JPH0867809A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH0867809A
JPH0867809A JP15340694A JP15340694A JPH0867809A JP H0867809 A JPH0867809 A JP H0867809A JP 15340694 A JP15340694 A JP 15340694A JP 15340694 A JP15340694 A JP 15340694A JP H0867809 A JPH0867809 A JP H0867809A
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茂 早瀬
Takashi Ida
孝 井田
Munehiro Miyake
宗博 三宅
Kenichi Kikuchi
謙一 菊地
Mioko Watanabe
美緒子 渡邊
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 膨潤性フッ素雲母系鉱物の共存下にモノマー
を重合して得られた膨潤性フッ素雲母系鉱物を0.01〜20
重量%含有するポリアミド30〜90重量%とポリアリレー
ト70〜10重量%とからなる樹脂組成物、及びこの樹脂組
成物に対し、エポキシ基含有オレフィン系共重合体と酸
無水物含有オレフィン系共重合体とからなる耐衝撃性付
与材を3〜30重量%配合した樹脂組成物。 【効果】 衝撃強度や剛性などの機械的性質と耐熱性が
向上し、また、吸水による寸法や機械的性質の変化が低
減された優れた性能を有する強化樹脂組成物が提供され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた耐衝撃性及び剛
性などの機械的性質を有し、かつ化学的、熱的性質にも
優れる新規な樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドは機械的特性、摺動特性、熱
的特性、耐薬品性に優れ、既に電気機器、自動車、一般
機械、雑貨その他の分野で有用な成形体として広く使用
されている。しかし、一般によく知られているように、
ポリアミドは吸水性が高く、実使用状態においては雰囲
気中に含まれる水分を吸収し、機械的性質の低下や寸法
変化を起こす欠点がある。
【0003】このようなポリアミドの物性を補完するた
めに、耐熱性や耐水性に優れる反面、成形性に問題を有
するポリアリレートを配合した樹脂組成物が提案されて
いる(例えば、特開昭52− 98765号) 。しかし、この樹
脂組成物は、両樹脂の相溶性が不十分なため、衝撃強度
に代表される靭性が劣るという問題があった。
【0004】特開昭54− 56652号公報には、ポリアミド
とポリアリレートにエラストマーを配合したものが、特
開昭54− 93043号公報にはアイオノマーを配合したもの
が、特開昭59−105050号公報には、スルホン酸基含有ポ
リエチレンテレフタレートを配合したものが、特開昭61
−183353号公報には、α、β−不飽和酸のグリシジルエ
ステルを共重合したオレフィン系重合体を配合したもの
が、特開昭62−283146号公報、同64− 31865号公報及び
特開平1−161044号公報には、α, β−不飽和酸のグリ
シジルエステルを共重合したオレフィン系重合体及び
α, β−不飽和ジカルボン酸の無水物を共重合したオレ
フィン系重合体を配合したものが、特開昭64− 153号公
報には、エラストマーとエポキシ官能性の重合体を配合
したものが、それぞれ開示されている。これらの樹脂組
成物では、衝撃強度に代表される靭性は改良されるもの
の、耐熱性が低下したり、弾性率が低下するなどの新た
な性能上の不都合が惹起する。
【0005】特開平3−215557号公報には、ポリアミド
とポリアリレートと層状珪酸塩とからなる樹脂組成物が
開示されている。この組成物は、優れた機械的強度と耐
熱性を有することが認められたが、層状珪酸塩を樹脂組
成物中に均一に分散させるために、あらかじめ膨潤化剤
と接触させるための前処理工程が必要であり、製造コス
トが上昇するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決し、ポリアミドとポリアリレートとからなる樹
脂組成物の優れた化学的性質、耐熱性、成形性を損なう
ことなく衝撃強度と剛性を大幅に向上させることにあ
る。また、本発明の他の目的は耐衝撃性や剛性などの機
械的性質、耐熱性、耐薬品性ならびに成形性などに優れ
るとともに良光沢の成形品を与える成形用材料を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するもので、その要旨は、次のとおりである。 膨潤性フッ素雲母系鉱物の共存下にモノマーを重合
して得られた膨潤性フッ素雲母系鉱物を0.01〜20重量%
含有するポリアミド30〜90重量%とポリアリレート70〜
10重量%とからなる樹脂組成物。 上記の樹脂組成物に対し、次のA及びBからなる
耐衝撃性付与材を3〜30重量%配合した樹脂組成物。 A:1種以上の不飽和グリシジル単量体と1種以上のエ
チレン系不飽和単量体を共重合して得られるエポキシ基
含有オレフィン系共重合体 B:ポリオレフィン又はオレフィン系共重合体に不飽和
ジカルボン酸無水物を共重合して得られる酸無水物含有
オレフィン系共重合体 以下、本発明について詳細に説明する。
【0008】本発明におけるポリアミドの好ましいもの
としては、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、
ナイロン610、ナイロン612、ナイロン116、ナイロン
11、ナイロン12、ナイロン6I、ナイロン6/66、ナ
イロン6T/6I、ナイロン6/6T、ナイロン66/
6T、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミ
ド、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデ
カミド、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキ
シル)メタンドデカミド、ポリメタキシリレンアジパミ
ド、ナイロン11T、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロ
テレフタルアミド、ビス(4−アミノシクロヘキシル)
メタンテレ/イソフタレート及びビス(3ーメチルー4
ーアミノシクロヘキシル)メタン/ヘキサメチレンジア
ミン/I/T共重合体などが挙げられ、2種以上併用し
てもよい。(なお、Iはイソフタル酸成分、Tはテレフ
タル酸成分を表す。) これらのうち、特に好ましいものは、ナイロン6、ナイ
ロン46、ナイロン66、ナイロン6T/6I、ナイロ
ン6/6T、ナイロン66/6Tである。
【0009】ポリアミドの相対粘度は特に制限されない
が、溶媒としてフェノールとテトラクロルエタンとの重
量比60/40の混合物を用い、温度25℃、濃度1g/dlの
条件で求めた相対粘度で 1.5〜5.0 の範囲のものが好ま
しい。相対粘度があまり小さいものでは、樹脂組成物の
機械的性能が低下し、大きすぎると樹脂組成物の成形性
が急速に低下するので好ましくない。
【0010】また、ポリアミド中のアミノ基及びカルボ
キシル基の濃度の好ましい範囲は、共に20〜200 当量/
トンである。この範囲よりも小さい場合には本発明の効
果が小さくなる傾向があり、この範囲よりも大きい場合
には、得られる樹脂組成物の溶融粘度が過度に上昇する
場合があり好ましくない。
【0011】本発明においては、上記のようなポリアミ
ドを製造する際に、モノマー、すなわち、アミノカルボ
ン酸又はラクタム、ジアミンとジカルボン酸との塩 (ナ
イロン塩) 又は混合物に、膨潤性のフッ素雲母系鉱物を
添加して重合する。
【0012】本発明で用いられる膨潤性のフッ素雲母系
鉱物は次式で示される。 αMF・β(aMgF2 ・bMgO)・γSiO2 ここで、Mはナトリウム又はリチウムを表し、α、β、
γ、a及びbは各々係数を表し、 0.1≦α≦2、2≦β
≦3.5 、3≦γ≦4、0≦a≦1、0≦b≦1、a+b
=1である。
【0013】このようなフッ素雲母系鉱物の製造法とし
ては、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム
などの酸化物と各種フッ化物を混合し、その混合物を電
気炉あるいはガス炉中で1400〜1500℃の温度範囲で完全
に溶融し、その冷却過程で反応容器内にフッ素雲母系鉱
物を結晶生長させる、いわゆる溶融法がある。
【0014】また、他の方法としては特開平2−149415
号公報に開示された方法がある。すなわち、タルクを出
発物質として用い、これにアルカリイオンをインターカ
レーションしてフッ素雲母系鉱物を得る方法である。こ
の方法ではタルクに珪フッ化アルカリあるいはフッ化ア
ルカリを混合し、磁性ルツボ内で 700〜1200℃で短時間
加熱処理することによってフッ素雲母系鉱物が得られ
る。本発明で用いる膨潤性のフッ素雲系鉱物は、この方
法で製造されたものが好ましい。
【0015】タルクと混合する珪フッ化アルカリあるい
はフッ化アルカリの量は、混合物の10〜35重量%となる
ようにすることが好ましく、この範囲を外れると膨潤性
フッ素雲母系鉱物の生成率が低下する。
【0016】膨潤性のフッ素雲母系鉱物を得るために
は、珪フッ化アルカリあるいはフッ化アルカリのアルカ
リ金属はナトリウム又はリチウムとすることが必要であ
る。これらのアルカリ金属は単独で用いてもよいし併用
してもよい。アルカリ金属のうち、カリウムの場合には
膨潤性のフッ素雲母系鉱物が得られないので好ましくな
いが、ナトリウム又はリチウムと併用し、かつ限定され
た量であれば膨潤性を調節する目的で用いることも可能
である。
【0017】また、本発明で用いる膨潤性フッ素雲母系
鉱物を製造する工程において、アルミナを少量配合し、
生成する膨潤性フッ素雲母系鉱物の膨潤性を調節するこ
とも可能である。
【0018】本発明でいう膨潤性とは、フッ素雲母系鉱
物がアミノカルボン酸、ナイロン塩、水分子などの極性
分子あるいは陽イオンを層間に吸収することにより、層
間距離が拡がり、あるいはさらに膨潤へき開して、超微
細粒子となる特性を意味し、前記の式で表されるフッ素
雲母系鉱物はこのような膨潤性を示すものである。
【0019】膨潤性フッ素雲母系鉱物は、粒径が15μm
以下、特に10μm 以下で、X線粉末法で測定したC軸方
向の層厚さが9〜20Åのものが好ましい。
【0020】膨潤性フッ素雲母系鉱物は、生成するポリ
アミドに対して0.01〜20重量%の範囲になるようにポリ
アミドの重合時に配合される。この配合量があまり少な
いと機械的強度、耐熱性、寸法安定性の改良効果が十分
発揮されず、多すぎると靭性の低下が大きくなる。
【0021】ポリアミドを形成するモノマーに対して、
膨潤性フッ素雲母系鉱物を所定量存在させた状態でモノ
マーを重合することにより、膨潤性フッ素雲母系鉱物が
ポリアミド中に十分細かく分散し、本発明の効果が顕著
に現れる。
【0022】ポリアリレートとしては、ビスフェノール
類、特にビスフェノールA〔2,2−ビス(4′−ヒドロ
キシフェニル)プロパン〕と芳香族ジカルボン酸成分、
特にテレフタル酸成分及び/又はイソフタル酸成分とか
ら得られるものが好ましく用いられる。
【0023】ポリアリレートは、ビスフェノール類のア
ルカリ水溶液と水と相溶しない有機溶剤に溶解した芳香
族ジカルボン酸クロリドとを混合して反応させる界面重
合法、ビスフェノール類と芳香族ジカルボン酸のフェニ
ルエステルとを加熱する溶融重合法及びビスフェノール
類と酸クロリドとを有機溶剤中で加熱する溶液重合法の
いずれの製造法で得られたものでもよく、好ましい物性
を有する樹脂組成物を得るためには平均分子量が5000〜
100000のものを用いるのが好ましい。
【0024】本発明の樹脂組成物において、膨潤性フッ
素雲母系鉱物を含有するポリアミドとポリアリレートと
の割合は、前者が30〜90重量%、特に40〜70重量%、後
者が70〜10重量%、特に60〜30重量%となるようにする
のが適当である。
【0025】さらに、本発明の樹脂組成物は、上記の樹
脂組成物にエポキシ基含有オレフィン系共重合体A及び
酸無水物含有オレフィン系共重合体Bからなる耐衝撃性
付与材を配合したものである。
【0026】エポキシ基含有オレフィン系共重合体A
は、1種以上の不飽和グリシジル単量体と1種以上のオ
レフィン系単量体を重合して得られるものであり、その
共重合の様式はランダム、ブロック、グラフト、交互の
いずれでもよい。
【0027】エポキシ基含有オレフィン系共重合体Aの
具体例としては、エチレン−グリシジルメタクリレート
共重合体、エチレン−グリシジルアクリレート共重合
体、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル
共重合体及びエチレン−グリシジルアクリレート−酢酸
ビニル共重合体などが挙げられる。
【0028】なお、エポキシ基含有オレフィン系共重合
体Aにおける不飽和グリシジル単量体の共重合量は、0.
05〜95モル%、特に 0.1〜50モル%が適当である。
【0029】酸無水物含有オレフィン系共重合体Bは、
ポリオレフィン又はオレフィン系共重合体に不飽和ジカ
ルボン酸無水物を共重合して得られるものである。
【0030】酸無水物含有オレフィン系共重合体Bの具
体例としては、エチレン−プロピレン共重合体又はエチ
レン−プロピレン−ジエン共重合体にエンド−ビシクロ
−(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物
もしくは無水マレイン酸を共重合した共重合物、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体又はエチレン−メタア
クリル酸エステル共重合体に無水マレイン酸を共重合し
た共重合物などが挙げられる。
【0031】なお、酸無水物含有オレフィン系共重合体
Bにおける不飽和ジカルボン酸無水物の共重合量は、0.
05〜95モル%、好ましくは 0.1〜50モル%が適当であ
る。
【0032】エポキシ基含有オレフィン系共重合体Aと
酸無水物含有オレフィン系共重合体Bとの混合比は、エ
ポキシ基/酸無水物の当量比が1/9〜9/1、特に3
/7〜7/3の範囲となるようにすることが好ましい。
【0033】樹脂組成物における耐衝撃性付与材の割合
は、3〜30重量%とすることが必要である。この量が3
重量%未満では衝撃強度改良効果が得られず、30重量%
を超える場合は耐熱性の低下が大きい。 本発明の樹脂
組成物は、上記の構成成分を溶融混練することによって
製造される。その際の溶融混練温度は主にポリアミドの
種類とポリアミドとポリアリレートとの組成比に依存す
る。一般に結晶性ポリアミドを用いる場合、溶融混練温
度はその融点から融点プラス80℃の温度範囲で行うこと
が好ましい。非晶性ポリアミドを用いる場合には、樹脂
組成物を構成する成分中のポリマーの最も高いガラス転
移温度を基準に、通常それより50〜150 ℃高い温度範囲
で溶融混練するのが好ましい。溶融混練時間は温度及び
用いる溶融混練装置にもよるが、通常1〜30分の範囲で
ある。溶融混練装置としては、バンバリミキサー、ロー
ルミキサー、ニーダー、単軸押出機、多軸押出機などを
使用することができる。また、樹脂組成物を構成するす
べての成分を一度に溶融混練装置に供給してもよいし、
各成分をそれぞれ異なる供給口から供給する多段方式で
溶融混練装置に供給してもよい。
【0034】本発明の樹脂組成物によれば、従来のガラ
ス繊維や炭素繊維などの繊維質や炭酸カルシウムなどの
無機充填材で強化した樹脂組成物に認められるところの
靭性の低下、繊維質で強化した樹脂組成物の成形品のそ
りの問題、また無機充填材で強化した樹脂組成物ではそ
れを多量に配合しないと機械的強度や耐熱性が向上しな
いという問題点などがことごとく解決される。
【0035】本発明の樹脂組成物にはその特性を大きく
損なわない限りにおいて顔料、熱安定剤、酸化防止剤、
耐候剤、難燃剤、可塑剤、離型剤、他の強化材などを添
加することもできる。このような熱安定剤や酸化防止剤
としては、ヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒン
ダードアミン類、イオウ化合物、銅化合物がある。耐候
剤としては一般的なベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾ
ール類が用いられる。
【0036】難燃剤としては一般のリン系難燃剤やハロ
ゲン系難燃剤が用いられる。強化材としては、例えばク
レー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナ
イト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カ
ルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウ
ム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、水酸
化アルミニウム、水酸化カルシウム、硫酸バリウム、カ
リウム明バン、ナトリウム明バン、鉄明バン、ガラスバ
ルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモ
ン、ほう酸、ほう砂、ほう酸亜鉛、ゼオライト、ハイド
ロタルサイド、金属繊維、金属ウイスカー、セラミック
ウイスカー、チタン酸カリウムウイスカー、窒化ホウ
素、マイカ、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維など
が挙げられる。
【0037】本発明によれば、耐衝撃性などの機械的性
質、耐水性、耐熱性ならびに成形性などに優れた樹脂組
成物が得られる。そしてその優れた性能を利用して電
機、自動車、機械、雑貨、その他の分野で有用な成形体
として使用される。
【0038】
【作用】本発明においては、膨潤性フッ素雲母系鉱物を
ポリアミドのモノマーに添加して重合して得られた膨潤
性フッ素雲母系鉱物含有ポリアミドを用いるので、膨潤
性フッ素雲母系鉱物がポリアミド中に十分細かく分散
し、その結果、ポリアリレートとの溶融混練物は、相互
により微細に分散しており、優れた物性が得られる。
【0039】また、耐衝撃性付与材として、エポキシ基
含有オレフィン系共重合体A及び酸無水物含有オレフィ
ン系共重合体Bを併用すると、それぞれ単独で用いる場
合には見られるゲル化、着色、分解あるいは相分離の発
生や成形品表面の光沢の不良などの欠点が解消され、衝
撃強度が向上することは驚くべきことである。
【0040】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例及び比較例で用いた原料及び測定法は
次のとおりである。 1.原料 (1) フッ素雲母 ボールミルにより平均粒径が2μm となるように粉砕し
たタルク、平均粒径が2μm の表1に示す珪フッ化物及
びアルミナを表1に示す割合(重量部)で混合し、これ
を磁性ルツボに入れ、電気炉で1時間 800℃に保持し、
M−1からM−3のフッ素雲母を合成した。生成したフ
ッ素雲母の平均粒径は 1.8μm であり、また、X線粉末
法で測定した結果、M−1からM−3は、原料タルクの
C軸方向の厚さ 9.2Åに対応するピークは消失し、膨潤
性フッ素雲母の生成を示す12〜16Åに対応するピークが
認められた。
【0041】
【表1】
【0042】(2) ポリアリレート PAR−1:テレフタル酸ジクロリドとイソフタル酸ジ
クロリドのモル比が1:1である混合酸クロリドの塩化
メチレン溶液とビスフェノールAのアルカリ水溶液とか
ら界面重合法によってポリアリレートを製造した。この
ポリアリレートは、フェノールとテトラクロルエタンと
の重量比60/40の混合溶媒を用い、温度25℃、濃度1g
/dlで測定した対数粘度 0.7、ガラス転移温度 182℃で
あった。
【0043】PAR−2:反応装置(減圧式2軸混練
機)にビスフェノールAと無水酢酸をモル%比で1/2
及びビスフェノールAと等モルのイソフタル酸を仕込
み、触媒としてジメチルスズマレエートをポリアリレー
トの構造単位1モルに対して4×10-4モル加え、窒素雰
囲気下、常圧、 150℃で攪拌しながら2時間反応させ
た。次いで、 100トルに減圧して 250℃で2時間、さら
に約1トルとして 260℃で4時間反応させた。さらに1
時間かけて順次昇温、減圧し、最終的に285℃まで温度
を上げ、真空度が0.02トルとなるように調節して3時間
溶融重合を行いポリアリレートを得た。このポリアリレ
ートは、対数粘度 0.6、ガラス転移温度 184℃であっ
た。
【0044】(3) エポキシ基含有オレフィン系共重合体 エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重
合体(住友化学社製、ボンドファーストE) (4) 酸無水物含有オレフィン系共重合体 変性EPR:メルトインデックス 2.0g/10分(190℃)
、エチレン含有量72.0モル%のエチレン−プロピレン
共重合体(EPR)1000重量部とエンド−ビシクロ−
(2,2,1) −5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物3
重量部及びジ−t−ブチルパーオキサイド 1.0重量部と
をそれぞれヘンシェルミキサーにより常温で混合したも
のを2軸押出機に供給し、200 ℃で押出して直径2mm、
長さ3mmの円筒状ペレットとした。
【0045】ボンダインLX4110:エチレン−無水マレ
イン酸−アクリル酸エステル共重合体(住化CDF社
製) 2.測定法 (a) 曲げ強度及び曲げ弾性率 厚さ1/8インチの曲げ試験片を用い、ASTM D790 に基
づいて測定した。
【0046】吸湿処理後の値は、60℃、95%RHの条件で
168時間吸湿処理した後、同様にして測定した値であ
る。 (b)アイゾット衝撃試験 上記試験片を用い、ASTM D256 に基づいて測定した。 (c) 熱変形温度(HDT) 上記試験片を用い、ASTM D648 に基づいて、荷重 4.5kg
/cm2 で測定した。 (d)吸湿率 厚さ2mm、幅50mmの正方形の試験片を用い、60℃、95%
RHの条件で 168時間吸湿処理し、重量変化から吸湿率を
求めた。 (e)寸法変化 上記と同じ試験片を用い、同様に吸湿処理した後、厚さ
と縦、横の寸法変化を測定し、その平均値を寸法変化と
した。
【0047】実施例1〜16 ε−カプロラクタム10kgに対して、2kgの水とM−1、
M−2又はM−3をそれぞれ 300g配合し、これを内容
量30リットルの反応缶に入れ、攪拌しながら 250℃に加
熱して徐々に水蒸気を放出しつつ、4kg/cm2 から15kg
/cm2 の圧力まで昇圧した。その後、2kg/cm2 の圧力
まで放圧し、 260℃で3時間重合した。
【0048】重合の終了した時点で反応生成物をストラ
ンド状に払い出し、冷却、固化後、切断してペレットと
した。得られたペレットを95℃の熱水で処理して精練
し、乾燥した。得られた膨潤性フッ素雲母含有ナイロン
6のペレットをそれぞれA−1、A−2、A−3とす
る。ペレットA−1、A−2、A−3の相対粘度及び末
端基濃度(当量/トン)は、次のとおりであった。 相対粘度 アミノ基 カルボキシル基 A−1 2.64 57 59 A−2 2.66 56 57 A−3 2.65 57 58 表2〜4に示した配合組成(重量部)で原料を混合した
後、2軸押出機(池貝鉄工社製PCM−45)を用い、温
度 270℃、平均滞留時間2分23秒の条件で溶融混練し、
ペレット化した。得られたペレットを乾燥した後、射出
成形機を用い、シリンダー温度 260℃、金型温度80℃で
試験片を成形した。得られた試験片を用いて性能評価を
行った結果を表2〜4に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】実施例17〜31 ナイロン66塩10kgに対して、3kgの水とM−1、M−
2又はM−3をそれぞれ 150g配合し、これを内容量30
リットルの反応缶に入れ、 230℃で攪拌しながら、内圧
が18kg/cm2 になるまで加熱した。その圧力に到達後、
徐々に水蒸気を放出しつつ、加熱しその圧力を保持し
た。 280℃に達した時点で常圧まで放圧し、さらに2時
間重合を行った。重合が終了した時点で反応生成物をス
トランド状に払い出し、冷却、固化後、切断してペレッ
トとし、乾燥した。得られた膨潤性フッ素雲母含有ナイ
ロン66のペレットをそれぞれA−4、A−5、A−6
とする。ペレットA−4、A−5、A−6の相対粘度及
び末端基濃度(当量/トン)は、次のとおりであった。 相対粘度 アミノ基 カルボキシル基 A−4 2.70 51 62 A−5 2.71 50 64 A−6 2.70 51 63 表5〜7に示した配合組成(重量部)で原料を混合した
後、2軸押出機(池貝鉄工社製PCM−45)を用い、温
度 280℃、平均滞留時間2分37秒の条件で溶融混練し、
ペレット化した。得られたペレットを乾燥した後、射出
成形機を用い、シリンダー温度 280℃、金型温度90℃で
試験片を成形した。得られた試験片を用いて性能評価を
行った結果を表5〜7に示す。
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】
【表7】
【0056】比較例1〜15 膨潤性フッ素雲母系鉱物を含有していないナイロン6
(ユニチカ社製A1030)及びナイロン66(デュポン社
製A125)を用いて、表8〜10に示した配合組成(重量
部)で予め原料を混合し、2軸押出機(池貝鉄工社製P
CM−45)に供給し、溶融混練を行いペレットとした。
混練条件は、ナイロン6の場合は温度 270℃、平均滞留
時間2分25秒、ナイロン66の場合は温度 280℃、平均
滞留時間2分37秒とした。得られたペレットを用いて、
前記実施例と同様にして試験片を成形し、性能評価を行
った結果を表8〜10に示す。
【0057】
【表8】
【0058】
【表9】
【0059】
【表10】
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、従来のポリアミドとポ
リアリレートとからなる樹脂組成物に比べて衝撃強度や
剛性などの機械的性質と耐熱性が向上し、また、吸水に
よる寸法や機械的性質の変化が低減された優れた性能を
有する強化樹脂組成物が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 63:08 23:26) (72)発明者 菊地 謙一 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 渡邊 美緒子 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膨潤性フッ素雲母系鉱物の共存下にモノ
    マーを重合して得られた膨潤性フッ素雲母系鉱物を0.01
    〜20重量%含有するポリアミド30〜90重量%とポリアリ
    レート70〜10重量%とからなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物に対し、次の
    A及びBからなる耐衝撃性付与材を3〜30重量%配合し
    た樹脂組成物。 A:1種以上の不飽和グリシジル単量体と1種以上のエ
    チレン系不飽和単量体を共重合して得られるエポキシ基
    含有オレフィン系共重合体 B:ポリオレフィン又はオレフィン系共重合体に不飽和
    ジカルボン酸無水物を共重合して得られる酸無水物含有
    オレフィン系共重合体
  3. 【請求項3】 エポキシ基含有エチレン系共重合体A
    が、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル
    共重合体であり、酸無水物含有オレフィン系共重合体B
    が、エチレン−プロピレン共重合体に無水マレイン酸又
    はエンド−ビシクロ−(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−
    ジカルボン酸無水物を共重合もしくはグラフト付加した
    共重合物である請求項2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 耐衝撃性付与材が、エポキシ基含有オレ
    フィン系共重合体Aと酸無水物含有オレフィン系共重合
    体Bとをエポキシ基と酸無水物との当量比が1/9〜9
    /1の範囲となるように混合したものである請求項2記
    載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ポリアリレートがビスフェノール類とテ
    レフタル酸及び/又はイソフタル酸とから得られたもの
    である請求項1又は2記載の樹脂組成物。
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