JPH0867722A - 含フッ素弾性共重合体の製造方法 - Google Patents

含フッ素弾性共重合体の製造方法

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JPH0867722A
JPH0867722A JP20472694A JP20472694A JPH0867722A JP H0867722 A JPH0867722 A JP H0867722A JP 20472694 A JP20472694 A JP 20472694A JP 20472694 A JP20472694 A JP 20472694A JP H0867722 A JPH0867722 A JP H0867722A
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JP
Japan
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copolymer
vinylidene fluoride
fluorine
tetrafluoroethylene
barium
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JP20472694A
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English (en)
Inventor
Chikafumi Kawashima
親史 川島
Seiichi Minegishi
清一 峯岸
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱的に安定な軟質フッ素樹脂の製造方法を提
供する。 【構成】 含フッ素単量体と不飽和ペルオキシドを共重
合させ、分子内にペルオキシ結合を含有する含フッ素弾
性共重合体をバリウム塩と接触させ、それに融点が13
0℃以上の結晶性重合体を与える単量体をグラフト重合
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は改良された軟質フッ素樹
脂の製造方法に関し、より詳しくは熱的安定性に優れた
軟質フッ素樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】樹脂を成形加工する場合に熱的安定性を得
る目的で各種の安定剤を添加することは汎用樹脂につい
て一般的に行なわれているが、ポリテトラフルオロエチ
レン、ポリクロロトリフルオロエチレンなどのフッ素樹
脂では特にこの様な安定剤を用いないでも安定性を損な
うことはない。一方、同じフッ素樹脂でもフッ化ビニリ
デン−ヘキサフルオロプロピレン系のフッ素ゴムなどを
加硫するときや、ポリフッ化ビニル、ポリフッビニリデ
ンなどを溶融成形加工する場合には熱分解に起因する着
色、機器の腐食などを防止するための受酸剤が添加され
ることがある。
【0003】また、フッ素樹脂においても他の樹脂にお
けると同様に樹脂に含まれる不純物自身の着色、または
不純物の分解・反応によるフッ素樹脂の着色・劣化が起
こることもあるので、他の樹脂におけると同様不純物の
混入をさけるために、樹脂の精製工程において、洗浄に
工夫を凝らすことは有効であり通常そのような操作は日
常的に行なわれている。そのような努力にも拘わらず樹
脂に伴われた不純物については、その分解を防止する目
的で各種の安定剤の添加が試みられる。
【0004】しかしながら、上記の様に目的は種々ある
にせよ、添加剤は別の着色・劣化の原因となったり、却
って、フッ素樹脂の機械的、化学的物性の低下を招くこ
とも考えられ必ずしも最善の方法とはいえない。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】特開昭58−2066
15号公報に開示されている柔軟性を有する軟質フッ素
樹脂においても、極薄い黄色を呈することが多く、とり
わけ高温状態に晒された場合に顕著であり、その原因に
ついては判明していない。。
【0006】しかしながら、その用途によってはこの着
色をさける必要のある場合があることに鑑み、本発明は
軟質フッ素樹脂の熱的安定性の向上および着色の軽減を
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特開昭5
8−206615号公報に開示されている柔軟性を有す
るフッ素樹脂の製造方法に従って、少なくとも一種の含
フッ素単量体を含む一種以上の単量体と分子内に二重結
合とペルオキシ結合を同時に有する単量体(以下、「不
飽和ペルオキシド」という。)とをラジカル共重合せし
めて幹ポリマーとなる含フッ素弾性共重合体を製造する
ことを第一段階とし、第二段階において、第一段階で得
られた含フッ素弾性共重合体の水性乳濁液または分散溶
媒中でその融点が130℃以上である結晶性重合体を与
える、少なくとも一種の含フッ素単量体を含む一種以上
の単量体を、グラフト重合させて軟質フッ素樹脂を得る
方法において、含フッ素弾性共重合体をバリウム塩と接
触させることで軟質フッ素樹脂の熱的安定性を向上させ
ることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】本発明者らは、軟質フッ素樹脂の熱的安定
性を向上させるべく、製造された軟質フッ素樹脂へ各種
の添加剤を加えたが、実質的な効果は見られず、また、
第二段階でグラフト重合させた状態の未精製の軟質フッ
素樹脂を精製する過程で、各種の酸水溶液、塩基性水溶
液、金属塩水溶液、さらに各種の有機溶媒による洗浄を
繰り返したが期待する効果は得られなかった。
【0009】ところが、意外にも、第二段階でグラフト
重合の原料となる含フッ素弾性共重合体の精製処理に、
最終製品である軟質フッ素樹脂の熱的安定性が大きく依
存することが判明した。そこで、さらに検討を加えたと
ころ、含フッ素弾性共重合体をバリウム塩と接触させる
ことで上記課題を解決することができることが明らかと
なった。
【0010】本発明の共重合成分である含フッ素単量体
は、分子中に1個以上のフッ素原子を有し、かつ重合性
の二重結合を持つ化合物であればよいが、特にエチレ
ン、プロピレンまたはブテンの水素原子の一部または全
部がハロゲン原子で置換された化合物が好ましい。この
様な化合物を例示すると、フッ化ビニル、フッ化ビニリ
デン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチ
レン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチ
レンなどを挙げることができる。
【0011】また、上記の含フッ素単量体と共重合する
単量体は特に限定されず、エチレン、プロピレン、ブテ
ンなどの炭化水素系オレフィン、ブタジエンなどの炭化
水素系の共役ジエン、含フッ素ビニルエーテルなどを例
示することができる。
【0012】この様な含フッ素単量体から得られる共重
合体として、本発明において好ましいフッ素ゴムの特性
を有する共重合体を与える組み合わせを例示すれば、フ
ッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビ
ニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロ
エチレン、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチ
レン、テトラフルオロエチレン−プロピレン、テトラフ
ルオロエチレン−含フッ素ビニルエーテル、炭化水素系
の共役ジエン−含フッ素単量体などを挙げることができ
る。これらの組成比は目的とする含フッ素弾性共重合体
の機械的特性、特に柔軟性に基づいて当該分野の知識を
基に適宜選択することができる。例えば、フッ化ビニリ
デン−クロロトリフルオロエチレンの場合、フッ化ビニ
リデンが50〜85モル%をゴム弾性を呈する好ましい
範囲として示すことができる。
【0013】本発明において含フッ素単量体と共重合さ
せる不飽和ペルオキシドは、特に限定されないが、具体
的に例示すれば、不飽和ペルオキシエステルとしては、
t−ブチルペルオキシメタクリレート、ジ(t−ブチル
ペオキシ)フマレート、t−ブチルペルオキシクロトネ
ートなどが挙げられ、不飽和ペルオキシカーボネートと
しては、t−ブチルペルオキシアリルカーボネート、t
−ヘキシルペルオキシアリルカーボネート、1,1,
3,3−テトラメチルペルオキシアリルカーボネート、
t−ブチルペルオキシメタリルカーボネート、1,1,
3,3−テトラメチルブチルペルオキシメタリルカーボ
ネート、p−メンタンペルオキシアリルカーボネート、
p−メンタンペルオキシメタリルカーボネート等が例示
できる。これらのうち、t−ブチルペルオキシアリルカ
ーボネートを最も好ましいものとして挙げることができ
る。また、これらは一種以上を併せて使用することもで
きる。
【0014】本発明に係る含フッ素弾性共重合体は、そ
の分子内にペルオキシ結合を有し、且つそのガラス転移
温度が室温以下であることを特徴する。本発明において
は、含フッ素単量体と共重合させる不飽和ペルオキシド
の量は、当該単量体に対して0.05〜20重量部の範
囲が好ましく、この範囲以下の場合には、第2段階にお
いて効率的に枝ポリマーが生成しないし、多くなると幹
ポリマーが具備している性質を発揮できなくなる等の不
都合を生じる。
【0015】本発明に係る含フッ素弾性共重合体の製造
方法は特に限定されず、高分子重合反応の分野で通常行
なわれているラジカル重合開始剤を使用する乳化重合、
懸濁重合、溶液重合のいずれの形態も採用することがで
きる。
【0016】ラジカル重合開始剤としては、不飽和ペル
オキシドの分解温度よりも低い温度でラジカルを発生す
る必要があるので、不飽和ペルオキシドの選択により異
なるが、例えば、分解の活性化エネルギーが26〜33
kcal/molの過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイ
ル、次亜硝酸t−ブチル、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロ
ヘキサンカルボニトリル、過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウムなど、また、同15〜26kcal/molの
過酸化水素−鉄(II)塩、過硫酸塩−亜硫酸水素ナト
リウム、クメンヒドロペルオキシド−鉄(II)塩、過
酸化ベンゾイル−ジメチルアニリンなど、ジイソプロピ
ルペルオキシジカーボナート、ジシクロヘキシルペルオ
キシジカーボナートなど、同15kcal/molの過
酸化物(過酸化水素、ヒドロペルオキシドなど)−金属
アルキル(トリエチルアルミニウム、トリエチルホウ
素、ジエチル亜鉛など)、酸素−金属アルキルなどを非
制限的に挙げることができる。
【0017】重合溶媒としては、乳化重合、懸濁重合の
場合、水またはアルコール類などの水溶性溶剤を含む水
を主とする媒体を使用するが、溶液重合では連鎖移動の
起こり難い溶媒が使用される。
【0018】重合温度、重合時間はおもに開始剤の種類
に依存し、0〜90℃の範囲で1〜50時間程度であ
る。一方重合圧力は重合方法、原料の供給方法、単量体
の種類に依存するが、常圧から100Kgf/cm2
度である。
【0019】重合終了後の反応液は、開始剤、溶媒、未
反応単量体などを除くための塩析、洗浄、乾燥などの処
理に付し、通常の方法に従って含フッ素弾性共重合体を
精製するが、本発明においては次の様な相違点を有す
る。
【0020】本発明においては、重合された含フッ素弾
性共重合体を第二段階のグラフト重合に使用するまでの
間に、バリウム塩と接触することを特徴とする。その接
触方法としては、洗浄工程における洗浄水の一部または
全部をバリウム塩水溶液とする方法が最も簡便であり好
ましい。また、一旦水で洗浄を完了した後に、あるいは
乾燥後にさらにバリウム塩と接触させることも可能であ
る。この際、含フッ素共重合体が凝集している場合には
機械的に微粒化して接触させることが好ましい。
【0021】本発明におけるバリウム塩は、水溶性の水
酸化物、酸化物、過酸化物、ハロゲン化物、ハロゲン酸
塩、過ハロゲン酸塩、硝酸塩、有機酸塩などであり、水
酸化バリウム、酸化バリウム、過酸化バリウム、塩化バ
リウム、ヨウ化バリウム、塩素酸バリウム、過塩素酸バ
リウム、硝酸バリウムなどを例示できる。また、バリウ
ム塩は有機溶媒に溶解して使用してもよいが、環境への
影響、経済性、安全性などの理由から水溶液で使用する
ことが好ましい。
【0022】バリウム塩の溶液の濃度は特に限定する必
要はないが、0.01〜10重量%程度であり、0.1
〜5重量%が好ましい。0.01重量%以下では比較的
長時間の接触または多量の処理液を必要として、また1
0重量%以上では、接触後の再度の水洗浄が煩わしく好
ましくない。
【0023】本発明における含フッ素弾性共重合体とバ
リウム塩の接触は、通常常温で行なうが、0〜100℃
で行なうことができ、10〜50℃で行なうのが好まし
い。0℃以下または100℃以上で実施してもよいが、
加圧が必要であったりしてメリットはない。
【0024】本発明の軟質フッ素樹脂に必須の枝ポリマ
ーである、融点が130℃以上である結晶性重合体を与
える含フッ素単量体またはその組成物は、とくに限定す
る必要はないが、例えば、テトラフルオロエチレン、ク
ロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化
ビニル、テトラフルオロエチレン−エチレン混合物、ク
ロロトリフルオロエチレン−エチレン混合物、テトラフ
ルオロエチレン−含フッ素ビニルエーテル混合物、フッ
化ビニリデン−テトラフルオロエチレン混合物、フッ化
ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン混合物、フッ
化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン混合物、フッ
化ビニリデン−トリフルオロエチレン混合物、フッ化ビ
ニリデン−ヘキサフルオロアセトン混合物、フッ化ビニ
リデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレン混合物などをあげることができる。これらの枝ポ
リマーの幹ポリマーへの重量比は目的に応じて適宜選択
するが20/100〜100/100であり、40/1
00〜80/100が好ましい。
【0025】幹ポリマーへのグラフト共重合の方法は、
幹ポリマーの有するペルオキシ基を開始基とするため別
に開始剤を添加しない点を除けば通常のグラフト重合法
と同様である。例えば、含フッ素弾性共重合体をホモジ
ナイザーなどの微粒化装置を用いて重合反応器へ反応媒
体とともに導入し、単量体およびその他の副資材を添加
した後、攪拌しながら温度を調節して反応を開始し所定
時間継続する。重合形態としては、水系媒体もしくは有
機溶媒からなる水性乳濁液または分散溶媒中での反応で
ある。水系溶媒としては、水を主成分として10重量%
未満の水溶性溶剤を添加したものが使用される。この水
溶性溶媒としては特に限定されないがアルコール類、例
えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i
−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノー
ル、t−ブタノールなど、ケトン類、例えば、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど
のケトン類などを挙げるとができる。また、その他の副
資材、例えば、連鎖移動剤、開始剤の分解促進剤、乳化
剤、分散安定剤などを目的に応じて使用することもでき
る。
【0026】有機溶媒としては、幹ポリマーを程よく膨
潤させ、攪拌により幹ポリマーのある程度の微細化が図
れ、しかもグラフト共重合により生成したグラフト共重
合体は膨潤しないで濾別し易いものが好ましい。このよ
うな有機溶媒としては、フロン系溶媒として知られるも
のが好ましく、具体的には1,1,2−トリクロロトリ
フルオロエタン、1,1−ジクロロテトラフルオロエタ
ンなどが挙げられる。しかしながら、かかるフロン系溶
媒は特定フロンとして規制されているので、それに代わ
るものとして、所謂代替フロン類の使用も可能である。
代替フロンとしては多様な種類のものがあるが沸点が0
〜100℃程度のものが良く、例えば、1,1−ジクロ
ロ−1−フルオロエタン、1,3−ジクロロ−1,1,
2,2,3−ペンタフルオロプロパン、3,3−ジクロ
ロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンなど
を例示できるがこれらに限られない。その他の有機溶媒
として好ましいものを挙げれば、t−ブタノール−酢酸
エチル、t−ブタノール−1,1,1−トリクロロエタ
ン、t−ブタノール−酢酸エチル−水、t−ブタノール
−1,1,1−トリクロロエタン−水などの混合溶媒系
を例示することができる。
【0027】重合温度、重合時間はおもに不飽和ペルオ
キシドの種類に依存し、50〜120℃の範囲で1〜5
0時間程度となるように調整することが好ましい。一方
重合圧力は重合方法、原料の供給方法、単量体の種類に
依存するが、通常、常圧から100Kgf/cm2程度
である。
【0028】重合終了後の反応液を、開始剤、溶媒、未
反応単量体などを除くための塩析、洗浄、乾燥などの処
理に付し精製された軟質フッ素樹脂を得ることができ
る。
【0029】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではな
い。
【0030】〔含フッ素弾性共重合体の製造例〕100
気圧に耐える2L容量のステンレス製オートクレーブに
純水900g、過硫酸カリウム 2.9g、パーフルオ
ロオクタン酸アンモニウム2.2g、四ホウ酸ナトリウ
ム2.7g,リン酸二水素カリウム1.2gおよび不飽
和ペルオキシドとしてtーブチルペルオキシアリルカー
ボネートの酢酸t−ブチル溶液(t−ブチルペルオキシ
アリルカーボネートの濃度:70重量%)1.8gを加
え、排気後クロロトリフルオロエチレンモノマー83
g、フッ化ビニリデンモノマー182gを仕込み攪拌し
ながら50℃の温度で重合反応を行なった。50℃に昇
温した時点で40Kgf/cm2であったオートクレーブ内圧
が重合反応の進行とともに低下し、30Kgf/cm2になっ
た時点で60℃に昇温し、7Kgf/cm2になった時点で冷
却するとともに単量体をパージして重合反応を停止し
た。重合時間は約9時間であった。重合生成物は白色ラ
テックス状態で得られ、これを塩析後、遠心分離し、水
洗後再度遠心分離して弾性共重合体粒子333gを得
た。遠心分離後の共重合体粒子の含水率は28%と測定
された。この含フッ素弾性共重合体の収率は90.0%
であった。
【0031】実施例1 上記製造例で得られた含フッ素弾性共重合体250g
(有姿での重量)を2Lガラス製ビーカーに入れ、そこ
へ水酸化バリウムの0.5%水溶液1リットルを加え
て、特殊機化工(株)製ウルトラディスパーサーを用い
て1000rpmで30分間攪拌した。次いで、遠心分
離機で脱水し、イオン交換水で洗浄を、洗浄後の排水の
pHが中性域になるまで繰り返し、最終的に含フッ素弾
性共重合体の含水率を30%に調整した。
【0032】また、得られた共重合体粒子50gを真空
乾燥の後、n−ヘキサンにて洗浄し、未反応のt−ブチ
ルペルオキシアリルカーボネートを除去して再度真空乾
燥し、白色粉末の共重合体(参考例)36gを得た。こ
の共重合体のDSC曲線はペルオキシ基の分解に基づく
発熱ピークを160〜180℃に有しており、またヨウ
素滴定法により共重合体の活性酸素量は0.039%と
測定された。また低温でのDSCによる共重合体のガラ
ス転移温度は−25℃であった。
【0033】次の段階で前記含フッ素弾性共重合体(調
整例1:30%水分含有)215gと1,1,2−トリ
クロロトリフルオロエタン1000gを50気圧に耐え
る2L容量のステンレス製オートクレーブに仕込み、排
気後98℃の温度に昇温した後、フッ化ビニリデンモノ
マーを14Kgf/cm2の圧力で連続的に吹込み、攪拌しな
がら重合反応を行ない、58gのフッ化ビニリデンモノ
マーが消費された時点で吹き込みを停止し、急速に冷却
するとともに反応器内のモノマーをパージし重合を終了
した。重合後、生成したポリマーを溶媒から分離した後
乾燥して、208gの白色粉末を得た。
【0034】得られたポリマーを4インチ二本ロール
(ロール温度:180℃)で混練し、その後200℃で
プレス成形して1mm厚200mm角のシートを作成したと
ころ、柔軟性を有した半透明のものが得られた。このシ
ートについて、熱的安定性評価を行いその結果を表2に
示した。
【0035】〔熱的安定性評価試験〕プレスシートを2
20℃のギヤオーブンにいれ、1時間後の着色度合いを
東京電色(株)製カラーコンピューターにて測定し、ハ
ンター表示系のb値にて評価した。b値は視覚的には表
1の様に表現される。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】実施例2、比較例1〜2および参考例1 実施例1と同一の処理を水酸化バリウムに代えて過塩素
酸バリウム(実施例2)、水酸化ナトリウム(比較例
1)、水酸化カルシウム(比較例2)を用いて行なっ
た。また、イオン交換水で含水率を30%に調節したも
のを調製した(参考例1)。それぞれについて、実施例
1と同様のグラフト重合を行い、得られた樹脂について
試験を行った。結果を表2に示す。
【0039】
【発明の効果】本発明の方法により、含フッ素弾性共重
合体をバリウム塩と接触させると、それから得られるグ
ラフト重合体の熱的安定性が向上し、加熱時の着色の程
度が大幅に低減することができるという効果を奏する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一種の含フッ素単量体を含む一
    種以上の単量体と、分子内に二重結合とペルキシ結合を
    同時に有する単量体とを共重合せしめて得られる、その
    分子内にペルオキシ結合を含有し、且つそのガラス転移
    温度が室温以下である含フッ素弾性共重合体をバリウム
    塩と接触させることを特徴とする含フッ素弾性共重合体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】少なくとも一種の含フッ素単量体を含む一
    種以上の単量体が、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロ
    プロピレン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピ
    レン−テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−ク
    ロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−
    プロピレン、テトラフルオロエチレン−含フッ素ビニル
    エーテルまたは炭化水素系の共役ジエン−含フッ素単量
    体の組み合わせからなる単量体混合物であることを特徴
    とする請求項1記載の含フッ素弾性共重合体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】分子内に二重結合とペルキシ結合を同時に
    有する単量体がt−ブチルペルオキシメタクリレート、
    ジ(t−ブチルペオキシ)フマレート、t−ブチルペル
    オキシクロトネート、t−ブチルペルオキシアリルカー
    ボネート、t−ヘキシルペルオキシアリルカーボネー
    ト、1,1,3,3−テトラメチルペルオキシアリルカ
    ーボネート、t−ブチルペルオキシメタリルカーボネー
    ト、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシメ
    タリルカーボネート、p−メンタンペルオキシアリルカ
    ーボネート、p−メンタンペルオキシメタリルカーボネ
    ートから選ばれる一種以上であることを特徴とする請求
    項1記載の含フッ素弾性共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】融点が130℃以上である結晶性重合体
    が、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフル
    オロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニ
    ル、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、クロ
    ロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフ
    ルオロエチレン−含フッ素ビニルエーテル共重合体、フ
    ッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フ
    ッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合
    体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重
    合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合
    体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重合
    体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキ
    サフルオロプロピレン共重合体から選ばれた重合体であ
    ることを特徴とする請求項1記載の含フッ素弾性共重合
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】バリウム塩が、水酸化バリウム、酸化バリ
    ウム、過酸化バリウム、塩化バリウム、ヨウ化バリウ
    ム、塩素酸バリウム、過塩素酸バリウム、硝酸バリウム
    から選ばれる一種以上の化合物である請求項1記載の含
    フッ素弾性共重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】バリウム塩が水溶液として使用されること
    を特徴とする請求項1記載の含フッ素弾性共重合体の製
    造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6記載の含フッ素弾性共重合体
    に水性乳濁液または分散溶媒中で、融点が130℃以上
    である結晶性重合体を与える、少なくとも一種の含フッ
    素単量体を含む一種以上の単量体を、グラフト共重合さ
    せた軟質フッ素樹脂。
  8. 【請求項8】融点が130℃以上である結晶性重合体
    が、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフル
    オロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニ
    ル、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、クロ
    ロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフ
    ルオロエチレン−含フッ素ビニルエーテル共重合体、フ
    ッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フ
    ッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合
    体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重
    合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合
    体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重合
    体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキ
    サフルオロプロピレン共重合体から選ばれた重合体であ
    ことを特徴とする請求項7記載の軟質フッ素樹脂。
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