JPH07270123A - 位置ずれ検出方法及び光ヘテロダイン干渉測定方法及びそれらを用いた位置ずれ検出装置 - Google Patents

位置ずれ検出方法及び光ヘテロダイン干渉測定方法及びそれらを用いた位置ずれ検出装置

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JPH07270123A
JPH07270123A JP6256210A JP25621094A JPH07270123A JP H07270123 A JPH07270123 A JP H07270123A JP 6256210 A JP6256210 A JP 6256210A JP 25621094 A JP25621094 A JP 25621094A JP H07270123 A JPH07270123 A JP H07270123A
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diffraction grating
light
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deviation
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Kenji Saito
謙治 斉藤
Koichi Chitoku
孝一 千徳
Takahiro Matsumoto
隆宏 松本
Goji Miyaji
剛司 宮地
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    • G03F9/00Registration or positioning of originals, masks, frames, photographic sheets or textured or patterned surfaces, e.g. automatically
    • G03F9/70Registration or positioning of originals, masks, frames, photographic sheets or textured or patterned surfaces, e.g. automatically for microlithography
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マスクとウエハとの位置ずれやウエハ面上へ
のパターンの重ね合わせ等を計測する際に好適な位置ず
れ検出方法及びそれを用いた位置ずれ検出装置を得るこ
と。 【構成】 光源手段からの光束を物体の一部に設けた回
折格子に照射し、該回折格子から生ずる±n(nは正の
整数)次回折光を受光手段面上に導光し、該±n次回折
光の該受光手段面上への入射位置情報を用いて演算手段
により該物体の回転ずれ情報を検出したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は位置ずれ検出方法及び光
ヘテロダイン干渉測定方法及びそれらを用いた位置ずれ
検出装置に関し、被検物体の一部に回折格子を設け、該
回折格子からの回折光を利用して、例えば被検物体の回
転ずれを検出する顕微鏡試料台、EB描画装置、露光装
置、重ね合わせ評価装置、ロータリーエンコーダー、そ
してヨーイング検査装置等に好適なものである。
【0002】この他半導体素子製造用の露光装置におい
てマスクやレチクル等の物体上に形成されている微細な
電子回路パターンをウエハ等の第2物体面上に露光転写
する際のウエハ上に焼き付けた後のウエハ上の焼き付け
パターンの重ね合わせ精度、即ち位置ずれ量を計測する
場合等に好適な位置ずれ検出方法及びそれを用いた位置
ずれ検出装置に関するものである。
【0003】この他本発明は光ヘテロダイン干渉測定方
法及び光ヘテロダイン干渉測定装置に関し、例えば半導
体素子製造用の露光装置により、マスクやレチクル等の
第1物体上に形成されている微細な電子回路パターンを
ウエハ等の第2物体面上に露光転写した際、転写した第
1物体のパターンと第2物体上にすでに存在しているパ
ターンとの重ね合わせ精度(位置ずれ量)を測定する際
に好適なものである。
【0004】
【従来の技術】従来より、例えば顕微鏡の試料台に被検
物体を載せ、該被検物の微小領域を逐次観察する際の送
り方向と試料台の回転ずれとを検出し、正規の位置に補
正する装置が種々と提案されている。この場合は、一般
に被検物の送り方向の両端のパターンを見ながら回転ず
れを補正している。
【0005】又所定のパターンを画像処理することによ
り物体の回転ずれを検出する装置が例えば特開昭60−
77273号公報で提案されている。又被検物体の回転
ずれを高精度に検出する装置としてロータリーエンコー
ダーが、例えば特開昭61−66926号公報等で提案
されている。
【0006】この他被検物体の位置ずれを測定する方法
としては第1に測定のパターンを焼き付けてパターン線
幅測定装置でパターンの相互間のずれを測定するものが
ある。
【0007】又第2にピッチの異なる格子を集積回路上
に焼き付けて丁度重なる格子の部分を読み取るバーニア
方式のものがある。又第3に集積回路上に細長い抵抗体
と電極と重ね合わせて形成し、その抵抗体の各値を比較
する方法がある。
【0008】更に第4に本出願人が特開平4−2120
02号公報で提案しているように回折格子を集積回路上
に焼き付けて回折光の位相差によりパターンのずれ量を
測定する方法等がある。
【0009】次に参考の為の前述の各方法のうち第4の
方法について説明する。
【0010】図10は同公報で提案されている位置ずれ
検出装置の検出原理を示す説明図である。
【0011】図10では物体上に設けた同一平面上にあ
って隣接する2つの等間隔の直線格子(グレーティン
グ)A′,B′を考えている。ここで2つのグレーティ
ングのピッチは共にP′で等しく、グレーティングの相
互間には矢印方向(x方向)にずれ(Δx=xB′−
A′)が生じている。
【0012】仮に片方のグレーティングをA′、もう片
方をB′とする(XA′,XB′は、それぞれグレーティ
ングA′,B′の同一基準位置からのx方向ずれ)。
【0013】ここで振動数が僅かに違い(ωf1
ωf2)、初期位相がそれぞれφof1 ,φof2 の2つの光
109,110がグレーティングA′,B′に入射した
とする。このとき2つの光109,110のそれぞれの
複素振幅Ef1 ,Ef2は Ef1 =A0 exp{i(ωf1t+φof1 )} ‥‥‥ (1) Ef2 =B0 exp{i(ωf2t+φof2 )} ‥‥‥ (2) で示される。この2つの光109,110を2つのグレ
ーティング全面に照射する。
【0014】例えば光109を左から、光110を右か
らそれぞれ同じ絶対値の入射角で照射する。このとき、
光109のグレーティングA′,B′に対しての+1次
回折光を111,112とし、光110のグレーティン
グA′,B′に対しての−1次回折光を113,114
とする。
【0015】そしてそれぞれの光を複素振幅表示すると
光111,113,112,114の複素振幅をそれぞ
れE′AF1(+1),E′AF2(−1),E′Bf1(+
1),E′Bf2 (−1)とすると E′AF1(+1)=Af1exp{i(ωf1t+φof1 +φA′)}‥‥(3) E′AF2(−1)=Af2exp{i(ωf2t+φof2 +φA′)}‥‥(4) E′Bf1(+1)=Bf1exp{i(ωf1t+φof1 +φB′)}‥‥(5) E′Bf2(−1)=Bf2exp{i(ωf2t+φof2 +φB′)}‥‥(6) となる。
【0016】ここで、φA′=2πxA′/P,φB′=
2πxB′/Pであり、それぞれグレーティングA′,
B′のx方向のずれ量が位相量として表されたものであ
る。
【0017】そしてグレーティングA′からの回折光1
11と113、そしてグレーティングB′からの回折光
112と114を干渉させるとそれぞれの干渉光強度変
化IA ,IB は以下のようになる。
【0018】 IA =|E′Af1(+1)+E′Af2(−1)|2 =A2 f1+A2 f2+2Af1f2・cos{2π(f2 −f1)t +(φof2−φof1)−2φA′} ‥‥‥(7) IB =|E′Bf1(+1)+E′Bf2(−1)|2 =B2 f1+B2 f2+2Bf1f2・cos{2π(f2 −f1)t +(φof2−φof1)−2φB′} ‥‥‥(8) ここでf1 =ωf1/2π,f2 =ωf2/2π,A2 f1
2 f2 ,B2 f1 +B2 f2 は直流成分、2Af1f2,2B
f1f2 は振幅である。(7)式,(8)式はf2 −f1
のビート周波数成分をもつ信号が、初期位相ずれφof2
−φof1 及びグレーティングA′,B′の個々のずれ
量φA′,φB′だけ時間的に位相変調を受けた形となっ
ている。
【0019】よって、(7)式及び(8)式で示される
信号のどちらか一方を参照信号、もう一方を被測定信号
として2つの時間的ずれを検出すれば光の初期位相が消
去でき、所謂ヘテロダイン干渉計測として高精度な位相
差Δφの検出が可能となる。
【0020】(Δφ=2(φB′ −φA′ ) =(4π/P′)Δx) 光ヘテロダイン干渉法は前述したように2つの信号間の
位相ずれを時間として検出するので信号間に直流成分の
違いや振幅の変化があっても測定に影響はない。
【0021】ここで図11に示すように参照信号11
5、被測定信号116の時間的ずれをΔTとすると、Δ
Tを例えばロックインアンプ等を用いて高精度検出する
ことによって位相差の高精度測定ができる。
【0022】上述のようにして検出された位相差はグレ
ーティング相互間のずれ量Δxを示す位相差Δφに一致
するのでP′×(Δφ/4π)よりグレーティング間の
ずれ量Δxが求まる。
【0023】即ち、 Δx=P′×(Δφ/4π) となる。
【0024】従って上述の原理に基づき第1回目に焼き
付けられた格子パターンと第2回目に焼き付けられた格
子パターンとのずれ量Δxを求めれば、例えば半導体露
光装置の位置合わせ精度、即ち第1回と第2回の焼き付
けにより形成された実素子パターン間のずれ量を検出す
ることができる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】従来の回転ずれ検出装
置のうち、被検物体の送り方向の両端のパターンを見る
方法は、試行錯誤を繰り返し、繁雑である。又画像処理
による方法は画像処理演算が必要で装置も大掛かりなも
のとなり、処理時間や精度の面で微小回転ずれを高精度
に検出するには不向きであった。
【0026】又ロータリーエンコーダーを用いる方法
は、回転軸が予め定まっている必要があり、高精度な計
測には回転軸を高精度に合わせなければならず、繁雑で
あった。
【0027】又回転軸が一般に定まらないような場合、
例えば評価用サンプルを試料台に載せる場合や半導体焼
き付け装置のマスクθアライメント系の場合には十分に
対応することができなかった。
【0028】本発明の第1の目的は、対象とする物体上
に回折格子を設け、該回折格子に光ビームを照射し、該
回折格子により生じた回折光のうち、絶対値が等しく、
符号が相異なる次数の組み合わせ、即ち±n次(nは正
の整数)回折光の所定面上での光束位置を検出し、該回
折光束の位置の所定方向の差を演算することにより、対
象物の回転ずれを高精度に検出することができる回転ず
れ検出装置の提供にある。
【0029】又被検物体の位置ずれを検出する方法のう
ち第1のパターン線幅測定装置を用いた方法によると、
通常その種の装置の精度としては、高々0.01μm程
度の精度しか得られない。又第2のバーニア方式によっ
ても0.04μm程度の精度しか得られないといった問
題点がある。
【0030】更に第3の抵抗測定法は、精度が得られる
反面、測定をする為にかなり複雑な処理工程を必要とす
るという問題点がある。
【0031】これに対し第4の方法は上記第1と第3の
問題点を考慮した比較的簡易且つ安価な方法である。こ
の第4の方法は図12や図13に示すように被測定パタ
ーン(回折格子)53,54への入射光束109,11
0とパターンとの相対関係のうちウエハ55の面内回転
量と位相差Δφの変動について次のようなことが生じる
場合があった。
【0032】図12,図13は図10の被検用のパター
ン(回折格子)53,54に光束が入る状態を示したも
のである。パターン53と54の中心間距離をd、パタ
ーン53の中心点をP1 、パターン54の中心点をP2
とし、パターン53,54への入射角が図12で示すよ
うにθZ だけずれた場合について示している。
【0033】このとき図13で示すように点P1から光
束68が点P2に入る光線に下した重線の交点をHとす
ると、光束109は平面波であるとすると、位置H,P
1が等位相面に含まれる。点P1に入る光束2の光線を6
7,点P2に入る光束2の光線を68とする。光線6
7,68の進行方向の方向余弦を(α,β,γ)とする
と、
【0034】
【数1】 となる。
【0035】又、光束110のうち点P1に入る光線を
70、点P2に入る光線を71とする。光線67の1次
回折光の複素振幅表示は Ea′(f1 )=Aexp{i(ω1 t+φ1 +φa)}‥‥‥(10) 同様に光線70,光線68,光線71の回折光を複素振
幅表示は Ea′(f2 )=Bexp{i(ω2t+φ2 −φa )} ‥‥‥(11) Eb′(f1 )=Aexp{i(ω1t+φ1b+(2π/λ)・βd)} ‥‥‥(12) Eb′(f2 )=Bexp{i(ω2t+φ2b-(2π/λ)・βd)} ‥‥‥(13) ここに、φ1 ,φ2 は初期位相、φa ,φb は位置ずれ
相当位相である。
【0036】Ea′(f1 )とEa′(f2 )の干渉に
より Ia′=|Ea′(f1 )+Ea′(f2 )|2 =A2 +B2 +2・A・Bcos{(ω1 - ω2)t +(φ1 - φ2) +2φa} ‥‥‥(14) Eb′(f1 )とEb′(f2 )の干渉により Ib′=A2 +B2 +2・A・Bcos {(ω1 2)t +(φ1 - φ2) + 2φb−2・(2π/λ)・βd} ‥‥‥(15) となる。
【0037】従って(14),(15)式よりθZ ≠0
である場合にはθZ =0、即ち入射光67,68の方向
余弦のうちy成分β=0の場合に比べ、(β≠0のとき
は)(4π/λ)・βdだけ位相が変わることになる。
【0038】このことより格子パターン53と54の間
のずれに相当する誤差をΔx′とすると Δx′=2βd ‥‥‥(16) で、Δx′=5nm相当の値は、d=100μmとする
と β=Δx′/(2d) =5nm/(2×100)μm =2.5×10-5 θZ =90°−cos-1β =5.1″となる。
【0039】即ち、θZ の値が5.1″変動すると格子
パターン53と54の間のずれ検出値が5nm変わるこ
とになる。このことは検出光学系とウエハ55がウエハ
面内の回転に相当する相対変動が5.1″あると5nm
の変動誤差を生じるということになり、ずれを高精度に
検出することが難しくなってくる。
【0040】通常、半導体素子製造用の露光装置でウエ
ハステージは6インチとか8インチのウエハを送る。こ
の場合に秒オーダーの回転を発生させないようにするに
は複雑なモニター機能と制御を要し、単純な構成でステ
ージ送りを達成しようとすると秒オーダーの回転、即ち
ヨーイングが発生し、これに対応したパターン間のずれ
検出誤差を避けることが難しくなってくる。
【0041】又、グレーティングパターンの描画時、露
光時及びプロセス中に発生するウエハの場所による局所
的な面内回転ずれによって生じる検出誤差を避けること
も難しい。
【0042】本発明の第2の目的は光学的検出系と被検
物体との間で被検物体の面内回転の相互変動が発生して
もその誤差を解消し、nmオーダーの高精度な位置ずれ
検出ができる位置ずれ検出方法及びそれを用いた位置ず
れ検出装置の提供にある。
【0043】特に、被検物体上の各位置に配置された回
折格子パターンに対して、重ね合わせ誤差を測定すると
き回折格子パターン間を移動するときに生じるステージ
ヨーイング成分による被検物体の面内回転成分及びウエ
ハの場所によるローカルな面内回転ずれを含めた被測定
格子の面内回転ずれ量を該被測定格子を用い、別途測定
し、面内回転ずれがない状態にウエハの面内回転を制御
し、面内回転ずれに伴う重ね合わせ測定誤差を取り除く
ことにより高精度な測定が可能な位置ずれ検出方法及び
それを用いた位置ずれ検出装置の提供にある。
【0044】この他本発明は上記従来の欠点に鑑み、検
出光学系と被検物との間で、被検物の回転等の相対変動
が発生しても、その誤差を解消し、nmオーダーの高精
度なパターンずれ検出手段を提供するものである。
【0045】
【課題を解決するための手段】本発明の回転ずれ検出装
置は、 (1−1)光源手段からの光束を物体の一部に設けた回
折格子に照射し、該回折格子から生ずる±n(nは正の
整数)次回折光を受光手段面上に導光し、該±n次回折
光の該受光手段面上への入射位置情報を用いて演算手段
により該物体の回転ずれ情報を検出したことを特徴とし
ている。
【0046】特に、前記演算手段は前記±n次回折光の
前記受光手段面上への入射位置情報を該受光手段面上に
おける基準位置からの差より求めていることを特徴とし
ている。
【0047】本発明の位置ずれ検出方法は、 (1−2)物体の一部に設けた第1,第2回折格子に光
束を照射し、該第1,第2回折格子から生ずる±n(n
は正の整数)次回折光を受光手段面上に導光し、該±n
次回折光の該受光手段面上への入射位置情報より該物体
の面内の回転ずれを補正し、その後、該第1,第2回折
格子間の位置ずれ情報を求めていることを特徴としてい
る。
【0048】(1−3)周波数が僅かに異なる2光束を
物体の一部に設けた第1,第2回折格子に照射し、該第
1,第2回折格子から生ずる±m(mは正の整数)次回
折光を光ヘテロダイン干渉させ、これより該第1,第2
回折格子に基づく第1,第2ビート信号を得て、その
後、該第1,第2ビート信号間の位相差を検出すること
により該物体面上の第1,第2回折格子間の位置ずれ情
報を求めていることを特徴としている。
【0049】本発明の位置ずれ検出装置は、 (1−4)光源手段からの光束を物体の一部に設けた第
1,第2回折格子に照射し、該第1,第2回折格子から
生ずる±n(nは正の整数)次回折光を受光手段面上に
導光し、該受光手段面上への該±n次回折光の入射位置
情報を利用して演算手段により該物体の面内回転ずれ情
報を求め、該演算手段からの回転ずれ情報を用いて補正
制御手段により該物体の面内回転ずれを補正し、該演算
手段は該補正制御手段からの補正信号の入力に応じて該
第1,第2回折格子相互の位置ずれ情報を検出している
ことを特徴としている。
【0050】(1−5)光源手段から僅かに周波数の異
なる2光束を物体の一部に設けた第1,第2回折格子に
照射し、該第1,第2回折格子から生ずる±m(mは正
の整数)次回折光を合成手段で合成して光ヘテロダイン
干渉させ、該合成手段からの光ヘテロダイン干渉信号を
用いて演算手段により、該第1,第2回折格子に基づく
第1,第2ビート信号を得て該物体の面内回転ずれ情報
を求めており、該演算手段からの回転ずれ情報を用いて
補正制御手段により該物体の面内回転ずれを補正し、該
演算手段は該補正制御手段からの補正信号の入力に応じ
て該第1,第2回折格子相互の位置ずれ情報を検出して
いることを特徴としている。
【0051】本発明のパターンずれ検出手段は、 (1−6)被検物体上の複数個の位置に配置された前記
位置ずれ測定用回折格子パターンを用いて、重ね合わせ
誤差を測定する時、測定の行われる各回折格子パターン
間の移動時に生じるステージのヨーイングによる被検物
体の面内回転量を測定し、該面内回転量に相当する補正
値を得ることにより、高精度な測定を実現するものであ
る。
【0052】本発明の光ヘテロダイン干渉測定装置は、 (1−7)第1の露光で形成された第1の回折格子と、
第2の露光で形成され、第1の回折格子に隣接して形成
された第2の回折格子を一組とした回折格子対を複数個
ウエハ上に配置し、該複数個の回折格子対を構成する個
々の回折格子対を測定光学系の測定位置に移動させて順
次測定を行い、該回折格子対の相対的なずれ量を検出す
る際、該測定光学系が前記2つの回折格子に対し僅かに
周波数の異なる2周波数の可干渉光を照射する照明系
と、前記2つの回折格子から回折される光を干渉させ前
記第1の回折格子から発生する第1のビート信号と、前
記第2の回折格子から発生される第2のビート信号を検
出する検出系より構成されるとともに、前記第1及び第
2のビート信号の位相差を検出して、前記2つの回折格
子のずれを求める際、該回折格子対の前記測定光学系に
対する相対的回転量を計測する計測光学系を備え、該計
測値より前記位相差の検出量に補正を加えることを特徴
としている。
【0053】特に、 (1−7−1)前記計測光学系がウエハステージのヨー
イングを検出する系であること。 (1−7−2)前記回折格子対のずれを前記測定光学系
で測定する際、前記回折格子対を構成する少なくとも一
方の回折格子にビームを照射して得られる+n次と−n
次の回折光の位置の検出系を設け、該検出系による計測
値より前記測定光学系による測定値の補正を加えるこ
と。 (1−7−3)前記回折格子対のずれを前記測定光学系
で測定する際、前記回折格子対を構成する少なくとも一
方の回折格子の回転量を撮像装置で撮像することによっ
て検出し、該撮像装置による計測値より前記測定光学系
による測定値の補正を加えること。等を特徴としてい
る。
【0054】本発明の光ヘテロダイン干渉測定方法は、 (1−8)第1の露光で形成された第1の回折格子と、
第2の露光で形成され、第1の回折格子に隣接して形成
された第2の回折格子を一組とした回折格子対を複数個
ウエハ上に配置し、該複数個の回折格子対を構成する個
々の回折格子対を測定光学系の測定位置に移動させて順
次測定を行い、該回折格子対の相対的なずれ量を検出す
る際、該測定光学系が前記2つの回折格子に対し僅かに
周波数の異なる2周波数の可干渉光を照射する照明系
と、前記2つの回折格子から回折される光を干渉させ前
記第1の回折格子から発生する第1のビート信号と、前
記第2の回折格子から発生される第2のビート信号を検
出する検出系より構成されるとともに、前記第1及び第
2のビート信号の位相差を検出して、前記2つの回折格
子のずれを求める際、該回折格子対の前記測定光学系に
対する相対的回転量を計測する計測光学系を備え、該計
測値より前記位相差の検出量に補正を加えることを特徴
としている。
【0055】特に、 (1−8−1)前記計測光学系がウエハステージのヨー
イングを検出する系であること。 (1−8−2)前記回折格子対のずれを前記測定光学系
で測定する際、前記回折格子対を構成する少なくとも一
方の回折格子にビームを照射して得られる+n次と−n
次の回折光の位置の検出系を設け、該検出系による計測
値より前記測定光学系による測定値の補正を加えるこ
と。 (1−8−3)前記回折格子対のずれを前記測定光学系
で測定する際、前記回折格子対を構成する少なくとも一
方の回折格子の回転量を撮像装置で撮像することによっ
て検出し、該撮像装置による計測値より前記測定光学系
による測定値の補正を加えること。等を特徴としてい
る。
【0056】
【実施例】図1は本発明の回転ずれ検出装置における回
転ずれ情報を検出する為の基本概念図である。
【0057】図中1は回転ずれ情報検出用の被検物体で
ある。
【0058】図1において物体1上に設けられた回折格
子2へ光源手段(不図示)から光ビーム3を照射する。
このとき回折格子2からは0次回折光4、n次回折光5
及び−n次回折光6等が生ずる。
【0059】今、座標系を図1に示すように物体上1上
の回折格子2の法線方向をz、z軸に関する回転ずれ角
をωz 、回転ずれの基準とする方向をx、両者と直交す
る方向をyと定義する。
【0060】回折格子2として等ピッチの直線格子のピ
ッチ方向をxとなるように配置し、入射面がy−z平面
となるように設定し、光ビーム3を回折格子2へ照射す
る。回折格子2からの回折光のうち0次回折光4はy−
z平面内をz軸に関し対称に正反射する。
【0061】回折格子2の中心から所定の距離Lだけ離
れ、0次回折光4と垂直な仮想平面IPを考える。点7
を0次回折光4の仮想平面IPへの入射中心点とする。
そうすると回折格子2から回折したn次回折光5と−n
次回折光6は仮想平面IP上の0次回折光4の入射中心
点7から等距離Rで点対称な位置8,9にそれぞれ存在
(入射)する。
【0062】回転ずれがない場合、即ちωz =0のとき
は点8と点9を結ぶ直線は、基準方向xと平行になる。
物体1が回転ずれωz を生ずると、その回転角に応じ
(比例し)回折光5,6は回折光5′,6′となり、0
次回折光4の入射点7を中心に回転し、それぞれ点
8′,9′の位置にくる。
【0063】回転ずれωz があまり大きくない場合は、
その移動方向は0次回折光4と基準時の回折光5,6を
結ぶ方向と直交し、それぞれの移動量をSn ,S-nとす
れば次式(17) ω =(Sn−S−n)/(2R) ‥‥‥(17) で表される。
【0064】ここで移動量Sn とS-nは回転ずれに応じ
て互いに逆方向に動く。距離Rを大きく設定し、移動量
n ,Sn-1を高分解に測定すれば、物体1の微小な回
転ずれωz を検出することができる。
【0065】回折格子2のピッチをPとすれば Psinθ′=nλ ‥‥‥(18) tanθ′=R/L ‥‥‥(19) なる関係式が回折格子の回折原理より成立する。
【0066】(18),(19)式より、 R=Ltanθ′=Ltan{sin-1(nλ/P)}‥‥‥(20) となり、評価面までの距離L、照射波長λ、回折次数n
及び回折格子のピッチPにより任意にRを設定すること
が可能となる。
【0067】一方、回転ずれωz 以外の物体1の動きに
対する影響は以下に示すようにキャンセルされて、回転
ずれωz の検出誤差とはならない。まず、各軸x,y,
z方向の物体1の位置ずれについて述べる。
【0068】(イ)物体1がx軸方向にx′ずれた場合 照射ビーム3の回折格子2へのx方向の照射領域が回折
格子2より小さい場合は、回折ビーム5,6の入射点
8,9は変化しない。回折格子2より該照射領域が大き
い場合は、x方向に同じ量だけ回折ビーム5,6の入射
点は移動する。回転ずれωz の検出方向と直交する方向
のため回転ずれ計測誤差とはならない。
【0069】(ロ)物体1がy軸方向にy′ずれた場合 照射ビーム3の回折格子2のy方向照射領域が回折格子
2より小さい場合は、回折ビーム5,6の入射点8,9
は変化しない。回折格子2より該照射領域が大きい場合
は、回転ずれωz の検出方向にy′と比例する同じ量S
y ′移動する。回転ずれ検出量ωz は ωz ={Sn +Sy′−(S-n+Sy′)}/(2R) =(Sn −S-n )/(2R) となり、回転ずれの計測誤差とはならない。
【0070】(ハ)物体1がz方向にz′ずれた場合 照射ビーム3と回折格子2の大きさにかかわらず、回折
ビーム5,6の入射点8,9は、回転ずれωz の検出方
向にそれぞれz′と比例する量SZ′移動する。回転ず
れ検出量ωz は ωz ={Sn +Sz′−(S-n +Sz′)}/(2R) =(Sn −S-n )/(2R) となり、回転ずれの計測誤差とはならない。
【0071】次に物体1のティルトの影響について述べ
る。
【0072】(ニ)x軸の回りの回転に相当するティル
トωx′が存在する場合 照射ビーム3と回折格子2の大きさにかかわらず、回折
ビーム5,6の入射点8,9は、回転ずれωz 検出方向
にそれぞれωx′と比例する量Sωx′移動する。
【0073】回転ずれ検出量ωz は ωz ={Sn +Sωx′−(S-n+Sωx′)}/(2R) =(Sn −S-n )/(2R) となり、回転ずれの計測誤差とはならない。
【0074】(ホ)y軸回りの回転に相当するティルト
ωy′が存在する場合 照射ビーム3と回折格子2の大きさに関わらず、回折ビ
ーム5,6の入射点8,9はそれぞれ回転ずれωz 検出
方向と直交する方向に同じ量移動する。回転ずれωz
出方向と直交するずれの為、回転ずれ計測誤差とはなら
ない。
【0075】図2は本発明の回転ずれ検出装置を試料評
価装置に適用したときの実施例1の要部概略図である。
【0076】本実施例は、回転ステージ付きの試料台1
0上の試料(ウエハ,物体)1を顕微鏡系の評価手段2
0により評価する場合を示している。
【0077】図2において2は試料1上に設けられた回
折格子、11は試料台10の回転制御系、12は試料台
をy方向へ移動する為のyステージ、13はyステージ
12の制御系、14は試料台をx方向へ移動する為のx
ステージ、15はxステージ14の制御系である。
【0078】16は回転ずれ検出系の光照射手段、1
7,18はそれぞれ光束(回折光)の入射位置を検出す
る検出手段(受光手段)、19は検出手段17,18か
らの信号をもとに試料1の回転ずれを演算し、回転ずれ
量を回転制御系11へ伝える演算手段である。
【0079】次に上記構成において、試料1の回転ずれ
ωz を補正し、評価手段20で試料1上に配置した試料
の微小領域を逐次評価する流れを図3のフローチャート
を用いて述べる。
【0080】図2に示すように、まず回転方向の基準を
ステージ送り方向xに合わせる(これは顕微鏡系20等
を用いて組立時に一回だけやれば良い)。
【0081】次に、試料1を試料台14上へセットす
る。このとき試料1の面内の回転ずれωz はセット誤差
により存在する。この回転ずれ量ωz を以下に示す回転
ずれ検出系を用いて評価する。光照射手段16から出射
された光ビーム3は試料1上を照射する。
【0082】次に光ビーム3が試料1上に設けられた回
折格子2を照射するように、試料台10をステージ1
2,14を用いて移動する。照射ビーム3と回折格子2
は概略あっていれば良く、通常はセット誤差をのぞいた
所定の位置にステージ12,14を移動すれば良い。
【0083】微調は特にする必要はないが、検出手段1
7,18で検出された光量を用いたり、又顕微鏡系20
等の観察系によって合わせても良い。
【0084】次に照射ビーム3は回折格子2により回折
され、m次(mは整数)の回折光を生ずる。このうち、
絶対値が等しく、符号が相異なる2つの±n次回折光
5′,6′の検出手段17,18面上への入射位置
8′,9′を検出する。
【0085】検出手段17,18は光位置検出センサー
(例えば2分割センサーやPSD等)から構成されてお
り、光ビームの入射位置に応じた電気信号を出力する。
このときの、±n次回折光5′,6′の検出手段17,
18面上の入射位置8′,9′と検出手段17,18へ
の光ビームの基準位置8,9との差Sn 及びS-nを演算
手段19で求めている。
【0086】演算手段19により求めた差分Sn ,S-n
から回転ずれ補正量を前述したように ωz =(Sn −S-n)/(2R) より求めている。この回転ずれ量に相当する値を回転制
御系11へ送る。回転制御系11はこの値に基づいて試
料台10を回転し、試料1の回転ずれを補正している。
【0087】このようにして、試料回転ずれを補正して
いる。この後は逐次試料1上の評価領域が評価手段20
の評価位置にくるように、ステージ12,14を用いて
セットし、試料評価を行う。試料1全体の評価が終了し
たら、評価済みの試料と次に評価すべき試料と交換し、
前記流れに従って評価する。
【0088】尚、本実施例では回折格子2としてピッチ
2μm投射光束3の波長を830nmとして±2次回折
光を受光するように設定している。このときの回折角は
±56°となり、受光系の評価面までの距離LをL=1
63mmとしており、R=110mmのとき回転ずれω
z 検出感度(センサー面上1μm当りの回転角)は ωz ′=1/(2×110×103) =4.5×10-6 rad =0.5″ となり、秒オーダーの回転ずれ検出を行っている。
【0089】図4は本発明の回転ずれ検出装置を試料評
価装置に適用したときの実施例2の要部概略図である。
【0090】本実施例は図2の実施例1に比べて回転ず
れ基準マーク21,22を試料台10上に設けている点
が異なっており、その他は実施例1と同様である。
【0091】本実施例においては図3のフローチャート
における初期設定において試料台10のx方向のステー
ジ送りで回転ずれ基準マーク21,22のマーク間を結
ぶ方向とステージ送り方向xを合わせている。そしてそ
の後、照射ビームをこの何れかの回転ずれ基準マーク2
1,22に照射し、これらのマークから生じる回折光の
検出系17,18への入射位置8,9を基準としてい
る。
【0092】回転ずれ基準マーク21,22には回転評
価用の回折格子2と同じピッチの2μmの回折格子を用
いている。尚回転ずれ基準マーク21,22の回折格子
の高さは試料1上の回折格子と略同一の高さになるよう
に設定している。
【0093】図5は本発明の回転ずれ検出装置を半導体
素子製造用の露光装置に適用した実施例3の要部概略図
である。
【0094】本実施例では露光装置のチップローテーシ
ョンを評価する場合を示しており、投受光系及び試料ホ
ルダー系、演算処理系等の構成は本発明の実施例1と同
様である。
【0095】図6は本実施例のフローチャートである。
【0096】本実施例においては図6に示すフローチャ
ートのように初期設定は必要としない。試料1には露光
装置(不図示)により複数のショット(図5では3ショ
ットを点線で示す)A,B,Cが露光されており、各シ
ョット内にはそれぞれ2A,2B,2Cで示す回折格子
が露光されている。これらの回折格子2A,2B,2C
は同一のピッチ2μmである。
【0097】試料1を試料台10上にセットし、ショッ
トAで示す回折格子2Aが回転ずれ評価位置へくるよう
にステージ12,14を移動する。
【0098】光照射手段16からの光ビーム3は回折格
子2Aにより回折され、±n次回折光5,6は検出手段
17,18へ向かう。そして検出手段17,18面上に
おいて±n次回折光は位置8A,9Aに入射する。
【0099】1回目のショット検出においてはその位置
を演算装置19内で保存し、2回目以降は1回目の位置
とのずれ量ωzBを演算し、ショットAからの相対回転ず
れ角に変換して保存する。このときの回転ずれ量ωzBは ωzB=(SnB−S-nB )/(2R) である。
【0100】全ショットにおいて回転ずれ計測が終了し
たら、その試料のショット間の相対的回転ずれをまとめ
てその試料をチップローテーションとし、次の試料と交
換し、同様の計測を繰り返すようにしている。
【0101】図7,図8は本発明の回転ずれ検出装置を
半導体素子製造用の露光装置に適用したときの実施例4
の要部概略図である。
【0102】本実施例は露光装置におけるマスクθアラ
イメントに適用した場合を示している。
【0103】図7は露光側から見た概略図、図8は露光
軸を含む断面図である。図7,図8において23はマス
ク、24はマスク上のIC回路パターン、25はマスク
アライメント用のマーク、27はマスクホルダーでマス
ク25を保持している。26はマスクθ回転ステージ、
28はマスク24面上のパターンを転写するウエハ、2
9はウエハホルダー及びステージ、30はマスク,ウエ
ハ位置制御装置であり、各々マスク25とウエハ28の
位置を制御している。
【0104】31はマスクθ回転検出系の投光手段で光
束をマスクアライメントマーク25に照射している。3
2及び33はそれぞれ±n次回折光を受光する検出手
段、34はマスクθずれを演算する演算手段である。
【0105】半導体露光装置におけるマスクθアライメ
ントはマスク上のIC回路パターンを逐次1ショット露
光しては次のショット位置へウエハを送り露光していく
ステップアンドリピートに際し、その送り方向と各ショ
ット内のIC回路の面内回転方向を合わせて面積効率を
上げるとともに多数のマスクを用い、重ね焼きをする際
の焼き付け効率をアップする為等、露光装置には必要な
ものである。
【0106】図9に一般的な露光シーケンスの一例を示
す。まずマスクをセットし、次にマスクθアライメント
を行う。この際、マスクの回転を露光装置の予め定めら
れた位置に位置決めを行う。
【0107】次にウエハをロードし、各ショット毎にウ
エハアライメントを行い、完了したところで露光を行
う。逐次ショット位置を変えてウエハ全ショットを露光
したら、次にウエハを交換し、同様の繰り返しを行う。
1つのマスクでの露光が終了したら、ウエハはレジスト
現像等のプロセスを行い、次にマスク交換を行い、マス
クセット以降の繰り返しを行う。
【0108】次にマスクθアライメント系について説明
する。
【0109】光照射手段31から出射した光35はマス
ク23上に設けられた回折格子25を照射する。そうす
ると回折格子25から±n次回折光36,37が生ず
る。±n次回折光36,37はそれぞれ検出手段32,
33へ導かれる。このときそれぞれの回折光36,37
の検出手段32,33の受光面上の入射位置38,39
を検出する。検出手段32,33により検出された入射
位置38,39の情報は電気信号に変換され該電気信号
に変換された情報を用いて回転角の演算を行う演算手段
34によりマスクθ回転ずれ信号を求めている。
【0110】このようにして検出されたマスクθ回転ず
れ角が所定の許容値以下となるよう、マスク,ウエハ位
置制御装置30によりマスクステージ26を駆動する。
【0111】マスク23上の回折格子25はピッチ2μ
m、サイズ1000μm×1000μmを用いた。光照射手段3
1より投射される光の波長λは830nmの光を用い、
±3次回折光を受光するように設定している。
【0112】感度を決めるRは220mmで ωz ′=1/(2×220×103) =2.3×10-6rad =0.25″ となり、サブ秒オーダーの回転ずれを検出することが可
能であり、これにより高精度のマスクアライメントを行
っている。
【0113】以上説明したように実施例1〜4における
回転ずれ検出装置では回転ずれを計測する被検物体上に
回折格子を設け、該回折格子に光ビームを照射し、該回
折格子より生じた回折光のうち±n次(nは正の整数)
回折光の所定方向の動きの差を検出することにより、回
転中心の位置等、セッティングずれによらず、秒以下の
高精度な回転ずれ検出を可能としている。
【0114】図14は本発明の位置ずれ検出装置の実施
例5の要部概略図である。
【0115】本実施例は2回の露光でウエハ上に焼き付
けられた2つの回折格子の相対位置ずれ量を高精度に検
出し、マスクとウエハの相対位置合わせを行う場合を示
している。
【0116】図14において定盤231の上にxステー
ジ233、yステージ234、θステージ235が設置
されており、θステージ235の上にウエハ236が載
せられている。ウエハ236には図15に示すような隣
接した2つの回折格子253,254を1組とした重ね
合わせ誤差測定マークが複数位置に配置されている。定
盤231の上には支柱で支えられた定盤232があり、
定盤232の上には重ね合わせ誤差を測定する光学系2
38(以下、光学系238)が配置されている。
【0117】図16は図14の光学系238の位置ずれ
検出部の概略図である。
【0118】図16において光学系238は位相差計2
62、演算器263を除く要素で構成している。
【0119】図16において2周波直線偏光レーザーよ
り成る光源250からの光束の出射方向にはミラー25
1、コリメーターレンズ252、プリズム227が配置
されている。プリズム227の出射方向には図15に示
すような2つの回折格子253,254を有するウエハ
255が置かれている。ウエハ255からの光束の反射
方向にはミラー256、レンズ257、グラントムソン
プリズム258、図17に示すようにガラス部259a
とミラー部259bを有するエッジミラー259、レン
ズ260、光検出器261が配置され、光検出器261
の出力は位相差計262を経て演算器263に接続され
ている。又エッジミラー259の反射方向にはレンズ2
64、光検出器265が配置され、光検出器265の出
力は位相差計262に接続されている。
【0120】2周波直線偏光レーザーより成る光源25
0から発した周波数f1 のs偏光光、周波数f2 のp偏
光光はミラー251により反射され、コリメーターレン
ズ252を介してプリズム227に入射する。
【0121】プリズム227の偏光ビームスプリッター
部227aでs偏光の周波数f1 の光束は反射し、p偏
光の周波数f2 の光束は透過し、それぞれ反射部227
b,227cで反射され、プリズム227から出射して
ウエハ255上の回折格子253,254に入射する。
そして回折格子253,254で回折されて回折光とな
る。
【0122】ウエハ255上の回折格子253,254
はウエハ255上に別々の焼き付けプロセスを経て形成
された隣接する2つの等間隔直線回折格子であり、ピッ
チは共に等しくpである。
【0123】回折格子253,254間には図15に示
すようにx方向に焼き付け時の位置ずれΔxが生じてい
る。このとき、回折格子253による周波数f1 の左側
入射光の1次回折光Ea(f1 )及び周波数f2 の右側
入射光の−1次回折光Ea(f2 )の複素振幅表示は次
の(21),(22)式のようになる。
【0124】 Ea(f1 )=Aexp{i(ω1 t+φ1 +φa)} ‥‥‥(21) Ea(f2 )=Bexp{i(ω2 t+φ2 −φa)} ‥‥‥(22) ここでA,Bは振幅、ω1 ,ω2 は角周波数、φ1 ,φ
2 は光源250から出射した光束の初期位相、φa=2
πxa/pであり、xaは基準位相からの回折格子25
3のx方向へのずれ量を表している。
【0125】又回折格子254による周波数f1の左側
入射光の1次回折光Eb(f1 )及び周波数f2 の右側
入射光の−1次回折光Eb(f2 )の複素振幅表示は次
の(23),(24)式のようになる。
【0126】 Eb(f1 )=Aexp{i(ω1 t+φ1 +φb)}‥‥‥(23) Eb(f2 )=Bexp{i(ω2 t+φ2 −φb)}‥‥‥(24) ここで、φb=2πxb/pであり、xbは基準位置か
らの回折格子254のx方向へのずれ量を表している。
【0127】回折格子253,254で回折された光束
はミラー256で反射され、レンズ257、グラントム
ソンプリズム258をとおり、グラントムソンプリズム
258により回折光の偏光面が揃えられ、ヘテロダイン
干渉する。それぞれのヘテロダイン干渉光Ea(f1
とEa(f2 )及びEb(f1 )とEb(f2 )の光強
度変化Ia,Ib、つまりビート信号は次の(25),
(26)式のようになる。
【0128】 Ia=A2 +B2 +2A・Bcos{(ω1 −ω2)t+(φ1 −φ2)+ 2φa} ‥‥‥(25) Ib=A2 +B2 +2A・Bcos{(ω1 −ω2)t+(φ1 −φ2)+ 2φb} ‥‥‥(26) 尚、2つの回折干渉光の分離は次のようにして行えば良
い。即ち2つの回折干渉光は空間的に僅かに離れている
ため、エッジミラー259を用いて図17に示すガラス
部259aとミラー部259bの境界線Taが2つの回
折格子253,254の回折光間の中心に至るように設
定して、回折格子253からの回折光はエッジミラー2
59で反射させてレンズ264を介して光検出器265
に導き、他方の回折格子254からの回折光はエッジミ
ラー259を透過させてレンズ260を介して光検出器
261に導く。
【0129】光検出器265,261で検出されたビー
ト信号は位相差計262に導入され、その位相差を検出
する。位相差をΔφとすると、Δφは次の(27)式と
なる。
【0130】Δφ=2(φa −φb) =4π(xa−xb)/p ‥‥‥(27) 即ち回折格子253,254のx方向の相対ずれ量Δx
は次の(28)式となる。
【0131】Δx=xa−xb =Δφ・p/4π ‥‥‥(28) 従って、位相差計262の出力Δφを演算器263に導
入して(28)式の演算をすることにより、回折格子2
53,254の相対ずれ量を求めることができる。
【0132】このようにして第1回目に焼き付けられた
格子パターンと第2回目に焼き付けられた格子パターン
とのずれ量を求めることにより半導体露光装置の位置合
わせ精度、つまり第1回目と第2回目の焼き付けより形
成された実素子パターン間のずれ量を検出している。
【0133】図18は図14の光学系238の回転ずれ
補正部の概略図である。
【0134】本実施例は図2の実施例1に比べてウエハ
1面上の回折格子2として第n回の露光で焼き付けた回
折格子2aと第n+1回の露光で焼き付けた回折格子2
bを重ね合わせずれ量の検出パターンとして用いている
点、そして顕微鏡系20を除き、その代わりに撮像装置
による画像処理アライメント系225、テレビモニター
226そしてシステム制御系300を新たに設けた点が
異なっており、その他の構成は同じである。
【0135】本実施例においてウエハ1を試料台10に
セットしてから面内回転ずれを検出し、ずれ補正を行う
までの流れ、及び測定系は実施例1と同様である。
【0136】本実施例においては重ね合わせずれ評価と
して画像処理法を用いていることを特徴としている。
【0137】重ね合わせずれ検定用の回折格子パターン
2a,2bは画像処理アライメント系225により、図
19に示されるように受光面上に像2a′,2b′のよ
うに結像され、画像信号に変換されてシステム制御系3
00へ送られる。
【0138】システム制御系300内では画像処理を行
い、各重ね合わせずれ検定の回折格子パターン像2
a′,2b′のそれぞれのx方向の中心位置を求め、そ
の差Δxから重ね合わせずれ量を求めている。
【0139】回折格子パターン像2a′,2b′の中心
を求める際、まず回折格子の両端の1本ずつは除き、各
回折格子縞の位置を求め、各縞の基準となる位置からの
ずれ量を出し、平均化することにより求めている。
【0140】以上のように実施例5ではウエハ上の回折
格子パターンに光ビームを照射し、それより生じた回折
光のうち±n次(nは正の整数)の回折光の所定面上へ
入射するときのビーム位置を検出し、これより面内回転
量を検出し、これに基づき面内回転ずれがない状態に制
御してから、重ね合わせずれ測定を行っている。
【0141】これにより面内回転ずれに伴う誤差を取り
除き、高精度な重ね合わせずれ測定を行っている。又面
内回転補正を行う為のパターンを特に追加せずに重ね合
わせずれ測定用のパターン自身を用いる為、狭いパター
ン領域を有効に利用することができる等の効果がある。
【0142】図20は本発明の重ね合わせ誤差測定装置
の実施例6の要部概略図である。図20では第1の露光
でウエハ上に形成された第1の回折格子パターンと第2
の露光で形成された第2の回折格子パターンの相対位置
ずれ量を高精度に検出する装置を示している。
【0143】本実施例では、ずれ量を検出することによ
って、マスクとウエハの相対位置合わせを行う露光装置
の性能を検討することができる。なお以下では、従来例
あるいは課題の説明で用いた部材及び符号については共
通に用いる事とする。
【0144】図20では定盤301の上にxステージ3
03、yステージ304、θステージ305が設置され
ており、θステージ305の上にウエハ306が載せら
れている。定盤301の上には支柱で支えられた定盤3
02があり、定盤302の上に重ね合わせ誤差測定光学
系308が配置されている。ウエハ306には測定を行
う複数位置に対し、図22に示す隣接した2つの回折格
子353,354を一組とする重ね合わせ誤差測定マー
クが、それぞれx方向とy方向用に設けられている。回
折格子対353,354は1方向しか測定できないの
で、x方向測定用とy方向測定用の回折格子対は互いに
90°回転した関係にある。
【0145】図21は重ね合わせ誤差測定光学系308
の光学系の概略図を示したものである。2周波直線偏光
レーザー光源350からの光束の出射方向にはミラー3
51、コリメータレンズ352、プリズム327が配置
され、プリズム327の出射方向には図22に示す回折
格子353,354を有するウエハ355が置かれてい
る。ウエハ355からの回折光の反射方向にはミラー3
56、レンズ357、グラントムソンプリズム358、
及び図23に示されるガラス透過部359aとミラー部
359bを有するエッジミラー359が配置される。
【0146】エッジミラー359を透過した光にはレン
ズ360、光検出器361が配置され、光検出器361
の出力は位相差計309を経て演算器310に接続され
る。またエッジミラー359の反射方向にはレンズ36
4、光検出器365が配置され、光検出器365の出力
は位相差計309に接続される。
【0147】2周波直線偏光レーザー光源350から発
した周波数f1のs偏光光、周波数f2のp偏光光はミラ
ー351により偏向され、コリメータレンズ352を介
してプリズム327に入射する。図24に示すようにプ
リズム327の偏光ビームスプリット面327aで周波
数f1のs偏光の光束は反射し、周波数f2のp偏光の光
束は透過して、それぞれ反射部327b,327cで偏
向され、図25に示すようにプリズム327から出射し
てウエハ上の回折格子353,354に入射し、回折光
を作る。
【0148】回折格子353,354はウエハ355上
に別々の焼き付けプロセスを経て形成された共に等しい
ピッチpを持った隣接する等間隔直線回折格子である。
回折格子353,354間には図22に示すように例え
ばx方向に焼き付けの時の重ね合わせ誤差による位置ず
れΔxが生じている。
【0149】この系での検出原理及び問題点については
「課題を解決するための手段」で詳述したので詳しい説
明はここでは省略するが、回折格子353,354によ
り回折された光束はミラー356で偏向され、レンズ3
57、グラントムソンプリズム358を通り、グラント
ムソンプリズム358の効果で偏光面が揃えられ干渉す
る。
【0150】なお、2つの回折干渉光の分離は、2つの
回折格子が空間的に僅かに離れていることを利用してエ
ッジミラー359により行われる。即ち、図23に示す
ようにエッジミラー359のガラス透過部359aとミ
ラー部359bの境界線Lが、エッジミラー359の位
置に形成される2つの回折格子353,354の像の中
心にいるように設定する。回折格子353からの回折光
はエッジミラー359で反射されてレンズ364を介し
て光検出器365に導かれ、他方の回折格子354から
の回折光はエッジミラー359を透過してレンズ360
から光検出器361に導かれる。
【0151】光検出器365,361で検出されたビー
ト信号は位相差計309に導入され、両者の位相差が検
出される。位相差を△φとすると △φ=2(φa −φb)=4π(xa−xb )/p ‥‥‥(29) となり、回折格子53,54のx方向の相対ずれ量Δx
は Δx=xa −xb=Δφ・p/π ‥‥‥(30) となる。
【0152】従って、位相差計309の出力Δφを演算
器310に導入して(30)式の演算をすれば、回折格
子353,354の相対ずれ量を求めることができる。
これがメインの測定である。
【0153】本実施例では以上のようにして、重ね合わ
せ誤差測定光学系308はウエハ306上の2つの回折
格子353,354の相対位置ずれ量を測定する。測定
シーケンスはウエハ全面についてまずx方向の重ね合わ
せ誤差測定マークの測定を行い、次いでウエハ306を
90°回転させ、ウエハ306全面についてy方向の重
ね合わせ誤差測定マークの測定を行う。勿論x方向とy
方向の計測の順番は入れ替えても構わない。
【0154】次いで本実施例に係る補正量の計測につい
て説明する。本実施例では定盤301上に設置されたヨ
ーイング検出器307はθステージ305の側面に取り
付けられたミラー311を介して、xステージ303、
yステージ304の移動の際に生じるヨーイング成分の
検出を行う。図26はヨーイング検出器307の光学系
を示す図である。
【0155】光源312より出射された直線偏光(p偏
光)の光は対物レンズ313の焦点位置に集光され、そ
の後偏光ビームスプリッタ314を通って、λ/4板3
15で円偏光となり、対物レンズ316に入る。対物レ
ンズ316を出射した光は平行光となって、ミラー31
7により偏向され、θステージ305に取り付けられた
ミラー311に照射される。ミラー311を反射した光
は再びミラー317により偏向され、λ/4板315に
より今度はs偏光の光となって、偏光ビームスプリッタ
314のビームスプリット面で反射偏向し、ビーム位置
検出器318(以下PSD318と記す)に入射する。
【0156】PSD318は対物レンズ316の焦点位
置に配置され、ミラー311を反射した平行光は対物レ
ンズ316によりPSD318上に集光される。ステー
ジの移動によりヨーイング成分ωz が生じると、ミラー
311が傾くが、傾きの量はコリメータの原理より、P
SD318でのビーム変位量εとして検出される。
【0157】即ちヨーイング成分ωz は ωz =ε/2f ‥‥‥(31) と求められる。
【0158】(31)式において fは対物レンズ316
の焦点距離である。例えば f=100mm ,ε=1μm とするとωz =1secである。
【0159】図12(A)に示したウエハ306上の2
つの回折格子353,354の中心距離dを100μm
とするとステージのヨーイングωz が1sec=4.8
5μrad発生した場合、測定光学系308により求め
た重ね合わせ誤差の測定値に2ωz・d≒1nm相当の測
定エラーが加わる。つまり、回折格子353,354の
間の距離が100μmという条件下でウエハ306が1
secの面内回転を起こすと約1nmの測定エラーが発
生する。
【0160】よって、演算器310で位相差検出器30
9からの出力値Δxとヨーイング検出器307からの出
力値ωz =ε/2fから Δx0=Δx−ε/2f ‥‥‥(32) という補正計算を行うことで、ステージのヨーイングに
よって生じる測定エラーを含まない測定値Δx0を求め
ることができる。
【0161】図27に本発明の実施例7の一部分の概略
図を示す。光源319より出射された光は、ウエハ30
6上に隣接して配置された相対位置を測定用の2つの回
折格子のうちのどちらか一方の中心点S近傍を、該回折
格子に対して垂直上方から照射する。照射域は照射され
る回折格子から回折光を得るのに十分な大きさ、例えば
個々の回折格子と同程度の大きさとする。
【0162】照射された回折格子から得られる±n次の
回折光をビーム位置検出器320,321(以下PSD
320,321と記す)により受光し、2つの回折光の
ビーム位置を検出する。ウエハ内で測定する各点につい
て、ステージ移動前、移動後の回折光のビーム位置を比
べることによりステージのヨーイング量が計測できる。
PSD320,321はウエハ306から高さh、点S
から左右にLの位置に配置されている。
【0163】今ここでウエハ306上の異なる点に2つ
の重ね合わせ誤差測定マーク323,324が配置され
ていたとする。個々の測定マーク323,324は回折
格子対323a,323b,324a,324bより構
成されている。最初に測定マーク323を用いて重ね合
わせ誤差測定光学系308により重ね合わせ誤差を測定
すると同時に、測定マーク323aの中心点S近傍の位
置に光源319からの光を照射し、±n次回折光をPS
D320,321で受光する。
【0164】図28はPSD320,321の受光面を
示すもので、P3が+n次回折光、P5が−n次回折光
の正規のビーム位置、即ち基準点である。測定マーク3
23に対しては±n次回折光はたまたま位置がP3及び
P5にあるものとする。
【0165】次にxステージを移動させ、測定マーク3
23から距離x″だけ離れた測定マーク324を測定位
置に移動させて、同様に測定光学系308により重ね合
わせ誤差を測定する。測定マーク323から測定マーク
324への移動の際にステージのヨーイングが生じ、ウ
エハ306がρだけ面内回転したとすると、PSD32
0,321に入射する±n次回折光の入射位置もそれに
応じて、それぞれ点P3から点P4、点P5から点P6
へと変化する。
【0166】PSD上の位置の変化にはステージのヨー
イング以外の成分、例えばピッチング等の測定に誤差を
与えない成分も含まれているが、そのような余分な成分
は計算処理により除去することができる。即ち点P3と
点P4との相対位置変化量(x1 ,y1 )、点P5と点
P6の相対位置変化量(x2 ,y2 )から所定の計算
を行うことで、測定エラーを起こす成分であるウエハ3
06の面内回転量ρが算出される。
【0167】従って、この値を用いて重ね合わせ誤差測
定値に補正を加えれば、高精度な測定が可能となる。
又、点P3,点P5という基準位置を用いてウエハ毎の
回転補正を絶対値として行うことも可能となる。
【0168】以上のようにして、重ね合わせ誤差測定光
学系308はウエハ306上の回折格子323,324
等の相対位置ずれ量を測定する。測定シーケンスはウエ
ハ全面についてまずx方向の重ね合わせ誤差測定マーク
の測定を行い、次いでウエハ306を90°回転させ、
ウエハ306全面についてy方向の重ね合わせ誤差測定
マークの測定を行う。勿論x方向とy方向の計測の順番
は入れ替えても構わない。
【0169】図29は本発明の実施例8の一部分を示す
概略図である。実施例7ではヨーイング成分検出のため
光源319からの光をウエハ306の垂直上方から照射
したが、本実施例のように斜め上方から照射し、検出を
行うPSD320,321を入射条件に対応して、入射
光の逆側の斜め上方に設置することも可能である。この
ようにヨーイング検出光学系を斜設すると、重ね合わせ
誤差測定光学系308との配置に自由度が大きくなると
いう特長がある。
【0170】図30は本発明の実施例9の一部分を示す
概略図である。本実施例ではウエハの面内回転を撮像装
置を用いて検出することを特徴としている。図30では
不図示の結像光学系により格子323を構成する回折格
子対323a,323bのどちらか一方が撮像素子32
5上に結像され、CRT326上に映し出されている。
【0171】図31(A),(B)はCRT326に映
し出された画像を拡大した図である。計測はまず図31
(A)に示すように回折格子323aについて、回折格
子323aの左下隅の点P7と右下隅の点P8の座標を
画像処理により求めることから行われる。2点の座標値
より2点を結ぶ直線の方向が求められ、これが回折格子
323の置かれている状態を示す。
【0172】同様にステージが移動してウエハ306上
の異なる測定点に形成されている回折格子324の重ね
合わせ誤差を測定するときは、図31(B)に示すよう
に回折格子324を構成する回折格子対324a,32
4bのうちの一方、例えば回折格子324aを映し出
す。そして、回折格子324aの左下隅の点P9と右下
隅の点P10の座標を画像処理により求め、該2点の座
標より2点を結ぶ直線の方向が求められる。このような
作業がウエハ306上に形成された回折格子対について
繰り返し行われる。
【0173】各測定点で求められた直線の方向は測定対
象の回折格子が装置の測定基準、即ち重ね合わせ誤差測
定光学系308に対し、どのように置かれたかを示すも
のである。従って回折格子323aで求めた直線の方向
と回折格子324aで求めた直線の方向の差はそのまま
回折格子323から回折格子324へ移動した際に生じ
たウエハ306の面内回転量に対応する。また、撮像装
置内に測定基準軸を持つことにより回折格子の回転によ
って生じる測定エラーの絶対値も補正することができ
る。
【0174】
【発明の効果】本発明によれば以上のように、対象とす
る物体上に回折格子を設け、該回折格子に光ビームを照
射し、該回折格子により生じた回折光のうち、絶対値が
等しく、符号が相異なる次数の組み合わせ、即ち±n次
(nは正の整数)回折光の所定面上での光束位置を検出
し、該回折光束の位置の所定方向の差を演算することに
より、対象物の回転ずれを高精度に検出することができ
る回転ずれ検出装置を達成することができる。
【0175】又被検物体上の各位置に配置された回折格
子パターンに対して、重ね合わせ誤差を測定するとき回
折格子パターン間を移動するときに生じるステージヨー
イング成分による被検物体の面内回転成分及びウエハの
場所によるローカルな面内回転ずれを含めた被測定格子
の面内回転ずれ量を該被測定格子を用い、別途測定し、
面内回転ずれがない状態にウエハの面内回転を制御し、
面内回転ずれに伴う重ね合わせ測定誤差を取り除くこと
により高精度な測定が可能な位置ずれ検出方法及びそれ
を用いた位置ずれ検出装置を達成することができる。
【0176】又本発明によれば、従来の重ね合わせ誤差
測定装置で大きな測定エラー要因となっていた、測定光
学系とウエハ上に形成されている回折格子パターンとの
面内回転成分の位置関係を、回転成分検出光学系を設置
することにより計測し、該計測値を用いて補正計算する
ことにより除去することを可能とした。回転成分検出系
としてはヨーイング検出光学系を用いてxyステージの
ヨーイング量を計測する方法、或は回折格子パターンに
レーザ光を照射し、該回折格子パターンより得られる回
折光のビーム位置を検出する方法、或は撮像素子を用い
る方法等があるが、いずれの方法にせよxyステージの
移動に伴って生じる被検物体上の回折格子パターンの面
内回転量の計測が可能となり、その値を基に重ね合わせ
誤差測定光学系の測定値に補正をかければ、高精度な測
定を達成することができる。更に回転量検出光学系に基
準位置、または軸を設けることにより、測定の絶対値を
求めることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転ずれ検出の基本概念図
【図2】本発明の回転ずれ検出装置の実施例1の要部概
略図
【図3】本発明の実施例1のフローチャート
【図4】本発明の回転ずれ検出装置の実施例2の要部概
略図
【図5】本発明の回転ずれ検出装置の実施例3の要部概
略図
【図6】本発明の回転ずれ検出装置の実施例3のフロー
チャート
【図7】本発明の回転ずれ検出装置の実施例4の要部概
略図
【図8】本発明の回転ずれ検出装置の実施例4の要部断
面図
【図9】本発明の回転ずれ検出装置の実施例4のフロー
チャート
【図10】従来の位置ずれ検出装置に係る物体面上の説
明図
【図11】従来の位置ずれ検出装置に係る受光手段から
の出力信号の説明図
【図12】従来の位置ずれ検出装置に係る回折格子と光
束との関係を示す説明図
【図13】従来の位置ずれ検出装置に係る回折格子と光
束との関係を示す説明図
【図14】本発明の位置ずれ検出装置の実施例5の要部
概略図
【図15】図14の一部分の拡大説明図
【図16】図14の一部分の説明図
【図17】図16の一部分の説明図
【図18】図14の一部の説明図
【図19】図18の一部分の拡大説明図
【図20】本発明の実施例6の重ね合わせ誤差測定装置
【図21】重ね合わせ誤差測定装置の光学系
【図22】本発明で測定対象となる回折格子対
【図23】エッジミラーの配置を示す図
【図24】重ね合わせ誤差測定光学系の一部
【図25】回折格子対と照射ビームとの関係を示す図
【図26】xyステージのヨーイング検出光学系
【図27】実施例7の垂直入射型の回折格子の回転検出
光学系
【図28】ビーム検出器の受光面の様子
【図29】実施例8の斜め入射型回折格子回転検出光学
【図30】実施例9の撮像装置を用いた回折格子回転検
出光学系
【図31】CRT上で観察される回折格子パターン
【符号の説明】
1 被検物体 2 回折格子 3 光ビーム 4 0次回折光 5 n次回折光 6 −n次回折光 7 0次回折光の位置 8 n次回折光の位置 9 −n次回折光の位置 10 試料台 11 回転ステージ 12 yステージ 13 yステージ駆動系 14 xステージ 15 xステージ駆動系 16,250 投光手段 17,18 光検出手段 19 演算手段 20 評価手段 21,22,253,254 回折格子 23 マスク 24 IC回路 25 回折格子 26 回転ステージ 27 マスクホルダー 28 ウエハ 29 ウエハステージ 30 制御系 31 投光手段 32,33 検出手段 34 演算手段 35 光ビーム 36,37 回折光 38,39 回折光の位置 301,302 定盤 303 xステージ 304 yステージ 305 θステージ 306,355 ウエハ 307 ヨーイング検出器 308 重ね合わせ誤差測定光学系 309 位相差計 310 演算器 311,317,351,356 ミラー 312,319 光源 313,316 対物レンズ 314 偏光ビームスプリッタ 315 λ/4板 318,320,321 ビーム位置検出器 323,324,353,354 回折格子パターン 325 撮像素子 326 CRT 327 プリズム 327a 偏光ビームスプリット部 327b,327c 反射部 350 2周波直線偏光レーザー 352 コリメータレンズ 357,360,364 レンズ 358 グラントムソンプリズム 359 エッジミラー 359a ガラス透過部 359b ミラー部 361,365 光検出器 366,369 入射光束 367,368,370,371 入射光線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮地 剛司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源手段からの光束を物体の一部に設け
    た回折格子に照射し、該回折格子から生ずる±n(nは
    正の整数)次回折光を受光手段面上に導光し、該±n次
    回折光の該受光手段面上への入射位置情報を用いて演算
    手段により該物体の回転ずれ情報を検出したことを特徴
    とする回転ずれ検出装置。
  2. 【請求項2】 前記演算手段は前記±n次回折光の前記
    受光手段面上への入射位置情報を該受光手段面上におけ
    る基準位置からの差より求めていることを特徴とする請
    求項1の回転ずれ検出装置。
  3. 【請求項3】 物体の一部に設けた第1,第2回折格子
    に光束を照射し、該第1,第2回折格子から生ずる±n
    (nは正の整数)次回折光を受光手段面上に導光し、該
    ±n次回折光の該受光手段面上への入射位置情報より該
    物体の面内の回転ずれを補正し、その後、該第1,第2
    回折格子間の位置ずれ情報を求めていることを特徴とす
    る位置ずれ検出方法。
  4. 【請求項4】 周波数が僅かに異なる2光束を物体の一
    部に設けた第1,第2回折格子に照射し、該第1,第2
    回折格子から生ずる±m(mは正の整数)次回折光を光
    ヘテロダイン干渉させ、これより該第1,第2回折格子
    に基づく第1,第2ビート信号を得て、その後、該第
    1,第2ビート信号間の位相差を検出することにより該
    物体面上の第1,第2回折格子間の位置ずれ情報を求め
    ていることを特徴とする請求項3の位置ずれ検出方法。
  5. 【請求項5】 光源手段からの光束を物体の一部に設け
    た第1,第2回折格子に照射し、該第1,第2回折格子
    から生ずる±n(nは正の整数)次回折光を受光手段面
    上に導光し、該受光手段面上への該±n次回折光の入射
    位置情報を利用して演算手段により該物体の面内回転ず
    れ情報を求め、該演算手段からの回転ずれ情報を用いて
    補正制御手段により該物体の面内回転ずれを補正し、該
    演算手段は該補正制御手段からの補正信号の入力に応じ
    て該第1,第2回折格子相互の位置ずれ情報を検出して
    いることを特徴とする位置ずれ検出装置。
  6. 【請求項6】 光源手段から僅かに周波数の異なる2光
    束を物体の一部に設けた第1,第2回折格子に照射し、
    該第1,第2回折格子から生ずる±m(mは正の整数)
    次回折光を合成手段で合成して光ヘテロダイン干渉さ
    せ、該合成手段からの光ヘテロダイン干渉信号を用いて
    演算手段により、該第1,第2回折格子に基づく第1,
    第2ビート信号を得て該物体の面内回転ずれ情報を求め
    ており、該演算手段からの回転ずれ情報を用いて補正制
    御手段により該物体の面内回転ずれを補正し、該演算手
    段は該補正制御手段からの補正信号の入力に応じて該第
    1,第2回折格子相互の位置ずれ情報を検出しているこ
    とを特徴とする位置ずれ検出装置。
  7. 【請求項7】 第1の露光で形成された第1の回折格子
    と、第2の露光で形成され、第1の回折格子に隣接して
    形成された第2の回折格子を一組とした回折格子対を複
    数個ウエハ上に配置し、該複数個の回折格子対を構成す
    る個々の回折格子対を測定光学系の測定位置に移動させ
    て順次測定を行い、該回折格子対の相対的なずれ量を検
    出する際、該測定光学系が前記2つの回折格子に対し僅
    かに周波数の異なる2周波数の可干渉光を照射する照明
    系と、前記2つの回折格子から回折される光を干渉させ
    前記第1の回折格子から発生する第1のビート信号と、
    前記第2の回折格子から発生される第2のビート信号を
    検出する検出系より構成されるとともに、前記第1及び
    第2のビート信号の位相差を検出して、前記2つの回折
    格子のずれを求める際、該回折格子対の前記測定光学系
    に対する相対的回転量を計測する計測光学系を備え、該
    計測値より前記位相差の検出量に補正を加えることを特
    徴とする光ヘテロダイン干渉測定装置。
  8. 【請求項8】 前記計測光学系がウエハステージのヨー
    イングを検出する系であることを特徴とする請求項7の
    光ヘロダイン干渉測定装置。
  9. 【請求項9】 前記回折格子対のずれを前記測定光学系
    で測定する際、前記回折格子対を構成する少なくとも一
    方の回折格子にビームを照射して得られる+n次と−n
    次の回折光の位置の検出系を設け、該検出系による計測
    値より前記測定光学系による測定値の補正を加えること
    を特徴とする請求項7の光ヘテロダイン干渉測定装置。
  10. 【請求項10】 前記回折格子対のずれを前記測定光学
    系で測定する際、前記回折格子対を構成する少なくとも
    一方の回折格子の回転量を撮像装置で撮像することによ
    って検出し、該撮像装置による計測値より前記測定光学
    系による測定値の補正を加えることを特徴とする請求項
    7の光ヘテロダイン干渉測定装置。
  11. 【請求項11】 第1の露光で形成された第1の回折格
    子と、第2の露光で形成され、第1の回折格子に隣接し
    て形成された第2の回折格子を一組とした回折格子対を
    複数個ウエハ上に配置し、該複数個の回折格子対を構成
    する個々の回折格子対を測定光学系の測定位置に移動さ
    せて順次測定を行い、該回折格子対の相対的なずれ量を
    検出する際、該測定光学系が前記2つの回折格子に対し
    僅かに周波数の異なる2周波数の可干渉光を照射する照
    明系と、前記2つの回折格子から回折される光を干渉さ
    せ前記第1の回折格子から発生する第1のビート信号
    と、前記第2の回折格子から発生される第2のビート信
    号を検出する検出系より構成されるとともに、前記第1
    及び第2のビート信号の位相差を検出して、前記2つの
    回折格子のずれを求める際、該回折格子対の前記測定光
    学系に対する相対的回転量を計測する計測光学系を備
    え、該計測値より前記位相差の検出量に補正を加えるこ
    とを特徴とする光ヘテロダイン干渉測定方法。
  12. 【請求項12】 前記計測光学系がウエハステージのヨ
    ーイングを検出する系であることを特徴とする請求項1
    1の光ヘロダイン干渉測定方法。
  13. 【請求項13】 前記回折格子対のずれを前記測定光学
    系で測定する際、前記回折格子対を構成する少なくとも
    一方の回折格子にビームを照射して得られる+n次と−
    n次の回折光の位置の検出系を設け、該検出系による計
    測値より前記測定光学系による測定値の補正を加えるこ
    とを特徴とする請求項11の光ヘテロダイン干渉測定方
    法。
  14. 【請求項14】 前記回折格子対のずれを前記測定光学
    系で測定する際、前記回折格子対を構成する少なくとも
    一方の回折格子の回転量を撮像装置で撮像することによ
    って検出し、該撮像装置による計測値より前記測定光学
    系による測定値の補正を加えることを特徴とする請求項
    11の光ヘテロダイン干渉測定方法。
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Cited By (3)

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