JPH0877910A - ヒューズ抵抗器 - Google Patents

ヒューズ抵抗器

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JPH0877910A
JPH0877910A JP23438994A JP23438994A JPH0877910A JP H0877910 A JPH0877910 A JP H0877910A JP 23438994 A JP23438994 A JP 23438994A JP 23438994 A JP23438994 A JP 23438994A JP H0877910 A JPH0877910 A JP H0877910A
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heating
insulating substrate
heating resistor
resistor
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JP23438994A
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Inventor
Yoshito Kasai
良人 河西
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Okaya Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Okaya Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発熱抵抗体の抵抗値を極端に高く設定した
り、絶縁基板を極端に割れ易くすることなく、過電流の
通電を確実に遮断できるヒューズ抵抗器の実現。 【構成】 絶縁基板の前面12cに前面側発熱抵抗体18を
被着し、背面12dに第1の背面側発熱抵抗体28と第2の
背面側発熱抵抗体30を間隔32を隔てて被着して、前面12
cの中央部に加熱領域α1を形成し、その両側を非加熱
領域β1,β2と成し、背面12dの中央部を非加熱領域β
3と成すと共に、その両側に加熱領域α2,α3を形成
し、前面側発熱抵抗体18の一端に第1の外部端子24を接
続し、前面側発熱抵抗体18の他端と第1の背面側発熱抵
抗体28の一端を第1の導電パターン40を介して接続し、
また第1の背面側発熱抵抗体28の他端と第2の背面側発
熱抵抗体30の一端とを、砕裂線(イ)に直交する第2の
導電パターン42を介して接続し、第2の背面側発熱抵抗
体30の他端に第2の外部端子44を接続した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、絶縁基板の表面に被
着した発熱抵抗体の、過電流の通電による発熱作用によ
って上記絶縁基板を砕裂させ、以て通電路である発熱抵
抗体を切断することにより、過電流の通電を遮断するよ
う構成したヒューズ抵抗器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、過電流から電子回路素子等を保護
するための過電流遮断手段として、図9に示すヒューズ
抵抗器が用いられている。このヒューズ抵抗器70は、ア
ルミナやフォルステライト等の絶縁基板72の一面に、酸
化ルテニウム等の発熱抵抗体74を被着形成し、該発熱抵
抗体74の両側辺に取り出し用の電極パターン76,76を被
着接続し、該電極パターン76,76の下端に外部端子78,
78をハンダ80,80や導電性接着剤を介して接続して成
る。絶縁基板72の上辺72aの中央部にはベース型の上部
切欠部84が、また絶縁基板の下辺72bの中央部には逆ベ
ース型の下部切欠部86がそれぞれ形成されている。さら
に、上記発熱抵抗体74の表面には、沿面放電防止用のク
ロスオーバガラス88が被覆されている。
【0003】このヒューズ抵抗器70は、上記外部端子7
8,78を介して、電子回路や回路素子に接続される。例
えば、図示は省略するが、電子機器に通じる通信ライン
や電源ライン等の線路に直列接続され、或いは該線路間
に挿入接続されたガスアレスタ等に直列接続される。
【0004】しかして、電子機器をその定格を上回る電
源へ誤接続した場合や、過電圧試験の実施等により、上
記線路に定格以上の過電圧が連続して印加された場合に
は、該過電圧の印加による過電流によって上記発熱抵抗
体74が発熱する。そして、この発熱作用によって絶縁基
板72は熱歪みを起こし、上部切欠部84の頂点84a及び下
部切欠部86の頂点86aを結ぶ直線(ホ)に沿って左右に
砕裂する。その結果、過電流の通路たる発熱抵抗体74自
身も切断されるため、連続過電流から上記電子機器或い
はガスアレスタ等が保護されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、過電流か
ら上記電子機器等を確実に保護するためには、上記発熱
抵抗体74に過電流が流れた際に、上記絶縁基板72が短時
間のうちに完全に砕裂する必要がある。ところが、実際
には図9に示すように、一方の切欠部の頂点(図におい
ては下部切欠部86の頂点86a)から発した絶縁基板の亀
裂89が途中で止まってしまい、他方の切欠部(図におい
ては上部切欠部84)との間に割り残し部分が生じる可能
性が高いものであり、この絶縁基板12の割り残し部分の
表面を覆う発熱抵抗体74aを通じて通電状態が維持され
てしまい、過電流の遮断という所期の目的が達成され得
ない危険性があった。
【0006】もちろん、上記発熱抵抗体74の抵抗値を高
く設定し、その発熱量を増加させることで絶縁基板72の
砕裂特性を向上させ、以て上記のような割り残し部分が
生じることを防止する方策も考えられるが、発熱抵抗体
74の抵抗値をあまり高く設定すると、ヒューズ抵抗器70
を上記線路に直列接続した場合には電送損失が大きくな
り、また、上記線路間に挿入接続されたガスアレスタ等
に直列接続した場合には、その分高い電圧が電子機器側
に加わることとなる。このため、発熱抵抗体74の抵抗値
を高く設定して発熱量を増加させることには、一定の限
界がある。
【0007】あるいは、絶縁基板72の材質や厚さを調節
したり、図10及びそのB−B’拡大部分断面図である
図11に示すように、絶縁基板72の表面(発熱抵抗体74
形成面)に直線(ホ)に沿って延びる断面略V字型の溝
90を形成することにより、絶縁基板72自体を割れ易くす
ることも考えられるが、その分製造時及び使用時におい
て破損し易くなるため、これにも一定の限界がある。
【0008】本発明は、上記した従来例の問題点に鑑み
てなされたものであり、発熱抵抗体の抵抗値を極端に高
く設定したり、絶縁基板を極端に割れ易くすることなし
に、過電流の通電を確実に遮断することができるヒュー
ズ抵抗器を実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るヒューズ抵抗器は、絶縁基板の前面
に、前面側発熱抵抗体を部分的に被着して加熱領域を形
成すると共に、該加熱領域の両側に発熱抵抗体の存在し
ない非加熱領域を形成し、上記絶縁基板の背面に、第1
の背面側発熱抵抗体と第2の背面側発熱抵抗体とを所定
の間隔をおいて被着して一対の加熱領域を形成すると共
に、両加熱領域の間に発熱抵抗体の存在しない非加熱領
域を形成し、上記前面側の加熱領域の少なくとも一部と
背面側の非加熱領域の少なくとも一部とが絶縁基板を間
に挟んで重複すると共に、前面側の非加熱領域の少なく
とも一部と背面側の加熱領域の少なくとも一部とが絶縁
基板を間に挟んで重複するよう各発熱抵抗体を配置し、
上記前面側発熱抵抗体の一端に第1の外部端子を接続す
ると共に、該前面側発熱抵抗体の他端と上記第1の背面
側発熱抵抗体の一端とを第1の導電体を介して接続し、
また該第1の背面側発熱抵抗体の他端と上記第2の背面
側発熱抵抗体の一端とを、上記絶縁基板の砕裂方向と交
差するよう上記絶縁基板の背面に被着された第2の導電
体を介して接続し、さらに該第2の背面側発熱抵抗体の
他端に第2の外部端子を接続したことを特徴とする。
【0010】例えば、絶縁基板に切欠部を形成すると共
に、該絶縁基板の前面に、前面側発熱抵抗体を上記切欠
部の頂点の延長線に沿って被着して加熱領域を形成する
と共に、該加熱領域の両側に非加熱領域を形成し、上記
絶縁基板の背面における上記延長線の両側に、第1の背
面側発熱抵抗体と第2の背面側発熱抵抗体とを所定の間
隔をおいて被着して一対の加熱領域を形成すると共に、
両加熱領域の間に非加熱領域を形成し、第2の導電体を
上記延長線と交差するよう配置して成る。
【0011】あるいは、絶縁基板の第1の辺に第1の切
欠部を形成すると共に、上記第1の辺と対向する第2の
辺に第2の切欠部を形成し、上記絶縁基板の前面に、前
面側発熱抵抗体を両切欠部の頂点を結ぶ直線に沿って被
着して加熱領域を形成すると共に、該加熱領域の両側に
非加熱領域を形成し、上記絶縁基板の背面における上記
直線の両側に、第1の背面側発熱抵抗体と第2の背面側
発熱抵抗体とを所定の間隔をおいて被着して一対の加熱
領域を形成すると共に、両加熱領域の間に非加熱領域を
形成し、第2の導電体を上記直線と交差するよう配置し
て成る。この場合、第2の導電体は、例えば両切欠部の
頂点を結ぶ直線の中心点近傍において該直線と交差する
よう配置される。または、第1の導電体の一部を、両切
欠部の頂点を結ぶ直線の中心点よりも第1の切欠部側に
おいて該直線と交差するよう絶縁基板の背面に被着する
と共に、第2の導電体を、該中心点よりも第2の切欠部
側において上記直線と交差するよう配置してもよい。
【0012】
【作用】第1の外部端子及び第2の外部端子を介して、
絶縁基板の両面に被着した各発熱抵抗体に過電流が流れ
ると、当該発熱抵抗体が発熱して絶縁基板の表面が高温
に加熱され、該絶縁基板が熱歪みを起こして砕裂する。
この際、絶縁基板両面の加熱領域においては、急激に極
めて高温に加熱される一方、非加熱領域においては温度
変化がほとんど生ぜず、比較的低温を維持することとな
る。このため、絶縁基板の前面及び背面において、それ
ぞれ温度分布の不均一性が生じ、絶縁基板の熱歪みが促
進される。また、前面側の加熱領域と背面側の非加熱領
域が絶縁基板を間に挟んで重複すると共に、前面側の非
加熱領域と背面側の加熱領域も絶縁基板を間に挟んで重
複するため、絶縁基板の異なった面同士においても温度
分布の不均一性が生じることとなり、絶縁基板の熱歪み
はさらに促進される。この結果、発熱抵抗体の抵抗値を
比較的低い値に抑えた場合であっても、あるいは絶縁基
板の機械的強度を比較的高く設定した場合であっても、
極めて短時間の中に絶縁基板を完全に砕裂することが可
能となる。
【0013】しかも、前面側発熱抵抗体、第1の背面側
発熱抵抗体及び第2の背面側発熱抵抗体は、それぞれ第
1の導電体及び第2の導電体を介して直列接続されてお
り、特に第2の導電体は絶縁基板の砕裂方向(亀裂の走
る方向)と交差するよう絶縁基板の背面に被着されてい
るため、絶縁基板の亀裂が万一途中で止まり、絶縁基板
に割れ残し部分が生じたとしても、該亀裂によって第2
の導電体さえ切断されれば、少なくとも第1の外部端子
と第2の外部端子間は開放されることとなる。したがっ
て、当該絶縁基板の形状や各発熱抵抗体の配置パターン
等によって決定される絶縁基板の砕裂方向や砕裂開始箇
所に対応して、この第2の導電体の配置個所を適宜決定
すれば、例え絶縁基板が完全に砕裂しない場合であって
も、過電流を遮断することが可能となる。
【0014】
【実施例】以下に本発明を、図示の実施例に基づいて説
明する。図1は本発明に係るヒューズ抵抗器10の前面側
を、また図2はその背面側を示すものである。このヒュ
ーズ抵抗器10は、アルミナ、フォルステライト、ステア
タイト等のセラミックによって形成された絶縁基板12を
備えている。この絶縁基板12は、縦16mm、横9.86
mmの長方形状を成しており、その板厚は0.635mmに
設定されている。該絶縁基板12の上辺12aの中央には、
ベース型の上部切欠部14が、また下辺12bの中央には逆
ベース型の下部切欠部16がそれぞれ形成されている。こ
の上部切欠部14と下部切欠部16は、略同一の形状及び寸
法を備えている。
【0015】該絶縁基板12の前面12cには、酸化ルテニ
ウム等より成る矩形状の前面側発熱抵抗体18が被着形成
されている。この前面側発熱抵抗体18の左端辺18aに
は、Ag・Pd系ペースト等より成る第1の電極パター
ン20が被着接続され、該第1の電極パターン20の下端部
には、ハンダ22を介して第1の外部端子24が接続されて
いる。また、前面側発熱抵抗体18の右端辺18bには、第
2の電極パターン26が被着接続されている。
【0016】上記絶縁基板12の背面12dの左側には、酸
化ルテニウム等より成る矩形状の第1の背面側発熱抵抗
体28が、また右側には第2の背面側発熱抵抗体30が、間
隔32をおいて被着形成されている。この第1の背面側発
熱抵抗体28の外端辺28a及び内端辺28bには、それぞれ
第3の電極パターン33及び第4の電極パターン34が被着
接続されている。また、第2の背面側発熱抵抗体30の内
端辺30a及び外端辺30bにも、それぞれ第5の電極パタ
ーン36及び第6の電極パターン38が被着接続されてい
る。
【0017】そして、上記前面側発熱抵抗体18の右端辺
18bに被着接続された第2の電極パターン26と、第1の
背面側発熱抵抗体28の外端辺28aに被着接続された第3
の電極パターン33とは、絶縁基板の前面12cから側面12
eを経由して背面12dにまで達する第1の導電パターン
40を介して接続されている。また、第1の背面側発熱抵
抗体28の内端辺28bに被着接続された第4の電極パター
ン34と、第2の背面側発熱抵抗体30の内端辺30aに被着
接続された第5の電極パターン36とは、第2の導電パタ
ーン42を介して接続されている。すなわち、前面側発熱
抵抗体18と第1の背面側発熱抵抗体28及び第2の背面側
発熱抵抗体30は、第1の導電パターン40及び第2の導電
パターン42を介して、それぞれ直列接続されることとな
る。さらに、第2の背面側発熱抵抗体30の外端辺30bに
被着接続された第6の電極パターン38の上端部には、ハ
ンダ22を介して第2の外部端子44が接続されている。
【0018】上記第2の導電パターン42は、上部切欠部
14の頂点14aと下部切欠部16の頂点16aを結ぶ直線(以
下「砕裂線(イ)」と称する)の中心点O近傍におい
て、該砕裂線(イ)と直交するように、絶縁基板12の背
面12dに被着されている。なお、第4の電極パターン3
4、第2の導電パターン42及び第5の電極パターン36
を、略H字型のパターンとして一体的に被着形成しても
よいことはいうまでもない。
【0019】上記前面側発熱抵抗体18と、第1の背面側
発熱抵抗体28及び第2の背面側発熱抵抗体30は、絶縁基
板12の表面にルテニウム系ペーストを印刷等によって被
着させ、所定の温度で加熱することで焼成される。これ
ら発熱抵抗体の抵抗値は、一般に数Ω〜数十Ωの範囲内
に設定されるものであり、ここでは特に5Ωに設定され
ている。また、前面側発熱抵抗体18と、第1の背面側発
熱抵抗体28及び第2の背面側発熱抵抗体30の表面には、
それぞれ沿面放電防止用のクロスオーバガラス46が被覆
されている。
【0020】上記前面側発熱抵抗体18は、絶縁基板12の
前面12c全域に被着形成されているものではなく、上部
切欠部14の頂点14aと下部切欠部16の頂点16aを結ぶ上
記砕裂線(イ)に沿って、絶縁基板前面12cの中央部分
を占めているに過ぎない。このため、前面側発熱抵抗体
18の両脇には、発熱抵抗体の存在しない領域が生じてい
る。また、絶縁基板12の背面12dにおいても、その全域
に発熱抵抗体が被着されているものではなく、第1の背
面側発熱抵抗体28と第2の背面側発熱抵抗体30との間隔
32部分には、上記砕裂線(イ)に沿って発熱抵抗体の存
在しない領域が生じている。
【0021】この結果、図1のA−A’拡大断面図であ
る図3に示すように、絶縁基板12の前面12cにおいて
は、前面側発熱抵抗体18に被覆された加熱領域α1の両
側に、発熱抵抗体の存在しない非加熱領域β1,β2が現
れると共に、絶縁基板の背面12dにおいては、発熱抵抗
体の存在しない非加熱領域β3の両側に、第1の背面側
発熱抵抗体28及び第2の背面側発熱抵抗体30に被覆され
た加熱領域α2,α3が現れ、前面12c側の加熱領域α1
と背面12d側の非加熱領域β3とが絶縁基板12を間に挟
んで重複し、前面12c側の非加熱領域β1,β2と背面12
d側の加熱領域α2,α3とが絶縁基板12を間に挟んで重
複することとなる。なお、図3においては、図示の便宜
上、上記クロスオーバガラス46の記載を省略した。後述
の図4及び図5においても同様である。
【0022】このヒューズ抵抗器10は、図示は省略する
が、上記第1の外部端子24及び第2の外部端子44を介し
て、被保護素子や被保護回路に接続される。そして、第
1の外部端子24及び第2の外部端子44間に過電流が流れ
ると、前面側発熱抵抗体18、第1の背面側発熱抵抗体28
及び第2の背面側発熱抵抗体30が発熱し、絶縁基板12の
前面12c及び背面12dが同時に加熱される。この結果、
絶縁基板12は熱歪みを起こし、上記砕裂線(イ)に沿っ
て左右に砕裂される。
【0023】この際、絶縁基板12の前面12cにおいて
は、中央付近の加熱領域α1部分のみが高温に加熱さ
れ、その両側の非加熱領域β1,β2には温度変化がほと
んど生じない。反対に、絶縁基板12の背面12dにおいて
は、中央付近の非加熱領域β3部分にはほとんど温度変
化が生じないのに対し、その両側の加熱領域α2,α3部
分は極めて高温に加熱されることとなる。このように、
絶縁基板12の同一面においてそれぞれ温度分布の不均一
性が現出するのみならず、絶縁基板の前面12c及び背面
12d間においても、加熱領域と非加熱領域とが絶縁基板
12を間に挟んで互い違いに配置され、一方面が高温で他
方面が低温という温度分布の不均一性が生じるため、絶
縁基板12の表面の略全域に発熱抵抗体を漫然と被着形成
し、基板全体を加熱する場合に比べて、絶縁基板12の熱
歪みが助長されることとなる。この結果、該絶縁基板12
を、短時間の中に完全に砕裂することが可能となる。
【0024】しかも、図1に示すように、下部切欠部16
の頂点16a付近に端を発した絶縁基板12の亀裂48が万一
途中で止まり、該亀裂48の先端と上部切欠部14の頂点14
aとの間に割れ残し部分が生じたとしても、図2に示す
ように、第2の導電パターン42は上記亀裂48によって切
断され、第1の背面側発熱抵抗体28と第2の背面側発熱
抵抗体30との間が電気的に開放されることとなるため、
第1の外部端子24及び第2の外部端子44間の通電を確実
に遮断することができる。
【0025】図3においては、前面側発熱抵抗体18と第
1の背面側発熱抵抗体28及び第2の背面側発熱抵抗体30
とが、絶縁基板12を間に挟んで重複する部分がなく、前
面側発熱抵抗体18の右端辺18bと第1の背面側発熱抵抗
体28の内端辺28bとが直線(ロ)上に並ぶと共に、前面
側発熱抵抗体18の左端辺18aと第2の背面側発熱抵抗体
30の内端辺30aとが直線(ハ)上に並ぶように、各発熱
抵抗体が配置されている。この結果、絶縁基板前面12c
側の加熱領域α1と背面12d側の加熱領域α2,α3と
が、絶縁基板12を挟んで重複することがなく、また前面
12c側の非加熱領域β1,β2と背面12d側の非加熱領域
β3とが重複することもなく、絶縁基板12両面の加熱領
域と非加熱領域が完全に互い違いに現れており、絶縁基
板12の熱歪みを促進するには最も理想的な形となってい
る。しかしながら、本発明の効果を奏するには、このよ
うに一方面の加熱領域と他方面の非加熱領域とが、絶縁
基板12を間に挟んで厳密に互い違いとなる必要はなく、
多少のズレは許容されるものである。
【0026】図4はその一例を示すものであり、前面側
発熱抵抗体18の右端辺18bと第1の背面側発熱抵抗体28
の内端辺28bとが、絶縁基板12を間に挟んで所定の幅W
1だけ重複すると共に、前面側発熱抵抗体18の左端辺18
aと第2の背面側発熱抵抗体30の内端辺30aとが、絶縁
基板12を間に挟んで同じ幅W2だけ重複しているもので
ある。したがって、前面12c側の加熱領域α1と、背面1
2d側の加熱領域α2,α3との間には、上記幅W1,W2
に対応した重複部分γ1,γ2が生じている。
【0027】あるいは、図5に示すように、前面側発熱
抵抗体18の右端辺18b及び左端辺18aと、第1の背面側
発熱抵抗体28の内端辺28b及び第2の背面側発熱抵抗体
30の内端辺30aとの間に、絶縁基板12を間に挟んで所定
の間隔I1,I2を設けてもよい。この結果、前面12c側
の非加熱領域β1,β2と背面12d側の非加熱領域β3と
の間には、上記間隔I1,I2に対応した重複部分δ1,
δ2が生じることとなる。
【0028】図2に示したように、上記第2の導電パタ
ーン42は砕裂線(イ)の中心点O近傍において該砕裂線
(イ)と直交するよう配置されているため、絶縁基板12
の亀裂48が上部切欠部14の頂点14a付近から始まった場
合であっても、少なくとも亀裂48が砕裂線(イ)の中心
点Oを越えて下部切欠部16側に延びさえすれば、過電流
の遮断を実現できる。このように、上記実施例において
は、絶縁基板12の対向する二辺(上辺12a及び下辺12
b)にそれぞれ切欠部を形成したため、何れの切欠部か
ら亀裂48が始まっても対応できるよう、第2の導電パタ
ーン42を砕裂線(イ)の中心点O近傍において該砕裂線
(イ)と直交するよう配置したが、本発明はこれに限ら
れるものではない。
【0029】例えば、図6に示すように、絶縁基板12の
下辺12bにのみ下部切欠部16を形成する場合には、過電
流通電時における絶縁基板12の亀裂48は下部切欠部16の
頂点16a付近から始まるため、第2の導電パターン42
を、下部切欠部16の頂点16aから延びて絶縁基板12の上
辺12aに垂直に接する延長線(ニ)の中心点Oよりも下
部切欠部16側に偏った位置において、該延長線(ニ)と
直交するよう配置することができる。図6においては、
第4の電極パターン34の最下端部と第5の電極パターン
36の最下端部に第2の導電パターン42の両端を接続し、
略U字型のパターンとして一体的に被着形成した例を示
している。このように構成すれば、過電流通電時におけ
る絶縁基板12の亀裂48が極めて短い場合であっても、少
なくとも第2の導電パターン42を切断して過電流の通電
を遮断することが可能となるため、その分各発熱抵抗体
の抵抗値を相対的に低く設定し、あるいは絶縁基板12の
強度を相対的に高く設定することができる。
【0030】図7及び図8は、本発明に係る他のヒュー
ズ抵抗器を示すものである。このヒューズ抵抗器10は、
絶縁基板12の前面12cの中央部に前面側発熱抵抗体18を
被着形成すると共に、絶縁基板12の背面12dの右側に第
1の背面側発熱抵抗体28を、また左側に第2の発熱抵抗
体30をそれぞれ被着形成した点、前面側発熱抵抗体18の
右端辺18bに被着接続した第2の電極パターン26の最上
端部と、第1の背面側発熱抵抗体28の外端辺28aに被着
接続した第3の電極パターン33の最上端部とを、絶縁基
板12の前面12cから側面12eを経由して背面12d上部を
横切るように引き回された第1の導電パターン40を介し
て接続した点、第1の背面側発熱抵抗体28の内端辺28b
に被着接続した第4の電極パターン34の最下端部と、第
2の背面側発熱抵抗体30の内端辺30aに被着接続した第
5の電極パターン36の最下端部とを、第2の導電パター
ン42で接続した点、前面側発熱抵抗体18の左端辺18aに
被着接続した第1の電極パターン20の下端部にハンダ22
を介して第1の外部端子24を接続すると共に、第2の背
面側発熱抵抗体30の外端辺30bに被着接続した第6の電
極パターン38の下端部にハンダ22を介して第2の外部端
子44を接続した点に特徴を有しており、他の構成は上記
した例と実質的に同じである。
【0031】このヒューズ抵抗器10にあっては、図8よ
り明らかなように、前面側発熱抵抗体18と第1の背面側
発熱抵抗体28とを接続する第1の導電パターン40の中、
絶縁基板12の背面12dに被着された部分40aが、砕裂線
(イ)の中心点Oよりも上部切欠部14側(上部切欠部14
の頂点14a近傍)において該砕裂線(イ)に直交すると
共に、第1の背面側発熱抵抗体28と第2の背面側発熱抵
抗体30を接続する第2の導電パターン42が、砕裂線
(イ)の中心点Oよりも下部切欠部16側(下部切欠部16
の頂点16a近傍)において該砕裂線(イ)に直交するよ
う仕組まれている。この結果、過電流通電時における絶
縁基板12の砕裂が上部切欠部14側から始まった場合に
は、第1の導電パターン40aがいち早く切断されて前面
側発熱抵抗体18と第1の背面側発熱抵抗体28間が開放さ
れ、下部切欠部16側から始まった場合には、第2の導電
パターン42がいち早く切断されて第1の背面側発熱抵抗
体28と第2の背面側発熱抵抗体30間が開放されることと
なる。すなわち、このヒューズ抵抗器10にあっては、両
切欠部の何れから絶縁基板の砕裂が開始されても対応で
きるのみならず、その亀裂48が極めて短い場合であって
も第1の外部端子24及び第2の外部端子44間を有効に遮
断することが可能となる。
【0032】なお、上記にあっては、絶縁基板に切欠部
を形成した例を示したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、図示は省略したが、切欠部を一切設けない
タイプのヒューズ抵抗器にも応用可能である。確かに、
絶縁基板に切欠部を形成した方がその砕裂が容易となる
ばかりでなく、その砕裂方向(亀裂の走る方向)を規定
し易いという利点があるが、絶縁基板の材質や厚さ、発
熱抵抗体の抵抗値等との兼ね合いによっては、切欠部を
設けなくても絶縁基板を砕裂することは十分可能であ
り、また発熱抵抗体の被着パターンや通電方向によって
その砕裂方向を特定することもできる。
【0033】
【発明の効果】本発明に係るヒューズ抵抗器にあって
は、絶縁基板の前面及び背面のそれぞれに、発熱抵抗体
で被覆された加熱領域と、発熱抵抗体の存在しない非加
熱領域とを設けると共に、前面側の加熱領域と背面側の
非加熱領域、及び前面側の非加熱領域と背面側の加熱領
域とが、絶縁基板を間に挟んで重複するよう構成したた
め、過電流の通電時には、絶縁基板の各面において高温
に加熱される部分と低温を維持する部分とが生じるのみ
ならず、異なった面同士においても高温に加熱される部
分と低温を維持する部分とが重複することとなり、この
温度分布の不均一性によって、絶縁基板の熱歪みが著し
く助長される。このため、発熱抵抗体の抵抗値を極端に
高く設定したり、絶縁基板を極端に割れ易くすることな
く、極めて短時間のうちに絶縁基板を完全に砕裂するこ
とが可能となる。
【0034】しかも、前面側発熱抵抗体、第1の背面側
発熱抵抗体及び第2の背面側発熱抵抗体は、それぞれ第
1の導電体及び第2の導電体を介して直列接続されてお
り、特に第2の導電体は絶縁基板の砕裂方向と交差する
よう絶縁基板の背面に被着されているため、絶縁基板の
亀裂が万一途中で止まり、絶縁基板に割れ残し部分が生
じたとしても、該亀裂によって第2の導電体さえ切断さ
れれば、第1の外部端子と第2の外部端子間は開放され
ることとなる。したがって、この第2の導電体の配置個
所を適宜選定することにより、例え絶縁基板が完全に砕
裂し得ない場合であっても、過電流を遮断することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヒューズ抵抗器の前面側を示す斜
視図である。
【図2】上記ヒューズ抵抗器の背面側を示す斜視図であ
る。
【図3】図1のA−A’拡大断面図である。
【図4】上記ヒューズ抵抗器の変更例を示す拡大断面図
である。
【図5】上記ヒューズ抵抗器の他の変更例を示す拡大断
面図である。
【図6】本発明に係る他のヒューズ抵抗器の背面側を示
す斜視図である。
【図7】本発明に係る他のヒューズ抵抗器の前面側を示
す斜視図である。
【図8】上記ヒューズ抵抗器の背面側を示す斜視図であ
る。
【図9】従来のヒューズ抵抗器を示す斜視図である。
【図10】従来のヒューズ抵抗器の絶縁基板を示す斜視
図である。
【図11】図10のB−B’拡大部分断面図である。
【符号の説明】
10 ヒューズ抵抗器 12 絶縁基板 12a 絶縁基板の上辺 12b 絶縁基板の下辺 12c 絶縁基板の前面 12d 絶縁基板の背面 14 上部切欠部 14a 上部切欠部の頂点 16 下部切欠部 16a 下部切欠部の頂点 18 前面側発熱抵抗体 24 第1の外部端子 28 第1の背面側発熱抵抗体 30 第2の背面側発熱抵抗体 32 間隔 40 第1の導電パターン 42 第2の導電パターン 44 第2の外部端子 48 亀裂 (イ) 砕裂線 (ニ) 延長線 α1〜α5 加熱領域 β1〜β5 非加熱領域 O 砕裂線及び延長線の中心点

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板の前面に、前面側発熱抵抗体を
    部分的に被着して加熱領域を形成すると共に、該加熱領
    域の両側に発熱抵抗体の存在しない非加熱領域を形成
    し、上記絶縁基板の背面に、第1の背面側発熱抵抗体と
    第2の背面側発熱抵抗体とを所定の間隔をおいて被着し
    て一対の加熱領域を形成すると共に、両加熱領域の間に
    発熱抵抗体の存在しない非加熱領域を形成し、上記前面
    側の加熱領域の少なくとも一部と背面側の非加熱領域の
    少なくとも一部とが絶縁基板を間に挟んで重複すると共
    に、前面側の非加熱領域の少なくとも一部と背面側の加
    熱領域の少なくとも一部とが絶縁基板を間に挟んで重複
    するよう各発熱抵抗体を配置し、上記前面側発熱抵抗体
    の一端に第1の外部端子を接続すると共に、該前面側発
    熱抵抗体の他端と上記第1の背面側発熱抵抗体の一端と
    を第1の導電体を介して接続し、また該第1の背面側発
    熱抵抗体の他端と上記第2の背面側発熱抵抗体の一端と
    を、上記絶縁基板の砕裂方向と交差するよう上記絶縁基
    板の背面に被着された第2の導電体を介して接続し、さ
    らに該第2の背面側発熱抵抗体の他端に第2の外部端子
    を接続したことを特徴とするヒューズ抵抗器。
  2. 【請求項2】 絶縁基板に切欠部を形成すると共に、該
    絶縁基板の前面に、前面側発熱抵抗体を上記切欠部の頂
    点の延長線に沿って被着して加熱領域を形成すると共
    に、該加熱領域の両側に非加熱領域を形成し、上記絶縁
    基板の背面における上記延長線の両側に、第1の背面側
    発熱抵抗体と第2の背面側発熱抵抗体とを所定の間隔を
    おいて被着して一対の加熱領域を形成すると共に、両加
    熱領域の間に非加熱領域を形成し、第2の導電体を上記
    延長線と交差するよう配置したことを特徴とする請求項
    1に記載のヒューズ抵抗器。
  3. 【請求項3】 絶縁基板の第1の辺に第1の切欠部を形
    成すると共に、上記第1の辺と対向する第2の辺に第2
    の切欠部を形成し、上記絶縁基板の前面に、前面側発熱
    抵抗体を両切欠部の頂点を結ぶ直線に沿って被着して加
    熱領域を形成すると共に、該加熱領域の両側に非加熱領
    域を形成し、上記絶縁基板の背面における上記直線の両
    側に、第1の背面側発熱抵抗体と第2の背面側発熱抵抗
    体とを所定の間隔をおいて被着して一対の加熱領域を形
    成すると共に、両加熱領域の間に非加熱領域を形成し、
    第2の導電体を上記直線と交差するよう配置したことを
    特徴とする請求項1に記載のヒューズ抵抗器。
  4. 【請求項4】 第2の導電体を、両切欠部の頂点を結ぶ
    直線の中心点近傍において該直線と交差するよう配置し
    たことを特徴とする請求項3に記載のヒューズ抵抗器。
  5. 【請求項5】 第1の導電体の一部を、両切欠部の頂点
    を結ぶ直線の中心点よりも第1の切欠部側において該直
    線と交差するよう絶縁基板の背面に被着すると共に、第
    2の導電体を、上記中心点よりも第2の切欠部側におい
    て上記直線と交差するよう配置したことを特徴とする請
    求項3に記載のヒューズ抵抗器。
JP23438994A 1994-09-02 1994-09-02 ヒューズ抵抗器 Pending JPH0877910A (ja)

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