JPH0871857A - 腐食疲労に優れたアルミ合金ホイールの表面加工方法 - Google Patents

腐食疲労に優れたアルミ合金ホイールの表面加工方法

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JPH0871857A
JPH0871857A JP23035394A JP23035394A JPH0871857A JP H0871857 A JPH0871857 A JP H0871857A JP 23035394 A JP23035394 A JP 23035394A JP 23035394 A JP23035394 A JP 23035394A JP H0871857 A JPH0871857 A JP H0871857A
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JP
Japan
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aluminum alloy
alloy wheel
roller
wheel
processing
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Pending
Application number
JP23035394A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Nagata
辰夫 永田
Naoshige Ueki
直重 植木
Seiichi Furuya
精市 古谷
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型車両や超高速車両等に使用されるアルミ
合金ホイールの疲労寿命を増大させる表面加工方法を提
供する。 【構成】 アルミ合金ホイールの表面に、そのアルミ合
金より硬質材料で作製されたローラを、冷間で押込み量
0.02〜0.30mmの範囲で押しつけ、アルミ合金
ホイールの少なくともディスク部の表面に塑性加工を与
えた後、バフ研磨することにある。 【効果】 アルミ合金ホイールの疲労強度が著しく向上
し、耐久性を増大できる。また、加工時のバフ研磨時間
が短縮され、加工費の節減が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、大型車両や超高速車
両等に使用されるアルミ合金ホイールの疲労寿命を増大
させる表面加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金は、軽い上に表面に酸
化膜が形成され耐食性に優れているため、自動車等の車
両では車体構成材料のほか、タイヤ用のホイールに使用
されている。
【0003】このアルミ合金ホイールは、使用条件によ
っては、応力集中源となるホイールディスク表面や孔食
の先端に疲労亀裂が発生することがある。この疲労亀裂
の開口は、引張り側で起こるため、圧縮残留応力を付与
しておくことで、疲労の進行を抑制することができる。
この圧縮残留応力を付与する方法としては、製品表面に
ショットピーニング、グリットブラスト、液体ホーニン
グ等によって微粒子を噴射・衝突させることによって行
なわれる。この結果、疲労限が向上するのである。
【0004】しかし、前記ショットピーニング法等は、
設備が大がかりな上、複雑な形状の製品に対しては適用
できない欠点があった。この欠点を除いて改良された方
法として、本出願人は先にアルミ合金ホイールの表面に
ローラを押しつけ、ホイールの表面を加工硬化させると
共に圧縮残留応力を付与する方法を提案した(特開平6
−79540号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平6−795
40号公報に開示された加工方法によれば、ローラを用
いた加工後の表面には、切削加工疵は押しつぶされてな
くなっているものの、美観も要求されるアルミ合金ホイ
ールの表面としては不十分であり、その後でバフ研磨し
たところで、美観を呈するような微細な表面粗さまで研
磨するには、極めて長時間の研磨が必要であるという問
題があった。
【0006】この発明は、前記加工方法に見られる問題
点を解消するため、アルミ合金ホイールの疲労強度を向
上させる表面加工方法において、極めて短時間に微細な
表面粗さに研磨し得るローラ押し込み条件を提供するも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明者らは仕上にバフ研磨を必要とするアルミ合
金ホイールの疲労寿命を改善するための研究を行ない、
その結果次の事柄を知り得た。
【0008】 ローラ加工により表面粗さを改善する
ために様々な条件で試験した結果、ローラ加工の条件と
して、加工速度、ローラ形状、合金組織等は必ずしも重
要でなく、押込み量が最も表面粗さと関連性のある重要
な因子であることが判明した。
【0009】 アルミ合金ホイールの表面を、0.0
2mm以上の押込み量でローラ加工すると、旋盤による
機械切削加工疵がローラで押しつぶされるために、表面
粗さが低下し、バフ研磨に要する時間が機械切削加工の
ままの場合に比べておよそ1/2に短縮された。
【0010】 0.30mm以上の押込み量でローラ
加工すると、表面部に強加工による微小亀裂が発生し、
逆にバフ研磨時間が長くなった。
【0011】 この発明の加工条件としての所定の押
込み量で加工すれば、疲労改善効果をも得ることができ
る。
【0012】この発明は、前記の知見に基づいて完成さ
れたものである。すなわち、この発明の腐食疲労に優れ
たアルミ合金ホイールの表面加工方法は、アルミ合金ホ
イールの表面に、そのアルミ合金より硬質材料で作製さ
れたローラを、冷間で押込み量0.02〜0.30mm
の範囲で押しつけ、アルミ合金ホイールの少なくともデ
ィスク部の表面に塑性加工を与えた後、バフ研磨するこ
とにある。
【0013】
【作用】この発明の実施により、アルミ合金ホイールの
表面にローラを押しつけて冷間塑性加工を行なうことに
より、ホイールの表面部が加工硬化すると共に、圧縮残
留応力が付与され、疲労強度が改善される。
【0014】ローラ加工後にバフ研磨することにより、
アルミホイールの美観が改善されるが、バフ研磨をする
と表面加工により加工硬化された表層部が幾分取り除か
れてしまうために、疲労寿命改善のために行なった加工
の効果が低下してしまう傾向がある。ショットピーニン
グ法のように、加工後の表面粗さが大きい場合には、バ
フ研磨により大きく表面層を取り除く必要があるが、こ
の発明のローラ加工であれば加工後の表面粗さは小さ
く、バフ研磨を短時間で終了できるため、疲労寿命改善
のために表面層に与えた加工領域をほとんど取り除く必
要がなく、美観を良くすることができる。このように、
バフ研磨時間を機械加工のままの場合に比べ短縮できる
ため、ホイールの生産性を向上できる点で優れている。
【0015】この発明の実施における冷間加工量は、ロ
ーラの押込み量で0.02〜0.30mmの範囲が適当
である。押込み量が0.02mm未満では、ローラ掛け
前の旋盤の目(切削後の表面模様)が大きく残り、この
後バフ研磨しても表面粗さは小さくなりにくい。また、
0.30mmを超えて加工すると、表面部に強加工によ
る微小亀裂が発生し、たとえバフ研磨しても、このよう
な微小亀裂はなくならず、そのため表面粗さを小さくで
きず美観が損なわれる。
【0016】この発明おいては、アルミ合金ホイールの
表面部のみに冷間塑性加工を施すことを特徴としている
ため、加工後の表面状態を最終製品に残す必要があるた
め、その塑性加工は熱処理を行なった後実施することが
望ましい。例えば、溶体化処理後に時効処理(T6処
理)した材料に実施すればアルミニウム合金の最高強度
を活かしたアルミホイールの製作が可能である。
【0017】冷間塑性加工に用いるローラの材質は、被
加工物のアルミニウム合金よりも硬質であればよく、例
えばS45C等の通常の炭素鋼やSKD5等の工具鋼等
が使用でき、被加工物と加工治具の強度を勘案して選択
される。
【0018】また、冷間塑性加工に用いるローラの形状
は、被加工物の形状とその強度に合わせて選択すればよ
い。すなわち、ローラと被加工物の接触面積を大きくす
れば、一度の加工で広い面積の加工が可能であるが、被
加工物に加わる負荷も大きくなり変形する恐れがある。
【0019】この発明においては、加工後の表面状態を
最終製品に残す必要があるため、被加工物全体が塑性変
形しない範囲でローラの形状を選択する必要がある。
【0020】例えば、平板状もしくは円筒状の6000
系アルミニウム合金構造部材に対しては、ローラ先端半
径:2〜100mm程度、先端平滑幅:2〜60mm程
度が望ましい。このようなローラを用いればアルミ合金
ホイールの表面加工が容易に実施できる。また、この発
明は、ローラ先端形状を被加工物の形状に合わせること
により、例えば自動車のサスペンションアームのような
棒状部材に適用することも可能である。また、ローラ加
工により表面粗さを低減させるためには、ローラ表面粗
さはRmax≦6.3sの方がよく、望ましくはバフ研
磨するのが良い。
【0021】
【実施例】表1に示す化学成分の6000系アルミニウ
ム合金を鍛造してホイール素材を形成し、溶体化処理
(530℃×30minで加熱した後水冷)と時効処理
(170℃×10hrで加熱した後水冷)を施した後、
機械加工してリム幅190.5mm、リム径571.5
mmのホイールを作製した。そして、鋼S45C製の図
1(a)に示す丸ローラと図1(b)に示す平ローラを
旋盤に取付け、ホイール回転数360rpm、ローラ送
り量0.2mm/revで前記ホイールのディスク部と
リム部を冷間塑性加工した後、ディスク部表面をバフ研
磨し試験用ホイールに仕上げた。なお、この発明の実施
によるローラ加工と比較するため、前記と同じホイール
に直径5mmの鋼球を圧力5kgf/cm2のガスで投
射しショットピーニングを施して比較試験用ホイールに
仕上げた。更に比較のため機械加工のまま仕上げたホイ
ールとローラ加工の押込み量がこの発明の0.02〜
0.30mmの範囲をはずれて加工した比較例のホイー
ルを作製した。
【0022】
【表1】
【0023】前記各試験用ホイールの曲げモーメント耐
久試験を、図2に示す試験機を使って表2に示す条件で
試験を行ない、N=106回でのディスク部ボルト穴周
辺での亀裂発生有無により耐久性を評価した。ただし、
材質6063と6151は6061よりも材料強度が低
いため、試験条件を一部変更している。図2中の1は回
転円板、2は締め金具、3は負荷アーム、4はアルミ合
金ホイール、Pは荷重である。表面バフ研磨加工は、
0.6μmのアルミナ砥粒をもちいて行なった。バフ研
磨はRmax≦1μm以下になるまで実施し、その加工
に要した時間を測定し比較し、機械加工のままよりも1
/2以下の短時間で終了したものを合格とした。
【0024】
【表2】
【0025】前記曲げモーメント耐久試験の結果を表3
に示す。バフ研磨時間についてみれば、本発明例No.
1〜14は、機械加工のままの比較例No.15〜17
と比較すると、いずれも所要時間が1/2以下の短時間
で終了している。
【0026】また、ローラ形状については、図1(a)
(b)に示すD、R、Wの各寸法を変化させたが、ロー
ラ形状によるこの発明の疲労改善効果の差異はほとんど
認められず、この発明の実施によればローラ形状の影響
は小さいことがわかり、所定の押込み量により冷間塑性
加工量さえ十分に与えられるなら、図1(a)(b)に
示すローラ形状のほかの、例えば球状等のローラでも実
施可能である。なお、平ローラの方が丸ローラよりも全
般にバフ研磨時間が短くなっているのは、表面粗さが小
さくなるためである。
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】この発明によれば、アルミ合金ホイール
の疲労強度が著しく向上し、耐久性を増大できる。ま
た、加工時のバフ研磨時間が短縮され、加工費の節減が
図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例において使用した押込み用の
ローラ形状を示し、(a)は丸ローラ、(b)は平ロー
ラである。
【図2】この発明の実施例においてアルミ合金ホイール
の曲げモーメント耐久試験に使用した試験機の概略を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 回転円板 2 締め金具 3 負荷アーム 4 アルミ合金ホイール P 負荷
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 21/00 Z C22F 1/04 L

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミ合金ホイールの表面に、そのアル
    ミ合金より硬質材料で作製されたローラを、冷間で押込
    み量0.02〜0.30mmの範囲で押しつけ、アルミ
    合金ホイールの少なくともディスク部の表面に塑性加工
    を与えた後、バフ研磨することを特徴とする腐食疲労に
    優れたアルミ合金ホイールの表面加工方法。
JP23035394A 1994-08-30 1994-08-30 腐食疲労に優れたアルミ合金ホイールの表面加工方法 Pending JPH0871857A (ja)

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JP23035394A JPH0871857A (ja) 1994-08-30 1994-08-30 腐食疲労に優れたアルミ合金ホイールの表面加工方法

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JP23035394A JPH0871857A (ja) 1994-08-30 1994-08-30 腐食疲労に優れたアルミ合金ホイールの表面加工方法

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JPH0871857A true JPH0871857A (ja) 1996-03-19

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ID=16906534

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JP23035394A Pending JPH0871857A (ja) 1994-08-30 1994-08-30 腐食疲労に優れたアルミ合金ホイールの表面加工方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007533549A (ja) * 2004-04-23 2007-11-22 ヘイズ レメルズ エス.アール.エル. 軽合金ホイールリムの製造方法及びそれにより作られたホイールリム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007533549A (ja) * 2004-04-23 2007-11-22 ヘイズ レメルズ エス.アール.エル. 軽合金ホイールリムの製造方法及びそれにより作られたホイールリム

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