JPH0868700A - センサ回路及び赤外線検出素子 - Google Patents

センサ回路及び赤外線検出素子

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JPH0868700A
JPH0868700A JP6206908A JP20690894A JPH0868700A JP H0868700 A JPH0868700 A JP H0868700A JP 6206908 A JP6206908 A JP 6206908A JP 20690894 A JP20690894 A JP 20690894A JP H0868700 A JPH0868700 A JP H0868700A
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JP
Japan
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circuit
sensor
sensor circuit
infrared
thermistor
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Application number
JP6206908A
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English (en)
Inventor
Takuro Nakamura
卓郎 中邑
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 センサ回路及び赤外線検出素子の検出感度の
向上を図る。 【構成】 ホイートストンブリッジ回路11のブリッジ
抵抗R1〜R4の、少なくとも1つをサーミスタT とすると
共に、そのホイートストンブリッジ回路11の出力端子
a,b間に、電荷蓄積機能を有する回路としてコンデン
サCmを接続した。 【効果】 ホイートストンブリッジ回路11の出力電圧
をコンデンサCmに蓄えられた電荷量を計測することによ
って検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホイートストンブリッ
ジ回路を用いたセンサ回路及びそのセンサ回路を用いた
赤外線検出素子の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、温度、または赤外線を検知するセ
ンサ回路として、サーミスタを用いたホイートストンブ
リッジ回路がある。図14にホイートストンブリッジ回
路の一例を示す。図において、Esは電圧源、Rsは電圧源
Esの内部抵抗である。R1〜R4はブリッジ抵抗で、ブリッ
ジ抵抗R1とブリッジ抵抗R2とで構成される直列回路と、
ブリッジ抵抗R3とブリッジ抵抗R4とで構成される直列回
路とが並列に電圧源Esに接続されている。ブリッジ抵抗
R1とブリッジ抵抗R2の接続点とブリッジ抵抗R3とブリッ
ジ抵抗R4の接続点間には、電圧計1が接続されている。
抵抗Rmは、その電圧計1の内部抵抗(検出抵抗)であ
る。
【0003】以上のように構成されたホイートストンブ
リッジ回路で、抵抗Rmに流れる電流im は次式のように
なる。
【0004】
【数1】
【0005】上記の式よりR2R3=R4R1 の状態では、 im
=0であるが、ブリッジ抵抗の抵抗値が変化すると、電圧
計1にその変化に応じた電流 im が流れるので、例え
ば、ブリッジ抵抗の少なくとも1つをサーミスタに置き
換えることにより、温度を検知することができる。
【0006】次に、センサ素子としてサーミスタを用い
て赤外線を検出する赤外線検出素子を構成した一例を図
15及び図16に基づき説明する。図15はサーミスタ
2及びその周辺部の局所断面図であり、図16は斜視図
である。但し、本発明に関する部分のみを示すことと
し、他の部分は適宜図示及び詳細な説明を省略すること
とする。
【0007】図15に示す赤外線検出素子では、サーミ
スタ2が、基板3上に形成された熱絶縁膜4上に設けら
れており、サーミスタ2は、サーミスタ2の上部に形成
された、入射する赤外線を吸収する赤外線吸収膜5と、
赤外線吸収膜5の下部に形成された、赤外線吸収によっ
て生じた熱を受けて抵抗値が変化する薄膜抵抗体6とを
備えると共に、薄膜抵抗体6の表面と裏面に接触する一
対の電極、下部電極7及び上部電極8を備えている。薄
膜抵抗体6は多結晶シリコン系またはアモルファスシリ
コン系の薄膜抵抗体で厚み0.1 〜5.0mμm 程度のものが
用いられる。
【0008】サーミスタ2形成箇所の下方には、サーミ
スタ2を基板3から熱的に分離する中空部3aが設けら
れている。シリコン等の半導体材料で構成された基板3
をエッチング等により基板3の裏面側から堀り込み、中
空部3aを形成するのである。この中空部3aを形成す
ることによって、サーミスタ2で発生した熱が基板3に
伝わりにくくなり、赤外線を吸収して発生した熱がサー
ミスタ2の温度上昇に効率的に利用されるので赤外線検
出感度が向上するのである。
【0009】図16に示すように、サーミスタ2の下部
電極7及び上部電極8は、基板3上でサーミスタ2に併
設された信号処理回路9(詳細部分は図示省略)に接続
されている。この信号処理回路9は、サーミスタ2から
出力される検出信号の増幅、雑音の除去といった信号処
理を行うためのものである。なお、下部電極7または上
部電極8も赤外線吸収機能を有するように構成してもよ
い。
【0010】さらに、図15に示すように、サーミスタ
2には下方に開口を有する赤外線フィルター10が被せ
てある。赤外線検出素子は、一般に微弱な赤外線の輻射
エネルギーのみを検出する用途に用いられることが多い
が、検出する赤外線は赤外領域外の光と混在しているこ
とも多く、この場合、赤外領域外の光はノイズとなる。
そのため、サーミスタ2を赤外以外の波長帯の光を除去
する赤外線フィルター10と組み合わせて用い、赤外線
のみが選択的にサーミスタ2に入射するようにしてい
る。
【0011】また、従来の回路では、アモルファスシリ
コン(a-Si)系の材料を用いたときに十分な感度を得る
ことはできない。一般にa-Si系の材料では、B 定数を大
きくすると導電率が小さくなって、抵抗値が大きくな
る。従来のセンサ回路では、このような抵抗値が大きい
サーミスタを用いると、電流量が少なくなり、S/N 比が
小さくなり、温度変化を検出するのが困難になる。その
ため、a-Si系の材料を用いたとき、B 定数が大きく抵抗
値が大きい材料を用いることができず検出感度を高める
ことができなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来のセンサ回路で
は、サーミスタの温度変化による抵抗値変化を電圧また
は電流値変化として検出しているが、検出感度が低いと
いう問題があった。特に、温度センサを応用して赤外線
検出素子を構成する場合、微弱な赤外線を検出しなけれ
ばならないため、検出感度を向上させる必要があった。
【0013】本発明は上記問題点に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、検出感度の向上が図れる
センサ回路または赤外線検出素子の構造を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載のセンサ回路は、少なくとも1つのセ
ンサ素子を組み込んだホイートストンブリッジ回路と、
そのホイートストンブリッジ回路の出力間に接続され
た、電荷蓄積機能を有する回路とを備えたことを特徴と
するものである。
【0015】請求項2記載のセンサ回路は、請求項1記
載のセンサ回路で、前記センサ素子が温度変化に応じて
抵抗値が変化するサーミスタで構成されていることを特
徴とするものである。
【0016】請求項3記載のセンサ回路は、請求項2記
載のセンサ回路で、前記センサ素子がアモルファスシリ
コン系の材料で構成されたサーミスタで構成されている
ことを特徴とするものである。
【0017】請求項4記載のセンサ回路は、請求項1乃
至請求項3記載のセンサ回路がマトリクス状に配列され
ていることを特徴とするものである。
【0018】請求項5記載のセンサ回路は、請求項4記
載のセンサ回路で、マトリクス状に配列された前記セン
サ回路の少なくとも2つが同一の電源を共用することを
特徴とするものである。
【0019】請求項6記載の赤外線検出素子は、表面か
ら裏面に貫通する中空部が形成された基板と、前記中空
部の表面側開口を覆って周辺部が前記基板に支持された
熱絶縁膜と、前記中空部上の熱絶縁膜上に形成された赤
外線検出部とを備えた赤外線検出素子において、請求項
1乃至請求項5記載の前記センサ回路の、少なくとも前
記センサ素子が前記中空部上の熱絶縁膜上に形成されて
いることを特徴とするものである。
【0020】請求項7記載の赤外線検出素子は、請求項
6記載の赤外線検出素子で、前記電荷蓄積機能を有する
回路が前記基板上に形成されていることを特徴とするも
のである。
【0021】
【作用】本発明のセンサ回路は、少なくとも1つのセン
サ素子が組み込まれたホイートストンブリッジ回路にお
いて、出力間に電荷蓄積機能を有する素子を接続したこ
とを特徴とするものである。本発明のセンサ回路の一実
施例を図1に基づいて説明する。図1に示す回路は、ブ
リッジ抵抗R1〜R4でホイートストンブリッジ回路11を
形成し、その出力間に、電荷蓄積機能を有する回路とし
てコンデンサCmを接続した回路である。温度を検出する
センサ回路の場合は、ブリッジ抵抗R1〜R4の少なくとも
1つを温度変化とともに抵抗値が変化するサーミスタで
構成する。電荷蓄積機能を有する回路としては、例え
ば、コンデンサまたは逆バイアスされたPN接合部を有
する素子等が挙げられる。また、図3の回路図に示すよ
うに、電荷蓄積機能を有する回路として、コンデンサCm
と直列に抵抗Rmを接続した回路を用いてもよい。さら
に、電荷蓄積機能を有する回路を、コンデンサ等の電荷
蓄積機能を有する素子を備えたさらに複雑な回路で構成
してもよい。
【0022】図1に示すようにセンサ回路を構成するこ
とによって、ホイートストンブリッジ回路11のブリッ
ジ抵抗の抵抗値変化に応じて発生する電位差に比例する
電荷が電荷蓄積機能を有する回路であるコンデンサCmに
蓄えられる。蓄えられる電荷量は、出力端子間電圧Vmに
比例する。図1に示したセンサ回路の場合、定常時の出
力端子間電圧Vm、及び、コンデンサCmに流れる充電電流
imは次式のようになる。
【0023】
【数2】
【0024】
【数3】
【0025】また、ホイートストンブリッジ回路11の
ブリッジ抵抗の抵抗値が変化した場合、その変化分に比
例した電荷量がCmに蓄えられる。電荷量Qmは次式とな
る。
【0026】
【数4】
【0027】コンデンサCmに蓄えられた電荷量Qmを読み
だすときには、例えば、図3に示すような回路を形成す
ればよい。図2は図1に示したセンサ回路の出力端子
a,b間にスイッチSWと抵抗Rdとの直列回路(電荷量の
読み出し回路)を接続した回路である。このように構成
して、コンデンサCmに電荷が蓄積された後に、スイッチ
SWを閉じ抵抗Rdに流れる電流を積分することによって、
電荷量Qmを測定することができる。図3に示した回路の
場合、t=0 の時点でスイッチSWを閉じた場合に抵抗Rdに
流れる電流Idは時間経過と共に次式に従って変化する。
【0028】
【数5】
【0029】また、図2に示したセンサ回路では、出力
端子に流れる電流Idは時間経過と共に次式のようにな
る。
【0030】
【数6】
【0031】但し、電流Idを表す計算式は、Rd,Rd+Rm
で表される抵抗値がブリッジ抵抗R1〜R4の抵抗値と比較
して十分小さく、ブリッジ抵抗R1〜R4にはほとんど電流
が流れないものとして計算したものである。
【0032】このように、本発明のセンサ回路では、電
荷量読み出し時に、電荷量読み出し用の回路に設けられ
たスイッチSWを閉じ、抵抗Rdに流れる電流を積分して電
荷量を求め、その電荷量より出力端子間電圧を求めるこ
とによって、温度変化を検出することができる。
【0033】また、図1または図3に示したセンサ回路
をマトリクス状に配置して、図4または図5に示すよう
なセンサ回路(マトリクス状のセンサ回路)を構成して
もよい。図4または図5に示すマトリクス状のセンサ回
路は、同一段のセンサ回路のグランド及び出力の一方を
1つにまとめて接続すると共に、同一列のセンサ回路の
電源入力及び出力の他方を1つにまとめて接続した回路
である。
【0034】図4または図5に示すマトリクス状のセン
サ回路では、個々のセンサ回路の放電電流を同時に読み
だすことができないので、1つ毎もしくは数個毎しか、
電荷量の読み出しを行わない。そのため、読み出しを行
う期間以外は書き込み期間(充電期間)にあてることが
できるので、書き込み時間を長くすることができる。こ
れにより、ブリッジ抵抗の抵抗値が高く、微小な電流し
か流れない場合でも、検出が容易な電荷量をコンデンサ
に蓄えることができる。
【0035】抵抗Rdに流れる電流を積分して電荷量を求
める場合の読み出し時間の時定数は、(3)式または
(4)式で示すように、RdCmまたは(Rd+Rm) ・Cmで表さ
れるので、読み出し時間または放電電流はコンデンサの
容量Cm、抵抗値等で調整することができる。読み出しに
はx軸方向の端子(横方向に配置された出力端子g 〜
l)及びy軸方向の端子(縦方向に配置された出力端子a
〜f )の端子を切り換えて所定のセンサ回路を選択し
て電荷量の測定を行う。測定は、個々のセンサ回路毎に
行っても、数個のセンサ回路毎に行っても、各列毎、ま
たは、各行毎に行ってもよい。
【0036】以上に説明したように、本発明のセンサ回
路は、出力間に電荷蓄積機能を備えた回路を接続したの
で、従来の回路と比較して、電流量を十分大きくして、
S/N比を大きくすることができるので、ノイズ等に対し
ても強いセンサ回路を構成することができる。また、ホ
イートストンブリッジ回路11を構成するブリッジ抵抗
の抵抗値が高い場合でも十分測定することができる。
【0037】また、本発明のセンサ回路は、ブリッジ抵
抗として抵抗値の高いものを用いることができるので、
ブリッジ抵抗の一部に、特開平4-348502(特願平3-1211
72)または特願平5-68121 に記載されているような、B
定数が大きく、抵抗値が大きいアモルファスシリコン
(a-Si)系の材料によって構成されたセンサ素子を用い
たときに効果を発揮する。一般にa-Si系の材料では、B
定数を大きくすると導電率が小さくなって抵抗値が大き
くなる。従来のセンサ回路では、このような抵抗値が大
きいサーミスタを用いると、電流量が少なくなり、S/N
比が小さくなって、温度変化等を検出するのが困難にな
っていた。しかし、本発明のセンサ回路では、a-Si系の
材料を用いたときでも、B 定数が大きく、抵抗値が大き
い材料を用いることができ、検出感度を著しく向上させ
ることができる。
【0038】
【実施例】図1に基づいて本発明のセンサ回路の一実施
例について説明する。図1で、Eは直流電源、R1〜R4
は、ホイートストンブリッジ回路11を構成しているブ
リッジ抵抗である。ブリッジ抵抗R1,R2で構成される直
列回路と、ブリッジ抵抗R3,R4で構成される直列回路と
が直流電源E にそれぞれ接続されている。また、ブリッ
ジ抵抗R1とブリッジ抵抗R2の接続点と、ブリッジ抵抗R3
とブリッジ抵抗R4の接続点間(ホイートストンブリッジ
回路11の出力間)には、電荷蓄積機能を有する回路と
してコンデンサCmが接続されている。a,bはホイート
ストンブリッジ回路の出力端子である。
【0039】温度を検出するセンサ回路の場合は、ブリ
ッジ抵抗R1〜R4の少なくとも1つを、温度変化と共に抵
抗値が変化するサーミスタで構成すればよい。例えば、
ブリッジ抵抗R1〜R3の抵抗値を1MΩとし、ブリッジ抵抗
R1を25℃で抵抗値が1MΩのサーミスタT として構成すれ
ばよい。このようにセンサ回路を構成し、図2に示すよ
うに、電荷量読み出し回路(スイッチSWと抵抗Rdとの直
列回路)を出力端子a,b間に接続し、スイッチSWを開
状態にしておけば、サーミスタT の温度変化による抵抗
値変化により、出力端子a,b間に電圧が発生しコンデ
ンサCmが充電されるようになる。次に、スイッチSWを閉
状態として、抵抗Rdに電流を流し、その電流を積分すれ
ばコンデンサCmに蓄えられていた電荷量を求めることが
でき、さらに、電荷量からホイートストンブリッジ回路
11の出力端子間電圧を高感度に検出することができ
る。
【0040】次に、図3に基づいて本発明のセンサ回路
の異なる実施例について説明する。図3に示すセンサ回
路は、電荷蓄積機能を有する回路として、ホイートスト
ンブリッジ回路11の出力間に、抵抗RmとコンデンサCm
の直列回路を接続した回路である。抵抗Rmによって、電
荷量を読み出し時間または放電電流を調整することがで
きる。センサ回路の動作は、図1に示したセンサ回路の
場合と同様である。
【0041】次に、図4に基づいて本発明のセンサ回路
のさらに異なる実施例について説明する。図4に示すセ
ンサ回路は、図1に示したセンサ回路を、6 ×6 のマト
リクス状に並べて同種の端子を互いに接続したセンサ回
路である。図4に示すマトリクス状のセンサ回路は、同
一段のセンサ回路のグランドまたは出力の一方を1つに
まとめて接続すると共に、同一列のセンサ回路の電源入
力または出力の他方を1つにまとめて接続した回路であ
る。
【0042】例えば、マトリクス状のセンサ回路を構成
する、1つのセンサ回路12は、グランドがグランド端
子GR1 に接続され、電源入力が電源供給端子E1に接続さ
れている。また、出力の一方が端子aに接続され、出力
の他方が端子gに接続されている。
【0043】センサ回路12で温度変化を検出する場合
には、図1に示した場合と同様に、まず、出力端子であ
る端子aと端子g 間を開放状態として、サーミスタの抵
抗変化に応じた電荷量をコンデンサCmに充電する。次
に、端子aと端子g 間を、例えば、抵抗で接続して放電
電流を流し電荷量を求め、端子aと端子g 間の電圧を求
める。このようにして、マトリクス状に配置された、個
々のセンサ回路の出力電圧を順に読み出していく。個々
のセンサ回路には、全て同一電源で、直流電圧を印加し
ておく。但し、供給電源に関しては、複数のセンサ回路
で電源を共用するように構成しても、個々のセンサ回路
で個別に電源を設けてもよい。マトリクス状に配置する
センサ回路として、図3に示したセンサ回路を、図4に
示した実施例と同様にして、マトリクス状に配置してセ
ンサ回路を構成した回路図を図5に示す。
【0044】次に、図6及び図7に基づいて本発明のセ
ンサ回路を用いて赤外線検出素子を構成した一実施例に
ついて説明する。図6は赤外線検出素子の断面図で、図
7は赤外線検出素子の平面図である。図6及び図7に示
す赤外線検出素子は、図1に示したセンサ回路を、図1
5及び図16に示したような、中空部を備えた半導体基
板上に形成したものである。この実施例の場合、ブリッ
ジ抵抗を全てサーミスタで構成している。
【0045】図6及び図7で、赤外線検出素子は、基板
の表面から裏面に貫通する中空部13aを備えたシリコ
ン基板13と、この中空部13aを覆って周辺がシリコ
ン基板13に支持された、電気絶縁性も有する熱絶縁膜
14と、ブリッジ抵抗となる、サーミスタで構成された
赤外線検出部15とで構成されている。16は導体パタ
ーンで、ホイートストンブリッジ回路17を構成するよ
うに、所定の赤外線検出部15間に設けられている。導
体パターン16は、赤外線検出部15の下部電極または
上部電極(図示省略)に接続されている。18a〜18
dは熱絶縁膜14上に形成された電極パッドで、18
a,18bがホイートストンブリッジ回路17の電源入
力端子、18c,18dが出力端子である。19はコン
デンサで、熱絶縁膜14上に形成され、出力端子18
c,18d間に導体パターン16を介して接続されてい
る。図6及び図7に示す実施例の場合、赤外線検出部1
5は、シリコン基板13上に形成された4つの熱分離空
間20(中空部13a上の熱絶縁膜14上の領域)に形
成されている。このように、個々の熱分離空間20に赤
外線検出部15を形成することによって、個々の赤外線
検出部15をシリコン基板13から熱的に分離すること
ができるので、赤外線検出素子の感度を向上させること
ができる。電荷蓄積機能を有する回路であるコンデンサ
19は、例えば、絶縁物または抵抗率の非常に大きい材
料を電極で挟むことによって形成することができる。電
荷蓄積機能を有する回路として逆バイアスを印加したP
N接合部を用いてもよい。
【0046】また、4つの赤外線検出部15のうち、2
つの赤外線検出部12上には、赤外線が入射しないよう
に、アルミ膜21が形成されている。本実施例の赤外線
検出素子は、このように構成して、2つの赤外線検出部
15のみに赤外線を入射させ、ホイートストンブリッジ
回路17の出力に入射した赤外線に応じた電圧を発生さ
せコンデンサ19を充電して赤外線を検出するように構
成されたものである。
【0047】図8及び図9に基づいて本発明の赤外線検
出素子の異なる実施例について説明する。図8は赤外線
検出素子の断面図で、図9は赤外線検出素子の平面図で
ある。図8及び図9に示す赤外線検出素子が、図6及び
図7に示した赤外線検出素子と異なる点は、シリコン基
板22の中央に中空部22aを1つ形成して、1つの熱
分離空間23を形成し、その熱分離空間23の熱絶縁膜
24上に4つの赤外線検出部25を形成した点と、コン
デンサ26をシリコン基板22のコーナー部に配置した
点である。
【0048】さらに、図10及び図11に基づいて本発
明の赤外線検出素子のさらに異なる実施例について説明
する。図10は赤外線検出素子の断面図で、図11は赤
外線検出素子の平面図である。図10及び図11に示す
赤外線検出素子が、図8及び図9に示した赤外線検出素
子と異なる点は、コンデンサ27を、熱絶縁膜上で、熱
分離空間を取り囲む四角枠状に形成したものである。
【0049】図10及び図11に基づいて、赤外線検出
素子の製造方法の一実施例について説明する。まず、シ
リコン基板30の表面に、LPCVD (低圧CVD )法によ
り、厚み1000Åの窒化シリコン、厚み8000Åの酸化シリ
コン、厚み1000Åの窒化シリコンの3層からなる熱絶縁
膜28を形成する。そして、この熱絶縁膜28上に、電
子ビーム蒸着法で、厚み2000Åのクロム膜を基板150 ℃
で成膜し、フォトリソグラフィー法でパターン化し、下
部電極31及びコンデンサ下部電極32を形成する。
【0050】続いて、グロー放電分解法により、厚み 3
00Åのp型のアモルファスシリコン(a-Si)、厚み1000
0 Åのp型のアモルファスシリコンカーバイド(a-SiC
)、厚み 300Åのp型のアモルファスシリコン(a-S
i)の3層からなる薄膜を成膜し、フォトリソグラフィ
ー法でパターン化し、サーミスタとなる薄膜体33を形
成する。薄膜体33のサイズは0.8mm ×0.8mm 角であ
る。アモルファスシリコンの成膜条件は、1%のジボラン
を加えたモノシランを用い、基板温度 270℃、圧力0.9T
orr 、放電電力20W 、周波数13.56MHzとした。また、ア
モルファスシリコンカーバイドの成膜条件は、0.25% の
ジボラン及び600%のメタンを加えたモノシランを用い、
基板温度 270℃、圧力0.9Torr 、放電電力20W 、周波数
13.56MHzとした。
【0051】次に、グロー放電分解法により、厚み5000
Åの酸化シリコン(SiO2)薄膜を成膜し、フォトリソグ
ラフィー法でパターン化し、側面保護膜34及びコンデ
ンサ用薄膜35を形成する。ついで、薄膜体33の上部
に、電子ビーム蒸着法で、厚み1500Åのクロム膜を基板
150℃で成膜し、フォトリソグラフィー法でパターン化
し、上部電極36及びコンデンサ上部電極37を形成す
る。上部電極36を形成した後、グロー放電分解法によ
り、厚み15000 Åの酸化シリコン(SiO2)薄膜を成膜
し、フォトリソグラフィー法でパターン化し、赤外線検
出部38を覆う保護膜39を形成する。
【0052】この後、電子ビーム蒸着法で、厚み15000
Åのアルミ膜を基板200 ℃で成膜し、フォトリソグラフ
ィー法でパターン化し、電極パッド40,41,42,
43を形成する。また、赤外線を入射させない、2つの
赤外線検出部38の上面にアルミ膜44を形成する。最
後に、シリコン基板30の裏面側からシリコン基板30
を水酸化カリウム溶液を使う異方性エッチングにより堀
り込み、中空部30aを形成してダイヤフラム構造と
し、熱分離空間45を形成する。なお、エッチングされ
ずに残った熱絶縁膜28のサイズは1.2mm ×1.2mm 角で
ある。
【0053】最後に、図12及び図13に本発明の赤外
線検出素子のさらに異なる実施例を示す。図12は平面
図、図13は断面図である。図12及び図13に示す赤
外線検出素子が、図10及び図11に示した赤外線検出
素子と異なる点は、コンデンサ46を、平面視略十字状
として熱絶縁膜47上に配置した点である。但し、図1
1及び図12に示した構成と同等構成については同符号
を付すこととする。
【0054】なお、本発明のサーミスタを構成する薄膜
体の材料としては、例えば、アモルファスシリコン(a-
Si)またはアモルファスシリコン系(a-Si系)の材料を
用いることができる。例えば、アモルファスシリコンカ
ーバイド(a-SiC )、アモルファスシリコンゲルマニウ
ム(a-SiGe)、アモルファスシリコンナイトライド(a-
SiN )、アモルファス酸化シリコン(a-SiO )、アモル
ファス酸化窒化シリコン(a-SiON)等である。アモルフ
ァスシリコン(a-Si)またはアモルファスシリコン系
(a-Si系)を用いる場合は、プラズマCVD 法、スパッタ
リング法、熱CVD法等を用いることができる。
【0055】マトリクス状のセンサ回路の一実施例とし
て、6 ×6 のマトリクス状にセンサ回路を配置したセン
サ回路を示したが、実施例に限定されるものではない。
また、サーミスタ、コンデンサ、赤外線検出素子の形状
は実施例に限定されるものではない。
【0056】
【発明の効果】請求項1記載のセンサ回路は、ホイート
ストンブリッジ回路の出力間に電荷蓄積機能を有する回
路を接続したので、その電荷量を読み取ることにより、
ホイートストンブリッジ回路の出力電圧検出の感度向上
を図ることができる。
【0057】請求項2乃至請求項5記載のセンサ回路
は、請求項1記載のホイートストンブリッジ回路のブリ
ッジ抵抗の少なくとも1つをサーミスタで構成したの
で、温度変化検出の感度向上を図ることができる。
【0058】さらに、請求項3記載のセンサ回路によれ
ば、抵抗値が高く、B 定数の大きいサーミスタを用いる
ことができるので、温度変化検出の感度が著しく向上す
る。
【0059】請求項4及び請求項5記載のセンサ回路
は、マトリクス状のセンサ回路を構成する、個々のセン
サ回路に設けられた電荷蓄積機能を有する回路の充電時
間(書き込み時間)を長くすることができるのでS/N 比
の高い、ノイズに強いセンサ回路を構成することができ
る。
【0060】請求項6及び請求項7記載の赤外線検出素
子は、請求項1乃至請求項5記載のセンサ回路を熱分離
空間を備えたシリコン基板上に形成したので、赤外線検
出感度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセンサ回路の一実施例を示す回路図で
ある。
【図2】本発明のセンサ回路の動作を説明するための回
路図である。
【図3】本発明のセンサ回路の異なる実施例を示す回路
図である。
【図4】本発明のセンサ回路のさらに異なる実施例を示
す回路図である。
【図5】本発明のセンサ回路のさらに異なる実施例を示
す回路図である。
【図6】本発明の赤外線検出素子の一実施例を示す断面
図である。
【図7】本発明の赤外線検出素子の一実施例を示す平面
図である。
【図8】本発明の赤外線検出素子の異なる実施例を示す
断面図である。
【図9】本発明の赤外線検出素子の異なる実施例を示す
平面図である。
【図10】本発明の赤外線検出素子のさらに異なる実施
例を示す平面図である。
【図11】本発明の赤外線検出素子のさらに異なる実施
例を示す断面図である。
【図12】本発明の赤外線検出素子のさらに異なる実施
例を示す平面図である。
【図13】本発明の赤外線検出素子のさらに異なる実施
例を示す断面図である。
【図14】ホイートストンブリッジ回路の動作を説明す
るための回路図である。
【図15】従来の赤外線検出素子の一例を示す断面図で
ある。
【図16】従来の赤外線検出素子の一例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
T サーミスタ(センサ素
子) Cm,19,26,27,46 コンデンサ(電荷蓄積
機能を有する回路) 11,17 ホイートストンブリッ
ジ回路 13a,22a,30a 中空部 13,22,30 シリコン基板(基板) 14,24,28,47 熱絶縁膜 15,25,38 赤外線検出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01J 5/02 B 5/20 H01C 7/04 H01L 27/14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つのセンサ素子を組み込ん
    だホイートストンブリッジ回路と、そのホイートストン
    ブリッジ回路の出力間に接続された、電荷蓄積機能を有
    する回路とを備えたことを特徴とするセンサ回路。
  2. 【請求項2】 前記センサ素子が温度変化に応じて抵抗
    値が変化するサーミスタで構成されていることを特徴と
    する請求項1記載のセンサ回路。
  3. 【請求項3】 前記センサ素子がアモルファスシリコン
    系の材料で構成されたサーミスタで構成されていること
    を特徴とする請求項2記載のセンサ回路。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3記載のセンサ回路
    がマトリクス状に配列されていることを特徴とするセン
    サ回路。
  5. 【請求項5】 マトリクス状に配列された前記センサ回
    路の少なくとも2つが同一の電源を共用することを特徴
    とする請求項4記載のセンサ回路。
  6. 【請求項6】 表面から裏面に貫通する中空部が形成さ
    れた基板と、前記中空部の表面側開口を覆って周辺部が
    前記基板に支持された熱絶縁膜と、前記中空部上の熱絶
    縁膜上に形成された赤外線検出部とを備えた赤外線検出
    素子において、請求項1乃至請求項5記載の前記センサ
    回路の、少なくとも前記センサ素子が前記中空部上の熱
    絶縁膜上に形成されていることを特徴とする赤外線検出
    素子。
  7. 【請求項7】 前記電荷蓄積機能を有する回路が前記基
    板上に形成されていることを特徴とする請求項6記載の
    赤外線検出素子。
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