JP3368015B2 - 光ヘテロダイン干渉計測装置 - Google Patents

光ヘテロダイン干渉計測装置

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JP3368015B2
JP3368015B2 JP28019293A JP28019293A JP3368015B2 JP 3368015 B2 JP3368015 B2 JP 3368015B2 JP 28019293 A JP28019293 A JP 28019293A JP 28019293 A JP28019293 A JP 28019293A JP 3368015 B2 JP3368015 B2 JP 3368015B2
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哲志 野瀬
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばマスクとウエハ
の位置合わせ等に用いられる光ヘテロダイン干渉計測装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体製造用の露光装置におい
て、高精度なマスクとウエハの位置合わせ方法として、
特開昭62−58628号公報に示すような光ヘテロダ
イン法によるものが提案されている。
【0003】図27は従来例の構成図であり、2周波数
直線偏光レーザー光源1の光路上にはビームスプリッタ
2が設けられ、ビームスプリッタ2の反射方向には集光
レンズ3、光電検出器4が順次に配列されている。ま
た、ビームスプリッタ2の透過方向の光路上にはミラー
5を介して、偏光ビームスプリッタ6が設けられてい
る。偏光ビームスプリッタ6の透過方向にはミラー7が
設けられ、反射方向にはミラー8が設けられ、それぞれ
の光束がマスクステージ9の下面に配置されたマスク1
0上の透過型回折格子11、及びウエハステージ12の
上面に配置されたウエハ13上の反射型回折格子14に
入射するようになっている。
【0004】更に、マスク10、ウエハ13の垂直上方
向にはミラー15が設けられ、ミラー15の反射方向に
は集光レンズ16、光電検出器17が配列されている。
また、光電検出器4、17の出力は信号処理制御部18
に接続され、信号処理制御部18の出力はマスクステー
ジ9、ウエハステージ12に接続されている。
【0005】2周波数直線偏光レーザー光源1から出射
された光束は、ビームスプリッタ2によって2分割さ
れ、一方は集光レンズ3を介して光電検出器4によって
検出され、基準ビート信号として信号処理制御部18に
入力される。また、他方の光束はミラー5を介して偏光
ビームスプリッタ6に入射し、水平成分のみ又は垂直成
分のみを有する僅かに周波数の異なる2つの直線偏光に
分割される。分割された2光束はそれぞれミラー7、8
を介して、所定の入射角で透過型回折格子11に入射す
る。透過型回折格子11によって透過回折され、反射型
回折格子14によって反射回折された回折光は、ミラー
15、集光レンズ16を介して光電検出器17によって
検出され、回折光ビート信号として信号処理制御部18
に入力される。信号処理制御部18は基準ビート信号と
回折光ビート信号との位相差を検出し、この位相差がな
くなるようにマスクステージ9、ウエハステージ12を
駆動することにより、マスク10とウエハ13の精密な
位置合わせを行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来例で
は、2周波数直線偏光レーザー光源1から出射された光
束を偏光ビームスプリッタ6により2光束に分離する際
に漏れ込み光が生じ、この漏れ込み光が測定精度に影響
を与える等の問題がある。
【0007】偏光ビームスプリッタ6で偏光面の違いに
より分離された2光束は、左右の斜め上方からマスク1
0上の透過型回折格子11を照射し、この回折光はウエ
ハ13上の反射型回折格子14を照射する。これら左右
からの照射光は次式に示すようになる。 u1=A・expi・(ω1 ・t+φ1) …(1) u2=B・expi・(ω2 ・t+φ2) …(2)
【0008】しかし、偏光ビームスプリッタ6において
漏れ込み光が生ずるため、それぞれの偏光状態の光束は
1つの周波数成分の光束と対応していない。即ち、2つ
の回折格子に照射される光束u1、u2を厳密に表すと次式
のようになる。 u1=A・expi・(ω1 ・t+φ1)+α・expi・(ω2 ・t+φ2) …(3) u2=B・expi・(ω2 ・t+φ2)+β・expi・(ω1 ・t+φ1) …(4)
【0009】ここで、α、βは振幅であり、光束u1、u2
は回折格子11、14に照射され、得られた回折光を干
渉させ光電変換すると次式のようになる。 I=ρ・cos{(ω1 −ω2)・t+(φ2 −φ1)+Δφ} …(5) tan(Δφ)=sin(φm −φu)/{cos(φm −φu)+(α/B+β/A)} … (6)
【0010】ここで、φm はマスク10の基準位置から
のずれ量に相当する位相量、φu はウエハ13の基準位
置からのずれ量に相当する位相量である。式(6) の(α
/B+β/A)が偏光ビームスプリッタ6における漏れ
込み光によって生ずる項であり、この(α/B+β/
A)のためにマスク10とウエハ13の相対位置ずれ量
とこれに相当する位相量の変化とが非線形な関係とな
る。
【0011】本発明の目的は、光束に含まれた漏れ込み
光による誤差を軽減し、高精度の測定を可能とした光ヘ
テロダイン干渉計測装置を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、上記光ヘテロダイン
干渉計測技術を用いた露光装置やデバイス製造装置を提
供することにある。
【0013】本発明の更なる目的は、以下の実施例の記
載の中で明らかにされる。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る光ヘテロ
ダイン干渉計測装置は、互いに偏光方向と周波数とが異
なる2光束を含む干渉光を供給する手段と、前記2光束
を分離する偏光ビームスプリッタと、前記分離された2
光束を第1、第2の回折格子に入射させる入射手段と、
前記第1の回折格子からの回折光を用いて生成した第1
の干渉光を光電変換して第1のビート信号を生成する第
1の光電検出手段と、前記第2の回折格子からの回折光
を用いて生成した第2の干渉光を光電変換して第2のビ
ート信号を生成する第2の光電検出手段と、前記第1、
第2のビート信号の位相差を検出することで前記第1、
第2の回折格子の相対位置ずれ量を求める位相差検出手
段とを有し、前記入射手段は前記2光束の一方の光束に
漏れこんだ他方の光束が前記第1、第2回折格子に入射
することを遮光する光学手段を有することを特徴とす
る。
【0015】また、請求項5に係る光ヘテロダイン干渉
計測装置は、互いに周波数が異なる2光束を供給する生
成手段と、前記2光束を被測定物に入射させる手段と、
前記被測定物からの光を用いて生成した第1、第2の干
渉光を光電変換して第1、第2のビート信号を生成する
第1、第2の光電検出手段と、前記第1、第2のビート
信号の位相差を検出する位相差検出手段と、前記2光束
の少なくとも一方の前記被測定物への入射位置を変化さ
せることによって、前記第1、第2のビート信号の少な
くとも一方の位相をシフトさせる位相シフト手段と、前
記位相差検出手段により検出される複数の前記位相差を
平均化する演算処理手段とを有することを特徴とする。
更に、請求項6に係る光ヘテロダイン干渉計測装置は、
互いに周波数が異なる2光束を供給する生成手段と、前
記2光束を被測定物に入射させる手段と、前記被測定物
からの光を用いて生成した第1、第2の干渉光を光電変
換して第1、第2のビート信号を生成する第1、第2の
光電検出手段と、前記第1、第2のビート信号の位相差
を検出する位相差検出手段と、前記2光束の光路長差を
変化させることによって、前記第1、第2のビート信号
の少なくとも一方の位相をシフトさせる位相シフト手段
と、前記位相差検出手段により検出される複数の前記位
相差を平均化する演算処理手段とを有することを特徴と
する。
【0016】
【作用】請求項5に係る光ヘテロダイン干渉計測装置
は、回折格子による回折光を用いて位置ずれを検出し、
光束を入射させる際に漏れ込んだ光束を遮光し、測定精
度を向上させる。
【0017】請求項5、6に係る光ヘテロダイン干渉計
測装置は、ビート信号の位相をシフトすることにより、
漏れ込み光による誤差を減少する。
【0018】
【実施例】本発明を図1〜図26に図示の実施例に基づ
いて詳細に説明する。図1は第1の実施例の構成図であ
り、半導体露光装置の位置合わせ装置部に応用したもの
である。2周波数直線偏光レーザー光源41の光路上に
は、ミラー42、コリメータレンズ43、光学素子44
が順次に配列されている。光学素子44の2周波直線偏
光レーザー光源41の光路上には、偏光ビームスプリッ
タ面44aが設けられている。また、偏光ビームスプリ
ッタ44aの透過方向にはミラー44bを介して偏光ビ
ームスプリッタ面44cが設けられている。更に、偏光
ビームスプリッタ面44aの反射方向には偏光ビームス
プリッタ面44dが設けられ、偏光ビームスプリッタ面
44dの反射方向にはダミープリズム44eが設けられ
ている。
【0019】また、偏光ビームスプリッタ面44c及び
ダミープリズム44eの透過方向には、図2に示すよう
にマスク45上の回折格子46及びウエハ47上の回折
格子48が配置されている。マスク45の垂直上方には
ミラー49、50が設けられ、ミラー49の反射方向に
はレンズ51、偏光板52、光電検出器53が順次に配
列されている。同様に、ミラー50の反射方向にはレン
ズ54、偏光板55、光電検出器56が順次に配列さ
れ、光電検出器53、56の出力は位相差検出器57に
接続されている。更に、位相差検出器57の出力は位置
コントローラ58に接続され、位置コントローラ58の
出力はアクチュエータ59、60に接続され、アクチュ
エータ59、60によってマスク45及びウエハ47を
駆動するようになっている。
【0020】2周波数直線偏光レーザー光源41は周波
数がf1であるP偏光の光束と、周波数がf2であるS偏光
の光束とを出射する。このとき、2光束は互いに直交し
周波数が僅かに異なるものとする。この2光束はミラー
42によって偏向され、コリメータレンズ43によって
集光された後に光学素子44に入射する。P偏光の光束
は偏光ビームスプリッタ面44aを透過し、ミラー44
bで偏向された後に偏光ビームスプリッタ面44cを透
過してP偏光の光束L11 となる。また、S偏光の光束は
偏光ビームスプリッタ面44a、44dで偏向された後
に、ダミープリズム44eを透過してS偏光の光束L12
となる。
【0021】このとき、P偏光の光束L11 は偏光ビーム
スプリッタ面を2回透過することによって、S偏光の光
束L12 は偏光ビームスプリッタ面を2回反射することに
よって、それぞれに含まれる漏れ込み光が軽減される。
偏光ビームスプリッタ面を2回透過又は反射して、光学
素子44から出射された光束L11 、L12 は、それぞれ次
式のようになる。 u1=A・exp{i・(ω1・t−φ1)} +α・exp{i・(ω2・t−φ2)} …(7) u2=B・exp{i・(ω2・t−φ2)} +β・exp{i・(ω1・t−φ1)} …(8)
【0022】ここで、A、B及びα、βは振幅、ω1 、
ω2 は角周波数であり、ω1 =2πf1、ω2 =2π・f
2、φ1 、φ2 は初期位相である。式(7) 、(8) の第2
項は漏れ込み光を表している。
【0023】光学素子44からのP偏光の光束L11 は回
折格子46、48に対して、−1次回折光が垂直上方に
回折されるように照射する。同様に、S偏光の光束L12
は回折格子46、48に対して、+1次回折光が垂直上
方に回折されるように照射する。ここで、回折次数の符
号は0次回折光を中心として、時計廻りに回折する光束
をプラス、反時計廻りに回折する光束をマイナスとす
る。
【0024】光束L11 は回折格子46、48によって回
折され、ミラー49によって偏向され、レンズ51によ
って集光された後に偏光板52によって偏光面を揃えら
れ、光電検出器53によって検出される。同様に、光束
L12 は回折格子46、48によって回折され、ミラー5
0、レンズ54を介して偏光板55によって偏光面を揃
えられた後に、光電検出器56によって検出される。光
電検出器53、56からの出力を変換すると、それぞれ
の回折格子46、48の基準位置からのずれ量に相当す
る位相量を含むビート信号I1、I2が得られる。ここで、
ビート信号I1及び位相量φm は次式のようになる。 I1=ρ1 ・cos{(ω2 −ω1)・t+(φ2 −φ1)+φm} …(9) tan(φm)=sin(4πXm/P)/{cos(4π・Xm/P)+(α/B+β/A)} …(10)
【0025】同様に、ビート信号I2及び位相量φu は次
式のようになる。 I2=ρ2・ cos{(ω2 −ω1)t+(φ2 −φ1)+φu} …(11) tan(φu)=sin(4π・Xu/P)/{cos(4π・Xu/P)+(α/B+β/A )} …(12)
【0026】ここで、Xmはマスク45上の回折格子46
の基準位置からのずれ量、φm はずれ量Xmに対応する位
相量、Xuはウエハ47上の回折格子48の基準位置から
のずれ量、φu はずれ量Xuに対応する位相量である。
【0027】これらの2つのビート信号を位相差検出器
57に入力すると、2つのビート信号間の位相差Δφ=
2(φm −φu)が得られ、これによりマスク45とウエ
ハ47との相対位置ずれ量を求めることができる。式(1
0)、(12)で表される漏れ込み光の影響により発生する非
線形誤差は、光学素子44において光束L11 、L11 が偏
光ビームスプリッタ面を2回反射或いは透過することに
より軽減されている。この相対位置ずれ量をマスク45
とウエハ47の位置コントローラ58に入力し、マスク
45及びウエハ47のアクチュエータ59、60にフィ
ードバックを掛けることにより、マスク45とウエハ4
7の相対位置合わせを高精度に行うことができる。
【0028】なお、図1におけるミラー49、50を図
3、図4に示すように1つのミラー44fに置き換え、
ミラー44fを図5に示すように光学素子44に貼付し
てもよい。
【0029】図6は第2の実施例の構成図であり、ウエ
ハ上に重ね焼きされた回路パターンの重ね合わせ状態を
検査する装置である。なお、図1と同一の符号は同一の
部材を示している。光学素子44からの2光束のそれぞ
れの光路上にはウエハ61が配置され、ウエハ61上に
は回折格子62、63が形成されている。図7はこのよ
うなウエハ61の配置図を示している。
【0030】光学素子44からのP偏光の光束L11 は回
折格子62、63に対して、−1次回折光が垂直上方に
回折されるように照射する。同様に、S偏光の光束L12
は回折格子62、63に対して、+1次回折光が垂直上
方に回折されるように照射する。光束L11 、L12 は回折
格子62、63によって回折され、第1の実施例と同様
に光電検出器53、56によって検出される。この結果
得られるビート信号I3、I4及び位相量φa 、φb は次の
ようになる。 I3=ρ3 ・ cos{(ω2 −ω1)・t+(φ2 −φ1)+φa} …(13) tan(φa)=sin(4π・Xa /P)/{cos( 4π・Xa /P)+(α/B+β /A)} …(14) I4=ρ4 ・ cos{(ω2 −ω1)・t+(φ2 −φ1)+φb} …(15) tan(φb)=sin(4πXb /P)/{cos( 4π・Xb /P)+(α/B+β/ A)} …(16)
【0031】ここで、Xaはウエハ61上の回折格子62
の基準位置からのずれ量、φa はずれ量Xaに対応する位
相量、Xbはウエハ61上の回折格子63の基準位置から
のずれ量、φb はずれ量Xbに対応する位相量である。
【0032】これらの2つのビート信号を位相差検出器
19に入力すると、2つのビート信号間の位相差Δφ=
2(φb −φa)が検出され、ウエハ61上の回折格子6
2、63の相対位置ずれ量、即ち回路パターンの相対ず
れ量を高精度に求めることができる。式(14)、(16)で表
されるクロストークにより発生する非線形誤差は、光学
素子44において光束L11 、L12 が偏光ビームスプリッ
タ面を2回反射或いは透過することにより軽減されてい
る。
【0033】また、図6において各回折格子からの回折
光を偏向させるミラー49、50を、図3に示すような
1つのミラー4fに置き換え、それを図5に示すように
光学素子44に貼付してもよいのは第1の実施例と同様
である。
【0034】図8は第3の実施例の構成図であり、半導
体露光装置部に応用したものである。コリメータレンズ
43の透過方向には光学素子66が設けられ、光学素子
66に設けられた偏光ビームスプリッタ面66aによっ
て光束L11 、L12 を2分割するようになっている。更
に、偏光ビームスプリッタ面66aの透過方向にはミラ
ー66bが設けられ、反射方向にはミラー66cが設け
られている。また、ミラー66bの反射方向にはP偏光
のみを透過する偏光板67が設けられ、偏光板67の透
過方向にはマスク45、ウエハ47が配置されている。
同様に、ミラー66cの反射方向にはS偏光のみを透過
する偏光板68が設けられている。
【0035】このような構成にすることによっても、光
束L11 、L12 に含まれた漏れ込み光を軽減することがで
き、以後は第1の実施例と同様の手順に従ってマスク4
5とウエハ47の相対位置合わせを高精度に行うことが
できる。
【0036】また、図8において各回折格子からの回折
光を偏向するミラー49、50を図3に示す1つのミラ
ー44fに置き換え、ミラー44fを図9に示すように
光学素子66に貼付してもよい。更に、図10、図11
に示すように偏光板67、68を光学素子66に貼付し
てもよい。
【0037】図12は第4の実施例の構成図であり、図
8と同一の符号は同一の部材を示している。第3の実施
例と同様に、光束L11 、L12 はミラー66bの透過方向
に設けられた偏光板67及びミラー66cの透過方向に
設けられた偏光板68をそれぞれ介して回折格子62、
63によって回折されるため、光束L11 、L12 に含まれ
た漏れ込み光を軽減することができる。以後は第2の実
施例と同様の手順に従って、ウエハ61上の回折格子6
2、63の相対位置ずれ量、即ち回路パターンの相対ず
れ量を高精度に求めることができる。
【0038】また、図12においてミラー49、50を
図3に示す1つのミラー44fに置き換え、ミラー44
fを図9に示すように光学素子4に貼付してもよい。更
に、図10、図11に示すように偏光板25、26を光
学素子4に貼付してもよいのは第3の実施例と同様であ
る。
【0039】図13は第5の実施例の構成図であり、光
源から出射された偏光面が互いに直交し、周波数が僅か
に異なる光束L11 、 L12 に分割する部分を示している。
第1〜第4の実施例における光束L11 、L12 の分割は、
図1、図5、図9〜図11に示すように偏光ビームスプ
リッタ面、偏光ビームスプリッタ、ミラー、偏光板等の
光学素子の一部或いは全部を一体化した光学素子により
行っている。本実施例では、図13に示すように偏光ビ
ームスプリッタ71で2分割した光束L11 、光束L12 を
偏光ビームスプリッタ72、73を通し、ミラー74、
75で偏向するように光学素子を配置してもよい。
【0040】更に、図14に示すように偏光ビームスプ
リッタ76で2分割した光束L11 、L12 を偏光板67、
68を透過させ、ミラー77、78で偏向する光学系の
配置をとることによっても、漏れ込み光の影響を受けな
い高精度な測定が可能となる。また、図15に示すよう
に偏光ビームスプリッタ71、72、73を一体化して
もよく、更に図16に示すように偏光ビームスプリッタ
76と偏光板67、68を一体化してもよい。
【0041】図17は第6の実施例の構成図を示し、マ
スク及びウエハに形成されたアライメントマークによっ
て位置合わせを行う遠紫外光、X線等を用いたプロキシ
ミティ露光方式半導体製造装置の位置合わせ部を示して
いる。ゼーマンレーザー光源81の光路上には,偏光ビ
ームスプリッタ82、83、ミラー84が設けられ偏光
ビームスプリッタ82の反射方向にはミラー85が設け
られている。また、ミラー85の反対方向には位相シフ
ト手段86、ミラー87が順列に配列され、ミラー87
による反射によって光束が偏光ビームスプリッタ83に
垂直に入射するようにされている。
【0042】更に、ミラー84の反対方向には偏光ビー
ムスプリッタ102が設けられ、偏光ビームスプリッタ
102の反射方向にはミラー103、透過方向にはミラ
ー104が設けられている。ミラー103の反射方向に
は、アクチュエータ105により駆動される平行平板1
06が図18に示すように回転可能に設けられ、駆動ド
ライバ107に接続されている。ミラー103、104
の反射方向には被測定物Sが配置され、ミラー103、
104からの光束を被測定物Sに対して垂直上方に回折
するようになっている。
【0043】また、被測定物Sはマスク108及びウエ
ハステージ109上に設けられたウエハ110によって
構成され、マスク108、ウエハ110上にはそれぞれ
アライメントマーク111、112が形成されている。
更に、マスク108には駆動ドライバ113に接続され
たアクチュエータ114が連結され、ウエハステージ1
09には駆動ドライバ115に接続されたアクチュエー
タ116がそれぞれ連結され、マスク108、ウエハ1
10がX軸方向に自在に移動できるようになっている。
被測定物Sの垂直上方にはミラー117が設けられ、ミ
ラー117の反射方向の光路上にはレンズ118、偏光
板119、エッジミラー120、レンズ121、光電検
出器122が順次に配列されている。
【0044】このとき図19に示すように、被測定物S
とエッジミラー120とがレンズ118に対して、また
エッジミラー120と光電検出器122とがレンズ12
1に対してそれぞれ共役となるように各部材が設けられ
ている。更に、エッジミラー120の反射方向にはレン
ズ123が設けられ、レンズ123に対してエッジミラ
ー120と共役となる位置には光電検出器124が設け
られている。光電検出器122、124の出力は位相差
検出器125に接続され、位相差検出器125の出力は
演算処理装置126に接続されている。
【0045】ゼーマンレーザー光源101から出射され
た互いに直交する偏光状態の光束は、偏光ビームスプリ
ッタ102によって周波数がf1であるS偏光の光束と、
周波数がf2であるP偏光の光束とに2分割される。周波
数f1の光束はミラー103を介して平行平板106を透
過し、アライメントマーク111、112にビームスポ
ットを走査する。また、周波数f2の光束はミラー104
を反射した後に、同様にアライメントマーク111、1
12に照射される。アライメントマーク111、112
のそれぞれから出射する次数の絶対値が同じで、次数の
符号と周波数の異なる回折光、例えばP偏光光の+1次
光とS偏光光の−1次光は同一光路を通り、ミラー11
7で偏向された後にレンズ118、偏光方向を揃えるた
めの偏光板119を透過する。
【0046】ここで、アライメントマーク111からの
回折光はエッジミラー120を透過し、レンズ121で
集光された後に光電検出器122によって検出され、ア
ライメントマーク112からの回折光はエッジミラー1
20を反射し、レンズ123で集光された後に光電検出
器124によって検出される。なお、アライメントマー
ク111、112からの回折光の分離の方法は、レンズ
118に関してウエハ108と共役な位置に置いたエッ
ジミラー120により次のようにして行う。
【0047】エッジミラー120の位置にはアライメン
トマーク111、112が結像し、これらの2つのアラ
イメントマーク111、112の間にエッジミラー12
0のエッジ部分が至るようにエッジ位置を設けることに
より、アライメントマーク111の回折光はエッジミラ
ー120を透過し、アライメントマーク112の回折光
はエッジミラー120で反射するために、2つの回折光
が分離される。更に、マスク108及びウエハ110と
光電検出器122及び光電検出器124とがそれぞれ共
役となっているため、マスク108及びウエハ110の
チルトに対して強い系となっている。
【0048】本実施例では、偏光ビームスプリッタ10
2の洩れ込み光の影響を除去するために、ゼーマンレー
ザー光源81と偏光ビームスプリッタ102の間に位相
シフト手段86が設けてられている。ゼーマンレーザー
光源81は互いに直交するP偏光で周波数がf1、S偏光
で周波数f2である2光束を出射し、これらの光束は偏光
ビームスプリッタ82に入射し、その偏光状態によって
周波数f1の光束は透過し、周波数f2の光束は反射する。
反射した周波数f2の光束はミラー85を経て位相シフト
手段86により所定量だけ位相をシフトされ、ミラー8
7を経て偏光ビームスプリッタ83に入射する。また、
偏光ビームスプリッタ82を透過した周波数f1の光束も
偏光ビームスプリッタ83に入射して、周波数f1、f2の
2光束は同一光路上を通り、ミラー84を介して偏光ビ
ームスプリッタ102に入射する。
【0049】光電検出器122で検出されるビート信号
Imは、±1次の回折光を用いると次式のようになる。 Im=Am・ cos{(ω1 −ω2 )・t+Δφm)} …(17) tan(Δφm)=sin(4π・ΔXm/P−Δθ)/{cos( 4π・ΔXm/P−Δθ) +(α/B+β/A)} …(18)
【0050】ここで、Amは振幅、α、βは偏光ビームス
プリッタ102のA、Bに対するクロストーク量、Δθ
は位相シフト手段によりシフトされた位相量、ΔXmはア
ライメントマーク111の基準線からのずれ量、Pはア
ライメントマークの回折格子のピッチである。
【0051】また、光電検出器124によって検出され
るビート信号Iwは、同様に±1次の回折光を用いると次
式のようになる。 Iw=Aw・ cos{(ω1 ーω2 )・t+Δφw)} …(19) tan(Δφw)=sin(4π・ΔXw/P−Δθ)/{cos(4π・ΔXw/P−Δθ) +(α/B+β/A)} …(20)
【0052】ここで、Awは振幅、ΔXwはアライメントマ
ーク112の基準線からのずれ量である。
【0053】(18)式と(20)式で示されるビート信号の位
相差Δφm ーΔφw を位相差検出器125で検出する。
このとき、位相シフト量Δθn に対する位相差Δφm ー
Δφw は図20に示されるように正弦的に変化する。各
位相差を演算処理装置126に入力して平均化処理を行
うことにより、偏光ビームスプリッタ102の漏れ込み
光の影響による位置合わせの精度の劣化を防止し、マス
ク108とウエハ110の相対的な位置ずれをより高精
度に検出することができる。
【0054】即ち、マスクとウエハの位置ずれ量ΔX を
N回の位相差測定値から、以下のように求めることがで
きる。 Δφ(n) =Δφm(n)−Δφw(n) (n=1,2,3・・・N) ・・・(21) ΔX =(P/4π)・(1/N)ΣΔφ(n) ・・・(22)
【0055】なお、位置ずれを検出した後に、ΔX に基
づいて駆動ドライバ113、115によって位置ずれ量
が許容以下になるようにマスク108及びウエハ110
を移動する。
【0056】本実施例ではX方向のみについて説明した
が、Y方向のアライメントについても、X方向アライメ
ントマークと直交する方向にアライメントマークをマス
ク108とウエハ110とにそれぞれ設け、光学系もX
方向検出用と直交する方向に設けることにより、X方向
と同様にマスク108とウエハ110の位置合わせを行
うことができる。
【0057】また、位相差検出器125の積分時間を或
る程度長めに設定し、その積分時間内に位相を数回シフ
トしてもよく、この場合の演算処理装置126は位相を
被測定物の変位に換算する演算だけでの機能でよい。
【0058】図20は偏光ビームスプリッタ84におけ
る反射及び透過の漏れ込み量を共に0.1%とした場合
に、位相シフト手段86の位相シフト量と位相差検出器
125の出力の関係のグラフ図である。位相シフト手段
86がない場合における測定誤差は図20における振幅
に相当するが、本実施例のようにビート信号を形成する
光束対の2つの光束のうちの一方又は双方の位相をシフ
トし、2つのビート信号の位相差を数回測定し平均化処
理することにより真の変位量に近付き、精度が向上す
る。
【0059】なお、図21は位相シフト手段86の具体
例を示す構成図であり、ミラー85からの光路上には固
定三角ミラー86aが設けられ、固定三角ミラー86a
の反射方向には可動式コーナキューブミラー86bが設
けられている。可動式コーナキューブミラー86bはア
クチュエータ86cを有し、駆動装置86dによって制
御されるようになっている。可動式コーナキューブミラ
ー86bを微小量駆動して光路長を変え、位相をシフト
している。
【0060】図22は第7の実施例の構成図を示し、第
6の実施例と同様にマスク及びウエハに形成されたアラ
イメントマークによって位置合わせを行う遠紫外光、X
線等を用いたプロキシミティ露光方式半導体製造装置の
位置合わせ部を示している。ゼーマンレーザー光源81
の光路上にはミラー84、偏光ビームスプリッタ102
が設けられ、偏光ビームスプリッタ102の反射方向に
はミラー103、透過方向にはミラー104が設けられ
ている。なお、他の構成については、第6の実施例と同
様である。
【0061】本実施例のビート信号の位相シフト手段に
ついては、図18に示すように平行平板106が回転す
ると、入射したビームは平行方向にシフトし、図23に
示すようにアライメントマーク111、112に対し
て、B1からB2の方向にビームスポットが動く。このと
き、アライメントマーク111、112に入る光の波面
がビームスポットが動いた量だけ変化するために、最終
的な光電検出器122、124で光電検出されるビート
信号の位相がシフトされる。
【0062】光電検出器122で検出されるビート信号
Imは、±1次の回折光を用いると次式のようになる。 Im=Am・ cos{(ω1 −ω2 )・t+Δφm)} …(23) tan(Δφm)=sin(4π・ΔXm/P+Δθ)/{cos( 4π・ΔXm/P+Δθ) +(α/B+β/A)} …(24)
【0063】ここで、Amは振幅、α、βは偏光ビームス
プリッタ102のA、Bに対するクロストーク量、Δθ
は位相シフト手段によりシフトされた位相量、ΔXmはア
ライメントマーク111の基準線からのずれ量、Pはア
ライメントマークの回折格子のピッチである。
【0064】また、光電検出器124によって検出され
るビート信号Iwは、同様に±1次の回折光を用いると次
式のようになる。 Iw=Aw・ cos{(ω1 ーω2 )・t+Δφw)} …(25) tan(Δφw)=sin(4π・ΔXw/P+Δθ)/{cos(4π・ΔXw/P+Δθ) +(α/B+β/A)} …(26)
【0065】ここで、Awは振幅、ΔXwはアライメントマ
ーク112の基準線からのずれ量である。
【0066】(24)式と(26)式で示されるビート信号の位
相差Δφm ーΔφw を位相差検出器125で検出する。
このとき、位相シフト量Δθに対する位相差Δφm ーΔ
φwは図20に示されるように正弦的に変化する。各位
相差を演算処理装置126に入力して平均化処理を行う
ことにより、偏光ビームスプリッタ102の漏れ込み光
の影響による位置合わせの精度の劣化を防止し、マスク
108とウエハ110の相対的な位置ずれをより高精度
に検出することができる。
【0067】即ち、マスクとウエハの位置ずれ量ΔX を
N回の位相差測定値から、以下のように求めることがで
きる。 Δφ(n) =Δφm(n)−Δφw(n) (n=1,2,3・・・N) ・・・(27) ΔX =(P/4π)・(1/N)ΣΔφ(n) ・・・(28)
【0068】なお、位置ずれを検出した後に、ΔX に基
づいて駆動ドライバ113、115によって位置ずれ量
が許容以下になるようにマスク108及びウエハ110
を移動する。
【0069】本実施例ではX方向のみについて説明した
が、Y方向のアライメントについても、X方向アライメ
ントマークと直交する方向にアライメントマークをマス
ク108とウエハ110とにそれぞれ設け、光学系もX
方向検出用と直交する方向に設けることにより、X方向
と同様にマスク108とウエハ110の位置合わせを行
うことができる。
【0070】図24は第8の実施例の構成図であり、2
回の露光で焼き付けられた2つの焼き付け重ね合わせ評
価パターン間の位置ずれを高精度に検出し、評価する焼
き付け重ね合わせ評価装置である。なお、図17と同一
の符号は同一の部材を示している。ウエハ110上には
別々の焼き付けプロセスを経て形成された回折格子12
8、129が隣接して設けられている。ゼーマンレーザ
ー光源81から出射された互いに直交する偏光状態の光
束は、偏光ビームスプリッタ102によって周波数がf1
であるS偏光の光束と、周波数がf2であるP偏光の光束
とに2分割される。
【0071】周波数f1の光束はミラー103を介して回
折格子128、129に照射され、周波数f2の光束はミ
ラー104で偏向され、同様に回折格子128、129
に照射される。このとき、回折格子128、129から
の回折光は同一光路上を通り、ミラー117で偏向され
た後にレンズ118、偏光板119を透過する。回折格
子128からの回折光はエッジミラー120を透過し、
レンズ121で集光されセンサ122によって検出され
る。また、回折格子129からの回折光はエッジミラー
120で反射され、レンズ123で集光されセンサ12
4によって検出される。なお、回折格子128、129
からの回折光の分離の方法は、第7の実施例と同様に行
う。
【0072】ビート信号の位相をシフトする場合には、
駆動ドライバ115によりウエハステージ109をずれ
検出方向に微小移動し、ビームスポットに対する回折格
子128、129の位置を変化させる。このとき、回折
格子128、129に入射する光の波面が同じ量だけ変
化するために、最終的に光電検出器122、124で光
電検出されるビート信号の位相がシフトされることにな
る。
【0073】光電検出器124で検出されるビート信号
I1は、±1次の回折光を用いると次式のようになる。 I1=A1・cos {( ω1 −ω2)・t+Δφ1) …(29) tan(Δφ1)=sin(4π・ΔX1/P+Δθ)/{cos(4πΔX1/P+Δθ)+ (α/B+β/A)} …(30)
【0074】ここで、A1は振幅、Δθは位相シフト手段
によりシフトされた位相分、ΔX1は回折格子128の基
準線からのずれ量、Pは回折格子128、129のピッ
チである。また、演算処理装置126で検出されるビー
ト信号I2は、±1次の回折光を用いると次式のようにな
る。 I2=A2・ cos{( ω1 ーω2)・t+Δφ2)} …(31) tan(Δφ2)=sin(4π・ΔX2/P+Δθ)/{cos(4π・ΔX2/P+Δθ) +(α/B+β/A)} …(32)
【0075】ここで、A2は振幅、ΔX2は回折格子128
の基準線からのずれ量である。式(30)、(32)で示される
ビート信号の位相差Δφ1 ーΔφ2 は、位相差検出器1
25によって検出される。このとき、位相シフト量Δθ
に対する位相差Δφ1ーΔφ2 は図20のように正弦的
に変化する。各位相差を演算処理装置126に入力して
平均化処理することにより、偏光ビームスプリッタ10
2の漏れ込み光の影響による2つの回折格子128、1
29の相対的な位置ずれに対して、位相差が非線形にな
って、位置ずれの検出精度が劣化するという問題を解決
することができる。すなわち回折格子128と回折格子
129の位置ずれ量ΔX をN回の位相差測定値から、以
下のように求めることができる。 Δφ(n) =Δφm(n)−Δφw(n) (n=1,2,3・・・N) ・・・(33) ΔX =(P/4π×1/N)ΣΔφ(n) ・・・(34)
【0076】非線形誤差はウエハの移動に応じて周期的
に変化し、回折格子のピッチがPで±1次回折光を利用
した場合には、ウエハの移動量P/2の周期を持ってい
る。従って、或る位置で位相差を検出し、X方向にP/
4だけ移動させて第2の位相差を検出して、これらの平
均値を得るようにしてもよく、スループットを低下させ
ずに効果的に非線形誤差を低減することができる。
【0077】このように、1回目に焼き付けられたパタ
ーンと2回目のパターンのずれ量を求めることにより、
半導体露光装置の焼き付け重ね合わせ評価を行うことが
できる。
【0078】なお、本実施例ではX方向のみについて説
明したが、Y方向のずれ検出についても、第7の実施例
と同様に行うことができる。また、第6〜第8の実施例
においてはそれぞれ別の位相シフト手段の例を示した
が、例えば第6の実施例で示した位相シフト手段は第8
の実施例の装置でも利用可能であり、位相シフト手段と
装置の組み合せはその他種々に応用することができる。
更に、実施例では被測定物Sに照射する前に、偏光ビー
ムスプリッタにより分離する方法のみを示したが、被測
定物から反射、回折等された後の光束を偏光ビームスプ
リッタにより分離する方法に関しても同様に応用でき
る。
【0079】次に上記説明した露光装置を利用したデバ
イスの製造方法の実施例を説明する。図25はICやL
SI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気
ヘッド、マイクロマシン等の微小デバイスの製造のフロ
ーチャート図を示す。ステップ1(回路設計)では半導
体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製
作)では設計した回路パターンを形成したマスクを製作
する。一方、ステップ3(ウエハプロセス)は前工程と
呼ばれ、用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフ
ィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次の
ステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4
によって作成されたウエハを用いて半導体チップ化する
工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディ
ング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を
含んでいる。ステップ6(検査)ではステップ5で作成
された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト
等の検査を行う。このような構成を経て半導体デバイス
が完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0080】図26は上記ウエハプロセスの詳細なフロ
ーチャート図を示す。ステップ11(酸化)ではウエハ
の表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエ
ハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)
ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ
14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。
ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光材を塗
布する。ステップ16(露光)では上記説明した露光装
置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光す
る。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像す
る。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト
像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥
離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取
り除く。こららのステップを繰り返し行うことによっ
て、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。本実
施例の製造方法を用いれば、従来は製造が困難であった
高集積度の半導体デバイスを製造することができる。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に係る光ヘ
テロダイン干渉計測装置は、漏れ込み光が含まれる光束
の光路上に、これを遮光する光学部材を配することによ
って、ビート信号に含まれる漏れ込み光の量を軽減する
ことができ、漏れ込み光による非線形誤差の影響を受け
ない高精度な測定が可能となる。
【0082】また、請求項5、6に係る光ヘテロダイン
干渉計測装置は、漏れ込み光がある場合においても、ビ
ート信号の位相をシフトすることにより、非線形誤差を
取り除くことができると共に、振動等の他の誤差要因も
除去することができ、高精度な測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の構成図である。
【図2】マスク、ウエハ、回折格子の位置関係の配置図
である。
【図3】側面図である。
【図4】側面図である。
【図5】光学素子の構成図である。
【図6】第2の実施例の構成図である。
【図7】ウエハ、回折格子の配置図である。
【図8】第3の実施例の構成図である。
【図9】光学素子の構成図である。
【図10】光学素子の構成図である。
【図11】光学素子の構成図である。
【図12】第4の実施例の構成図である。
【図13】光学素子の配置図である。
【図14】光学素子の配置図である。
【図15】光学素子の配置図である。
【図16】光学素子の配置図である。
【図17】第6の実施例の構成図である。
【図18】位相シフト手段の説明図である。
【図19】回折光の分離手段の説明図である。
【図20】位相シフト量に対する2つのビート信号間の
位相差の変化の関係のグラフ図である。
【図21】位相シフト手段の構成図である。
【図22】第7の実施例の構成図である。
【図23】アライメントマークとビームスポットの関係
の説明図である。
【図24】第8の実施例の構成図である。
【図25】半導体デバイスの製造フローチャート図であ
る。
【図26】ウエハプロセスの詳細なフローチャート図で
ある。
【図27】従来例の構成図である。
【符号の説明】
41 2周波数直線偏光レーザー光源 44、66 光学素子 44a、44c、44d 偏光ビームスプリッタ面 45、108 マスク 46、48、62、63、128、129 回折格子 47、61、110 ウエハ 52、55、119 偏光板 53、56、122、124 光電検出器 57、125 位相差検出器 58 位置コントローラ 59、60、105 アクチュエータ 81 ゼーマンレーザー光源 82、83、102 偏光ビームスプリッタ 86 位相シフト手段 106 平行平板 111、112 アライメントマーク 120 エッジミラー 126 演算処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野瀬 哲志 東京都大田区下丸子三丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 辻 俊彦 東京都大田区下丸子三丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 吉井 実 東京都大田区下丸子三丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−302809(JP,A) 特開 平4−212002(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 9/00 - 11/30

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに偏光方向と周波数とが異なる2光
    束を含む干渉光を供給する手段と、前記2光束を分離す
    る偏光ビームスプリッタと、前記分離された2光束を第
    1、第2の回折格子に入射させる入射手段と、前記第1
    の回折格子からの回折光を用いて生成した第1の干渉光
    を光電変換して第1のビート信号を生成する第1の光電
    検出手段と、前記第2の回折格子からの回折光を用いて
    生成した第2の干渉光を光電変換して第2のビート信号
    を生成する第2の光電検出手段と、前記第1、第2のビ
    ート信号の位相差を検出することで前記第1、第2の回
    折格子の相対位置ずれ量を求める位相差検出手段とを有
    し、前記入射手段は前記2光束の一方の光束に漏れこん
    だ他方の光束が前記第1、第2回折格子に入射すること
    を遮光する光学手段を有することを特徴とする光へテロ
    ダイン干渉計測装置。
  2. 【請求項2】 前記第1、第2の回折格子はそれぞれマ
    スク、ウエハに形成されていることを特徴とする請求項
    1に記載の光へテロダイン干渉計測装置。
  3. 【請求項3】 前記第1、第2回折格子は、ウエハに形
    成されていることを特徴とする請求項1に記載の光へテ
    ロダイン干渉計測装置。
  4. 【請求項4】 前記ビームスプリッタ、前記入射手段及
    び前記光学手段は、一体化された光学素子であることを
    特徴とする請求項1〜3の何れか1つの請求項に記載の
    光へテロダイン干渉計測装置。
  5. 【請求項5】 互いに周波数が異なる2光束を供給する
    生成手段と、前記2光束を被測定物に入射させる手段
    と、前記被測定物からの光を用いて生成した第1、第2
    の干渉光を光電変換して第1、第2のビート信号を生成
    する第1、第2の光電検出手段と、前記第1、第2のビ
    ート信号の位相差を検出する位相差検出手段と、前記2
    光束の少なくとも一方の前記被測定物への入射位置を変
    化させることによって、前記第1、第2のビート信号の
    少なくとも一方の位相をシフトさせる位相シフト手段
    、前記位相差検出手段により検出される複数の前記位
    相差を平均化する演算処理手段とを有することを特徴と
    する光ヘテロダイン干渉計測装置。
  6. 【請求項6】 互いに周波数が異なる2光束を供給する
    生成手段と、前記2光束を被測定物に入射させる手段
    と、前記被測定物からの光を用いて生成した第1、第2
    の干渉光を光電変換して第1、第2のビート信号を生成
    する第1、第2の光電検出手段と、前記第1、第2のビ
    ート信号の位相差を検出する位相差検出手段と、前記2
    光束の光路長差を変化させることによって、前記第1、
    第2のビート信号の少なくとも一方の位相をシフトさせ
    る位相シフト手段と、前記位相差検出手段により検出さ
    れる複数の前記位相差を平均化する演算処理手段とを有
    することを特徴とする光ヘテロダイン干渉計測装置。
  7. 【請求項7】 前記被測定物は第1、第2の回折格子で
    あることを特徴とする請求項5又は6に記載の光ヘテロ
    ダイン干渉計測装置。
  8. 【請求項8】 前記第1、第2の回折格子は第1、第2
    基板にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項
    7に記載の光へテロダイン干渉計測装置。
  9. 【請求項9】 前記第1、第2回折格子は同一基板に形
    成されていることを特徴とする請求項7に記載の光へテ
    ロダイン干渉計測装置。
  10. 【請求項10】 前記演算処理手段は前記複数の前記位
    相差を加算平均することを特徴とする請求項5〜9の何
    れか1つの請求項に記載の光ヘテロダイン干渉計測装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10の何れか1つの請求項
    に記載のヘテロダイン干渉計測装置を設けたことを特徴
    とする露光装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の露光装置を用いて
    マスクのパターンをウエハに露光する段階と、該ウエハ
    を現像する段階とを有することを特徴とするデバイス製
    造方法。
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