JPH0872235A - パターン作成方法及びパターン作成装置 - Google Patents

パターン作成方法及びパターン作成装置

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JPH0872235A
JPH0872235A JP21620494A JP21620494A JPH0872235A JP H0872235 A JPH0872235 A JP H0872235A JP 21620494 A JP21620494 A JP 21620494A JP 21620494 A JP21620494 A JP 21620494A JP H0872235 A JPH0872235 A JP H0872235A
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JP
Japan
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ink
pattern
sheet member
heating
roller
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JP21620494A
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English (en)
Inventor
Masaharu Nishikawa
正治 西川
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】インクの滲みや流れ出しがなく、迅速且つ綺麗
にパターン作成する。 【構成】液状のインクをパターン状に噴射して受像媒体
のパターン作成面にパターンを作成する方法として、パ
ターン信号に基づいてインクジェットプリントヘッドを
制御し、上記受像媒体のパターン作成面に対して所望の
ドット密度よりも低いドット密度で液状インクをパター
ン状に噴射する第1工程I と、上記パターン作成面にイ
ンク固化のエネルギを作用させる第2工程IIと、このエ
ネルギを作用させることにより固化されたインクによる
パターン作成面へ向けて所望のドット密度よりも低いド
ット密度で先行のドットを補間するよう液状インクをパ
ターン状に噴射する第3工程III と、この第3工程によ
りインクによるパターンが補間された上記パターン作成
面へインクを固化させるためのエネルギを作用させる第
4の工程IVからなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液状のインクをインクジ
ェットノズルから受像媒体面へ噴射しパターンを作成す
る方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】受像媒体面上に液状インクの小滴をパタ
ーン状に噴射し、インクを固化させてパターンを作成す
る技術は公知であり広く実用化されている。
【0003】通常インクは水を溶媒とするものが多い
が、有機の溶剤を溶媒とする場合もある。また受像媒体
は紙が最も多用されるが、紙以外に透明フィルム、トレ
ーシングペーパー等も用いられる。更に工業的な用途に
おいては金属、木材、セラミクス、プラスチック等の多
様な素材の表面にパターンの作成が行われている。
【0004】ところで従来の液状のインクを用いるパタ
ーン作成においては噴射されたインクが乾燥または硬化
するまでにある程度の時間を必要とする。インクの乾燥
が不十分であると、媒体の搬送中にローラによるオフセ
ットを生じて画面が汚れたり、ハンドリング中に画像が
こすれて汚れてしまう問題がある。
【0005】また乾燥が遅いと画像のにじみや流れ出し
が生じて、正常なパターン作成を行うことができないと
いう問題も生ずる。
【0006】このような液状インクの乾燥を促進させる
ために、パターンを形成した媒体に熱を加えることが知
られている。
【0007】また紫外硬化インクを用いて紫外光の照射
によって瞬時にインクを硬化させることも知られてい
る。
【0008】例えば、図22は特開昭60−13276
7号公報において公知のインクジェットプリンタのヘッ
ド部分近傍の構造図である。このプリンタはプリントヘ
ッド105を載せた走査台104を、ガイドレール10
1,102に沿って移動させ、紫外線硬化樹脂液からな
る液状インク112をプリントヘッド105から噴射し
て、当該噴射した液状インク112滴により受像媒体1
11上にパターン形成し、これに紫外線光源109aか
らの光を照射してパターンを硬化させるようにしたもの
である。
【0009】このようにすれば、パターンの硬化は瞬時
に完全に行われるので、パターン画像のオフセットや、
パターン画像面のこすれによる像の流れが生じたりする
ことはない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、紫外線硬
化樹脂液による液状インクをプリントヘッドより噴射し
て、受像媒体上にパターン形成するようにしたプリンタ
があり、このようなプリンタでは、受像媒体上にパター
ン形成したインクに対して紫外線光を照射し、硬化させ
ることで受像媒体上に形成されたパターン画像のオフセ
ットや、パターン画像面のこすれによる像の流れが生じ
たりすることがないようにしている。
【0011】しかしながら、インクの乾燥や硬化に長時
間を要する場合、例えば、揮発性の溶剤に顔料を混ぜた
インクを使用し、これをプラスチックや金属のようにイ
ンクを吸収しない表面にパターン形成する場合では乾燥
が完了する前にベタ画像の部分で、インクの滲みや流れ
出しが生じてしまう。
【0012】また、紫外光硬化インクのように重合活性
化光線の照射によって硬化させる場合であっても、紫外
線を照射して硬化を完了する前であればベタ画像の部分
で、インクの滲みや流れ出しが生じてしまうと云う問題
は依然として解決することができない。
【0013】従って、本発明の目的とするところは、イ
ンクの乾燥や固化に時間を要するインクや受像媒体を用
いてパターン作成する場合に、ベタ画像部やインクの付
着量が多い画像部分においてもパターンのにじみや流れ
出しを生ずることのないパターン作成方法及びパターン
作成装置を実現することにある。
【0014】また、インクの乾燥に時間を要するフィル
ムやトレーシングペーパ上にプロセスカラーであるシア
ン、マゼンタ、イエロー等のインク画像を重ね合わせて
噴射すると、未乾燥のインク同士が混じり合って流動し
てしまい、正常にプリントを行うことができないと云っ
た問題がある。
【0015】従って本発明の別の目的は、フィルムやト
レーシングペーパ等のインクの吸収乾燥の遅い媒体上に
おいて、各色のインクが混じり合ったり流動したりする
ことなく正常にプリントを行うことができる多色インク
ジェットプリンタの実現を可能にするパターン作成方法
及びパターン作成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の本発明の目的を達
成するために、本発明は次のように構成する。すなわ
ち、第1には、液状のインクをインクジェットノズルか
らパターン状に噴射して受像媒体のパターン作成面にイ
ンクによるパターンを作成するパターン作成方法とし
て、パターン信号に基づいてインクジェットプリントヘ
ッドを制御し、上記受像媒体のパターン作成面に対して
所望のドット密度よりも低いドット密度で液状インクを
パターン状に噴射する第1の工程と、上記パターン作成
面にインクを固化させるためのエネルギを作用させる第
2の工程と、このエネルギを作用させることにより固化
されたインクによるパターン作成面へ向けて所望のドッ
ト密度よりも低いドット密度で先行のドットを補間する
よう液状インクをパターン状に噴射する第3の工程と、
この第3の工程によりインクによるパターンが補間され
た上記パターン作成面へインクを固化させるためのエネ
ルギを作用させる第4の工程と、を有し、液状インクの
噴射及びインク固化エネルギ付与工程を複数回繰り返し
て行い、所望ドット密度のパターンを作成することを特
徴とする。
【0017】また第2には、液状のインクをインクジェ
ットノズルから噴射するプリントヘッドと、このプリン
トヘッドに対して受像媒体を移動させる走査手段と、パ
ターン信号に従って上記プリントヘッドをドライブする
手段と、上記受像媒体に熱を作用させてインクの乾燥を
促進させる加熱手段と、上記加熱手段への通電・非通電
あるいは通電時の加熱量を選択指定する加熱指定手段
と、上記指定手段の指定に対応して上記加熱手段を通電
制御する通電制御手段とを具備する。
【0018】さらに第3には、液状のインクをインクジ
ェットノズルから噴射するプリントヘッドと、このプリ
ントヘッドに対して受像媒体を移動させる走査手段と、
パターン信号に従って上記プリントヘッドをドライブす
る手段と、上記受像媒体に熱を作用させてインクの乾燥
を促進させる加熱手段と、上記加熱手段への通電・非通
電あるいは通電時の加熱量を選択指定する加熱指定手段
と、上記指定手段の指定に対応して上記加熱手段を通電
制御する通電制御手段と、プリントすべきパターンを与
えるパターン信号に基づき、所望のドット密度よりも低
いドット密度となる信号に変換して上記ドライブ手段に
与え、上記受像媒体面にパターン作成させると共に、当
該作成したパターンの固化後に上記受像媒体のパターン
作成面にパターン信号に基づき、所望のドット密度より
も低いドット密度で先行のドットを補間するよう信号変
換して上記ドライブ手段に与え、上記受像媒体面にパタ
ーン作成させるべく制御する手段とを具備する。
【0019】
【作用】上記の第1の発明によるパターン作成方法によ
れば、パターン形成に際しては液状のインクパターン
は、所望のドット密度よりも低いドット密度でパターン
作成面に形成し、これを固化した後に、パターン作成面
へ向けて所望のドット密度よりも低いドット密度で先行
のドットを補間するよう液状インクをパターン状に噴射
し、そして、これを固化させるようにする。従って、固
化していない液状のインクパターンは、所望のドット密
度よりも低いドット密度で存在するためにインクドット
が相互に相接して一体化してにじみを生じたり、流動化
してパターンを劣化させてしまうのを防止することがで
き、しかもすでに固化したパターンの形成面に先行ドッ
トを補間するように後の工程で液状インクを噴射し、固
化させるので所望のドット密度のパターンを得ることが
できる。
【0020】ここで、例えば、インクが気化性溶液を溶
媒とした液状インクである場合にはインクを固化させる
ためのエネルギとしては熱エネルギを用いる。そして、
この熱エネルギをパターン作成面に作用させることで噴
射されて形成されたインクドットに含まれる溶媒は熱に
よって迅速に気化してパターン作成面は乾燥状態とな
り、乾燥した表面へ後続の工程でのインクドット噴射が
行われ、また各工程で噴射されるインクドットの密度は
所望のインクドット密度よりも低密度であるから、ベタ
画像部においてもインクがにじんだり流れ出したりする
ことはなく、乾燥状態の綺麗なパターンを得ることがで
きる。
【0021】また、感光性樹脂剤からなる液状インクを
用いた場合には、インクを固化させるエネルギとして感
光性樹脂液を重合させる活性化光線を用いる。これによ
り、上記のパターン作成方法によれば、先行の工程で低
ドット密度で形成された感光性樹脂液ドットのパターン
は、低ドット密度のためにドットのにじみや流れを生ず
ることなく、また活性化光線の照射によって迅速確実に
重合硬化する。そして先行の硬化したパターン面へ向け
て後続の工程のパターン噴射を行うので、インクのにじ
みや流れ出しを生ずることなく所望ドット密度のパター
ンを作成することができる。
【0022】また上記第2の構成においては、液状のイ
ンクをインクジェットノズルから噴射するプリントヘッ
ドに対して受像媒体を移動させ、パターン信号に従って
上記プリントヘッドをドライブすることで液状インクの
噴射によるパターンを受像媒体に形成する。そして、加
熱手段により上記受像媒体に熱を作用させてインクの乾
燥を促進させるが、加熱指定手段によりこの加熱手段へ
の通電・非通電あるいは通電時の加熱量を選択指定する
ことができ、この加熱指定手段により指定すると、この
指定に対応して通電制御手段が上記加熱手段を通電制御
する。
【0023】従って、この構成の装置によれば、揮発性
の溶媒を用いたインクを使用し、受像媒体として紙のよ
うなインク吸収性のあるシート部材を用いた場合には、
加熱指定手段により非通電あるいは通電時の加熱量が低
くなるように選択指定すると加熱手段を非通電または低
温状態に保つことができ、これによって電力の消耗を防
止でき、また、揮発性の溶媒を用いたインクを使用し、
受像媒体としてフィルムやトレーシングペーパのように
インク吸収性の低いシート部材を用いる場合は加熱指定
手段により通電を選択指定することで加熱手段によりイ
ンク揮発促進に十分な加熱を実施し、これによって強制
的にシート部材上に噴射されたインクの溶剤を迅速に気
化させて、インク乾燥を促進させることができる。
【0024】また、シート部材の種別を検知する手段を
設け、この検知出力に応じて加熱指定を自動的に行うよ
うに構成することもでき、このようにするとシート部材
の材質に応じた最適な加熱手段への通電制御モード指定
を自動的に行うことができるようになり、設定ミスが防
止される。
【0025】また上記第3の構成においては、液状のイ
ンクをインクジェットノズルから噴射するプリントヘッ
ドに対して受像媒体を移動させ、パターン信号に従って
上記プリントヘッドをドライブすることで液状インクの
噴射によるパターンを受像媒体に形成する。そして、加
熱手段により上記受像媒体に熱を作用させてインクの乾
燥を促進させるが、加熱指定手段によりこの加熱手段へ
の通電・非通電あるいは通電時の加熱量を選択指定する
ことができ、この加熱指定手段により指定すると、この
指定に対応して通電制御手段が上記加熱手段を通電制御
する。
【0026】また、受像媒体上に作成されるパターン
は、プリントすべきパターンを与えるパターン信号に基
づき、所望のドット密度よりも低いドット密度となる信
号に変換して上記ドライブ手段に与え、上記受像媒体面
に本来得るべきパターンよりも粗なるドット密度でパタ
ーン作成させると共に、当該作成したパターンの固化後
に上記受像媒体のパターン作成面にパターン信号に基づ
き、所望のドット密度よりも低いドット密度で先行のド
ットを補間するよう信号変換して上記ドライブ手段に与
え、上記受像媒体面にパターン作成させるべく制御す
る。
【0027】この構成の装置によれば、パターン形成に
際しては液状のインクパターンは、所望のドット密度よ
りも低いドット密度となるように制御してパターン作成
面に粗なるドット密度で形成し、これを固化した後に、
パターン作成面へ向けて所望のドット密度よりも低いド
ット密度となるように且つ、先行のドットを補間するよ
うに制御して液状インクをパターン状に噴射し、そし
て、これを固化させるようにする。従って、固化してい
ない液状のインクパターンは、所望のドット密度よりも
低いドット密度で存在するためにインクドットが相互に
相接して一体化してにじみを生じたり、流動化してパタ
ーンを劣化させてしまうのを防止することができ、しか
もすでに固化したパターンの形成面に先行ドットを補間
するように後の工程で液状インクを噴射し、固化させる
ので所望のドット密度のパターンを得ることができる。
【0028】また、この構成の装置によれば、揮発性の
溶媒を用いたインクを使用し、受像媒体として紙のよう
なインク吸収性のあるシート部材を用いた場合には、加
熱指定手段により非通電あるいは通電時の加熱量が低く
なるように選択指定すると加熱手段を非通電または低温
状態に保つことができ、これによって電力の消耗を防止
でき、また、揮発性の溶媒を用いたインクを使用し、受
像媒体としてフィルムやトレーシングペーパのようにイ
ンク吸収性の低いシート部材を用いる場合は加熱指定手
段により通電を選択指定することで加熱手段によりイン
ク揮発促進に十分な加熱を実施し、これによって強制的
にシート部材上に噴射されたインクの溶剤を迅速に気化
させて、インク乾燥を促進させることができる。
【0029】また、シート部材の種別を検知する手段を
設け、この検知出力に応じて加熱指定を自動的に行うよ
うに構成することもでき、このようにするとシート部材
の材質に応じた最適な加熱手段への通電制御モード指定
を自動的に行うことができるようになり、設定ミスが防
止される。
【0030】このように、本発明によれば、いずれもイ
ンクの乾燥や固化に時間を要するインクや受像媒体を用
いてパターン作成する場合に、ベタ画像部やインクの付
着量が多い画像部分においてもパターンの滲みや流れ出
しを生ずることのないパターン作成方法及びパターン作
成装置を実現することができるようになり、また、これ
によってインクの乾燥に時間を要するフィルムやトレー
シングペーパ上にプロセスカラーであるシアン、マゼン
タ、イエロー等のインク画像を重ね合わせて噴射する
と、未乾燥のインク同士が混じり合って流動してしま
い、正常にプリントを行うことができないと云った従来
の問題を解決できて、フィルムやトレーシングペーパ等
のインクの吸収乾燥の遅い媒体上において、各色のイン
クが混じり合ったり流動したりすることなく正常にプリ
ントすることができるようになる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0032】(実施例1)まず、実施例1として本発明
のインクジェットパターン作成方法を説明する。本発明
のインクジェットパターン作成方法は基本的には、つぎ
のようなものである。
【0033】液状のインクをインクジェットノズルから
パターン状に噴射する工程と、上記パターン作成面にイ
ンクを固化させるためのエネルギを作用させる工程から
なるインクジェットパターン作成方法であって、(a)
パターン信号に基づいてインクジェットプリントヘッド
を制御し、所望のドット密度よりも低いドット密度で液
状インクをパターン状に噴射する第1の工程と、(b)
上記パターン作成面にインクを固化させるためのエネル
ギを作用させる第2の工程と、(c)上記インクを固化
させるパターン作成面へ向けて、所望のドット密度より
も低いドット密度で、先行のドットを補間するように液
状インクをパターン状に噴射させる、第1の工程との間
にインク固化工程を介在させた第3の工程と、(d)上
記パターン作成面へインクを固化させるためのエネルギ
を作用させる第4の工程と、を有し、液状インクの噴射
及びインク固化エネルギ付与工程を複数回くり返して行
い、所望のドット密度のパターンを作成するようにす
る。
【0034】上記のパターン作成方法によれば、固化し
ていない液状のインクパターンは、所望のドット密度よ
りも低いドット密度で存在するためにインクドットが相
互に相接して一体化してにじみを生じたり、流動化して
パターンを劣化させてしまうのを防止することができ、
しかもすでに固化したパターンの形成面に先行ドットを
補間するように後の工程で液状インクを噴射し、固化さ
せるので所望のドット密度のパターンを得ることができ
る。
【0035】詳細を説明する。図1は本発明のインクジ
ェットパターン作成方法の各工程を示す説明図である。
【0036】図1において、I,II,III ,IVはパター
ン作成のための各工程を示しており、(a)図はその工
程の内容を示し、(b)図は受像媒体上のインクを上面
から見た状態、(c)図は受像媒体の断面方向から見た
インクの状態を模式的に示したものである。
【0037】図1において、第1の工程Iは液状インク
噴射の工程である。液状のインクとしては水等の容易に
気化する溶媒中に、染料または顔料等を溶解または分散
させたものが知られている。また、別のタイプの液状イ
ンクとしては、紫外光硬化または可視光硬化樹脂液等の
感光性樹脂液中に色材を溶解または分散させたインクが
ある。
【0038】これ等の液状インクは、プリントヘッドの
ノズルから小滴状に噴射され、第1の工程Iにおける
(b)図のように、受像媒体面にパターン状に付着す
る。小滴の発生または飛翔の制御は、パターン信号に基
づくプリント信号によって行われる。
【0039】受像媒体としては紙が最も多用されている
が、紙以外にプラスチックフィルムや金属表面、セラミ
クス等、多様な材質も利用される。これらの多様な材質
からなる受像媒体表面上にパターンが作成される。
【0040】第1の工程Iにおいては、所望のドット密
度より低いドット密度でパターン作成を行う。例えば、
300[DPI]のドット密度が必要な場合、主走査方
向(プリントヘッドの走査方向)や副走査方向(受像媒
体搬送方向)に対して、半分の150DPIのドット密
度あるいは3分の1の100[DPI]のドット密度等
でドットの噴射を行う。
【0041】第1の工程Iにおいて、図1(b)は、イ
ンクによるドット(インクドット)1の分布例を示して
いる。図示例では、インクドット1は所望のドット配列
に対して1ドットおきに配列されている。このために単
位面積当りのインク量が少ないので、インクが集合して
流れ出すようなことはない。図1(c)の断面図は、イ
ンクの表面張力で各ドットが受像媒体2の表面に丸くな
って分離して存在していることを示している。
【0042】第2の工程IIは、インク固化エネルギ付与
の工程(定着あるいは乾燥工程)である。インクを固化
させるエネルギは、インクの組成によって異なる。水を
主体とし、エチレングリコール等を含ませた水性の溶媒
中に染料を溶解したり、あるいはその他の気化性の溶媒
中に染料を溶解したり、顔料を分散させたインクである
場合、インクを固化させるためには、例えば、熱を加え
て溶媒の気化を促進させる。従って、この場合の付与す
るエネルギは熱である。
【0043】気化性の溶媒中に染料を混ぜたインクの他
に、未硬化の感光性樹脂液を溶媒とするインクがある。
この未硬化の感光性樹脂液を溶媒としたインクは、UV
インクとして公知であり、インクジェット用のインクと
しても用いられている。感光性樹脂液としては紫外光に
感度を有するもの以外に、可視域に感度を有するものも
ある。
【0044】このような感光性樹脂液を溶媒とするイン
クを利用した場合、インクを固化させるためのエネルギ
は光線であり、可視または紫外光源がそのために用いら
れる。
【0045】第2の工程IIにおいては、図1(b)及び
(c)で斜線を施したドット1aが、インク固化エネル
ギ付与によって固化したインクを示す。
【0046】水等の気化性の溶媒の場合は熱エネルギの
付与によって、自然放置に比べて、遥かに迅速に溶媒を
気化させることができ、染料顔料等の着色剤は受像媒体
面に強固に定着する。
【0047】また、感光性樹脂液の場合には、重合を促
進させるUV光等の活性化光線を照射しなければ固化は
ほとんど進行しないが、必要エネルギ量の光線を照射す
ることによって極めて短時間の内に重合による硬化を終
了させることができる。
【0048】第3の工程III は液状インクの噴射工程で
あり、図1の(b),(c)に白抜きでドットを示した
ように、第1、第2の工程I,IIによって形成されて固
化した、所望のドット密度よりも低いドット密度のパタ
ーン作成面へ向けて、所望のドット密度よりも低いドッ
ト密度で、先行作成されたドット1aを補間するように
液状インクをパターン状に噴射させ、ドット1を形成す
る。
【0049】この工程は第1の工程Iに続いて行われる
が、第1の工程Iと第3の工程IIIの間にはインク固化
のためのエネルギの付与工程(第2の工程II)があり、
従って第1の工程Iと第3の工程III は分離した工程と
なっている。
【0050】第1の工程Iで噴射したインクはすでに固
化しており、第3の工程III で噴射するインクは所望の
ドット密度よりも低いドット密度であるために、固化さ
せる前にインクがにじんだり流れ出したりすることはな
い。
【0051】そして、第4の工程IVはインク固化エネル
ギ付与工程(定着あるいは乾燥工程)であり、第2の工
程IIと同様に、インク組成に対応した熱、可視光、紫外
光等のエネルギを付与する。第4の工程IVにおいてはイ
ンク固化エネルギを付与することで(b),(c)図に
示すように、未固化状態にあったインクドット1は固化
する(固化インクドット1a)。インクが固化すると第
1の工程Iと第3の工程III で噴射されたインクは一体
となって所望のドット密度のパターンとなる。
【0052】なお、上記図1の説明ではインク噴射の工
程は、第1と第3の2回の工程で所望のドット密度のパ
ターンが得られるものとしたが、インク噴射工程は複数
回であれば本発明の効果は得られるから、インク噴射工
程を3回としても、また、4回としても良く、さらにそ
れ以上としても良い。そして、この場合、インク噴射工
程の数に対応する回数のインク固化エネルギ付与工程が
設けられるものとする。
【0053】このように本発明は、インクドット密度を
粗にしてインク噴射工程とインク乾燥工程(インク定着
工程)を繰り返して受像媒体上にインクドットによるパ
ターンを形成するようにし、1回のインク噴射ではイン
クドット密度が粗であるものの、この工程を繰り返すこ
とでドット間を埋めてゆく手法をとり、しかも、インク
噴射毎にインク定着を行うようにしたことで、受像媒体
上においてインクの流れが生じないようにすることがで
き、どの様な材質の受像媒体であってもその表面にパタ
ーンを綺麗に印刷することができるようになる。
【0054】また、本実施例によれば、インクの乾燥や
固化に時間を要するインクや受像媒体を用いてパターン
作成する場合に、ベタ画像部やインクの付着量が多い画
像部分においてもパターンのにじみや流れ出しを生ずる
ことのないパターン作成方法を実現することができるこ
とから、これによってインクの乾燥に時間を要するフィ
ルムやトレーシングペーパ上にプロセスカラーであるシ
アン、マゼンタ、イエロー等のインク画像を重ね合わせ
て噴射すると、未乾燥のインク同士が混じり合って流動
してしまい、正常にプリントを行うことができないと云
った従来の問題をも解決できて、フィルムやトレーシン
グペーパ等のインクの吸収乾燥の遅い媒体上において、
各色のインクが混じり合ったり流動したりすることなく
正常にプリントすることができるようになる。
【0055】なお、本発明のパターン作成方法によれ
ば、複数回の工程に分離されたインク噴射の各工程にお
いては、所望のドット密度よりも低いドット密度となる
ようにインク噴射を行うが、低密度のドットの分布は図
1の(b)に示すように、主副走査方向に均等に配分さ
れることに限定されるものではないことを断っておく。
【0056】(実施例2)インクドット密度の低密度化
の他の例を実施例2として説明する。
【0057】図2においてはドットの低密度化の他の実
施例を示している。
【0058】まず、図2における(a)は主走査X方向
にはドットは低密度化せず、副走査Y方向に1列おきに
ドットを間引いて低密度化した例である。この場合に
は、まずインク噴射式のプリントヘッドよりインクを噴
射して[a−1]に示すようにインクドット1を形成す
る。そして、この形成されたインクドット1に固化エネ
ルギを付与して固化した後(1a)、このドット列(固
化したインクドット1aの列)を補間するように[a−
2]における白丸で示す如く、インクを噴射してインク
ドット1を形成し、所望のドット密度のパターンを作成
する。補間したインクドット1もその後に固化エネルギ
を付与して固化させる。
【0059】この実施例の場合、主走査X方向にはイン
クドットは低密度化しないので、固化する前のインクは
細線状につながっているが、面状につながっていないの
で、液が流動して集合し、流れ出てしまうと云う事態は
有効に防止される。そして、細線状のインクを固化させ
た後にインクのない部分を補間するように次の工程で液
状のインクを噴射するが、液状のインクは同様に細線状
となって面状にはつながってはいないので液の流れ出し
は防止される。
【0060】このように主走査X方向にはドットは低密
度化せず、副走査Y方向にのみ低密度化してライン状に
インクドットのパターンを形成する。主走査X方向には
インクはライン状に分布することになるので、低密度化
する副走査Y方向に対しては、液が流れ出さない程度の
低いドット密度でのインクの噴射を行い、近隣の未固化
インクのライン同士がつながらないようにしながら、イ
ンクの噴射と固化エネルギの付与の工程を繰り返して行
い、所望のドット密度のパターンを得る。
【0061】ところで、インクの流動性が大きく、ある
いは表面張力が低いインクを用いたり、受像媒体の表面
がインクにぬれ易い特性を有する場合、1回に噴射する
ドットの密度はより低いものにしなければならない。
【0062】図2の(b)はその場合の例であり、所望
のドット密度の4分の1のドット密度でのインク噴射及
び固化エネルギ付与の工程を4回繰り返して所望ドット
密度のパターンを作成する実施例を示す図である。
【0063】図2(b)における[b−1]は、第1回
目のインク噴射の工程によって作成したドットパターン
を示し、主・副各走査方向(X・Yの各方向)に所望の
ドット密度の半分の密度でドット(未固化インクドット
1)が配置されているので、面積当りのドット密度は所
望ドット密度の4分の1である。
【0064】第1回目のインク噴射の工程が終わると、
インク固化エネルギ付与の工程に入り、インクの固化を
行った後(1aが固化インクドットを示している)、第
2回目のインク噴射の工程を行い、未固化のインクドッ
ト1を形成する。第2回目のインク噴射を行った結果を
[b−2]に示す。第2回目のインク噴射では、主走査
方向(X方向)に先行ドット(固化インクドット1a)
の隙間を補間するように後続のドットを位置させる。こ
れによって面積当りのドット密度の所望のドット密度の
2分の1となる。
【0065】これにより、主走査方向(X方向)にイン
クドットによるライン状のパターン形成をすることがで
きる。
【0066】このようにしてインクドットによるライン
状のパターン形成が終わると第3回目のインク噴射工程
を行い、インク固化エネルギ付与後、第4回目のインク
噴射工程を行い、インク固化エネルギ付与して固化す
る。
【0067】[b−3]は第3回目のインク噴射工程に
より形成された未固化インクドット1のドット配置を示
す。第3回目のインク噴射では第2回目のインク噴射に
より形成されたライン状のインクドットパターンのライ
ン間の隙間を埋めるように、ドットを形成する。[b−
4]は第4回目のインク噴射工程により形成されたドッ
トの配置を示す。第4回目のインク噴射では第3回目の
インク噴射により形成されたドット間の隙間を補間する
ようにインクドット1を形成し、隙間を埋める。
【0068】このように、図2の(b)の実施例では、
プリント終了時に必要な所望のドット密度の4分の1の
ドット密度により、インク噴射及びインク固化エネルギ
付与工程を繰り返し、先行して形成したドットを補間す
るようにインクを噴射して所望のドット密度を得るよう
にする。このようにして、図示例では4回のインク噴射
及びインク固化エネルギ付与工程によって所望のドット
密度のパターンを得るようにしている。
【0069】そのため、図2の(b)の実施例では1回
のインク噴射で作成するインクドットの密度が、最終的
に必要とする所望のドット密度に比べて、著しく密度が
低いため、噴射工程で形成される各液状のドット(未固
化インクドット)は各々独立して存在して、相互に接し
て一体化することがない。従って、表面張力が低いイン
クであってもインクが流れ出してしまうことは完全に防
止されるから、高品位なプリントができるようになる。
【0070】また、本実施例によれば、インクの乾燥や
固化に時間を要するインクや受像媒体を用いてパターン
作成する場合に、ベタ画像部やインクの付着量が多い画
像部分においてもパターンのにじみや流れ出しを生ずる
ことのないパターン作成方法を実現することができるこ
とから、これによってインクの乾燥に時間を要するフィ
ルムやトレーシングペーパ上にプロセスカラーであるシ
アン、マゼンタ、イエロー等のインク画像を重ね合わせ
て噴射すると、未乾燥のインク同士が混じり合って流動
してしまい、正常にプリントを行うことができないと云
った従来の問題をも解決できて、フィルムやトレーシン
グペーパ等のインクの吸収乾燥の遅い媒体上において、
各色のインクが混じり合ったり流動したりすることなく
正常にプリントすることができるようになる。
【0071】(実施例3)以上、実施例1、実施例2は
いずれも、プリントのためのインクドット形成手法につ
いて述べたものである。次に作成するパターンの信号か
ら、最終的に必要とする所望ドット密度よりも低いドッ
ト密度のプリント信号を作り出す方法について図3によ
って説明する。当該プリント信号を作り出す方法は実施
例3として説明する。
【0072】図3(a)はパターン信号を示すものと
し、格子は所望のドット密度に対応させたドットの座標
を示すものとする。図示例ではパターン信号の画素pは
ドット4個を集合したものが1画素であるようにパター
ン信号が作られているものとする。
【0073】図3(b)は第1回目のインク噴射工程で
あって、主走査方向(X方向)にはドットを間引かず
に、副走査方向(Y方向)にはドットがひとつおきに間
引かれて配置されるようにドット作成する。
【0074】インク固化エネルギ付与後、次のインク噴
射工程では副走査方向に先行ドットを補間するように1
ドットラインだけずらせた位置に、先行ドットと全く同
じドット配列でインク噴射を行う。
【0075】すなわち、各画素におけるドット位置のみ
を変えると云う操作を伴うが、それを除けば同一パター
ン信号により繰り返してインク噴射を行ってパターン形
成する。従って、この実施例によれば、複雑なパターン
信号処理を行うことなしに、インクの流れ防止に必要な
低ドット密度のパターンプリント信号を作り出すことが
できる。
【0076】(実施例4)上記実施例では、パターン信
号から簡易にプリント信号を作り出すことができるが、
1画素を複数ドットで形成する方式であるために、所望
のドット密度で実現可能な最高の解像度を得ることがで
きない。これは、プリントヘッドより噴射されるインク
ドットのサイズが決まっているとすれば、1画素を複数
ドットで形成する方式の場合、画素サイズがドットより
大きいことを意味し、これが解像度を低くする他、丸い
ドットが複数個集まって一画素を形成することから、画
素の輪郭に凹凸ができ、これも解像度を低くする原因と
なるためである。
【0077】所望のドット密度で実現可能な最高の解像
度を得るには1画素を1ドットで形成するすなわち、画
素を小さくすると共に、画素の輪郭の凹凸が少なくなる
ようにする必要がある。そのためには、実施例3の手法
は採用できない。
【0078】そこで実施例4として、1画素を1ドット
で形成する場合のプリント信号作成方法を説明する。
【0079】本発明においては、実施例1の手法におけ
るインク噴射工程(第1の工程)において、所望のドッ
ト密度のパターン信号から離散的にドットを間引いて所
望ドット密度よりも低いドット密度のパターンプリント
信号を作成し、この信号に基づいてインク噴射を行いド
ット形成し、第2回目のインク噴射(インク固化エネル
ギ付与工程である第2の工程の実施後に実施される第3
の工程)では上記第1回目のインク噴射(第1の工程)
で間引いたドット位置の信号によって所望のドット密度
よりも低いドット密度のパターンプリント信号を作成
し、この信号に従って先行ドットを補間する位置にドッ
ト噴射を行い、複数回に分割したドット噴射及びインク
固化エネルギ付与工程によって所望のドット密度のパタ
ーンを作成する。
【0080】図4は、上記パターン作成方法の実施例を
示す図である。
【0081】図4における(a)は、作成するパターン
図を示しており、格子はインクジェットプリントヘッド
でインクを噴射してドット形成する場合に、最終的に得
られる所望のドット密度状態でのインクドットのドット
配置状態を示すものである。図4では、パターンを構成
する画素のひとつひとつが、インクドットのひとつひと
つと対応する高解像度のパターンを示している。
【0082】図4の(b)は(a)に示したパターン図
対応のパターン信号を基に、第1回目のインク噴射に対
応させるように作成したパターンプリント信号を示す。
この信号は、主走査方向(X方向)に1ドットおきの信
号を取出し、副走査方向(Y方向)に隣接するラインで
は取出すドット信号位置を1ドット分、主走査方向にず
らせてあるので、市松格子状にパターンドットがピック
アップされている。
【0083】そして、ピックアップしなかったドット位
置にはブランクドットを入れてパターンプリント信号を
作成する。
【0084】上記信号に従ってインクドットを噴射制御
すると、噴射されたインク滴は市松格子状に、所望のド
ット密度の半分の密度で受像媒体上に離散的に配置され
るので、インク同志が集合して流れ出してしまうことは
ない。
【0085】噴射されてパターン形成された未固化イン
クドットは、固化エネルギが付与されることにより、固
化される。そして、固化されたならば、次のインク噴射
工程(第2回目のインク噴射工程)を実施する。
【0086】当該第2回目のインク噴射工程では、第1
回目のインク噴射工程でピックアップしなかった、すな
わち間引いたドット信号に従って、パターンプリント信
号(c)を作成してインクを噴射する。ドットのブラン
ク位置にはブランク信号が挿入される。
【0087】後者の工程(第2回目のインク噴射工程)
ではパターンドットは、先行して噴射したインクを補間
する位置に配置される(第1回目のインク噴射工程では
間引かれることになった位置対応の位置に配置され
る)。
【0088】このようにして、もとのパターン信号から
信号処理によって各回のインク噴射に必要な信号を取出
してパターンプリント信号とし、インク噴射のための信
号とするようにした結果、各回のパターンプリント信号
は各異なった信号となり、1画素1ドット構成のプリン
トに適合するようになり、1画素1ドット構成のプリン
トが可能になることで、最終的に得られるプリントパタ
ーンは所望のドット密度において達成可能な高い解像度
のパターンとすることができる。
【0089】(実施例5)実施例1、実施例2は1回の
インク噴射によるドット形成を、粗なるドット密度で行
い、回を重ねる毎に隙間を埋めるかたちで補間してドッ
トを形成するようにした。そして、1回のインク噴射毎
にインクドットを固化し、つぎの回のインク噴射を実施
することにより、受像媒体上に噴射したインクの流れ出
しが生じないようにした実施例であった。しかし、同一
領域におけるインクドットの未形成領域を補間するよう
に、順次、インク噴射によるドット形成を繰り返してゆ
き、隙間を埋めて画素を完成させる方式であるため、副
走査方向に受像媒体を何度も反復して送り/戻しを繰り
返し、インク噴射とインク固化の工程を繰り返さねばな
らず、一つの画素のプリントが完成するまで、非常に時
間がかかる。
【0090】一方、実施例2における図2(a)にて説
明したパターン作成方法を使用すると、主走査方向に対
してはドットピッチを密にして長い帯状(ライン状)に
インクドットを形成し、副走査方向に対してはドットピ
ッチを粗にしてあり、1回の主走査により複数のライン
をパターン形成することができることから、ライン間が
1ドットピッチの隙間であればインク噴射とインク固化
の処理を2回実施すればパターン形成が終わる。そのた
め、プリントが完成するまでに要する時間が短くて済
む。
【0091】これをマルチノズルのプリントヘッドで実
施する場合、インクドットによる形成ラインは一度にノ
ズル数分、形成できることから、受像媒体上には複数ラ
インで構成される帯状のパターンが形成される。そし
て、帯状のパターンは1ライン置きの間隔で形成されて
いるので、その隙間のラインを埋めるために、通常はプ
リントヘッドを1ドットピッチ分だけ、シフトするよう
に受像媒体を位置決めしてインクの未付与領域を埋める
ことになる。帯状のパターンの隙間が埋まったならば、
マルチノズルのプリントヘッドをノズル分布幅分、受像
媒体を副走査方向に移動させた新たな未プリント領域に
プリントヘッドが来るように受像媒体を位置決めして次
のプリントを開始することになる。
【0092】ところが、ここで問題が起きる。それは、
受像媒体を副走査方向に移動させる精度である。一般
に、受像媒体を副走査方向に移動させる精度は搬送機構
と受像媒体との間の滑り等により、本来の位置からずれ
ることが多い。このずれはあまり大きなものではない
が、ずれがあれば上記完成した帯状のパターンを考えて
みると、次々に形成された完成帯状パターンのうち、隣
接する帯状パターン間にはわずかでも隙間が生じること
もあり、べたの塗り潰しのようなプリントを想定してい
る場合には、それが塗り残しのような形となってしま
い、境界線となって見苦しいものとなる。
【0093】つまり、べた塗り潰しのはずが、縞模様の
ようになってしまう。そこで、プリントすべき面が広い
場合でも、このような縞模様が表われにくくして、プリ
ント品位の高いプリントができ、しかも、比較的高速に
プリントを進めることができるようにする実施例を次に
実施例5として説明する。
【0094】本実施例では速度アップのために、実施例
2における図2(a)に示した手法を採用するが、プリ
ントすべき面が広い場合でも、縞模様が表われにくくす
るために、改良する。
【0095】すなわち、図2(a)に示した手法におい
ては、通常、マルチノズルのプリントヘッドで帯状に領
域を塗り潰してゆく時に、第1回目のインク噴射の位置
よりマルチノズルの1ドットピッチ分のピッチ副走査方
向に位置をずらして第2回目のインク噴射を行う。これ
を実施例5では、プリントヘッドと受像媒体の位置関係
が、マルチノズルのノズル分布域幅の半分の長さだけ、
第1回目のインク噴射の位置より副走査方向にずらした
位置関係を以て、第2回目のインク噴射を行うように
し、第2回目のインク噴射におけるプリントヘッドのイ
ンク噴射可能領域が、隣接する別の帯状パターンの形成
領域に半分程、跨がるような関係でプリントを進めるよ
うにする。
【0096】詳細を説明する。受像媒体上に噴射したイ
ンクが固化する前のインクの流れ出しを防止すると共
に、帯状のインク噴射領域の境界部のムラの発生を防止
するために、本発明においては副走査方向にノズルピッ
チを1ドットピッチ間隔で配置したマルチノズルのプリ
ントヘッドを用い、かつ、前記実施例2における図2
(a)にて説明したパターン作成方法を採用する。そし
て、主走査方向に対してはドットピッチを密にしてイン
クドットを形成し、副走査方向に対してはドットピッチ
を粗にした複数ライン構成の帯状インクパターンを第1
工程でプリントし、これを第2工程によって固化させた
後に、複数ライン構成の帯状インクパターンの帯幅半分
にプリント領域が跨がるようにして、第1工程で形成し
たインクドットのライン間の隙間を埋めるべく、第3工
程のプリントを実施し、第4工程でインクを固化させ
る。これを繰り返して広い領域のプリントを進める。
【0097】図5は上記のパターン作成の工程を説明す
る図である。
【0098】図5において、Hはインクジェットプリン
トヘッドであり、Eはインク固化エネルギ付与手段を示
すものとする。図に示すように、インクジェットプリン
トヘッドHは副走査方向(Y方向)に複数のインク噴射
用のノズル、図示例ではN1〜N5のノズルを有してお
り、ノズルN1〜N5の配列ピッチは所望のプリントド
ットピットよりも粗く、図示例では2倍のドットピッチ
で作られているものとする。
【0099】なお、一度の主走査方向への走査によっ
て、副走査方向には複数本のインクっドットラインがプ
リントできれば良いことから、インクジェットプリント
ヘッドHは、図に示すような複数のノズルを有するマル
チノズルのヘッドに限定されず、1本のノズルから連続
噴射されるインクの飛行方向を偏向制御して、副走査方
向に複数個のドットを分配するコンティニュアス型と呼
ばれるプリントヘッドであっても実施可能である。
【0100】インク固化エネルギ手段Eは、インク溶媒
を気化させる熱源や未硬化のインク樹脂を硬化させる紫
外光源を用いて構成される。インク固化エネルギ手段E
の配置位置はインクジェットプリントヘッドHの、媒体
移動方向下流側であることが好ましい。
【0101】図5における(b−1)は、第1工程(第
1回目のインク噴射工程)において1回目にプリントヘ
ッドを主走査X方向に移動させてインクを噴射させた状
態を示す。図示例では、プリントヘッドHにおけるノズ
ルN1〜N5が副走査方向に所望のパターンドットピッ
チの2倍のピッチで配列されている。そのため、1本お
きの主走査ライン上にインクが噴射される。1回の主走
査方向へのプリントヘッドH移動走査で、主走査方向に
長い帯状の噴射領域が形成される。
【0102】プリントヘッドHにおけるノズルがN1〜
N5の5ノズル構成である場合を示しているので、主走
査が終わるとつぎにノズル間ピッチの5倍の副走査幅を
以て受像媒体Pを副走査方向に送る。この副走査方向へ
の送りを終え、次の主走査方向のプリントヘッド移動を
行った結果を図5の(b−2)に示す。
【0103】本発明では、先行の帯と後続の帯は所定の
ピッチで隣接し、受像媒体上において、2次元的に均等
なドットの配列の分布でプリントが行われるように副走
査送りを制御するが、完全な送り制御は困難であるため
に、帯のつなぎ目のドットピッチの不揃が生じる。
【0104】また、先行の帯はインク固化エネルギ付与
手段Eの作用領域に差し掛かるために液状のインクは固
化する。
【0105】更に帯状の走査をm回、繰返すと図5の
(b−m)に示すように、所定の領域にドット密度の低
いパターンの作成が終了する。その後も未固化インクド
ットによるパターン形成部分がインク固化エネルギ付与
手段Eの作用域に到達するまでは副走査方向の送り続
け、その後に受像媒体を逆方向に戻す。
【0106】受像媒体が逆方向に戻されると、その終了
段階から第3の工程のインク噴射を行うが、第3工程に
おいては最初の段階での副走査方向に対する走査位置が
第1工程での走査の幅を二分割した量だけ、第1工程で
の最初のインクドット形成位置よりはみ出すようにし、
かつ、インクドット形成位置が二つの帯の間に跨がるよ
うに位置決めをし、かつ第1工程でのドット位置を補間
する位置に第3工程でのインクドット形成位置が来るよ
うに位置決めされるよう、受像媒体の戻し位置及び副走
査送りを制御する。
【0107】そして、プリントヘッドHのノズル間ピッ
チの5倍(この例ではプリントヘッドHはそのノズルが
N1〜N5の5ノズルの配列構成であるので、ノズル間
ピッチの5倍が副走査方向の1回あたりの走査量とな
る)の走査幅で副走査し、インク噴射を行う。
【0108】図5の(c−1)は、第3工程における1
回目の主走査方向へのヘッドの送りによって得られたド
ットを白丸で示してある。但し、1回目の走査に限り、
受像媒体Pをはみ出し、あるいは第1工程での走査時の
ドットを補間しない位置にプリントドットが来るので、
このドットは実際には噴射しないように制御するものと
する。
【0109】このように、横縞模様状にインクのライン
が分布するかたちで帯状にプリントを行う第1の工程に
よるプリントを、ライン間が等ピッチで分布するように
副走査方向の走査を交えながら受像媒体上に順次、実施
し、プリントされたインク固化エネルギ付与手段により
固化させるようにしながら、これを所要回実施した後
に、受像媒体を最初のプリント位置まで戻し、帯状プリ
ントの帯幅の半分だけ元の帯状プリント位置より副走査
方向にずらして上記プリントと同様のプリント行ってゆ
くと云う一回目と二回目でのインクドット形成位置の副
走査方向位相を大幅シフト方式とした結果、一回目で形
成された帯に対して二回目での帯の形成が隣接する別の
帯の形成領域に跨がるようにして行われるので、帯のつ
なぎ目のドットピッチムラが濃度ムラとして目立つ現象
が改良され、ムラの少ないパターンとなる。
【0110】ゆえに、実施例5によれば、帯状(ライン
状)のインク噴射領域の境界部におけるプリントむらの
発生を防止して画質を向上させることができ、かつ、高
速プリントを可能にする。
【0111】また、本実施例によれば、発明インクの乾
燥や固化に時間を要するインクや受像媒体を用いてパタ
ーン作成する場合に、ベタ画像部やインクの付着量が多
い画像部分においてもパターンのにじみや流れ出しを生
ずることのないパターン作成を実現することができるこ
とから、これによってインクの乾燥に時間を要するフィ
ルムやトレーシングペーパ上にプロセスカラーであるシ
アン、マゼンタ、イエロー等のインク画像を重ね合わせ
て噴射すると、未乾燥のインク同士が混じり合って流動
してしまい、正常にプリントを行うことができないと云
った従来の問題点をも解決できて、フィルムやトレーシ
ングペーパ等のインクの吸収乾燥の遅い媒体上におい
て、各色のインクが混じり合ったり流動したりすること
なく正常にプリントすることができるようになる。
【0112】(実施例6)次に本発明の好ましい実施例
について説明する。実施例6では前記実施例1に記載す
るインクジェットパターン作成方法において、気化性溶
媒を含む液状インクを用い、インクを固化させるために
熱エネルギを受像媒体のパターン作成面に作用させるよ
うにする。
【0113】図6は上記実施例の説明図である。同図に
おいて(a)はパターン作成の工程を示し、(b)はド
ット配列の上面図、(c)はドットの断面方向の配列を
示す図である。
【0114】I は第1工程で、気化性の溶媒を含むイン
クを、所望のドット密度よりも低いドット密度で受像媒
体2上に噴射し、未固化のインクドット1を受像媒体2
上に形成する工程である。インクは水をベースとして染
料、顔料を分散させたものと、有機溶剤中に染料、顔料
を分散させたものも実用化されているが、いずれも溶媒
が気化することによって乾燥状態となってインクは固化
する。
【0115】IIは第2工程で、インクによるドット1が
形成された受像媒体2を加熱して、溶媒を強制的に気化
させ、固化させてしまう(1aがその固化されたインク
ドットを示している)。熱ロールを接触させたり、温風
を吹き付けたり、オーブンヒータで加熱することによっ
て熱を作用させる。
【0116】III は第3工程であり、先行して作成した
ドットを補間するように所望のドット密度より低いドッ
ト密度でインクを噴射する(新たなインクドット1の形
成)。
【0117】IVは第4工程で、第3工程III において噴
射したインクのドット1を加熱して気化性の溶媒を気化
させ、インクを乾燥する工程である。
【0118】以上、図6の実施例においては、気化性溶
媒を含む液状インクを用い、インクを固化させるために
熱エネルギを受像媒体のパターン作成面に作用させるよ
うにしたものであり、所望のドット密度よりも低いドッ
ト密度でインクを噴射するため、インクの流れ出しが防
止され、かつ熱気化性のインクを使用したことで、熱に
よってインクの溶媒を気化させてから次のインク噴射を
行うので、所望のドット密度のパターン形成においても
インクのにじみ、流れ出しは防止される。
【0119】(実施例7)次に本発明の別の好ましい実
施例を実施例7として図7を参照して説明する。実施例
7では実施例1のインクジェットパターン作成方法にお
いて、感光性樹脂液からなる液状インクを用い、インク
を固化させるエネルギとして感光性樹脂液を重合させる
活性化光線を用いるようにする。
【0120】図7に示すように、第1工程I で受像媒体
面に感光性樹脂液からなる液状インクの噴射を行うが、
実施例6と同様に、インクは所望のドット密度よりも低
いドット密度で噴射する。感光性樹脂液は紫外線硬化樹
脂、あるいは可視光硬化樹脂として公知であり、プレポ
リマー、反応性モノマー、増感剤、安定剤等を混合し、
これに着色剤である染料や顔料を溶解または分散させて
インクとする。
【0121】第2工程IIで受像媒体面上の感光性樹脂液
を重合硬化させるために、重合活性化光線である紫外光
また可視光を照射する。
【0122】次いで第3工程III において、硬化したパ
ターンを有する受像媒体面へ先行ドットを補間するよう
に、所望のドット密度よりも低いドット密度でのインク
噴射を行う。
【0123】そして、第4工程IVにおいて、再度重合活
性化光線である紫外光または可視光を照射してインクを
硬化させる。
【0124】活性化光線による樹脂液の硬化は、光源の
強度を適正なものとすれば短時間で確実にインクを硬化
させることができ、従って、所望のドット密度のパター
ンを、インクの流れ出しなしに作成することができるよ
うになる。
【0125】(実施例8)つぎに上述したようなパター
ン作成方法を実現するハードウェアの具体的構成例をつ
ぎに説明する。ここでは、インクに対する受像媒体の馴
染み等の特性を考慮して最適な動作を可能にするハード
ウェアの例を実施例8として説明する。液状のインクを
ノズルから噴射して受像媒体上にインクドットによるパ
ターンを作成する装置の場合、この受像媒体が紙の場合
にはインクは紙に吸収されるので乾燥は早い。ところが
受像媒体がフィルムやトレーシングペーパのようにイン
クを吸収する性質が乏しい材料で作られた媒体を使用す
る場合には、インクは受像媒体への表面に留って、乾燥
は極めて遅くなる。
【0126】未乾燥のインクによるパターンが形成され
た受像媒体を搬送したり、装置から送り出すと、受像媒
体上においてインクがパターン作成面にこすれて汚した
り、他の部材を汚してしまう問題が生ずる。そこで、本
発明ではプリントすべきパターンを本来必要とするドッ
ト密度より粗なるドット密度でインクを噴射してパター
ンを形成し、これにインク固化のためのエネルギを付与
してインクの固化を促進し、インクが固化したならば、
先の粗なるドット密度での形成パターンでの不足するド
ット部分を補間するように粗なるドット密度でインクを
噴射してパターンを形成し、これにインク固化のための
エネルギを付与してインクの固化を促進し、受像媒体上
においてインクがパターン作成面にこすれて汚したり、
他の部分を汚したりしないようする構成とすることは勿
論であるが、インク固化のためのエネルギを付与する構
成とすると、エネルギ消費も大きくなるので、インクと
受像媒体の質的関係を考慮してインク固化のためのエネ
ルギが必要なときのみ、必要分のエネルギを付与できる
ようにして省エネルギ化を図ることも重要であるから、
この点を含めて実現するハードウェア構成例を説明す
る。
【0127】乾燥を促進する構造とするために本発明に
おいては、液状のインクをインクジェットノズルから噴
射するプリントヘッドに対向させて部材を移動させる副
走査手段と、パターン信号に従ってプリントヘッドをド
ライブする手段と、シート部材に作用してインクの乾燥
を促進させる加熱手段を設ける。そして更に、省エネ化
を実現するために、加熱手段への通電、非通電およびま
たは通電時の加熱量を選択指定する手段と、上記指定手
段の指定に応動する通電制御回路を設けて構成する。
【0128】図8はこのような構成のパターン形成装置
の実施例を示すブロック図である。
【0129】同図において、21はインクジェットプリ
ントヘッドで、移動走査台22に載置させてある。移動
走査台22は主走査方向(X軸方向)に沿って配置され
たガイドレール23に係合すると共に、主走査方向に沿
って配置されたガイドプレート26に係合するスライダ
25とによって走査位置を規制されながら、ボールネジ
24の回転によって移動し、主走査を行う。このボール
ネジ24はガイドレール23に近傍でかつ平行に配置さ
れている。
【0130】37はシート部材供給ロールであり、受像
媒体であるシート部材はこのシート部材供給ロール37
から繰り出され、プラテン20に沿って配置されたピン
チローラ16、ガイドプレート17に案内されてインク
ジェットプリントヘッド21のインク噴射位置へと送り
込まれる。
【0131】プラテン20はシート部材供給ロール37
位置近傍からインクジェットプリントヘッド21の配置
領域に至る間に配置され、かつ、インクジェットプリン
トヘッド21の走査域をカバーするように配置されてい
る。
【0132】プラテン20には中央領域に切欠き15が
設けられていて、この切欠き15の位置にシート部材搬
送面に接するように搬送ローラ27が配置されている。
この搬送ローラ27は副走査モータ41によって回転駆
動される。そして、搬送ローラ27とこの搬送ローラ2
7にシート部材搬送面側から接して配置されたピンチロ
ーラ18とに挾持されることによってシート部材に搬送
力を与える。搬送ローラ27の下流にインクジェットプ
リントヘッド21のインク噴射部が来るようにしてあ
り、シート部材搬送面にプリントヘッド21のノズルが
対向している。
【0133】シート部材搬送経路におけるインクジェッ
トプリントヘッド21インク噴射部の位置の下流側に
は、ヒートローラ28と排出ローラ36を設ける。ヒー
トローラ28は主走査方向に軸方向を伸ばして配置され
る加熱用ローラであり、ヒートローラ28にはヒータ2
9を設け、プラテン20にはシート部材搬送路の入口側
近傍に当該プラテン20を暖めるためのヒータ19を設
ける。
【0134】前記ボールネジ24を回転駆動させるため
に主走査モータ40が設けてあり、この主走査モータ4
0を駆動制御するために主走査モータドライバ47が設
けてある。搬送ローラ27を回転させるのは副走査モー
タ41であり、この副走査モータ41を駆動制御するた
めに副走査モータドライバ48が設けてある。
【0135】前記排出ローラ36はその軸方向をヒート
ローラ28の軸方向と平行にしてあり、かつ、このヒー
トローラ28に接して配されると共に、排出ローラモー
タ42によって常時回転力が与え、シート部材供給ロー
ル37から繰り出されてシート部材搬送路をヒートロー
ラ28へと掛け渡されたシート部材が、常時タルミを生
ずることがないように送り出す。
【0136】45はパターン信号回路で、プリントしよ
うとするパターンの原信号を供給する回路である。46
はプリント信号回路であり、このプリント信号回路46
はこのパターン信号回路45からの原信号を受けてマル
チノズルのインクジェットプリントヘッド21に適合す
る順序及びタイミングにパターン信号を並べ換えるもの
である。
【0137】50,53はヒータ制御回路であり、これ
らヒータ制御回路50,53はヒータ29,19への通
電を、制御回路51の信号に基づいて制御するものであ
る。
【0138】制御回路51はパターン作成のための信号
の制御、モータの制御、ヒータの通電制御などを行う回
路であり、パターン作成のための信号、モータの駆動、
ヒータの通電などはこの制御回路51から相互に関連を
もたせて送出する制御信号に従って行われる。
【0139】54はヒータの加熱条件を指定する加熱指
定操作装置である。加熱指定操作装置54はパターン信
号回路45にパターン信号を転送するホスト装置(ホス
トコンピュータなど)のキーボードを用いることもでき
る。また、パターン作成装置の操作パネルに設けたキー
であってもよい。あるいはパターン作成装置に設けた切
替スイッチ等であってもよい。
【0140】本発明の装置はシート部材供給ロール37
からプラテン20を経てヒートローラ28へと、シート
部材を掛け渡す。ヒートローラ28には排出ローラ36
があり、この2つのローラ間にシート部材を挾持させ、
排出ローラモータ42を駆動させて排出ローラ36に回
転力を与えることにより、シートにはテンションが与え
られ、たるみが除去される。
【0141】本装置ではプリント開始前に加熱指定操作
装置54を操作して受像媒体の材質に応じたインク乾燥
の処置のための設定を行う。例えば、シート部材が普通
紙のようにインク吸収性がある場合には加熱手段による
シート部材の加熱は不要であるか、または低温の加熱で
良い。従って、この場合、加熱指定操作装置54は加熱
OFFまたは低温度加熱を指定する。
【0142】この指定を受けて制御回路51はヒータ制
御回路50,53に指令してヒータ29およびまたは1
9への通電をOFFまたは低温度制御、低電力通電を行
わせる。
【0143】これに対し、受像媒体がプラスチックフィ
ルムやトレーシングペーパのように、インク吸収性に乏
しい媒体である時は、加熱指定操作装置54からの指定
を高温とする。すると、この指定を受けた制御回路51
はヒータ制御回路50およびまたは53へ指令し、ヒー
タ19,29への通電を大電力にし、あるいは制御温度
を高温度に設定する。
【0144】この状態で制御回路51は副走査モータ4
1を回転駆動させ、搬送ローラ27を回転させることに
よりシート部材がロール37から送り出される。シート
部材がロール37から送り出されると、シート部材は、
まず加熱されたプラテン20に接触して加温され、その
状態でインク噴射部に送り込まれる。制御回路51によ
って制御されるプリント信号回路46はパターン信号回
路45から出力されるパターンの原信号を受けてマルチ
ノズルのインクジェットプリントヘッド21に適合する
順序及びタイミングにパターン信号を並べ換え、当該イ
ンクジェットプリントヘッド21に与えてインク噴射駆
動制御をする。
【0145】また、主走査モータ40は制御回路51に
よって制御される主走査モータドライバ47の出力に応
動して回転駆動され、ボールネジ24を回転駆動させて
プリントヘッド21を主走査方向に駆動走査させる。
【0146】このようにしてプリントヘッド21が主走
査方向に移動しながらシート部材に対し、パターンの原
信号対応に、帯状の領域についてインクを噴射する。
【0147】噴射されたインクの溶媒は、通常、水を主
成分とするが、シート部材が加温されているので気化速
度が早まる。直ちに溶媒は気化せずとも、副走査方向に
部材が送られると、次にヒートローラ28の作用領域を
通過する。
【0148】この間も、シート部材は加熱作用を受けて
インクの乾燥は促進され、パターン領域が排出ローラ3
6に到達するまでには乾燥状態とすることができる。
【0149】なお、図7の実施例では2箇所にヒータを
設けたが、いずれか一方であっても良い。そして、通電
制御に関しても、両ヒータを同じモードで制御しても良
いが、一方のみを制御し、他方は常時加熱状態に保つよ
うに制御しても良い。
【0150】このように、シート部材加熱用のヒータを
設けると共に、シート部材に対応させてヒータの加熱制
御を指定する構成とすれば、普通紙のようにインク吸収
性の良いシート部材使用時には加熱を抑制できて消耗電
力の増大を防止でき、プラスチックフィルムやトレーシ
ングペーパのようにインク吸収性の悪いシート部材を使
用する時は加熱を行って強制的にインクの乾燥を促進さ
せ、インク噴射によりプリントを進めながらシートを搬
送させるにあたり、未乾燥のインクを搬送系のローラな
どにより擦ってシート部材のパターン作成面を汚すとい
った心配を解消することができる。
【0151】また、本実施例によれば、インクの乾燥や
固化に時間を要するインクや受像媒体を用いてパターン
作成する場合に、ベタ画像部やインクの付着量が多い画
像部分においてもパターンのにじみや流れ出しを生ずる
ことのないパターン作成を実現することができることか
ら、これによってインクの乾燥に時間を要するフィルム
やトレーシングペーパ上にプロセスカラーであるシア
ン、マゼンタ、イエロー等のインク画像を重ね合わせて
噴射すると、未乾燥のインク同士が混じり合って流動し
てしまい、正常にプリントを行うことができないと云っ
た従来の問題点をも解決できて、フィルムやトレーシン
グペーパ等のインクの吸収乾燥の遅い媒体上において、
各色のインクが混じり合ったり流動したりすることなく
正常にプリントすることができるようになる。
【0152】なお、パターン作成速度の高速化に伴って
普通紙のようにインク吸収性の良いシート部材であって
も、未乾燥のまま部材が排出される問題が発生するが、
このような問題を解消するためには、ヒータへの通電を
小電力で行い、弱い乾燥作用を与えるように制御して、
乾燥作用を維持しながら消費電力の増大を防止するよう
に構成する。
【0153】次に上記のパターン作成装置において、加
熱条件の指定を自動化した実施例について実施例9とし
て説明する。
【0154】(実施例9)すなわち、本発明においては
図8で構成を説明したように、インクの乾燥を促進する
ための加熱処理を行うためのシート部材用の加熱手段を
有すると共に、加熱手段の通電およびまたは加熱温度の
高低を指定、制御する手段を設けたパターン作成装置に
おいて、シート部材の種別を検知する手段と、検知信号
に基づいて加熱指定信号を作成する加熱モード指定回路
を設けるように構成した。
【0155】図9は実施例9を実現する装置構成図であ
り、図8の装置に一部、変更を加えたものとなってい
る。すなわち、同図においてつぎに説明する38と55
を付加した構成となっている。図9において、38はシ
ート部材検知装置であり、シート部材検知装置38はガ
イド17近傍に配置されて、シート搬送路上のシート部
材の材質を検知する。55はこのシート部材検知装置3
8からの検知信号を受けて加熱手段の制御モードを自動
的に選択する加熱モード自動指定回路である。
【0156】シート部材検知装置38は、例えば反射式
の光電センサを用いる。そして、シート部材検知装置3
8の検出視野となる領域にあたるプラテン20は、その
シート部材に面する部分を黒くしておく。本装置では、
シート部材が普通紙のように反射率が高いものであれ
ば、高い検知出力が得られ、トレーシングペーパのよう
に半透明なものであれば中間の検知出力が得られ、透明
フィルムの場合には低い検知出力が得られることを利用
してシート部材の材質を検知する。
【0157】加熱モード自動指定回路55には比較値を
設定した比較回路を設けておき、この比較回路により、
上記シート部材検知装置38の検出出力を、予め設定し
た設定値と比較してシート部材の種別を自動判別させ
る。
【0158】加熱モード指定回路55は当該判別信号か
らシート部材の種別を認識し、この認識した種別対応に
加熱手段の制御モードを指定する信号を出力する。この
指定信号は制御回路51へ与えられ、制御回路51はこ
の指定信号対応に加熱手段の制御を行うことになる。加
熱手段の制御の詳細は図8で説明したものと同じであ
り、また、その他の要素の制御も図8で説明したものと
同じである。
【0159】以上、図9で説明した本発明の実施例によ
れば、使用するシート部材の材質を自動判別して最適な
ヒータの制御を自動的に行う構成としたから、ヒータの
制御の指定ミスを生ずることがなく、またマニュアル指
定の場合のようにシート部材交換毎の設定の煩わしさを
解消して、シート部材に適したヒータの加熱指定を行う
ことができる。
【0160】(実施例10)以上は、ヒータによる強制
加熱を行ってインクの乾燥を促進する構成の装置につい
て説明した。しかし、このような方式でなくともインク
の乾燥不良による画面や装置の汚れ発生を防止すること
ができる。その例をつぎに説明する。
【0161】シート部材として普通紙のようにインク吸
収性があって乾燥し易い部材と、プラスチックフィルム
やトレーシングペーパのように、インク吸収性に乏しく
インクが乾燥しにくい部材を共にパターン作成の部材と
して受け入れるパターン作成装置において、実施例10
では、乾燥しにくい部材に対応させた別のパターン作成
モードを設けることによって、インクの乾燥不良による
画面や装置の汚れ発生を防止する。
【0162】すなわち、本発明においては、液状のイン
クをインクジェットノズルから噴射するプリントヘッド
に対向させてシート部材を移動させる副走査手段と、パ
ターン信号に従ってプリントヘッドをドライブする手段
と、シート部材に作用してインクの乾燥を促進させる加
熱手段とを有するインクジェットパターン作成装置にお
いて、シート部材の送り速度を高速度と低速度に切替え
るモード指定手段と、上記モード指定手段の指示に応動
し、加熱手段に通電制御と副走査送り速度の切替を行う
制御手段を設けるようにする。
【0163】図10は上記構成の実施例10の説明をす
るブロック図である。
【0164】同図において、21はマルチノズルインク
ジェットプリントヘッドであり、移動走査台22上に載
置させてある。走査台22は実施例1で説明したと同様
の構造を用いていおり、ガイドレール23と、ガイドプ
レート26に係合するスライダ25によって走査位置を
規制されながらボールネジ24の回転によって移動し、
主走査を行う。
【0165】37はシート部材供給ロールであり、ガイ
ド板31を経由して搬送ローラ27とこれに接して配置
されるピンチローラ33のニップ部に送り込まれる。2
8はヒートローラであり、このヒートローラ28は中心
部にヒータ29を備える。また、このヒートローラ28
には外周に接して排出ローラ36があり、シート部材は
両者のニップに保持される。
【0166】プリントヘッド21と対向する位置にプラ
テン30があり、シート部材を位置決めしている。34
はシート部材をガイドする拍車であり、35はガイドプ
レートである。ガイドプレート35は、シート部材の先
端がマルチノズルインクジェットプリントヘッド21の
インク噴射部を抜けてからヒートローラ28と排出ロー
ラ36のニップ部に到達するまでの間をガイドする。
【0167】移動走査台22を主走査方向に駆動移動す
るためのボールネジ24を回転駆動させるのは主走査モ
ータ40であり、搬送ローラ27を回転させるのは副走
査モータ41であり、また、排出ローラ36は排出ロー
ラモータ42の回転力を受けてシートにタルミが生じな
いようにシートに張力を与える役割を果たす。
【0168】45はパターン信号回路であり、実施例1
と同様にパターンの原信号を供給する。プリント信号回
路46はこの信号を受けて、プリントヘッド21に適合
する順序及びタイミングに信号を並べかえて供給する回
路である。
【0169】更に各モータには駆動制御を行うためのモ
ータドライバが接続される。すなわち、47は主走査モ
ータ40駆動用の主走査モータドライバ、48は副走査
モータ41駆動用の副走査モータドライバ、49は排出
ローラモータ42駆動用の排出モータドライバである。
また、ヒータ29はヒータ制御回路50によって通電制
御される。
【0170】各信号回路、モータドライバ回路、ヒータ
制御回路は制御回路51の制御指令によるタイミング及
び指定に従って動作する。そして本発明においては、モ
ード指定装置52によって、シート部材の送り速度を切
替える指令を送り出す。
【0171】シート部材が普通紙のようにインク吸収性
に優れている材質である場合は、高速度でパターン作成
を行っても支障はない。そこで、モード指定装置52に
よって高速モードを指定する。
【0172】モード指定装置52は本装置の動作指令を
行ったり、パターン信号回路45にパターン信号を転送
するホスト装置(ホストコンピュータなど)のキーボー
ドであってもよいし、また本パターン作成装置に附属さ
せたオペレーションパネルのボードのスイッチであって
もよいし、パターン作成装置に取付けた切替スイッチ等
であってもよい。
【0173】モード指定装置52からモードの指定を受
けた制御回路51は、プリント信号回路46の動作と、
主走査モータドライバ47、副走査モータドライバ4
3、排出モータドライバ49、ヒータ制御回路50等の
動作タイミングと動作パラメータの制御を行う。
【0174】プリントヘッド21が往復動して主走査が
行われる構成のパターン作成装置では、シート部材の送
り、すなわち、副走査送りは間欠的に行われる。この場
合、主走査の送り速度や副走査のステップ送り速度は変
化させず、副走査送りの休止時間を長くすることによっ
てシートの送り速度を調整するのが好適である。
【0175】一方、高速モードの指定を受けた時、プリ
ントヘッドの往動時のみ、インク噴射を行うように構成
されたパターン作成装置では、復動時の間にステップ送
りを終了させ、プリントヘッド21の連続した往復動に
よってパターン作成を行う。
【0176】また、プリントヘッド21の往動復動時共
にインクの噴射を行うようにしたパターン作成装置の場
合、往動及び復動の終了時にステップ送りに必要な最少
の時間をとって往復動走査を繰り返す。
【0177】高速モードが選ばれる場合には、使用して
いるシート部材が普通紙のようにインク吸収性に優れて
いる材質であり、インクの吸収乾燥が速いので、ヒータ
29への通電はOFFとするか、低電力通電として不必
要な通電加熱は行わないように制御することが好まし
い。
【0178】シート部材がプラスチックや金属のように
インクを吸収しない表面を有する場合にはモード指定装
置52によって低速モードを指定する。
【0179】このモードが指定された場合、制御回路5
1は副走査モータ41のステップ送りの休止時間を延長
してシート部材の送り速度を低下させ、シート部材面の
インクが乾燥する時間を確保する。また、このモードの
場合、制御回路51はヒートローラ28のヒータ29へ
の通電はONとし、あるいは通電電圧、制御温度の設定
を高く設定制御してインクの乾燥を促進させる。
【0180】この加熱手段(ヒータ29)による加熱作
用の下で、しかも、シートの送り速度を低くすることに
よってインクの乾燥はより確実に行われる。
【0181】制御回路51はシートのステップ送りの休
止時間の延長に対応させ、プリント信号回路46からの
信号送出のタイミング及びプリントヘッド走査送りのタ
イミングを整合させる。
【0182】以上、図10で説明した構成によれば、パ
ターン形成に使用するシート部材の材質に対応させて、
インク乾燥性の良い材質のシートに対しては副走査方向
の送り速度を速くし、インク乾燥の遅いシートに対して
は副走査方向の送りを遅くして必要な乾燥時間を確保す
るとともに、シートに対して加熱手段等の乾燥促進手段
を有効に作用させ、乾燥を促進させるようにする。
【0183】(実施例11)次に上記実施例10の本発
明装置において、モードの指定を自動化した実施例を実
施例11として説明する。
【0184】すなわち、本発明装置においては、上記図
10にて説明した構成の装置において、シート部材の種
別を検知する手段と、検知信号に基づいてモードを自動
設定するモード指定回路を設けるようにした。
【0185】図11は上記本発明の装置の実施例の構成
図である。図10と異なる点はシート部材の材質を検出
するシート部材検知装置56を設けたこと、また、この
シート部材検知装置56の検出信号を受けてモードを自
動的に指定するモード自動指定回路52′を設けた点に
ある。なおガイドローラ44を設け、シート部材検知装
置56に対してシート部材の走行位置が一定になるよう
にしてある。
【0186】シート部材の材質を検出するシート部材検
知装置56としては、例えば透過型光センサを用いる。
シート部材として普通紙、トレーシングペーパ、透明フ
ィルムが用いられるとすれば、各シートによって光透過
率が異なるので、透過光量対応に検出出力を発生する当
該透過型光センサの出力電圧値が低、中、高と変化す
る。
【0187】モード自動指定回路52′は制御回路51
に対して上記検知出力に基づいてモードを指定する。例
えばインク乾燥性の良い普通紙の場合、透過型光センサ
の出力は小さいので、モード自動指定回路52′に設定
した比較レベルより小さいことを判別し、制御回路51
に対して高速モードを指定する。すなわち、モード指定
回路52には比較値を設定した比較回路を設けておき、
この比較回路により、上記シート部材検知装置56の検
出出力を、予め設定した設定値と比較してシート部材の
種別を自動判別させる。普通紙の場合、透過型光センサ
の出力は小さいので、モード指定回路52は、当該セン
サの出力が設定した比較レベルより小さいことを判別
し、これによって、普通紙であることを識別して制御回
路51に対して高速モードを指定する。
【0188】これに対してトレーシングペーパと透明フ
ィルムの場合は、透過型光センサの出力は比較レベルよ
りも高い検知出力となるので、これを受けたモード自動
指定回路52′は普通紙でないことを判定して、制御回
路51に対して低速モードを指定する。制御回路51は
これらのモード対応に実施例10での動作と同様の制御
動作を実施する結果、インク吸収性の良い普通紙に対し
てはプリントの際の副走査を高速に行い、高速プリント
を行うとともに、インク吸収性の悪いトレーシングペー
パや透明フィルムではプリントの際の副走査を低速に行
い、かつ、強制乾燥処置を施して乾燥不良を防止する。
【0189】以上、図11で説明した実施例によれば、
自動的にモードの設定が行われるので、モード設定ミス
が防止され、また、モード設定の煩わしさがない。
【0190】シート部材の加熱はインクを噴射した後で
も効果があるが、インク噴射前に加熱しておけば、イン
ク噴射と同時に乾燥の作用効果を生ずるので、カラープ
リントのように、瞬時に各色のインクが重ねて噴射され
る場合にも、インクが液状で混合して流動してしまうの
を防ぐ作用も得られる。しかし、その一方で、シート部
材をその搬送路移動中に順次加熱する構成では、熱効率
が悪くて著しく多量の電力を消費してしまう。
【0191】このような課題に対応するための実施例を
次に説明する。
【0192】(実施例12)シート部材をその搬送路移
動中に順次加熱する構成では、熱効率が悪くて著しく多
量の電力を消費してしまうと云った課題に対応するため
に、本発明においては、液状インクを適用したインクジ
ェットプリントヘッドと、ロールから供給されるシート
部材をインクジェットプリントヘッドに対向させて副走
査方向に搬送する手段を有するインクジェットパターン
作成装置において、インクジェットプリントヘッドに対
し、シート部材供給ロールと反対側に設けた加熱源を含
む一時巻取りローラと、供給ロールと一時巻取りローラ
間でシート部材を往復動方向に搬送する搬送手段と、シ
ート部材の往復動搬送を制御する回路を設け、上記制御
回路は、シート部材のパターン作成領域をプリントヘッ
ドによるインク噴射に先立って一時巻取りローラに巻込
み、次いで一時巻取りローラからシート部材を供給する
ローラ側に送りながらインクジェットプリントヘッドを
作動させてパターン作成するように動作制御する構成と
する。
【0193】図12は上記構成の実施例図である。まず
図12(a)はパターン形成装置の構成を示すブロック
図である。同図において21はインクジェットプリント
ヘッドであり、移動走査台22上に載置されていて、ガ
イドレール23及びガイドプレート26に係合するスラ
イダ25によって位置規制されながらボールネジ24の
回転によって主走査移動を行う。この構成は今まで説明
してきた各種実施例で採用した構成と変わりはない。
【0194】シート部材供給ロール37から供給される
シートはプラテン20の切欠部に設けた搬送ローラ27
とピンチローラ18によって挾持され、搬送ローラ27
の回転による搬送力を受ける。
【0195】61,61′は一対のガイドローラであ
り、シート搬送経路におけるインクジェットプリントヘ
ッド21位置の下流側(シート部材の順方向搬送方向
(副走査方向)の下流側)に設けられる。ガイドローラ
61,61′の出口側はシート部材の搬送経路が2方向
に別れていて、62はその切替手段である切替板であ
り、軸63を中心に回動操作することができ、この切替
板62の回動操作により、シートの搬送経路を出口側と
一時巻取りローラ28′側のいずれかに切り替えること
ができる。一時巻取りローラ28′は内部に発熱源であ
る棒状のヒータ29を設けてあり、外周をガイドプレー
ト64で覆われ、また押えローラ65が巻取りローラ2
8′に接している。なお、押えローラ65は一時巻取り
ローラ28′に巻取られるシートの量に応じてラジアル
方向に退避可能な構成となっている。
【0196】66,66′は一対の排出ローラ、67は
排出ガイド板であり、シートの搬送経路の出口側に至る
経路に配置されていて、切替板62の回動操作により、
シートの搬送経路を出口側に切り替えた際に、シートを
出口へと案内するためのものである。16はシート搬送
経路におけるプラテン20の入口側に配されたピンチロ
ーラ、17はガイドプレートで、ピンチローラ16によ
りプラテン20へと導かれたシートを搬送ローラ27と
ピンチローラ18間へと搬送経路上を導くための案内で
ある。
【0197】40は主走査モータであって、主走査モー
タドライバ47で駆動され、プリントヘッド21をボー
ルネジ24の軸方向、すなわち、主走査方向に往復動さ
せる。41は副走査モータであり、副走査モータドライ
バ48で駆動され、主走査の休止中にシート部材をステ
ップ送りして副走査を行う。
【0198】69は一時巻取りローラ28′及びガイド
ローラ61を回転させる巻取りモータであり、巻取りモ
ータドライバ71によって駆動される。巻取りモータ6
9と一時巻取りローラ28′及びガイドローラ61のロ
ーラ軸との間には電磁クラッチ等の制御手段を設け、シ
ートの巻戻しの時に負荷を減ずるようにすることが好ま
しい。
【0199】70は巻戻しモータであり、巻戻しモータ
ドライバ73によって駆動される。68は搬送路切替板
62を動かすソレノイドで、ソレノイドドライバ72に
よって駆動される。
【0200】この実施例におけるパターン形成装置にお
いても、作成するパターン信号はホスト装置58から送
られ、パターン信号回路45でラスタ信号に変換される
か、または同回路でパターン信号を発生させる。プリン
ト信号回路46はこの信号を受けてプリントヘッド21
のノズル配列に対応した信号に変換する。そして、制御
回路57Aは、本パターン形成装置におけるメカニカル
な動作とパターン信号の流れを制御して全体的な動きの
整合を指令する。
【0201】19はプラテン用のヒータで、プラテン2
0におけるシート搬送経路入口側近傍に配されており、
プラテンへと送られるシートを加熱するためのもので、
ローラ用ヒータ29と共にヒータ制御回路50,53に
よって通電制御を受ける。
【0202】本装置によってパターン作成は以下のよう
に行う。まず、ホスト装置58からパターン作成領域の
長さに関する情報を制御回路57Aへ送り込み、この情
報に基づいて図12(b)にタイムチャートで示すよう
に制御する。
【0203】すなわち、副走査モータ41及び巻取りモ
ータ69及び巻取りモータ69の図示しないクラッチ
A,B(巻取りモータ69と一時巻取りローラ28′及
びガイドローラ61のローラ軸との間に配されるクラッ
チ)及びソレノイド68をオンとする。なお、ヒータ2
9及び19は事前にオンしておき、プラテン20や一時
巻取りローラ28′を加温しておくことが好ましい。一
時巻取りローラ28′はシート部材の送り込まれる速さ
よりも速い周速で回転している。また、ソレノイド68
がオンとなることにより、切替板62は一時巻取りロー
ラ28′側に搬送経路を切り替える。
【0204】この結果、シート部材供給ロール37から
供給され、プラテン20を経てローラ61より切替板6
2へと導かれ、さらに切替板62からガイドプレート6
4へと導かれる。ガイドプレート64は一時巻取りロー
ラ28′の外周に沿って配されているので、ガイドプレ
ート64へと導かれたシート部材の先端は、このガイド
プレート64及び押えローラ65の作用でローラに巻き
付く。一時巻取りローラ28′はシート部材の送り込ま
れる速さよりも速い周速で回転しているためにシート部
材はローラ28′に巻き締められる。
【0205】シートが一時巻取りローラ28′に巻き締
められると、モータ69の回転が低くなるかクラッチに
滑りを生じて、シート部材は搬送ローラ27の周速度で
送られる。こうしてパターン作成に必要な長さに略等し
い長さのシートが巻取られると、制御回路57Aの制御
によって副走査モータ41はオフとなり、巻取りモータ
69またはクラッチA,Bもオフとなる。
【0206】一時巻取りローラ28′に巻かれたシート
部材は、一時巻取りローラ28′内のヒータ29によっ
て加熱される。そして、制御回路57Aはシート部材の
最外周面上が加熱されてからパターン作成の工程をスタ
ートさせる。
【0207】制御回路57Aはまず副走査モータ41
を、巻き戻し方向、すなわち供給ロール37側へシート
を巻取る方向へシートを送るように制御する(逆送り方
向への搬送)。そして、一時巻取りローラ28′によっ
て加熱されたシート部分がプリントヘッド21に対向す
る位置に到達した時に、制御回路57Aはこれを停止さ
せる。制御回路57Aは次に副走査モータ41を動作さ
せ、また、プリントヘッド21を副走査方向に移動させ
る。この動作の間にプリント信号回路46からプリント
信号がプリントヘッド21に送られることによって、帯
状の細長い領域にインク噴射が行われる。
【0208】1回の副走査の終了後、制御回路57Aは
副走査モータ41を回転させてステップ的にシートを巻
き戻し方向に送り、その後、次の主走査を行う。制御回
路57Aの制御により、この主副走査の工程を繰り返し
て所定の領域にインクを噴射し終る時点ではシートは大
部分供給ロールに巻き戻されているようにする。
【0209】そして、このパターン作成工程の間、一時
巻取りローラ28′によって加熱されているシートが次
々にインク噴射部分に送られ、シート上に噴射されたイ
ンクの溶媒はシートの持つ熱によって速やかに気化して
しまう。
【0210】なお、シート加熱は一時巻取りローラ2
8′に密着巻きした状態でローラ28′側から加熱する
ので、はじめはローラ28′に巻かれたシートの外周面
まで所要の温度に上昇するのに若干時間がかかるが、そ
れ以後はいかに高速でシートを送り出しても既に巻かれ
るシートの内側は加熱されてしまっているので、加熱不
足ということは起こり得ない。しかも、一時巻取りロー
ラ28′内にヒータを内蔵させてローラ28′を暖め、
ローラ28′にシートを巻きつけることで、シートを加
熱すると云う構造を採用したこの加熱手段における熱効
率が良く、小電力で所望の加熱効果が得られる利点があ
る。
【0211】また、パターン作成中、シート部材供給ロ
ーラ37の巻戻しモータ70は、常時駆動しておいてシ
ートがたるみなくシート部材供給ローラ37に巻取られ
るようにしておくことが好ましいが、その作用力は搬送
ローラ27の搬送量に影響を与えない程度とする。
【0212】また、パターン作成中、巻取りモータ69
はオフとし、クラッチA,Bもオフとして搬送ローラの
抵抗にならないようにしておくことが好ましい。その
後、ソレノイド68をオフとして搬送路を排出口側に切
替え、搬送ローラ27を前進方向(順方向)に回転させ
てパターン作成したシート部材を外へ排出することがで
きる。なお、排出路にカッタを設けてパターン部分のみ
を切替して排出する構成が好ましい。切断したシート部
材の端は、切替板62の手前まで戻して待機する。
【0213】以上、実施例11はヒータを内蔵する一時
巻取りローラにシート部材を巻き取って加熱し、シート
部材を熱効率良く加熱すると共に、これを巻戻して加熱
部分をプリントヘッド位置に戻してから副走査を行いな
がらインク噴射することにより、インクの乾燥をするこ
とができるようにしたパターン形成装置の例を説明し
た。
【0214】ところでこの構成の場合、一時巻取りロー
ラに巻取られるシートの量が多くなるのに従って最外周
のシートが所定の温度に加熱されるまでに要する時間が
異なる。従って、いつパターン作成をスタートさせる
か、そのタイミングの判断が必要となる。
【0215】(実施例13)そこで実施例13として、
前記図12で説明したパターン作成装置において、一時
巻取り量を示す信号を作成する手段と、上記巻取り量を
示す信号に応じて設定される待ち時間設定手段と、設定
待ち時間の終了に基づいてパターン作成工程をスタート
させる制御回路を設けるようにしてパターン作成をスタ
ートさせる最適なタイミングを知ることができるように
した実施例を説明する。
【0216】制御回路57Aは複雑な制御を容易に実現
するために、通常、プロセッサ(CPU)を用いて構成
する。そして、制御内容はプログラムにより実現する。
実施例構成図は図12の制御回路57Aの制御プログラ
ムを上述の動作制御を行うように設定しておくことによ
って実現する。
【0217】すなわち、ホスト装置58からパターン作
成領域の長さの信号が得られるから、この信号に基づい
て待ち時間を演算し、一時巻取りの終了後、タイマを起
動させて上記待ち時間をカウントし、その終了によって
パターン作成をスタートさせる。
【0218】図13は巻取り量によって待ち時間を変更
させる関係を説明する図である。図13における[I]
は、パターン作成領域の長さが短い例で、T1の巻取り
時間で巻取りは終了する。そして、シートはすぐに加熱
されるので、t1の待ち時間の後にパターン作成をスタ
ートさせるために副走査の送りを開始する。
【0219】図13における[II]は中間的な長さの巻
取りで、巻取り時間がT2、待ち時間はt2となる。そ
して図13における[III]は巻取りが長く、T3の巻取
りとt3の待ち時間となる。
【0220】このように巻取り量が長くなるに従って待
ち時間は長くなるように制御することによって巻取り量
に対応した過不足のない待ち時間制御を行うことができ
る。
【0221】また、一時巻取りローラ28′に巻取られ
たシート部材の材質や厚さによっても、最外周のシート
が所定温度に達するまでに要する時間が異なる。それは
材質によって、比熱や熱伝導率が異なるためである。こ
れに適合する最適な実施例をつぎに実施例14として説
明する。
【0222】(実施例14)シート部材の材質や厚さに
適合させて過不足のない待ち時間の設定を可能にするた
めに、本発明における前記図12にて説明した構成のパ
ターン作成装置において、シート部材の種別を指定する
手段と、上記指定手段の指定に応じた待ち時間の演算を
行う制御回路を設けるようにする。
【0223】図14はその実施例図であるが、図12の
構成と比較するとシート部材指定装置59を設けた点
と、制御回路57Aに替えて待ち時間演算のプログラム
を改善した制御回路57Bを設けた点が異なっている。
【0224】シート部材指定装置59はパターン形成装
置の操作パネルに設けたキーや切替スイッチ等で構成し
ても良いし、ホスト装置58のキーボードから入力指定
してもよい。
【0225】制御回路57Bはパターン形成装置として
の基本的な各種制御動作のプログラムの他に、シート部
材の巻取り長さと種類から待ち時間を算出するプログラ
ムを設けておくようにする。
【0226】上記のように構成すれば、シート部材指定
装置59によりシートの種別情報を入力することによ
り、制御回路57Bはシート加熱のためにシート部材を
一時巻取りローラ28に密着巻きした状態でローラ28
側から加熱する際に、シート部材の加熱時間(パターン
形成開始の待ち時間)として、熱伝導性が良いがシート
が薄くて短時間で加熱されるシート部材には短い待ち時
間が設定され、熱伝導性が悪いが、シートが厚くて加熱
に長時間を要すシート部材に対しては長い待ち時間が設
定され、シートの種類に対応した過不足のない待ち時間
設定が行われる。
【0227】そして、待ち時間経過後に制御回路57B
はパターン作成工程をスタートさせる。このように、シ
ート部材の材質に応じた最適な待ち時間を演算し、シー
ト部材を一時巻取りローラ28´に密着巻きした状態で
ローラ28´側から加熱を開始後、その待ち時間の終了
時点でパターン作成工程をスタートさせるように制御す
る結果、使用するシート部材を最適温度に加熱した段階
でパターン作成工程に入ることができるようになる。
【0228】(実施例15)実施例14では待ち時間調
整のために必要なシート部材の種別の指定をマニュアル
で設定する構成を説明した。しかし、待ち時間調整のた
めに必要なシート部材の種別の指定を自動化した方が、
種別指定ミスの発生を防止でき、しかも、操作性が改良
される。その実施例を実施例15としてつぎに説明す
る。
【0229】これを実現するために本実施例においては
図12にて説明したパターン作成装置において、シート
部材の種別を検出する手段と、上記検出手段の信号に応
じて待ち時間の設定を変更する制御回路を設けるように
する。
【0230】図15は上記構成の実施例図である。同図
において56′はシート部材検知装置である反射型のフ
ォトセンサであり、ガイドプレート17に開口部を設け
てここに当該フォトセンサ56′を取付けてある。フォ
トセンサ56′と対向し、かつフォトセンサ56′の検
出視野となるプラテン20上の領域は、黒色塗装処理さ
れていて、プラテン20上を通過するシート部材の反射
光を測定することができるようになっている。そして、
プラテン20上を通過するシート部材の反射光をこのフ
ォトセンサ56′により測定するによって、シート部材
の種別を判定することができるようになっている。
【0231】例えば、シート部材が透明フィルムであれ
ば、反射率は小さいのでフォトセンサ56′の検出出力
はレベルが小さく、シート部材が第2原図用紙であれば
中間の反射率であるから、中間のレベルの検出出力が得
られ、シート部材が普通紙であれば高い反射率であるか
ら高いレベルの検出出力が得られる。
【0232】シート部材指定回路59′には予め各シー
ト部材に対応する参照値が設定されていて、上記検出出
力と比較することによってシート部材の種別を判定する
ことができる。そして、判定結果から制御回路57Bの
待ち時間算出の演算式が自動的に指定される。そして、
制御回路57Bにおいてこの指定された演算式に基づい
て待ち時間算出がなされ、その待ち時間相当分、シート
を加熱した後にパターン作成工程に入る。
【0233】上記パターン作成装置の構成によれば、シ
ート部材の種別の設定がシート部材の検出出力に基づい
て自動的に行われるので設定ミスがなく、設定のわずら
わしさもない。
【0234】なお、シートの種別を検知する手段として
は反射型のフォトセンサ56′を用いる代わりに透過型
の光センサを用いて実現することも可能であり、またシ
ート部材供給ロール37やその紙管に材質対応のマーク
や切欠等の識別情報を与えておいて、これをシート種別
検知手段で読取るようにして情報を得るようにしても良
い。
【0235】(実施例16)使用するシート部材を最適
温度に加熱した段階でパターン作成工程に入るために、
一時巻取りローラ28′に巻取ったシート部材を加熱す
るに要する時間を決定して、この時間分、待った後にパ
ターン作成工程に入ると云った制御形態をとるよりも、
もっと合理的で精度の高い制御形態がある。それは、シ
ート部材の温度を直接測定することにより、温度を知る
ことである。これによりシート部材の温度を直接的で誤
差なく測定ができ、正確な制御を可能にする。
【0236】その例を実施例15として説明する。本発
明においては図11にて説明したように装置構成すると
共に、更に一時巻取りローラ28′に巻き取られるシー
ト部材の表面温度を測定する手段と、測定温度を設定温
度と比較してパターン作成工程をスタートさせる制御手
段を設けるようにした。
【0237】図16は実施例16の構成図である。同図
において75は温度センサであり、温度センサ75とし
ては例えばサーミスタのように小型で熱容量の小さなも
のが好適である。サーミスタによる温度センサ75はア
ーム76に保持され、アーム76は支点77を中心に回
動可能であって、スプリング79によって一時巻取りロ
ーラ28´の表面へ押しつけられている。78は固定ピ
ンであり、スプリング79の他端を支持している。
【0238】サーミスタによる温度センサ75の検出信
号は制御回路57Cへ送られ、設定温度に対応する抵抗
値との比較によって、設定温度に到達したことを判定し
てパターン作成工程をスタートさせる。制御回路57C
は制御回路57A,57Bの代わりに設けてあり、制御
回路57A,57Bと同様に、パターン形成装置として
の基本的な各種制御動作のプログラムの他に、温度セン
サ75の検出信号を受けて、これが設定温度に到達した
ことを確認したならばパターン作成工程をスタートさせ
る制御機能のプログラムを備えている。
【0239】サーミスタによる温度センサ75は、スプ
リング79によって一時巻取りローラ28のローラ表面
に接触する構造となっているために、シート部材が一時
巻取りローラ28に巻かれて巻き径が変化しても、それ
に追従して温度測定が可能である。
【0240】このような構成の本装置は、シート部材は
一時巻取りローラ28に巻かれてここで加熱されるが、
温度センサ75は、スプリング79によって一時巻取り
ローラ28のローラ表面に接触する構造となっているた
めに、シート部材が一時巻取りローラ28に巻かれても
その最も表面にあるシートに接してその温度を検出す
る。そして、温度センサ75の検出信号を受けて、これ
が設定温度に到達したことを確認したならばパターン作
成工程をスタートさせる。
【0241】このように、加熱手段により加熱されるシ
ートの温度を直接測定して、その温度値によりパターン
作成工程をスタートさせるべく制御する構成としたの
で、上記構成によれば、複雑な待ち時間の計算を行うこ
となく直接、待ち時間の過不足なしにパターン作成をス
タートさせることができ、インクを乾燥させるに最適な
温度条件下でインク噴射による最適なパターン作成が実
施できる。
【0242】以上は、加熱されるシートの温度を直接測
定して、その温度値によりパターン作成工程をスタート
させるべく制御する構成とする例を説明したが、インク
ジェットによってパターン作成されるシート部材は紙の
ように比較的インクを吸収し易く、インクの乾燥し易い
材質のものと、プラスチックシートのようにインクを吸
収せず、インク乾燥の遅い材質のものとがあり、乾燥を
早めるために必要なシートの加熱温度も材質によって異
なったものとなる。
【0243】そこで、つぎに材質によって異なるシート
の加熱温度を最適なものに設定してパターン作成工程を
スタートさせるタイミングを材質に応じて最適なものに
することができる実施例を実施例17としてつぎに説明
する。
【0244】(実施例17)本発明においては、図12
で説明したようにパターン作成装置を構成すると共に、
一時巻取りローラのヒータへの通電を制御するヒータ制
御回路と、一時巻取りローラの高温加熱モードと、低温
加熱及びまたは非加熱モードを指定する手段と、上記モ
ードの指定に応動して通電制御回路に指令する制御回路
を設ける。
【0245】図17は上記構成の実施例図である。同図
において60Aはヒートモード指定装置あり、パターン
作成装置の操作パネル上のスイッチや切替スイッチ、ホ
スト装置(パターン信号や制御動作コマンド等の供給源
である図12のホスト装置58)のキーボード等で構成
する。
【0246】制御回路57Dは、上記モード指定装置6
0Aの指定を受けて、予め定めた条件で一時巻取りロー
ラ28の内蔵のヒータ19、プラテン20に設けたヒー
タ29等の通電制御するようヒータ制御回路50,53
に指令する。
【0247】制御回路57Dは、制御回路57A〜57
Cの代わりに設けてあり、制御回路57A〜57Cと同
様に、パターン形成装置としての基本的な各種制御動作
のプログラムの他に、温度センサ75の検出信号を受け
て、これがヒートモード指定装置60Aより与えられる
シートの材質情報対応の最適設定温度に到達したことを
確認したならばパターン作成工程をスタートさせる制御
機能のプログラムを備えている。
【0248】また、制御回路57Dは、シートの材質情
報により制御回路57Dは高温加熱のモードが設定され
たり、低温加熱または非加熱のモードが設定されたりす
る。
【0249】例えば、シート部材としてプラスチックフ
ィルムやトレーシングペーパのようにインク乾燥性の悪
いものを適用する場合にはモード指定装置60Aからの
材質の情報により制御回路57Dは高温加熱のモードが
設定される。そして、この制御回路57Dは高温加熱の
モードが設定されたことにより、ヒータ制御回路50,
53からの供給電力を大きくするか、制御設定温度を高
くするようにこれらヒータ制御回路50,53を制御す
る。
【0250】一方、シート部材として普通紙のようにイ
ンク乾燥性の良いものを適用する場合には、ヒートモー
ド指定装置60Aからの材質の情報により制御回路57
Dは低温加熱または非加熱のモードが設定され、制御回
路57Dはヒータ制御回路50,53を低温度設定また
は通電オフとするように制御する。
【0251】このように構成すれば、普通紙のようにイ
ンク乾燥が容易な材質のシートにパターン形成する場合
は乾燥のための加熱手段の電力を抑制して消費電力の節
減を図ることができ、インク乾燥の遅い材質のシート部
材に対しては加熱手段により加熱をして乾燥速度を早
め、パターン作成の効率を高めることができる。
【0252】(実施例18)ところで上記の図17の構
成による実施例で説明したパターン作成装置では、モー
ドの設定はマニュアルで行っていた。そのため設定ミス
や設定のし忘れによって不適正なモード設定が行われる
おそれがあった。その改善を図る実施例を実施例18と
してつぎに説明する。
【0253】本発明ではこのような不適正なモード設定
を防止するために、上記図17の構成を用いて説明した
構成のパターン作成装置において、シート部材の種別を
検出する手段と、上記検出手段の信号に応じて加熱モー
ドを指定するモード指定回路を設けるようにした。
【0254】図18は実施例18の構成を示すブロック
図である。同図で56′はシート部材の種別検出装置で
あり、例えば反射型フォトセンサで構成するもので、図
14で説明したと同様にこの種別検出装置56′はフォ
トセンサを用いて構成しており、当該フォトセンサから
シート部材の反射率に対応した検出出力がえら得るよう
にしたものである。
【0255】ヒートモード指定回路60Bは、予め設定
した参照値と種別検出装置56′のフォトセンサから与
えられる検出出力とを比較する回路を有していて、比較
結果に基づいて加熱モードを決定する回路である。ヒー
トモード指定回路60Bの決定した加熱モードの指定情
報は、制御回路57Dへ送り込まれる。
【0256】制御回路57Dは、制御回路57Cは制御
回路57A〜57Cの代わりに設けてあり、制御回路5
7A〜57Cと同様に、パターン形成装置としての基本
的な各種制御動作のプログラムの他に、温度センサ75
の検出信号を受けて、これがヒートモード指定回路60
Bより与えられるシートの材質情報対応の最適設定温度
に到達したことを確認したならばパターン作成工程をス
タートさせる制御機能のプログラムを備えている。
【0257】また、ヒートモード指定回路60Bからの
材質の情報により、制御回路57Dは高温加熱のモード
が設定されたり、低温加熱または非加熱のモードが設定
されたりする。
【0258】例えば、シート部材としてプラスチックフ
ィルムやトレーシングペーパのようにインク乾燥性の悪
いものを適用する場合にはヒートモード指定回路60B
からの材質の情報により制御回路57Dは高温加熱のモ
ードが設定される。そして、この制御回路57Dは高温
加熱のモードが設定されたことにより、ヒータ通電制御
をするヒータ制御回路50,53からの供給電力を大き
くするか、制御設定温度を高くするようにこれらヒータ
制御回路50,53を制御する。
【0259】一方、シート部材として普通紙のようにイ
ンク乾燥性の良いものを適用する場合には、ヒートモー
ド指定回路60Bからの材質の情報により制御回路57
Dは低温加熱または非加熱のモードが設定され、制御回
路57Dはヒータ制御回路50,53を低温度設定また
は通電オフとするように制御する。
【0260】この結果、普通紙のようにインク乾燥が容
易な材質のシートにパターン形成する場合は乾燥のため
の加熱手段の電力を抑制して消費電力の節減を図ること
ができ、インク乾燥の遅い材質のシート部材に対しては
加熱手段により加熱をして乾燥速度を早め、パターン作
成の効率を高めることができる。
【0261】特にこの実施例では、ヒートモードの設定
は自動的に行われるので、設定の煩わしさも設定ミスも
ない。
【0262】(実施例19)本発明のパターン作成装置
においては、インク乾燥の遅いシート部材に効率的にパ
ターン作成するために、加熱した一時巻取りローラに受
像媒体であるシート部材を一旦巻き取ることにより当該
シート部材を加熱し、この加熱したシート部材を巻き戻
してからインクを噴射してインクパターンを形成するよ
うにし、インクの乾燥を早めるようにした。そして、そ
の基本的な構成例を図12に示した。
【0263】この構成は乾燥が遅いシート部材を適用す
る場合には、乾燥に要する時間を短縮して効率的なパタ
ーン作成を行うために役立つが、普通紙のように乾燥の
速いシート部材も同じように一旦、一時巻取りローラに
巻取るようにすると、不必要に時間を要し、かえってパ
ターン作成の効率が低下するという欠点が生ずる。
【0264】そこで、このような欠点が生じないように
する実施例を実施例19としてつぎに説明する。当該目
的を達成するため、ここでは前記図12で説明した構成
のパターン作成装置において、シート部材を一時巻取り
ローラに導く搬送路と、排出口へ導く搬送路と、両搬送
路の入口に設けた切替手段と、シート部材の加熱モード
/非加熱モードを指定する手段と、パターン作成時のシ
ートの送り方向及び副走査方向に対応し、異なったアド
レス順序及びタイミングでパターン信号を分配するプリ
ント信号回路と、加熱モードの指定に応動する制御回路
を有し、制御回路は加熱モードが指定された時は、切替
手段を一時巻取りローラ側に切替え、シート部材のパタ
ーン作成領域を加熱された一時巻取りローラに一旦巻取
り、その後、シート部材を供給ロール側に搬送しなが
ら、搬送方向及び副走査モードに対応したプリント信号
処理を選択してパターン作成し、非加熱モードが指定さ
れた時は、切替手段を排出口側へ切替え、シート部材を
排出口側へ搬送しながら、この搬送方向及び副走査モー
ドに対応するプリント信号処理を選択してパターン作成
するように構成する。
【0265】図19は上記構成の実施例図である。図1
9(a)において、61,61′は一対のガイドローラ
であり、シート搬送経路におけるインクジェットプリン
トヘッド21位置の下流側に設けられる。ガイドローラ
61,61′の出口側はシート部材搬送経路が2方向に
別れていて、ここに経路切り替え用の切替板62が配さ
れる。ソレノイド68により切替板62は、軸63を中
心に回動操作することができ、この切替板62の回動操
作により、シートの搬送経路を符号80で示す一時巻取
りローラ28′側と、符号81で示す出口側とのいずれ
かに切り替えることができる。
【0266】28′は一時巻取りローラであり、29は
一時巻取りローラ28′に内蔵したヒータ、64はガイ
ドプレートである。一時巻取りローラ28′は、外周を
ガイドプレート64で覆われ、また押えローラ65が巻
取りローラ28′に接している。押えローラ65は一時
巻取りローラ28′に巻取られるシートの量に応じてラ
ジアル方向に退避可能な構成となっている。
【0267】本装置においては、ヒートモード指示装置
60Aにより加熱/非加熱のモードを指定することがで
き、加熱のモードが指定された時、制御回路57D′は
シート搬送経路を切替板62により一時巻取りローラ側
搬送経路80へと切り替える。そして、制御回路57
D′は一時巻取りローラ28′のヒータ29とプラテン
用のヒータ19とを加熱すべくヒータ制御回路50,5
3を制御してこれらヒータを通電制御する。
【0268】また、本装置においては、制御回路57
D′は加熱すべき必要な長さのシート部材を一時巻取り
ローラ28′に巻き取らせて加熱する処理を行う。これ
はホスト装置58からパターン作成領域の長さに関する
情報を制御回路57D′へ送り込み、制御回路57D′
はこの情報に基づいて一時巻取りローラ28′に対する
シート部材の巻取量を制御する。
【0269】一時巻取りローラ28′に対するシート部
材の巻取はつぎのようにする。制御回路57D′は副走
査モータ41及び巻取りモータ69及び巻取りモータ6
9の図示しないクラッチA,B(巻取りモータ69と一
時巻取りローラ28′及びガイドローラ61のローラ軸
との間に配されるクラッチ)をオンとする。
【0270】シート部材供給ロール37から供給される
シートはプラテン20の切欠部に設けた搬送ローラ27
とピンチローラ18によって挾持され、搬送ローラ27
の回転による搬送力を受けて搬送され、切替板62によ
りシートはガイドプレート64と一時巻取りローラ2
8′の側80に案内されて当該ガイドプレート64と一
時巻取りローラ28′の間を進み、一時巻取りローラー
28′の周面に接する押えローラ65の位置を通過する
と、当該一時巻取りローラー28′の周速で当該一時巻
取りローラ28′の周面に密着して巻き込まれる。
【0271】シートが一時巻取りローラ28′に巻き締
められると、モータ69の回転が低くなるかクラッチに
滑りを生じて、シート部材は搬送ローラ27の周速度で
送られる。こうしてパターン作成に必要な長さに略等し
い長さのシートが巻取られると、制御回路57D′の制
御によって副走査モータ41はオフとなり、巻取りモー
タ69またはクラッチA,Bもオフとなる。
【0272】一時巻取りローラ28′に巻かれたシート
部材は、一時巻取りローラ28′内のヒータ29によっ
て加熱される。そして、制御回路57D′はシート部材
の最外周面上が加熱されてからパターン作成の工程をス
タートさせる。
【0273】パターン作成の工程では、制御回路57
D′はプラテン20の切欠部に設けた搬送ローラ27を
逆回転させ、一時巻取りローラ28′のシート部材をシ
ート供給ロール37側へ搬送しながらプリントヘッド2
1を往復動させてパターン作成を行う。この時の各部の
動作のタイムチャートは図12(b)で説明した通りで
ある。
【0274】一方、ヒートモード指示装置60Aにより
非加熱モードが指定された時は、制御回路57D′はソ
レノイド68を駆動させ、シート部材の搬送経路が排出
口側81となるようにする。これにより排出口側81の
搬送路がシート部材の通路となる。
【0275】制御回路57D′は非加熱モード時におい
ては、シート部材を一時巻取りローラ28′に巻取ると
いったことは行わず、シート部材を排出口通路81側に
送りながらプリントヘッド21によって副走査を行って
パターン作成を行うように制御する。
【0276】すなわち、非加熱モード時においてはシー
ト部材を排出口通路81側に送りながらプリントヘッド
21によって副走査を行ってパターン作成し、パターン
作成を終えたシート部材12は排出ローラ66,6
6′、排出ガイド板67を介して排出口より外部に排出
される。
【0277】なお、一時巻取りローラ28′とガイドロ
ーラ61はモータ69で駆動されるが、図示しないクラ
ッチA,Bを介して当該モータ69と結合されており、
また、一時巻取りローラ28′とモータ69またはクラ
ッチとの間は滑り結合となっているので、一時巻取りロ
ーラ28′へシート部材を密着して巻込み、また巻き径
の変化により負荷が変化しても対応可能となっている。
【0278】本実施例では、加熱モード指定時のみ、一
時巻取りローラ28′へシート部材を巻き取って加熱す
るという加熱工程を実施し、その後に巻き戻しながらパ
ターン形成し、パターン形成を終えると排出し、非加熱
モード指定時では加熱のための工程を全く実施せずにパ
ターン形成して排出する。
【0279】すなわち本実施例では、加熱モード指定時
と非加熱モード指定時では、パターン作成時のシートの
送り方向が逆方向になる。これに伴ってプリントヘッド
へ送り込まれるプリント画信号も上記のモードに従って
異なった画信号となるから、このようなモードにより異
なったプリント画信号を作成するためにモード対応のプ
リント信号回路46,46′を設ける。そして、制御回
路57D′により使用すべきモード対応のプリント信号
回路46,46′を選択するようにする。
【0280】なお、図示例ではプリントヘッド21は主
走査方向に移動する構成を示したが、例えばノズルの数
が1本の場合で説明すれば、パターン作成時の主走査が
同じであればシートの送り、すなわち副走査の方向が逆
になるとミラーイメージをプリントヘッド21に供給す
る必要が生ずる。しかし、副走査の方向が逆になる時に
パターン作成時の主走査の方向を逆にすればプリントヘ
ッド21に供給する信号は同じもので差し支えない。
【0281】また、主走査方向全域にノズルを配列し、
メカニカルな主走査を行わないプリントヘッドの場合も
主走査の方向と副走査の方向の組合わせによる正像、ミ
ラーイメージ信号の適合は同じである。
【0282】副走査方向に複数のノズルを配置したマル
チノズルプリントヘッド及びそのノズルが傾斜したりジ
グザグ状に配置されたヘッドの場合、更に各ノズルがマ
トリクス状にインターバルを持ってドライブされるプリ
ントヘッドにおいては、シート部材の副走査送り方向を
変える場合に、プリントヘッドに供給するプリント画信
号のタイミング、配列も各ノズルに整合させたものでな
ければならず、そのためのプリント信号回路の構成や動
作指令は異なったものとなり、これに対応するのがプリ
ント信号回路46,46′である。
【0283】図19(b)は非加熱モードを指定した時
の各メカニカル画素の動作タイミングチャートを示した
ものであり、加熱モード時のタイミングチャートを示す
図12(b)と対比して図示した。
【0284】非加熱モードでは、シート部材の加熱なし
にパターン作成を行うので、パターン作成のスタートタ
イミングt3から始動する。ガイドローラ61を駆動す
るために一時巻取りローラ28′のクラッチAはONと
しておき、切替板62はソレノイド68をOFFとして
排出口側へシートを導くポジションとする。副走査モー
タ41はプリントヘッド21の往復動走査の休止時作動
し、ステップ的にシート部材を副走査送りする。
【0285】従って、図19(b)で説明したように、
非加熱モードでは一時巻取りローラ28′にシート部材
を巻込むための時間は不必要となり、またパターン作成
と同時にシート部材は排出口側に排出されるためにシー
トが排出のために時間を要することもなく効率的にパタ
ーン作成することができる。
【0286】なお、ヒートモード指定装置60Aは図1
7にて説明したと同様にパターン作成装置の操作パネル
に設けたり、パターン信号や制御動作コマンド等の供給
源である図12のホスト装置58のキーボードによって
行うことができる。
【0287】(実施例20)シート部材の加熱のために
一時巻取りローラを設けた本発明のパターン作成装置に
おいては、一時巻取りローラを用いたシート部材の終端
検知を正確に行うことができる。すなわち、シート部材
供給ロールに巻かれたシート部材の終端検知は、従来、
当該ロールの巻き径を検知するようにしたり、シートの
裏や端にエンドマークの着色を施してこれにより行うよ
うにしていた。
【0288】いずれの場合でも、作成するパターン領域
の長さによって終端がパターン形成に使えるか使えない
かの判断が異なるため、前述のような一律の判断基準で
は安全を見て長い終端を残して信号を出すように設定す
るとシートの無駄が多くなり、不経済であり、また、シ
ートの無駄を少なくするように短めに終端を残して信号
を出すように設定すれば、判定ミスが出てパターン形成
が中途で終り、パターン形成の無駄となる可能性が増
す。更には、エンドマーク方式では無人運転では終端シ
ートがパターン形成に使用可能であるか否かが判断でき
ず、またパターン形成の完了したシートがエンドマーク
付の出力となることを許容しなければならない。
【0289】このような従来の欠点を除去するために、
本発明においては図15の実施例で説明したように、シ
ート部材加熱のための一時巻取りローラ28′を設けた
パターン作成装置において、一時巻取りローラ28′へ
の巻取量を指定する手段と、巻取量を測定する手段と、
巻取異常検知手段を設け、指定した巻取量となる前に巻
取異常を検知した信号に基づいてシート部材の終端信号
を送出する制御回路を設けるようにした。
【0290】図20は上記の構成の実施例を示すブロッ
ク図である。
【0291】同図において、57Eは制御回路である
が、制御回路57Eはパターン形成装置としての必要な
基本的な制御機能の他、ホスト装置58からパターン作
成領域の長さに関する情報を得て、これを比較基準値と
して保持し、また、巻取りモータ69、副走査モータ4
1を回転させてシート部材を一時巻取りローラ28′に
巻取るよう指令すると共に、一時巻取りローラ28′に
巻かれたシート部材の長さ情報と比較し、副走査モータ
41が回転指令中にあって、一時巻取りローラ28′に
巻かれるシート部材の長さ情報が変化しなくなると終端
と判定して巻取量と上記比較基準値とを比較し、巻取量
が上記比較基準値に満たない時はパターン形成と停止す
るようにする機能を持たせてある。
【0292】また実際に一時巻取りローラ28′に巻か
れたシート部材の長さを測定するために、プラテン20
の入口近傍に設けたピンチローラ16に、このピンチロ
ーラ16の回転に伴って回転してシート量を計数するた
めのロータリエンコーダ74を取付け、このロータリエ
ンコーダ74の出力信号を巻取量演算回路82に送り込
む構成とする。巻取量演算回路82ではこのロータリエ
ンコーダ74の出力信号を元に、一時巻取りローラ2
8′に巻かれたシート部材の巻取量を演算する。巻取量
演算回路82により演算された巻取量は制御回路57E
に与えられる。
【0293】このような構成において、制御回路57E
はホスト装置58からパターン作成領域の長さに関する
情報を得て、これを比較基準値として保持する。そし
て、制御回路57Eは加熱工程の実施のための制御に入
る。加熱工程ではシート部材供給ロール37からシート
をヒータ内蔵の一時巻取りローラ28′に巻き取って加
熱する。
【0294】シート部材供給ロール37から供給される
シートが十分にある正常時においては、加熱工程の実施
のために制御回路57Eが副走査モータ41の回転を指
令するとシート部材供給ロール37からシート部材が一
時巻取りローラ28′へと順調に送られ、当該シート部
材が送られることによってピンチローラ16が回転して
巻取量がカウントアップする。
【0295】すなわち、ピンチローラ16が回転するこ
とにより、ロータリエンコーダ74から回転量対応の出
力信号が出力され、これは巻取量演算回路82に与えら
れて巻取量が演算される。演算された巻取量は制御回路
57Eに与えられ、制御回路57Eでは巻取量の値が変
化することを監視して異常発生のチェックをすると共
に、巻取量が比較基準値に達するか否かを監視し、達し
た段階で一時巻取りローラ28′への巻取を停止するよ
うに制御する。従って、制御回路57Eではシートが十
分にある正常な状態では異常は検知されない。
【0296】シート部材供給ロール37において、シー
ト部材の終端は紙管に糊付けされている。そのため、シ
ート部材が終端に達した状態においては、副走査モータ
41が回転してもシート部材の終端が紙管に糊付けされ
ているがために、送り出されない。従って、制御回路5
7Eではシート送りのために副走査モータ41に対して
回転指令中であるのに、ピンチローラ16が回転せず、
巻取量がカウントアップしないことになる。制御回路5
7Eではこれを巻取異常と判定する。
【0297】但し、この判定に移るタイミングは、巻取
量が基準値に到達しないのに巻取量が変化しなくなった
時点であり、巻取量変化が零になってから許容時間分を
加えた時間経過時点とする。このように、巻取量が上記
基準値に達していないのに巻取量が変化しなくなると巻
取異常と判定する。
【0298】通常時は巻取異常となる前に所定の巻取量
を検知して巻取りを終了させるので、異常検知は生じな
い。ところが一時巻取りローラ28′への巻取途中でシ
ートの終端になれば所定の巻取量に達しないことにな
り、上記条件によって巻取異常と判定することになる。
そして、この時の巻取量が上記基準値より少ないことを
判定して制御回路57Eは終端信号(紙切れアラーム信
号)を発生する。
【0299】このように構成すると、制御回路57Eで
は終端信号はその時にパターンを作成するに必要な長さ
のシートが残っていない時にのみ、発生するようにな
る。パターン作成に必要なシートの長さは作成しようと
するパターンによって異なるが、その長さに正確に対応
して終端信号が送出されるので、その判断基準に過不足
はなく、また無人状態で検知が可能である。そして、シ
ートにはマーキング等、好ましくない着色は無くすこと
ができる。
【0300】(実施例21)終端信号が出た場合、制御
装置57Eはパターン作成の準備動作を停止し、終端信
号(紙切れアラーム信号)を送出すると共に、ホスト装
置58に待機の信号を送る。ところがこのままパターン
作成装置の運転を待機状態にしてしまうと、シート部材
が一時巻取りローラ28′に巻取られたままの状態にな
ってしまう。そして、この場合、シート部材供給ロール
37を交換するためには、一時巻取りローラ28′に巻
取られたシート部材を手でシート部材供給ロール37側
へ巻き戻さなければならない。
【0301】本パターン形成装置でパターン形成可能な
パターン形成領域のサイズの最大のものが(つまり、印
刷可能なプリント画像サイズの最大のものが)例えば、
10メートルであるとすると、終端検出で運転を待機状
態にした場合、一時巻取りローラ28′の最大巻取量は
最大10メートルに近い巻き戻しが必要となってしま
う。
【0302】そこで本発明においては、上記図20で説
明した構成のパターン作成装置において、制御回路57
Eには終端信号が発生した場合には、シート部材を供給
ロール側に巻き戻してからパターン作成装置を動作停止
させるよう制御する機能をさらに付加するようにする。
この制御は巻取量のカウント値を元に行うこともできる
し、時間制御によって行うこともできる。
【0303】この制御を時間制御により実現する例を図
21を用いて説明する。この図は副走査モータ41の回
転を示しており、Tは指定の巻取量(ホスト装置58か
ら得たパターン作成領域の長さに対応する巻取量(上記
比較基準値対応の巻取量))を得るに要する巻取所要時
間を示している。
【0304】ところが、シート部材が終端に達してしま
ったために、巻取量のカウントが進まず、TSの送り時
間で巻取異常が検出され、TS<Tのために終端と判断
されたとする。制御回路57Eから副走査モータ41に
対しては終端の判断からST+αの時間分、巻戻し方向
の回転指令が与えられ、副走査モータ41はST+αの
時間回転してから停止制御される。
【0305】これにより、シート部材は全てシート部材
供給ロール37に巻取られてからパターン形成装置は停
止されることになる。
【0306】なお時間管理による巻き戻し制御ではな
く、シート送り量の実測による制御も可能である。つま
り、シート加熱のために一時巻取りローラ28′に対し
てシートを巻き取る際の巻取量をロータリエンコーダ7
4と巻取量演算回路82により実測したが、ロータリエ
ンコーダ74と巻取量演算回路82が巻き戻し量も測定
できるようにしておけば、巻き戻し量分を巻取量から減
算してゆき、零になった時点でパターン形成装置を停止
させると、シート部材をシート部材供給ロール37に巻
戻してからパターン形成装置を停止させることができ
る。
【0307】このように構成しておけば、終端を検知し
てからシート部材は供給ロールに巻き戻されるので、ロ
ールの交換は極めて容易に行うことができる。
【0308】以上、実施例に基づいて説明したが、本明
細書中には以下の発明が含まれる。
【0309】すなわち、インクジェットパターン作成方
法としては、 [1] 液状のインクをインクジェットノズルからパタ
ーン状に噴射する工程と、上記パターン作成面にインク
を固化させるためのエネルギを作用させる工程からなる
インクジェットパターン作成方法であって、(a) パ
ターン信号に基づいてインクジェットプリントヘッドを
制御し、所望のドット密度よりも低いドット密度で液状
インクをパターン状に噴射する第1の工程と、(b)
上記パターン作成面にインクを固化させるためのエネル
ギを作成させる第2の工程と、(c) 上記インクを固
化させるパターン作成面へ向けて、所望のドット密度よ
りも低いドット密度で、先行のドットを補間するように
液状インクをパターン状に噴射させる、第1の工程との
間にインク固化工程を介在させた第3の工程と、(d)
上記パターン作成面へインクを固化させるためのエネ
ルギを作用させる第4の工程と、を有し、液状インクの
噴射及びインク固化エネルギ付与工程を複数回繰り返し
て行い、所望のドット密度のパターンを作成するように
する。この発明に関する実施例は実施例1乃至実施例7
が対応している。
【0310】上記のパターン作成方法によれば、固化し
ていない液状のインクパターンは、所望のドット密度よ
りも低いドット密度で存在するためにインクドットが相
互に相接して一体化してにじみを生じたり、流動化して
パターンを劣化させてしまうのを防止することができ、
しかもすでに固化したパターンの形成面に先行ドットを
補間するように後の工程で液状インクを噴射し、固化さ
せるので所望のドット密度のパターンを得ることができ
る。
【0311】[2] 上記[1]項に記載するインクジ
ェットパターン作成方法において、第1の工程では所望
のドット密度のパターン信号から離散的にドットを間引
いて所望ドット密度よりも低いドット密度のプリント信
号を作成し、この信号に基づいてドット噴射を行い、第
3の工程では上記第1の工程で間引いたドット信号によ
って所望のドット密度よりも低いドット密度のプリント
信号を作成し、この信号に従って先行のドットを補間す
る位置にドット噴射を行い、複数回に分割したドット噴
射及びインク固化エネルギ付与工程によって所望のドッ
ト密度のパターンを作成するようにする。この発明に関
する実施例は実施例1乃至実施例4が対応している。
【0312】上記パターン作成方法によれば、各回のパ
ターン作成において噴射されるインクドットのひとつひ
とつをパターンを形成する画素の各々と一致させること
ができて高解像度パターンを作成することができ、しか
も各インクドットが固化する前に相互に一体化し、にじ
みや流れが生ずることが防止されるために高解像度パタ
ーンを作成することができる。
【0313】[3] 前記[1]項に記載するパターン
作成方法において、主走査により長い帯状の領域にイン
クを噴射し、帯を副走査方向につなげて面状の走査領域
を形成する第1の工程と、副走査方向に帯を分割するよ
うに上記第1の工程の帯とは位相をずらせた状態で先行
ドットを補間するように帯状にインクを噴射する第3の
工程を設けるようにした。この発明に関する実施例は実
施例5が対応している。
【0314】上記のパターン作成方法によれば、隣接す
るドット同士が固化する前に集合してインクのにじみや
流れ出しが発生することが防止されると共に、副走査方
向に帯をつなぎ合わせる場合に帯の境界のつなぎ箇所が
第1工程と第3工程では異なった副走査方向位置となる
ためにつなぎ目を目立たなくすることができる。
【0315】[4] 前記[1]項に記載するインクジ
ェットパターン作成方法において、気化性溶液を含む液
状インクを用い、インクを固化させるために熱エネルギ
をパターン作成面に作用させるようにした。この発明に
関する実施例は、実施例6が対応している。
【0316】上記のパターン作成方法によれば、先行の
工程において噴射されたインクドットに含まれる溶媒は
熱によって迅速に気化してパターン作成面は乾燥状態と
なり、乾燥した表面へ後続の工程でのインクドット噴射
が行われ、また各工程で噴射されるインクドットの密度
は所望のインクドット密度よりも低密度であるから、ベ
タ画像部においてもインクがにじんだり流れ出したりす
ることはなく、乾燥状態のパターンを得ることができ
る。
【0317】[5] 前記[1]項に記載するインクジ
ェットパターン作成方法において、感光性樹脂剤からな
る液状インクを用い、インクを固化させるエネルギとし
て感光性樹脂液を重合させる活性化光線を用いるように
した。この発明に関する実施例は、実施例7が対応して
いる。
【0318】上記のパターン作成方法によれば、先行の
工程で低ドット密度で形成された感光性樹脂液ドットの
パターンは、低ドット密度のためにドットのにじみや流
れを生ずることなく、また活性化光線の照射によって迅
速確実に重合硬化する。そして先行の硬化したパターン
面へ向けて後続の工程のパターン噴射を行うので、イン
クのにじみや流れ出しを生ずることなく所望ドット密度
のパターンを作成することができる。
【0319】また、インクジェットパターン作成方法を
実現するインクジェットパターン作成装置としては、 [6] 液状のインクをインクジェットノズルから噴射
するプリントヘッドに対向してシート部材を移動させる
副走査手段と、パターン信号に従ってプリントヘッドを
ドライブする手段と、シート部材に作用してインクの乾
燥を促進させる加熱手段を有するインクジェットパター
ン作成装置であって、加熱手段への通電・非通電および
または通電時の加熱量を選択指定する加熱指定手段と、
上記指定手段の指定に応動する通電制御回路を設けるよ
うにした。この発明に関する実施例は、実施例8が対応
している。
【0320】上記構成によれば、シート部材が紙のよう
にインク吸収性のあるものでは加熱手段を非通電または
低温状態に保ち電力の消耗を防止し、フィルムやトレー
シングペーパーのようにインク吸収性の低いシート部材
を用いる場合は加熱手段によって強制的にインク溶剤を
気化させて、インク乾燥を促進させることができる。
【0321】[7] 上記[6]項に記載するパターン
作成装置において、プリントヘッドに対して受像媒体を
移動させる走査手段と、パターン信号に従って上記プリ
ントヘッドをドライブする手段と、上記受像媒体に熱を
作用させてインクの乾燥を促進させる加熱手段と、上記
加熱手段への通電・非通電あるいは通電時の加熱量を選
択指定する加熱指定手段と、上記指定手段の指定に対応
して上記加熱手段を通電制御する通電制御手段と、プリ
ントすべきパターンを与えるパターン信号に基づき、所
望のドット密度よりも低いドット密度となる信号に変換
して上記ドライブ手段に与え、上記受像媒体面にパター
ン作成させると共に、当該作成したパターンの固化後に
上記受像媒体のパターン作成面にパターン信号に基づ
き、所望のドット密度よりも低いドット密度で先行のド
ットを補間するよう信号変換して上記ドライブ手段に与
え、上記受像媒体面にパターン作成させるべく制御する
手段とを設けるようにした。この発明に関する実施例
は、実施例6および実施例8が対応している。
【0322】上記構成によれば、パターン形成に際して
は液状のインクパターンは、 所望のドット密
度よりも低いドット密度となるように制御してパター
ン作成面に粗なるドット密度で形成し、これを
固化した後に、パター ン作成面へ向けて所望
のドット密度よりも低いドット密度となるよう
に且つ、先行のドットを補間するように制御して液状
インクをパター ン状に噴射し、そして、これ
を固化させるようにする。従って、固化 して
いない液状のインクパターンは、所望のドット密度より
も低いド ット密度で存在するためにインクド
ットが相互に相接して一体化して にじみを生
じたり、流動化してパターンを劣化させてしまうのを防
止 することができ、しかもすでに固化したパ
ターンの形成面に先行ドッ トを補間するよう
に後の工程で液状インクを噴射し、固化させるので
所望のドット密度のパターンを得ることができ
る。また、この構成に よれば、揮発性の溶媒
を用いたインクを使用し、受像媒体として紙の
ようなインク吸収性のあるシート部材を用いた場合に
は、加熱指定手 段により非通電あるいは通電
時の加熱量が低くなるように選択指定す ると
加熱手段を非通電または低温状態に保つことができ、こ
れによっ て電力の消耗を防止でき、また、揮
発性の溶媒を用いたインクを使用 し、受像媒
体としてフィルムやトレーシングペーパのようにインク
吸 収性の低いシート部材を用いる場合は加熱
指定手段により通電を選択 指定することで加
熱手段によりインク揮発促進に十分な加熱を実施し
、これによって強制的にシート部材上に噴射され
たインクの溶剤を迅 速に気化させて、インク
乾燥を促進させることができる。
【0323】[8] 上記[6]項に記載するパターン
作成装置において、シート部材の種別を検知する手段
と、検知信号に基づいて加熱モード指定の信号を自動的
に作成する加熱モード指定回路を設けるようにした。こ
の発明に関する実施例は、実施例9が対応している。
【0324】上記構成によればシート部材に最適な加熱
手段への通電制御モード指定を自動的に行うことができ
設定ミスが防止される。
【0325】[9] 液状のインクをインクジェットノ
ズルから噴射するプリントヘッドに対向させてシート部
材を移動させる副走査手段と、パターン信号に従ってプ
リントヘッドをドライブする手段と、シート部材に作用
してインクの乾燥を促進させる加熱手段とを有するイン
クジェットパターン作成装置において、副走査送り速度
を高速度と低速度に切替えるモード指定手段と、上記モ
ード指定手段の指定に応動し、加熱手段の通電制御と副
走査送り速度の切替を行う制御手段を設けるようにし
た。この発明に関する実施例は、実施例10が対応して
いる。
【0326】上記構成によれば、インクの乾燥が速い部
材へプリントする時は部材の搬送速度を速くして加熱手
段への通電をOFFまたは低電力とするようにして、プ
リント速度を速めると共に低電力での運転を可能とし、
これに対してインクの乾燥が遅い部材を用いた時は加熱
手段への通電を高電力状態とすると共に媒体の送り速度
を遅く制御することによって確実にインクを乾燥させる
ことができる。
【0327】[10] 上記[8]項に記載するインク
ジェットパターン作成装置において、シート部材の種別
を検知する手段と、検知信号に基づいてモードを設定す
るモード指定回路を設けるようにした。この発明に関す
る実施例は、実施例11が対応している。
【0328】上記の装置構成によればシート部材に最適
の送り速度と加熱手段への通電制御の設定が自動的に行
われ、設定ミスを生ずることもない。
【0329】[11] 液状インクを適用したインクジ
ェットプリントヘッドと、ロールから供給されるシート
部材をインクジェットプリントヘッドに対向させて副走
査方向に搬送する手段を有するインクジェットパターン
作成装置において、インクジェットプリントヘッドから
見て、シート部材供給ロールと反対側に設けた加熱源を
含む一時巻取りローラと、供給ロールと一時巻取りロー
ラ間でシート部材を往復動方向に搬送する搬送手段と、
シート部材の往復動搬送を制御する回路を設け、上記制
御回路は、シート部材のパターン作成領域をプリントヘ
ッドによるインク噴射に先立って一時巻取りローラに巻
込み、次いで一時巻取りローラからシート部材を供給ロ
ーラ側に送りながらインクジェットプリントヘッドを動
作させてパターン作成するように動作制御する構成とし
た。この発明に関する実施例は、実施例12が対応して
いる。
【0330】上記構成によれば、シート部材のパターン
作成領域はインクジェットプリントヘッドによるインク
の噴射に先立って加熱されていて、インク溶剤を迅速に
気化乾燥させ、高速のパターン作成を可能とする。また
シート部材の加熱は加熱ローラに巻かれた状態で行われ
るので熱効率が高く、低電力で十分に高い温度まで加熱
することができる。
【0331】[12] 上記[11]項に記載するパタ
ーン作成装置において、一時巻取りローラへのシートの
巻取量を示す信号を作成する手段と、上記巻取量を示す
信号に応じて設定される待ち時間設定回路と、設定待ち
時間の終了に基づいてパターン作成工程をスタートさせ
る制御回路を設けるようにした。この発明に関する実施
例は、実施例13が対応している。
【0332】上記構成によれば、一時巻取りローラに収
容されるシート部材が所定温度に加熱される時点でパタ
ーン作成工程をスタートさせることができ、加熱の待ち
時間を巻取量に応じて過不足なく設定することができ
る。 [13] 上記[12]項に記載するパターン作成装置
において、シート部材の種別を指定する手段と、上記指
定手段の指定に応じた待ち時間の演算を行う制御回路を
設けるようにした。
【0333】この発明に関する実施例は、実施例14が
対応している。
【0334】上記構成よれば、シート部材の材質や厚さ
によって比熱や熱伝導率や熱容量が異なるために加熱に
要する時間が異なるにもかかわらず、待ち時間設定がシ
ート部材材質や厚さに対応してなされるため、加熱の待
ち時間を過不足なく設定することができる。
【0335】[14] 上記[12]項に記載するパタ
ーン作成装置において、シート部材の種別を検出する手
段と、上記検出手段の信号に応じて待ち時間の演算を変
更する制御回路を設けるようにした。この発明に関する
実施例は、実施例15が対応している。
【0336】上記構成によれば、シート部材によって比
熱や熱伝導率が異なるために加熱に要する時間が異なる
にもかかわらず、媒体を自動的に検知して適正な待ち時
間を設定ミスなしに自動的に行うことができる。
【0337】[15] 上記[12]項に記載するパタ
ーン作成装置において、一時巻取りローラに巻き取られ
るシート部材の表面温度を測定する手段と、測定温度を
設定温度と比較してパターン作成工程をスタートさせる
制御回路を設けるようにした。この発明に関する実施例
は、実施例16が対応している。
【0338】上記構成によれば、環境温度、電源電圧、
シート部材の種類、巻取り量等、各種のパラメーターに
よって加熱に要する時間が変化するにもかかわらず、自
動的に過不足なくパターン作成工程をスタートさせるこ
とができる。
【0339】[16] 上記[11]項に記載するパタ
ーン作成装置において、一時巻取りローラのヒータへの
通電を制御する通電制御回路と一時巻取りローラの高温
加熱モードと低温加熱およびまたは非加熱モードを指定
する手段と、上記モード指定に応動して通電制御回路に
指令する制御回路を設けるようにした。この発明に関す
る実施例は、実施例17が対応している。
【0340】上記構成によればシート部材が普通紙のよ
うにインクを吸収乾燥し易いものである時は一時巻取り
ローラを加熱せずに消費電力を節減し、シート部材がプ
ラスチックフィルムやトレーシングペーパーのようにイ
ンク乾燥の遅いものの場合には高温加熱モードによって
確実に乾燥を行うことができる。
【0341】[17] 上記[16]項に記載するパタ
ーン作成装置において、シート部材の種別を検出する手
段と、上記検出手段の信号に応じて加熱モードを指定す
る加熱モード指定回路を設けるようにした。この発明に
関する実施例は、実施例18が対応している。
【0342】上記構成によれば、自動的にシート部材に
適した一時巻取りローラの加熱条件の設定が行われ、設
定ミスを防止して電力の有効利用を計ることができる。
【0343】[18] 上記[11]項に記載するパタ
ーン作成装置において、シート部材を一時巻取りローラ
に導く搬送路と、排出口へ導く搬送路と、両搬送路の入
口に設けた切替手段と、シート部材の加熱モードと非加
熱モードを指定する手段と、加熱モードの指定に応動す
る制御回路を設け、制御回路は加熱モードが指定された
時には、切替手段を一時巻取りローラ側に切替え、シー
ト部材のパターン作成領域を一時巻取りローラに一且巻
取り、その後シート部材を供給ロール側に搬送しながら
パターン作成し、非加熱モードが指定された時は切替手
段を排出口側へ切替えて、シート部材を排出口側へ搬送
しながら、パターン作成するように構成する。この発明
に関する実施例は、実施例19が対応している。
【0344】上記構成によれば、加熱モードを選べばイ
ンク乾燥性の悪い受像媒体上に支障なくパターン作成す
ることができ、非加熱モードを選べば、インク乾燥性の
良い媒体に対し一時巻取りに要する時間のロスなしにパ
ターン形成を行うことができる。
【0345】[19] 上記[11]項に記載するパタ
ーン作成装置において、一時巻取りローラへの巻取り量
を指定する手段と、巻取り量を測定する手段と巻取異常
検知手段を設け、指定した所定の巻取量となる前に巻取
り異常を検知した信号に基づいてシート部材の終端信号
を送出する制御回路を設けるようにした。この発明に関
する実施例は、実施例20が対応している。
【0346】上記構成によれば、パターン作成領域の長
短に正確に対応し、無駄のないシート部材の終端検知を
行うことができる。
【0347】[20] 上記[19]項に記載するパタ
ーン作成装置において、終端信号の検出に基づいて、シ
ート部材を供給ロール側に巻き戻してから装置を動作停
止させるよう制御回路を設ける。
【0348】この発明に関する実施例は、実施例21が
対応している。
【0349】上記構成によれば、終端となったシート部
材供給ロールを交換する場合に、一時巻取りローラから
手操作で部材を巻戻す必要がなく、ロールの交換作業を
大幅に簡易化することができる。
【0350】ゆえに、[1]項〜[5]項に示すパター
ン作成方法によれば、インクの固化・乾燥が遅く、イン
クのにじみや流れ出しを生じ易い受像媒体やインクを用
いてパターン作成する場合に、インクの流れ出しやにじ
みを有効に防止することができる。
【0351】また、[6]項,[7]項,[8]項に示
す装置によれば、インクの乾燥が遅いシート部材にパタ
ーン作成する場合に加熱によって強制的に乾燥速度を速
めると共に乾燥性の良いシート部材に対しては不必要な
加熱電力の消耗や熱の発生を防止したエネルギ利用効率
の高いパターン作成装置を実現することができる。
【0352】また、[9]項,[10]項によれば、シ
ート部材のインク乾燥特性に合わせた最適のパターン作
成速度にてパターン作成が可能となり、過不足のない効
率的なパターン作成が可能となる。
【0353】また、[11]項,[12]項に示す装置
によれば、シート部材を事前に効率的に加熱することが
でき、インク乾燥性の悪いシートに対して効率的にパタ
ーン作成することができる。
【0354】また、[14]項に示す装置によれば、上
記効果に加えて、シート部材の加熱終了の判定に過不足
がなく、極めて効率の高いパターン作成装置を実現する
ことができる。
【0355】また、[15]項,[16]項,[17]
項に示す装置によれば、シートのインク乾燥特性に対応
した適正な加熱温度設定が可能となり、熱利用効率のす
ぐれたパターン作成装置の実現が可能となる。
【0356】また、[18]項に示す装置においては、
加熱を必要としないシート部材に対しては異なったパタ
ーン作成モードをとり得るようにしたため、シート部材
の種別に適正に対応した、効率の高いパターン作成装置
を実現することができる。
【0357】また、[18]項,[19]項に示す装置
においては、シートの終端を過不足なく効果的に検出
し、またシートの交換作業を容易にすることができる。
【0358】更には、インクの乾燥や固化に時間を要す
るインクや受像媒体を用いてパターン作成する場合に、
ベタ画像部やインクの付着量が多い画像部分においても
パターンのにじみや流れ出しを生ずることのないパター
ン作成を実現することができることから、これによって
インクの乾燥に時間を要するフィルムやトレーシングペ
ーパ上にプロセスカラーであるシアン、マゼンタ、イエ
ロー等のインク画像を重ね合わせて噴射すると、未乾燥
のインク同士が混じり合って流動してしまい、正常にプ
リントを行うことができないと云った従来の問題点をも
解決できて、フィルムやトレーシングペーパ等のインク
の吸収乾燥の遅い媒体上において、各色のインクが混じ
り合ったり流動したりすることなく正常にプリントする
ことができるようになる。
【0359】なお、上記[1]項から[19]項までは
上述した実施例にのみ、限定されるものではなく、種々
変形して実施可能である。
【0360】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
インクの固化・乾燥が遅く、インクのにじみや流れ出し
を生じ易い受像媒体やインクを用いてパターン作成する
場合にも、インクの流れ出しやにじみを有効に防止する
ことができるパターン作成方法及びパターン作成装置を
提供できる。
【0361】また、本発明によれば、インクの乾燥が遅
いシート部材にパターン作成する場合に、加熱によって
強制的に乾燥速度を速めると共に、乾燥性の良いシート
部材に対しては不必要な加熱電力の消耗や熱の発生を防
止したエネルギ利用効率の高いパターン作成装置を提供
することができる。
【0362】さらにまた、本発明によれば、シート部材
のインク乾燥特性に合わせた最適のパターン作成速度に
てパターン作成が可能となり、過不足のない効率的なパ
ターン作成が可能となる。
【0363】また、本発明によれば、シート部材を事前
に効率的に加熱することができ、インク乾燥性の悪いシ
ートに対して効率的にパターン作成することができる。
【0364】また、本発明によれば、上記効果に加え
て、シート部材の加熱終了の判定に過不足がなく、極め
て効率の高いパターン作成装置を実現することができ
る。
【0365】また、本発明によれば、シートのインク乾
燥特性に対応した適正な加熱温度設定が可能となり、熱
利用効率のすぐれたパターン作成装置の実現が可能とな
る。
【0366】また、本発明においては、加熱を必要とし
ないシート部材に対しては異なったパターン作成モード
をとり得るようにしたため、シート部材の種別に適正に
対応した、効率の高いパターン作成装置を実現すること
ができる。
【0367】また、本発明によれば、シートの終端を過
不足なく効果的に検出し、またシートの交換作業を容易
にすることができる。
【0368】更に、本発明においては、フィルムやトレ
ーシングペーパ等のインクの吸収乾燥の遅い媒体上にお
いて、カラープリントする場合に、各色のインクが混じ
り合ったり流動したりすることなく正常にプリントする
ことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の実施例1を説明するための図。
【図2】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の実施例2を説明するための図。
【図3】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の実施例3を説明するための図。
【図4】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の実施例4を説明するための図。
【図5】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の実施例5を説明するための図。
【図6】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の実施例6を説明するための図。
【図7】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の実施例7の構成を説明するためブロック図。
【図8】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の実施例8の構成を説明するためブロック図。
【図9】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の実施例9の構成を説明するためブロック図。
【図10】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の実施例10の構成を説明するためブロック
図。
【図11】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の実施例11を説明するための図。
【図12】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の実施例12を説明するための図。
【図13】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の実施例13を説明するための図。
【図14】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の実施例14を説明するための図。
【図15】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の実施例15を説明するための図。
【図16】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の実施例16を説明するための図。
【図17】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の実施例17を説明するための図。
【図18】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の実施例18を説明するための図。
【図19】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の実施例19を説明するための図。
【図20】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の実施例20を説明するための図。
【図21】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の実施例21を説明するための図。
【図22】従来例を説明するための図。
【符号の説明】
17…ガイドプレート 18…ピンチローラ 19,29…ヒータ 20…プラテン 21…マルチノズルインクジェットプリントヘッド 22…移動走査台 23…ガイドレール 24…ボールネジ 25…スライダ 26…ガイドプレート 27…搬送ローラ 28…ヒートローラ 28′…一時巻取りローラ 31…ガイド板 33…ピンチローラ 34…歯車 35…ガイドプレート 36…排出ローラ 37…シート部材供給ロール 40…主走査モータ 41…副走査モータ 42…排出ローラモータ 43…副走査モータドライバ 44…ガイドローラ 45…パターン信号回路 46…プリント信号回路 47…主走査モータドライバ 49…排出モータドライバ 50,53…ヒータ制御回路 51,57A,57B,57C,57E,,,…制御回
路 52…モード指定装置 52′…モード自動指定回路 55…加熱モード自動指定回路 56…シート部材検知装置 56′…シート部材の種別検出装置(フォトセンサ) 58…ホスト装置 59′…シート部材指定回路 59…シート部材指定装置 60A…ヒートモード指定装置 60B…ヒートモード指定回路 61,61′…ガイドローラ 62…切替板 64…ガイドプレート 65…押えローラ 67…排出ガイド板 68…ソレノイド 69…巻取りモータ 70…巻戻しモータ 72…ソレノイドドライバ 73…巻戻しモータドライバ 82…巻取量演算回路。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0322
【補正方法】変更
【補正内容】
【0322】上記構成によれば、パターン形成に際して
液状のインクパターンは所望のドット密度よりも低
いドット密度となるように制御してパターン作成面に粗
なるドット密度で形成し、これを固化した後に、パター
ン作成面へ向けて所望のドット密度よりも低いドット密
度となるように且つ、先行のドットを補間するように制
御して液状インクをパターン状に噴射し、そして、これ
を固化させるようにする。従って、固化していない液状
のインクパターンは、所望のドット密度よりも低いドッ
ト密度で存在するためにインクドットが相互に相接して
一体化し、にじみを生じたり、流動化してパターンを劣
化させてしまうのを防止でき、しかも、既に固化したパ
ターンの形成面に先行ドットを補間するように後の工程
で液状インクを噴射し、固化させるので所望のドット密
度のパターンを得ることができる。また、この構成によ
れば、揮発性の溶媒を用いたインクを使用し、受像媒体
として紙のようなインク吸収性のあるシート部材を用い
た場合には、加熱指定手段により非通電あるいは通電時
の加熱量が低くなるように選択指定すると加熱手段を非
通電または低温状態に保つことができ、これによって電
力の消耗を防止でき、また、揮発性の溶媒を用いたイン
クを使用し、受像媒体としてフィルムやトレーシングペ
ーパのようにインク吸収性の低いシート部材を用いる場
合は加熱指定手段により通電を選択指定することで加熱
手段によりインク揮発促進に十分な加熱を実施し、これ
によって強制的にシート部材上に噴射されたインクの溶
剤を迅速に気化させて、インク乾燥を促進させることが
できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状のインクをインクジェットノズルか
    らパターン状に噴射して受像媒体のパターン作成面にイ
    ンクによるパターンを作成するパターン作成方法とし
    て、 パターン信号に基づいてインクジェットプリントヘッド
    を制御し、上記受像媒体のパターン作成面に対して所望
    のドット密度よりも低いドット密度で液状インクをパタ
    ーン状に噴射する第1の工程と、 上記パターン作成面にインクを固化させるためのエネル
    ギを作用させる第2の工程と、 このエネルギを作用させることにより固化されたインク
    によるパターン作成面へ向けて所望のドット密度よりも
    低いドット密度で先行のドットを補間するよう液状イン
    クをパターン状に噴射する第3の工程と、 この第3の工程によりインクによるパターンが補間され
    た上記パターン作成面へインクを固化させるためのエネ
    ルギを作用させる第4の工程と、を有し、液状インクの
    噴射及びインク固化エネルギ付与工程を複数回繰り返し
    て行い、所望ドット密度のパターンを作成することを特
    徴とするパターン作成方法。
  2. 【請求項2】 液状のインクをインクジェットノズルか
    ら噴射するプリントヘッドと、 このプリントヘッドに対して受像媒体を移動させる走査
    手段と、 パターン信号に従って上記プリントヘッドをドライブす
    る手段と、 上記受像媒体に熱を作用させてインクの乾燥を促進させ
    る加熱手段と、 上記加熱手段への通電・非通電あるいは通電時の加熱量
    を選択指定する加熱指定手段と、 上記指定手段の指定に対応して上記加熱手段を通電制御
    する通電制御手段とを具備することを特徴とするパター
    ン作成装置。
  3. 【請求項3】 液状のインクをインクジェットノズルか
    ら噴射するプリントヘッドと、 このプリントヘッドに対して受像媒体を移動させる走査
    手段と、 パターン信号に従って上記プリントヘッドをドライブす
    る手段と、 上記受像媒体に熱を作用させてインクの乾燥を促進させ
    る加熱手段と、 上記加熱手段への通電・非通電あるいは通電時の加熱量
    を選択指定する加熱指定手段と、 上記指定手段の指定に対応して上記加熱手段を通電制御
    する通電制御手段と、 プリントすべきパターンを与えるパターン信号に基づ
    き、所望のドット密度よりも低いドット密度となる信号
    に変換して上記ドライブ手段に与え、上記受像媒体面に
    パターン作成させると共に、当該作成したパターンの固
    化後に上記受像媒体のパターン作成面にパターン信号に
    基づき、所望のドット密度よりも低いドット密度で先行
    のドットを補間するよう信号変換して上記ドライブ手段
    に与え、上記受像媒体面にパターン作成させるべく制御
    する手段とを具備することを特徴とするパターン作成装
    置。
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