JPH087230Y2 - 廃気浄化装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は工業用、家庭用あるいは
自動車、オートバイにも適用できる廃気浄化装置に係
り、特にディーゼル機関から発生した高濃度廃気体を洗
浄槽の洗浄液で浄化処理して排出するものに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、特開昭５９−２９０２０
号公報に記載されているように、半田付け作業などで発
生する廃気体を濾過し、空気の汚染を除去する装置が知
られている。この装置は、洗浄槽内に廃気体を吸引し、
廃棄体を洗浄槽内の洗浄液で濾過する構造が採られてい
る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記従来の構造の装置
では、廃気体内に含まれる塵埃が洗浄槽の洗浄液内に分
散し、洗浄槽内の洗浄液の洗浄能力が低下され易く、洗
浄液の交換を頻繁に行わなくてはならない問題を有して
いる。

【０００４】本考案はこのような点に鑑みなされたもの
で、出願人は工業用或いは家庭用、さらには、自動車、
オートバイにも取り付けられるシンプルなタイプの廃気
浄化装置を研究開発したもので、廃気体を真空ポンプで
洗浄槽の中に導入し、濾過沈澱処理を行い、洗浄剤とと
もに充分に接触並びに反応させ、廃気体中の塵埃成分を
最小限度に減らした後に、大気中に排出するようにし、
洗浄槽内の洗浄液の汚れを少なくして洗浄液の交換頻度
を少なくでき、構造が簡単で、操作し易く、設置並びに
運転の費用が安価で、一般の大・小規模の工場と企業及
び一般家庭での使用に適し、また、大型の廃気処理設備
の前処理装置にも使用でき、極めて実用的な廃気浄化装
置を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の考案の廃
気浄化装置は、廃気源の排気側に連通する廃気体吸気管
を吸入側に接続した真空ポンプと、この真空ポンプの吐
出側に接続した廃気体導出管の先端開口端を底部近傍に
配設しかつ洗浄液を充填した洗浄槽と、この洗浄槽内に
取り付けられた塵埃収集函とを具備し、前記洗浄槽内に
取り付けた塵埃収集函は前記真空ポンプの吐出側に接続
した廃気体導出管の先端開口端に相対的 に接近させたも
のである。

【０００６】請求項２記載の考案の廃気浄化装置は、請
求項１記載の廃気浄化装置において、洗浄槽の洗浄液面
位置に攪拌羽根を配設したものである。

【０００７】請求項３記載の考案の廃気浄化装置は、請
求項１または２記載の廃気浄化装置において、洗浄槽に
て浄化されたガスを煙突に導入するためのダクトを前記
洗浄槽に接続したものである。

【０００８】請求項４記載の考案の廃気浄化装置は、請
求項１、２または３のいずれかに記載の廃気浄化装置に
おいて、洗浄槽は直列に複数個接続し、かつ最後段の洗
浄槽をダクトにて煙突に連通させたものである。

【０００９】請求項５記載の考案の廃気浄化装置は、請
求項１、２、３または４に記載の廃気浄化装置におい
て、廃気体吸気管の導入口部に吸気用送風機を設置した
ものである。

【００１０】請求項６記載の考案の廃気浄化装置は、請
求項１、２、３、４または５に記載の廃気浄化装置にお
いて、真空ポンプは冷却装置を備えたものである。

【００１１】請求項７記載の考案の廃気浄化装置は、請
求項１、２、３、４、５または６に記載の廃気浄化装置
において、廃気体の冷却装置を廃気体吸気管に設けたも
のである。

【００１２】

【作用】請求項１記載の考案の廃気浄化装置は、廃気源
で発生した廃気体は真空ポンプで吸気されて、真空ポン
プで加圧され、洗浄槽内の底部側に導入される。そし
て、廃気体は洗浄槽に流入させ、気泡を形成して洗浄液
と充分に混合し、発生した気泡は、廃気体と洗浄液とが
充分に混合させるために、その中の大粒の気泡は洗浄液
と反応して充分に結合され、廃気体は良好に洗浄され
る。

【００１３】そして、洗浄槽内に真空ポンプに接続した
廃気体導出管の先端開口端と塵埃収集函とを相対的に接
近させて取り付けたため、洗浄槽に流入された廃気体が
沈澱して収集され、塵埃が洗浄液に分散することを防止
できる。

【００１４】請求項２記載の考案の廃気浄化装置は、洗
浄槽の洗浄液面位置に配設した攪拌羽根により、洗浄液
を叩き打ち空気或いは導入した廃気体と更によく混合し
て廃気体の洗浄効果が高められる。

【００１５】請求項３記載の考案の廃気浄化装置は、洗
浄槽にて浄化されたガスを煙突に導入することにより廃
気体の洗浄が連続的に行われる。

【００１６】請求項４記載の考案の廃気浄化装置は、洗
浄槽は直列に複数個接続し、かつ最後段の洗浄槽をダク
トにて煙突に連通させることにより、廃気体の成分と汚
れの程度に応じ適当に増加でき、確実に廃気体の洗浄が
できる。

【００１７】請求項５記載の考案の廃気浄化装置は、廃
気体吸気管の導入口部に吸気用送風機を設置したため、
廃気源からの廃気体を確実にかつ円滑に洗浄槽に導入し
て洗浄が効率よくできる。

【００１８】請求項６記載の考案の廃気浄化装置は、真
空ポンプは冷却装置によって冷却され、廃気体の温度が
極めて高くても、真空ポンプのモータの絶縁破壊が生じ
ることなく、モータが熱的に保護される。

【００１９】請求項７に記載の考案の廃気浄化装置は、
真空ポンプに吸引される廃気体が冷却され、真空ポンプ
のモータの絶縁破壊が生じることなく、モータが熱的に
保護される。

【００２０】

【実施例】本考案の一実施例の構成を図１に基づいて説
明する。１はディーゼル機関などの廃気源で、この廃気
源１の排気側に排気管10にて煙突２が接続されている。
この煙突２の中間部にダンパー21が開閉自在に設けら
れ、このダンパー21より廃気源１側に廃気体吸気管30の
導入口部側が連通接続され、この吸気管30に真空ポンプ
３の吸気側が接続されている。また、この真空ポンプ３
の吐出側には廃気体導出管31が接続され、この導出管31
の先端開口端は洗浄槽４内の底面に対向して底部近傍に
開口されている。そして、この真空ポンプ３に発生した
真空圧力で廃気源１からの廃気体は洗浄槽４内に吸入さ
れて浄化される。また、前記煙突２の下部には掃除用の
燃えがら取出し口20が形成されている。

【００２１】また、前記煙突２と吸気管30との連通部に
吸気用送風機11が設けられ、この送風機11は、図２に示
すような軸流式、或いはその他適宜の形式でもよく、こ
の送風機11によって煙突２を流れる廃気体を吸引し、こ
の廃気体は吸気管30にて連通された真空ポンプ３によっ
て吸引される。また、真空ポンプ３の吐出側に接続した
導出管31は洗浄槽４内に延出され、かつこの導出管31の
先端開口端は洗浄槽４の底部に設けた塵埃収集函44と適
当な距離を保持して対向している。この塵埃収集函44は
底面を除いて網状体にて形成され、挿脱自在に設けられ
ている。

【００２２】また、前記洗浄槽４の上面開口部には蓋体
41が開閉自在に設けられ、この蓋体41には洗浄液導入管
42が設けられ、この洗浄液導入管42から洗浄槽４内に洗
浄液が補充される。さらに、前記洗浄槽４の下部一側に
放水管43が設けられている。また、この洗浄槽４の洗浄
液面の位置に攪拌羽根45が設けられ、この攪拌羽根45が
直接洗浄液を叩き打ち、気泡が発生し、発生した気泡
は、廃気体と洗浄液とが充分に混合させるために、その
中の大粒の気泡は洗浄液と反応して充分に結合でき、空
気或いは導入した廃気体と更によく混合する効果が得ら
れる。

【００２３】また、前記真空ポンプ３には、放熱、冷却
装置が設けられ、この放熱、冷却装置によってモータを
熱的に保護し、廃気体の温度が極めて高いため、長時間
高温下で、真空ポンプ３のモータの銅線コイルの周囲に
設けられた絶縁材が溶解し、銅線コイルの間の絶縁が劣
化して短絡が生じないようにしている。この放熱、冷却
装置は、例えば、図３に示すように、真空ポンプ３の外
周に１つの殻体32を設け、殻体32の一側に１つの注水口
33が設けられ、この注水口33から低温の水を注入して、
真空ポンプ３の熱を冷水に吸収させ、殻体32の別の側の
出水口34から流出させる水撒き形、または、図４に示す
ように、真空ポンプ３を殻体32内の放熱作用を有する流
動液体中に配置し、殻体32の注水口35から流入し、出水
口36から排出され流動液体内に真空ポンプ３を常時浸漬
させる浸漬形、さらには、図５に示すように、殻体32の
一側に設けられた吸気用送風機37から冷風を殻体32の中
に送入し、直接真空ポンプ３と接触する冷風で熱を吸収
した後に殻体32の排気用送風機38にて排出する冷気形と
し、さらに、殻体32の中には冷却管39を設け、冷却効果
を高めることができる。

【００２４】さらに、図６に示すように、前記廃気体吸
気管30の長さを長くし、吸気用送風機11に接続した吸気
管30の中に冷却管39を設け、吸気管30内を流れる廃気体
の温度を下げることにより、真空ポンプ３内に入る廃気
体の温度を下げ、真空ポンプ３の正常な運転を確保する
ことができる。

【００２５】また、廃気体は洗浄槽４に導出管31の開口
から流入すると同時に、塵埃収集函44に廃気体中に含ま
れる塵埃が収集される。

【００２６】そして、洗浄槽４の数は廃気体の成分と汚
れの程度に応じ適当に増加でき、例えば、第２段の洗浄
槽4aの構造は、前記第１段の洗浄槽４と同一構造で、第
１段の洗浄槽４の排出側には吸気用送風機11a が設けら
れ、この吸気用送風機11a は吸気管30a にて真空ポンプ
3aに接続され、この真空ポンプ3aの導出管31a の末端は
第２段の洗浄槽4aの底部側に対向して開口され、この導
出管31a の開口に対向して気泡砕散器44a が設けられて
いる。

【００２７】また、第１段の洗浄槽４に充填された洗浄
液は清水を使い比較的に大きい粒の気泡或いは水溶性廃
気体を取り除くことができる。また、第２段の洗浄槽4a
に充填する洗浄液は炭酸ナトリウム溶液とし、炭油成分
或いはその他の酸性廃気体成分を吸収・分解できる。こ
れらの洗浄液の選択に関しては特別の制限はなく、完全
に洗い清めようとする成分により決定されるもので、一
般の塵埃の燃焼の場合は、両洗浄槽４，4aの洗浄液とも
に清水で良く、廃気体に含まれる油が非常に多い場合
は、両洗浄槽４，4aの洗浄液ともに炭酸ナトリウム溶液
を用いる。

【００２８】次に洗浄槽４、4aの数も廃気体の処理量と
廃気体中の成分の多少及びその性質により決定されるも
ので、上記の実施例では２個の洗浄槽４，4aを用いてい
るが、３個、４個、５個の洗浄槽を直列に接続すること
もできる。

【００２９】また、洗浄槽４，4aに充填された洗浄液
は、ある時間使用しその濃度が規定された程度に達した
後、放水管43，43a から排出して処理することができ、
或いは汚水・毒素の汚れ物が除去できない場合は、燃焼
或いは濃縮し泥に固める方式で汚れ物を処理し、どの種
類の毒素を吸収しているかに応じ、更に中和剤を添加し
中和させる。

【００３０】また、最終段の洗浄槽４，4aの排気側に
は、洗浄槽４，4aにて浄化された気体を煙突２に導入す
るためのダクト５が前記ダンパー21の位置より上側に接
続されている。

【００３１】次にこの実施例の作用を説明する。廃気源
１で発生した廃気体は煙突２に誘導され、ダンパー21に
遮られて煙突２から直接排気されず、吸気用送風機11に
より吸引され、真空ポンプ３で加圧され、吸気管30と導
出管31を経て洗浄槽４内に底部側から導入される。そし
て、廃気体は洗浄槽４に導出管31の開口から流入し、攪
拌羽根45が直接洗浄液を叩き打ち、気泡を形成し、空気
或いは導入した廃気体と更によく混合する効果が得られ
る。さらに、洗浄された廃気体はダクト５から煙突に導
出誘導され、廃気体の洗浄を連続的に行うことができ
る。さらに、廃気体の成分と汚れの程度に応じ洗浄槽４
の数を適当に増加することにより、廃気体を確実に洗浄
できる。

【００３２】さらに、廃気浄化装置の保守点検などの保
全上、または故障した時は、ダンパー21を開き、廃気体
を煙突２から直接排出することにより、廃気源の運転を
停止することを避けることができる。また、導出管31か
ら洗浄槽４に流入した廃気体に含まれる塵埃は塵埃収集
函44に沈澱して収集される。

【００３３】また、実施の過程では当然実際的な必要に
応じて適当に冷却或いは送風機構を選択或いは増減でき
る。さらに、廃気経路が長すぎる場合は、更に適当な間
隔で中継用の送風装置を取り付け、廃気体の流動を加速
しその処理速度を速めることができる。

【００３４】また、真空ポンプ３に吸引される廃気体
は、冷却装置にて冷却され、真空ポンプ３のモータは熱
的に保護され、絶縁破壊が生じることがない。また、廃
気体の熱の温度が比較的に高い場合は、設備が直接に熱
せられるのを避けるために、濾過の装置を適当に強化
し、廃気経路を長くし放熱の時間を増加させることがで
きる。

【００３５】

【考案の効果】請求項１記載の考案によれば、廃気源で
発生した廃気体は真空ポンプで吸気されて、真空ポンプ
で加圧されて洗浄槽内の底部側に導入され、廃気体は洗
浄槽に流入し、廃気体と洗浄液とが充分に混合させるた
めに、その中の気泡は洗浄液と反応して充分に結合さ
れ、廃気体は良好に洗浄され、また、真空ポンプの廃気
体導出管の先端開口端から吹き出す廃気体に含まれてい
る塵埃は塵埃収集函に収集されて洗浄液に分散されるこ
となく、洗浄液の交換頻度を少なくでき、構造が非常に
簡単な上に保全し易く、一般の大・小型工場と大・小の
企業或いは普通の家庭で使用するのに適する外、自動
車、オートバイおよび工場等でも設置使用でき、十分に
空気汚染防止を図ることができる。

【００３６】請求項２記載の考案によれば、攪拌羽根に
より、洗浄液を叩き打ち空気或いは導入した廃気体と更
によく混合して廃気体の洗浄効果が高められる。

【００３７】請求項３記載の考案によれば、洗浄槽にて
浄化されたガスを煙突に導入することにより廃気体の洗
浄を連続的に行うことができる。

【００３８】請求項４記載の考案によれば、廃気体の成
分と汚れの程度に応じ洗浄槽を適当に増加することによ
り、確実に廃気体の洗浄ができる。

【００３９】請求項５記載の考案によれば、廃気体吸気
管の導入口部に吸気用送風機を設置したため、廃気源か
らの廃気体を確実にかつ円滑に洗浄槽に導入して洗浄が
効率よくできる。

【００４０】請求項６記載の考案によれば、真空ポンプ
は冷却装置によって冷却され、廃気体の温度が極めて高
くても、真空ポンプのモータの絶縁破壊が生じることな
く、モータが熱的に保護される。

【００４１】請求項７記載の考案によれば、真空ポンプ
に吸引される廃気体が冷却され、真空ポンプのモータの
絶縁破壊が生じることなく、モータが熱的に保護でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す廃気浄化装置の正面図
である。

【図２】同上吸気用送風機の斜視図である。

【図３】同上真空ポンプの冷却装置部の断面図である。

【図４】本考案の他の実施例を示す真空ポンプの冷却装
置部の断面図である。

【図５】本考案のさらに他の実施例を示す真空ポンプの
冷却装置部の断面図である。

【図６】本考案の他の実施例を示す真空ポンプの吸気管
の冷却装置の断面図である。

【符号の説明】

１ 廃気源 ２ 煙突 ３ 真空ポンプ ４，4a 洗浄槽 11 吸気用送風機 30 廃気体吸気管 31 廃気体導出管 44 塵埃収集函 45 攪拌羽根

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 廃気源の排気側に連通する廃気体吸気管
   を吸入側に接続した真空ポンプと、この真空ポンプの吐
   出側に接続した廃気体導出管の先端開口端を底部近傍に
   配設しかつ洗浄液を充填した洗浄槽と、この洗浄槽内に
   取り付けられた塵埃収集函とを具備し、 前記洗浄槽内に取り付けた塵埃収集函は前記真空ポンプ
   の吐出側に接続した廃気体導出管の先端開口端に相対的
   に接近させ たことを特徴とする廃気浄化装置。
2. 【請求項２】 洗浄槽の洗浄液面位置に攪拌羽根を配設
   したことを特徴とする請求項１に記載の廃気浄化装置。
3. 【請求項３】 洗浄槽にて浄化されたガスを煙突に導入
   するためのダクトを前記洗浄槽に接続したことを特徴と
   する請求項１または２に記載の廃気浄化装置。
4. 【請求項４】 洗浄槽は直列に複数個接続し、かつ最後
   段の洗浄槽をダクトにて煙突に連通させたことを特徴と
   する請求項１、２または３のいずれかに記載の廃気浄化
   装置。
5. 【請求項５】 廃気体吸気管の導入口部に吸気用送風機
   を設置したことを特徴とする請求項１、２、３または４
   に記載の廃気浄化装置。
6. 【請求項６】 真空ポンプは冷却装置を備えたことを特
   徴とする請求項１、２、３、４または５に記載の廃気浄
   化装置。
7. 【請求項７】 廃気体の冷却装置を廃気体吸気管に設け
   たことを特徴とする請求項１、２、３、４、５または６
   に記載の廃気浄化装置。