JPH0870807A - クリーム用油脂及びそれを使用した低油分クリーム - Google Patents

クリーム用油脂及びそれを使用した低油分クリーム

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JPH0870807A
JPH0870807A JP6215819A JP21581994A JPH0870807A JP H0870807 A JPH0870807 A JP H0870807A JP 6215819 A JP6215819 A JP 6215819A JP 21581994 A JP21581994 A JP 21581994A JP H0870807 A JPH0870807 A JP H0870807A
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fat
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Hiroshi Hidaka
博志 日高
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Abstract

(57)【要約】 【目的】油脂成分中にラウリン系油脂を60%を越える
量で使用した低油分クリーム及びそれを構成するクリー
ム用油脂を提供すること。 【構成】油脂中にラウリン系油脂を60%(重量基準、
以下同じ)を越える量で含み、且つ当該油脂中にSUS
型トリグリセリドを5〜20%の割合で含む、SFCが
5℃で50%以上、15℃で40%以上であるクリーム
用油脂、及び当該油脂を使用してなる、油分が40%以
下の低油分クリーム。 【効果】本発明により、低油分クリームであって、且つ
油脂成分中にラウリン系油脂を60%を越える量で使用
しても、最適起泡状態におけるオーバーランが高くなら
ず、造花性、保形性が良好で、且つ風味、口溶けの良好
な、締まり現象やグレーニング現象の生じ難い起泡物が
得られる、低油分クリーム及びそれを構成するクリーム
用油脂を提供することが可能になったのである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クリーム用油脂及びそ
れを使用した低油分クリームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、食品分野では食生活の多様化や健
康志向の高まりから、食品の低カロリー化、ライト化、
ソフト化などが要求されてきた。ホイップ用クリームに
おいても風味のライト化、低カロリー化のために、油分
を低減させる傾向にある。
【0003】従来のホイップ用クリームは、その油分が
クリーム全体に対して40%を越えていないと、ホイッ
プした後の物性は安定し難かった。そして油分を低減さ
せると、ホイップ時間を長くしなければオーバーランが
得られず、且つホイップしてもフワフワしてコシのない
ものになったり、保型性が著しく劣化したり、あるいは
冷感がなくなるなどの諸欠点を有していた。また、油分
を低減させた場合は、他の固形物、例えば糖類などを加
えなければならず、そのため低カロリー化という目的は
達成されなかった。
【0004】その後、如上の欠点を改善するために特定
の乳化剤を選択的に多量加えるという提案がなされ(特
公昭62-118855 号、特公昭63-32421号、特開昭64-51054
号)、また特定量のラウリン系油脂を含有した特定のS
FCを有する油脂を使用した低油分クリームも提案され
る(特開平2-100646号)など様々な低油分クリームが開
発されてきた。
【0005】しかし、上記したような低油分のホイップ
用クリームには、次のような欠点がある。即ち、乳化剤
と組み合わせたものでは、物性を安定させるために特定
の乳化剤を選択し多量加えなければならず、しかも物性
が安定しているといっても、乳化剤の機能によりエアー
を保持することで組織化が行われているに過ぎず、この
様なクリームは、油のもつ本来の旨さが乏しいばかりか
多量の乳化剤の為に風味が著しく損なわれるものであっ
た。
【0006】また、特定量のラウリン系油脂を含有した
特定のSFCを有する油脂を使用した低油分クリーム
(特開平2-100646号)は、油脂のSFCが5℃で50%
以上、15℃で30〜40%と規定されてはいるが、こ
のような油脂はSFCカーブを描くと比較的なだらかな
カーブになり、そのような油脂を使用して製造したクリ
ームは、それをホイップしても口溶けのシャープな、且
つ冷感のあるものが得られず、常温に放置した場合の保
型性も悪いものであった。さらに、低油分になるほどオ
ーバーラン、造花性などの物性も非常に悪くなった。
【0007】また、一般に、SUS型のトリグリセリド
に富む油脂は、乳化安定性が極めて悪く、ボテ(可塑化
現象)を発生し易い特性があるため、ホイップ用クリー
ムの原料としては不適当であるといわれてきた。
【0008】以上のような状況下において、本出願人は
先に、油脂中にSUS型トリグリセリドを25%以上、
ラウリン系油脂を5〜60%含み、SFCが5℃で50
%以上、15℃で40%以上であるクリーム用油脂、及
び当該クリーム用油脂を使用してなる、油分が40%以
下の低油分クリームの開発に成功し特願平4-118160号と
して出願した。このように、ラウリン系油脂の硬化油は
構成脂肪酸中に短鎖脂肪酸を含み、SFCが縦型で融解
性状のシャープな油脂であって、口溶けのよい冷感を有
する油脂としてクリーム用の油脂に一部使用されている
ものの、このようなラウリン系油脂を全油脂分中60%
を越えて使用することはこれまで困難とされ使用されな
かった。その理由は、低油分のクリーム用油脂として使
用したとき解乳化し難い為ホイップタイムが長くなった
り、オーバーランが高くなって泡のようなクリームにな
る。また、油脂含量が高くなるに従って乳化状態が不安
定になり易く、ホイップ中、あるいはホイップ後に起泡
物がグレーニングを生じたり、締まり現象を生じたりす
る傾向があり、作業性および物性が悪化する傾向を示す
ようになるからであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、低油分クリームであって、且つ油脂成分中
にラウリン系油脂を60%を越える量で使用しても、最
適起泡状態におけるオーバーランが高くならず、造花
性、保形性が良好で、且つ風味、口溶けの良好な、締ま
り現象やグレーニング現象の生じ難い起泡物が得られ
る、低油分クリーム及びそれを構成するクリーム用油脂
を提供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】如上の点に鑑み、発明者
らは鋭意研究する中で油脂本来のもつ機能を詳細に調べ
た結果、全油脂中にラウリン系油脂を60%を越える量
で使用しても、これにSUS型のトリグリセリドを含有
する油脂を混合して全油脂中に該SUS型のトリグリセ
リドを5〜20%程度含ませることによって、上記欠点
が改善できるという知見を得た。本発明はこのような知
見を基にさらに研究を続けた結果完成されたものであ
る。
【0011】即ち本発明は、油脂中にラウリン系油脂を
60%(重量基準、以下同じ)を越える量で含み、且つ
当該油脂中にSUS型トリグリセリドを5〜20%の割
合で含む、SFCが5℃で50%以上、15℃で40%
以上であるクリーム用油脂、及び油脂成分としてラウリ
ン系油脂を60%を越える量で含み、且つ当該油脂成分
中にSUS型トリグリセリドを5〜20%の割合で含
む、SFCが5℃で50%以上、15℃で40%以上の
油脂を使用してなる、油分が40%以下の低油分クリー
ム、である。
【0012】本発明のクリーム用油脂は、主としてラウ
リン系油脂からなり、これにSUS型のトリグリセリド
を含む油脂を組み合わせ使用することによって製造する
ことができる。
【0013】ラウリン系油脂としては、ヤシ油、パーム
核油、またはその水素添加、分別、エステル交換を実施
した油脂などが例示できる。
【0014】また、SUS型のトリグリセリドを含む油
脂としては、パーム油、イリッペ脂、シア脂、それらの
硬化もしくは分別油脂、または2位が不飽和脂肪酸に富
む油脂の1,3位に飽和脂肪酸を導入して得たエステル
交換脂などが例示できる。SUS型油脂とは、2−不飽
和1,3−ジ飽和トリグリセリドのことであり、脂肪酸
残基の炭素原子数は8〜22(少量の短鎖脂肪酸を含ん
でいてもよい)個である。2位の不飽和脂肪酸として
は、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが例示で
きる。
【0015】そして、全油分に対して、ラウリン系油脂
を60%を越える量で使用し、これにSUS型トリグリ
セリドが5〜20%となるようにSUS型のトリグリセ
リドを含む油脂を混合する。SUS型トリグリセリドが
上記の範囲を逸脱したときは、クリームを製造してホイ
ップしたときホイップしづらかったり、オーバーランが
高くなりすぎたり、保形性の悪い起泡物しか得られなく
なったりするので好ましくない。
【0016】さらに、他の油脂、例えば液体油を少量加
えてもよいが、油脂全体としては、体温付近でシャープ
な融解特性をもたせるために油脂のSFCが5℃で50
%以上、15℃で40%以上であるように配合すること
が必要である。
【0017】上記のようにして配合された油脂を使用し
て、低油分クリームを製造することができる。
【0018】本発明でクリームとは、油脂、蛋白質、水
などの基礎原料を、好ましくは乳化剤を併用して水中油
型もしくは水中油中水型の乳化物とした液状油であり、
ホイップ用クリームと呼ばれたりもする。これを泡立器
具、又は専用のミキサーを用いて空気を抱き込ませるよ
うに攪拌したとき、俗にホイップド・クリームまたはホ
イップクリームと称されるものになる。
【0019】本発明の低油分クリームの油脂含量は、ク
リーム全体に対して40%以下、10〜35%であるこ
とが好ましい。上記のクリーム用油脂を40%越える量
使用するとクリームはボテ易くなり油っぽい食感とな
る。
【0020】蛋白質は、その乳化特性によってクリーム
を安定な乳化物にすることができる。典型的な例として
は乳固形分が挙げられる。乳固形分は低油分クリームへ
の乳味感を付与する。この乳固形分としては、脱脂粉
乳、全脂粉乳などが例示できる。そして、無脂乳固形分
としてクリーム全体に対し、3〜8%、好ましくは4〜
7%使用する。
【0021】また、低油分クリームに、各種塩類及び乳
化剤を共存させることもできる。塩類は公知のクリーム
用の塩類、例えば、リン酸のアルカリ金属塩、クエン酸
のアルカリ金属塩などを用いることができる。また、乳
化剤も、例えば、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
エステル、グリセリン脂肪酸エステルなど公知のものを
使用することができる。これらの添加量は従来の油分4
0%を越えるクリームへの添加量と同量程度、すなわ
ち、クリーム全体に対して塩類が0.1%程度、乳化剤
が1%程度の少量でよい。
【0022】本発明の低油分クリームは、通常のフィル
ドクリーム、またはイミテーションクリーム類の製造工
程に準じて製造でき、また必要に応じて殺菌もしくは乾
燥することができる。殺菌に前後して均質化処理もしく
は攪拌処理することができ、均質化は前均質、後均質の
どちらか一方でも、両者を組み合わせた二段均質でもど
ちらでもよい。乾燥した場合は、使用に際して水を加
え、油分40%以下のクリームとなるようにする。
【0023】
【実施例】以下、この発明の実施態様として、実施例1
から7に記した配合に従って低油分クリームを公知の方
法により製造した。さらに、ホイップする前のクリーム
を20℃で2時間インキュベートし、その後5分攪拌し
た時のボテ発生の有無、ホイップした後のオーバーラ
ン、5〜20℃での保型性、風味、口溶けを評価した。
ホイップは、ケンウッドミキサーを使用して行った。ま
た比較実験を行った結果を比較例1から4に示した。
【0024】各例は単に例示であって、発明精神の限定
または制限を意図したものではない。なお、配合量の
部、及び%は何れも重量基準である。
【0025】実施例1 下記の配合に従って、油脂に乳化剤を加え油相としたも
のと、水に乳固形分、塩類を加えて水相としたものとを
混合し、高速ミキサー中、70℃で20分間予備乳化し
た後、150kg/cm2 以下の加圧条件化に均質化し
た後、145℃、数秒程度の超高温加熱殺菌(UHT)
し、その後、再度150kg/cm2 以下の加圧条件化
に均質化し、冷却後、約24時間エージングすることに
より作成した。
【0026】 配 合 組 成 ──────────── 油脂* 35.0% 大豆レシチン 0.2% ショ糖脂肪酸エステル (HLB6) 0.4% 水 60.3% 脱脂粉乳 4.0% リン酸のアルカリ金属塩 0.1% ──────────────────────────── *:パーム中融点部(融点34℃) 20部 ヤシ硬化油 80部の混合油脂で ・油分中のSUS型 トリグリセリド含量 16.8% ・SFC 5℃ 72% 15℃ 57% ────────────────────────────
【0027】実 験 結 果 ──────────── ボテ発生 無 ホイップ時間 2分40秒 オーバーラン 130 保型性 良 好 風味 良 好 口溶け 良 好
【0028】実施例2 配 合 組 成 ──────────── 油脂* 30.0% 大豆レシチン 0.1% ショ糖脂肪酸エステル (HLB11) 0.2% ソルビタン脂肪酸エステル (HLB5) 0.2% 水 62.9% 脱脂粉乳 6.5% リン酸のアルカリ金属塩 0.1% ─────────────────────────── *:イリッペ脂 20部 ヤシ硬化油 80部の混合油脂で ・油分中のSUS型 トリグリセリド含量 17.0% ・SFC 5℃ 76% 15℃ 60% ───────────────────────────
【0029】実 験 結 果 ──────────── ボテ発生 無 ホイップ時間 3分10秒 オーバーラン 140 保型性 良 好 風味 良 好 口溶け 良 好
【0030】実施例3 配 合 組 成 ──────────── 油脂* 20.0% 大豆レシチン 0.3% ポリグリセリン脂肪酸エステル (HLB11) 0.2% グリセリンモノ脂肪酸エステル (HLB5) 0.2% 水 72.2% 脱脂粉乳 7.0% リン酸のアルカリ金属塩 0.1% ────────────────────────────── *:パーム中融点部(融点34℃) 10部 ヤシ硬化油 90部の混合油脂で ・油分中のSUS型 トリグリセリド含量 8.2% ・SFC 5℃ 74% 15℃ 60% ──────────────────────────────
【0031】実 験 結 果 ──────────── ボテ発生 無 ホイップ時間 2分55秒 オーバーラン 152 保型性 良 好 風味 良 好 口溶け 良 好
【0032】実施例4 配 合 組 成 ──────────── 油脂* 20.0% 大豆レシチン 0.3% ショ糖脂肪酸エステル (HLB11) 0.2% グリセリンモノ脂肪酸エステル (HLB5) 0.2% 水 71.2% 脱脂粉乳 8.0% リン酸のアルカリ金属塩 0.1% ────────────────────────────── *:シア分別脂 25部 パーム核油(融点34℃) 75部の混合油脂で ・油分中のSUS型 トリグリセリド含量 19.0% ・SFC 5℃ 72% 15℃ 62% ──────────────────────────────
【0033】実 験 結 果 ──────────── ボテ発生 無 ホイップ時間 3分50秒 オーバーラン 160 保型性 良 好 風味 良 好 口溶け 良 好
【0034】実施例5 配 合 組 成 ──────────── 油脂* 15.0% 大豆レシチン 0.2% ポリグリセリン脂肪酸エステル (HLB11) 0.2% ソルビタン脂肪酸エステル (HLB5) 0.2% 水 77.3% 脱脂粉乳 7.0% リン酸のアルカリ金属塩 0.1% ────────────────────────────── *:シア分別脂 10部 ヤシ硬化油 90部の混合油脂で ・油分中のSUS型 トリグリセリド含量 7.6% ・SFC 5℃ 73% 15℃ 59% ──────────────────────────────
【0035】実 験 結 果 ──────────── ボテ発生 無 ホイップ時間 4分00秒 オーバーラン 164 保型性 良 好 風味 良 好 口溶け 良 好
【0036】実施例6 配 合 組 成 ──────────── 油脂* 30.0% 大豆レシチン 0.3% グリセリンモノ脂肪酸エステル (HLB5) 0.2% ポリグリセリン脂肪酸エステル (HLB5) 0.4% 水 64.5% 脱脂粉乳 4.5% クエン酸のアルカリ金属塩 0.1% ────────────────────────────── *:エステル交換脂 15部 ヤシ油 85部の混合油脂で ・油分中のSUS型 トリグリセリド含量 10.7% ・SFC 5℃ 70% 15℃ 55% エステル交換脂は、ハイオレイックひまわり油を1,3−位 特異性をもつリパーゼの存在下、エチルステアレートとエチ ルラウレートでエステル交換したものである。 ──────────────────────────────
【0037】実 験 結 果 ──────────── ボテ発生 無 ホイップ時間 3分01秒 オーバーラン 138% 保型性 良 好 風味 良 好 口溶け 良 好
【0038】実施例7 配 合 組 成 ──────────── 油脂* 25.0% 大豆レシチン 0.3% ショ糖脂肪酸エステル (HLB6) 0.4% 水 67.7% 脱脂粉乳 6.5% クエン酸のアルカリ金属塩 0.1% ────────────────────────────── *:エステル交換脂 30部 パーム核硬化油(融点34℃) 70部の混合油で ・油分中のSUS型 トリグリセリド含量 18.8% ・SFC 5℃ 68% 15℃ 52% エステル交換脂は、ハイオレイックひまわり油を1,3−位 特 異性をもつリパーゼの存在下、エチルベヘネートとエチル オクタノエー トでエステル交換したものである。 ──────────────────────────────
【0039】実 験 結 果 ──────────── ボテ発生 無 ホイップ時間 3分40秒 オーバーラン 126% 保型性 良 好 風味 良 好 口溶け 良 好
【0040】比較例1 配合組成は実施例1と同様であるが、油脂はヤシ硬化油
を100部使用した。油分中のSUS型トリグリセリド
含量は0%、SFCは5℃で75%、15℃で65%で
ある。クリーム作成中冷却直後に乳化破壊を起こしボテ
た。
【0041】比較例2 配合組成は実施例3と同様であるが、油脂はヤシ硬化油
を95部、パーム油中融点部を5部使用した。油分中の
SUS型トリグリセリド含量は3.4%、SFCは5℃
で74%、15℃で62%である。クリーム作成中冷却
直後に乳化破壊を起こしボテた。
【0042】比較例3 配合組成は実施例4と同様であるが、油脂はシア分別脂
を33部、パーム核油(融点36℃)を67部使用し
た。油分中のSUS型トリグリセリド含量は25.0
%、SFCは5℃で67%、15℃で56%である。ク
リームはホイップしなかった。
【0043】
【作用】ラウリン系油脂にSUS型トリグリセリドを混
合することによって起こる現象の正確な機構は不明であ
るが、発明者らは、次のように考えている。
【0044】即ち、低油分クリームにおいて、ラウリン
系油脂ではトリグリセリド中の構成脂肪酸に短鎖脂肪酸
(C4 〜C6 )を多く含み、この短鎖脂肪酸は圧力が掛
かった場合は水相側に配向し、一方中長鎖脂肪酸(C8
以上)は水に不溶性であるので油相に配向する。この水
相と油相への配向のバランスによりしっかりしたエマル
ジョンを作り、また界面以外でも密なパッキングとな
り、ホイップしずらいものとなる。しかし、ラウリン系
油脂にSUS型の油脂を添加することにより、このパッ
キングがルーズになり、ある機械的攪拌を加えると解乳
化が生じ良好なホイップ性を示し、また出来たホイップ
クリームも締まり経時変化の少ないものが出きるものと
推定される。
【0045】
【発明の効果】以上、この発明により、低油分クリーム
であって、且つ油脂成分中にラウリン系油脂を60%を
越える量で使用しても、最適起泡状態におけるオーバー
ランが高くならず、造花性、保形性が良好で、且つ風
味、口溶けの良好な、締まり現象やグレーニング現象の
生じ難い起泡物が得られる、低油分クリーム及びそれを
構成するクリーム用油脂を提供することが可能になった
のである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油脂中にラウリン系油脂を60%(重量基
    準、以下同じ)を越える量で含み、且つ当該油脂中にS
    US型トリグリセリドを5〜20%の割合で含む、SF
    Cが5℃で50%以上、15℃で40%以上であるクリ
    ーム用油脂。
  2. 【請求項2】油脂成分としてラウリン系油脂を60%を
    越える量で含み、且つ当該油脂成分中にSUS型トリグ
    リセリドを5〜20%の割合で含む、SFCが5℃で5
    0%以上、15℃で40%以上の油脂を使用してなる、
    油分が40%以下の低油分クリーム。
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