JPH0875408A - 光ヘテロダイン干渉測定方法及び測定装置 - Google Patents

光ヘテロダイン干渉測定方法及び測定装置

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JPH0875408A
JPH0875408A JP6213741A JP21374194A JPH0875408A JP H0875408 A JPH0875408 A JP H0875408A JP 6213741 A JP6213741 A JP 6213741A JP 21374194 A JP21374194 A JP 21374194A JP H0875408 A JPH0875408 A JP H0875408A
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JP
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diffraction grating
light
diffraction
diffraction gratings
positional deviation
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JP6213741A
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Takahiro Matsumoto
隆宏 松本
Koichi Chitoku
孝一 千徳
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 偏光方向が直交したわずかに周波数の異なる
成分を有する光を用いて光ヘテロダイン干渉測定する
際、偏光ビームスプリッタに漏れ込みがある場合におい
ても、その測定結果の再現性を高くする。 【構成】 偏光方向が直交したわずかに周波数の異なる
2成分を有する光をその偏光方向に応じて偏光分離素子
で2光束に分離し、2つの回折格子上で前記2光束のビ
ームスポットが重なるように所定角度で前記の2光束を
入射させ、前記ビームスポットと前記回折格子のうち少
なくとも一方の回折格子の位置ずれを検出し、その位置
ずれ量に基づき前記一方の回折格子を所定位置まで移動
させた後、それぞれの回折格子からの回折光を用いて形
成した第1、第2のビート信号の位相を比較処理して前
記2つの回折格子の相対位置ずれを検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ヘテロダイン干渉測定
方法、測定装置に関する。本発明はとくに、光ヘテロダ
イン干渉計測法の応用で光ヘテロダイン干渉法を用いた
計測装置、例えば位置合わせ装置、焼き付け重ね合わせ
評価装置などに好適に利用出来るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、高精度な微小変位測定には、
位相検波により、変位と線形関係にある光の位相情報を
検波することが可能なヘテロダイン干渉法が広く用いら
れてきた。光ヘテロダイン干渉法では周波数のわずかに
異なる2光束によってできる時間的に変化する干渉縞を
光電検出し、干渉縞の位相を電気信号の位相に変換して
測定する。
【0003】光ヘテロダイン干渉法を応用した計測装置
の例として、図12に示す回折格子の位置ずれ検出装置
が提案されている。(例えば特開平2ー90006)こ
の方式は、2波長直交偏光レーザ(ゼーマンレーザ)1
40からのレーザ光を偏光ビームスプリッタ142によ
り2波長の光に分離し、1つまたは複数の回折格子(こ
こでは図11の171から173)に照射しその回折光
から光ビート信号を作成し、そのビート信号の位相を検
出、比較することにより回折格子の位置または複数の回
折格子の相対位置ずれを高精度に検出することができ、
半導体露光装置のアライメントなどに広く応用されてい
る。回折格子171と回折格子172にY方向に位置ず
れΔYが生じており、回折格子のピッチをP、更に±1
次回折光を用いると、センサー168とセンサー167
で検出されるビート信号の位相差φは、 φ=4πΔY/P (1) となるため、位相差φを検出して1式に代入して回折格
子の相対位置ずれ量を算出していた。
【0004】
【本発明が解決しようとしている課題】ところが、一般
にレーザー光の偏光の直交性の不完全さや、光学部品に
より偏光に乱れが生じそれぞれの偏光と周波数が対応し
ていないため、測定位相と本来測定しようとする光路差
あるいは回折格子の位置ずれ量とは単純な線形関係にな
く、干渉測定の大きな誤差となっていた。以下、従来例
である図12の装置について具体的に説明する。
【0005】図12の装置により、図11で示すような
回折格子171と172のY方向の位置ずれを検出する
場合(回折格子173は回転により生じる誤差補正のた
めの回折格子であり、ここでは考えなくて良い)センサ
ー168で検出される回折格子171からの±1次回折
光によるビート信号I1は、α、βをPBS142の正
規の反射、透過光の振幅A、Bに対する漏れ込み光の振
幅とし、Aを振幅とすると I1=Acos{(ω1ーω2)t+Δφ1) (2) tan(Δφ1)=sin(4πΔX1/P)/{cos(4πΔX1/P) +(α/B+β/A)} (3) ω1、ω2はそれぞれ角周波数であり、ザーマンレーザ
ー140から発せられる光の周波数をf1、f2とした
とき、ω1=2πf1、ω2=2πf2である。ΔX1
は回折格子171の光学系の基準線からのずれ量(すな
わち、ビームスポットに対する回折格子のずれ量)、P
は回折格子171、172のピッチである。
【0006】また、センサー164で光電検出される回
折格子172の±1次回折光のビート信号I2は、 I2=Acos{(ω1ーω2)t+Δφ2) (4) tan(Δφ2)=sin(4πΔX2/P)/{cos(4πΔX2/P) +(α/B+β/A)} (5)
【0007】3、5式を計算すると図9(a)のような
グラフが得られる。この図において、G171は回折格
子171からの信号を表し、G172は回折格子172
からの信号を表しており、漏れ込み光の影響で非線形成
分が発生していることが分かる。この非線形量は漏れ込
み光量が大きいほど大きくなる。これら2つの信号の位
相差をとっても図9(b)のように、非線形成分はキャ
ンセルされず、ビームスポットに対する両回折格子の変
位に対し回折格子のピッチの半分の周期で正弦波状に位
相が変化する。すなわち、回折格子171と回折格子1
72の相対ずれ量一定の場合においても、ビームスポッ
トと回折格子の相対位置の再現性のばらつきによって、
位置ずれ量計測値が変化することになり、計測再現性に
悪影響を与えていた。従来、計測系に対する位置ずれ
は、例えば、図12の170の接眼鏡で目視することに
より行われており、分解能は高々10μm程度であり、
さらに計測系のビームドリフトによりスポットの方も動
いてしまうため、スポットと回折格子の位置決めの再現
性は数10μm程度であった。
【0008】一方、nmオーダーの位置ずれを検出する
場合、位相差計の分解能から考えて、数μmのピッチの
回折格子を用いるのが妥当であり、このとき図9(b)
の非線形誤差の周期は5μm以下になる。したがって、
従来の装置では、この非線形誤差の振幅に相当する量が
計測再現性を悪化させる要因となっていた。
【0009】図10は、実際の実験データであり、基板
上に2つの回折格子を作製し、その基板を位置ずれ検出
方向へ、回折格子のピッチの20分の1ずつステップ駆
動させたとき結果である。通常の消光比の偏光ビームス
プリッターでは数十nmにも及ぶことが分かった。
【0010】なお、誤差を1nm以下に抑えるには偏光
ビームスプリッタの消光比を0.01%以下にしなけれ
ばならず、このような消光比を満たす偏光ビームスプリ
ッタの製作は非常に困難であった。
【0011】この非線形誤差を低減する方法としてマイ
ケルソン型の干渉計の場合、従来「応用物理 第58巻
第10号(1989)P.89」や特開平2ー2594
07で提案されている平衡検出法があった。
【0012】この方法では、偏光板164、165のか
わりに、図13に示されるように入射光軸の回りにπ/
4ラジアン傾けられた偏光分離素子320を用いて2つ
の信号の和成分と差成分を作りだし、それぞれ検出器3
21、322に入り、差動増幅器323により出力され
位相差計169に導入する。このようにして、非線形成
分を低減する方法であるが、実際には、偏光に関する光
源及び光学部品の不完全さのために偏光面の同定は一般
には困難であり、偏光分離素子320の光軸回りのアラ
イメントが完全にはできず、更に偏光分離素子320自
身で生じる漏れ込み光の影響等で非線形誤差を完全には
除去できなかった。
【0013】本発明は、上述従来の光ヘテロダイン干渉
計測装置における欠点を克服し、計測再現性の高い、高
精度な計測方法、計測装置を提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の方法のある形態は、偏光方向が直交したわずか
に周波数の異なる2成分を有する光をその偏光方向に応
じて偏光分離素子で2光束に分離し、2つの回折格子上
で前記2光束のビームスポットが重なるように所定角度
で前記の2光束を入射させ、前記ビームスポットと前記
回折格子のうち少なくとも一方の回折格子の位置ずれを
検出し、その位置ずれ量に基づき前記一方の回折格子を
所定位置まで移動させた後、それぞれの回折格子からの
回折光を用いて形成した第1、第2のビート信号の位相
を比較処理して前記2つの回折格子の相対位置ずれを検
出することを特徴とする。
【0015】前記ビームスポットと回折格子の位置ずれ
を検出する好ましい形態は、前記回折格子の位置ずれに
よっても位相が変化しない基準ビート信号の位相と前記
回折格子からの回折光を用いて形成した第1のビート信
号の位相を比較処理して行うことを特徴とする。
【0016】また、本発明の装置のある形態は、互いに
偏光方向が直交しているわずかに異なる周波数を有する
光を発生する光源と、前記光源からの光束を偏光方向に
対応して2光束に分離する偏光分離手段と、2つの回折
格子と、前記回折格子上で前記2光束のビームスポット
が重なるように2光束を照射させる照射手段と、前記ビ
ームスポットと少なくとも2つの回折格子うち一方の回
折格子との位置ずれを検出する手段と、前記位置ずれ検
出手段の検出結果の基づいて所定位置まで前記一方の回
折格子を移動させる移動手段と、前記2つの回折格子の
うち第1の回折格子からの回折光を合成して第1のビー
ト信号を形成する手段と、前記2つの回折格子のうち第
2の回折格子からの回折光を合成して第2のビート信号
を形成する手段と、前記2つのビート信号の位相差を検
出する手段と、前記一方の回折格子が前記所定位置に位
置する時の前記位相差を演算処理する演算手段とを有す
ることを特徴とする。
【0017】前記2つの回折格子の好ましい形態は、同
一基板上に形成されていることを特徴とする。
【0018】前記2つの回折格子の好ましい形態は、そ
れぞれ異なる基板上に形成されていることを特徴とす
る。
【0019】
【実施例】以下図面を用いて実施例を説明する。
【0020】図1は、本発明の第1の実施例を示す図
で、2回の露光で焼き付けられた2つの焼き付け重ね合
わせ評価パターン間の位置ずれを高精度に検出し、評価
する焼き付け重ね合わせ評価装置である。図2に示すよ
うにウエハ52上には別々の焼き付けプロセスを経て形
成された回折格子36、37がΔYだけ離れた隣接する
位置にある。ゼーマンレーザ1から発せられた互いに直
交する偏光状態の光は、コリメータレンズ2を通り、ビ
ームスプリッター24で二分され、反射光は偏光板25
で偏光方向を揃えて、センサー26で基準ビート信号と
して検出する。ビームスプリッター24を透過した光
は、偏光ビームスプリッター(以下PBSと略す)9で
周波数f1(S偏光)と周波数f2(P偏光)に二分さ
れる。周波数f1の光はミラー30を介し、回折格子3
6、37に照射される。また、周波数f2の光はミラー
31で偏向され同様に回折格子に照射される。
【0021】この時、ミラー30、31は回折光がウエ
ハに対し垂直上方に回折されるように入射角θinをセッ
ティングする。入射角は、回折格子36、37のピッチ
をP、波長をλ、回折次数をnとしたとき、PSinθ
in=nλから求めることができる。例えばピッチP=2
μm、He−Neレーザー(633nm)使用で±1次
回折光利用の場合、入射角は約18.5度である。
【0022】回折格子36、37からの回折光は、ほぼ
同一光路を通り、ミラー21で偏向され、レンズ39、
偏光板40を通り、図3に示すようにエッジミラー41
位置にマーク36、37の像が結像する。ここで回折格
子36からの回折光はエッジミラーで反射して集光レン
ズ46を介しセンサー55で光電検出され第1の測定ビ
ート信号が得られる。一方エッジミラー41を透過した
回折格子37からの回折光は同様に58で検出され第2
の測定ビート信号が得られる。
【0023】ウエハ52とエッジミラー41がレンズ3
9に関し共役になっており、さらにエッジミラー41と
センサー55と58に関し共役になっている。すなわ
ち、ウエハとセンサーが共役になっているため、ウエハ
のチルトに対し強い系になっている。
【0024】センサー26の出力として得られる基準ビ
ート信号IRは、Aを振幅として、初期位相項を省略す
ると、 IR=Acos{(ω1ーω2)t} (6)
【0025】また、センサー55で光電検出されるビー
ト信号I1はα、βをPBS9の正規の反射、透過光の
振幅A、Bに対する漏れ込み光の振幅とし、A1を振幅
とすると I1=A1cos{(ω1ーω2)t+Δφ1) (7) tan(Δφ1)=sin(4πΔX1/P)/{cos(4πΔX1/P) +(α/B+β/A)} (8) ΔX1は回折格子36のビームスポット位置できまる光
学系の基準線からのずれ量、Pは回折格子36のピッチ
である。
【0026】一方センサー58で光電検出されるビート
信号I2は、α、βをPBS9の正規の反射、透過光の
振幅A、Bに対する漏れ込み光の振幅とし、A2を振幅
とすると I2=A2cos{(ω1ーω2)t+Δφ2) (9) tan(Δφ2)=sin(4πΔX2/P)/{cos(4πΔX2/P) +(α/B+β/A)} (10) ΔX2は回折格子37の光学系基準線からのずれ量、P
は回折格子37のピッチである。ここで、6式、7式で
示されるビート信号の位相の差φRを位相差計57で検
出する。
【0027】この位相差信号は、図5(a)のように光
学系の基準線と回折格子36(言い替えればビームスポ
ットと回折格子)の位置ずれ検出方向の移動によりP/
2周期で変化する。また、1周期の中では、非線形では
あるものの、回折格子の移動で位相差が2値をとること
がない。すなわち、ビームスポットと回折格子36の位
置ずれを検出する事ができる。この時の位置ずれ検出分
解能は光ヘテロダイン干渉法を用いているため非常に高
く、P/100程度は容易に達成でき、また再現性もP
/20より上の精度が可能である。次に、位相差計57
の出力φRをもとにある一定の位相差φ0になるよう
に、ウエハステージドライバー62に指令値を送り、ウ
エハステージ61を駆動してスポットに対する回折格子
36の位置決めを行う。この後、7、9式で表される2
つの測定ビート信号の位相差φを位相差計59で検出す
るようにすれば、図5(b)に示されるように、回折格
子36と37のX方向の相対ずれ量が一定の場合には、
位相差もφSで一定の値が出力されることになる。
【0028】2つの回折格子の相対位置ずれ量ΔXは、
演算器60により次のように求めることができる。
【0029】 ΔX=P・φS/(4π) (11)
【0030】なお、本装置においては、光学系、電気系
のオフセット及び、評価パターンのZ軸に関する回転に
より生じるエラー分を補正する為に、回折格子36また
は、回折格子37を焼き付ける行程で、同時に、ずれ量
が既知の参照マーク(同じくY方向にΔY離れた2つの
回折格子)を露光ショット内に少なくとも1つは作製
し、その2つの回折格子からのビート信号の位相差で較
正する必要があるが、ビームスポットとの位置決めを行
う回折格子はこの参照マークと同一露光行程で作製した
方の回折格子を用いるのがより好ましい。
【0031】前述の説明では、1軸(X方向)のみにつ
いて説明したが、Y方向の位置ずれ検出についても、X
方向回折格子と直交する方向にもう1組の回折格子をウ
エハに焼き付けて、更に、もう1組の光学系をX方向検
出用とは直交する方向に設けて(図示せず)、X方向と
同様に行うことができる。
【0032】なお、市松模様の回折格子をマークに用い
れば、X、Y両方向の位置ずれ検出ができる。さらに、
本実施例では、回折格子にP,S偏光で入射し回折した
後に偏光板で偏光方向を揃える例を示したが、PBS9
を透過、または反射した光のどちらか一方に1/2波長
板を設置して偏光方向を揃えた後に回折格子に照射して
もよい。
【0033】一方、本実施例では±1次回折光を使った
例で説明したが、もちろんその他の次数でも良く、スポ
ットとマークの位置ずれ検出に使う回折光の次数と回折
格子の相対位置ずれを検出するのに使う回折光の次数は
異なっても可能である。
【0034】図4は第2の実施例を示す図であり、重ね
合わせ精度測定装置である。第1の実施例では、センサ
ー26で得られる基準ビート信号IRと、センサー55
で得られるビート信号I1との位相差から、ビームスポ
ットと回折格子36の位置ずれを検出しているため図5
に示すように何周期かずれている場所で測定している可
能性があった。
【0035】偏光ビームスプリッター9の偏光もれによ
り生じる誤差を取り除くことだけを考えれば、これで十
分であるが、コリメーターレンズ2などにより、ビーム
スポット位置で波面収差が無視できないほど存在する場
合には、同じ周期内である一定の位相φ0になるように
ウエハを移動させて、回折格子36を位置決めする必要
がある。
【0036】このとき、位置ずれ検出精度がP/2(P
は回折格子のピッチ)以上の公知の位置ずれ検出法を併
用して、まず同一周期内に回折格子36を追い込んだ後
に、さらに位相差計57の位相差出力がφ0になるよう
にウエハステージドライバー62に指令を送り、回折格
子36の位置決めを行うようにする。本実施例では、図
4に示すように、回折した後の光路の途中にビームスプ
リッター68を配置し、回折光の一部を分離し、レンズ
65によりCCDカメラ66のCCD面上に回折格子3
6の像を結像させるようにしている。この回折格子像を
もとに例えば重心検知あるは、両側エッジ検知等の公知
の信号処理技術により回折格子36の位置ずれを検出す
るようにしている。
【0037】また、CCDカメラの位置に2分割センサ
ーを配置しても良い。図6(a)はこの場合の、2分割
センサー67のセンサー部67a、67b上に回折格子
36の像36’’が結像している様子を示しており、こ
のとき67a、67bから出力される光強度の差を取る
と図6(b)のようになり、位置ずれ量に対し強度差が
リニアに変化する領域を利用することにより回折格子3
6の位置ずれを検出することができる。なお、この他に
ポジションセンシティブデバイスを用いても良く、更に
CCDカメラや2分割センサーの位置は回折格子36と
共役な位置であれば、この他の配置でも良い。
【0038】本実施例において、第1の実施例と異なる
もう一点は、位相差信号の取り方にある。本実施例で
は、図4に示すように基準ビート信号IRを2分し、そ
れぞれ位相差計57、59のref. 信号入力部に導入
している。そして、回折格子36と37から得られるビ
ート信号I1、I2をそれぞれの位相差計のsig.信
号入力部に導入するようにしている。このようにするこ
とにより、位相差計のref.入力は信号強度が一定で
半導体プロセスの影響を受けにくい構成になる。位相差
計57と59の位相差出力を演算器60に導入してその
位相差φSを計算し、更に前述の11式の計算をすれ
ば、回折格子36と回折格子37の相対的な位置ずれ、
すなわち、半導体露光行程における重ね合わせ精度を再
現性良く計測することができる。
【0039】図7は、本発明の第3の実施例を示す図
で、遠紫外光、X線等を用いるプロキシミティー露光方
式半導体製造装置の位置合わせ部を示す。マスク35上
に設けられた回折格子からなるアライメントマーク36
とウエハ52上に設けられた回折格子からなるアライメ
ントマーク37をもちいて、マスク35とウエハ52の
位置合わせを行う。ゼーマンレーザ1から発せられた互
いに直交する偏光状態の光は、コリメータレンズ2を通
り、ビームスプリッター24で二分され、反射光は偏光
板25で偏光方向を揃えて、センサー26で基準ビート
信号として検出する。ビームスプリッター24を透過し
た光はミラー27で偏向されPBS9で周波数f1(S
偏光)と周波数f2(P偏光)に二分される。周波数f
1の光はミラー30で偏向され所定角度でアライメント
マーク36、37に照射される。また、周波数f2の光
はミラー31で偏向され同様にアライメントマーク3
6、37に照射される。この時、ミラー30、31は回
折光がウエハ(マスク)に対し垂直上方に回折されるよ
うに入射角θinをセッティングする。
【0040】アライメントマーク36、37は、同じピ
ッチの回折格子でY方向に少しずらして配置している。
また、マーク37に相当するマスク35の部分に透過部
を設けている(アライメント光の照射されるその他の領
域はアライメント光を遮光し、不要光の発生を防ぐマス
ク構造になっている)図8において、マスク上のマーク
38は次の露光行程で使用するためにウエハ上に焼き付
けるアライメントマークを示し、領域32がスクライブ
ライン、領域33が回路パターエリア、領域34が露光
光が照明する範囲に相当する。
【0041】アライメントマーク36、37からの回折
光は、ほぼ同一光路を通り、ミラー21で偏向され、レ
ンズ39、偏光板40を通り、図3に示すようにエッジ
ミラー41位置にマーク36、37が結像する。ここで
アライメントマーク36からの回折光はエッジミラーを
反射して、レンズ46を介しセンサー58で光電検出さ
れる。一方エッジミラー41を透過したアライメントマ
ーク37からの回折光は同様にセンサー55で検出され
る。
【0042】ウエハ52(マスク36)とエッジミラー
41がレンズ39に関し共役になっており、さらにエッ
ジミラー41とセンサー55、58に関し共役になって
いる。すなわち、ウエハ(マスク)とセンサーが共役に
なっているため、ウエハ及びマスクのチルトに対し強い
系になっている。
【0043】センサー26の出力として得られる基準ビ
ート信号IRは、Aを振幅として、初期位相項を省略す
ると、 IR=Acos{(ω1ーω2)t} (12)
【0044】また、センサー55で光電検出されるビー
ト信号IMはα、βをPBS9の正規の反射、透過光の
振幅A、Bに対する漏れ込み光の振幅とし、AMを振幅
とすると IM=AMcos{(ω1ーω2)t+ΔφM) (13) tan(ΔφM)=sin(4πΔXM/P)/{cos(4πΔXM/P) +(α/B+β/A)} (14) ΔXMは回折格子36のビームスポット位置できまる光
学系基準線からのずれ量、Pは回折格子36のピッチで
ある。
【0045】一方センサー58で光電検出されるビート
信号IWは、α、βをPBS9の正規の反射、透過光の
振幅A、Bに対する漏れ込み光の振幅とし、AWを振幅
とすると IW=AWcos{(ω1ーω2)t+ΔφW) (15) tan(ΔφW)=sin(4πΔXW/P)/{cos(4πΔXW/P) +(α/B+β/A)} (16) ΔXWは回折格子37の光学系基準線からのずれ量、P
は回折格子37のピッチである。ここで、12式、13
式で示されるビート信号の位相の差φRを位相差計57
で検出する。
【0046】この位相差信号は、図5(a)のように光
学系の基準線と回折格子36(言い替えればビームスポ
ットと回折格子)の位置ずれ検出方向の移動によりP/
2周期で変化する。また、1周期の中では、非線形では
あるものの、回折格子の移動で位相差が2値をとること
がない。すなわち、ビームスポットと回折格子36の位
置ずれを検出する事ができる。位相差計57の出力φR
をもとにある一定の位相差φ0になるように、マスクス
テージドライバー63に指令値を送り、マスクステージ
64を駆動してスポットに対する回折格子36の位置決
めを行う。
【0047】この後、13、15式で表される2つの測
定ビート信号の位相差φを位相差計59で検出するよう
にすれば、図5(b)に示されるように、回折格子36
と37のX方向の相対ずれ量が一定の場合には、位相差
もφSで一定の値が出力されることになる。2つの回折
格子の相対位置ずれ量、すなわちマスク35とウエハ5
2のアライメントエラーΔXは、演算器60により次の
ように求めることができる。
【0048】 ΔX=P・φS/(4π) (17)
【0049】位置ずれを検出した後、その値に基づいて
ウエハステージ61用駆動ドライバー62に指令を送
り、ウエハあるいはどちらか一方を移動させて許容ずれ
量以下になるようにする。本説明では、マスク上のアラ
イメントマークとビームスポットの位置合わせを行うの
にマスクの方を移動させたが、光学系を移動させるよう
にしても同様の効果が得られる。また1軸(X方向)の
みについて説明したが、Y方向のアライメントについて
も、X方向アライメントマークと直交する方向にもう1
組のアライメントマークをマスクとウエハにそれぞれ設
けて(図示せず)、更に、もう1組の光学系をX方向検
出用とは直交する方向に設けて(図示せず)、X方向と
同様に行うことができる。なお、市松模様の回折格子を
アライメントマークに用いれば、X、Y両方向の位置ず
れ検出ができる。また、露光領域の各辺の内少なくとも
3辺にこのようなアライメント光学系、アライメントマ
ークを設けることにより、X、Yと更に回転方向の位置
ずれ量を検出することもできる。
【0050】さらに、本実施例では、回折格子にP,S
偏光で入射し回折した後に偏光板で偏光方向を揃える例
を示したが、PBS9を透過、または反射した光のどち
らか一方に1/2波長板を設置して偏光方向を揃えた後
にアライメントマークに照射してもよい。なお、このと
きは、偏光板40は必要なくなる。
【0051】一方、本実施例では±1次回折光を使った
例で説明したが、もちろんその他の次数でも良い。
【0052】さらに、等倍のプロキシミティ半導体露光
装置のアライメント装置の例をあげて説明してきたが、
本発明は縮小投影半導体露光装置にも応用可能な技術で
ある。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
偏光ビームスプリッタに漏れ込みがある場合において
も、まず、2つの回折格子のうち一方の回折格子を再現
性良く、ビームスポットに位置決めして、その後、2つ
の回折格子の回折光で形成した2つのビート信号の位相
を比較処理することにより、漏れ込みにより生じた非線
形誤差の影響のでない高精度で再現性の良い位置ずれ計
測が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を代表して説明する第一の実施例
であり、重ね合わせ精度測定装置を示す図である。
【図2】2つの回折格子マークの配置図である。
【図3】実施例で説明に使う回折光の分離方法を示す図
である。
【図4】本発明の第2の実施例で重ね合わせ精度測定装
置を示す図である。
【図5】本発明の原理を説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施例で用いる2分割センサー
を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施例で半導体露光装置のアラ
イメント装置部を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施例を説明する図である。
【図9】従来例の問題点を説明するための図である。
【図10】従来例の重ね合わせ精度測定装置で計測した
場合の実験結果の一例を示す図である。
【図11】従来例の重ね合わせ精度測定装置のパターン
配置図である。
【図12】従来例の重ね合わせ精度測定装置を示す図で
ある。
【図13】従来の非線形誤差低減方法を示す図である。
【符号の説明】
1 ゼーマンレーザー 2 コリメータレンズ 26、55、58 センサー 25、40 偏光板 9 偏光ビームスプリッター 57、59 位相差計 60 演算器 35 マスク 36、37 回折格子 41 エッジミラー 52 ウエハ 61 ウエハステージ 64 マスクステージ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光方向が直交したわずかに周波数の異
    なる2成分を有する光をその偏光方向に応じて偏光分離
    素子で2光束に分離し、2つの回折格子上で前記2光束
    のビームスポットが重なるように所定角度で前記の2光
    束を入射させ、前記ビームスポットと前記回折格子のう
    ち少なくとも一方の回折格子の位置ずれを検出し、その
    位置ずれ量に基づき前記一方の回折格子を所定位置まで
    移動させた後、それぞれの回折格子からの回折光を用い
    て形成した第1、第2のビート信号の位相を比較処理し
    て前記2つの回折格子の相対位置ずれを検出することを
    特徴とする光ヘテロダイン干渉測定方法。
  2. 【請求項2】 前記ビームスポットと回折格子の位置ず
    れを検出する際、前記回折格子の位置ずれによっても位
    相が変化しない基準ビート信号の位相と前記回折格子か
    らの回折光を用いて形成した第1のビート信号の位相を
    比較処理して行うことを特徴とする請求項1の光ヘテロ
    ダイン干渉測定方法。
  3. 【請求項3】 互いに偏光方向が直交しているわずかに
    異なる周波数を有する光を発生する光源と、前記光源か
    らの光束を偏光方向に対応して2光束に分離する偏光分
    離手段と、2つの回折格子と、前記回折格子上で前記2
    光束のビームスポットが重なるように2光束を照射させ
    る照射手段と、前記ビームスポットと少なくとも2つの
    回折格子うち一方の回折格子との位置ずれを検出する手
    段と、前記位置ずれ検出手段の検出結果の基づいて所定
    位置まで前記一方の回折格子を移動させる移動手段と、
    前記2つの回折格子のうち第1の回折格子からの回折光
    を合成して第1のビート信号を形成する手段と、前記2
    つの回折格子のうち第2の回折格子からの回折光を合成
    して第2のビート信号を形成する手段と、前記2つのビ
    ート信号の位相差を検出する手段と、前記一方の回折格
    子が前記所定位置に位置する時の前記位相差を演算処理
    する演算手段とを有することを特徴とする光ヘテロダイ
    ン干渉測定装置。
  4. 【請求項4】 前記2つの回折格子が同一基板上に形成
    されていることを特徴とする請求項3の光ヘテロダイン
    干渉測定装置。
  5. 【請求項5】 前記2つの回折格子がそれぞれ異なる基
    板上に形成されていることを特徴とする請求項3の光ヘ
    テロダイン干渉測定装置。
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