００３】棒体の一端部に当て板２５を設け、他端部
にはボルト２６が突設されてなる中子２１を前記型枠２
０に装着するにあたっては、ボルト２６を有する側を先
端として通孔２２側から挿入するとともに、ボルト２６
をボルト挿通孔２４に挿通する。そして、中子２１の締
結にあたっては、その当て板２５を側板２０ａの外側面
と、又ボルト２６を突設せる端面２１ａを側板２０ａの
内側面に当接させるとともに、側板２０ａの外部に突出
するボルト２６にナット２７を螺締することにより行っ
ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の中子を有す
る型枠では、型枠２０に添着され、且つボルト２６より
も稍大きいボルト挿通孔２４が貫設された補強板２３を
ナット２７の当たりとしてボルト２６と締結しているた
め、型枠２０内に充填されたコンクリート等が硬化した
後に行う中子２１の引抜き時にはナット２７をボルト２
６から完全に取り外す必要があり、又、中子２１の締結
時においても一からナット２７を螺合する必要がある。
何れにしても相当数回転を与えなければならないから、
中子２１の脱着作業が非常に煩雑になるという問題があ
った。又、ボルト２６から取り外されたナット２７を紛
失するという欠点もある。

【０００５】更に、中子２１が装着された型枠２０内に
流動体たるコンクリートを充填する際には、中子２１の
端面２１ａと型枠２０の側板２０ａの内面間とに形成さ
れる隙間にコンクリートのペースト分が入り込み、ひい
てはボルト挿通孔２４からボルト２６のネジ部に流れ込
む。従って、コンクリート硬化後には、ナット２７の取
り外し作業に支障を来すとともに、該所の掃除を怠ると
中子２１の装着時にナット２７が螺合できず、中子２１
が締結できないという大なる問題点がある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】即ち、本発明の上記課題
を解決するための手段は、枠体の側板２、２間に渡って
挿通され、且つその一端部に設けた当て板４が側板２の
外側に当接するとともに、他端部に設けられる締結部に
よって棒状の中子３が枠体に装着されてなるブロック用
型枠１であって、前記締結部が中子３の端面から突出す
るボルト５と中子３の断面最小寸法よりも小径で該ボル
ト５に螺合するナット６及び凹状部１０を形成した座金
９とからなり、該座金９は枠体の外部において側板２間
とに間隔を保持し、且つ移動自在に設けられるととも
に、その凹状部１０には前記中子３のボルト５が係合
し、座金９を介してナット６が螺締されることにより枠
体に中子３が締結されてなる抜き中子を有するブロック
用型枠を提供することにある。

【０００７】

【作用】本発明は、上記のような構成からなるため、側
板に設けられる座金を中子の挿通に支障を来さない位置
まで移動させることにより、中子にナットを螺合した状
態で型枠への着脱が容易に行えるという作用がある。
又、中子のナットを緩める際は、座金との締結が解除さ
れるべく少許回転を与えるだけでよく、又、締め付ける
際には上記解除状態と同位置にナットが位置するから、
少許の回転を与えることで座金との締結が行え、ナット
の取り外し作業が省けるという作用があるとともに、ナ
ットの紛失も防止できる。更に、締結部が型枠から離隔
して設けられることにより、型枠からコンクリートのペ
ーストが漏れても中子締結部に付着することがなく、常
に確実な締結が行えるという作用も奏する。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に従って説明
する。図１に示すように、枠状のブロック用型枠１は、
対向せる側板２、２間に渡って中子３がそれぞれ挿通さ
れてなるものであり、該中子３は図２及び図３に示すと
おり、断面略楕円形の棒状で該棒状体の一端部に当て板
４を設け、他端部の端面３ａにボルト５を突設するとと
もに、中子３の断面最小寸法Ｘよりも小径寸法Ｙでボル
ト５に螺合するナット６とからなる。

【０００９】ブロック用型枠１の締結部は、図１及び図
４乃至図７に示すように、片側の側板２の外側面におい
て中子３の断面形状と相似形で、且つ該断面形状よりも
稍大きく形成された通孔７を挟んで係止片８、８が外突
され、該係止片８、８には側板２間とに間隔を保持する
とともに、左右方向へスライド移動自在な座金９が設け
られ、且つ前記中子３に突設されたボルト５に係合する
Ｕ字形の凹状部１０が座金９の側端に形成されてなる。

【００１０】中子３は、図１及び図４乃至図７に示すよ
うに、対向せる側板２、２に穿設された通孔７、７間に
渡ってボルト５及びナット６を有する側を先端として挿
通される。そして、中子３の挿通にあたっては、図４及
び図５に示すように、前記締結部の座金９を左方向にス
ライド移動させた状態で行う。このとき、中子３のボル
ト５にはナット６が螺合されてなるが、図３に示すとお
りナット６の外径Ｙは、中子３の断面最小寸法Ｘよりも
小径であるためにナット６が通孔７を通過可能であり、
且つ座金９はスライド移動して係止片８、８間が開放状
態であるから、ボルト５及びナット６の挿通を阻害する
ものがない。

【００１１】この状態は、中子３とブロック用型枠１と
の締結を解除した状態でもあって、ブロック用型枠１内
に充填されたコンクリート等が硬化した後に行う中子３
の引抜き作業が前述の状態と同様に中子３にナット６を
螺合したままで行えることとなる。

【００１２】ブロック用型枠１に中子３が挿通された状
態（図４及び図５）から続いて中子３を締結する場合
は、図６及び図７に示すように、座金９を右方向にスラ
イド移動させて係止片８、８間に横架する。このとき、
凹状部１０がボルト５に係合し、ナット６が座金９の外
側に位置するとともに、座金９と側板２間とに空所１１
が形成されて中子３の端面３ａが該空所１１に位置す
る。この状態でナット６に少許の回転を与え螺合するこ
とにより、座金９を当たりとして中子３がブロック用型
枠１に締結される。又、締結を解除するには、座金９が
スライド移動可能となるべくナット６を少許緩めるだけ
でよく、ナット６をボルト５から取り外す必要がない。

【００１３】尚、上記実施例においては中子３の断面形
状が略楕円形に形成されてなるが、中子の断面形状はこ
れに限定されず種々変更可能で、要は中子の断面最小寸
法よりも小径のナットが具備されてなればよい。

【００１４】更に、座金９の移動方法も上記実施例のも
のに限らず、例えて図８及び図９に示すように、座金９
の一端部に支軸１２を設けて上下方向に回動自在とし係
止片８上に横架してもよく、又、図１０乃至図１２に示
すように、座金９に嵌合部９ａを形成して上方向に取り
外し自在に横架してもよい。

【００１５】

【発明の効果】叙上のように本発明は、型枠と中子とが
型枠に設けられる移動自在な座金と中子のボルトに螺合
される中子の断面最小寸法よりも小径寸法のナットとか
らなるブロック用型枠であるために、中子の着脱に際し
ては座金を中子の着脱に支障を来さない位置まで移動さ
せることにより、ナットを螺合した状態で中子の挿入も
しくは引抜きが容易に行えるという大なる効果を有する
に至った。

【００１６】又、移動自在な座金をナットの当たりとし
ているため、中子のナットを緩める際は、座金とナット
の締結が解除されるべく少許回転を与えるだけで済み、
又、締め付ける際には上記解除状態と同位置にナットが
位置するから少許の回転を与えることで座金との締結が
可能となり、ナットの締め付けもしくは緩め作業が非常
に簡素化されるという優れた効果を奏するとともに、ナ
ットをボルトから取り外すことがないから、ナットを紛
失しないという有益なる効果をも奏する。

【００１７】更に、締結部が型枠の外部においてその側
板間とに間隔を保持し、空所を形成して設けられている
ため、中子を挿通する通孔からコンクリートのペースト
分が漏れても、ペースト分は空所から落下して中子のボ
ルト、ナットに付着することがなく、ボルト、ナットの
締め付けもしくは緩め作業に支障を来すことなく常に確
実な締結が行えるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るブロック用型枠の斜視図。

【図２】中子の斜視図。

【図３】中子とナットの関係を示す正面図。

【図４】座金と中子が解放された状態を示す一部切欠平
面図。

【図５】同一部切欠正面図。

【図６】座金と中子が締結された状態を示す一部切欠平
面図。

【図７】同一部切欠正面図。

【図８】締結部の他実施例を示す一部切欠正面図。

【図９】同平面図。

【図１０】締結部の他実施例を示す一部切欠正面図。

【図１１】同側面図。

【図１２】同平面図。

【図１３】従来型枠の斜視図。

【図１４】同一部切欠平面図。

【図１５】同一部切欠正面図。

【図１６】同一部切欠正面図。

【図１７】同締結部の一部切欠断面図。

【符号の説明】

１‥ブロック用型枠 ２‥側板 ３‥中子 ４‥当て板 ５‥ボルト ６‥ナット ７‥通孔 ８‥係止片 ９‥座金 １０‥凹状部 １１‥空所

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 枠体の側板（２）、（２）間に渡って挿通され、且つそ
   の一端部に設けた当て板（４）が側板（２）の外側に当
   接するとともに、他端部に設けられる締結部によって棒
   状の中子（３）が枠体に装着されてなるブロック用型枠
   （１）であって、前記締結部が中子（３）の端面から突
   出するボルト（５）と中子（３）の断面最小寸法よりも
   小径で該ボルト（５）に螺合するナット（６）及び凹状
   部（１０）を形成した座金（９）とからなり、該座金
   （９）は枠体の外部において側板（２）間とに間隔を保
   持し、且つ移動自在に設けられるとともに、その凹状部
   （１０）には前記中子（３）のボルト（５）が係合し、
   座金（９）を介してナット（６）が螺締されることによ
   り枠体に中子（３）が締結されてなることを特徴とする
   抜き中子を有するブロック用型枠。