JPH0874006A - 強度及び捩り特性に優れたバネ用析出硬化型ステンレス鋼 - Google Patents
強度及び捩り特性に優れたバネ用析出硬化型ステンレス鋼Info
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Abstract
用鋼材を得る。 【構成】 この析出硬化型マルテンサイト系ステンレス
鋼は、C:0.030%以下,Si:0.5〜2.0
%,Mn:0.40%以下,S:0.0020%以下,
Ni:7.5〜9.5%,Cr:12.0〜16.0
%,Cu:0.30%以下,N:0.015%以下及び
O:0.005%以下を含み、更にTi:0.35%以
下,Nb:0.40%以下及びAl:0.30%以下の
1種又は2種以上を含み、必要に応じMo:3.0%以
下を含み、式(1)で定義されるH値が0.20〜0.
70の範囲にあり、式(2)で定義されるI値が4.0
×10-4以下となるように成分調整されている。JIS
G0555で規定される清浄度d60x400は、0.01
0%以下であることが好ましい。 H=Si%×(Ti%+0.8×Nb%+Al%)・・
・・(1) I=Mn%×S% ・・
・・(2)
Description
発現し、捩り特性及び打抜き加工性に優れたバネ用析出
硬化型ステンレス鋼に関する。
01に代表される加工硬化型ステンレス鋼や17−7P
Hに代表される析出硬化型ステンレス鋼が代表的に使用
されている。この種のステンレス鋼で硬さを向上させる
ためには、高加工度の冷間加工が必要とされる。その結
果、冷間加工状態での硬さが高くなり、成形加工性や打
抜き加工性に劣る。逆に成形加工性や打抜き性を向上さ
せる場合には、時効処理後の硬さが不十分となる。この
ように相反した制約を受けることから、硬さと加工性と
を両立させたバネ用ステンレス鋼を得ることは困難であ
る。しかも、成分変動に起因してオーステナイト相の安
定度が変化すると、一定の冷間加工を施しても一定量の
マルテンサイトが得られず、硬さのバラツキが大きくな
り、製品特性の安定性が劣化する。本出願人は、硬さ及
び加工性を両立させるため、時効処理前の硬さが低く、
打抜き加工性や成形加工性に優れた析出硬化型マルテン
サイト系ステンレス鋼を開発し、その一部を特開昭60
−152660号公報として紹介した。この鋼に時効処
理を施すと高強度が発現され、従来の鋼材で問題とされ
ていた成形加工性や製造性が改善される。
イト系ステンレス鋼は、たとえばC型又はE型のリング
状バネに打抜き加工し、時効処理によって高強度化した
状態では、強度に関する要求特性が満足される。しか
し、装置,機械等への装着時に引裂き応力に加えて高い
捩り応力が付与される場合があり、このときに要求され
る捩り特性が満足されないことがある。捩り特性は、靭
性とは異なる傾向を示す。靭性は、ある程度強度に支配
され、強度が高い場合に低くなる傾向を示す。析出硬化
型マルテンサイト系ステンレス鋼の靭性は、本出願人が
特開昭60−36649号公報で紹介したように、Mo
を添加することによって向上する。しかし、捩り特性
は、Mo添加によって必ずしも改善されない。本発明
は、このような問題を解消すべく案出されたものであ
り、Cu含有量を低減した組成でC,Cr等の成分バラ
ンスを図り、且つ亀裂発生の起点として働く介在物を低
減することにより、時効処理で高強度化した場合に、高
強度を維持しつつ、従来の鋼材では得られなかった優れ
た捩り特性を呈する析出硬化型マルテンサイト系ステン
レス鋼を提供することを目的とする。
テンサイト系ステンレス鋼は、その目的を達成するた
め、C:0.030重量%以下,Si:0.5〜2.0
重量%,Mn:0.40重量%以下,S:0.0020
重量%以下,Ni:7.5〜9.5重量%,Cr:1
2.0〜16.0重量%,Cu:0.30重量%以下,
N:0.015重量%以下及びO:0.005重量%以
下を含み、更にTi:0.35重量%以下,Nb:0.
40重量%以下及びAl:0.30重量%以下の1種又
は2種以上を含み、式(1)で定義されるH値が0.2
0〜0.70の範囲にあり、式(2)で定義されるI値
が4.0×10-4以下となるように成分調整されてい
る。 H=Si%×(Ti%+0.8×Nb%+Al%) ・・・・(1) I=Mn%×S% ・・・・(2) また、JIS G0555で規定される清浄度d60x400
が0.010%以下であることが好ましい。この析出硬
化型マルテンサイト系ステンレス鋼は、必要に応じて
3.0重量%以下のMoを含むことができる。
テンレス鋼において、時効処理後に優れた捩り特性が得
られるように種々調査・研究した。捩り特性の改善には
Cu含有量を低く抑えることが必要とされるが、析出硬
化元素であるCuを単に低減すると時効処理後の強度不
足が問題となる。そこで、Cu低減鋼について所定の強
度を確保するため種々検討した結果、Ni含有量を高レ
ベルに維持し、C,Cr等の合金元素のバランスを調整
することによって、時効処理後に高強度が得られ、且つ
切欠き引張り試験で評価される靭性が優れた値を示す鋼
材が得られることを解明した。この場合、靭性の改善は
図られるものの、捩り特性は必ずしも向上していない。
そこで、更に研究を重ねた結果、Ti,Nb,Al等の
炭窒酸化物及びMnSが捩り応力付加時に亀裂発生の起
点として働き、特にMnSが捩り特性を悪化させること
を見い出した。この知見に基づき、介在物の構成元素と
なるMn,S,C,N,O等の含有量を低減することが
重要であるとの結論に達した。更に、Ti,Al,Nb
の含有量とSi含有量との間のバランスを適切に調整す
ることにより、高強度が損なわれることなく、従来鋼で
は得られなかった優れた捩り特性が得られることが判っ
た。
系ステンレス鋼に含まれる合金成分,含有量等について
説明する。 C:0.030重量%以下 鋼の強度を上昇させ、且つ高温で生成するδフェライト
相を抑制する上で重要な元素である。しかし、多量のC
が含まれると、溶体化処理後又は焼鈍後に多量のオース
テナイトが残留する。残留したオーステナイトは、調質
圧延で一部がマルテンサイトに変態するものの、調質圧
延後にも比較的多量が残留し、時効処理後に高強度を得
ることが困難になる。また、多量のC含有は、TiC,
NbC等の炭化物系介在物の生成を促進させ、結果とし
て捩り特性を低下させる原因になる。そこで、本発明に
おいては、C含有量の上限を0.030重量%に定め
た。 Si:0.5〜2.0重量% 固溶強化能が大きく、マトリックスを強化する作用をも
つ。また、Ti,Nb又はAl及びNiと複合添加する
とき、時効処理後にこれらの合金元素からなる金属間化
合物が微細に整合析出し、鋼の強度を上昇させる。この
ような作用は、Si含有量が0.5重量%以上で顕著と
なる。しかし、2.0重量%を超える多量のSiを含有
させると、δフェライト相の生成が助長され、強度及び
捩り特性が低下する。
る。しかし、0.40重量%を超えて多量のMnを含有
させると、MnSの生成が促進される。MnSは、捩り
応力付加時に亀裂発生の起点となり、捩り特性を著しく
低下させる。したがって、Mn含有量は低いほど望まし
く、その上限を0.40重量%に規定した。 S:0.0020重量%以下 MnS等の非金属介在物として鋼中に存在し、捩り特性
を低下させる。また、疲労強度,耐食性,熱間加工性等
にも悪影響を与える。したがって、S含有量は低いほど
望ましく、その上限を0.0020重量%に規定した。
は焼鈍後のδフェライト相の生成を抑制する。δフェラ
イト相の生成を抑制し、高強度で優れた捩り特性を維持
することから、Ni含有量の下限を7.5重量%に設定
した。しかし、9.5重量%を超える多量のNiが含ま
れると、溶体化処理後又は焼鈍後に多量のオーステナイ
トが残留し、高強度が得られ難くなる。 Cr:12.0〜16.0重量% ステンレス鋼としての耐食性を確保するため、少なくと
も12.0重量%以上のCr含有量が必要である。しか
し、16.0重量%を超える多量のCrを含ませると、
δフェライト相及び残留オーステナイト相が多量に生成
し、強度が低下する原因となる。 Cu:0.30重量%以下 本発明の合金系においては、Cuの析出強化作用に依る
ことなく高強度が得られる。そのため、高強度化した場
合、特に450℃前後で時効処理した後の捩り特性を劣
化させるCuの含有量を低く抑えることができる。ま
た、多量のCu添加は、熱間加工性を低下させ、表面割
れ発生の原因となる。そこで、本発明においては、Cu
含有量の上限を0.30重量%に規定した。
05重量%以下 本発明のようにTi,Nb,Al等を含む鋼において
は、N及びOの含有量が高いと、これら合金元素の窒化
物や酸化物が生成し、捩り特性及び疲労特性が悪化する
原因となる。この点、N含有量及びO含有量は低いほど
好ましく、本発明ではそれぞれの上限を0.015重量
%及び0.005重量%に規定した。 Ti:0.35重量%以下 析出硬化に有効な合金元素であり、高強度を確保する上
でTi含有量は高いほど望ましい。しかし、Tiを単独
で含ませる場合、Ti含有量が0.35重量%を超える
とき、時効処理後に強度の上昇が得られるものの、Ti
C,TiN,TiO等の非金属介在物の分布量が多くな
り、結果として捩り特性が低下し易くなる。
し、単独添加の場合に0.40重量%を超える多量のN
bを含ませると、強度が過度に上昇することに加え、N
bC,NbN等の炭窒化物の生成量が多くなり、捩り特
性が低下する。 Al:0.30重量%以下 脱酸剤として使用される合金元素であると共に、Ti,
Nbと同様に析出硬化にも有効に働く。しかし、単独で
0.30重量%を超える多量のAlを含ませると、Al
N等の非金属介在物の分布量が増加し、捩り特性が低下
し易くなる。 Mo:3.0重量%以下 本発明においては、Moの添加によることなく、高強度
及び優れた捩り特性が得られるが、Mo添加により更に
特性が向上する。Moを添加する場合、1.0重量%以
上をMo含有で添加効果がみられる。しかし、3.0重
量%を超える多量のMoを含ませても、Mo含有量の増
加に見合った強度及び捩り特性の向上が得られない。し
かも、多量のMo含有は、δフェライト相の生成を助長
し、強度及び捩り特性を低下させる原因となる。
は2種以上が添加される。その際、式(1)で定義され
るH値が0.20〜0.70の範囲にあるように調整さ
れる。 H=Si%×(Ti%+0.8×Nb%+Al%) ・・・・(1) 式(1)で表されるH値は、高強度及び優れた捩り特性
を維持するために必要なTi,Nb及びAl間のバラン
スを示す指標である。H値が0.20に達しないと、T
i,Nb,Al等の添加による析出硬化が不十分で、高
強度が得られない。しかし、H値が0.70を超えるよ
うにTi,Nb及びAl間のバランスを図ったもので
は、詳細な理由は不明であるが捩り特性が劣化する。
規制していることに加え、式(2)で定義されるI値が
4.0×10-4以下となるように調整している。 I=Mn%×S% ・・・・(2) 式(2)で表されるI値は、優れた捩り特性を維持する
ために必要なMnとSとの間のバランスを示す。I値が
4.0×10-4を超えるように多量のMn或いはSが含
まれると、非金属介在物MnSの分布量が多くなり、捩
り特性が著しく低下する。
は、捩り応力付加時の亀裂発生起点となるTi,Nb,
Al等の窒炭酸化物やMnSの分布量に大きく影響され
る。なかでも、MnSが捩り特性に及ぼす悪影響は大き
なものである。優れた捩り特性を得るためには、これら
の非金属介在物を低減することが重要である。非金属介
在物の分布は、JIS G0555で規定される清浄度
d60x400を指標とすることができる。清浄度d60x400が
0.010%を超える鋼では、捩り角度が低く、良好な
捩り特性を示さない。清浄度d60x400≦0.010%
は、Mn,S含有量を始めとしてC,N,O等の元素を
低減することによって達成される。
ス鋼は、残部が基本的にFeである。しかし、脱硫を目
的としたCaや希土類金属,熱間加工性を向上させるた
めに添加した0.01重量%以下のBを含有する場合も
ある。本発明に従ったマルテンサイト系ステンレス鋼
は、溶体化処理又は焼鈍後に適宜の調質圧延を経て時効
処理される。時効処理としては、一般に析出硬化型鋼で
行われている425〜500℃の温度範囲に10分以上
加熱する熱処理が採用される。この時効処理によって高
強度が発現されると共に、捩り特性に優れた材料が得ら
れる。
ス鋼について、100kgの鋼塊から熱間圧延を経て板
厚4mmの熱延板を製造した。表1において、Aグルー
プは本発明に従った鋼を示す。他方、表2におけるBグ
ループは、比較鋼であり、C,Mn,S,,Ni,C
u,Ti等の合金元素の含有量,H値及びI値の何れか
が本発明で規定した範囲を外れている。また、Cグルー
プは、従来鋼を示す。A〜Cグループ共に、何れもAl
脱酸によって鋼中のO含有量を低減させており、最低で
も0.02重量%のAlを含有する。
030℃で60秒加熱する焼鈍を施し、更に15%の調
質圧延によって板厚1mmの鋼帯に成形した。各ステン
レス鋼帯について、調質圧延状態及び時効処理した際の
硬さ,捩り特性等の機械的特性を調査した。捩り特性の
評価には、調質圧延後の鋼帯から打抜き加工によって作
成した図1に示す形状の試験片を使用した。試験片は、
掴み部A及びBの幅を8mm,板幅極小部Cの幅を1.
2mm,板幅極小部Cの曲率半径を10mmに設定し
た。試験片を時効処理し、次いでバレル研磨した後、掴
み部A及びBの一方を固定し、他方を回転させる捩り試
験に供した。捩り加重が最大になるときの回転角度を捩
り角度とし、この値によって捩り特性を評価した。表1
及び表2に示した各鋼から作成した試験片について、4
50℃で均熱1時間の時効処理を施した後の硬さ,捩り
角度等を、調質圧延材の硬さを併せて表3及び表4にそ
れぞれ示す。本発明に従ったAグループの鋼は、何れも
表3に示すように、時効処理前においては従来の析出硬
化型鋼とほぼ同程度の硬さをもっていた。このことは、
従来のマルテンサイト系鋼の加工と同様な加工条件で打
抜き等の各種加工を施すことが可能であることを示す。
450℃時効処理後の捩り角度及び硬さをSi,Ti,
Nb及びAlを因子とするH値で整理したところ、図2
に示す関係が成立していた。本発明に従ったAグループ
の鋼は、捩り角度及び硬さ共に高いレベルにあった。他
方、H値が0.20に達しない比較鋼B1では硬さが不
足し、H値が0.70を超える比較鋼B3では捩り角度
が低い値を示した。このことから、高強度で且つ優れた
捩り特性を得るためには、H値を0.20〜0.70の
範囲に維持する必要があることが確認された。本発明に
従ったTiを含む鋼材では、時効処理時に主としてNi
16Ti6 Si7 で表される金属間化合物が析出し、この
析出により鋼材が硬化する。Tiの一部又は全量をNb
又はAlで置換することもでき、この場合にも高い時効
硬化が得られる。しかし、硬度が高く且つ優れた捩り特
性を得る上では、Ti,Nb,Al等の合金成分をバラ
ンス良く含有させると共に、且つ図2に示すようにH値
を0.20〜0.70の範囲に維持することが必要であ
る。たとえば、比較鋼B2では、H値が0.20〜0.
70の範囲にあるものの、Ti含有量が本発明で規定し
た範囲を超えることから、捩り角度が小さくなってい
る。
n含有量及びS含有量で整理したところ、図3に示す関
係が成立していた。Mn含有量,S含有量及びI値が本
発明で規定した範囲にあるものを斜線領域で示す。斜線
領域にあるAグループの鋼は、何れも大きな捩り角度を
呈し、捩り特性に優れたものであった。S含有量が0.
0020重量%を超える比較鋼B4,Mn含有量が0.
40重量%を超える比較鋼B5及びI値が4.0×10
-4をこえる比較鋼B6は、何れも捩り角度が80未満の
低い値であった。また、比較鋼B10は、Mn含有量,
S含有量及びI値が本発明で規定した範囲にあるもの
の、O含有量が本発明で規定した上限0.005重量%
を超えるため、十分な捩り角度が得られなかった。同様
に450℃時効処理後の捩り角度をMnSの清浄度で整
理したところ、図4の示す関係があることが判った。な
お、MnSの清浄度はJIS G0555に準拠して測
定し、測定視野数60及び倍率400倍のときの清浄度
を算出し、d60X400として表した。図4に示されている
ように、捩り角度は、d60X400=0.010%を境とし
て極端に変化していた。すなわち、清浄度が高いAグル
ープの鋼では捩り角度が90を超えているのに対し、清
浄度が低いBグループの鋼では80に達しない捩り角度
であった。
物を形成する。非金属介在物の分布量が多いと、捩り応
力付加時に亀裂発生の起点として働き、捩り特性を低下
させる。この点で、一般的にはMn含有量及びS含有量
を可能な限り低減する必要がある。Mn含有量及びS含
有量の何れか一方が低くても、他方が高い場合には、M
nSの分布量が多くなり、捩り特性の低下が生じる。こ
の点、本発明にあっては、Mn含有量及びS含有量の上
限を規制すると共に、両者の積で表されるI値を4.0
×10-4以下に規制することにより、MnSの生成が抑
制され、図4に示すように優れた捩り特性が得られる。
その上で、O含有量を0.005重量%以下にしている
ため、Ti,Nb,Al等の酸化物の分布量が抑えら
れ、高い捩り角度が確保される。
関係を調査したところ、図5に示す関係が成立してい
た。本発明に従ったAグループの鋼では、何れも比較鋼
と同等の高強度が得られ、しかも高い捩り角度が得られ
ていることが図5から判る。このことからしても、高強
度で優れた捩り特性を得るためには、本発明で規定した
範囲にそれぞれの合金元素の含有量及び合金成分間のバ
ランスを調整する必要があるといえる。たとえば、比較
鋼B7では、C含有量が本発明で規定した上限0.03
0重量%を超えていることからTiCの生成が促進さ
れ、捩り角度が小さくなっている。Cu含有量が本発明
で規定した上限0.30重量%を超えている比較鋼B8
も、捩り角度が小さい。このことは、Cuが時効処理時
に時効硬化に有効なCuリッチ相として析出するが、捩
り特性の面ではCu添加が好ましくないことを示してい
る。比較鋼B9は、Ni含有量が本発明で規定した下限
7.5重量%に達せず、同様に捩り角度が小さい。Ni
含有量の変動に応じて捩り角度が変化する理由は不明で
あるが、優れた捩り角度を得るためには、本発明で規定
した範囲までNi含有量を高めることが必要である。
は、C,Si,Mn,S,Ni,Cr,Cu,Ti,
N,Nb,Al,Mo,O等の成分調整を図ると共に、
Si,Ti,Nb及びAl間の成分バランス及びMnと
Sとの間の成分バランスを適正化することにより、時効
処理後に高強度を維持しつつ、従来よりも更に捩り特性
を向上させた鋼材となる。得られた析出硬化型ステンレ
ス鋼は、従来鋼と同等の強度が要求され、更に高い捩り
特性が要求されるバネとして各種分野で使用される。し
かも、時効硬化前には成形性が良好であるため、打抜き
加工等によって適宜の形状に成形できる。
値との関係を示したグラフ
及びS含有量との関係を示したグラフ
浄度との関係を示したグラフ
さとの関係を示したグラフ
Claims (3)
- 【請求項1】 C:0.030重量%以下,Si:0.
5〜2.0重量%,Mn:0.40重量%以下,S:
0.0020重量%以下,Ni:7.5〜9.5重量
%,Cr:12.0〜16.0重量%,Cu:0.30
重量%以下,N:0.015重量%以下及びO:0.0
05重量%以下を含み、更にTi:0.35重量%以
下,Nb:0.40重量%以下及びAl:0.30重量
%以下の1種又は2種以上を含み、式(1)で定義され
るH値が0.20〜0.70の範囲にあり、式(2)で
定義されるI値が4.0×10-4以下となるように成分
調整された強度及び捩り特性に優れたバネ用析出硬化型
ステンレス鋼。 H=Si%×(Ti%+0.8×Nb%+Al%) ・・・・(1) I=Mn%×S% ・・・・(2) - 【請求項2】 JIS G0555で規定される清浄度
d60x400が0.010%以下である請求項1記載のバネ
用析出硬化型ステンレス鋼。 - 【請求項3】 更に3.0重量%以下のMoを含む請求
項1又は2記載のバネ用析出硬化型マルテンサイト系ス
テンレス鋼。
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JP24069094A JP3384887B2 (ja) | 1994-09-08 | 1994-09-08 | 強度及び捩り特性に優れたバネ用析出硬化型ステンレス鋼 |
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JP3384887B2 (ja) | 2003-03-10 |
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