JPH087498Y2 - 硬貨返却口用受皿のカバー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動販売機あるいは公衆電話機等の硬貨処
理機能を付設した各種装置の硬貨返却口用受皿のカバー
に関するものである。

〔従来の技術〕

自動販売機あるいは公衆電話機等の硬貨返却口につい
ては、従来概ね第１図のように上方が解放した受皿１を
機体２の前方へ張り出し状態に設けてこの受皿１に機体
２の内部上方から硬貨Ｃを排出するようにしており、ま
た第２図のように機体２の内部に受皿１を設けると共
に、受皿１の上方に取出室３を設けてこの取出室３の表
部に透明な板状カバー４をその上端においてピン５によ
り垂下状態に設け、カバーを手指により押し込みつつ受
皿１内の返却硬貨Ｃを取り出すように構成している。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記従来技術においては、その前者即ちカバーを設け
ない構造のものは、硬貨を取り出し易いという利点はあ
るが、受皿１自体並びにこの受皿１の部分から機体の内
部へ塵埃あるいは虫が侵入し易い欠点があるほか、内部
から排出される硬貨Ｃが受皿１から飛び出す傾向があ
り、また後者即ちカバー４を設けた型式の構造のもの
は、防塵および防虫効果があるほか硬貨の飛び出しにつ
いてもこれを防止することができる利点があるが、受皿
１内の硬貨Ｃを視認し難い関係上、釣銭の場合において
は取り忘れ易く、なお硬貨取り出しに当たってはカバー
４を内部へ押し込んだ後手指を受皿１内へ挿入するので
あるから、硬貨Ｃと共に手指を引き戻す場合に閉止傾向
のカバー４の先端と受皿１との中間に手指を噛み込まれ
易く硬貨Ｃが取り出し難いという欠点がある。

そこで本考案の目的は、受皿内の硬貨が視認し易く、
かつ防塵，防虫機能を備え、しかも硬貨取り出しに当り
手指の噛み込みのない硬貨返却口用受皿のカバーを提供
することにあり、また他の目的は簡単な構成のもとに前
記カバーを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記目的を達成するため、機体内部から排
出される硬貨を一時的に収受する受皿を機体の前面部に
突設した型式の硬貨返却口用受皿を適用対象として、受
皿を前端付近の手指挿入部とこの手指挿入部よりも後方
部分とに区分して、その後方部を覆う透明な主カバーを
設けると共に、この主カバーはこれを上方に開蓋可能に
受皿の後端部に枢着し、かつ受皿の側壁には主カバーを
ほぼ水平位置に受止めるストッパを設け、更に受皿の深
さよりも少し短い板状の補助カバーをその上端において
主カバーの先端に蝶着し、または補助カバーを可撓性シ
ート製としてこの補助カバーをその上端において主カバ
ーの先端に接着したものである。

〔作用〕 上記構成によれば、カバーによる覆蔽状態において
は、受皿における前端付近の手指挿入部を除く大部分
が、透明な主カバーとこの主カバーの先端から垂下した
補助カバーとにより覆蔽され、これにより受皿並びに機
体内部への塵埃および虫の侵入が防止されるばかりでな
く、透明な主カバーを透して受皿内の硬貨を容易に視認
することができ、また受皿前端付近の手指挿入部に手指
を挿入して主カバーを押上げることにより、主カバーは
補助カバーと共に上方へ転傾して開蓋状態となり、受皿
内の硬貨を取り出すことができる。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に示す実施例について詳細に説明
する。

第３図ないし第５図の実施例は、自動販売機あるいは
公衆電話機の機体11の前面部に、上部全域が解放状態で
硬貨Ｃの収受および手指による掴み取りに適応する適度
の深さの受皿12をその解放状態の上方開口部13がほぼ水
平となるように前方に張り出す状態のもとに設けて機体
11の内方上方から硬貨Ｃを受皿12内に排出するようにし
たことにおいては従来の硬貨返却口用受皿におけると性
質的に異なるところはないが、この実施例においては、
受皿12を前端付近の手指挿入部12aとこの手指挿入部12a
よりも後方部分12bとに区分して、その後方部分12bの全
域を覆う透明板製の主カバー14を設け、この主カバー14
はこれを後端部でピン15により受皿12に枢着して上方に
開蓋することができるようにし、かつ主カバー14の先端
には受皿12の深さよりも少し短い板状の補助カバー16を
自重により垂下する状態のもとに蝶番17により蝶着し、
かつ受皿12の側壁19の内方には主カバー14をほぼ水平位
置に受止める段状等のストッパ20を設け、これによりカ
バーによる覆蔽状態においては、受皿12における前端付
近の手指挿入部12aを除く後方部分12bを、ほぼ水平状態
に保たれた主カバー14と主カバー14の先端から垂下した
補助カバー16とにより覆蔽すると共に、補助カバー16の
下端を受皿12の底壁18に接近した状態に保つようにす
る。

上記構成のもとに、主カバー14を第３図および第４図
のように自重によりほぼ水平のままストッパ20により阻
止された状態を保ち、また補助カバー16が垂下した状態
において、受皿12の開口部13の手指挿入部12aを除く後
方の大部分を覆蔽して受皿12内並びに機体11内への塵埃
および虫等の侵入を防止することができるようにし、受
皿12内に排出された硬貨Ｃを取り出すに当っては、第５
図のように、手指挿入部12a即ち主カバー14の先端と受
皿12の前端との中間間隙に指頭を挿入しつつ、補助カバ
ー16を内方へ押し込み傾向のもとに主カバー14を鎖線の
ように跳ね上げた状態のまま受皿12内の硬貨Ｃを取り出
すようにしてなるのであり、なお硬貨Ｃの取り出し後は
主カバー14および補助カバー16をそれぞれ第３図のよう
に自重により復元するようにする。

前記実施例における補助カバー16は板状の剛体である
が、第６図のように可撓性シート製の補助カバー16をそ
の上端において前記主カバー14の先端に接着して垂下状
態に設けてもよく、また第７図のように剛体の補助カバ
ー16を可撓性シートによる蝶番17により主カバー14に蝶
着してもよいのである。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、張り出し状態
の受皿の上方開口部に、前端付近の手指挿入部を除く後
方の大部分にわたり透明な主カバーをほぼ水平に設ける
ばかりでなく、この主カバーを後端で受皿に枢着して上
方へ跳ね上げ開蓋することができるようにし、かつ主カ
バーの前端には自重により垂下する状態に補助カバーを
蝶着または接着して設けたから、これにより受皿内を上
方から容易に視認することができるばかりでなく、受皿
内および機体内への塵埃および虫等の侵入を容易に防止
し、しかも手指の噛み込みのない状態のもとに硬貨の取
り出しを容易に行うことができる等の利点がある。

【図面の簡単な説明】 図面において、第１図および第２図はそれぞれ従来の硬
貨返却口の構造を各別に例示する縦断側面図、第３図お
よび第４図はそれぞれ一実施例における本考案のカバー
を示す遮蔽体制の縦断側面図および平面図、第５図は硬
貨の取り出し過程の縦断側面図、第６図は他の実施例を
示す縦断側面図、また第７図は更に他の実施例を示す縦
断側面図である。 11……機体 12……受皿 12a……手指挿入部 12b……後方部分 13……上方開口部 14……主カバー 15……ピン 16……補助カバー 17……蝶番 19……側壁 20……ストッパ Ｃ……

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上部全域が解放状態の上方開口部（13）を
   有し、機体（11）内部から排出される硬貨（Ｃ）を一時
   的に保持する受皿（12）を機体（11）の前面部に突出し
   て設けた型式の硬貨返却口用受皿に付設するカバーであ
   って、前記受皿（12）を前端付近の手指挿入部（12a）
   とこの手指挿入部（12a）よりも後方部分（12b）とに区
   分して、その後方部分（12b）を覆う透明板製の主カバ
   ー（14）を設けると共に、この主カバー（14）はこれを
   上方に開蓋可能に後端部でピン（15）により受皿（12）
   に枢着し、かつ受皿（12）の側壁（19）の内方には主カ
   バー（14）をほぼ水平位置に受止めるストッパ（20）を
   設け、更に受皿（12）の深さよりも少し短い板状の補助
   カバー（16）をその上端において前記主カバー（14）の
   先端に蝶番（17）により蝶着したことを特徴とする硬貨
   返却口用受皿のカバー。
2. 【請求項２】上部全域が解放状態の上方開口部（13）を
   有し、機体（11）内部から排出される硬貨（Ｃ）を一時
   的に保持する受皿（12）を機体（11）の前面部に突出し
   て設けた型式の硬貨返却口用受皿に付設するカバーであ
   って、前記受皿（12）を前端付近の手指挿入部（12a）
   とこの手指挿入部（12a）よりも後方部分（12b）とに区
   分して、その後方部分（12b）を覆う透明板製の主カバ
   ー（14）を設けると共に、この主カバー（14）はこれを
   上方に開蓋可能に後端部でピン（15）により受皿（12）
   に枢着し、かつ受皿（12）の側壁（19）の内方には主カ
   バー（14）をほぼ水平位置に受止めるストッパ（20）を
   設け、更に受皿（12）の深さよりも少し短い可撓性シー
   ト製の補助カバー（16）をその上端において前記主カバ
   ー（14）の先端に接着したことを特徴とする硬貨返却口
   用受皿のカバー。