JPH0875739A - モノクローナル抗体を用いたメタンフェタミン測定用イムノセンサー - Google Patents

モノクローナル抗体を用いたメタンフェタミン測定用イムノセンサー

Info

Publication number
JPH0875739A
JPH0875739A JP23231494A JP23231494A JPH0875739A JP H0875739 A JPH0875739 A JP H0875739A JP 23231494 A JP23231494 A JP 23231494A JP 23231494 A JP23231494 A JP 23231494A JP H0875739 A JPH0875739 A JP H0875739A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
monoclonal antibody
methamphetamine
strain
antibody
hybridoma
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23231494A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiya Shigeno
俊也 茂野
Toyoji Hozumi
豊治 穂積
Haruo Oyama
晴生 大山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Shell Sekiyu KK
Original Assignee
Showa Shell Sekiyu KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Shell Sekiyu KK filed Critical Showa Shell Sekiyu KK
Priority to JP23231494A priority Critical patent/JPH0875739A/ja
Publication of JPH0875739A publication Critical patent/JPH0875739A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 メタンフェタミンに特異的に反応するモノク
ローナル抗体を用いた、メタンフェタミン検出用イムノ
センサーの提供。 【構成】 メタンフェタミンに対して特異的な免疫反応
を示すモノクローナル抗体を表面に固定した電極を用い
ることを特徴とするメタンフェタミン測定用イムノセン
サー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、メタンフェタミンに対して特異
的に反応するモノクローナル抗体を用いたメタンフェタ
ミンの検知キットに関する。
【0002】
【従来技術】覚醒剤に関連する事件の増加にともない、
メタンフェタミンの使用者を簡便、迅速かつ正確に認知
する必要性が高まり、簡便、かつ高感度、高選択的にメ
タンフェタミンを測定する方法及び測定キットが望まれ
ている。特開平1−96198号公報には、動物に免疫
して得られた細胞株を培養することによって、覚醒剤で
あるメタンフェタミンに対して非常に高い特異的な反応
性を示すモノクローナル抗体を得ることが提案されてい
る。さらに、現在、メタンフェタミンを特異的に認識す
るモノクローナル抗体を用いた測定システムは、酵素免
疫測定法(Enzyme Linked Immuno
sorbent Assay法;ELISA法)を基本
にした競合法によるものが提案されている。しかしこの
方法では、結果の判定に分光光度計などの特殊な科学機
器が必要であり、また、操作が複雑なことから使用者に
は特殊な技術を要求される。また、現在提案されている
モノクローナル抗体を用いた測定キットはキットの構成
要素である固定化抗原がメタンフェタミンであるため、
製造、販売において法律の規制を受けることになる。
【0003】
【目的】本発明の目的は、メタンフェタミンに特異的に
反応するモノクローナル抗体を用いた、メタンフェタミ
ン検出用イムノセンサーを提供する点にある。
【0004】
【構成】本発明の第1は、メタンフェタミンに対して特
異的な免疫反応を示すモノクローナル抗体を表面に固定
した電極を用いることを特徴とするメタンフェタミン測
定用イムノセンサーに関する。
【0005】メタンフェタミンに対して特異的な免疫反
応を示すモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ8C1
株が産生する抗体であることが好ましい。
【0006】8C1株は、メタンフェタミン(表中MA
で示す)に対して驚くべき選択性を示す。そのすぐれた
選択性は表1に示す。
【0007】
【表1】 表中 MAは、メタンフェタミン DBEDは、N−N′−ジベンジルエチレンジアミン Aは、アンフェタミン MPAは、メトキシフェナミン NOR−EP(+)は、ノルエフェドリン(+) OH−MAは、p−ヒドロキシメタンフェタミン OH−NOR−EPは、p−ヒドロキシノルエフェドリ
ン OH−EPは、p−ヒドロキシエフェドリン OH−Aは、p−ヒドロキシアンフェタミン MEは、メチルエフェドリン NOR−EP−(−)は、ノルエフェドリン(−) EPは、エフェドリン MESは、メスカリン である。これにより、ハイブリドーマ細胞8C1株の産
生するモノクローナル抗体は、MA以外の他の類似化合
物に対して反応性が低く、MAの測定に適していること
がわかった。また、ハイブリドーマ細胞8C1株の産生
する抗モノクローナル抗体は、λ型軽鎖とγ1型重鎖を
もつ抗体である。
【0008】本発明の第2は、前記メタンフェタミン測
定用イムノセンサーを用いることを特徴とするメタンフ
ェタミンの測定法に関する。
【0009】具体的には前記電極間に測定試料の溶液と
くに水溶液を満し、その導電率を測定するものである。
【0010】前記電極の材質としては、白金、金、銅、
アルミニウム等の導電性の金属を挙げることができる。
【0011】電極は表面を適当な試薬を用いてアミノア
ルキル化又はカルボキシアルキル化し、グルタルアルデ
ヒド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド、マレイミドベンゾイルオキシサク
シンイミド等の架橋剤を用いてモノクローナル抗体を結
合させることができる。
【0012】A.免疫用抗原の調製 メタンフェタミンを任意の蛋白質と結合させて複合体を
得、これを免疫用抗原とした。前記蛋白質としては、ウ
シ血清アルブミン、卵白アルブミン、陣笠貝ヘモシアニ
ン、サイログロブリン、γ−グロブリン等を挙げること
ができる。また、メタンフェタミンと蛋白質を結合させ
る試薬としては、グルタルアルデヒド、1−エチル−3
−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、マ
レイミドベンゾイルオキシサクシンイミド等が用いられ
る。メタンフェタミンをそのまま蛋白質に結合させても
よいが、適当な試薬を用いてアミノアルキル化またはカ
ルボキシアルキル化したのちに蛋白質に結合させるのが
望ましい。
【0013】B.リンパ細胞の調製 前記免疫用抗原を哺乳動物(例えば、マウス、ラット
等)に1週間おきに4〜12回、腹腔、皮下または直接
脾臓に投与し、抗原に対する抗体が十分生成しているの
を確認後、その動物の血液、リンパ節、脾臓等からリン
パ細胞を得る。この時、免疫賦活剤として、アジュバン
ド(ミョウバン、結核死菌、核酸等を含む)を抗原物質
とともにエマルジョンとして動物に投与することが好ま
しい。抗体の生成を確認する手段としては、免疫した動
物から静脈血を採取し、後述する(C)のハイブリドー
マ細胞の選択の項にある酵素免疫測定法を用いることに
より判定する手段が挙げられる。
【0014】C.細胞融合とハイブリドーマ株の選択 細胞融合に用いたミエローマ細胞としては、例えばマウ
ス由来のP3−X63Ag8−U1株、SP2/0−A
g14株、P3−NS1/1−Ag4.1株、P3−X
63−Ag8.653株、P3−X63−Ag8株、M
PC−11株、ラット由来の210株、RCY3株、A
G1、2、3株、ヒト由来のSKO−007株、GH1
5006TG−A12株などを挙げることができる。細
胞融合は、前述したような免疫された動物のリンパ球と
ミエローマ細胞を約2:1〜10:1になるように混合
し、これを遠心分離してリンパ球とミエローマ細胞の混
合沈澱物を得、これにポリエチレングリコールまたはセ
ンダイウイルスを含む細胞培養用培地を加え、懸濁する
ことにより行なうことができるが、操作上の点から、3
0%〜60%のポリエチレングリコールを用いることが
好ましい。
【0015】ハイブリドーマ株の選択は、融合後の細胞
懸濁液を遠心して上清を除き、これにヒポキサンチン、
アミノプテリン、チミジンと10%〜20%のウシ胎児
血清を含む細胞培養用培地に再懸濁して、この懸濁液を
培養用プレートに分注することにより行なうことができ
る。この操作により選択されたハイブリドーマ細胞をさ
らにヒポキサンチン、チミジンと10%〜20%のウシ
胎児血清を含む細胞培養用培地で培養し、最終的には1
0%〜20%のウシ胎児血清を含む細胞培養用培地で培
養する。増殖したハイブリドーマ細胞は培地上清中に抗
体を産生するため、酵素免疫測定法、ラジオアイソトー
プ免疫測定法、プラーク測定法、凝集反応法等を用いて
目的の抗体の有無を調べることができるが、酵素免疫測
定法を用いることが望ましい。
【0016】この酵素免疫測定法は以下のようにして行
なうことができる。前記(A)で調整した免疫用抗原溶
液を酵素免疫測定用96穴プレートの各ウエルに一定量
分注する。この酵素免疫測定用96穴プレートを一定時
間静置し、免疫用抗原をウエルに固定する。一定時間
後、内容物を捨て、次にウシ血清アルブミン、卵白アル
ブミン、陣笠貝ヘモシアニン、スキムミルク、免疫グロ
ブリン等の蛋白質溶液を各ウエルに一定量分注する。こ
れは次の操作中、ハイブリドーマ細胞の産生した抗体が
ウエル内部に非特異的に吸着するのを防ぐためである。
以上の操作を終えた酵素免疫測定用96穴プレートの各
ウエルにハイブリドーマ細胞培養上清液を一定量添加す
る。一定時間静置した後に各ウエルを洗浄し、次に酵素
標識抗体(例えばマウスを用いた場合には抗マウスイム
ノグロブリンG抗体にアルカリフォスファターゼや西洋
ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ等の酵
素が結合したもの)を各ウエルに一定量添加する。一定
時間静置した後に各ウエルを洗浄し、用いた酵素に各々
対応した基質溶液を添加し酵素反応を行なう。培養上清
液中に目的とする抗体が存在していた場合、酵素反応に
より生じた基質の色の変化は、肉眼もしくは機械的に確
認することができる。このようにして、目的とする抗体
を産生しているハイブリドーマ細胞を得ることができ
る。
【0017】D.ハイブリドーマ細胞のクローニング (C)で確認されたウエル中の細胞集団は、遺伝的に異
なるハイブリドーマ細胞の混合物である可能性があるた
め、クローニング操作により単一な遺伝子からなるハイ
ブリドーマ細胞群を得る必要がある。この方法には限界
希釈法、シングルセルマニュピュレーション法、軟寒天
上のコロニーを一つずつ拾い上げる方法などが挙げられ
るが、特別な装置を使わない点で限界希釈法を用いるこ
とが望ましい。この限界希釈法は以下のようにして行な
うことができる。上記ハイブリドーマ細胞を適切な濃度
になるように0〜20%ウシ胎児血清を含む細胞培養用
培地で調整し、各濃度に調整した細胞懸濁液を酵素免疫
測定用96穴プレートの各ウエルに一定量分注する。ハ
イブリドーマ細胞を二酸化炭素インキュベータ中で培養
し、一つのコロニーが一つのハイブリドーマ細胞由来で
あることが確認されるようなウエルを選択する。これら
のウエルの上清液中に存在するモノクローナル抗体がメ
タンフェタミンを認識するかどうかを、前記(C)の酵
素免疫測定法により再検討する。このようにして、単一
な遺伝子からなるハイブリドーマ細胞が得られれば、こ
の細胞から産生された抗体はモノクローナル抗体である
といえる。
【0018】E.モノクローナル抗体の調整 メタンフェタミンに対するモノクローナル抗体の調整
は、前記(D)で得たハイブリドーマ細胞をフラスコ
内、もしくは哺乳動物の腹腔内で培養することにより行
なうことができる。ハイブリドーマ細胞のフラスコ内で
の培養は、0〜20%のウシ胎児血清を含む細胞培養用
培地を用いて行う。この時、ハイブリドーマ細胞を最大
限増殖させ、その後、遠心分離を行えば、分泌されたモ
ノクローナル抗体が上清中に得られる。目的のモノクロ
ーナル抗体は、塩析、透析、イオン交換クロマトグラフ
ィー、アフィニティークロマトグラフィー等の操作によ
り分離精製することができる。ハイブリドーマ細胞の動
物腹腔内での培養は、1×106〜1×108個の細胞
を、プリスタン等の鉱物油を投与した動物の腹腔内に注
入する。この時用いる動物種は、ハイブリドーマ細胞が
増殖し易いように、ハイブリドーマ細胞の作成に用いた
ミエローマ細胞と同種、同系の動物を用いることが望ま
しい。例えばマウスを用いた場合、この操作により1〜
2週間後から腹腔内にハイブリドーマ細胞の増殖が認め
られ、それにともない腹腔内に腹水が蓄積する。目的の
モノクローナル抗体は腹水中に存在しているため腹腔よ
り腹水を回収し、さらに、塩析、透析、イオン交換クロ
マトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー等の
操作によりモノクローナル抗体を分離精製することがで
きる。
【0019】F.電極上へのモノクローナル抗体の固定 電極の表面は、3−アミノプロピルトリエトキシシラン
等の適当な試薬で処理することによりアミノアルキル基
やカルボキシアルキル基を導入することができる。反応
終了後、グルタールアルデヒド、1−エチル−3−(3
−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、マレイン
イミドベンゾイルオキシサクシンイミド等の架橋剤を用
いることにより、モノクローナル抗体を電極の表面に固
定することができる。電極の材質としては、白金、金、
銅、アルミニウム等の導電性の金属を挙げることができ
る。
【0020】G.モノクローナル抗体を固定したイムノ
センサーを用いたメタンフェタミン検知方法 本発明のメタンフェタミン検知方法では、モノクローナ
ル抗体を固定した電極を2枚用いて図1に示すような反
応セルを作成し、反応セル中に純水を満たして電極間の
導電率を測定する。次に反応セル中にメタンフェタミン
を含むサンプルを満たして、抗体・抗原反応を行わせ
る。充分に抗体・抗原反応を行わせた後に、反応セル中
を純水で洗浄して、再び反応セル中に純水を満たして電
極間の導電率を測定する。抗体・抗原反応前後での導電
率の変化からサンプル中のメタンフェタミン量が測定で
きる。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の実施例を具体的に説明す
る。尚、これらの実施例は本発明を例示するためのもの
であって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0022】実施例1 免疫用抗原の調整 (1)N−メチル−N−(4−アミノブチル)メタンフ
ェタミンの合成 メタンフェタミンを適当な蛋白質に結合させるために、
例えばChengらの方法〔FEBS LETTERS
36,339(1973)〕、Iwasakiらの方
法〔日法医誌41(3)、217−223,1987〕
に準じ、N−メチルフェネチルアミンにアミノ基の導入
を行った。400mgのメタンフェタミンを40mlの
脱水したエタノールに溶解し、2.3gのN−(4−ブ
ロモブチル)フタルイミドと0.9gの炭酸ナトリウム
を添加して、窒素ガスの存在下で80℃、40時間還流
した。次に、炭酸ナトリウムを濾過により除去し、等量
の1NHClを加え、更に等量のベンゼンで3回抽出し
た。水層に等量のクロロホルムを加え、3回抽出した。
得られたクロロホルム層を合し、脱水後、濃縮した。こ
の操作によりN−メチル−N−ブチルフタルイミドメタ
ンフェタミンが得られた。これに10mlのエタノール
と0.1mlの90%の抱水ヒドラジンを添加して窒素
ガス存在下で2時間80℃で反応させた。反応終了後、
エタノールを留去し1NHClを20ml添加した。こ
の水溶液を等量のクロロホルムを用いて3回抽出し、水
層に2N水酸化ナトリウムを滴下してpH10に調整し
た。この水溶液を等量のクロロホルムを用いて3回抽出
し、クロロホルム層を合し脱水後、濃縮した。このよう
にして、1.27gのN−メチル−N−(4−アミノブ
チル)メタンフェタミンを得た。また、マススペクトル
分析機、核磁気共鳴分析機を用いて、このN−メチル−
N−(4−アミノブチル)メタンフェタミンの構造を確
認した。
【0023】(2)N−メチル−N−(4−アミノブチ
ル)メタンフェタミン−ウシ血清アルブミン複合体の調
製 免疫用抗原の合成は上記のN−メチル−N−(4−アミ
ノブチル)メタンフェタミンを用いて行った。25mg
のN−メチル−N−(4−アミノブチル)メタンフェタ
ミンを1mlの脱イオン水に溶解後、50mgのウシ血
清アルブミンを1mlの生理食塩水を含むリン酸緩衝液
(pH7.4)に溶解して添加し、更に5mlの25%
グルタルアルデヒドを添加した。反応は室温で16時間
撹拌しながら行った。反応終了後、全反応液を生理食塩
水を含むリン酸緩衝液(pH7.4)に対して透析し、
未反応のグルタルアルデヒドとN−メチル−N−(4−
アミノブチル)メタンフェタミンを除き、N−メチル−
N−(4−アミノブチル)メタンフェタミン−ウシ血清
アルブミン複合体を得た。このN−メチル−N−(4−
アミノブチル)メタンフェタミン−ウシ血清アルブミン
複合体をマウスの免疫用抗原として用いた。
【0024】実施例2:メタンフェタミンに特異的に反
応するモノクローナル抗体の検索 実施例1で合成したN−メチル−N−(4−アミノブチ
ル)メタンフェタミン−ウシ血清アルブミン複合体を免
疫用抗原として、6ヶ月間に渡りマウスに接種した。定
法に従ってマウス脾臓細胞を取りだし、ミエローマ細胞
(SP2/0−Ag14株)と細胞融合してハイブリド
ーマ細胞を得た。クローニングを行った後、各細胞の培
養上清液を用いてメタンフェタミンに特異的に反応する
モノクローナル抗体の検索を行った。メタンフェタミン
に特異的に反応するモノクローナル抗体の検索は、ハイ
ブリドーマ株である4B2株、2C3株、8Cl株、D
6株、4F5株、9H11株、2H3株をそれぞれ用い
てメタンフェタミン、エフェドリン、メチルエフェドリ
ン等による競争阻害を指標として行った。競争阻害実験
は、免疫用抗原を固定化した96ウエルマイクロプレー
トの各ウエルに各抗体1種類とメタンフェタミン等の各
薬剤1種類(終濃度100μg/ml)を加えて30分
静置した後に、各ウエルを洗浄し、ウエルに残った抗体
の量を二次抗体(西洋ワサビパーオキシダーゼ標識抗マ
ウスイムノグロブリン)にて測定した。ウエルに残った
抗体量は、二次抗体による酵素反応生成物が発色してい
るので、415nmの吸光度として測定できる。415
nmの吸光度が高いほどウエル中に抗体が残っているこ
とを示し、メタンフェタミン等の薬剤の添加によって4
15nmの吸光度が低下すれば、そのウエルに加えた抗
体は添加した薬剤に対して反応していることを示すもの
である。それぞれの結果を図2〜図8に示した。なお、
図2〜図8中、 MAはメタンフェタミン EPはエフェドリン MEPはメチルエフェドリン DBEDはジベンジルエチレンジアミン BMAはベンジルメチルアミン MPAは2−メチルフェネチルアミン PEAはフェニルエチルアミン BAはベンジルアミン PAは2−フェネチルアミン TEAは2−(p−トルイル)エチルアミン NONEは無添加 の場合を示している。図2は、ハイブリドーマ株4B2
株由来のモノクローナル抗体を用いた場合の各種表示試
薬の反応選択性を、それぞれの反応液の415nm吸光
度の相対比較により示す。図3は、ハイブリドーマ株2
C3株由来のモノクローナル抗体を用いた場合の各種表
示試薬の反応選択性を、それぞれの反応液の415nm
吸光度の相対比較により示す。図4は、ハイブリドーマ
株8Cl株由来のモノクローナル抗体を用いた場合の各
種表示試薬の反応選択性を、それぞれの反応液の415
nm吸光度の相対比較により示す。図5は、ハイブリド
ーマ株D6株由来のモノクローナル抗体を用いた場合の
各種表示試薬の反応選択性を、それぞれの反応液の41
5nm吸光度の相対比較により示す。図6は、ハイブリ
ドーマ株4F5株由来のモノクローナル抗体を用いた場
合の各種表示試薬の反応選択性を、それぞれの反応液の
415nm吸光度の相対比較により示す。図7は、ハイ
ブリドーマ株9H11株由来のモノクローナル抗体を用
いた場合の各種表示試薬の反応選択性を、それぞれの反
応液の415nm吸光度の相対比較により示す。図8
は、ハイブリドーマ株2H3株由来のモノクローナル抗
体を用いた場合の各種表示試薬の反応選択性を、それぞ
れの反応液の415nm吸光度の相対比較により示す。
その結果、メタンフェタミンでのみ強く阻害される(吸
光度の低い)抗体がハイブリドーマ細胞8C1株の産生
する抗体であることが確認できたので、モノクローナル
抗体としてこれを選択した。
【0025】実施例3:ハイブリドーマ細胞8C1株
(微工研菌寄第13148号、特願平5−251067
号)の産生するモノクローナル抗体の精製 メタンフェタミンに特異的に反応するモノクローナル抗
体を産生するハイブリドーマ細胞として、8C1株(微
工研菌寄第13148号)を選抜した。8C1株の培養
上清液400mlに45%飽和になるように硫酸アンモ
ニウムを加え、抗体を含む蛋白質画分を不溶体として得
た。15000rpm、30分の遠心分離にて抗体を含
む蛋白質画分を培養上清液から分離した。抗体を含む蛋
白質画分はpH8のリン酸緩衝液に再溶解し、プロテイ
ンGをリガンドとしたアフィニティークロマトに供し
た。一連の操作によりモノクローナル抗体を26mg得
た。
【0026】実施例4:ハイブリドーマ細胞8C1株
(微工研菌寄第13148号)の産生するモノクローナ
ル抗体の電極への固定 白金電極の表面は3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ンで処理することによりアミノアルキル基を導入した。
次に架橋剤としてグルタールアルデヒドを用いて、ハイ
ブリドーマ細胞8C1株(微工研菌寄第13148号)
の産生するモノクローナル抗体を電極の表面に固定し
た。反応終了後、電極はリン酸緩衝液(pH7)で洗浄
して4℃で保存した。モノクローナル抗体を固定した電
極を2枚用いて図1に示すような反応セルを作成し、反
応セル中に純水を満たして電極間の導電率を測定した。
次に反応セル中にメタンフェタミンを含むサンプルを満
たして、十分に抗体・抗原を行わせた後に、反応セル中
を純水で洗浄して、再び反応セル中に純水を満たして電
極間の導電率を測定した。抗体・抗原反応前後での導電
率の変化からサンプル中のメタンフェタミン量が測定で
き、検出限界は1μg/mlであった。
【0027】
【効果】従来の簡易化学法に比べて高感度、高選択性で
あり、また、酵素免疫法に比べ測定時間が短くかつ操作
性に優れており、覚醒剤使用者の検出に極めて有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメタンフェタミン測定用イムノセンサ
ーの1例を示す概略図である。
【図2】図2は、ハイブリドーマ株4B2株由来のモノ
クローナル抗体を用いた場合の各種表示試薬の反応選択
性を、それぞれの反応液の415nm吸光度の相対比較
により示す。
【図3】図3は、ハイブリドーマ株2C3株由来のモノ
クローナル抗体を用いた場合の各種表示試薬の反応選択
性を、それぞれの反応液の415nm吸光度の相対比較
により示す。
【図4】図4は、ハイブリドーマ株8Cl株由来のモノ
クローナル抗体を用いた場合の各種表示試薬の反応選択
性を、それぞれの反応液の415nm吸光度の相対比較
により示す。
【図5】図5は、ハイブリドーマ株D6株由来のモノク
ローナル抗体を用いた場合の各種表示試薬の反応選択性
を、それぞれの反応液の415nm吸光度の相対比較に
より示す。
【図6】図6は、ハイブリドーマ株4F5株由来のモノ
クローナル抗体を用いた場合の各種表示試薬の反応選択
性を、それぞれの反応液の415nm吸光度の相対比較
により示す。
【図7】図7は、ハイブリドーマ株9H11株由来のモ
ノクローナル抗体を用いた場合の各種表示試薬の反応選
択性を、それぞれの反応液の415nm吸光度の相対比
較により示す。
【図8】図8は、ハイブリドーマ株2H3株由来のモノ
クローナル抗体を用いた場合の各種表示試薬の反応選択
性を、それぞれの反応液の415nm吸光度の相対比較
により示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタンフェタミンに対して特異的な免疫
    反応を示すモノクローナル抗体を表面に固定した電極を
    用いることを特徴とするメタンフェタミン測定用イムノ
    センサー。
  2. 【請求項2】 前記メタンフェタミンに対して特異的な
    免疫反応を示すモノクローナル抗体が、微工研菌寄第1
    3148号のハイブリドーマ株(ハイブリドーマ8C1
    株)が産生する抗体であることを特徴とするメタンフェ
    タミン測定用イムノセンサー。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のメタンフェタミ
    ン測定用イムノセンサーを用いることを特徴とするメタ
    ンフェタミンの測定法。
JP23231494A 1994-09-01 1994-09-01 モノクローナル抗体を用いたメタンフェタミン測定用イムノセンサー Pending JPH0875739A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23231494A JPH0875739A (ja) 1994-09-01 1994-09-01 モノクローナル抗体を用いたメタンフェタミン測定用イムノセンサー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23231494A JPH0875739A (ja) 1994-09-01 1994-09-01 モノクローナル抗体を用いたメタンフェタミン測定用イムノセンサー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0875739A true JPH0875739A (ja) 1996-03-22

Family

ID=16937268

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23231494A Pending JPH0875739A (ja) 1994-09-01 1994-09-01 モノクローナル抗体を用いたメタンフェタミン測定用イムノセンサー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0875739A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015508506A (ja) * 2012-01-27 2015-03-19 ユニバーシティ オブ テネシー リサーチ ファウンデーション 交流動電によるバイオマーカーの検出のための方法および装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015508506A (ja) * 2012-01-27 2015-03-19 ユニバーシティ オブ テネシー リサーチ ファウンデーション 交流動電によるバイオマーカーの検出のための方法および装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5413913A (en) Erythrocyte agglutination assay
KR101729056B1 (ko) 모노클로날 항체 및 이것을 이용한 면역학적 측정 방법
JP5661572B2 (ja) インスリン測定方法
JP2009085753A (ja) サンドイッチイムノアッセイ法
EP0363041A1 (en) Monoclonal antibody to morphine, preparation of monoclonal antibody, assaying kit and assaying method of morphine
EP0311383B1 (en) Monoclonal antibody to methamphetamine, preparation of the same, assay method and assay kit of methamphetamine
JP3327488B2 (ja) 被検体の免疫化学的測定方法
EP1852442A1 (en) Antibody for assay of adamts13 activity and method of activity assay
JPH05508770A (ja) 膵臓エラスターゼ1特異性抗体、その獲得方法および該抗体を含有するテストキット
JP3808527B2 (ja) 特異的結合方法および試験キット
WO2014147873A1 (ja) Hmgb1の分解産物と特異的に結合する抗体、並びにhmgb1の分解産物の測定方法及び測定試薬
JPH0875739A (ja) モノクローナル抗体を用いたメタンフェタミン測定用イムノセンサー
JPH0727763A (ja) 1α,25(OH)2ビタミンD3に対する抗体及びその用途
JP2003107089A (ja) 超迅速超高感度測定法
JP2002267672A (ja) 新規抗dnpモノクローナル抗体および超高感度測定法
JP3709078B2 (ja) ジアセチルポリアミンの測定法及びキット
AP81A (en) Agglutination assay
JP2509840B2 (ja) 免疫測定法及び免疫測定用試薬キット
JPH08166382A (ja) 尿中の被検出物質の検出方法およびそれに用いる検出用キット
JP3841364B2 (ja) 抗ヒトビトロネクチン・トロンビン・アンチトロンビンiii 複合体モノクローナル抗体、ハイブリドーマ及び免疫学的測定方法
JPH04135484A (ja) 8―ハイドロキシ―2’―デオキシグアノシンのモノクローナル抗体及びその製造法並びにモノクローナル抗体を生産するハイブリッド細胞
JP4037586B2 (ja) ヒトメダラシンの免疫学的測定方法
JP2775445B2 (ja) 抗フェニトインモノクローナル抗体及びそれを産生するハイブリドーマ
JP2003302401A (ja) 高性能モノクローナル抗ハプテン抗体による迅速高感度測定法
JP2023097737A (ja) 試料中のhmgb1の測定方法及び測定試薬、抗hmgb1抗体を固定化した担体の非特異的凝集の抑制方法並びに試料中のhmgb1測定時の試薬ブランクの上昇の抑制方法