JPH0874865A - 軸受用接触シール - Google Patents

軸受用接触シール

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JPH0874865A
JPH0874865A JP23231794A JP23231794A JPH0874865A JP H0874865 A JPH0874865 A JP H0874865A JP 23231794 A JP23231794 A JP 23231794A JP 23231794 A JP23231794 A JP 23231794A JP H0874865 A JPH0874865 A JP H0874865A
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seal
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seal lip
ring
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Takashi Anzai
隆 安西
Yukifusa Ito
幸房 伊藤
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NTN Corp
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 型割り位置で生じるバリ等にかかわらずに、
耐水性を高める。カーエアコン電磁クラッチ用軸受等の
耐水性が強く求められる軸受に使用される。 【構成】 転がり軸受1の内輪2と外輪3の間を塞ぐリ
ング状のシール6であって、内輪2の周面2aと摺接す
る弾性体のシールリップ部8aが軸心に対する傾斜方向
に延びて設けてある。この構成において、シールリップ
部8aの先端部の形状を、軸心に略垂直な先端面aと内
周側の傾斜面bとの間に環状の切欠部10を有する形状
とする。このように切欠部10を設けることにより、シ
ールリップ部8aを含む弾性体8の成形時の型割り位置
Qを、シールリップ部8aの先端縁cから外れた位置と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カーエアコン電磁ク
ラッチ用軸受等の耐水性が強く求められる軸受等に使用
される軸受用接触シールに関する。
【0002】
【従来の技術】カーエアコン電磁クラッチ用軸受は、そ
の特性上、耐水性が強く求められており、例えば図4に
示す接触シール51を用いた転がり軸受50が使用され
る。シール51は、心金52にゴム等の弾性体53を被
覆したリング状のものであり、軸受外輪54の取付溝5
5に取付けられて、弾性体53の一部からなる内周側の
傾斜したシールリップ部53aが軸受内輪56のシール
接触面56aに摺接する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】軸受の耐水性はシール
51に頼っているが、シール51の製造上、シールリッ
プ部53aの先端縁53aaにバリ等の凹凸部が生じ、
この凹凸部が内輪56のシール接触面56aに摺接する
ため、十分な耐水性を得ることが難しかった。すなわ
ち、シール51の成形は二つ割りの金型で行うが、図4
(B)に示すように、シールリップ部53aの先端縁5
3aaが型割り位置Pとなる。この型割り位置Pとする
のは、他の位置で割ると、二つ割りの場合、必ずどちら
かの金型に対して「無理抜き」となるためである。しか
し、このようにシールリップ部53aの先端縁53aa
で型割りを行うと、その箇所でバリ等の凹凸部の発生が
避けられない。シールリップ部53aにバリ等が生じて
いると、軸受50への組付時に、軸受内輪56との間に
僅かな隙間が生じ、確実な耐水性を得ることができない
場合がある。
【0004】この発明の目的は、バリ等の発生にかかわ
らずに、耐水性を高めることのできる軸受用接触シール
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の軸受用接触シ
ールは、転がり軸受の内輪と外輪の間を塞ぐリング状の
シールであって、前記内輪の周面と摺接する弾性体のシ
ールリップ部が軸心に対する傾斜方向に延びて設けられ
た構成を前提とする。この構成の軸受用接触シールにお
いて、シールリップ部の先端部の形状を、軸心に略垂直
な先端面と内周側の傾斜面との間に環状の切欠部を有す
る形状としたものである。
【0006】
【作用】この構成によると、シールリップ部が内輪と摺
接する箇所は、切欠部の開口縁となる前記傾斜面の先端
縁となるが、二つ割りの金型で成形する場合に、型割り
位置を前記の摺接箇所である傾斜面の先端縁から外れた
位置とできる。例えば、シールリップ部のシール軸心に
対して略垂直な先端面や、あるいは切欠部内の位置を型
割り位置とすることができる。その場合、金型の前記切
欠部を成形する部分は、成形品に対して無理抜きするこ
とが必要となるが、この場合の無理抜き部分は僅かな範
囲で済み、また成形品は弾性体からなるため、無理抜き
となっても支障なく型抜きを行うことができる。このよ
うに、型割り位置をシールリップ部の軸受摺接箇所から
外すことができ、そのため型割り位置でバリ等の凹凸部
が発生しても、シールリップ部は常に軸受のシール接触
面に隙間なく接触させられる。したがって耐水性が向上
する。
【0007】
【実施例】この発明の一実施例を図1および図2に基づ
いて説明する。図1(A)は、この軸受用接触シールを
用いた複列のアンギュラ玉軸受からなるカーエアコン電
磁クラッチ用軸受を示す。軸受1は、内輪2と外輪3の
間に、各々保持器4で保持された複列の転動体5,5を
介在させ、両側の幅面付近にこの実施例の軸受用接触シ
ール6を設けて構成される。軸受内輪2の外径面は、幅
方向の端部がシール接触面2aとなり、軌道面2bとシ
ール接触面2aの間の部分は、シール接触面2aに対し
て段差をもって大径となった大径部2cとなっている。
【0008】この軸受用接触シール6は、板状の心金7
にゴムまたは合成樹脂の弾性体8をインサート成形等で
被覆したリング状のものであり、外周縁が外輪3のシー
ル取付溝9に嵌合状態に取付けられ、内周縁のシールリ
ップ部8aが内輪2の前記シール接触面2aに摺接す
る。シールリップ部8aは弾性体8と一体に成形された
ものである。軸受用接触シール6は、概略の断面形状が
軸受1に対する内向きの溝形となっており、その溝形部
分の内周縁における内側端からシールリップ部8aが延
びている。シールリップ部8aは、内径側へ垂直に延
び、さらに外側へ傾斜して延びた断面く字状となってい
る。
【0009】シールリップ部8aの先端部の形状は、軸
心に垂直な先端面aと内周側の傾斜面bとの間に環状の
切欠部10を有する形状とされている。切欠部10は、
底面が円筒面となり、側面が内径側へ開く傾斜面となる
断面形状となっている。先端面aは、心金7の内側面7
aと同一平面に位置している。このように切欠部10が
形成されることで、シールリップ部8aの最内周部とな
る先端縁cは、前記傾斜面bの切欠部10に対する開口
縁部分となる。軸受用接触シール6のシールリップ部8
aの基端付近からは、第2リップ部8bが軸受内側へ延
びて設けられ、その先端は内輪外径面における大径面2
cのシール接触面2a側の端部付近に位置してラビリン
スシールを構成している。
【0010】この軸受用接触シール6の製造方法を説明
する。図2に示すように、この軸受用接触シール6は、
上型21と下型22とでなる二つ割りの金型20を用
い、射出成形によるインサート成形等で成形される。図
2は説明の便宜上、金型20を垂直に立てて図示してあ
る。上型21と下型22間の型割り位置Qは、シールリ
ップ部8aの先端面aおよび心金7の軸受内側面7aが
位置する平面としてある。したがって、型割り位置Q
は、シールリップ部8aの軸受内輪2に対する摺接部で
ある先端縁cから外れた位置となる。このように型割り
位置Qを設定すると、型抜き時に、下型22の切欠部1
0を成形する金型部分が無理抜きとなるが、この金型部
分は僅かな範囲であり、また成形品は弾性体であるた
め、無理抜きとなっても、すなわちシールリップ部8a
を弾性的に撓ませて抜き出すことになっても、損傷や劣
化等を生じることなく、容易に型抜きすることができ
る。
【0011】この軸受用接触シール6によると、このよ
うにシールリップ部8aの先端に環状の切欠部10を設
けたので、型割り位置Qをシールリップ部8aの先端縁
cから外れた位置とすることができる。そのため、型割
り位置Qで成形時にばり等の凹凸部が生じたとしても、
先端縁cにはバリ等が発生せず、型割り位置Qに生じた
凹凸部は軸受内輪2との接触に影響しない。そのため、
軸受1に組込んだときに、シールリップ部8aと軸受内
輪2のシール接触面2aとの間に隙間が生じることが防
止され、耐水性が向上する。この軸受用接触シール6は
このように優れた耐水性が得られるため、耐水性が厳し
く求められるカーエアコン電磁クラッチ用軸受等に使用
されても、満足できる耐水性が得られる。なお、型割り
位置Qは切欠部10内の位置であれば良く、例えば図1
(B)に示す位置Q′であっても良い。
【0012】図3は、この実施例の軸受用接触シール6
と従来の図5に示す軸受用接触シール51とを各々組付
けた軸受での過酷耐水試験結果を示す。×印は対応する
給水サイクルで漏れが生じた例を、○印は生じなかった
例を各々示す。同図より、従来型では40サイクル程度
であった耐水性が、この実施例のものでは60サイクル
以上に改善されていることが分かる。なお、注水サイク
ルの1サイクルは、0.5分注水した後、4.5分停止
する動作とした。
【0013】なお、この発明の軸受用接触シール6は、
アンギュラ玉軸受に限らず、深溝玉軸受やころ軸受等、
転がり軸受一般に使用することができる。
【0014】
【発明の効果】この発明の軸受用接触シールは、弾性体
のシールリップ部が軸心に対する傾斜方向に延びて設け
られた軸受用接触シールにおいて、前記シールリップ部
の先端部の形状を、軸心に略垂直な先端面と内周側の傾
斜面との間に環状の切欠部を有する形状としたため、シ
ールリップ部の先端縁でのバリ等の発生を防ぎ、軸受へ
の組立時に軸受内輪または軸受外輪との間に隙間が生じ
ることが防止できる。そのため耐水性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの発明の一実施例にかかる軸受用接
触シールを使用した軸受の部分断面図、(B)はそのシ
ールの部分拡大断面図である。
【図2】同軸受用接触シールを金型と共に示す断面図で
ある。
【図3】実施例と従来例の耐水性を比較して示す図表で
ある。
【図4】(A)は従来の軸受用接触シールを用いた軸受
の部分断面図、(B)はその軸受用接触シールの断面図
である。
【符号の説明】
1…軸受、2…内輪、3…外輪、5…転動体、6…軸受
用接触シール、7…心金、8…弾性体、8a…シールリ
ップ部、10…切欠部、21…上型、22…下型、a…
先端面、b…傾斜面、c…先端縁、Q…型割り位置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転がり軸受の内輪と外輪の間を塞ぐリン
    グ状に形成されて、前記内輪の周面と摺接する弾性体の
    シールリップ部が軸心に対する傾斜方向に延びて設けら
    れた軸受用接触シールにおいて、前記シールリップ部の
    先端部の形状を、軸心に略垂直な先端面と内周側の傾斜
    面との間に環状の切欠部を有する形状とした軸受用接触
    シール。
JP23231794A 1994-07-26 1994-08-31 軸受用接触シール Expired - Lifetime JP3351634B2 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7497630B2 (en) 2003-10-28 2009-03-03 Ntn Corporation Sealed rolling bearing
JP2010261545A (ja) * 2009-05-11 2010-11-18 Ntn Corp シール付き軸受
JP2014084883A (ja) * 2012-10-19 2014-05-12 Jtekt Corp 転がり軸受の密封装置

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