JPH0867468A - エレベータの機械室床 - Google Patents

エレベータの機械室床

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JPH0867468A
JPH0867468A JP20548894A JP20548894A JPH0867468A JP H0867468 A JPH0867468 A JP H0867468A JP 20548894 A JP20548894 A JP 20548894A JP 20548894 A JP20548894 A JP 20548894A JP H0867468 A JPH0867468 A JP H0867468A
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JP
Japan
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concrete
machine
pedestal
concrete plate
machine room
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Application number
JP20548894A
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English (en)
Inventor
Takashi Morinaga
貴志 森永
Toshiyuki Tadokoro
俊之 田所
Haruo Sasaki
晴夫 佐々木
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Taisei Corp
Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd
Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
Original Assignee
Taisei Corp
Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd
Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 補強部材の切断箇所を低減し、かつ、マシン
ビームをコンクリート板に埋設することを要することが
ないエレベータの機械室床の提供。 【構成】 コンクリート板5に、複数に分割され、所定
の間隔をおいて配列されるとともに、少なくともその上
面がコンクリート板5から露出し、マシンビームを支持
する受台10を埋設している。 【効果】 作業の能率向上を図ることができる。また、
コンクリート板の生産性に優れるとともに、生産費用を
低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、巻上機が取り付けられ
るマシンビームを保持するコンクリート板からなるエレ
ベータの機械室床に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来技術として、特開昭48−
97251号公報に記載されるものを挙げることができ
る。この従来技術は、あらかじめ工場等で作成したマシ
ンビームを埋設したコンクリート板を機械室床とし、こ
の床をマシンビームの両端が機械室の建屋梁に掛かるよ
うに設置するものであり、その後、マシンビーム上に巻
上機を組み立てて、乗かごの運転を行うものである。
【0003】この床構造によれば、エレベータ据付現場
にてコンクリートの打設により機械室床を形成するとい
った、かなりの時間と労力を費やす作業を削減するとと
もに、このコンクリートを形成する際の型枠となる仮設
材の使用を削減することができる。また、エレベータの
乗かご等を一体化して昇降路に搬入した場合、搬入後、
直ちにこの機械室床を設置し、巻上機を組み立てること
ができる。つまり、機械室の床を形成する作業を能率化
するため、また、巻上機の設置および乗かごの運転を早
期に行うため、このような機械室床構造が取られてい
る。
【0004】そして、前述したようなコンクリート床は
次ぎのようにして製造されていた。
【0005】工場等のエレベータ据付現場以外の場所に
て、コンクリート板の形状を木枠などの型枠によって形
成するととに、コンクリート板の強度を十分なものとす
るため、この型枠内に補強部材となる鉄筋を格子状に数
回重ねて配置する。次いで、このコンクリート板の型枠
を機械室に設置し、マシンビームをその両端が建屋梁に
掛かるように平行かつ所定の間隔で前記型枠内に設置す
る。その後、型枠内にコンクリートを打設し、埋設する
マシンビームの下面はコンクリート板と一致し、上面は
コンクリート板から露出した状態とするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来のエレベ
ータの機械室床あっては、型枠内にマシンビームを設置
する際、コンクリート板とマシンビームを一体化するた
めに、コンクリート板の補強部材である鉄筋が、マシン
ビームと垂直な方向に、マシンビームを設置する箇所で
分断され、この分断箇所で多数の鉄筋とマシンビームと
をそれぞれ溶接している。
【0007】ところが、このマシンビームはその両端が
相対する建屋梁に掛かるようにコンクリート板に埋設さ
れることから、コンクリート板と同等の長さの物が必要
となり、したがって、上述した方向において鉄筋はすべ
て分断され、コンクリート板はマシンビームにより三分
割されることになる。
【0008】このため、鉄筋を広範囲に渡って切断する
ことを要するとともに、切断箇所にてマシンビームと溶
接固定することが必要となり、多くの労力と時間とがか
かる作業となっていた。また、コンクリート板は、この
コンクリート板と同等の長さを有するマシンビームが埋
設されるため、製造費用が高価なものとなっていた。
【0009】本発明は上述した問題に鑑みてなされたも
ので、その目的は、補強部材の切断箇所を低減すること
ができるとともに、マシンビームをコンクリート板に埋
設することを要することがないエレベータの機械室床を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、巻上機がその上部に取り付けられるそれぞ
れのマシンビームを保持し、埋設される補強部材により
強度が保たれるコンクリート板を有するエレベータの機
械室床において、前記コンクリート板に、複数に分割さ
れ、所定の間隔をおいて配列されるとともに、少なくと
もその上面が前記コンクリート板から露出し、前記マシ
ンビームを支持する受台を埋設し、かつ、前記補強部材
は、前記各受台間における建屋梁に面する領域からコン
クリート板中央部に渡って配置される構成にしてある。
【0011】
【作用】本発明は前記のように構成したので、コンクリ
ート板に複数に分割される受台を所定の間隔をおいて配
列し、次いで、コンクリートの打設を行い、少なくとも
前記の受台の上面が前記コンクリート板から露出するよ
うに埋設し、この受台の上部にマシンビームを取り付け
るようになっている。このように、前記の受台は複数に
分割されているため、すなわち、それぞれを比較的小型
なものとすることができるため、前記コンクリート板に
共に埋設される補強部材との干渉箇所を低減することが
できる。また、前記の受台をコンクリート板に埋設しそ
の上部にマシンビームを取り付けるため、マシンビーム
をコンクリート板に埋設することを要することがない。
【0012】さらに、コンクリート板に埋設される補強
部材は、前記各受台間における建屋梁に面する領域から
コンクリート板中央部に渡って配置され、これによっ
て、前記補強部材の一部を加工することなく配置するこ
とができ、したがって、前記コンクリート板の十分な強
度を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明のエレベータの機械室床の実施
例を図に基づいて説明する。図1は本発明のエレベータ
の機械室床の一実施例を示すコンクリート板の正面図、
図1のコンクリート板の上面に機械室部品を取り付けた
状態を示す側面図、図3は図1のコンクリート板の要部
拡大図である。
【0014】一般にエレベータは図2に示すように、昇
降路1上部の機械室2に制御盤3および巻上機4を備え
ているとともに、これらの制御盤3、巻上機4はコンク
リート板5に保持されたマシンビーム6に取り付けられ
ている。
【0015】そして、本実施例のコンクリート板5、す
なわち、機械室床は、図1に示すように、このコンクリ
ート板5へ、複数に分割され、所定の間隔をおいて配列
されるとともに、少なくともその上面がコンクリート板
5から露出し、マシンビーム6を支持する受台10と、
図3に示すように各受台10間における建屋梁7に面す
る領域からコンクリート板中央部に渡って配置される補
強部材、例えば鉄筋11とを備えている。
【0016】この実施例にあっては、あらかじめ工場等
のエレベータ据付現場以外の場所にて、コンクリート板
6の形状を図示しない型枠により形成し、この型枠内に
補強部材となる鉄筋11を全般に渡って格子状に数回重
ねて配置する。次いで、前記の型枠を昇降路1上部の機
械室2部分に配置したときに、マシンビーム6を支持す
る2対の合計4個に分割された受台10が、建屋梁7上
に、この建屋梁7と平行な状態で、かつ、それぞれが所
定の間隔をおくようにして配置する。このとき、受台1
0と後述するコンクリートとを一体化するため、受台1
0と鉄筋11とが干渉する部分にて、鉄筋11を切断す
るとともに、この鉄筋11の断面11aと受台10とを
溶接により固定する。この後、コンクリート板5の下面
5と受台10の下面10bとが同一となるように、ま
た、受台10の上面10aが少なくともコンクリート板
5の上面5aから露出するようにコンクリートを打設す
る。
【0017】このようにして作られたコンクリート板5
をエレベータの据付現場に運搬し、タワークレーン等の
揚重機により昇降路1上部の機械室2に搬入するととも
に建屋梁7上に配置し、機械室床とする。
【0018】このように構成した実施例では、受台10
は複数に分割されているため、すなわち、それぞれを比
較的小型なものとすることができるため、コンクリート
板5に共に埋設される鉄筋11との干渉箇所を低減する
ことができる。受台10をコンクリート板5に埋設しそ
の上部にマシンビーム6を取り付けるため、マシンビー
ム6をコンクリート板5に埋設することを要することが
ない。
【0019】また、鉄筋11は各受台10間における建
屋梁7に面する領域からコンクリート板5中央部に渡っ
て配置されているため、これによって、鉄筋11の一部
を加工することなく配置することができ、したがって、
コンクリート板5の十分な強度を得ることができる。コ
ンクリート板5には受台10を埋設していることから、
あらかじめ工場等でマシンビーム6を使用して制御装置
3および巻上機4等の機械室機器を一体組にすることが
でき、これを現場に運搬してタワークレーン等により受
台10上に据え付けることによって、機械室2にコンク
リート板5を設置した直後、巻上機4の組立てを行うこ
となく乗かごの運転を行うことができ、これによって、
エレベータの据付現場での作業内容を大幅に低減し、作
業者の負担を低減するとともに、エレベータの据付期間
を短縮することができる。
【0020】さらに、受台10はコンクリート板5に建
屋梁7と平行な向きとなるように埋設されていることに
より、マシンビーム6を使用して機械室機器を受台4上
に取り付ける際、コンクリート板5が正規の位置に対し
て若干異なる位置に配置された場合においても、受台1
0はこの機械室機器の荷重を受台10の上面10aの全
面にて垂直に支持することができ、これによって、受台
10は本来の強度を発揮することができ、したがって、
変形する恐れがなく安全に機械室機器を支持することが
できる。
【0021】図4は本発明のエレベータの機械室床の他
の実施例を示す要部拡大図、図5は本発明のエレベータ
の機械室床のさらに他の実施例を示す要部拡大図であ
る。
【0022】本発明の他の実施例では、図4に示すよう
に受台の少なくとも一つと建屋梁との間に介在されるラ
イナー部材12が設けられている。
【0023】前述した本実施例では、コンクリート板5
を直接、建屋梁7上に設置する例を示したが、本発明は
これに限らず、図4に示すようにコンクリート板5内の
受台4の1箇所、2箇所、または3箇所以上に対応し
て、受台10の下面10bと建屋梁7との間にライナー
部材12を介在させることもできる。
【0024】また、本発明の他の実施例では図5に示す
ように、ライナー部材13は受台10に装着され、その
厚さが可変可能となっている。すなわち、このライナー
部材13は、受台10に形成された雌ねじ穴10cに螺
合され、頭部13aが建屋梁7と受台10の下面10b
に位置するボルト状のものであるとともに、脚部13b
は四角形であり、スパナが掛けられるようになってい
る。そして、脚部13bをスパナにより回転させること
により頭部13aを建屋梁7へ接触させるようになって
いる。
【0025】これらの他の実施例では、コンクリート板
5の製造中に発生する変形により、コンクリート板5の
下面5bが完全に平らにならない場合、あるいは、他の
原因により受台10の少なくとも1箇所の上面10aが
コンクリート板5の下面5bに一致しない状態となった
場合でも、ライナー部材12、13を介設することによ
りコンクリート板5が受台10に当接したり、一部の受
台10に荷重が偏ることを防ぐことができ、これによっ
て、コンクリート板5の損傷、亀裂を防止することがで
きる。特に、ライナー部材13はその厚さが可変可能と
なっていることにより、受台10の上面10aとコンク
リート板5の下面5bとの間の隙間寸法とライナー部材
13の厚さを容易に合わせることができ、作業の能率向
上を図ることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、請
求項1に記載の発明では、受台は複数に分割されている
ため、すなわち、それぞれを比較的小型なものとするこ
とができるため、この受台とコンクリート板に共に埋設
される補強部材との干渉箇所を低減することができ、こ
れによって、前記受台と補強部材との固定作業を少なく
することができ、作業の能率向上を図ることができる。
また、受台をコンクリート板に埋設しその上部にマシン
ビームを取り付けるため、マシンビームをコンクリート
板に埋設することを要することがなく、したがって、前
記コンクリート板の生産性に優れるとともに、生産費用
を低減することができる。
【0027】請求項2に記載の発明では、コンクリート
板の製造中に発生する変形により、コンクリート板の下
面が完全に平らにならない場合、あるいは、他の原因に
より受台の少なくとも1箇所の上面がコンクリート板の
下面に一致しない状態となった場合でも、ライナー部材
を介設することによりコンクリート板が受台に当接した
り、一部の受台に荷重が偏ることを防ぐことができ、こ
れによって、コンクリート板の損傷、亀裂を防止するこ
とができる。
【0028】請求項3に記載の発明では、ライナー部材
はその厚さが可変可能となっていることにより、受台の
上面とコンクリート板の下面との間の隙間寸法とライナ
ー部材の厚さを容易に合わせることができ、作業の能率
向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレベータの機械室床の一実施例を示
すコンクリート板の正面図である。
【図2】コンクリート板の上面に機械室部品を取り付け
た状態を示す側面図である。
【図3】図1のコンクリート板の要部拡大図である。
【図4】本発明のエレベータの機械室床の他の実施例を
示す要部拡大図である。
【図5】本発明のエレベータの機械室床のさらに他の実
施例を示す要部拡大図である。
【符号の説明】
1 昇降路 2 機械室 4 巻上機 5 コンクリート板 6 マシンビーム 7 建屋梁 10 受台 11 鉄筋(補強部材) 12、13 ライナー部材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 エレベータの機械室床
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、巻上機が取り付けられ
るマシンビームを保持するコンクリート板からなるエレ
ベータの機械室床に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来技術として、特開昭48−
97251号公報に記載されるものを挙げることができ
る。この従来技術は、あらかじめ工場等で作成したマシ
ンビームを埋設したコンクリート板を機械室床とし、こ
の床をマシンビームの両端が機械室の建屋梁に掛かるよ
うに設置するものであり、その後、マシンビーム上に巻
上機を組み立てて、乗かごの運転を行うものである。
【0003】この床構造によれば、エレベータ据付現場
にてコンクリートの打設により機械室床を形成するとい
った、かなりの時間と労力を費やす作業を削減するとと
もに、このコンクリートを形成する際の型枠となる仮設
材の使用を削減することができる。また、エレベータの
乗かご等を一体化して昇降路に搬入した場合、搬入後、
直ちにこの機械室床を設置し、巻上機を組み立てること
ができる。つまり、機械室の床を形成する作業を能率化
するため、また、巻上機の設置および乗かごの運転を早
期に行うため、このような機械室床構造が取られてい
る。
【0004】そして、前述したようなコンクリート床は
次ぎのようにして製造されていた。
【0005】工場等のエレベータ据付現場以外の場所に
て、コンクリート板の形状を木枠などの型枠によって形
成するととに、コンクリート板の強度を十分なものとす
るため、この型枠内に補強部材となる鉄筋を格子状に数
回重ねて配置する。次いで、このコンクリート板の型枠
を機械室に設置し、マシンビームをその両端が建屋梁に
掛かるように平行かつ所定の間隔で前記型枠内に設置す
る。その後、型枠内にコンクリートを打設し、埋設する
マシンビームの下面はコンクリート板と一致し、上面は
コンクリート板から露出した状態とするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来のエレベ
ータの機械室床あっては、型枠内にマシンビームを設
置する際、コンクリート板とマシンビームを一体化する
ために、コンクリート板の補強部材である鉄筋が、マシ
ンビームと垂直な方向に、マシンビームを設置する箇所
で分断され、この分断箇所で多数の鉄筋とマシンビーム
とをそれぞれ溶接している。
【0007】ところが、このマシンビームはその両端が
相対する建屋梁に掛かるようにコンクリート板に埋設さ
れることから、コンクリート板と同等の長さの物が必要
となり、したがって、上述した方向において鉄筋はすべ
て分断され、コンクリート板はマシンビームにより三分
割されることになる。
【0008】このため、鉄筋を広範囲に渡って切断する
ことを要するとともに、切断箇所にてマシンビームと溶
接固定することが必要となり、多くの労力と時間とがか
かる作業となっていた。また、コンクリート板は、この
コンクリート板と同等の長さを有するマシンビームが埋
設されるため、製造費用が高価なものとなっていた。
【0009】本発明は上述した問題に鑑みてなされたも
ので、その目的は、補強部材の切断箇所を低減すること
ができるとともに、マシンビームをコンクリート板に埋
設することを要することがないエレベータの機械室床を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、その上部に巻上機が取り付けられるマシン
ビームと、このマシンビームを保持し、埋設される補強
部材により強度が保たれるコンクリート板を有するエ
レベータの機械室床において、前記コンクリート板に、
複数に分割され、所定の間隔をおいて配列されるととも
に、少なくともその上面が前記コンクリート板から露出
し、前記マシンビームを支持する受台を埋設し、かつ、
前記補強部材は、前記各受台間における建屋梁に面する
領域からコンクリート板中央部に渡って配置される構成
にしてある。
【0011】
【作用】本発明は前記のように構成したので、コンクリ
ート板に複数に分割される受台を所定の間隔をおいて配
列し、次いで、コンクリートの打設を行い、少なくとも
前記の受台の上面が前記コンクリート板から露出するよ
うに埋設し、この受台の上部にマシンビームを取り付け
るようになっている。このように、前記の受台は複数に
分割されているため、すなわち、それぞれを比較的小型
なものとすることができるため、前記コンクリート板に
共に埋設される補強部材との干渉箇所を低減することが
できる。また、前記の受台をコンクリート板に埋設しそ
の上部にマシンビームを取り付けるため、マシンビーム
をコンクリート板に埋設することを要することがない。
【0012】さらに、コンクリート板に埋設される補強
部材は、前記各受台間における建屋梁に面する領域から
コンクリート板中央部に渡って配置され、これによっ
て、前記補強部材の一部を加工することなく配置するこ
とができ、したがって、前記コンクリート板の十分な強
度を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明のエレベータの機械室床の実施
例を図に基づいて説明する。図1は本発明のエレベータ
の機械室床の一実施例を示すコンクリート板の正面図、
図1のコンクリート板の上面に機械室部品を取り付けた
状態を示す側面図、図3は図1のコンクリート板の要部
拡大図である。
【0014】一般にエレベータは図2に示すように、昇
降路1上部の機械室2に制御盤3および巻上機4を備え
ているとともに、これらの制御盤3、巻上機4はコンク
リート板5に保持されたマシンビーム6に取り付けられ
ている。
【0015】そして、本実施例のコンクリート板5、す
なわち、機械室床は、図1に示すように、このコンクリ
ート板5へ、複数に分割され、所定の間隔をおいて配列
されるとともに、少なくともその上面がコンクリート板
5から露出し、マシンビーム6を支持する受台10と、
図3に示すように各受台10間における建屋梁7(図2
に示す)に面する領域からコンクリート板中央部に渡っ
て配置される補強部材、例えば鉄筋11とを備えてい
る。
【0016】この実施例にあっては、あらかじめ工場等
のエレベータ据付現場以外の場所にて、コンクリート板
の形状を図示しない型枠により形成し、この型枠内に
補強部材となる鉄筋11を全般に渡って格子状に数回重
ねて配置する。次いで、前記のコンクリート板5を昇降
路1上部の機械室2部分に配置したときに、マシンビー
ム6を支持する2対の合計4個に分割された受台10
、建屋梁7上に、この建屋梁7と平行な状態で、か
つ、それぞれが所定の間隔をおくようにして配置する。
このとき、受台10と後述するコンクリートとを一体化
するため、受台10と鉄筋11とが干渉する部分にて、
鉄筋11を切断するとともに、この鉄筋11の断面11
aと受台10とを溶接により固定する。この後、コンク
リート板5の下面5と受台10の下面10bとが同一と
なるように、また、受台10の上面10aが少なくとも
コンクリート板5の上面5aから露出するようにコンク
リートを打設する。
【0017】このようにして作られたコンクリート板5
をエレベータの据付現場に運搬し、タワークレーン等の
揚重機により昇降路1上部の機械室2に搬入するととも
に建屋梁7上に配置し、機械室床とする。
【0018】このように構成した実施例では、受台10
は複数に分割されているため、すなわち、それぞれを比
較的小型なものとすることができるため、コンクリート
板5に共に埋設される鉄筋11との干渉箇所を低減する
ことができる。受台10をコンクリート板5に埋設しそ
の上部にマシンビーム6を取り付けるため、マシンビー
ム6をコンクリート板5に埋設することを要することが
ない。
【0019】また、鉄筋11は各受台10間における建
屋梁7に面する領域からコンクリート板5中央部に渡っ
て配置されているため、これによって、鉄筋11の一部
を加工することなく配置することができ、したがって、
コンクリート板5の十分な強度を得ることができる。コ
ンクリート板5には受台10を埋設していることから、
あらかじめ工場等でマシンビーム6を使用して制御装置
3および巻上機4等の機械室機器を一体組にしたもの
を、コンクリート板5に埋設した受台10の上に乗せ一
体化することができ、これを現場に運搬してタワークレ
ーン等により受台10上に据え付けることによって、機
械室2にコンクリート板5を設置した直後、巻上機4の
組立てを行うことなく乗かごの運転を行うことができ、
これによって、エレベータの据付現場での作業内容を大
幅に低減し、作業者の負担を低減するとともに、エレベ
ータの据付期間を短縮することができる。また、コンク
リート板5を設置した後、マシンビーム6と一体組した
巻上機4等を据付けても良い。
【0020】さらに、受台10はコンクリート板5に建
屋梁7と平行な向きとなるように埋設されていることに
より、マシンビーム6を使用して機械室機器を受台4上
に取り付ける際、コンクリート板5が正規の位置に対し
て若干異なる位置に配置された場合においても、受台1
0はこの機械室機器の荷重を受台10の上面10aの全
面にて垂直に支持することができ、これによって、受台
10は本来の強度を発揮することができ、したがって、
変形する恐れがなく安全に機械室機器を支持することが
できる。
【0021】図4は本発明のエレベータの機械室床の他
の実施例を示す要部拡大図、図5は本発明のエレベータ
の機械室床のさらに他の実施例を示す要部拡大図であ
る。
【0022】本発明の他の実施例では、図4に示すよう
に受台の少なくとも一つと建屋梁との間に介在されるラ
イナー部材12が設けられている。
【0023】前述した本実施例では、コンクリート板5
を直接、建屋梁7上に設置する例を示したが、本発明は
これに限らず、図4に示すようにコンクリート板5内の
受台4の1箇所、2箇所、または3箇所以上に対応し
て、受台10の下面10bと建屋梁7との間にライナー
部材12を介在させることもできる。
【0024】また、本発明の他の実施例では図5に示す
ように、ライナー部材13は受台10に装着され、その
厚さが可変可能となっている。すなわち、このライナー
部材13は、受台10に形成された雌ねじ穴10cに螺
合され、頭部13aが建屋梁7と受台10の下面10b
に位置するボルト状のものであるとともに、脚部13b
は四角形であり、スパナが掛けられるようになってい
る。そして、脚部13bをスパナにより回転させること
により頭部13aを建屋梁7へ接触させるようになって
いる。
【0025】これらの他の実施例では、コンクリート板
5の製造中に発生する変形により、コンクリート板5の
下面5bが完全に平らにならない場合、あるいは、他の
原因により受台10の少なくとも1箇所の面10
コンクリート板5の下面5bに一致しない状態となった
場合でも、ライナー部材12、13を介設することによ
りコンクリート板5が建屋梁7に当接したり、一部の受
台10に荷重が偏ることを防ぐことができ、これによっ
て、コンクリート板5の損傷、亀裂を防止することがで
きる。特に、ライナー部材13はその厚さが調節可能と
なっていることにより、建屋梁7の上面aとコンクリ
ート板5の下面5bとの間の隙間寸法とライナー部材1
3の厚さを容易に合わせることができ、作業の能率向上
を図ることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、請
求項1に記載の発明では、受台は複数に分割されている
ため、すなわち、それぞれを比較的小型なものとするこ
とができるため、この受台とコンクリート板に共に埋設
される補強部材との干渉箇所を低減することができ、こ
れによって、前記受台と補強部材との固定作業を少なく
することができ、作業の能率向上を図ることができる。
また、受台をコンクリート板に埋設しその上部にマシン
ビームを取り付けるため、マシンビームをコンクリート
板に埋設することを要することがなく、したがって、前
記コンクリート板の生産性に優れるとともに、生産費用
を低減することができる。
【0027】請求項2に記載の発明では、コンクリート
板の製造中に発生する変形により、コンクリート板の下
面が完全に平らにならない場合、あるいは、他の原因に
より受台の少なくとも1箇所の面がコンクリート板の
下面に一致しない状態となった場合でも、ライナー部材
を介設することによりコンクリート板が建屋梁に当接し
たり、一部の受台に荷重が偏ることを防ぐことができ、
これによって、コンクリート板の損傷、亀裂を防止する
ことができる。
【0028】請求項3に記載の発明では、ライナー部材
はその厚さが調節可能となっていることにより、建屋梁
の上面とコンクリート板の下面との間の隙間寸法とライ
ナー部材の厚さを容易に合わせることができ、作業の能
率向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレベータの機械室床の一実施例を示
すコンクリート板の正面図である。
【図2】コンクリート板の上面に機械室部品を取り付け
た状態を示す側面図である。
【図3】図1のコンクリート板の要部拡大図である。
【図4】本発明のエレベータの機械室床の他の実施例を
示す要部拡大図である。
【図5】本発明のエレベータの機械室床のさらに他の実
施例を示す要部拡大図である。
【符号の説明】 1 昇降路 2 機械室 4 巻上機 5 コンクリート板 6 マシンビーム 7 建屋梁 10 受台 11 鉄筋(補強部材) 12、13 ライナー部材
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田所 俊之 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内 (72)発明者 佐々木 晴夫 東京都新宿区西新宿1丁目25番1号 大成 建設株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻上機がその上部に取り付けられるそれ
    ぞれのマシンビームを保持し、埋設される補強部材によ
    り強度が保たれるコンクリート板を有するエレベータの
    機械室床において、前記コンクリート板に、複数に分割
    され、所定の間隔をおいて配列されるとともに、少なく
    ともその上面が前記コンクリート板から露出し、前記マ
    シンビームを支持する受台を埋設し、かつ、前記補強部
    材は、前記各受台間における建屋梁に面する領域からコ
    ンクリート板中央部に渡って配置されることを特徴とす
    るエレベータの機械室床。
  2. 【請求項2】 前述した受台の少なくとも一つと建屋梁
    との間に介在されるライナー部材を設けたことを特徴と
    する請求項1記載のエレベータの機械室床。
  3. 【請求項3】 前述したライナー部材は受台に装着さ
    れ、その厚さが可変可能であることを特徴とする請求項
    2記載のエレベータの機械室床。
JP20548894A 1994-08-30 1994-08-30 エレベータの機械室床 Pending JPH0867468A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004052767A1 (ja) * 2002-12-12 2004-06-24 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha エレベータ装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004052767A1 (ja) * 2002-12-12 2004-06-24 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha エレベータ装置
CN100465082C (zh) * 2002-12-12 2009-03-04 三菱电机株式会社 电梯装置

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