JPH08713B2 - シリカガラスを用いた光学体 - Google Patents

シリカガラスを用いた光学体

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JPH08713B2
JPH08713B2 JP3093036A JP9303691A JPH08713B2 JP H08713 B2 JPH08713 B2 JP H08713B2 JP 3093036 A JP3093036 A JP 3093036A JP 9303691 A JP9303691 A JP 9303691A JP H08713 B2 JPH08713 B2 JP H08713B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線用光学ガラス材
料、エキシマレーザ光を光源とするレーザ装置に使用さ
れるレンズ材として好適なシリカガラスを用いた光学体
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年におけるLSIの高集積化の進展は
極めて著しく既に4Mビット及び16MビットのDRA
Mが実用化され、更に近い将来において64Mビットの
DRAMの実用化が検討されている。そしてこの様な高
集積化に伴ない前記LSIチップを製造するためのウエ
ハ上に集積回路パターンを描画するリソグラフィ技術に
おいてもパターン線巾がサブミクロン単位の、より微細
な線幅が描画可能な描画技術の開発も急務とされている
が、このような超微細描画技術を開発する上で最も重要
な点が露光光源の一層の短波長化であり、この為従来の
g線からi線(365nm)更には300nm以下の短
波長紫外線を露光光源に用いる技術が種々提案されてい
る。
【0003】しかしながら露光光源の短波長化を図る為
に、紫外線を用いた場合は、従来の光学ガラスを用いた
レンズでは使用波長が365nm(i線)付近より光透
過率が急激に低下して、光吸収と発熱が生じ、該レンズ
の焦点位置やその他の特性を狂わせることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる欠点を解消する
為に、レンズ材料を従来の光学ガラスからシリカガラス
に代える事が提案されているが、シリカガラスは従来の
光学ガラスに比較して屈折率が大幅に低く、この為該シ
リカガラスを利用してレンズ形成した場合、所望のf値
若しくは集束性能を得るために、レンズの厚さや曲率を
大きくしなければならず、この事は曲面収差が大きくな
る等の光学的悪影響が生じてしまうのみならず、装置大
型化にもつながり易い。
【0005】前記光リソグラフィー技術に係る従来の露
光装置(以下ステッパ装置と云う)においては、露光光
源としてスペクトル巾の狭い紫外線レーザを用いている
が、かかるレーザビームにおいてもスペクトル巾が2〜
3nm程度存在し、前記各収差の発生を完全に防止出来
ず、一層の細幅な描画を図る上で尚問題がある。
【0006】この為、前記従来装置においてはエタロン
板を用いて前記スペクトル巾を大幅に狭帯化させている
が、この様な構成を取るとエタロン板透過後のビーム強
度が大幅に低減し、この為高出力な光源を用いなけれな
ならない等の装置構成が煩雑化且つ大型化する。
【0007】本発明はかかる従来技術の欠点に鑑み、紫
外線用レンズ材、特にステッパ装置のレンズ材として好
適な、合成シリカガラスガラスを用いた光学体を提供す
る事を目的とする。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明は、レンズ材、プリ
ズム等に用いる高純度透明合成シリカガラスを加熱加圧
処理して屈折率を向上させ、光波長588nmにおける
絶対屈折率nd(以下屈折率ndという)を1.48〜
1.56の範囲に設定した点を特徴とする。
【0009】即ち、従来の高純度透明合成シリカガラス
の屈折率は、nd:1.458前後であり、これに対し
本発明は、1.48〜1.56と従来の合成シリカガラ
スより屈折率を0.02以上、より好ましくは0.05
以上増加させた点にあり、これにより前記従来の加熱加
圧処理をしない高純度透明合成シリカガラスと本発明の
ガラス体を組合せて例えば色消しレンズ等の製作が可能
であり、従来不可能とされていた短紫外波長域での色収
差等を容易に消去できる。
【0010】又屈折率が0.02〜0.1向上する事は
従来のシリカガラスに比して十分なる有意差をもってレ
ンズ形状等を設定でき、言換えればレンズ径の大口径化
や焦点距離の短縮を達成でき、これによりレンズ設計の
自由度が増すために、レンズ形状から起因する各種収差
の低減が可能である。又レンズ径の大口径化や焦点距離
の短縮によりこれらを組込んだステッパ装置等の高性能
化も達成し得る。
【0011】尚、前記屈折率の上限を1.56に限定し
たのは本発明は後記する光透過性を維持するために、超
高圧の圧力を利用してガラス組織の高密度化を図ること
により屈折率の向上を図るものであるために、後記実施
例から明らかなように大口径ガラス体を処理できうる超
高圧加圧装置の設計上の一つの上限が略30000kg
f/cmであることによる。
【0012】さてこのような高屈折率化を達成する技術
として従来よりシリカガラス中に金属元素をドープする
事により、高屈折率化を図る技術は多々存在するが、金
属元素をドープさせる事は紫外線波長域での光透過性、
より具体的には200nm付近の透過率を大幅に低下さ
せ、光学部材として適さない。
【0013】又同様に「塩素がシリカガラスの屈折率に
与える影響の研究報告」(K.Susa,et.al,
Journal of Nou−Cystallive
Solids,Vol.79,pp165〜176,
1986)の文献において、各種塩素濃度のシリカガラ
スの屈折率を測定した所、Clの1wt.%当り屈折率
が1×10−3上昇する事が明らかにされたと開示され
ているが、Clを1wt.%以上も含有させる事は当然
に耐紫外線性を低下させるのみならず、この方法で例え
Clを5wt.%含有させることが出来たとしても、屈
折率は0.005しか上昇させることが出来ず、目標と
する高屈折率化を達成し得ない。
【0014】しかしながら合成シリカガラスの製造では
四塩化ケイ素を出発原料として用いている為に、当然に
製造されたガラス体中にClが含有されている。従って
請求項2記載の発明においては、加熱加圧処理する出発
母材たる合成シリカガラスをのClを低減させて前記C
lの含有量を200(wt・ppm)以下に設定してい
る。尚、合成シリカガラスの製造方法は一般に四塩化ケ
イ素を原料としてH/Oガスフレーム中で火炎加水
分解をしている。従ってClについては原料中のClが
シリカガラス中に溶け込んでしまうが、Clの低減は、
/Oガスフレーム中のHガスと化学反応を生ぜ
しめて気化させることにより、ガラス体中へのClの溶
存量を少なくさせることが出来る。
【0015】尚本発明は、該ガラス中における不純物金
属元素の夫々の含有量を100(wt・ppb)以下に
設定した高純度透明合成シリカガラスを用いる事を前提
としている。ここで不純物金属元素とはアルカリ金属元
素Li,Na,K,アルカリ土類金属元素Mg,Ca及
び遷移金属元素Ti,Cr,Fe,Ni,Cuを指す。
【0016】尚、OH基の存在は特に高出力のレーザに
本発明を適用する場合は逆に耐紫外線レーザ性に好まし
い影響を生じせしめるものである為にこれらは存在して
おいた方が好ましい。けだし、前記OH基はガラス綱目
構造の終端部となるもので、いわゆるネットワークター
ミネータである。このネットワークターミネータが適量
存在すると、ガラス綱目構造中の元素間の距離の狂いや
元素間の結合角度のねじれをリラックスさせて、安定化
させ、更にOH基の水素がE’センター等の吸収バンド
の修復に作用するものと推定される。
【0017】従って請求項3記載の発明において、エキ
シマレーザを用いた装置に用いる、高純度透明合成シリ
カガラスからなるレンズ材において、前記高屈折率化と
ともに、OH基の含有量を10(wt・ppm)以上、
更に該ガラス中に溶存させた水素分子濃度を5×10
16(molecules/cm)以上に設定した事
にある。勿論この場合も金属不純物元素についてもガラ
ス中に実質的の存在しない程度に高純度である必要があ
るが、必ずしも前記発明の数値に限定されない。
【0018】即ちガラス組織中に、不純物金属元素や酸
素欠陥が存在すると、前記したようにガラス組織を構成
する元素間の結合力が、理想的シリカガラスの元素間の
結合力に比較して弱くなり、照射される光エネルギーに
よりシリカガラスの元素間の結合が切断されることによ
り構造的変化を起こし、屈折率変化や透過率低下等を発
生させる原因ともなる。そしてこの様な欠陥を解消する
ために、前記発明においては不純物金属元素の含有量を
極力少なくしているが、エキシマレーザのように照射さ
れるレーザ出力が大になるとこれのみでは対処し得な
い。
【0019】この為本発明は前記したように不純物金属
元素を極力少なくするために、合成シリカガラスを出発
母材としているが、合成シリカガラスは酸素欠陥が生じ
やすく、OH基の含有量を10(wt・ppm)のみで
は、やはり高出力レーザに対処し得ない場合がある。そ
こで本発明は前記シリカガラス中に、より具体的にはシ
リカガラスの表面域とととも内部域にも水素分子を所定
量均一に溶存させた点をクレーム化している。
【0020】尚、シリカガラス中へ水素分子の溶存は一
般に水素ドープにより対処しているが、水素ドープ方式
では水素ガスと接触する表面域のみに多くガスドープさ
れ、ガラス体の厚みが大になればなるほどその内部域ま
で浸透するのが困難になる。そこで本発明は高屈折率化
を図るための超高圧熱処理を利用して該熱処理を行うこ
とにより、前記溶存を可能としている。
【0021】即ち前記超高圧加熱処理、特に再溶融加熱
処理を行うことにより出発母材たる合成シリカガラス体
の水分、OH基、プロトン(H)等の水素元素を水素
分子(H)として顕在化出来、これによりシリカガラ
スの厚みに制限されることなく、内部域まで均等に水素
分子を溶存させることが可能となる。尚、本発明の場合
も金属不純物元素についてもガラス中に実質的に存在し
ない程度に高純度である必要があるが、必ずしも前記請
求項1記載の発明の数値に限定されない。
【0022】
【実施例】原料四塩化ケイ素を蒸留処理して不純物を除
去させた高純度の四塩化ケイ素(SiCl)を原料と
し、酸水素加水分解法の直接火炎法(以下ダイレクト
法)にてH/Oガスフレーム中のHガスと化学反
応を生ぜしめてClを気化させながら、ガラス体中への
Clの溶存量を少なくしながら高純度合成シリカガラス
を作成した。(母材A)また、天然水晶粉を原料とし酸
水素炎加熱溶融法(以下ベルヌイ法)にて天然シリカガ
ラスを作成した。(母材B)そして、前記母材A及びB
から、寸法20×20×10mmのOH基測定用サン
プル1ケと、複数の超高圧処理用出発体を切出した。
【0023】次にこの母材A及びBの各サンプルについ
てOH基濃度を赤外吸収法により測定してみたところ、
母材Aでは730ppmであり、母材Bでは230pp
mといずれも充分なるOH基濃度を有する。又屈折率に
ついて、顕微鏡を使った浸液法により光の波長588n
mにおける屈折率測定を行った所、いずれもnd:1.
458であった。
【0024】又これらの試験片の水素分子濃度を測定す
る為に、水素分子測定用サンプルとして寸法5×10×
20mm でかつ3面を鏡面仕上したものを作成してレ
ーザラマン散乱測定法による水素分子濃度測定を行う。
即ち該測定方法は、前記サンプルをセットした後Arレ
ーザ(488nm)で照射し4135(cm−1)と8
00(cm−1)の散乱光の強度比よりガス濃度を計算
する。(V.S.Khotimchenko,eta
l.Zhurnal Prikladnoi Spek
troskopii,Vol.46,No.6,PP.
987〜991,1986)この測定結果によれば母材
A及びBの水素濃度はいずれも5×1016(mole
cules/cm)未満であった。
【0025】そして円柱体に形成した母材Aをタンタル
(Ta)製カプセルに封入し、その周囲に圧力媒体とし
ての高ケイ酸ガラス、カツ石を充填し、その外側にヒー
ターとしてのグラファイトを配置し、それらを、ステン
レススチール製ピストンシリンダー型超高圧加圧装置に
設置した。
【0026】次に図1に示す加圧及び加温カーブに基づ
いて、昇温速度を30(℃/min)とし1800℃ま
で昇温すると共に、該1800℃に昇温時点でに150
00kgf/cmの圧力になるように加圧を行ない、
該加圧圧力と加熱温度を10min維持して熱処理を行
った後、降温工程に移行する。
【0027】降温工程では徐冷点付近の1100℃の温
度まで30(℃/min)の降温速度で急冷した後、8
00℃の温度まで10(℃/min)の降温速度で徐冷
しながらアニール処理を行う。その後自然放冷を行うわ
けであるが、前記加圧圧力は前記温度が500℃に降温
するまで15000kgf/cmの圧力を維持し、そ
の後前記圧力を徐々に開放しながら常圧まで降圧した
後、ガラスの入ったタンタルカプセルの取り出しを行な
った。(実施例1)
【0028】前記加圧圧力を夫々20000(kgf/
cm)、 30000(kgf/cm)にした他は
前記実施例と同一条件で熱処理したもの(実施例2、
3)を製造する。
【0029】次に、前記熱処理後の各試料について、タ
ンタルカプセルごとガラスの切断、研磨を行ない測定用
サンプルを作成して、顕微鏡を使った浸液法により光の
波長588nmにおける屈折率測定を行った所、実施例
1についてはnd:1.485、実施例2についてはn
d:1.525及び実施例3についてはnd:1.54
0と、いずれも高圧加圧処理前のガラスの屈折率(1.
458)に対し、約0.04以上の上昇が見られ、本サ
ンプルと従来のシリカガラスとの組合せにより有効な色
消しレンズの製造が可能であると共に、屈折率が0.0
3〜0.08向上する事は従来のシリカガラスに比して
レンズ径の大口径化や焦点距離の短縮を達成でき、これ
によりレンズ設計の自由度が増すために、レンズ形状か
ら起因する各種収差の低減が可能である。
【0030】次に前記光の波長200(nm)における
厚さt5mmの見かけの透過率測定を行なったところ、
実施例1については89%、実施例2及び3については
87%、86%であった。
【0031】次に前記各実施例について原子吸光光度法
及び中性子放射化分析法によって、不純物分析を行なっ
たところいずれの実施例についても、Li:100w
t.ppb以下、Na:100wt.ppb以下、K:
100wt.ppb以下、Mg:100wt.ppb以
下、Ca:100wt.ppb以下、Ti:50wt.
ppb以下、Cr:50wt.ppb以下、Fe:50
wt.ppb以下、Ni:50wt.ppb以下、C
u:50wt.ppb以下であり、高純度が保持されて
いた。
【0032】次に前記各実施例について水素ガス濃度を
測定した所いずれも5×1016(molecules
/cm)以上であった。いずれも耐紫外線レーザ性を
得るのに十分な量の水素分子が含有されている事が確認
され、又内部のサンプルと表面域のサンプルでも顕著な
る差がみられなかった。
【0033】又OH基濃度については、実施例1は約7
20wt.ppm、実施例2は約720wt.ppm、
実施例3は約710wt.ppmといずれも加熱処理前
よりOH基は若干低減しているが、いずれも10ppm
以上のOH基濃度を有する。又前記Clの含有量は3サ
ンプルとも約70(wt・ppm)であった。
【0034】次にこれら厚さ5mmサンプルについて、
照射条件がパルスエネルギー密度を約400(mj/c
.pulse)と高出力に設定し、周波数100
(Hz)、照射パルス数1×10(pulses)と
してKrFエキシマレーザを照射しレーザ照射前後での
シリカガラスの140nm〜700nm域での透過率の
変化を調べた。
【0035】実施例1、2及び3のいずれのサンプルに
おいても、実質的に透過率低下が認められなかった。特
に、E’センター吸収バンドに対応する5.8eV(約
214nm)での透過率は、レーザ照射後も±0.5
(%)以内の見かけの透過率低下であり、測定器の精度
内のばらつきであった。
【0036】次に比較例として母材Bの天然シリカガラ
スについて実施例2と同様な熱処理条件で製造したサン
プルについて屈折率を測定したところ、nd:1.53
5と実施例2以上の高い屈折率を得たが、前記光の波長
200(nm)における見かけの透過率測定を厚さ5m
mサンプルにて行なったところ、55%、と光学部材と
して不適である事が確認された。そしてこのサンプルに
ついて、不純物分析を行なったところ、Li:1200
wt.ppb,Na:2300wt.ppb,K:80
0wt.ppb、Mg:200wt.ppb、Ca:3
00wt.ppb,Ti:200wt.ppb,Cr:
50wt.ppb,Fe:80wt.ppb,Ni:5
0wt.ppb、Cu:70wt.ppbであった。
【0037】OH基濃度については、約230wt.p
pmと加熱処理前後の変化は認められず、10ppm以
上のOH基濃度を有していた。又前記Clの含有量は3
(wt.ppm)以下であった。
【0038】次に前記母材AとCVDスート再溶融法
(以下スート法という)にて生成した高純度シリカガラ
スインゴット(母材C)を用いて下記2種の熱処理を行
う。(実施例4、比較例2)
【0039】尚、母材Cの水素ガス濃度は5×1016
(molecules/cm)未満、OH基は5pp
m未満であった。加熱処理は、図2に示す加圧及び加温
カーブに基づいて、昇温速度を30(℃/min)とし
900℃まで昇温すると共に、該900℃に昇温時点で
に20000kgf/cmの圧力になるように加圧を
行ない、該加圧圧力と加熱温度を30min維持して熱
処理を行った後、降温工程では30(℃/min)の降
温速度で室温に至るまで降温する。
【0040】一方、前記加圧力は前記降温が開始されて
も尚更に40min前記圧力を維持した後、言換えれば
前記温度が500℃に降温するまで20000kgf/
cmの圧力を維持した後、該圧力を徐々に開放しなが
ら後常圧まで降圧させ、その後、ガラスの入ったタンタ
ルカプセルの取り出しを行なった。次に、前記熱処理後
の各試料について、光の波長200(nm)における見
かけの透過率測定を行なったところ、実施例4について
はサンプル厚さ5mmにおいて、87%と好ましい数値
を得た。比較例2についても85%と光学部材として満
足する数値を得た。
【0041】次にこのサンプルについて光の波長588
nmにおける屈折率測定を行った所、実施例4について
はnd:1.495、比較例2についてもnd:1.4
95といずれも高圧加圧処理前のガラスの屈折率(1.
458)に対し、約0.03以上の上昇が見られ、前記
実施例と同様な効果が得られる事が確認された。処理後
のサンプルのOH基濃度については、実施例4は約73
0ppmで10ppm以上のOH基濃度を有するが、比
較例2は5ppm以下であった。又前記Clの含有量は
実施例4は約80(wt.ppm)比較例2は約120
0(wt.ppm)であった。又水素ガス濃度について
も実施例4は5×1017(molecules/cm
以上であるが、比較例2は5×1016(molec
ules/cm)未満と水素ガスの生成がされていな
い事が確認された。
【0042】次にこれらのサンプルについて耐KrFエ
キシマレーザ性の評価を実施例1と同一の手法を行った
結果、照射前の5.8eVの見かけの透過率が90〜9
1%であったサンプルがレーザ照射後は、実施例4のサ
ンプルでは透過率低下は認められず、比較例2のサンプ
ルでは30%前後に、低下してしまった。これによりO
H基と共に水素濃度の存在が耐レーザ性に好ましい結果
を有する事が理解できる。
【0043】
【発明の効果】以上記載した如く本発明によれば、短波
長紫外線においても充分なる光透過性と少なくとも屈折
率ndが0.03以上の屈折率の上昇を可能とするため
に、紫外線域で好適に適用可能なレンズ材としても、又
既存の合成シリカガラスとの組合せにおいて色消しレン
ズとしても適用可能である。さらに本発明は、金属元素
ドープや多量のClを含有させる事なく、而も高純度で
且つ高透明な状態を維持し得る為に、短波長のKrFエ
キシマレーザ(428nm)などの紫外線レーザ用ガラ
ス材として有効に利用できる。等の種々の著効を有す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における熱処理状態を示す温
度と圧力の時系列曲線図である。
【図2】本発明の実施例4における熱処理状態を示す温
度と圧力の時系列曲線図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Na,K,Li,Ca,Mg,Ti,C
    r,Fe,Ni,及びCuの不純物金属元素の含有量を
    夫々100(wt・ppb)以下に設定した高純度透明
    合成シリカガラスを用いて形成したレンズ材その他の光
    学体において、前記合成シリカガラスを加熱加圧処理し
    て屈折率を向上させ、光波長588nmにおける絶対屈
    折率ndを1.48〜1.56の範囲に設定した事を特
    徴とする光学体
  2. 【請求項2】Na,K,Li,Ca,Mg,Ti,C
    r,Fe,Ni,及びCuの不純物金属元素の含有量を
    夫々100(wt・ppb)以下に設定した高純度透明
    合成シリカガラスを用いて形成したレンズ材その他の光
    学体において、Clの含有量を200(wt・ppm)
    以下に設定した前記合成シリカガラスを加熱加圧処理し
    て屈折率を向上させ、光波長588nmにおける絶対屈
    折率ndを1.48〜1.56の範囲に設定した事を特
    徴とする光学体
  3. 【請求項3】エキシマレーザを用いた装置に用いる、高
    純度透明合成シリカガラスからなるレンズ材その他の光
    学体において、前記合成シリカガラスを加熱加圧処理し
    て屈折率を向上させ、光波長588nmにおける絶対屈
    折率ndを1.48〜1.56の範囲に設定すると共
    に、OH基の含有量を10(wt・ppm)以上に設定
    すると共に、水素分子濃度を5×1016(molec
    ules/cm)以上に設定した事を特徴とする光学
  4. 【請求項4】加熱加圧処理をしない高純度透明合成シリ
    カガラスからなるガラス体と、合成シリカガラスを加熱
    加圧処理して屈折率を向上させ、光波長588nmにお
    ける絶対屈折率ndを1.48〜1.56の範囲に設定
    したガラス体とを組合せて色消しレンズを構成した事を
    特徴とする光学体
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