JPH0867551A - 炭素含有塩基性耐火物の製造方法 - Google Patents
炭素含有塩基性耐火物の製造方法Info
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- JPH0867551A JPH0867551A JP6206308A JP20630894A JPH0867551A JP H0867551 A JPH0867551 A JP H0867551A JP 6206308 A JP6206308 A JP 6206308A JP 20630894 A JP20630894 A JP 20630894A JP H0867551 A JPH0867551 A JP H0867551A
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- JP
- Japan
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- carbon
- basic refractory
- treatment
- producing
- impregnation treatment
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 焼成後に高残炭物質の含浸処理を施すように
した炭素含有塩基性耐火物の製造方法に関し、優れた耐
用性を安定して塩基性耐火物に付与することのできる上
記製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 高残炭物質の含浸処理後の炭素含有塩基性耐
火物を温度域600〜1500℃のコークスブリーズ中
でのコーキング処理を行う第1の工程と、該コーキング
処理後の炭素含有塩基性耐火物を再度高残炭物質の含浸
処理を行う第2の工程とを、この順で少なくとも1回以
上繰り返すようにし、これによって組織の緻密化を図る
とともに、強固なカーボンネットワークが形成されるよ
うになる。
した炭素含有塩基性耐火物の製造方法に関し、優れた耐
用性を安定して塩基性耐火物に付与することのできる上
記製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 高残炭物質の含浸処理後の炭素含有塩基性耐
火物を温度域600〜1500℃のコークスブリーズ中
でのコーキング処理を行う第1の工程と、該コーキング
処理後の炭素含有塩基性耐火物を再度高残炭物質の含浸
処理を行う第2の工程とを、この順で少なくとも1回以
上繰り返すようにし、これによって組織の緻密化を図る
とともに、強固なカーボンネットワークが形成されるよ
うになる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐火物に関し、特に焼成
後に高残炭物質の含浸処理を施すようにした炭素含有塩
基性耐火物の製造方法に関するものである。
後に高残炭物質の含浸処理を施すようにした炭素含有塩
基性耐火物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ピッチ又はレジン等のような炭素原料
を、所定の揮発成分とともに、マグネシア質又はドロマ
イト質れんがのような塩基性耐火物の焼成後にその表面
より含浸させることにより、下記のようなメカニズムに
よって該塩基性耐火物の性能を向上することができると
されている。
を、所定の揮発成分とともに、マグネシア質又はドロマ
イト質れんがのような塩基性耐火物の焼成後にその表面
より含浸させることにより、下記のようなメカニズムに
よって該塩基性耐火物の性能を向上することができると
されている。
【0003】すなわち、ピッチやレジンは上記含浸処理
によって耐火物内部の空隙部に限って選択的に導入充填
され、該耐火物の実機装用後の稼働条件の下で低融点物
質の揮発及び重縮合を繰り返しながら硬化し、600℃
以上の温度域で最終的に比較的高い比率で炭化する性質
をもっている。
によって耐火物内部の空隙部に限って選択的に導入充填
され、該耐火物の実機装用後の稼働条件の下で低融点物
質の揮発及び重縮合を繰り返しながら硬化し、600℃
以上の温度域で最終的に比較的高い比率で炭化する性質
をもっている。
【0004】上記のようにして残留した炭素成分は高い
熱伝導率を有するところから、耐火物自体の熱伝導率が
増大し、局所的に発生する温度勾配が速やかに緩和され
るようになる。また炭素は摩擦係数の極めて低い物質で
もあるところから、上記空隙部にあって骨材粒子相互の
摩擦を軽減する作用を奏し、急激な温度変化に伴って粒
界に発生するズレ応力が緩和され、上記熱伝導率の向上
作用とあいまって、優れた耐熱スポーリング性・耐構造
スポーリング性を耐火物に付与することができる。
熱伝導率を有するところから、耐火物自体の熱伝導率が
増大し、局所的に発生する温度勾配が速やかに緩和され
るようになる。また炭素は摩擦係数の極めて低い物質で
もあるところから、上記空隙部にあって骨材粒子相互の
摩擦を軽減する作用を奏し、急激な温度変化に伴って粒
界に発生するズレ応力が緩和され、上記熱伝導率の向上
作用とあいまって、優れた耐熱スポーリング性・耐構造
スポーリング性を耐火物に付与することができる。
【0005】また、上記炭素成分は元来スラグ濡れ性が
低く、上記空隙部に選択的に充填されることにより、耐
スラグ溶損性も向上するものとされている。さらに、上
記ピッチやレジンの含浸によって耐火物表面から内部に
達する貫通気孔が物理的に閉塞されるため、大気中の水
蒸気の侵入を断ち、下記式(1),(2)のような水和反応の
進行による組織の脆弱化を抑止することもできる。
低く、上記空隙部に選択的に充填されることにより、耐
スラグ溶損性も向上するものとされている。さらに、上
記ピッチやレジンの含浸によって耐火物表面から内部に
達する貫通気孔が物理的に閉塞されるため、大気中の水
蒸気の侵入を断ち、下記式(1),(2)のような水和反応の
進行による組織の脆弱化を抑止することもできる。
【0006】 MgO+H2 O→Mg(OH)2 (1) CaO+H2 O→Ca(OH)2 (2) 上記高残炭物質の含浸処理の具体的な手順としては、例
えば、あらかじめ所定の流動性が得られる温度(通常5
0〜200℃)に高残炭物質を加熱溶融しておき、減圧
容器内で上記溶融温度よりやや高い温度に予熱された焼
成済の塩基性耐火物を浸漬し、必要に応じて5〜30kg
f/cm2 程度に加圧することが行われている。また、上記
含浸処理の完了した塩基性耐火物は、場合によってはピ
ッチ類の未乾燥によるハンドリング上の問題があるた
め、300〜400℃程度のベーキング処理が行われる
ことがある。
えば、あらかじめ所定の流動性が得られる温度(通常5
0〜200℃)に高残炭物質を加熱溶融しておき、減圧
容器内で上記溶融温度よりやや高い温度に予熱された焼
成済の塩基性耐火物を浸漬し、必要に応じて5〜30kg
f/cm2 程度に加圧することが行われている。また、上記
含浸処理の完了した塩基性耐火物は、場合によってはピ
ッチ類の未乾燥によるハンドリング上の問題があるた
め、300〜400℃程度のベーキング処理が行われる
ことがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記高
残炭物質の含浸処理が施された炭素含有塩基性耐火物
は、必ずしも所期の耐用性の向上が得られない場合が多
く、むしろ使用条件によっては逆に損耗速度が異常に大
きくなる例が報告されている。
残炭物質の含浸処理が施された炭素含有塩基性耐火物
は、必ずしも所期の耐用性の向上が得られない場合が多
く、むしろ使用条件によっては逆に損耗速度が異常に大
きくなる例が報告されている。
【0008】そこで、本発明者らは上記含浸処理が施さ
れた炭素含有塩基性耐火物の異常損耗の生じる原因につ
いて種々解析し、検討を加えた結果、下記のような知見
を得た。
れた炭素含有塩基性耐火物の異常損耗の生じる原因につ
いて種々解析し、検討を加えた結果、下記のような知見
を得た。
【0009】すなわち、上記ピッチ類の含浸処理の施さ
れた塩基性耐火物では、残留炭素とれんがを構成してい
る酸化物との間で、下記式(3),(4) に示すような気化反
応が進行する。
れた塩基性耐火物では、残留炭素とれんがを構成してい
る酸化物との間で、下記式(3),(4) に示すような気化反
応が進行する。
【0010】 MgO+C→Mg(g)+CO(g) (3) CaO+C→Ca(g)+CO(g) (4) そしてさらに上記気化反応によって発生したMg、C
a、COの各ガスが周囲の酸化物粒子間の酸化結合(セ
ラミックボンド)を還元する反応が波及し、耐火物の内
部組織が急激に脆弱化する。従って、上記式(3),(4) に
示すMg、Ca、CO等のガスの拡散が耐火物内部にお
いて容易な場合、すなわち、該耐火物の通気性が大きい
程、より広範囲にわたって酸化結合の還元による分解が
進行することが容易に類推される。
a、COの各ガスが周囲の酸化物粒子間の酸化結合(セ
ラミックボンド)を還元する反応が波及し、耐火物の内
部組織が急激に脆弱化する。従って、上記式(3),(4) に
示すMg、Ca、CO等のガスの拡散が耐火物内部にお
いて容易な場合、すなわち、該耐火物の通気性が大きい
程、より広範囲にわたって酸化結合の還元による分解が
進行することが容易に類推される。
【0011】ところで上記従来の高残炭物質の含浸処理
を施した塩基性耐火物は既述の通り、常温下では貫通気
孔が閉塞されているため通気性はほとんどないが、実使
用における高温下では逆に空隙部に充填されたピッチや
レジンが重縮合、分解、炭化を経ることによりポーラス
化して通気性を増大させ、上記酸化結合の還元による分
解が一層助長されることになる。
を施した塩基性耐火物は既述の通り、常温下では貫通気
孔が閉塞されているため通気性はほとんどないが、実使
用における高温下では逆に空隙部に充填されたピッチや
レジンが重縮合、分解、炭化を経ることによりポーラス
化して通気性を増大させ、上記酸化結合の還元による分
解が一層助長されることになる。
【0012】また、実際の稼働条件下では、例えば急速
な加熱冷却が繰り返されるとともに稼働面雰囲気も絶え
ず変動するため、上記揮発及び重縮合だけでなく分解な
らびに燃焼も進み、耐用性の向上に有用なカーボンネッ
トワークを発達させるには至らず、残炭率が低下すると
ともに、急激に揮発分が抜けることにより、気孔径が一
段と増し、通気率がより一層増大する。
な加熱冷却が繰り返されるとともに稼働面雰囲気も絶え
ず変動するため、上記揮発及び重縮合だけでなく分解な
らびに燃焼も進み、耐用性の向上に有用なカーボンネッ
トワークを発達させるには至らず、残炭率が低下すると
ともに、急激に揮発分が抜けることにより、気孔径が一
段と増し、通気率がより一層増大する。
【0013】かかる分解反応の進行を抑制するために、
揮発成分の極力少ない高残炭物質を使用するとともに、
上記含浸時の流動性を増すために可能な限りの高温下で
含浸処理を行う等の製造方法によって実使用時において
も極力通気性を増大させないような配慮が払われている
が、顕著な効果は得られていない。
揮発成分の極力少ない高残炭物質を使用するとともに、
上記含浸時の流動性を増すために可能な限りの高温下で
含浸処理を行う等の製造方法によって実使用時において
も極力通気性を増大させないような配慮が払われている
が、顕著な効果は得られていない。
【0014】本発明は上記従来の事情に鑑みてなされた
ものであって、焼成後に高残炭物質の含浸処理を施すよ
うにした炭素含有塩基性耐火物の製造方法において、優
れた耐用性を安定して塩基性耐火物に付与することので
きる上記製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
ものであって、焼成後に高残炭物質の含浸処理を施すよ
うにした炭素含有塩基性耐火物の製造方法において、優
れた耐用性を安定して塩基性耐火物に付与することので
きる上記製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は以下の手段を採用する。すなわち、マグネ
シアクリンカー及び/又はドロマイトクリンカーを主成
分として焼成し、該焼成後に高残炭物質の含浸処理を施
すようにした炭素含有塩基性耐火物の製造方法におい
て、上記含浸処理後の炭素含有塩基性耐火物を温度域6
00〜1500℃のコークスブリーズ中でのコーキング
処理を行う第1の工程と、該コーキング処理後の炭素含
有塩基性耐火物を再度高残炭物質の含浸処理を行う第2
の工程とを、この順で少なくとも1回以上繰り返すこと
とする。
めに本発明は以下の手段を採用する。すなわち、マグネ
シアクリンカー及び/又はドロマイトクリンカーを主成
分として焼成し、該焼成後に高残炭物質の含浸処理を施
すようにした炭素含有塩基性耐火物の製造方法におい
て、上記含浸処理後の炭素含有塩基性耐火物を温度域6
00〜1500℃のコークスブリーズ中でのコーキング
処理を行う第1の工程と、該コーキング処理後の炭素含
有塩基性耐火物を再度高残炭物質の含浸処理を行う第2
の工程とを、この順で少なくとも1回以上繰り返すこと
とする。
【0016】
【作用】上記構成によれば、含浸処理の完了した塩基性
耐火物に対して第1の工程を施すことによって、空隙部
に充填された高残炭物質は、既述の通り、低沸点物質の
揮発及び重縮合を繰り返しながら硬化し、炭化すること
になる。従って、該第1の工程後には上記含浸処理によ
って空隙部に存在する高残炭物質が充分に重縮合を果た
し、強固なカーボンネットワークを発達させる。
耐火物に対して第1の工程を施すことによって、空隙部
に充填された高残炭物質は、既述の通り、低沸点物質の
揮発及び重縮合を繰り返しながら硬化し、炭化すること
になる。従って、該第1の工程後には上記含浸処理によ
って空隙部に存在する高残炭物質が充分に重縮合を果た
し、強固なカーボンネットワークを発達させる。
【0017】その一方で、一旦閉塞された空隙部の一部
が再度開口することになり、この第1の工程は実機使用
の稼働条件に準じるものと解することもできる。ところ
が、上記第1の工程では、高残炭物質の低沸点物質の揮
発及び重縮合の促進だけを目的として処理条件を設定し
ているのであって、むしろ上記カーボンネットワークを
発達させることにより炭素成分が本来有する耐用性の向
上効果が助長されるのである。
が再度開口することになり、この第1の工程は実機使用
の稼働条件に準じるものと解することもできる。ところ
が、上記第1の工程では、高残炭物質の低沸点物質の揮
発及び重縮合の促進だけを目的として処理条件を設定し
ているのであって、むしろ上記カーボンネットワークを
発達させることにより炭素成分が本来有する耐用性の向
上効果が助長されるのである。
【0018】さらに本発明では上記に止まらず、引き続
き第2の工程を実施することによって上記開口した空隙
部より高残炭物質が再度含浸され、実使用時の稼働条件
に応じて上記カーボンネットワークを核として一段と安
定かつ強固なカーボンネットワークを形成し、気孔の閉
塞ならびに低通気率化がもたらされる。
き第2の工程を実施することによって上記開口した空隙
部より高残炭物質が再度含浸され、実使用時の稼働条件
に応じて上記カーボンネットワークを核として一段と安
定かつ強固なカーボンネットワークを形成し、気孔の閉
塞ならびに低通気率化がもたらされる。
【0019】上記第1の工程における処理温度は、高残
炭物質として一般に使用されるピッチ類が炭化する60
0℃以上が必要なことは既述した通りであり、これより
低い場合にはピッチ類の重縮合、炭化が充分に進まず、
揮発性物質を多量に含んだ状態となる為、著しく効果が
低減される。
炭物質として一般に使用されるピッチ類が炭化する60
0℃以上が必要なことは既述した通りであり、これより
低い場合にはピッチ類の重縮合、炭化が充分に進まず、
揮発性物質を多量に含んだ状態となる為、著しく効果が
低減される。
【0020】また、コーキング処理の温度が1500℃
を超える場合、熱処理用電力消費、雰囲気調整等の点で
困難度が増すとともに、MgO−C反応による減量も大
きくなるため不適切となる。
を超える場合、熱処理用電力消費、雰囲気調整等の点で
困難度が増すとともに、MgO−C反応による減量も大
きくなるため不適切となる。
【0021】尚、上記第1の工程と第2の工程との繰り
返し回数は、通常1回で著しい効果が認められ、2回目
以降の繰り返しによる含浸量は極端に減少し、効果も薄
れてくる為、少なくとも1回以上であれば十分である。
返し回数は、通常1回で著しい効果が認められ、2回目
以降の繰り返しによる含浸量は極端に減少し、効果も薄
れてくる為、少なくとも1回以上であれば十分である。
【0022】
【実施例】以下、本発明について、実施例に基づき説明
するとともに、従来技術を適用した比較例と対照評価を
行う。
するとともに、従来技術を適用した比較例と対照評価を
行う。
【0023】図1は本発明に係る実施例と従来技術に基
づく比較例とにおける含浸ピッチの残留炭素量と通気率
との関係を検証したグラフである。図1においては、焼
成後の初期気孔率8%及び15%の焼成ドロマイトれん
がに対し、カットバック比率の変更により、残炭率を調
整したピッチ類を含浸させた試料の1200℃×3h、
コークスブリーズ中加熱処理(以下コーキングと称す
る)後の通気率を示したものである。
づく比較例とにおける含浸ピッチの残留炭素量と通気率
との関係を検証したグラフである。図1においては、焼
成後の初期気孔率8%及び15%の焼成ドロマイトれん
がに対し、カットバック比率の変更により、残炭率を調
整したピッチ類を含浸させた試料の1200℃×3h、
コークスブリーズ中加熱処理(以下コーキングと称す
る)後の通気率を示したものである。
【0024】この比較実験によれば、本発明にいう第1
の工程だけを施した各試料、すなわち従来技術おける実
機装用された状態の各試料(図中、「△」、「○」で示
す)では、ピッチ類のカットバック比率の小さいものほ
ど通気率が小さくなる傾向が認められる。しかしなが
ら、この場合、通気率は1×10-3〜8×10-3cm2/s
・cm・H2 Oの値を下限として、それ以下の値を得るこ
とは非常に困難であることがわかる。
の工程だけを施した各試料、すなわち従来技術おける実
機装用された状態の各試料(図中、「△」、「○」で示
す)では、ピッチ類のカットバック比率の小さいものほ
ど通気率が小さくなる傾向が認められる。しかしなが
ら、この場合、通気率は1×10-3〜8×10-3cm2/s
・cm・H2 Oの値を下限として、それ以下の値を得るこ
とは非常に困難であることがわかる。
【0025】ところが上記第1の工程後、さらに第2の
工程を経た各試料、すなわち本発明に係る試料(図中、
「▲」、「●」で示す)では、上記同じカットバック比
率のピッチ類を使用しているにも関わらず、1×10-4
〜1×10-5cm2/s ・cm・H 2 Oのオーダまで通気率が
低下しており、極めて緻密な試料が得られたことが明ら
かとなった。
工程を経た各試料、すなわち本発明に係る試料(図中、
「▲」、「●」で示す)では、上記同じカットバック比
率のピッチ類を使用しているにも関わらず、1×10-4
〜1×10-5cm2/s ・cm・H 2 Oのオーダまで通気率が
低下しており、極めて緻密な試料が得られたことが明ら
かとなった。
【0026】さらに、下記表1に示すように、MgO,
73.8wt%、CaO,24.7wt%、その他1.
5wt%からなる焼成ドロマイトれんが(焼成後の見掛
気孔率15.2%)を150℃に加熱した後、50Torr
真空吸引槽内に入れ、180℃に保温した残炭率58.
4%及び29.0%のピッチを導入し、5kgf/cm2 ×3
0分加圧し含浸させた。
73.8wt%、CaO,24.7wt%、その他1.
5wt%からなる焼成ドロマイトれんが(焼成後の見掛
気孔率15.2%)を150℃に加熱した後、50Torr
真空吸引槽内に入れ、180℃に保温した残炭率58.
4%及び29.0%のピッチを導入し、5kgf/cm2 ×3
0分加圧し含浸させた。
【0027】実施例1、2は、さらに上記に引き続い
て、1200℃×3hコークスブリーズ中でコーキング
処理する本発明に係る第1の工程を行った後、再び上記
と同一条件で本発明に係る第2の工程を行って得られた
試料である。
て、1200℃×3hコークスブリーズ中でコーキング
処理する本発明に係る第1の工程を行った後、再び上記
と同一条件で本発明に係る第2の工程を行って得られた
試料である。
【0028】また、実施例3は、MgO,98.6wt
%、CaO,0.8wt%、その他0.6wt%からな
焼成マグネシアれんが(焼成後の見掛気孔率13.4
%)を実施例1と全く同じピッチを用い、全く同一方法
により処理して、本発明による含浸コーキング再含浸れ
んがを得た。
%、CaO,0.8wt%、その他0.6wt%からな
焼成マグネシアれんが(焼成後の見掛気孔率13.4
%)を実施例1と全く同じピッチを用い、全く同一方法
により処理して、本発明による含浸コーキング再含浸れ
んがを得た。
【0029】それに対して比較例1、2は各々実施例
1、2に対応し、上記第1、第2の工程を全く行わなか
った試料である。これら実施例1〜3及び比較例1、2
の各通気率を比較すると、実施例1〜3では10-4〜1
0-5cm2/s ・cm・H2 Oとなり、比較例1、2の通気率
に比べて著しい低下が認められた。
1、2に対応し、上記第1、第2の工程を全く行わなか
った試料である。これら実施例1〜3及び比較例1、2
の各通気率を比較すると、実施例1〜3では10-4〜1
0-5cm2/s ・cm・H2 Oとなり、比較例1、2の通気率
に比べて著しい低下が認められた。
【0030】また、スラグ溶損指数を比較しても本発明
に係る実施例1〜3の成績は極めて優秀であり、高残炭
物質の含浸処理によって期待される耐用性の向上効果を
十全に発揮していることがわかる。
に係る実施例1〜3の成績は極めて優秀であり、高残炭
物質の含浸処理によって期待される耐用性の向上効果を
十全に発揮していることがわかる。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、高残炭物
質の含浸処理後の炭素含有塩基性耐火物のコーキング処
理を行う第1の工程と、該コーキング処理後の炭素含有
塩基性耐火物を再度高残炭物質の含浸処理を行う第2の
工程とをこの順で少なくとも1回以上繰り返すことによ
って、極めて緻密な塩基性耐火物を得ることができる。
質の含浸処理後の炭素含有塩基性耐火物のコーキング処
理を行う第1の工程と、該コーキング処理後の炭素含有
塩基性耐火物を再度高残炭物質の含浸処理を行う第2の
工程とをこの順で少なくとも1回以上繰り返すことによ
って、極めて緻密な塩基性耐火物を得ることができる。
【0033】これによって、稼働時に発生する気化反応
によるセラックボンドの分解現象が波及することが抑制
されるとともに、上記高残炭物質による耐熱スポーリン
グ性、耐構造スポーリング性、並びに耐スラグ溶損性が
向上するという所期の性能の向上作用が十全に発揮され
るという、従来にはない特有の効果を奏するものであ
る。
によるセラックボンドの分解現象が波及することが抑制
されるとともに、上記高残炭物質による耐熱スポーリン
グ性、耐構造スポーリング性、並びに耐スラグ溶損性が
向上するという所期の性能の向上作用が十全に発揮され
るという、従来にはない特有の効果を奏するものであ
る。
【図1】本発明に係る実施例と比較例とにおける含浸ピ
ッチの残留炭素量と通気率との関係を検証したグラフで
ある。
ッチの残留炭素量と通気率との関係を検証したグラフで
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】 マグネシアクリンカー及び/又はドロマ
イトクリンカーを主成分として焼成し、該焼成後に高残
炭物質の含浸処理を施すようにした炭素含有塩基性耐火
物の製造方法において、 上記含浸処理後の炭素含有塩基性耐火物を温度域600
〜1500℃のコークスブリーズ中でのコーキング処理
を行う第1の工程と、該コーキング処理後の炭素含有塩
基性耐火物を再度高残炭物質の含浸処理を行う第2の工
程とを、この順で少なくとも1回以上繰り返すようにし
たことを特徴とする炭素含有塩基性耐火物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6206308A JPH0867551A (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | 炭素含有塩基性耐火物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6206308A JPH0867551A (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | 炭素含有塩基性耐火物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0867551A true JPH0867551A (ja) | 1996-03-12 |
Family
ID=16521157
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6206308A Pending JPH0867551A (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | 炭素含有塩基性耐火物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0867551A (ja) |
-
1994
- 1994-08-31 JP JP6206308A patent/JPH0867551A/ja active Pending
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