JPH086869B2 - 管継手 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は管用の継手に関する。

より特定的に言うならば、本発明は、管継手の部類の
中でも、共通のラックに固定された複数の第１のエンド
ピースと、外部配管の端となっていて第１のエンドピー
スに対する位置が厳密に決定されてはいない同数の第２
のエンドピースの間を結合する継手（ただし、それに限
るのではない）に関する。

後者の種類の継手の中でも特に述べておくべきは、温
水器、風呂加熱器またはセントラルヒーティング用ボイ
ラの、加圧された水や加圧されたガスの回路を、対応す
る外部の水やガスの配管に結合するために用いられる継
手である。

［従来の技術］ 自明であるように、ここで考えている継手は、 第１の管の一端に永久的にシール性をもって固定され
るに適した雄のエンドピースと、 第２の管の一端に永久的にシール性をもって固定され
るに適した雌のエンドピースと、 それら２つのエンドピースのそれぞれにあって組合っ
て１つの環状のキャビティを限界している２つの回転面
と、 それら２つの面に同時に当るように前記キャビティの
中に収容されている環状のシールと、 雌のエンドピースにおいて横断方向に形成されている
２つの互に平行な直線状のスライドと、 雄のエンドピースの自由端から遠い方に設けられ、ス
ライドの横断方向面内において平らな環状面を有してい
るカラーと、 １つのピン、すなわち、前記の２つのスライドに組合
って働くに適した２つのアームを有していて、それらア
ームは、それぞれに、カラーを軸方向に通すに十分なだ
け相互に離れている端部分と、カラーが通れないように
相互に近接していてこのカラーに軸方向に当って２つの
エンドピースが軸方向に相互に離れることを防止し雄の
エンドピースとの接触部分を僅かの間隙をおいて囲んで
いるベース部分とで成っており、また、このピンのアー
ムの先端はフックになっていて、それらフックは、ピン
がそれの普通の行程の外側の端に達したときに雌のエン
ドピースにある当り面に当るに適していて、それら当り
面の位置は、フックがこれら当り面に当った丁度そのと
きカラーが軸方向に文句なしに抜けることをピンのアー
ムが許すように決められている、というピンを含んでい
る。

この種の継手は経済的であり、極めて迅速に組立て取
外しするのに向いているという利点を有する。

しかし、これら公知の実施態様においては、シールの
収容場所を限界している２つの回転面のうちの一方が円
筒面であって、シールは、半径方向ではこの面に当って
止まり、軸方向ではその面と相対的に滑り得る。

得られるシール性は、水の配管の継手のような幾つか
の適用分野においては十分であろうが、前述したような
適用においては十分でない。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明の目的の１つは、特に、前述の種類の継手を、
改善されたシール性を提供するようにすることにある。

［課題を解決するための手段］ 上記のため、本発明による継手は、環状のシールの収
容場所を限界している２つの回転面が、１つは雌のエン
ドピースに形成されていてこのエンドピースの軸方向出
口に向いて開いているカップであり、他の１つは雄のエ
ンドピースの端の平らなリングであることと、カラーに
軸方向に当るに適しているピンのアームのベース部分の
表面には、組立時にピンを滑らせるとピンがカラーに軸
方向に漸進的に当り、したがってシールを軸方向に漸進
的にカップの底に押付けて潰すこととなるような配置に
なっている斜面があることを本質的特徴としている。

望ましい実施態様では、なお次に示すような構造上の
諸点のいずれか１つまたは組合せが用いられる。

環状のシールが、軸方向に向う半径方向に開いたプロ
フィルを有していること。

ピンとスライドの、それらが軸方向に当るところの面
に、ピンが横断方向に最も先まで押込まれたとき、すな
わち、シールが軸方向に最も潰されたときに、ラチエッ
ト式に組合って働くような相補う形の凹所と突起がある
こと。

ピンが横断方向に最も外れた位置にあるときに雌のエ
ンドピースの表面に当って、ピンがこの位置から不意に
動くことを防止するような、少くとも１つのボスをピン
が有していること。

以上述べた主な構造上の諸点のほかに、本発明は、他
の幾つかの、同時に用いられることが望ましい諸点を含
んでいるのであり、それら諸点については以降において
より明瞭に説明する。

［実施例］ 以降においては、本発明の望ましい実施例について、
添付の図面を参照しつつ説明するが、これは本発明を制
限するものではない。

ここで説明する継手は、 一端が、例えばねじを切られていて、第１の管と永久
的にシール性をもって結合されるに適しており、他の側
ではエンドカップ２（第４図）が軸方向外側に向けて開
いている雌のエンドピース（１）と、 カップ２の中に収容されている環状のシール３（第２
図）と、 概しては円筒形であって、一端は、例えばねじが切ら
れていて、第２の管と永久的にシール性をもって結合さ
れ得るに適しており、他の側では、外側カラー５（第１
図,2図）があり、そのカラーの内方部分は、平らな環状
のステップ20（第２図）によって軸方向に延長されてい
る、という構造の雄のエンドピース４を含んでいる。

前述した２つの管の間に、すなわち２つのエンドピー
ス１と４の間に所望のようにシールされた継手を作るた
めには、カラー５を、カップ２の底に、中間に入ったシ
ール３を押し潰しつつクランプし、クランプされた状態
を維持することが必要である。

公知のような、ねじによるそのようなクランピング
は、時間を要し、均整をとるのが困難であり、結合され
るべき両エンドピースの軸方向の厳密な心合わせを必要
とし、高価な部品を作ることにつながるが、その代りと
してここでは、同じクランピングが、ピン６を横断方向
に直接的に単に動かすということで、理想的に均整がと
れて、得られており、そこでは、両エンドピースの軸方
向心合わせの厳密な要求に従わねばならないことがな
く、また、高価な部品を用いる必要もなく、実際、全く
逆になる。何故ならば、継手を構成している種々の要素
は、シールを別とすれば、２つのエンドピースとピンで
あり、それらは成形された合成材料から安価に作られ得
るからである。

ピン６は、比較的に幅が大きいボトム部７と、直線状
であって比較的に幅が狭い２つのアーム８を有する平ら
で薄い部品である。

２つのアーム８は、カップ２の内側エッジに形成され
ている２つの直線状の溝すなわちスライド９の中、より
正確に言うならば、前記カップのエッジを軸方向外側に
延長している２つの互に平行なフランジ10の中に収容さ
れている。

これらの溝つまりスライド９は、Ｕ形の断面形を有し
ていて、互に向き合って、つまり継手の横断方向に開い
ている。

各アーム８は、プリズム状の外表面を有しているが、
それのプロフィルつまり輪郭は、実質的にスライド９の
プロフィルと相補う形になっていて、それにより、これ
らアーム８は上記の溝９に沿って案内されることにな
る。

各アーム８は、ベース部分8₁と、それを延長している
先端部分8₂で成っている。

先端部分8₂の両者は、第３図で示されているように、
それらの間をカラー５とシール３が軸方向に通り得るた
めに十分なだけ幅が狭くなっている。

ベース部分8₁の両者の横断方向での幅は、第１図で見
られるように、それらベース部分の間をエンドピース４
の円筒形部分はやはり通れるがカラー５は通れないよう
に決められている。

ピンの、先端部分8₂よりも横断方向で内方に突出して
いるベース部分8₁の内側部分は、カップ２の側におい
て、横断方向の平らな面Ｐを有している（第４図）。

両エンドピース間をシール性をもって結合するため
に、カラー５に軸方向に当てられるのはこの面Ｐであ
る。

上記の面Ｐは、各ベース部分8₁の、ボトム部７から遠
い方の端において、ロックされるべきピン６とカラー５
の間の滑り接触の始まりを容易にするために、第１図,4
図で見られるように、傾いた斜面Ｒによって延長されて
いる。

以上説明した継手の作動は次のようである。

最初にはピン６は、第３図で見られるとおりの最も外
側の位置にあるので、シール３とカラー５は軸方向に自
由にカップ２に入れられる。

そこでシール３をカップ２の中に位置させる（第２
図,3図）。

第２図で見られるように、このシール３は、継手の軸
線に向って開いたプロフィルを有しているのが有利であ
る。つまり、それにより、シール３は、内部の流体の圧
力が高ければ高い程軸方向に開くので、極めて効果的な
シール性と、ピンの絶対的ロッキングが得られる。

組立時には、シール３の軸方向の厚さは、それを受入
れるカップ２の厚さからエンドピース４の端の内方部の
環状ステップ20の厚さを減じたものより大きい。

次にエンドピース４のカラー５を、それのためにカッ
プ２の軸方向出口に設けられている環状のシート11に当
るように位置させる。このシート11は円筒形の壁11₁に
よって限界されている（第４図）ので、上記エンドピー
スの環状のステップ20がシール３の上に落着く。

次にこのエンドピース４に少しの軸方向押圧力を与え
る。そうするとシール３がステップ20によって潰される
ので、ピン６を横断方向の矢印Ｆの方向（第３図）に押
し込む。

このとき、このピンの斜面Ｒ、次いで面Ｐがカラー５
に接触し、ピン６が、第１図で見られるように横断方向
の内側への行程の端に達したならば、上記の面Ｐが、カ
ラー５に押し当ることによって、シール３の永久的な軸
方向の潰れが決まり、したがって、両エンドピース１と
４の間の結合のシール性を戻り不能性が達成される。

ピンの両アーム８の端には、それらアームからカップ
２の方に向けて突出しているフックつまりノーズ12が設
けられている（第４図参照）。

両フランジ10には、上記フック12を潰らせて収容する
ために、スライド９のための拡大された入口部13が形成
されている。

これらの拡大された入口部の底面はステップつまり当
り面14によって限界されていて、その当り面の位置は、
各フック12がそれの相手である当り面14に当ったとき、
すなわちピン６が外側への普通の行程の端に来たとき
に、そのピンの位置が丁度、シール３とカラー５が軸方
向に文句なしに、収容場所である２と11,11₁へと通り得
るようになる位置であるように決められている。

この構造は、ピン６が外方へ動くことを制限し、した
がってピン６の紛失を防止するので有利である。

ピン６の各々を対応するエンドピース１に組入れるこ
とが可能でなければならないことはもちろんである。そ
の組入れは、先ずピンのボトム部７を両方の溝９で限界
されている開口に差込み、矢印Ｆとは反対の方向に動か
すことで行われる。

第４図に見られるものになお次のものがある。

15で示す小さなボスがピン６のボトム部に設けられて
いて、これは、このピンがあまりにも容易に矢印Ｆの方
向に抜出されることを防止する。

19で示す別の小さなボスまたはとげが、ピンの両アー
ムの外側エッジ上に設けられていて、スライド９の出口
開口のエッジのような、エンドピース１における表面に
当るようになっている。これにより、ピンが最も外れた
位置つまり引出された位置にあるときにピンが不意に逆
戻りして入ることが防止される（第３図）。

16と17で示す小さな、相補う形の、溝とリブのような
凹所と突起が、それぞれ、ピン６とそれの収容場所にお
ける軸方向に相対する面に設けられていて、ピンが最も
先まで差込まれた位置に来たとき、ラチエットのように
組合って働くようになっている（第１図）。これによ
り、このピンが不意に入口に向って動くことが防止され
る。

ここで特に述べておきたいこととして、この、凹所と
突起16と17の組合っての働きは、実に、継手の中に入っ
た流体の圧力によってしっかりした働きとなり、前述し
たようにシール３が開いたプロフィルを有している場合
には特にそうである。この場合には、内圧が維持されて
いる限りは継手を外すことが不可能となり、このこと
は、シール性と安全性の両面での、極めて重要な利点と
なる。

この実施例をどのように用いようとも、最終的に得ら
れる継手の構造と作動については、以上の説明で十分で
ある。

この継手は、特にはシールが軸方向に潰されることに
よるシール性の品質に関する限りでの従来公知の継手に
比べて幾多の利点を有している。すなわち、継手の主な
構成要素（エンドピース1,4、およびピン６）は成形さ
れた合成材料から安価に作られるので経済的であり、組
立はピン６を単に直線方向に滑らすだけでできるので迅
速で信頼性があり、取外しはこのピン６をさきの場合と
反対方向に単に滑らせるだけでできるので簡単であり、
また、厳密に心合せされていない両エンドピース間の結
合が、それらエンドピースの横断方向での心ずれが数mm
に達していたとしても、可能である。

カラー５と、エンドピース１の中のそれの収容場所1
1,11₁の間に比較的大きい隙間を設けることが実際に可
能であり、カラーは、この隙間があることによって可能
な種々の相対的にずれた位置のどれでもを占めることが
できる。

この最後に述べたことから言えることとして、本発明
は、固定の共通ラックに担持された複数の第１のエンド
ピース４と、それに対しての横断方向への位置が極めて
正確には決っていない複数の第２のエンドピース１の間
の結合をすることが必要である場合に特に有利である。

特にこのことがあるのは、第１のエンドピースがとり
つけられているラックが、温水器、風呂の加熱器または
セントラルヒーティングのボイラのような熱水発生装置
のベースである場合である。それを図で説明しているの
が第５図であって、そこでは18として複合型ボイラ、す
なわち、熱水をラジエータを通して循環させてセントラ
ルヒーティングを行うためと、自家用給湯のために水を
加熱するボイラを示している。このボイラは、本発明に
よる５つの水用継手を含んでいて、そのうち１つはガス
用、２つがヒーティング水用、他の２つが給湯用であ
り、２つが組になったものではいずれも、一方は加熱さ
れるべき水の取入れ用であり、他方は熱水の送出用であ
る。

自明であり、なお上述から知られるように、本発明
は、特定の場合を説明したそれの方式／通用法および実
施例に限定されのではなく、それらのすべての変形を含
んでいる。

【図面の簡単な説明】

第１図，第２図は、本発明による管用の継手の接続され
た状態、すなわち、ピンが押込まれている状態を示す図
であり、第１図は第２図のＩ矢視の軸方向視図、第２図
は第１図のII−II矢視の縦断面図、 第３図は、同じ継手の第１図と同様の視図であるが、雄
のエンドピースが除かれていて、そのエンドピースを受
入れ得る状態、すなわち、ピンが引出されている状態を
示す図、 第４図は、第３図に示した継手の同図IV−IV矢視の縦断
面図であるが、シールが除かれた状態を示す図、 第５図は、複合型ボイラ、すなわち、熱水をラジエータ
を通して循環させてセントラルヒーティングを行うため
と、自家用給湯のために水を加熱するボイラに、本発明
による５つの継手が設けられている姿を極めて略式に示
した図である。 １…雌のエンドピース、２…エンドカップ、３…シー
ル、４…雄のエンドピース、５…カラー、６…ピン（全
体）、７…ボトム部、８…アーム（６の）、8₁…ベース
部分、8₂…先端部分、９…スライド（溝）、10…フラン
ジ、11…シート（収容場所の）、11₁…壁（同左）、12
…フック、13…拡大部（９の）、14…当り面、15…ボ
ス、16,17…凹所と突起、18…ボイラ、19…ボス、20…
ステップ（リング）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】第１の管の一方の端に水密な固定をする構
   造の雄のエンドピース（４）と、 第２の管の一方の端に水密な固定をする構造の雌のエン
   ドピース（１）と、 前記雄と雌のエンドピースのそれぞれの先端部に設けら
   れ、それら両エンドピースの接続時、組合って一つの環
   状のスペースを区画する２つの回転面と、 前記２つの回転面に同時に当接するように前記スペース
   に収容される環状のシール（３）と、 雌のエンドピース（１）内で横断方向に形成されている
   ２つの互いに平行な平面を有するスライド（９）と、 雄のエンドピース（４）の自由端に近接して設けられ、
   自由端から遠い方の横断面が平らな環状面を有するカラ
   ー（５）と、 雄のエンドピース（４）を雌のエンドピース（１）に接
   続固定するピン（６）とからなり、 該ピン（６）は、前記２つのスライド（９）に挿入さ
   れ、ボトム部（７）で接続された２つのアーム（８）を
   有し、各アーム（８）は、前記カラー（５）を軸方向に
   通すのに十分な距離だけ相互に離れている先端部分
   （8₂）と、前記カラー（５）の軸方向移動を抑止するよ
   うに相互に近接していて、軸方向に当接している２つの
   エンドピースの離間を防止し、前記雄のエンドピース
   （４）との接触部分を僅かな間隔をおいて囲んでいるベ
   ース部分（8₁）とからなり、さらに、先端部分（8₂）の
   先端はフック（12）を有し、該フックは前記ピン（６）
   が抜き出しの行程の終点で当たり面（14）に当接すると
   き、先端部分（8₂）旭が十分開いて前記カラー（５）が
   軸方向に抜けることができる構成を有する管継手であっ
   て、 前記環状のシール（３）の収容場所を構成している２つ
   の回転面が、１つは雌のエンドピース内に形成されてお
   り、かつ軸方向の開口方向に向いて開いているカップ
   （２）で、他の１つは雄のエンドピースの端の平らなリ
   ング（20）であり、 接続後のカラー（５）の軸方向移動を抑止する各ベース
   部分（8₁）の平行な平面を有する前記ピン（６）が、前
   記ベース部分（8₁）のボトム部（７）から延長している
   横断面の平らな平面（Ｐ）と、ピン（６）とカラー
   （５）間とをロックするために滑り接触の挿入の開始を
   容易にするように構成された斜面（Ｒ）を有し、ピン
   （５）がいっぱいに挿入された位置で不用意にピン
   （５）が抜けないように相互に噛み合う凹所と突起（1
   6、17）をそれぞれピン（６）とスライド（９）とに軸
   方向に有する管継手。