JPH0871065A - X線散乱成分の補正方法およびx線ct装置 - Google Patents

X線散乱成分の補正方法およびx線ct装置

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JPH0871065A
JPH0871065A JP6209483A JP20948394A JPH0871065A JP H0871065 A JPH0871065 A JP H0871065A JP 6209483 A JP6209483 A JP 6209483A JP 20948394 A JP20948394 A JP 20948394A JP H0871065 A JPH0871065 A JP H0871065A
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正健 貫井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 X線散乱成分の補正の精度を向上し、操作を
簡単化する。 【構成】 幅方向に多数のチャネルCiを配列した検出
器Dのモニタチャネルに取り付けた鉛ブロックL1,L
2は、モニタチャネルの検出面の厚さ方向端部近傍S
1,S2を部分的に遮蔽するものであり、幅の異なる複
数の鉛板を組み合わせることにより遮蔽面積をチャネル
間(またはチャネルグループ間)で変えている。被検体
をスキャンし、モニタチャネルのカウント値から最小2
乗法により遮蔽領域の厚さとカウント値の1次式qを求
める。この1次式qの遮蔽領域の厚さに“0”および
“検出器の厚さ”を代入して、散乱成分を遮断しないと
きの仮想カウント値および散乱成分を全て遮断したとき
の仮想カウント値を求め、両者の差から散乱成分量を計
算する。この散乱成分量を各チャネルCiでのカウント
値から減算して、透過X線データγを得る。 【効果】 補正精度を十分に向上できる。また、ファン
トムを測定するような操作の手間が不要になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、X線散乱成分の補正
方法およびX線CT(Computed Tomograpy)装置に関す
る。さらに詳しくは、補正精度を向上でき,手間がかか
らないX線散乱成分の補正方法およびそのX線散乱成分
の補正方法を好適に実施できるX線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図13は、X線CT装置で被検体をスキ
ャン(scan;走査)する状況の説明図である。X線管T
から放射されたX線は、コリメータ(collimator)Kに
よって扇形で厚さwのX線ビーム(Beam)Xrに絞ら
れ、被検体Hを透過し、透過成分Xpとなり、検出器
D’の厚さ方向(=X線ビームXrの厚さ方向)の中央
部の幅wの領域に入射する。ところが、被検体Hを透過
する際、被検体HによりX線ビームXrが散乱される。
このため、検出器D’の全面に散乱成分Xsが入射す
る。
【0003】図14は、検出器D’の模式的斜視図であ
る。検出器D’は、幅方向(図のB方向)に多数のチャ
ネルCiを配列したものである。チャネル数は例えば8
00である。一つのチャネルの幅tは例えば0.5mm
であり、厚さdは例えば25mmである。検出器D’の
厚さ方向の中央部Pには、透過成分Xpおよび散乱成分
Xsが入射する。また、検出器D’の厚さ方向の端部近
傍S1,S2には、散乱成分Xsが入射する。
【0004】上記のように、検出器D’の各チャネルの
カウント値(検出データ)は、透過成分Xpおよび散乱
成分Xsの和になっているから、画像の再構成を正しく
行うためには、散乱成分Xsを除去する補正が必要とな
る。
【0005】次に、X線散乱成分の補正方法の従来の一
例を説明する。被検体Hをスキャンする前に、投影像の
面積と散乱成分量の関係式Qを求めておく。これは、図
15に示すように、直径の異なる種々の大きさのファン
トムFについて、検出器D’を厚さ方向に変位させて散
乱成分Xsだけを入射させ、カウント値を取得する。こ
のときの各カウント値は、種々の大きさのファントムF
の各散乱成分量である。次に、図16に示すように、各
ファントムFの投影像の面積Aを計算する。次に、図1
7に示すように、各ファントムFの投影像の面積Aと前
記測定した散乱成分量の関係式Qを求める。なお、図1
7中で、wtr15〜wtr30は直径15cm〜30cmのフ
ァントムFを示し、Airは、ファントムなしを示す。被
検体Hをスキャンする際は、各ビューでの被検体Hの投
影像の面積を求め、被検体Hの投影像の面積から前記関
係式Qを用いてX線散乱成分を求め、各チャネルのカウ
ント値を補正する。
【0006】図17に、従来の散乱成分補正処理のフロ
ーチャートを示す。ステップB1では、被検体Hをスキ
ャンし、検出器D’の各チャネルCiでのカウント値α
を取得する。ステップB2では、カウント値αから被検
体Hの投影像の面積Ahを計算する。ステップB3で
は、前記投影像面積Ahと前記関係式Qとに基づいて被
検体Hの散乱成分量βhを求める(図17参照)。
【0007】ステップB4では、前記カウント値αから
前記散乱成分量βhを減算し、その減算結果を透過X線
データγとする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のX線散乱成
分の補正方法では、ファントムFでの散乱特性と被検体
Hの散乱特性とを同一と仮定しているが、実際には両者
は同一ではない。また、検出器Tの特性の経時変化によ
り関係式Qが適正でなくなる場合もある。このため、補
正精度が十分でない問題点がある。また、関係式Qを求
めるために、種々の大きさのファントムFを測定する必
要があり、操作に手間がかかる問題点がある。そこで、
この発明の目的は、補正精度を向上でき,手間がかから
ないX線散乱成分の補正方法およびそのX線散乱成分の
補正方法を好適に実施できるX線CT装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の観点では、この発
明は、X線CT装置の検出器の幅方向に配列した多数の
チャネルのうちの複数チャネルをX線散乱成分について
チャネル間またはチャネルグループ間で異なる検出面積
を有するモニタチャネルとしておき、被検体のスキャン
により前記検出器の各チャネルの検出値を取得し、前記
モニタチャネルで取得した検出値に基づいて1チャネル
当りの散乱成分量を計算し、その散乱成分量を前記各チ
ャネルの検出値から減算して各チャネルの透過X線デー
タとすることを特徴とするX線散乱成分の補正方法を提
供する。上記構成において「チャネル間またはチャネル
グループ間で異なる検出面積を有する」とは、チャネル
ごとに異なる検出面積としてもよいし、2以上のチャネ
ル毎を1チャネルグループとして各チャネルグループご
とに異なる検出面積としてもよいことを意味する。
【0010】第2の観点では、この発明は、幅方向に多
数のチャネルを配列した検出器を有するX線CT装置に
おいて、前記多数のチャネルのうちの複数チャネルがX
線散乱成分について各チャネルまたはチャネルグループ
間で異なる検出面積を有するモニタチャネルとされた検
出器と、被検体のスキャンにより前記モニタチャネルで
取得した検出値に基づいて1チャネル当りの散乱成分量
を計算する散乱成分量計算手段と、被検体のスキャンに
より前記検出器の各チャネルで取得した検出値から前記
散乱成分量を減算して各チャネルの透過X線データを取
得する散乱成分量補正手段とを具備したことを特徴とす
るX線CT装置を提供する。
【0011】第3の観点では、この発明は、幅方向に多
数のチャネルを配列した検出器を有するX線CT装置に
おいて、前記多数のチャネルのうちの複数チャネルが少
なくとも検出器の厚さ方向端部近傍に検出面を有し且つ
各チャネルまたはチャネルグループ間で異なる検出面積
を有するモニタチャネルとされた検出器と、被検体のス
キャンにより前記モニタチャネルで取得した検出値に基
づいて1チャネル当りの散乱成分量を計算する散乱成分
量計算手段と、被検体のスキャンにより前記検出器の各
チャネルで取得した検出値から前記散乱成分量を減算し
て各チャネルの透過X線データを取得する散乱成分量補
正手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置を提
供する。
【0012】第4の観点では、この発明は、上記構成の
X線CT装置において、前記複数チャネルの検出面の前
記厚さ方向端部近傍を鉛ブロックで遮蔽し且つその遮蔽
面積を各チャネルまたはチャネルグループ間で変えるこ
とにより前記モニタチャネルが構成されてなることを特
徴とするX線CT装置を提供する。
【0013】第5の観点では、この発明は、上記構成の
X線CT装置において、前記検出器の幅方向に配列した
多数のチャネルのうちの幅方向端部近傍の複数チャネル
が前記モニタチャネルとされてなることを特徴とするX
線CT装置を提供する。
【0014】
【作用】上記第1の観点によるX線散乱成分の補正方法
および上記第2の観点によるX線CT装置では、検出器
の複数チャネルをX線散乱成分について各チャネルまた
はチャネルグループ間で異なる検出面積を有するモニタ
チャネルとしておく。そして、被検体をスキャンして前
記検出器の各チャネルの検出値を取得した後、前記モニ
タチャネルで取得した検出値に基づいて1チャネル当り
の散乱成分量を計算する。前記モニタチャネルの各チャ
ネルまたはチャネルグループ間はX線散乱成分について
異なる検出面積を有する。従って、前記モニタチャネル
の検出値から検出面積の大きさと散乱成分量の関係式が
求まる。モニタチャネルでないチャネルの検出面積は一
定であるから、その検出面積と前記関係式から1チャネ
ル当りの散乱成分量を計算できる。そして、その計算し
た散乱成分量をモニタチャネルでないチャネルの検出値
から減算して、各チャネルの透過X線データとする。モ
ニタチャネルでないチャネルの検出値は透過成分と散乱
成分の和である。また、1チャネル当りの散乱成分量は
一定と見なせる(チャネルによって散乱成分量が大きく
変化しないことが経験的に判っている)。そこで、モニ
タチャネルでないチャネルの検出値から1チャネル当り
の散乱成分量を減算すれば、透過成分のみの検出値すな
わち透過X線データが得られる。以上によれば、ファン
トムでなく,被検体そのものをスキャンした検出値から
散乱成分量を計算するため、散乱特性の不一致の問題が
ない。また、スキャン時に関係式を求めるから、検出器
の特性の経時変化により関係式が適正でなくなる問題が
ない。従って、補正精度を十分に向上できる。また、種
々の大きさのファントムを測定する必要がなく、操作に
手間がかからない。なお、上記構成のX線散乱成分の補
正方法において、前記関係式を1次式とすれば、計算の
処理が簡単になる。
【0015】上記第3の観点によるX線CT装置では、
検出器の複数チャネルを、少なくとも厚さ方向端部近傍
に検出面を有し且つ各チャネルまたはチャネルグループ
間で異なる検出面積を有するモニタチャネルとしてお
く。その外は、上記第2の観点によるX線CT装置と同
じ構成とする。前記モニタチャネルの各チャネルは厚さ
方向端部近傍に検出面を有するため、それらの検出値は
散乱成分だけである。また、前記モニタチャネルの各チ
ャネルまたはチャネルグループ間は異なる検出面積を有
する。従って、前記モニタチャネルの検出値から検出面
積の大きさと散乱成分量の関係式が求まる。モニタチャ
ネルでないチャネルの検出面積は一定であるから、その
検出面積と前記関係式から1チャネル当りの散乱成分量
を計算できる。その外の作用は、上記第2の観点による
X線CT装置と同じである。なお、例えば検出器の厚さ
が大きいならば、厚さ方向端部近傍でなくても散乱成分
だけの検出値を得ることが可能である。
【0016】上記第4の観点によるX線CT装置では、
複数チャネルの検出面の厚さ方向端部近傍を鉛ブロック
で遮蔽し、その遮蔽面積をチャネル間またはチャネルグ
ループ間で変えることにより、モニタチャネルを構成す
る。これにより、通常の検出器の一部をモニタチャネル
に利用でき、構成が簡単になる。
【0017】上記第5の観点によるX線CT装置では、
検出器の多数のチャネルのうちの幅方向端部近傍の複数
チャネルを前記モニタチャネルとする。このようにモニ
タチャネルを幅方向端部近傍に配置することにより、幅
方向中央部近傍のチャネルで透過X線データを取得でき
るようになり、処理が簡単になる。
【0018】
【実施例】以下、図に示す実施例によりこの発明をさら
に詳しく説明する。なお、これによりこの発明が限定さ
れるものではない。 −第1実施例− 図1は、この発明のX線CT装置の第1実施例のブロッ
ク図である。このX線CT装置100は、操作コンソー
ル1と、撮影テーブル8と、走査ガントリ9とを具備し
ている。前記操作コンソール1は、操作者の指示や情報
などを受け付ける入力装置2と、スキャン処理や画像再
構成処理などを実行する中央処理装置3と、制御信号な
どを撮影テーブル8や走査ガントリ9へ出力する制御イ
ンタフェース4と、走査ガントリ9で取得したデータを
収集するデータ収集バッファ5と、断層像やスカウト画
像などを表示するCRT6とを具備している。前記撮影
テーブル8は、被検体を乗せて体軸方向に移動させる。
前記走査ガントリ9は、X線コントローラ10と、X線
管Tと、コリメータKと、検出器Dと、データ収集部1
4と、被検体の体軸の回りにX線管Tなどを回転させる
回転コントローラ15とを具備している。なお、前記中
央処理装置3が、この発明にかかる散乱成分量計算手段
と散乱成分補正手段として機能する。
【0019】図2は、上記X線CT装置100で被検体
をスキャンする状況の説明図である。X線管Tから放射
されたX線は、コリメータKによって扇形で厚さwのX
線ビームXrに絞られ、被検体Hを透過し、透過成分X
pとなり、検出器Dの厚さ方向の中央部の幅wの領域に
入射する。また、前記X線ビームXrは、被検体Hによ
り散乱され、散乱成分Xsとなり、検出器Dの全面に入
射する。前記検出器Dの幅方向端部近傍Zrには、前記
散乱成分Xsを部分的に遮蔽する鉛ブロックL1,L2
が取り付けられている。
【0020】図3は、検出器Dの模式的斜視図である。
検出器Dは、幅方向に多数のチャネルCiを配列したも
のである。チャネル数は例えば800である。一つのチ
ャネルの幅tは例えば0.5mmであり、厚さdは例え
ば25mmである。検出器Dの厚さ方向の中央部Pに
は、透過成分Xpおよび散乱成分Xsが入射する。ま
た、検出器Dの厚さ方向の端部近傍S1,S2には、散
乱成分Xsが入射する。鉛ブロックL1,L2は、複数
のチャネルの検出面の厚さ方向端部近傍S1,S2を部
分的に遮蔽するものであり、幅の異なる複数の鉛板を組
み合わせることにより遮蔽面積をチャネル間(またはチ
ャネルグループ間)で変えている。前記鉛板の厚さτは
例えば0.2mmであり、高さyは例えば10mmであ
る。
【0021】図4は、検出器Dの模式的平面図である。
鉛ブロックL1およびL2で遮蔽されていないチャネル
C1,鉛ブロックL2で厚さτだけ遮蔽されているチャ
ネルC2,鉛ブロックL1およびL2で厚さ2τだけ遮
蔽されているチャネルC3,鉛ブロックL1およびL2
で厚さ3τだけ遮蔽されているチャネルC4,…が、そ
れぞれモニタチャネルになっている。
【0022】図5は、各モニタチャネルC1,C2,…
の遮蔽領域の厚さxを横軸にとり、カウント値αを縦軸
にとって、被検体Hをスキャンした時のモニタチャネル
C1,C2,…のカウント値α1,α2,…をプロット
したグラフである。遮蔽領域の厚さxが増える程、散乱
成分Xsが遮断されるため、カウント値は減っていく。
この遮蔽領域の厚さxとカウント値の関係式qを求め
て、その関係式qに遮蔽領域の厚さx=dを代入すれ
ば、散乱成分Xsを全て遮断したときの仮想カウント値
αdを推定できる。また、前記関係式qに遮蔽領域の厚
さx=0を代入すれば、散乱成分Xsを遮断しない場合
の仮想カウント値α0が求まる。この仮想カウント値α
0から前記仮想カウント値αdを引けば、1チャネル当
りの散乱成分量βを計算できる。なお、遮蔽領域の厚さ
xを実際に増やして検出器Dの厚さ方向の中央部Pまで
遮蔽すると、透過成分Xpまで遮蔽するため、急激にカ
ウント値αが低下する。そして、遮蔽領域の厚さx=d
とすると、カウント値=0になる。すなわち、上記仮想
カウント値αdは、実測できず、関係式qから計算によ
ってのみ得られる値である。
【0023】図6は、上記X線CT装置100における
散乱成分補正処理のフローチャートである。ステップV
1では、被検体Hをスキャンし、検出器Dの各チャネル
Ciでのカウント値αを取得する。ステップV2では、
モニタチャネルC1,C2,…のカウント値α1,α
2,…から最小2乗法により1次式qを求める。ステッ
プV3では、1次式qに遮蔽領域の厚さx=0およびd
を代入して、散乱成分Xsを遮断しないときの仮想カウ
ント値α0および散乱成分Xsを全て遮断したときの仮
想カウント値αdを求める。ステップV4では、仮想カ
ウント値α0から仮想カウント値αdを減算して、散乱
成分量βを計算する。ステップV5では、各チャネルC
iでのカウント値αから前記散乱成分量βを減算し、そ
の減算結果を透過X線データγとする。なお、モニタチ
ャネルC1,C2,…での散乱成分量を1次式qから求
めて、モニタチャネルC1,C2,…でのカウント値α
1,α2,…から減算すれば、モニタチャネルC1,C
2,…での透過X線データγを得ることも出来る。
【0024】以上の第1実施例のX線CT装置100に
よれば、被検体Hをスキャンしたカウント値αから散乱
成分量βを計算すると共に、スキャン時に1次式qを求
めて散乱成分量βを計算する。従って、補正精度を十分
に向上できる。また、操作の手間がかからない。
【0025】−第2実施例− 第2実施例は、図7に示す検出器Dを用いる点が第1実
施例と異なる。図7に示す検出器Dにおいて、鉛ブロッ
クLwは、複数のチャネルの検出面の厚さ方向端部近傍
S1および中央部近傍Pを遮蔽すると共に厚さ方向端部
近傍S2を部分的に遮蔽するものであり、幅の異なる複
数の鉛板を組み合わせることにより遮蔽面積をチャネル
間(またはチャネルグループ間)で変えている。前記鉛
板の厚さτは例えば0.2mmであり、高さyは例えば
10mmである。
【0026】図8は、検出器Dの模式的平面図である。
鉛ブロックLwで完全に遮蔽されていないチャネルC
1,厚さτだけ遮蔽されていないチャネルC2,厚さ2
τだけ遮蔽されていないチャネルC3,厚さ3τだけ遮
蔽されていないチャネルC4,…が、それぞれモニタチ
ャネルになっている。
【0027】図9は、各モニタチャネルC1,C2,…
の遮蔽領域の厚さxを横軸にとり、カウント値αを縦軸
にとって、被検体Hをスキャンした時のモニタチャネル
C1,C2,…のカウント値α1,α2,…をプロット
したグラフである。遮蔽領域の厚さxが減る程、散乱成
分Xsが入射するため、カウント値は増えてゆく。この
遮蔽領域の厚さxとカウント値の関係式qを求めて、そ
の関係式qに遮蔽領域の厚さx=0を代入すれば、散乱
成分Xsを遮断しないときの仮想カウント値α0を推定
できる。この仮想カウント値α0が、1チャネル当りの
散乱成分量βである。なお、遮蔽領域の厚さxを実際に
減らして検出器Dの厚さ方向の中央部Pまで遮蔽しない
ようにすると、透過成分Xpが入射するため、急激にカ
ウント値αが増加する。そして、遮蔽領域の厚さx=0
とすると、カウント値=透過成分量+散乱成分量とな
る。すなわち、上記仮想カウント値α0は、実測でき
ず、関係式qから計算によってのみ得られる値である。
【0028】図10は第2実施例における散乱成分補正
処理のフローチャートである。ステップU1では、被検
体Hをスキャンし、検出器Dの各チャネルCiでのカウ
ント値αを取得する。ステップU2では、モニタチャネ
ルC1,C2,…のカウント値α1,α2,…から最小
2乗法により1次式qを求める。ステップU3では、1
次式qに遮蔽領域の厚さx=0を代入して、散乱成分X
sを遮断しないときの仮想カウント値α0を求め、散乱
成分量βとする。ステップU4では、各チャネルCiで
のカウント値αから前記散乱成分量βを減算し、その減
算結果を透過X線データγとする。
【0029】以上の第2実施例によれば、被検体Hをス
キャンしたカウント値αから散乱成分量βを計算すると
共に、スキャン時に1次式qを求めて散乱成分量を計算
する。従って、補正精度を十分に向上できる。また、操
作の手間がかからない。
【0030】−第3実施例− 第3実施例は、図11に示す検出器Dを用いる点が第2
実施例と異なる。図11に示す検出器Dにおいて、鉛ブ
ロックLw’は、第2実施例の鉛ブロックLwの階段状
端面を平面状に変形したものである。図12は、検出器
Dの模式的平面図である。遮蔽領域の端部が斜めになっ
ているから、各モニタチャネルC1,C2,…の遮蔽領
域の厚さxとして、平均的な厚さを用いればよい。上記
の外は第2実施例と同じであり、第2実施例と同じ効果
が得られる。なお、同様に、第1実施例における鉛ブロ
ックL1,L2の階段状端面を平面状に変形してもよ
い。
【0031】
【発明の効果】この発明のX線散乱成分の補正方法およ
びX線CT装置によれば、被検体をスキャンしたカウン
ト値から散乱成分量を計算するから、補正精度を十分に
向上できる。また、ファントムを測定するような操作の
手間が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例のX線CT装置を示すブ
ロック図である。
【図2】図1のX線CT装置で被検体をスキャンする状
況の説明図である。
【図3】図1のX線CT装置における検出器の要部斜視
図である。
【図4】図3の検出器の要部平面図である。
【図5】モニタチャネルにおける遮蔽領域の長さとカウ
ント値の関係図である。
【図6】図1のX線CT装置における散乱成分補正処理
のフローチャートである。
【図7】この発明の第2実施例にかかる検出器の要部斜
視図である。
【図8】図7の検出器の要部平面図である。
【図9】モニタチャネルにおける遮蔽領域の長さとカウ
ント値の関係図である。
【図10】この発明の第2実施例にかかる散乱成分補正
処理のフローチャートである。
【図11】この発明の第3実施例にかかる検出器の要部
斜視図である。
【図12】図11の検出器の要部平面図である。
【図13】従来のX線CT装置で被検体をスキャンする
状況の説明図である。
【図14】従来のX線CT装置における検出器の要部斜
視図である。
【図15】従来の散乱成分量の測定方法を示す説明図で
ある。
【図16】ファントムの投影像を示す説明図である。
【図17】投影像の面積と散乱成分量の関係図である。
【図18】従来の散乱成分補正処理のフローチャートで
ある。
【符号の説明】
100 X線CT装置 1 操作コンソール 2 入力装置 3 中央処理装置 8 撮影テーブル 9 操作ガントリ Ci チャンネル D,D’ 検出器 L1,L2,Lw 鉛ブロック T X線管 β,βh 散乱成分量

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線CT装置の検出器の幅方向に配列し
    た多数のチャネルのうちの複数チャネルをX線散乱成分
    についてチャネル間またはチャネルグループ間で異なる
    検出面積を有するモニタチャネルとしておき、被検体の
    スキャンにより前記検出器の各チャネルの検出値を取得
    し、前記モニタチャネルで取得した検出値に基づいて1
    チャネル当りの散乱成分量を計算し、その散乱成分量を
    前記各チャネルの検出値から減算して各チャネルの透過
    X線データとすることを特徴とするX線散乱成分の補正
    方法。
  2. 【請求項2】 幅方向に多数のチャネルを配列した検出
    器を有するX線CT装置において、 前記多数のチャネルのうちの複数チャネルがX線散乱成
    分についてチャネル間またはチャネルグループ間で異な
    る検出面積を有するモニタチャネルとされた検出器と、
    被検体のスキャンにより前記モニタチャネルで取得した
    検出値に基づいて1チャネル当りの散乱成分量を計算す
    る散乱成分量計算手段と、被検体のスキャンにより前記
    検出器の各チャネルで取得した検出値から前記散乱成分
    量を減算して各チャネルの透過X線データを取得する散
    乱成分補正手段とを具備したことを特徴とするX線CT
    装置。
  3. 【請求項3】 幅方向に多数のチャネルを配列した検出
    器を有するX線CT装置において、 前記多数のチャネルのうちの複数チャネルが少なくとも
    検出器の厚さ方向端部近傍に検出面を有し且つチャネル
    間またはチャネルグループ間で異なる検出面積を有する
    モニタチャネルとされた検出器と、被検体のスキャンに
    より前記モニタチャネルで取得した検出値に基づいて1
    チャネル当りの散乱成分量を計算する散乱成分量計算手
    段と、被検体のスキャンにより前記検出器の各チャネル
    で取得した検出値から前記散乱成分量を減算して各チャ
    ネルの透過X線データを取得する散乱成分補正手段とを
    具備したことを特徴とするX線CT装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のX線CT装置におい
    て、前記複数チャネルの検出面の前記厚さ方向端部近傍
    を鉛ブロックで遮蔽し且つその遮蔽面積をチャネル間ま
    たはチャネルグループ間で変えることにより前記モニタ
    チャネルが構成されてなることを特徴とするX線CT装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項2から請求項4のいずれかに記載
    のX線CT装置において、前記検出器の幅方向に配列し
    た多数のチャネルのうちの幅方向端部近傍の複数チャネ
    ルが前記モニタチャネルとされてなることを特徴とする
    X線CT装置。
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JP2013029495A (ja) * 2011-06-17 2013-02-07 General Electric Co <Ge> 検出器のコリメーションの方法及び装置
CN113031042A (zh) * 2019-12-24 2021-06-25 清华大学 射线标定设备和方法

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