JPH08777B2 - 経口用抗菌固型組成物 - Google Patents

経口用抗菌固型組成物

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JPH08777B2
JPH08777B2 JP61069352A JP6935286A JPH08777B2 JP H08777 B2 JPH08777 B2 JP H08777B2 JP 61069352 A JP61069352 A JP 61069352A JP 6935286 A JP6935286 A JP 6935286A JP H08777 B2 JPH08777 B2 JP H08777B2
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methyl
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JP61069352A
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真一郎 平井
正 ▲槇▼野
博義 小山
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は脂溶性のセファロスポリン化合物とシクロデ
キストリン類とを含有することを特徴とする経口用抗菌
固型組成物(以下、本発明組成物と略称することもあ
る)に関する。本発明組成物は細菌感染症の予防及び治
療に有用である。
従来の技術及び発明が解決しようとする問題点 セファロスポリン系抗生物質は広い抗菌スペクトルを
有し、かつ毒性が小さいことから、細菌感染症の予防お
よび治療薬として広く使用されている。しかしこれらの
抗生物質、特に抗菌活性の強い、いわゆる第II世代(例
えばセフォチム,セフスロジン,セフロキシム)および
第III世代(例えばセフチゾキシム,セフメノキシム,
セフオタキシム)のセファロスポリン系抗生物質は、き
わめて水溶性で経口投与ではほとんど吸収されないとい
う欠点を有している。
最近、これらのセファロスポリン化合物を経口吸収可
能なものにしようとする研究が進み、例えばセファロス
ポリン化合物の4位のカルボキシル基を種々の置換基で
エステル化し、脂溶性を増加させた化合物が提案されて
いる(例えば、特開昭58−65295,特開昭58−65283,特開
昭58−57385,特開昭57−99592,特開昭58−77886及び23
回インターサイアンス・コンファランス・オン・アンチ
マイクロバイアル・エィジエンツ・アンド・ケモセラピ
ー(Intersicence Conference on Antimicrobial Agent
s and Chemotherapy),アブストラクト(Abstract)第
128頁等に記載の化合物)。
しかし、セファロスポリン化合物の脂溶性を増加させ
ると、水に対する溶解性が減少するので、錠剤やカプセ
ル剤等の固型製剤にして経口投与した場合、体内で溶解
しにくく、消化管からの吸収性が著しく低下し、このこ
とが経口用脂溶性のセファロスポリン化合物製剤開発の
大きな問題点となっている。
問題点を解決するための手段 本発明者等は、これら脂溶性のセファロスポリン化合
物の経口投与による体内への吸収性を向上させるため、
鋭意研究を重ねていたところ、全く意外にも脂溶性のセ
ファロスポリン化合物とシクロデキストリン類とを含有
する製剤がセファロスポリン化合物の体内への吸収性を
著しく向上させ得ることを知見し、さらに研究を続けた
結果本発明を完成するに至った。
本発明で用いられる脂溶性のセファロスポリン化合物
とは、油水分配率が大きいもの、さらに詳しくはn−オ
クタノール/水の分配率が100から1000程度のセファロ
スポリン化合物を示す。
油水分配率の測定は、「物理化学実験法」鮫島実三
郎,裳華房刊,昭和36年に記載された方法に従えばよ
い。すなわち、まず試験管中に緩衝液(pH値7)を入
れ、ついで適宜量のセファロスポリン化合物を加えて溶
解させる。次にn−オクタノールを緩衝液(pH値7)に
対して1対1の割合(容量)で入れる。該緩衝液として
は通常ゼーレンゼン(Srensen)緩衝液〔Ergeb.Phys
iol.12,398(1912)〕が用いられるが、さらに例えばク
ラークルプス(Clark−Lubs)緩衝液〔J.Bact.2.
(1),109,191(1917)〕,マクルベイン(Macllvain
e)緩衝液〔J.Biol.Chem.49,183(1921)〕,ミカエリ
ス(Michaelis)緩衝液〔Die Wasserstoffionenkonzent
ration,P.186(1914)〕,コルソフ(Kolthoff)緩衝液
〔Biochem.Z.179,410(1926)〕などを用いることもで
きる。試験管に栓をして恒温槽(25℃)に浸し、しばし
ば強く振盪する。そして薬物が両液層間に溶け、平衡に
達したと思われる頃、液を静置あるいは遠心分離し、水
層よりピペットにて一定量の液をとり出し、これを分析
(例えば高速液体クロマトグラフィーを用いる分析)し
て水層中におけるセファロスポリン化合物の濃度を求め
る。
油水分配率は下式 から計算される。
これらの脂溶性のセファロスポリン化合物を具体的に
示せば、例えば一般式 〔式中、R1はアシル基、R2は水素原子,アルコキシメチ
ル基,アルキルチオメチル基,アシルオキシメチル基,
カルバモイルオキシメチル基,複素環メチル基または複
素環チオメチル基、R3はエステル残基を示す〕で表わさ
れる化合物である。
上記においてR1で示されるアシル基及びR2で示される
アシルオキシメチル基におけるアシルとしては、直鎖,
分枝状もしくは環状で、不飽和結合,窒素,酸素,硫黄
原子等を含んでいてもよい有機カルボン酸から誘導され
るアシル基、例えば一般にペニシリン誘導体の6位及び
セファロスポリン誘導体の7位に置換されているアシル
アミノ基を構成するアシル基が用いられる。
このような有機カルボン酸としては、例えば直鎖,分
枝状もしくは環状の、飽和もしくは不飽和の炭素鎖中に
酸素原子もしくは硫黄原子が介在し又は介在しない脂肪
族カルボン酸、及びこれらの脂肪族カルボン酸が酸素原
子もしくは硫黄原子を介して、または介さずに芳香族炭
化水素残基もしくは複素環基と結合した芳香脂肪族カル
ボン酸,芳香族オキシ脂肪族カルボン酸,芳香族チオ脂
肪族カルボン酸,複素環置換脂肪族カルボン酸,複素環
オキシ脂肪族カルボン酸,複素環チオ脂肪族カルボン酸
ならびに芳香族カルボン酸及び複素環カルボン酸等の有
機カルボン酸が用いられる。
ここで脂肪族カルボン酸としては、ぎ酸,酢酸,プロ
ピオン酸,ブタン酸,イソブタン酸,ペンタン酸,イソ
ペンタン酸,ピバリン酸,ベキサン酸,シクロヘキサン
酸,アクリル酸,クロトン酸,シクロペンタン酢酸,シ
クロヘキサン酢酸,シクロヘプタン酢酸,シクロヘキサ
ンプロピオン酸,シクロヘキセン酢酸,シクロヘキサジ
エン酢酸,メトキシ酢酸,シクロヘキシルオキシ酢酸,
メチルチオ酢酸等が用いられる。
また上記の有機カルボン酸における芳香族基としては
フェニル,ナフチル,トリル,キシリル,メシチル,ク
メニル等が用いられ、さらに上記の有機カルボン酸にお
ける複素環基としては、例えばフラン,チオフエン,ピ
ロール,ピラゾール,イミダゾール,トリアゾール,チ
アゾール,イソチアゾール,2−イミノチアゾリン,2−オ
キソチアゾリン,メチレン−1,3−ジチエタン,2,3−ジ
ヒドロ−1,4−オキサチイイン,1,4−ジチアンナフタレ
ン,ジヒドロ−1,3−ジチイン,オキサゾール,イソオ
キサゾール,チアジアゾール,オキサジアゾール,チア
トリアゾール,オキサトリアゾール,テトラゾール,ピ
リジン,ピラジン,ピリミジン,ピリダジン,ベンゾチ
オフエン,ベンゾフラン,インドール,インダゾール,
ベンズイミダゾール,ベンゾチアジアゾール,ベンズオ
キサゾール,プリン,キノリン,イソキノリン,フタラ
ジン,ナフチリジン,キノキサリン,キナゾリン,ピロ
リジン,イミダゾリジン,ピペリジン,ピペラジン等の
ヘテロ原子を環中に1個以上含む、飽和もしくは不飽和
の単環もしくは多環の複素環化合物の残基が用いられ
る。
これらの有機カルボン酸を構成する脂肪族基、芳香族
炭化水素残基及び複素環基は例えばハロゲン,ヒドロキ
シル基,スルホ基,メルカプト基,カルボキシル基,ア
ルキル基,アルコキシ基,アルキルチオ基,アミノ基,
アルキルアミノ基,ジアルキルアミノ基,シアノ基,ア
ルカノイル基,アリール基置換アルカノイル基,アリー
ルカルボニル基,アルキルスルホニルアミノ基,アルカ
ノイルオキシ基,アリール基置換アルカノイルオキシ
基,アリールカルボニルオキシ基,ヒドロキシイミノ
基,アルコキシイミノ基、アルカノイルオキシイミノ
基,オキソ基,チオキソ基,ウレイド基,カルバモイル
基,アミジノ基等の適当な置換基を任意の位置に1個以
上有していてもよく、これらの置換分のうちヒドロキシ
ル基,カルボキシル基及びアミノ基は後記する通常セフ
ァロスポリン,ペニシリン及びペプチドの化学の分野で
用いられる適当な保護基でそれぞれ保護されていてもよ
い。
上記において、アルキル基,アルキルチオ基における
アルキル基、アルキルアミノ基におけるアルキル基、ジ
アルキルアミノ基におけるアルキル基、アルキルスルホ
ニルアミノ基におけるアルキル基としては、例えばメチ
ル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イ
ソブチル,sec−ブチル,t−ブチル,1−エチルプロピル,2
−エチルプロピル,n−ペンチル,1,1−ジメチルプロピ
ル,1,2−ジメチルプロピル,2,2−ジメチルプロピルなど
の炭素数1から3の直鎖もしくは分枝状のアルキル基が
用いられ、アルコキシ基、アルコキシイミノ基における
アルコキシ基としては、例えばメトキシ,エトキシ,n−
プロポキシ,イソプロポキシ,n−ブトキシ,イソブトキ
シ,t−ブトキシ,n−ペンチルオキシ,イソペンチルオキ
シ,ネオペンチルオキシ,n−ヘキシルオキシ等の炭素数
1から6の直鎖もしくは分枝状のアルコキシ基が用いら
れ、アルカノイル基、アリール基置換アルカノイル基に
おけるアルカノイル基、アルカノイルオキシ基における
アルカノイル基、アリール基置換アルカノイルオキシ基
におけるアルカノイル基、アルカノイルオキシイミノ基
におけるアルカノイル基としては、例えば、アセチル,
プロピオニル,ブチリル,n−ペンタノイル,n−ヘキサノ
イル,n−ヘプタノイル等の炭素数2から7のアルカノイ
ル基が用いられ、アリール基置換アルカノイル基におけ
るアリール基、アリールカルボニル基におけるアリール
基、アリール基置換アルカノイルオキシ基におけるアリ
ール基、アリールカルボニル基におけるアリール基とし
ては、例えばフェニル,ナフチル,トリル,キシリル,
メシチル等が用いられる。
さらに上記のR1で示されるアシル基としては、ペプチ
ド化学で使用される脱離容易なアミノ基の保護基、例え
ばtert−ブトキシカルボニル,iso−ボルニルオキシカル
ボニル等のアルコキシカルボニル基、例えばベンジルオ
キシカルボニル,p−ニトロベンジルオキシカルボニル,p
−メトキシベンジルオキシカルボニル等のアラルキルオ
キシカルボニル基等が用いられる他、ジエー・エフ・ダ
ブリユー・マコミー(J.F.W.McOmie)編の刊行物〔“プ
ロテクテイブ・グループス・イン・オーガニック・ケミ
ストリー(Protective Groups in Organic Chemistr
y)";プレヌム・プレス(Plenum Press),ニューヨー
ク(N.Y.),1973年〕の第2章にジエー・ダブリユー・
バートン(J.W.Barton)によって記載されている脱離容
易なアミノ基の保護基も上記のアシル基として用いるこ
とができる。
上記アシル基のうち好ましくは、R1が(1)式R4−R5
−CO−〔式中、R4は置換基を有していてもよい複素環
基,R5はアルキレン基または式 (式中、R5′は水素原子,置換基を有していてもよい
アルキル基を示す)で表わされる基を示す〕で表わされ
る基、または (2)式 〔式中、R6は置換基を有していてもよいアルカノイルオ
キシ基を示す〕で表わされる基である。
R4で示される置換基を有していてもよい複素環基にお
ける複素環基としては1個の窒素原子,硫黄原子または
酸素原子を含む5員複素環基であってさらに1個の窒素
原子を含みあるいは含まないものが用いられる。この複
素環基の具体例としては、例えば、2−チアゾリル,4−
チアゾリル,5−チアゾリル,2−チエニル,3−チエニル,2
−フリル,3−フリルなどが用いられる。この複素環基に
おける置換基としては、前述のアシル基の定義における
有機カルボン酸を構成する脂肪族基、芳香族炭化水素残
基及び複素環基上の置換基と同様のものが用いられ、こ
のうちアミノ基が特に好ましい。
R5で示されるアルキレン基としては、たとえばメチレ
ン,ジメチルメチレン,エチルメチレン,エチレン,メ
チルエチレンなどの炭素数1から3のアルキレン基が用
いられる。
5′で示される置換基を有していてもよいアルキル
基におけるアルキル基としては、例えばメチル,エチ
ル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチ
ル,sec−ブチル,t−ブチル,1−エチルプロピル,2−エチ
ルプロピル,n−ペンチル,1,1−ジメチルプロピル,1,2−
ジメチルプロピル,2,2−ジメチルプロピルなどの炭素数
1から6の直鎖もしくは分枝状のアルキル基が用いら
れ、これらは例えばメトキシカルボニル,エトキシカル
ボニル,n−プロポキシカルボニル,t−ブトキシカルボニ
ル,n−ヘキシルオキシカルボニル等の炭素数1から6の
アルコキシカルボニル基で1ないし2個置換されていて
もよい。
で表わされる基はシン−又はアンチ−配置のいずれの立
体配置もとることができるが、特にシン−配置が好まし
い。
R6で示される置換基を有していてもよいアルカノイル
オキシ基におけるアルカノイルオキシ基としては、例え
ば、アセトキシ,プロピオニルオキシ,n−ブチリルオキ
シ,n−ペンタノイルオキシ,イソペンタノイルオキシ,n
−ヘキサノイルオキシ,イソヘキサノイルオキシ,n−ヘ
プタノイルオキシ等の炭素数2から7のアルカノイルオ
キシ基が用いられ、これらは前述したアシル基の定義に
おける有機カルボン酸を構成する脂肪族基、芳香族炭化
水素残基及び複素環基上の置換基と同様の置換基を有し
ていてもよい。これらの置換基のうち、特にアミノ基が
好ましい。
R2で示される複素環メチル基,複素環チオメチル基に
おける複素環基としては、たとえば1個の硫黄原子,窒
素原子または酸素原子を含む5ないし6員複素環基,2か
ら4個の窒素原子を含む5ないし6員複素環基,1ないし
2個の窒素原子および1個の硫黄原子または酸素原子を
含む5ないし6員複素環基が用いられる。
該複素環基をさらに具体的に示せば、たとえば1,3,4
−チアジアゾリル 1,2,4−チアジアゾリル 等のチアジアゾリル,1−テトラゾール−5−イル −テトラゾール−5−イル 等のテトラゾイル,1−1,2,3−トリアゾリル −1,2,3−トリアゾリル −1,3,5−トリアゾリル −1,2,4−トリアゾリル 等のトリアゾリル,1,3,4−オキサジアゾリル オキサゾリル チアゾリル チアゾリニル ピリジル ピリダジニル テトラゾロピリダジニル 等が用いられる。
これらの複素環基は2個以下の窒素原子を含む6員環
基,ベンゼン環または1個の硫黄原子を含む5員環基と
縮合していてもよく、又任意の置換基で置換されていて
もよい。任意の置換基としては具体的には、例えばメチ
ル,エチルなどの低級(炭素数1から6)アルキル基、
例えばメトキシカルボニル,エトキシカルボニル等のエ
ステル化されたカルボキシ基、ヒドロキシ,カルボキ
シ,例えばジメチルアミノ等のジ低級(炭素数1から
6)アルキルアミノ,例えばピバロイルオキシメトキシ
カルボニル等の低級(炭素数2から7)アルカノイルオ
キシ置換低級(炭素数1から6)アルコキシカルボルニ
ル,スルホ基で置換された低級(炭素数1から6)アル
キル基、例えば塩素,臭素等のハロゲン、メルカプト
基、ヒドロキシ基、アミノ基、例えばメチルチオ,エチ
ルチオなどの低級(炭素数1から6)アルキルチオ基、
例えばメトキシ,エトキシなどの低級(炭素数1から
6)アルコキシ基等の置換基が用いられる。またピリダ
ジニル基,ピリジニル基の窒素原子はオキシド化されて
いてもよい。R2で示されるアルコキシメチル基として
は、例えばメトキシメチル,エトキシメチル,プロポキ
シメチルなどの低級(炭素数1から6)アルコキシメチ
ル基が用いられ、アルキルチオメチル基としては、例え
ばメチルチオメチル,エチルチオメチル,プロピルチオ
メチルなどの低級(炭素数1から6)アルキルチオメチ
ル基が用いられる。R3で示されるエステル残基として
は、例えば一般式 〔式中、Xは水素原子またはアルキル基、Yは水素原
子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基ま
たはフェニル基を示す〕で表わされる基、さらに例えば
メトキシメチル,エトキシメチル,イソプロポキシメチ
ル等のアルコキシメチル基、例えば1−メトキシエチ
ル,1−エトキシエチル等の1−アルコキシエチル基、例
えばメチルチオメチル,エチルチオメチル,iso−プロピ
ルチオメチル等のアルキルチオメチル基、tert−ブチ
ル,2,2,2−トリクロロエチル,ベンジル,p−メトキシベ
ンジル,p−ニトロベンジル,トリチル,ベンズヒドリ
ル,ビス(p−メトキシフェニル)メチル,フェナシ
ル,2−メチルチオエチル,トリメチルシリル,ジメチル
シリル,フタリジル,(2−オキソ−5−メチル−1,3
−ジオキソレン−4−イル)メチル等が用いられる他、
ジエー・エフ・ダブリユー・マコミー(J.F.W.McOmie)
編の刊行物〔“プロテクテイブ・グループス・イン・オ
ーガニック・ケミストリー(Protective Groups in Org
anic Chemistry)” プレヌム・プレス(Plenum Pres
s)、ニューヨーク(N.Y.)(1973年)〕の第5章にイ
・ハスラム(E.Haslam)によって記載されている上記以
外の脱離容易なカルボキシル基の保護基もエステル残基
として使用し得る。Xで示されるアルキル基としては、
例えばメチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−
ブチル,イソブチル,sec−ブチル,t−ブチル,1−エチル
プロピル,2−エチルプロピル,n−ペンチル,1,1−ジメチ
ルプロピル,1,2−ジメチルプロピル,2,2−ジメチルプロ
ピルなどの炭素数1から6の直鎖もしくは分枝状のアル
キル基、シクロペンチル,シクロヘキシル,シクロヘプ
チルなどの炭素数5から7のシクロアルキル基が用いら
れる。
Yによって示されるアルキル基としては、例えばメチ
ル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イ
ソブチル,sec−ブチル,t−ブチル,1−エチルプロピル,2
−エチルプロピル,ペンチル,1,1−ジメチルプロピル,
1,2−ジメチルプロピル,2,2−ジメチルプロピル,1−ブ
チルプロピル,2−ブチルプロピル,3−メチルブチル,1,
1,2−トリメチルプロピル,1,2,2−トリメチルプロピル,
2−メチルブチル,1,1,2,2−テトラメチルプロピル,1,1
−ジエチルプロピル,ヘキシル,ヘプチル,1−プロピル
ブチル,オクチル,1,1−ジエチル−2−メチルプロピ
ル,1−ブチルペンチル,1,1−ジエチル−2,2−ジメチル
プロピル,デシル,1−ヘキシルヘプチル等の炭素数1か
ら13の直鎖もしくは分枝状のアルキル基、例えばシクロ
プロピル,シクロブチル,シクロペンシル,シクロヘキ
シル,シクロヘプチル,シクロオクチル,シクロノニ
ル,シクロデシル,シクロウンデシル,シクロドデシル
等の炭素数3から12の飽和単環状脂環式アルキル基、例
えば、ビシクロ〔2・2・1〕ヘプチル,ビシクロ〔3
・2・1〕オクチル,ビシクロ〔3・3・1〕ノニル,
アダマンチル等の炭素数4から12の架橋構造を有する脂
環式アルキル基が用いられる。
さらにYで示される炭素数1から13の直鎖もしくは分
枝状のアルキル基は上記したシクロアルキル基、アルコ
キシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル,エトキ
シカルボニル,n−プロポキシカルボニル,イソプロポキ
シカルボニル等の炭素数1から3の直鎖もしくは分枝ア
ルコキシカルボニル化)またはフェニル基等で1ないし
3個置換されていてもよい。
Yで示されるアルコキシ基としては、例えばメトキ
シ,エトキシ,n−プロポキシ,イソプロポキシ,n−ブト
キシ,イソブトキシ,sec−ブトキシ,t−ブトキシ,n−ペ
ンチルオキシ,2,2−ジメチルプロポキシ,1−メチルブト
キシ,2−メチルブトキシ,3−メチルブトキシ,1−エチル
プロポキシ,n−ヘキシルオキシ,1−メチルペンチルオキ
シ,2−メチルペンチルオキシ,3−メチルペンチルオキ
シ,4−メチルペンチルオキシ,1−エチルブトキシ,2−エ
チルブトキシ,3−エチルブトキシ,n−ヘプチルオキシ,1
−メチルヘキシルオキシ,2−メチルヘキシルオキシ,3−
メチルヘキシルオキシ,4−メチルヘキシルオキシ,5−メ
チルヘキシルオキシ,1−エチルペンチルオキシ,2−エチ
ルペンチルオキシ,3−エチルペンチルオキシ,4−エチル
ペンチルオキシ,1−プロピルブトキシ等の炭素数1から
7の直鎖もしくは分枝状のアルコキシ基、例えばシクロ
プロポキシ,シクロブトキシ,シクロペンチルオキシ,
シクロヘキシルオキシ,シクロヘプチルオキシ,シクロ
オクチルオキシ,シクロノニルオキシ,シクロデシルオ
キシ,シクロウンデシルオキシ,シクロドデシルオキシ
等の炭素数3から12の飽和単環状脂環式アルコキシ基、
例えばビシクロ〔2・2・1〕ヘプチルオキシ,ビシク
ロ〔3・2・1〕オクチルオキシ,ビシクロ〔3・3・
1〕ノニルオキシ,アダマンチルオキシ等の炭素数4か
ら12の架橋構造を有する脂環式アルコキシ基が用いられ
る。
Yで示される環状(シクロ)アルコキシ基は上記した
直鎖もしくは分枝状アルキル基で置換されていてもよ
く、又Yで示される直鎖もしくは分枝状アルコキシ基は
上記した脂環式アルキル基で置換されていてもよい。
Yで示されるアルケニルオキシ基としては、例えばビ
ニルオキシ,アリルオキシ,1−プロペニルオキシ,1−メ
チル−1−プロペニルオキシ,2−メチル−1−プロペニ
ルオキシ,1−ブテニルオキシ,2−ブテニルオキシ,3−ブ
テニルオキシ,1−メチル−1−ブテニルオキシ,2−メチ
ル−1−ブテニルオキシ,3−メチル−1−ブテニルオキ
シ,1−メチル−2−ブテニルオキシ,2−メチル−2−ブ
テニルオキシ,3−メチル−2−ブテニルオキシ,1−メチ
ル−3−ブテニルオキシ,2−メチル−3−ブテニルオキ
シ,3−メチル−3−ブテニルオキシ,1−ペンテニルオキ
シ,2−ペンテニルオキシ,3−ペンテニルオキシ,4−ペン
テニルオキシ,1−メチル−1−ペンテニルオキシ,2−メ
チル−4−ヘキセニルオキシ,3−メチル−4−ヘキセニ
ルオキシ,4−メチル−4−ヘキセニルオキシ,5−メチル
−4−ヘキセニルオキシ,1,3−ブタンジエニルオキシ,
1,6−ヘプタンジエニルオキシ等の不飽和結合を1ない
し3個有していてもよい炭素数2から7の直鎖または分
枝状のアルケニルオキシ基が用いられる。
上記一般式〔I〕のうち最も好ましくは、R1が2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)アセチル、R2が1
−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−テトラゾール−
5−イルチオメチル基、R3が式 〔式中の記号は前記と同意義を示す〕で表わされる基で
ある。特に式 で示される基のうちXがメチル基,Yがシクロヘキシルオ
キシ基が好ましい。
一般式〔I〕で表わされる化合物をさらに具体的に示
せば下記の通りである。
本発明組成物に用いられる脂溶性のセファロスポリン
化合物のうち好ましいものをさらに具体的に示せば、式 〔式中、(1)RAはメチルを、RBは式 (式中、mは0または1、nは2ないし5の整数を示
す)で表わされる基を、Zは1−(2−ジメチルアミノ
エチル)−1H−テトラゾール−5−イルを示すか、 (2) RAは炭素数2から6の低級アルキル基または炭
素数5から7のシクロアルキル基を、RBは炭素数5から
7のシクロアルキル基または炭素数5から7のシクロア
ルキルもしくはフエニルで置換された炭素数1から3の
低級アルキル基を、Zは1−(2−ジメチルアミノエチ
ル)−1H−テトラゾール−5−イルを示すか、 (3) RAはn−プロピルまたはイソプロピルを、RB
n−ブチル,イソブチル,n−ペンチルまたは2−エチル
ブチルを、Zは1−(2−ジメチルアミノエチル)−1H
−テトラゾール−5−イルを示すか、 (4) RAは炭素数5から7のシクロアルキル基を、RB
は炭素数5以下の低級アルキル基を、Zは1−(2−ジ
メチルアミノエチル)−1H−テトラゾール−5−イルを
示すか、 (5) RAはメチルを、RBは2−メチルプロポキシ、2,
2−ジメチルプロポキシ、1−エチルプロポキシ、1−
メチルブトキシ、2−メチルブトキシ、3−メチルブト
キシ、n−ペンチルオキシ、炭素数6もしくは7のアル
コキシ基または炭素数2から7のアルケニルオキシ基
を、Zは1−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−テト
ラゾール−5−イルを示すか、 (6) RAは水素原子または低級アルキル基を、RBは低
級アルキル基を有していてもよい炭素数3から12の脂環
式アルコキシ基または炭素数3から6の脂環式アルキル
基を有する低級アルコキシ基を、Zは1−(2−ジメチ
ルアミノエチル)−1H−テトラゾール−5−イルを示す
か、 (7) RAはシクロアルキル基を、RBは置換されていて
もよい直鎖,分枝状もしくは環状アルコキシ基を、Zは
1−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−テトラゾール
−5−イルを示すか、 (8) RAはエチル,n−プロピルまたはイソプロピル
を、RBはエチル,n−プロピル,イソプロピル,2−メチル
プロピル、1−メチルブチルまたは3−メチルブチル
を、Zは1−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−テト
ラゾール−5−イルを示すか、 (9) RAは水素原子または炭素数1ないし4のアルキ
ル基を、RBは炭素数1ないし7のアルキル、炭素数3か
ら7のシクロアルキル、炭素数1ないし17のアルコキシ
または炭素数3ないし7のシクロアルコキシ基を、Zは
(式中、RCはジ低級アルキルアミノ−低級アルキル基を
示す)で表わされる基を示す〕である。上記RA,RBにお
けるアルキル基,シクロアルキル基,アルコキシ基,シ
クロアルコキシ基,置換されていてもよい直鎖、分枝状
もしくは環状アルコキシ基における置換基等は前述した
ものと同様のものが用いられる。RCで示されるジ低級ア
ルキルアミノ−低級アルキル基における低級アルキル
(基)は例えばメチル,エチルなどの炭素数1から4の
直鎖状のアルキル基が用いられる。
本発明に用いられる脂溶性のセファロスポリン化合物
の分子中にスルホ基,カルボキシル基等の酸性基が含ま
れている場合、自体公知の方法により医薬上許容される
塩の形にして用いてもよく、たとえばナトリウム,カリ
ウム等のアルカリ金属、例えばマグネシウム,カルシウ
ム等のアルカリ土類金属等の無毒性カチオン,たとえば
アルギニン,オルニチン,リジン,ヒスチジン等の塩基
性アミノ酸、たとえばN−メチルグルカミン,ジエタノ
ールアミン,トリエタノールアミン,トリスヒドロキシ
メチルアミノメタンなどのポリヒドロキシアルキルアミ
ン等との塩を形成させて用いてもよい。脂溶性のセファ
ロスポリン化合物の分子中にアミノ基が含まれている場
合には、例えば塩酸,硫酸,リン酸などの無機酸、例え
ばマレイン酸,酢酸,クエン酸,コハク酸,酒石酸,リ
ンゴ酸,マロン酸,フマル酸,安息香酸,マンデル酸,
アスコルビン酸,メタンスルホン酸等の有機酸等ペニシ
リンあるいはセファロスポリンの分野で医薬的に許容し
うる塩を形成する酸として知られている酸との酸付加塩
として用いても良い。
脂溶性のセファロスポリン化合物の分子流にアミノチ
アゾール基が存在する場合、そのアミノチアゾール基
は、その互変異性体であるイミノチアゾリン基として存
在することもある。セフエム骨格の4位のカルボキシル
基のエステル部分に不斉炭素が存在している場合、これ
に基づく光学活性体(D−異性体,L−異性体等)が存在
する。この場合、通常ラセミ体でよいがD−異性体また
はL−異性体等の光学活性体やこれらの光学活性体の適
宜の割合の混合物を用いることができる。
本発明で用いられるシクロデキストリン類としては、
デンプンを酸またはアミラーゼで加水分解して得られる
種々のシクロデキストリンの外、各種のシクロデキスト
リン誘導体が用いられる。
該シクロデキストリンとしては、たとえばα(重合度
6)、β(重合度7),γ(重合度8)のものが用いら
れる〔ファルマシアVol.16,No.1(1980),薬学雑誌Vo
l.101,(10),857−873(1981),特公昭53−31223号公
報参照〕。
該シクロデキストリン誘導体としては、たとえばトリ
−O−メチルシクロデキストリン〔ケミカル・ファーマ
シウテイカル・ブレテイン(Chemical & Pharmaceutic
al Bulletin)第28巻1552−1558頁(1980年)参照〕,
ジ−O−メチルシクロデキストリン〔薬業時報,第6452
号,昭和58年3月28日発行参照〕トリアミノシクロデキ
ストリン〔アンゲバンテ・ヘミー・インターナシヨナル
・エデイシヨン・インイングリッシュ(Angewandte Ch
emie:International Edition in English),第19
巻,第344−362頁(1980年)参照。]などが用いられ
る。
本発明で用いられるシクロデキストリン類としては、
α−シクロデキストリンが特に好ましい。
本発明組成物を製造するには、脂溶性のセファロスポ
リン化合物は、組成物全体に対して約20から95重量%、
好ましくは約30から90重量%を用い、シクロデキストリ
ン類は、脂溶性のセファロスポリン化合物に対して約10
から70重量%、好ましくは、約15〜50重量%を用いるこ
とができる。
本発明組成物の製造において、脂溶性のセファロスポ
リン化合物とシクロデキストリン類とを単に混合しても
よく、又あらかじめ脂溶性のセファロスポリン化合物を
自体公知の方法にしたがってシクロデキストリン類との
包接化合物(complex)として用いてもよい。
本発明組成物は上記シクロデキストリン類の他消化管
からの吸収を促進させるために、さらに固体有機酸を配
合してもよい。適当な固体有機酸としては、医薬的に許
容されるものであれば特に制限はなく、たとえばクエン
酸,マレイン酸,フマル酸,酒石酸,コハク酸,リンゴ
酸,蓚酸,マンデル酸,アスコルビン酸,マロン酸,安
息香酸などの固体有機酸が用いられる。
本発明組成物への固体有機酸の添加量はその有機酸の
pKaにより最適添加量は若干異なるが、通常脂溶性のセ
ファロスポリン化合物に対して約5から150重量%、好
ましくは約10から120重量%である。
本発明組成物には所望によりさらに他の添加物を配合
してよく、例えば結合剤(例えばα化デンプン,メチル
セルロース,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシ
プロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、結晶セルロース,ポリビニルピロリドンなど)、
滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム,タルクな
ど)、崩壊剤(例えばカルボキシメチルセルロースカル
シウム,デンプンなど)、軽質無水ケイ酸および乳糖な
どが添加剤として用いられる。
本発明組成物は、たとえば上述の如き諸成分を均一に
混合したのち、混合物を自体公知の手段に従い、たとえ
ば錠剤,カプセル剤,散剤,ドライシロップ剤,顆粒
剤,細粒剤などの経口投与に適した剤形に製剤化するこ
とができる。この際上記した諸成分の一部或いは全部は
あらかじめ自体公知の方法に従って造粒したものを用い
てもよい。
たとえば、脂溶性セファロスポリン化合物,シクロデ
キストリン類,固体有機酸,添加物の全部または一部を
均一にした混合物を、ローラ・コンパクターあるいはス
ラッグ打錠機等の圧縮成型機で成型物としたのち、粉砕
して乾式造粒物とするかこれらの諸成分の一部又は全部
を均一にした混合物に水あるいは結合剤の溶液を添加
し、練合し、乾燥したのち粉砕して湿式造粒物とする。
このうち特に固体有機酸と結合剤(例えばヒドロキシプ
ロピルセルロース)とをあらかじめ湿式造粒法で造粒し
たのち脂溶性セファロスポリン化合物とシクロデキスト
リン類とを混合し打錠して錠剤とするのが好ましい。
錠剤,顆粒剤,細粒剤に関しては味のマスキング腸溶
性あるいは持続性の目的のため自体公知の方法でコーテ
ィングしてもよい。コーティング剤としては、例えばエ
チルセルロース,ヒドロキシメチルセルロース,ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース,ヒドロキシプロピルセ
ルロース,ヒドロキシメチルセルロース・アセテートサ
クシネートメチルセルロース,アクリル系樹脂,シエラ
ック,ポリエチレングリコール,タルク,軽質無水ケイ
酸,白糖,アラビアゴム,セルロースアセテートフタレ
ート,ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレー
ト,カルボキシメチルエチルセルロース,パラフイン,
密ろう,カルナバワックス,硬化ヒマシ油,高級脂肪酸
(例、ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステ
アリン酸,ベヘン酸など),高級脂肪酸グリセリンエス
テル(例、グリセリンモノパルミテート,グリセリンモ
ノステアレート,グリセリンジパルミテート,グリセリ
ンジステアレート,グリセリントリパルミテート,グリ
セリントリステアレートなど),高級アルコール(例、
ステアリルアルコール,セチルアルコールなど)および
酸化チタン,ベンガラ等の色素等が用いられる。
さらにカプセル剤としては、例えばゼラチンカプセ
ル,ヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセル,ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース・アセテートサクシ
ネートカプセル等のカプセルに充てんしたものが用いら
れる。
さらに本発明製剤は、例えば下記の方法によって製造
することができる。
脂溶性のセファロスポリン化合物とシクロデキストリ
ン類との混合物に、必要に応じ固体有機酸,結合剤,滑
沢剤または(および)崩壊剤等とを加え、十分に混合し
た後、ローラーコンバクター(圧力:40〜60kg/cm2)で
圧縮成型する。得られた圧縮成型物をカッターミル(例
えば、パワーミル,スクリーン2mm)で粉砕後、必要に
応じさらに粉末化された結合剤,滑沢剤等を加え、よく
混合した後、打錠機(圧力:500〜1500kg/cm2)で打錠
し、1錠あたり50〜1000mgの錠剤を製造する。又、ロー
ラーコンバクターで圧縮成型して得られる圧縮成型物を
カッターミルで粉砕して顆粒剤,細粒剤とすることもで
き、この顆粒はカプセルに充填し(例えば1カプセルあ
たり100〜1000mg)、カプセル剤とすることもできる。
又、脂溶性のセファロスポリン化合物とシクロデキス
トリン類とを別々に造粒して組み合わせて投与したり、
各々を二層或いは三層のように多層状に打錠したり、或
いはカプセルの半分ずつに、それぞれを別個に充填して
カプセル剤としたり、固体有機酸と結合剤をあらかじめ
湿式造粒法で造粒したものと、脂溶性セファロスポリン
化合物とシクロデキストリン類とを混合し打錠して錠剤
とすることもできる。
さらに、得られる錠剤,顆粒剤,細粒剤に、上記した
フィルムコーティング剤を溶媒(例えば、水またはメタ
ノール,エタノール,イソプロピルアルコール,メチレ
ンクロリド,アセトンなどの有機溶媒)に溶解または分
散させ、通常のフィルムコーティング装置(例、エアレ
スタイプ,二流体方式)を使用して、スプレーコーティ
ングすることによりフィルムコーティング剤を製造する
ことができる。スプレーコーティングは、錠剤の場合に
は乾燥状態での製剤重量の約1〜10%になるように行
う。1%未満のコーティングでは十分な被覆効果が得難
く、10%を超える被覆は錠剤小型化等の目的に沿わず無
駄である。一般に好ましい被覆量は脂溶性のセファロス
ポリン化合物または脂溶性のセファロスポリン化合物を
含有する製剤重量の約3〜5%である。
一方顆粒剤,散剤へのコーティングの場合には、乾燥
状態で製剤重量の約10〜50%になるようにおこなう。ま
た、脂溶性セファロスポリン化合物およびシクロデキス
トリン類等の諸成分を上記したコーティング剤溶液に分
散させ、これを噴霧乾燥して被覆された顆粒剤を製造す
ることもできる。
本発明製剤は、そのまま製品としても充分商品価値の
あるものであるが、さらに艶が要求される場合には、常
法に従ってワックス掛けをするか、またはあらかじめご
く少量(たとえば1錠あたり約1〜2mg程度)のシロッ
プ層を被覆した後、常法に従ってワックス掛けをして製
品としてもよい。本発明組成物の原料として用いられる
脂溶性のセファロスポリン化合物は以下に示す参考例1
〜3に記載した方法に従って製造される。さらに自体公
知の方法(例えば特開昭53−21192,特開昭57−77690,特
開昭58−189186,特開昭59−89691,特開昭59−190995,特
開昭59−225191,特開昭59−225192,特開昭59−225193,
特開昭60−38387,特開昭59−190995,及び特願昭58−175
496(特開昭60−67482),特願昭58−171611(特開昭60
−64987),特願昭59−76834(特開昭60−218394),特
願昭59−80774(特開昭60−224693),特願昭59−97069
(特開昭60−239490)等に記載の方法により製造され
る。
発明の効果 本発明組成物は、極めて安定で、長期間保存しても組
成変化,成分のセファロスポリン化合物の力価の減少等
が生じない。
本発明組成物は経口投与により、セファロスポリン化
合物が極めて効率よく消化管から吸収され、そして血中
に速やかに移行するのでセファロスポリン化合物の高い
血中濃度が達成される。
例えば化合物[I]とシクロデキストリン類とを含有
する本発明組成物を経口投与した場合、消化管から吸収
されて後直ちにセフェム骨格の4位のエステル化された
カルボキシル基が、生体内酵素により加水分解されて遊
離のカルボン酸となり、この遊離のカルボン酸を有する
セファロスポリン化合物が速やかに血中に移行し、高い
血中濃度が達成される。
本発明組成物は人及び哺乳動物の細菌(例えばグラム
陽性菌,グラム陰性菌及びこれらの耐性菌等)による感
染症の治療、例えば細菌起炎性の呼吸器感染症および尿
路感染症の治療に有効である。
本発明組成物の投与量は、投与対象、症状等によって
異なるがたとえば成人の感染症患者に対して投与する場
合、たとえば脂溶性のセファロスポリン化合物を1人あ
たり1回量50mg〜1g(化合物〔I〕の場合、4位が遊離
カルボン酸である化合物(即ち非エステル体)として)
を1日2〜4回程度経口的に投与する。
実施例及び参考例 以下本発明の実施例,参考例をあげて、本発明をさら
に詳述する。
実施例1 下記の組成に従い、化合物No.1・2塩酸塩,α−シク
ロデキストリンの半量,およびステアリン酸マグネシウ
ムの半量を混合し、乾式整粒法でスラッグ錠を製造す
る。スラッグ錠を粉砕したのち残りのα−シクロデキス
トリンおよびステアリン酸マグネシウムを加え、よく混
合した後、常法に従い打錠をおこない錠剤を製造する。
1錠中の組成 化合物No.1・2塩酸塩 183mg (非エステル体として125mg) α−シクロデキストリン 100mg ステアリン酸マグネシウム 3mg 実施例2 (a) 下記の組成のうちまずクエン酸と化合物No.1・
2塩酸塩とを混合し、ついでα−シクロデキストリンの
半量及びステアリン酸マグネシウムの半量を加えた後、
実施例1の方法と同様の方法で錠剤を製造する。
1錠中の組成 化合物No.1・2塩酸塩 183mg (非エステル体として125mg) α−シクロデキストリン 50mg クエン酸 50mg ステアリン酸マグネシウム 3mg (b) 上記(a)で製造される錠剤を常法に従って1
錠につき、 タルク 3.6 mg 酸化チタン 1.5 mg ポリエチレングリコール 1.25mg ヒドロキシプロピルメチルセルロース 7.25mg 黄色三二酸化鉄(ベンガラ) 0.02mg の組成の混合物によりフイルムコーテイングを行ない、
フイルムコーティング錠を製造する。
(c) 上記(a)で製造される錠剤を常法に従って1
錠につき、 白糖 22.60mg タルク 15.04mg アラビアゴム 2.24mg 黄色三二酸化鉄(ベンガラ) 0.12mg の組成の混合物によりコーティングを行ない、薄層糖衣
錠を製造する。
実施例3 実施例1の方法と同様にして下記の組成の錠剤を製造
する。
1錠中の組成 化合物No.14 155mg (非エステル体として125mg) α−シクロデキストリン 100mg 結晶セルロース 50mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 実施例4 下記の組成に従い、化合物No.17・2塩酸塩,マレイ
ン酸,デンプンの半量及びα−シクロデキストリンをあ
らかじめ混合したものに、ヒドロキシプロピルセルロー
スの10%水溶液を加えて練合後、常法に従い乾燥および
粉砕することにより整粒する。この整粒末にデンプンの
半量とステアリン酸マグネシウムとを混合したものを添
加混合し打錠をおこない製造する。
1錠中の組成 化合物No.17・2塩酸塩 373mg (非エステル体として250mg) α−シクロデキストリン 100mg マレイン酸 100mg ヒドロキシプロピルセルロース 20mg デンプン 50mg 実施例5 下記の組成に従い、化合物No.30,α−シクロデキスト
リン,クエン酸及びステアリン酸マグネシウムを混合
し、ローラコンパクターにより圧縮成型した後、粉砕し
造粒したのち通常のカプセル充填方法に従い、カプセル
剤を製造する。
1カプセル中の組成 化合物No.30 151mg (非エステル体として125mg) α−シクロデキストリン 50mg クエン酸 10mg ステアリン酸マグネシウム 3mg 実施例6 下記の組成に従い、化合物No.21,α−シクロデキスト
リン,ブドウ糖及び乳糖を均一に混合し、常法に従い散
剤を製造する。
1包中の組成 化合物No.21 300mg (非エステル体として250mg) α−シクロデキストリン 100mg ブドウ糖 100mg 乳 糖 50mg 実施例7 化合物No.1・2塩酸塩18.3g(非エステル体として12.
5g)にα−シクロデキストリン10gを加えた後、水500ml
に溶解し凍結乾燥する。得られる粉末にステアリン酸マ
グネシウム150mgを加え、よく混合し乾式整粒法でスラ
ッグ錠を製造する。スラッグ錠を粉砕したのちステアリ
ン酸マグネシウム150mgをさらに加えよく混合した後常
法にしたがって打錠し錠剤を製造する。得られる錠剤1
錠中の組成は実施例1と同一。
実施例8 (a) 下記の組成に従い、化合物No.1・2塩酸塩,α
−シクロデキストリン,クエン酸,結晶セルロースの3/
4量,軽質無水ケイ酸の半量,ステアリン酸マグネシウ
ムの半量を混合し乾式整粒法で造粒する。これに残量の
結晶セルロース,軽質無水ケイ酸,ステアリン酸マグネ
シウムを加え、よく混合した後、常法に従い打錠し錠剤
を製造する。
1錠中の組成 化合物No.1・2塩酸塩 183 mg (非エステル体として125mg) α−シクロデキストリン 30 mg クエン酸 200 mg 結晶セルロース 72.25mg 軽質無水ケイ酸 2 mg ステアリン酸マグネシウム 7 mg (b) 上記(a)で製造される錠剤を常法に従って1
錠につき、 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 10.15mg ポリエチレングリコール 1.94mg タルク 1.94mg 酸化チタン 1.94mg 黄色三二酸化鉄(ベンガラ) 0.02mg の組成の混合物によりフイルムコーテイングを行ないフ
イルムコーテイング錠を製造する。
実施例9 下記の組成に従い化合物No.27・1塩酸塩,α−シク
ロデキストリンの半量,およびステアリン酸マグネシウ
ムの半量を混合し、乾式整粒法でスラッグ錠を製造す
る。スラッグ錠を粉砕したのち、残りのα−シクロデキ
ストリンおよびステアリン酸マグネシウムを加え、よく
混合した後常法に従い打錠をおこない錠剤を製造する。
1錠中の組成 化合物No.27・1塩酸塩 162mg (非エステル体として125mg) α−シクロデキストリン 100mg ステアリン酸マグネシウム 3mg 実施例10 (a) 下記の組成のうちまずクエン酸にヒドロキシプ
ロピルセルロースのアルコール溶液(1錠あたり50μ
)を加え練合し乾燥したのち粉砕しクエン酸顆粒を製
造する。次に化合物No.1・2塩酸塩,α−シクロデキス
トリン,結晶セルロース,軽質無水ケイ酸,ステアリン
酸マグネシウムを加え、よく混合し常法に従って打錠し
錠剤を製造する。
1錠中の組成 化合物No.1・2塩酸塩 146.3mg (非エステル体として100mg) クエン酸 160 mg ヒドロキシプロピルセルロース 3.2mg α−シクロデキストリン 24 mg 結晶セルロース 55 mg 軽質無水ケイ酸 1 mg ステアリン酸マグネシウム 6 mg (b) 上記(a)で製造される錠剤を常法に従って1
錠につき ヒドロキシプロピルメチルセルロース 8.6 mg ポリエチレングリコール 1.7 mg 酸化チタン 1.7 mg タルク 1.7 mg 黄色三二酸化鉄(ベンガラ) 0.025mg の組成の混合物によりフィルムコーティングをおこない
フィルムコーティング錠を製造する。
実施例11 (a) 下記の処方の錠剤を実施例10と同一の製造法に
より錠剤を製造する。
1錠中の組成 化合物No.1・2塩酸塩 292.6mg (非エステル体として200mg) クエン酸 320 mg ヒドロキシプロピルセルロース 6.4mg α−シクロデキストリン 48 mg 結晶セルロース 107 mg 軽質無水ケイ酸 2 mg ステアリン酸マグネシウム 12 mg (b) 上記(a)で製造される錠剤を常法に従って1
錠につき ヒドロキシプロピルメチルセルロース 13.9 mg ポリエチレングリコール 2.7 mg 酸化チタン 2.7 mg タルク 2.7 mg 黄色三二酸化鉄(ベンガラ) 0.039mg の組成の混合物によりフィルムコーティングをおこない
フィルムコーティング錠を製造する。
実施例12 下記の組成のうち化合物No.1・2塩酸塩,クエン酸,
結晶セルロースを混合し、流動造粒機(フロイント社
製)に入れヒドロキシプロピルセルロースの溶液(50%
水−アルコール溶液)1錠あたり100μを噴霧し造粒
乾燥をおこなう。得られる造粒にα−シクロデキストリ
ンおよびステアリン酸マグネシウムを加えよく混合し常
法により打錠し錠剤を製造する。
1錠中の組成 化合物No.1・2塩酸塩 292.6mg (非エステル体として200mg) クエン酸 320 mg 結晶セルロース 131.4mg ヒドロキシプロピルセルロース 8 mg α−シクロデキストリン 48 mg 実施例13 (a) 実施例10(a)の方法に従ってスラッグ錠を製
造する。スラッグ錠を粉砕し14〜42メッシュの顆粒剤を
製造する。14メッシュ以上の顆粒は再粉砕しまた42メッ
シュ以下の顆粒は再打錠し粉砕し14〜42メッシュの顆粒
剤にする。
顆粒400mg中の組成 化合物No.1・2塩酸塩 146.3mg (非エステル体として100mg) クエン酸 160 mg ヒドロキシプロピルセルロース 3.2mg α−シクロデキストリン 24 mg 結晶セルロース 59.5mg 軽質無水ケイ酸 1 mg ステアリン酸マグネシウム 6 mg (b) 上記(a)で製造される顆粒剤を常法に従っ
て、下記のコーティング剤(溶媒:エタノール100μ
及び塩化メチレン100μ)で顆粒表面をコーティング
し、非エステル体100mg当り440mgの顆粒剤を製造する。
コーティング剤 カルボキシメチルセルロース 12mg ヒドロキシプロピルセルロース 22mg ポリエチレングリコール 6mg 実施例14 下記の処方のうち化合物No.1・2塩酸塩,クエン酸,
α−シクロデキストリン,結晶セルロースをよく混合
し、一方カルナバワックスをn−ヘキサン10mlに溶解し
先に調製した混合物を加え懸濁し70−80℃で噴霧乾燥を
行い、細粒剤を製造する。
細粒剤1000mg中の組成 化合物No.1・2塩酸塩 292.6mg (非エステル体として200mg) クエン酸 320 mg α−シクロデキストリン 50 mg 結晶セルロース 37.4mg カルナバワックス 300 mg 参考例1 (a) 1−クロロエチル シクロヘキシルカーボネー
トの製造 シクロヘキサノール1.83g,ピリジン1.45g,塩化メチレ
ン30ml溶液を、−78℃に冷却し、撹拌下、これに1−ク
ロロエチルクロロホーメート2.0mlを10分で滴下する。
滴下後冷浴を外し、室温で16時間撹拌した後、飽和食塩
水30mlで3回洗浄する。ついで無水硫酸マグネシウムで
乾燥後、溶媒を減圧留去すると、無色油状物として表記
化合物3.31g(収率88%)が得られる。bp 100〜113℃/
5〜6mmHg NMR(CDCl3)δ:1.0〜2.3(10H,m),1.83(3H,d,J=6H
z),4.68(1H,m),6.40(1H,q,J=6Hz) 元素分析値:C9H15ClO3として 計算値(%):C,52.30;H7.32 実測値(%):C,52.26;H7.32 (b) 1−ヨードエチル シクロヘキシルカーボネー
トの製造 上記(a)で得られる1−クロロエチル シクロヘキ
シルカーボネート1.65g,ヨウ化ナトリウム5.0gのアセト
ニトリル50ml溶液を70℃で45分間かきまぜた後、減圧濃
縮し、得られる残渣をエーテルで抽出する。抽出液を合
わせ溶媒を減圧留去すると表記化合物が黄色油状物とし
て得られる。
NMR(CD3CN,TMS(外部標準))δ:0.7〜2.3(10H,m),
2.18(3H,d,J=6Hz),4.1〜4.9(1H,m),6.67(1H,q,J
=6Hz) (c) 1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキ
シ)エチル 7β−〔2−(2−アミノチアゾール−4
−イル)アセトアミド〕−3−〔〔〔1−(2−ジメチ
ルアミノエチル−1H−テトラゾール−5−イル〕チオ〕
メチル〕セフ−3−エム−4−カルボキシレート・2塩
酸塩(化合物No.1・2塩酸塩)の製造 7β−〔2−(2−アミノチアゾール−4−イル)ア
セトアミド〕−3−〔〔〔1−(2−ジメチルアミノエ
チル−1H−テトラゾール−5−イル〕チオ〕メチル〕セ
フ−3−エム−4−カルボン酸カリウム塩3.6gをジメチ
ルホルムアミド30mlに溶解し、氷冷撹拌下、この溶液に
上記(b)で得られる1−ヨードエチル シクロヘキシ
ルカーボネートのジメチルホルムアミド溶液5mlを一気
に加え、5分間撹拌する。反応液を氷で冷却した20%食
塩水150mlと酢酸エチル150mlの混液中に注ぐ。有機層を
分取し、飽和食塩水150mlで2回洗浄後、1N塩酸40mlで
抽出する。この抽出液をダイヤイオンMCI ゲルCHP20P
(75〜150μ,三菱化成工業製)を用いるカラムクロマ
トグラフイに付し、0.01N塩酸、ついで20v/v%アセトニ
トリル/0.01N塩酸で溶出する。目的化合物を含む溶出画
分を集め、減圧濃縮後、凍結乾燥すると無色粉末として
表記化合物0.96gが得られる。
NMR(DMSO−d6)δ:1.0〜2.2(10H,m),1.52,1.55(3H,
d,J=6Hz),2.86(6H,s),3.66(2H,s),3.66(2H,t,J
=6Hz),3.73と3.96(2H,ABq,J=18Hz),4.29と4.56,4.
34(2H,各ABq,b,s.J=13Hz),4.2〜4.9(1H,m),4.82
(2H,t,J=6Hz),5.14,5.18(1H,各d,J=5Hz),5.70,5.
76(1H,各d.d,J=5,8Hz),6.68(1H,s),6.81,6.89(1
H,各q,J=6Hz),9.27,9.31(1H,各d,J=8Hz),9.4
(b),11.6(b) 元素分析値 C27H37N9O7S3・2HCl・2H2Oとして 計算値(%):C,40.30;H,5.39;N,15.66 実測値(%):C,40.31;H,5.32;N,15.82 参考例2 (a) 1−クロロ−2−メチルプロピル 3−メチル
ブチラートの製造 3−メチルブチリルクロリド250gに触媒量の無水塩化
亜鉛を加えて、−20℃に冷却する。撹拌下イソブチルア
ルデヒド180gを滴下し、同温度で1時間撹拌する。次い
で反応液を5℃にもどしさらに1時間撹拌する。反応液
をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(キーゼルゲル
60,230−400メッシュ,メルク社製,西ドイツ)に付
し、石油エーテル2で溶出する。溶出液を減圧下濃縮
後、残留物を減圧蒸留に付すと1−クロロ−2−メチル
プロピル 3−メチルブチラート311gが無色油状物とし
て得られる。
bp 106−108℃/32mmHg NMR(CDCl3)δ:0.9(d,J=8Hz,12Hz),1.30−1.60(m,
2H),2.20(d,J=6Hz,2H),6.10(d,J=4Hz,1H) (b) 1−ヨード−2−メチルプロピル 3−メチル
ブチラートの製造 アセトニトリル200mlを60℃に加温し、これにヨウ化
ナトリウム35gを加えて溶解させた溶液に、上記(a)
で得られる1−クロロ−2−メチルプロピル 3−メチ
ルブチラート12gを加え、40分間撹拌する。反応液を氷
水500mlに加え、ヘキサンで抽出する。抽出液を水洗、
5%チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥する。減圧下で溶媒を留去すると1−ヨ
ード−2−メチルプロピル 3−メチルブチラート10g
が得られる。
(c) 1−(3−メチルブチリルオキシ)−2−メチ
ルプロピル 7β−〔2−(2−アミノチアゾール−4
−イル)アセトアミド〕−3−〔〔〔1−(2−ジメチ
ルアミノエチル−1H−テトラゾール−5−イル〕チオ〕
メチル〕セフ−3−エム−4−カルボキシレート・2塩
酸塩(化合物No.5・2塩酸塩)の製造 7β−〔2−(2−アミノチアゾール−4−イル)ア
セトアミド〕−3−〔〔〔1−(2−ジメチルアミノエ
チル)−1H−テトラゾール−5−イル〕チオ〕メチル〕
セフ−3−エム−4−カルボン酸カリウム塩6.0gをジメ
チルアセトアミド120mlに溶解後、2℃に冷却する。撹
拌下上記(b)で得られる1−ヨード−2−メチルプロ
ピル 3−メチルブチラート10gを一気に加え、7分間
撹拌を続ける。反応液に2N−塩酸エーテル70mlを加え、
さらにエーテル300mlを加える。分離するエーテル層を
除去し、残留物を1N−塩酸50mlに溶解させたのち、XAD
−II樹脂(ローム・アンド・ハース社製,米国)を用い
るカラムクロマトグラフイーに付し、アセトニトリル−
水(1:4v/v)で溶出する。目的化合物を含む溶出液を集
め減圧下溶媒を留去後、凍結乾燥すると無色粉末の標記
化合物3.2gが得られる。
NMR(d6−DMSO)δ:0.90(d,J=7.5Hz,6H),0.93(d,J
=7.5Hz,6H),1.90−2.20(m,4H),2.85(s,6H),3.60
(s,2H),3,65−3.90(m,2H),4.30(s,2H),4.76(t,J
=6Hz,2H),5.10(d,J=4・5Hz,1H),5.60−5.80(m,1
H),6.63(s,1H),6.63−6.76(m,1H),8.90−9.50(b.
s,1H),9.20(d,J=9Hz,1H) 元素分析値 C27H39N9O6S3・2HCl・9/2H2Oとして 計算値(%):C,38.80;H,6.03;N,15.09 実測値(%):C,38.72;H,5.62;N,15.08 参考例3 参考例2(a)と同様にして下記化合物が製造され
る。
1−クロロエチル シクロヘキサンカルボキシレート bp 70−72℃/4mmHg NMR(CDCl3)δ:0.8−2.15(m,10H),1.77(d,J=6Hz,3
H),2.15−2.60(m,1H),6.55(q,J=6Hz,1H) 元素分析値 C9H15O2Clとして 計算値(%) C,56.69;H,7.93 実測値(%) C,56.93;H,7.92 参考例2(b)と同様にして1−クロロエチル シク
ロヘキサンカルボキシレートから下記の化合物が製造さ
れる。
1−ヨードエチル シクロヘキサンカルボキシレート 参考例2(c)と同様にして1−ヨードエタル シク
ロヘキサンカルボキシレートから下記化合物が製造され
る。
1−(シクロヘキサンカルボニルオキシ)エチル 7
β−〔2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセト
アミド〕−3−〔〔〔1−(2−ジメチルアミノエチ
ル)−1H−テトラゾール−5−イル〕チオ〕メチル〕セ
フ−3−エム−4−カルボキシレート(化合物No.4) NMR(d6−DMSO)δ:1.43と1.47(2個のd,J=6Hz,3H),
0.93〜2.0(m,10H),2.20〜2.42(m,1H),2.17(s,6
H),2.67(t,J=6Hz,2H),3.37(s,2H),3.57と3.82(A
Bq,J=18Hz),3.99と4.17(ABq,J=13.5Hz),4.36(t,J
=6Hz,2H),5.07(d,J=4.5Hz,1H),5.69(d,d,J=4.5H
zと8.7Hz,1H),6.21(s,1H),6.81(s,2H),6.93〜7.12
(m,1H)と8.84(d,J=8.7Hz,1H) 元素分析値 C27H37N9O6S3として 計算値(%):C,47.70;H,5.49;N,18.54 実測値(%):C,47.39;H,5.42;N,18.13 以下実験例を示し、本発明の効果を詳述する。
実験例1 実施例2(b)で得られるフイルムコーテイング錠を
ビーグル犬1頭あたり2錠(非エステル体として250m
g)、食後30分後に水50mlと共に経口投与する。投与後
0.25,0.5,1.0,1.5,2.0,3.0,4.0及び6.0時間後にビーグ
ル犬の血漿中の化合物No.1の非エステル化合物、即ち7
β−〔2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセト
アミド〕−3−〔〔〔1−(2−ジメチルアミノエチ
ル)−1H−テトラゾール−5−イル〕チオ〕メチル〕セ
フ−3−エム−4−カルボン酸(一般名:セフォチア
ム,以下セフォチアムと称する)の濃度をカップ法(試
験菌としてプロテウス・ミラビリス(P.mirabilis)Eb3
13を使用)により測定し、0−6時間の血漿中濃度曲線
下面積(AUC)を計算する。
対照薬剤として実施例2(b)の組成のうちα−シク
ロデキストリン(50mg)およびクエン酸(50mg)のかわ
りに結晶セルロース(100mg)を用いて製造したフイル
ムコーテイング錠を上記と同様にビーグル犬に投与し、
セフォチアムの血漿中の濃度を測定する。結果を表2に
示す。
実験例2 実施例8(b)で得られるフイルムコーテイング錠を
ビーグル犬1頭あたり2錠(非エステル体として250m
g)、食後30分後に水50mlと共に経口投与する。投与後
0.25,0.5,1.0,1.5,2.0,3.0,4.0及び6.0時間後にビーグ
ル犬の血漿中のセフォチアムの濃度をカップ法(試験菌
としてプロテウス・ミラビリス(P.mirabilis)Eb313を
使用)により測定し、0−6時間の血漿中濃度曲線下面
積(AUC)を計算する。
対照薬剤として実施例8(b)の組成のうちα−シク
ロデキストリン(30mg)およびクエン酸(200mg)のか
わりに結晶セルロース(100mg)を用いて製造したフイ
ルムコーテイング錠を上記と同様にビーグル犬に投与
し、セフォチアムの血漿中の濃度を測定する。結果を表
3に示す。
実験例3 油水分配率の測定 pH7.0ゼーレンゼン緩衝液10mlに化合物No.1・2塩酸
塩を100μg/mlの濃度に溶解させた溶液を50ml遠沈管に
加えた後、n−オクタノール10mlを加え25℃で10分間振
盪する。遠心分離後水層中のセファロスポリン化合物の
濃度を高速液体クロマトグラフイー〔カラム:マイクロ
ボンダパックC−18(ウォーターズ・アンシエイツ(カ
ナダ)製)溶出液:0.05M硫酸アンモニウム水+アセトニ
トリル+酢酸(400:200:1v/v)〕により測定すると0.45
μg/mlという値が得られる。この値から下記の式を用い
て油水分配率が求められる。
その結果、化合物No.1・2塩酸塩のpH7.0における油
水分配率は221.2を示した。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−143911(JP,A) 特開 昭57−31661(JP,A) 特開 昭58−65295(JP,A) 特開 昭59−106424(JP,A) 特開 昭60−58969(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂溶性のセファロスポリン化合物とシクロ
    デキストリン類とを含有することを特徴とする経口用抗
    菌固型組成物。
  2. 【請求項2】セファロスポリン化合物のn−オクタノー
    ル/水の分配率が100から1000程度である特許請求の範
    囲第1項記載の組成物。
JP61069352A 1985-04-08 1986-03-26 経口用抗菌固型組成物 Expired - Lifetime JPH08777B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7508285 1985-04-08
JP60-75082 1985-04-08

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JPH08777B2 true JPH08777B2 (ja) 1996-01-10

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