JPH0866081A - 無整流子電動機の制御装置および異常検出方法並びに空気調和機 - Google Patents

無整流子電動機の制御装置および異常検出方法並びに空気調和機

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JPH0866081A
JPH0866081A JP7161452A JP16145295A JPH0866081A JP H0866081 A JPH0866081 A JP H0866081A JP 7161452 A JP7161452 A JP 7161452A JP 16145295 A JP16145295 A JP 16145295A JP H0866081 A JPH0866081 A JP H0866081A
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JP
Japan
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voltage
output
phase
motor
abnormality
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Application number
JP7161452A
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English (en)
Inventor
Naoki Omura
村 直 起 大
Atsuyuki Hiruma
間 淳 之 蛭
Shingo Igawa
川 進 吾 井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電動機不回転を、電動機自体の不良によるも
のと制御回路の不良によるものとを区別して検出しうる
手段を備えた電動機制御装置の提供。 【構成】 電動機回転時に非通電の固定子巻線に発生す
る誘起電圧と所定の基準電圧とを比較する比較回路の比
較出力に基づき各固定子巻線への通電を切換える制御手
段を備えた無整流子電動機の制御装置において、電動機
停止時に各固定子巻線に特定の通電パターンを供給する
通電手段と、この通電手段が通電時にその通電パターン
に対応して設定された基準出力と比較回路の出力とを比
較する比較手段と、この比較手段の比較結果に基づいて
異常を検出する異常検出手段とを設けたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無整流子電動機の制御装
置および異常検出方法並びに空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、永久磁石型の回転子に回転磁界を
与えるための三相固定子巻線を有する無整流子電動機の
固定子巻線の通電組合わせを非通電となる相が常に1相
生ずるように設定し、回転子の回転時に非通電の固定子
巻線に発生する誘起電圧と所定の基準電圧とを比較する
比較回路の比較出力に基づき各固定子巻線への通電を切
換えるようにしたセンサレス無整流子電動機は公知であ
る。この種の無整流子電動機においては、静止型整流子
として機能するインバータのスイッチングトランジスタ
の短絡異常と起動不良の検出が行われている。前者のイ
ンバータの短絡異常は、電動機の電流回路中に直列に挿
入された電流検出器で電動機電流を検出し、この検出電
流が所定値以上となった時にインバータのトランジスタ
が短絡したものと判断し、これにより電動機への給電を
停止するものである。
【0003】他方、無整流子電動機の運転中は非通電巻
線に発生する誘起電圧を基準電圧と比較し、その変化に
基づき永久磁石の取り付けられた回転子の回転位置を検
出し、この位置検知点を基準にして順次通電相の切替を
行っている。
【0004】しかしながら、電動機の起動時は回転子が
回転していないため、無通電の固定子巻線に誘起電圧を
発生することはない。このため、起動時は固定子巻線に
対し強制転流と呼ばれる位置検知なしの通電相切替が行
われる。そして、所定時間経過してこの強制転流により
誘起電圧が検出できるようになった頃合を見計らって位
置検知に基づく本来の転流に切り替える。
【0005】ところが、電動機回転子が拘束されていた
り、インバータを駆動するドライブ回路が正常動作をし
ていない場合には電動機が正常に回転することができな
いため、強制転流から所定時間経過したところでも位置
検知をすることができず、この時点で起動を中止し起動
不良として異常を報知していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記無整流子電動機に
おいて、起動不良の異常の場合、考えられる異常原因の
うち可能性の高いものとして以下の3つが考えられる。 電動機回転子拘束等の機械的故障による電動機不回転 インバータまたはドライブ回路の故障による欠相出力 位置検知回路の素子の故障による位置検知不能 これらの故障は従来すべて起動不良として表示されてい
る。ところが、故障発生後にサービスマンがこれを修理
する際にはの不良は電動機の交換、の不良はインバ
ータ素子交換又はドライブ回路交換またはこれらの回路
間の結線確認、の不良は位置検知回路の交換がそれぞ
れ必要であり、故障発生後にサービスマンはこの3つの
不良のいずれであるかを判別する必要があった。
【0007】なお、回路部分すなわち、、のインバ
ータ、ドライブ回路、位置検知回路をすべて単一の基板
上に載置している場合には、その基板を交換してしまう
ことにより、このとの区別は不要であるが、少なく
とものみは、から区別する必要があった。
【0008】ところが、従来はの電動機不良による不
回転と、・の不良を判別する手段がなく、いずれか
一方を交換した結果、動作が正常になれば交換した部分
が不良であったものとみなし、交換したにもかかわら
ず、再度起動不良が発生した場合は未交換の部分が不良
であるとみなして、それ以前の交換部分を元に戻し、未
交換部分を新たな部品と交換するという非能率な作業を
行っていた。
【0009】その場合、電動機が密閉型圧縮機に組み込
まれている場合は、冷媒を封入した配管を切断して圧縮
機そのものを交換する必要があり、故障箇所の特定を明
確にしうることが望まれていた。
【0010】したがって本発明は、故障箇所の特定を明
確にしうる無整流子電動機の制御装置および異常判別方
法並びにそれらを適用した空気調和機を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
おいては、永久磁石型の回転子に回転磁界を与えるため
の三相固定子巻線を有する無整流子電動機の固定子巻線
端電圧を所定の基準電圧と比較する比較回路を各相毎に
設け、これらの比較回路により電動機の回転時に非通電
の固定子巻線に発生する誘起電圧に基づいて回転子位置
を検出し各相固定子巻線への通電を切換える制御手段を
備えた無整流子電動機の制御装置において、電動機の停
止時に各固定子巻線に特定の通電パターンを供給する通
電手段と、通電手段が通電時にその通電パターンに対応
して設定された基準出力と比較回路の出力とを比較する
比較手段と、この比較手段の比較結果に基づいて異常を
検出する異常検出手段とを設けたことを特徴とする。
【0012】請求項2に記載の発明においては、永久磁
石型の回転子に回転磁界を与えるための三相固定子巻線
を有する無整流子電動機の固定子巻線端電圧を所定の基
準電圧と比較する比較回路を各相毎に設け、これらの比
較回路により電動機の回転時に非通電の固定子巻線に発
生する誘起電圧に基づいて回転子位置を検出し各相固定
子巻線への通電を切換える制御手段を備えた無整流子電
動機の制御装置において、電動機の停止時にすべての固
定子巻線を所定の基準電圧に対し高電圧とする第1の通
電パターンとすべての巻線を基準電圧に対し低電圧とす
る第2の通電パターンとを選択的に供給しうる通電手段
と、この通電手段が通電時にその通電パターンに対応し
て設定された基準出力と比較回路の出力とを比較する比
較手段と、この比較手段の比較結果に基づいて異常を検
出する異常検出手段とを設けたことを特徴とする。
【0013】請求項3に記載の発明においては、永久磁
石型の回転子に回転磁界を与えるための三相固定子巻線
を有する無整流子電動機の回転時に非通電の固定子巻線
に発生する誘起電圧を各相毎に所定の基準電圧と比較す
る第1の比較回路と、これら第1の比較回路の比較出力
を組合わせて回転子位置を検出する第2の比較回路と、
第2の比較回路の出力に基づき各相固定子巻線への通電
を切換える制御手段とを備えた無整流子電動機の制御装
置において、電動機の停止時に1相または2相の巻線が
所定の基準電圧よりも低電圧で残りの固定子巻線が所定
の基準電圧に対し高電圧となる複数の通電パターンを供
給する通電手段と、この通電手段の通電時にその通電パ
ターンに対応して設定された基準出力と第2の比較回路
の出力とを比較する比較手段と、この比較手段の比較結
果に基づいて異常を検出する異常検出手段とを設けたこ
とを特徴とする。
【0014】請求項4に記載の発明においては、請求項
1ないし3のいずれかに記載の無整流子電動機の制御装
置において、電動機の運転開始を判別する判別手段をさ
らに備え、この判別手段が運転開始を判別した時、無整
流子電動機を起動する前に通電手段が各巻線への通電を
行うことを特徴とする。
【0015】請求項5に記載の発明においては、永久磁
石型の回転子に回転磁界を与えるための三相固定子巻線
を有する無整流子電動機の固定子巻線端電圧を所定の基
準電圧と比較する比較回路を各相毎に設け、これらの比
較回路により電動機の回転時に非通電の固定子巻線に発
生する誘起電圧に基づいて回転子位置を検出し各相固定
子巻線への通電を切換える制御手段を備えた無整流子電
動機の制御装置において、通電中の固定子巻線に対応し
た比較回路の出力に基づいて異常を検出する異常検出手
段を設けたことを特徴とする。
【0016】請求項6に記載の発明においては、請求項
1ないし5のいずれかに記載の無整流子電動機の制御装
置において、異常検出手段が異常を検出した時、その異
常を報知する報知手段をさらに設けたことを特徴とす
る。
【0017】請求項7に記載の発明においては、請求項
1ないし6のいずれかに記載の無整流子電動機の制御装
置において、電動機に流れる電流を検出する電流検出手
段と、通電手段が固定子巻線への通電中に電流検出手段
が過電流を検出した時、その後の固定子巻線への通電を
禁止する通電禁止手段とをさらに設けたことを特徴とす
る。
【0018】請求項8に記載の発明においては、請求項
6記載の無整流子電動機の制御装置において、通電手段
が巻線への通電中に電流検出手段が過電流を検出した
時、過電流異常を報知する第2の報知手段をさらに設け
たことを特徴とする。
【0019】請求項9に記載の発明においては、請求項
1ないし3のいずれかに記載の無整流子電動機の制御装
置において、基準電圧は電動機に与える入力直流電圧の
ほぼ中間値の電圧であることを特徴とする。
【0020】請求項10に記載の発明においては、永久
磁石型の回転子に回転磁界を与えるための三相固定子巻
線を有する無整流子電動機の回転子の回転時に非通電の
固定子巻線に発生する誘起電圧と三相固定子巻線の中性
点電位とを比較する比較回路の比較出力に基づき各相固
定子巻線への通電を切換える制御手段を備えた無整流子
電動機の制御装置において、電動機の停止時に1相また
は2相の固定子巻線が所定の基準電圧よりも低電圧で残
りの1相の固定子巻線が基準電圧に対し高電圧となる複
数の通電パターンを供給する通電手段と、通電手段が通
電時にその通電パターンに対応して設定された基準出力
と比較回路の出力とを比較する比較手段と、この比較手
段の比較結果に応じて異常を検出する異常検出手段とを
設けたことを特徴とする。
【0021】請求項11に記載に記載の発明は、請求項
1ないし10のいずれかに記載の無整流子電動機が密閉
型圧縮機に内蔵された圧縮機駆動用電動機として用いら
れていることを特徴とする空気調和機を要旨とするもの
である。
【0022】請求項12に記載の発明においては、請求
項1ないし10のいずれかに記載の無整流子電動機の制
御装置において、電動機は送風機駆動用電動機であるこ
とを特徴とする。
【0023】請求項13に記載の発明においては、永久
磁石型の回転子に回転磁界を与えるための三相固定子巻
線を有する無整流子電動機の固定子巻線端電圧を所定の
基準電圧と比較する比較回路を各相毎に設け、これらの
比較回路により電動機の回転時に非通電の固定子巻線に
発生する誘起電圧に基づいて回転子位置を検出し各相固
定子巻線への通電を切換える制御手段を備えた無整流子
電動機の異常検出方法において、通電中の固定子巻線に
対応した比較回路の出力に基づいて異常を検出すること
を特徴とする。
【0024】請求項14に記載の発明においては、永久
磁石型の回転子に回転磁界を与えるための三相固定子巻
線を有する無整流子電動機の固定子巻線端電圧を所定の
基準電圧と比較する比較回路を各相毎に設け、これらの
比較回路により電動機の回転時に非通電の固定子巻線に
発生する誘起電圧に基づいて回転子位置を検出し各相固
定子巻線への通電を切換えるインバータを備えた無整流
子電動機の異常検出方法において、比較回路の出力に基
づき異常を検出するステップと、このステップにより異
常が検出された時、固定子巻線とインバータとの接続を
外した状態でインバータから所定周波数および電圧を出
力させ、その時のインバータの出力相間電圧を測定する
ステップと、測定によって得られた各相間電圧がほぼ同
一値の時には比較回路の異常と判別し、それ以外の場合
はインバータの異常と判別することを特徴とする。
【0025】請求項15に記載の発明においては、請求
項14記載の無整流子電動機の異常検出方法において、
出力相間電圧を測定するステップを、インバータの各相
正負両トランジスタのうちいずれか一方を必ずオン状態
にして実行することを特徴とする。
【0026】
【作用】請求項1に記載の発明においては、電動機の停
止時に各固定子巻線に特定の通電パターンを供給したと
きの、各相毎に設けられ固定子巻線端電圧と所定の基準
電圧とを比較する比較回路の出力を基準電圧と比較する
ことにより回路の異常を検出することができるため、電
動機を動作させる前に電動機の異常と回路の異常とを識
別することができる。
【0027】請求項2に記載の発明においては、電動機
の停止時にすべての固定子巻線を基準電圧に対し高電圧
とする第1の通電パターンと、すべての固定子巻線を基
準電圧に対し低電圧とする第2の通電パターンとを供給
したときの、各相毎に設けられ固定子巻線端電圧と所定
の基準電圧とを比較する比較回路の出力パターンを基準
出力と比較することにより回路の異常を検出することが
できるため、電動機を運転する前に電動機の異常と回路
の異常を識別することができるとともに、第1および第
2の2つの通電パターンのみで回路の異常を検出するこ
とができる。
【0028】請求項3に記載の発明においては、各相に
設けられ固定子巻線端電圧と所定の基準電圧とを比較す
る第1の比較回路の比較出力を組合わせて回転子位置を
検出する第2の比較回路を設け、この第2の比較回路の
出力に基づき通電を切換える制御手段を有し、この制御
手段への入力を第2の比較回路の出力のみとして回路の
簡素化を図った無整流子電動機の制御装置を前提とし、
この制御装置において、電動機の停止時に1相または2
相の巻線が所定の基準電圧よりも低電圧で、残りの固定
子巻線が高電圧となる複数の通電パターンを供給し、そ
の際の第2の比較回路の出力に基づき回路の異常を検出
することができる。
【0029】請求項4に記載の発明においては、請求項
1〜3のいずれかに記載の制御装置において、運転開始
時に電動機を起動する前に試験通電を行うもので、停止
時でも特に運転開始直前に試験通電を行うものであっ
て、運転と無関係な時期に通電を行わないため、使用者
が意図しない時に勝手に通電されることがない。
【0030】請求項5に記載の発明においては、従来位
置検知には使用されていない通電中の固定子巻線に対応
した比較回路の出力に基づいて異常を検知するものであ
り、通常の運転中においても異常の検出が可能となる。
【0031】請求項6に記載の発明においては、請求項
1〜5のいずれかに記載の制御装置において、異常を検
出した時に、その異常を報知することにより、使用者が
異常発生を認識しやすくなる。
【0032】請求項7に記載の発明においては、請求項
1〜6のいずれかに記載の制御装置において、電動機に
過電流が流れた時にさらに通電を禁止するもので、巻線
への通電路にあるスイッチング回路の短絡異常を検出
し、それ以降の通電を禁止して故障拡大を防止すること
ができる。
【0033】請求項8に記載の発明においては、請求項
6に記載の制御装置において、電動機に過電流が流れた
時に過電流異常を報知するもので、使用者が異常発生を
認識しやすくなる。
【0034】請求項9に記載の発明においては、請求項
1または2に記載の制御装置における比較回路および請
求項3に記載の制御装置における第1の比較回路の基準
電圧を入力直流電圧のほぼ中間値としたもので、正確な
回転子の位置検知を可能とするものである。
【0035】請求項10に記載の発明においては、回転
子の位置検知を行うための比較回路の基準電圧を固定子
巻線の中性点電位とした無整流子電動機の制御装置を前
提とするもので、中性点電位はスター結線の固定子巻線
の中間接続点の電位を基本とするが、簡略的にそれに近
似する値が得られるように直接にスター結線の固定子巻
線の中間接続点から得る以外のものも含む。そして、こ
のような無整流子電動機の制御装置において、電動機の
停止時にすべての固定子巻線を基準電圧に対し高電圧と
する第1の通電パターンとすべての固定子巻線を基準電
圧に対し低電圧とする第2の通電パターンとを供給した
時の各相毎に設けられた固定子巻線端電圧と所定の基準
電圧とを比較する比較回路の出力パターンを基準出力と
比較することにより、回路の異常を検出する。
【0036】請求項11に記載の発明は、請求項1〜1
0のいずれかに記載の制御装置における電動機を密閉型
圧縮機に内蔵された圧縮機駆動用電動機としたものであ
り、圧縮機の高圧ケース内に収納される電動機の場合、
故障時の交換が面倒であることを考慮すれば、特に請求
項1〜10のいずれかに記載の制御装置により回路の異
常を事前に識別可能とすることにより、サービス性を大
幅に向上させることができる。
【0037】請求項12に記載の発明においては、請求
項1〜10のいずれかに記載の制御装置における電動機
を送風機駆動用電動機としたものである。
【0038】請求項13に記載の発明においては、従
来、位置検知には使用されていない通電中の固定子巻線
に対応した比較回路の出力に基づいて異常を検出するも
のであり、通常の運転中においても異常検出の可能な異
常検出方法である。
【0039】請求項14に記載の発明においては、比較
回路の出力に基づき異常を検出した時、さらにインバー
タから所定の周波数および電圧を出力させ、その際の相
間電圧を測定することにより位置検知用の比較回路の異
常と、インバータの異常とを識別可能とした異常検出方
法であり、故障部分のより詳細な特定が可能となり、サ
ービス性の一層の向上を達成することができる。
【0040】請求項15に記載の発明においては、出力
相間電圧を測定するステップにおいて、インバータの各
相正負両トランジスタのうちいずれか一方を必ずオン状
態にして実行することにより、各アーム素子を構成する
スイッチングモジュールの特性差に基づいて各相正負両
側トランジスタをともにオフさせたときに負荷電動機の
速度起電力によりトランジスタ回路に流れうる漏れ電流
のうち比較器用分圧抵抗に流れる成分とその分圧抵抗と
の積として生ずる見かけの出力電圧を無くし、各アーム
のスイッチングモジュールに多少の特性差が仮に存在し
たとしてもインバータの真の相間電圧を測定し、それに
より位置検出用の比較回路の異常と、インバータの異常
を区別して検出することができる。
【0041】
【実施例】以下、本発明を空気調和機の圧縮機用電動
機、室内送風機用電動機および室外送風機用電動機に適
用した実施例について、順次説明する。 (1)全体的機器構成 ここで図1を参照し、各実施例に共通する空気調和機の
基本構成と各実施例の概略を示すブロック図について説
明する。図1において、空気調和機の主要機器である冷
凍サイクルは、駆動電動機を内蔵し密閉型に構成された
圧縮機2、暖房運転か冷房運転かを切換える四方弁3、
室外熱交換器4、膨張弁5および室内熱交換器6を含ん
で構成され、圧縮機2を運転することにより、内部に封
入された冷媒がこの冷凍サイクル中を循環する。室外熱
交換器4には室外送風機7が付設され、室内熱交換器6
には室内送風機8が付設されている。室内送風機8は送
風機用電動機8Mによって駆動され、室外送風機7は送
風機用電動機7Mによって駆動される。圧縮機2はイン
バータ10により内蔵電動機を介して回転数が制御さ
れ、同様に室内送風機8はインバータ11により送風機
用電動機8Mを介して回転数が制御され、室外送風機7
はインバータ12により送風機用電動機7Mを介して回
転数が制御される。各インバータ10〜12は共通の交
流電源13から後述の整流回路を介して直流電力を受
け、任意周波数の交流電力に変換し出力する。
【0042】インバータ10は交流電源13から倍電圧
整流回路14およびコンデンサ15を介して得られた直
流電力を入力してそれを交流電力に変換し、その交流電
力により内蔵電動機を介して圧縮機2を駆動する。イン
バータ11は交流電源13から整流回路16、コンデン
サ17、DC/DCコンバータ18および降圧型DC/
DCコンバータ19を介して得られた直流電圧を入力し
てそれを交流電圧に変換し、その交流電圧により送風機
用電動機8Mを介して室内送風機8を駆動する。インバ
ータ12は交流電源13から整流回路20およびコンデ
ンサ21を介して得られた直流電圧を入力してそれを交
流電圧に変換し、その交流電圧により送風機用電動機7
Mを介して室外送風機7を駆動する。インバータ10〜
12はそれぞれ個別に設けられた圧縮機制御回路22、
室内送風機制御回路23または室外送風機制御回路24
によって制御される。これらの制御回路22〜24に対
し共通に主制御回路25が設けられている。これらの制
御回路22〜24および主制御回路25はそれぞれマイ
クロプロセッサによって構成され、各機能はそれぞれの
ソフトウェアによって実現される。
【0043】主制御回路25は、例えばリモコン(リモ
ートコントローラ)から発せられる運転/停止指令に基
づいて各制御装置22〜24に運転/停止指令aを伝達
するとともに、室温センサ26によって検出された室温
a および室温設定器27によって設定される設定室温
s との差すなわち温度偏差ΔTをゼロに近づけるよう
な圧縮機回転数指令bを圧縮機制御回路22に発し、さ
らに室内送風機回転数指令cを制御回路24に送出し、
室外送風機回転数指令dを制御回路23に送出する。
【0044】各電動機2M,7M,8Mはそれぞれ後述
のごとく永久磁石回転子を有する同期電動機であり、こ
れと位置検出手段およびインバータ(電子整流子)とで
直流無整流子電動機を構成している。本発明においては
位置検出手段として、独立の位置センサを備えることな
く(つまり、センサレスで)、電動機の固定子巻線の誘
起電圧に基づいて位置検出をする。すなわち、固定子巻
線の通電組合わせを非通電となる相が常に1相生ずるよ
うに設定しておくことにより、回転子回転の際に非通電
の固定子巻線に誘起する電圧に基づいて回転子位置を検
出することができるのである。
【0045】なお、非通電相の設定には誘起電圧に基づ
き位置検知の可能な幅を確保することが必要であり、通
常は各相固定子巻線に対し、電気角で120°正方向通
電、60°非通電、120°負方向通電、その後60°
非通電の一連のサイクルを繰り返すのが一般的である。
【0046】インバータ10の入力側に、入力直流電圧
の中性点電位を取り出すための分圧抵抗28、および入
力電流を検出するための低抵抗からなる電流検出器29
が設けられており、それぞれの検出信号は圧縮機制御回
路22に導入される。圧縮機制御回路22にはインバー
タ10の出力端(=圧縮機内蔵電動機の入力端)電位も
導入される。圧縮機制御回路22はこれらの入力信号並
びに運転/停止指令aおよび圧縮機回転数指令bに基づ
いてインバータ10に対する周波数指令を演算しインバ
ータ10を制御する。
【0047】インバータ11においても、入力電流が低
抵抗からなる電流検出器30を介して検出され室内送風
機制御回路23に導入され、そのほかに入力電圧および
出力電圧が入力される。室内送風機制御回路23にはさ
らに出力電圧(=送風機用電動機8Mの入力電圧)に関
連して送風機用電動機8Mの中性点電位も導入される。
室内送風機制御回路23はこれらの入力信号並びに運転
/停止指令aおよび室内送風機回転数指令cに基づい
て、DC/DCコンバータ18、降圧型DC/DCコン
バータ19およびインバータ11に対する制御指令を演
算出力し、コンバータ18,19およびインバータ11
を制御する。
【0048】インバータ12においては、インバータ1
0と同様に、入力電圧および入力電流がそれぞれ分圧抵
抗31および低抵抗からなる電流検出器32を介して検
出され、それぞれ室外送風機制御回路24に導入され
る。室外送風機制御回路24にはインバータ12の出力
電圧も導入される。室外送風機制御回路24はこれらの
入力信号並びに運転/停止指令aおよび室外送風機回転
数指令dに基づいてインバータ12に対する周波数指令
を演算出力しインバータ12を制御する。
【0049】以下、圧縮機2(電動機2M)、室内送風
機8(電動機8M)および室外送風機7(電動機7M)
の各制御について、より詳細な機器構成とともに順次説
明する。 (2)圧縮機制御 <主回路および制御回路の構成>圧縮機2の主系統と圧
縮機制御回路の詳細を図2に示す。図1の圧縮機2は、
より詳細には密閉型ロータリー圧縮機2Cとこれを駆動
する電動機(圧縮機用電動機)2Mとからなっている。
電動機2Mは圧縮機2Cと共通の密閉容器内に収納され
ている。電動機2Mは、図3に示すように、空間的に6
0°間隔で配置された6本の凸極歯201〜206を有
する固定子200と、その内側に回転自在に配置された
4個の永久磁石を有する4極回転子220とからなって
いる。凸極歯201〜206には回転子220に回転磁
界を付与するための三相固定子巻線211〜216が巻
装されている。回転子220の中心に回転軸221が貫
通している。この三相巻線は図4に示すようにスター結
線されており、三相巻線端子R,S,Tにインバータ1
1の出力電圧が印加される。
【0050】整流回路14はダイオードおよびコンデン
サからなる周知の倍電圧整流回路であって、交流電源1
3の100Vの交流電圧を倍電圧整流して約280Vの
直流電圧を生成し、その直流電圧をインバータ10の入
力とする。インバータ10は電動機2Mとともに無整流
子電動機を構成する。インバータ10と電動機2Mとの
間には断路器として機能するコネクタ35が介在されて
いる。整流回路14の出力端に電源回路40が接続さ
れ、ここで圧縮機制御回路22内で用いられる制御電源
電圧Vddが生成される。インバータ10は6個のアーム
を構成するトランジスタTr1〜Tr6からなってお
り、交流出力端子U,V,Wから交流出力が取り出され
る。
【0051】インバータ10から電動機2Mに供給され
る電圧は、図5に示すように、各相巻線に対し電気角で
120°正方向通電、60°非通電、120°負方向通
電および60°非通電のパターンを繰り返し、しかも各
相間で120°の位相差を持つように設定される。この
ように構成することにより、電動機回転の際、各相巻線
には非通電期間中に図5の下半部に示すように正から
負、または負から正へと変化する誘起電圧r,s,tを
生ずる。したがって、この非通電期間中の誘起電圧に基
づいてインバータ10の各アームを構成するトランジス
タのスイッチオフの時点からゼロ電圧となる時間t0
測定し、この誘起電圧がゼロ電圧となった時点からその
0 時間後のタイミングで所定のトランジスタのスイッ
チオンまたはスイッチオフを制御するようにすればよ
い。例えば、図示のごとく、トランジスタTr6(W相
負側=T相巻線負電圧)のスイッチオフの時点からT相
誘起電圧がゼロ電圧となる時間t0 を測定し、この誘起
電圧がゼロ電圧となった時点からt0 時間後の時点でト
ランジスタTr1(U相正側=R相巻線正電圧)のスイ
ッチオフおよびトランジスタTr3(W相正側=T相巻
線正電圧)のスイッチオンを制御する。このようにして
位置検出を行いセンサレスの電動機制御を行うことがで
きる。
【0052】以上は原理的な説明であるが、実際は各瞬
時において通電中の一対のトランジスタのうちの一方を
PWM制御とするので、電動機巻線の各相電圧Vr ,V
s ,Vt は図6に示すようになる。
【0053】圧縮機制御回路22は、電流検出器29の
出力信号に基づいてインバータ10の入力回路の過電流
を検出する過電流検出手段40、およびインバータ10
のトランジスタTr1〜Tr6を駆動制御するドライブ
回路41を備えている。過電流検出手段40の検出出力
信号はドライブ回路41および短絡素子判別手段60に
送出される。各相毎に設けられた分圧抵抗43,44,
45を介して得られたインバータ10の各相出力端電位
が、分圧抵抗28によって得られた入力直流電圧の中性
点電位と各相毎にコンパレータ46,47,48におい
て比較され、それらの比較結果信号が分圧回路49を介
してコンパレータ50の比較入力端子に入力される。分
圧回路49は、コンパレータ46,47,48の各出力
端に直列に接続された抵抗R1,R2,R3と、各抵抗
の他端と制御電源電圧Vdd端子との間に共通に接続され
た抵抗R4とからなっている。抵抗R4と抵抗R1,R
2,R3との接続点がコンパレータ50の比較入力端子
に接続される。コンパレータ50の基準入力端子には、
制御電源電圧Vddを抵抗R5,R6からなる分圧回路5
1により分圧して得られる比較基準電圧が入力される。
分圧抵抗43〜45およびコンパレータ46〜48によ
り、電動機回転子の位置を検出する位置検出回路が構成
され、分圧回路49,51およびコンパレータ50によ
って多数決回路が構成される。
【0054】以上の各分圧抵抗の具体的設計例を挙げれ
ば、抵抗43〜45はそれぞれ電動機巻線側が270k
Ω、アース側が20kΩであり、また抵抗回路49およ
び分圧回路51においては、R1=R2=R3=100
kΩ、R4=75kΩ、R5=R6=82kΩである。
【0055】この実施例によればコンパレータ50の基
準入力端子には電圧Vddの1/2の電圧が入力される。
【0056】コンパレータ46〜48はそれぞれ、H出
力の時はオープンコレクタ(またはオープンドレイン)
のため出力端が抵抗R4から機能的に切り離され、L出
力の時は出力端が機能的に抵抗R4に接続される。これ
により、コンパレータ46〜48のうちの1つがH出力
で他の2つがL出力の時は、H出力のコンパレータは分
圧回路49から切り離された状態となり、L出力の2つ
のコンパレータの出力端抵抗が2つ並列となってその合
成抵抗値が半分(上記例の場合、50kΩ)になり、そ
の結果、コンパレータ50への比較入力は、電圧Vdd
50/(50+75)<1/2となって基準電圧を下回
りコンパレータ50はL出力となる。また、コンパレー
タ46〜48のうちの2つがH出力で他の1つがL出力
の時は、コンパレータ50への比較入力は、電圧Vdd
100/(100+75)>1/2となって基準電圧を
上回り、その結果、コンパレータ50はH出力となる。
かくして、分圧回路49,51およびコンパレータ50
によって多数決回路が構成されていることになる。
【0057】コンパレータ50の出力に基づき位置検出
手段52により電動機2Mの回転子位置が検出される。
位置検出手段52は起動制御手段57とも結合されてい
る。コンパレータ00の比較出力は回転数検出手段53
およびパターン比較手段54にも入力される。主制御回
路25から発せられた運転指令aは特定パターン出力手
段55に入力され、回転数指令bは回転数比較手段56
に入力される。特定パターン出力手段55は運転指令a
が入力されると後述の特定パターンをドライブ回路4
1、パターン比較手段54および短絡素子判別手段60
に送出する。パターン比較手段54は特定パターン出力
手段55から入力された特定パターンをコンパレータ5
0の比較出力と比較し、その比較結果として、起動許可
信号を起動制御手段57に送出し、あるいは異常信号を
異常内容報知手段58に送出する。起動制御手段57は
パターン比較手段54から起動許可信号を受け取ると、
電圧決定手段59および通電相決定手段61に対し起動
制御信号を送出する。短絡素子判別手段60は、特定パ
ターン出力手段55から出力される特定パターン信号と
過電流検出手段42の異常検出信号とに基づいてインバ
ータ10のトランジスタの短絡素子を判別すると、その
判別信号を異常内容報知手段58に送出する。強制運転
スイッチ62から強制運転指令が発信されると、それは
強制運転手段63を介してドライブ回路41に伝達さ
れ、インバータ10を介して圧縮機2が強制運転され
る。位置検出手段52の出力および起動制御手段57の
出力に基づき電動機異常判別手段64により電動機異常
が判別されると、その判別信号は異常内容報知のため異
常内容報知手段58に送出され、また起動不許可信号と
して起動制御手段57に送出される。
【0058】(起動前)空気調和機が使用者からリモコ
ンを介して運転開始の指令を受けると、主制御回路25
から運転指令aが圧縮機制御回路22の特定パターン出
力手段55に入力される。特定パターン出力手段55は
予め設定されている三相出力パターンをドライブ回路4
1に送出する。この三相出力パターンを実現するために
図7に示すようなトランジスタ出力パターンが設定され
ており、まず50ms(ミリ秒)の期間、パターンa)を出
力した後、20msの停止期間を経て50msの期間、次のパタ
ーンb)の出力を行い、以下、順次パターンf)までの
出力を行う。
【0059】インバータ10の短絡異常検出 パターンa)およびパターンb)は、インバータ10を
構成するトランジスタTr1〜Tr6の短絡異常を検出
するためのものであって、このパターンの出力中に過電
流検出手段42が過電流を検出した時、トランジスタの
短絡異常と判断され、さらにその時の特定パターン出力
手段55が出力している特定パターンに基づき短絡素子
判別手段60で短絡素子が正側アームのトランジスタ
(Tr1〜Tr3)か負側アームのトランジスタ(Tr
4〜Tr6)かが判別される。短絡素子判別手段60で
の判別結果に基づいて異常内容報知手段58により素子
短絡の異常とその正側・負側の判別結果が表示される。
一方、過電流検出手段42は過電流を検出した時点でそ
れ以上故障を引き起こさないようドライブ回路41に即
座に通電禁止の指令をする。ドライブ回路41はこの通
電禁止指令により、それ以降、修理完了後にリセットさ
れるまでインバータ10のトランジスタTr1〜Tr6
を駆動しない。このため、以降のパターンc)〜f)の
特定パターン出力も行われない。
【0060】なお、トランジスタTr1〜Tr6を一体
のパッケージ内に組み込んでいる場合、修理サービス時
はパッケージを単位としてすべての素子が交換されるこ
とになるため、故障素子の特定は不要であり、したがっ
て短絡素子判別手段60は必要なく、単に異常内容報知
手段58により素子の短絡異常を表示するだけでもよ
い。
【0061】位置検出回路異常またはドライブ回路異常
の検出 特定パターンa)またはb)の出力中に過電流が検出さ
れなかった場合、トランジスタTr1〜Tr6に短絡異
常はないとして、特定パターン出力手段55から新たな
特定パターンc)〜f)の出力が順次行われる。この特
定パターンc)〜f)では各部が正常な場合、各相のコ
ンパレータ46〜48の出力が一対一に決まるため、そ
の後段の多数決回路の出力すなわちコンパレータ50の
出力もそれに応じて「H」または「L」のいずれか一方
に定まる。
【0062】したがって、特定パターン出力手段55が
出力する特定パターンに対応して予め設定された図2に
示す正常時の特定パターン出力手段55からの出力パタ
ーンと、実際の多数決回路の出力との一致・不一致がパ
ターン比較手段54で比較される。ここで、両者が一致
すれば位置検出回路を構成するコンパレータ46〜48
は正常であるためパターン比較手段54は起動制御手段
57に起動許可信号を出力する。
【0063】ここでいう位置検出回路は広義の位置検出
回路であって、分圧抵抗28を介して得られる直流電源
電圧の中間電位を近似的に電動機巻線の中性点電位に代
用して、この直流電源の中間電位と各固定子巻線の電圧
とを比較する3組のコンパレータ46〜48と、この3
組のコンパレータの出力が組み合わせられた結果を出力
するコンパレータ50とを含んで構成されている。
【0064】一方、特定パターンc)〜f)の出力中に
両者の間に相違があればパターン比ドライブ回路41に
異常があるとして異常出力を行う。この異常出力は位置
検出回路異常またはドライブ回路異常として異常内容報
知手段58に送出される。これにより異常内容報知手段
58は位置検出回路異常またはドライブ回路異常の旨の
表示を行う。なお、この時、起動制御手段57には起動
許可信号が入力されないため、起動は行われず、停止状
態に保持される。
【0065】ここで、位置検出回路(コンパレータ46
〜48)とドライブ回路41とが同じ基板上に配置され
る場合、この2つの異常内容を区別する必要はないが、
別々の基板に配置しコネクタを介して接続している場合
には、これらの区別が出来れば故障部品の交換箇所を特
定することができ、サービス性の向上を計ることができ
る。このため、この故障箇所が位置検出回路(コンパレ
ータ46〜48,50)かドライブ回路41かを特定す
るために以下の手順で検査が行われる。
【0066】位置検出回路異常かインバータ/ドライブ
回路異常かの判別 まず、サービスマンは電動機2Mとインバータ10の出
力配線間にあるコネクタ35を切り離し、強制運転スイ
ッチ62を押す。強制運転スイッチ62から強制運転指
令が発信されると強制運転手段63は電動機2Mが30
rps程度で回転する程度の通電相切り替え(強制転
流)および所定の出力電圧が発生するようにドライブ回
路41に対する信号送出を行う。
【0067】この出力電圧制御は後述する駆動相の一部
をPWM通電することにより行われる。ここで、サービ
スマンはテスタを使用し、U−V,V−W,W−Uの各
相間の平均電圧をチェックする。この相間電圧がほぼ同
じであればインバータ10を構成するトランジスタTr
1〜Tr6およびドライブ回路41は正常であると判断
することができる。したがって、故障箇所は位置検出回
路(コンパレータ46〜48)にあると判別することが
できる。一方、相間電圧に許容値以上のばらつきが発生
している場合、トランジスタTr1〜Tr6のいずれか
またはドライブ回路41が異常であり、その結果、欠相
運転となっているものと判断して、トランジスタ/ドラ
イブ回路が異常と判別できる。
【0068】さらに、各トランジスタTr1〜Tr6と
ドライブ回路41の異常は各トランジスタTr1〜Tr
6に与えられるドライブ回路41からの駆動電圧を測定
することによって可能となる。駆動対象のトランジスタ
に5V程度の電圧が印加されている場合、ドライブ回路
41は正常であり、また、すべてのトランジスタに正常
に駆動電圧が印加されている場合、ドライブ回路41は
正常であるがトランジスタTr1〜Tr6のいずれかが
開放異常である。一方、トランジスタに十分な駆動電圧
が印加されていなければドライブ回路41の異常であ
る。
【0069】一方、測定の結果、相間電圧に不平衡がな
い場合、異常箇所は位置検出回路を構成するコンパレー
タ46〜48にあるとして、この部分の回路を交換する
ことにより修理を完了することができる。
【0070】以上の検査結果に基づきサービスマンは故
障箇所の回路部品を交換することにより修理を迅速に完
了することができる。
【0071】なお、強制運転手段63はサービスマンが
相間電圧測定および各トランジスタTr1〜Tr6に与
えられるドライブ回路41からの駆動電圧を測定するに
たる時間、例えば1分程度経過したところで強制運転出
力を停止するようにする。また途中で終了したい場合
は、強制運転スイッチ62を再度押すことによりその時
点で強制運転手段63は強制運転出力を停止する。
【0072】以上のようにしてトランジスタTr1〜T
r6の短絡・開放の異常、並びに位置検出回路(コンパ
レータ46〜48)およびドライブ回路41の異常を判
別表示することができる。
【0073】ところで、インバータ10の通常通電で
は、図8に示すように、各相各アーム素子とも電気角1
20°通電幅のうち、前半60°のオン期間と後半60
°のPWM期間からなっている。こうすることにより、
異なる相に属する一対の通電トランジスタのうち、一方
が連続オン状態にあり、他方がPWM制御によりオンオ
フを繰り返すことになる。問題は、インバータ10の出
力相間電圧の測定ステップにおいて、120°通電幅お
よびPWM制御により同一相の両トランジスタがオフに
なっている期間が存在することである。たとえば、R相
正側トランジスタTr1について図示すれば、120°
通電幅のうちの後半60°のPWM期間中のオフ区間f
およびPWM終了後の60°の完全オフ期間fがそ
れである。
【0074】インバータ10の各アーム素子は実際には
モノリシック構造をしている場合が多く、より具体的に
は図9に示すような回路構成を持っている。図は3相ア
ームのうちR相のみを示したものであって、特にその正
側トランジスタTr1について詳細に、R相負側トラン
ジスタTr4については略示的に示している。各トラン
ジスタにはフリーホイールダイオードDが接続され、R
相電圧出力端子Rと直流負側電圧線Nとの間に位置検出
用分圧抵抗43が接続されている(図2参照)。両トラ
ンジスタのうち、さらにR相正側トランジスタTr1の
駆動回路について説明する。R相正側トランジスタTr
1を駆動するために、それ自体(モノリシック構造のア
ーム素子として)、ベース回路にオンドライブ用トラン
ジスタTrdおよびオフドライブ用トランジスタTrkを接
続している。トランジスタTrdはトランジスタTr1の
コレクタおよびベース間に接続され、トランジスタTrd
はドライブ回路65に含まれているオンドライブ用トラ
ンジスタTrdp によりベース抵抗66を介して駆動され
る。トランジスタTrkはトランジスタTrdのコレクタお
よびベース間に接続され、そのベースはトランジスタT
rdのエミッタすなわちトランジスタTr1のベースに接
続されている。トランジスタTr1のベースおよびエミ
ッタ間にはベース・エミッタ間抵抗Rbe1 が接続され、
トランジスタTrkのベースおよびエミッタ間にはベース
・エミッタ間抵抗Rbe2 が接続されている。トランジス
タTrkはトランジスタTr1のオフ動作の際のスピード
アップ用ダイオードとして設けられている「寄生トラン
ジスタ」であって、通常はモノリシック構造のため図示
のごとくトランジスタによって構成される。このトラン
ジスタTrkは、トランジスタTr1をオフ動作させると
きドライブ回路65に含まれているオフドライブ用トラ
ンジスタTrdo を介してオン動作し、トランジスタTr
1に逆バイアスをかける。制御電源電圧Vdd(たとえ
ば、5.6V電源)が抵抗67を介してR相電圧出力端
子Rに導かれ、この出力端子RとトランジスタTrdo の
エミッタとの間に2つの直列ダイオードD1,D2およ
びそれに並列のコンデンサC1からなる逆バイアス電源
回路68が接続されている。トランジスタTr1をオフ
動作させるときの逆バイアスはダイオードD1,D2の
直列個数に応じてトランジスタTrdo およびTrkを介し
て印加される。
【0075】図8の回路の問題は、両トランジスタTr
1,Tr2がオフ状態にあるべきときでも、図示のごと
く、トランジスタTrkのオン動作により漏れ電流I1
流れることである。その理由は、漏れ電流I1 は正側ト
ランジスタTr1には逆バイアスのため流れないが、正
側直流電圧端子VdcからトランジスタTrkのコレクタ・
エミッタ回路、抵抗Rbe2 ,Rbe1 を通ってR相電圧出
力端子Rに至り、さらに負側トランジスタTr4と位置
測定用分圧抵抗43とに分流しうる。トランジスタTrk
に流れる漏れ電流をI1 、トランジスタTr4に流れる
電流をI2 とすれば、分圧抵抗43に分流する電流は
(I1 −I2 )である。
【0076】この電流(I1 −I2 )により、分圧抵抗
43に電位差を生じ、電流・抵抗値に相当する値だけR
相電圧出力端子Rの電位が上昇する。漏れ電流I1 はト
ランジスタTr1に対する逆バイアスの大きさに比例
し、またダイオードD1 ,D2の順方向電圧Vfのバラ
ツキ、寄生トランジスタTrkのhfe特性(エミッタ接地
電流増幅率)のバラツキ、トランジスタTr1,Tr4
の内部抵抗のバラツキなどに依存して種々の値に変化
し、結果的に各相の出力相電圧にもバラツキを生じ、相
間電圧に不平衡を生じる原因となり、各相の出力相電圧
により異常か否かを識別することが必ずしもできない場
合が生じる。たとえば、逆バイアス電源回路のダイオー
ドが1個であって、逆バイアス電圧が−0.7Vのとき
は漏れ電流が少ないため、分圧抵抗43に漏れ電流が分
流することもなく、正常な相電圧出力が観測される。逆
バイアス電源回路のダイオードが2個という標準的な場
合は逆バイアス電圧が−1.3Vになって漏れ電流が増
加し、この影響を受けて分圧抵抗43に漏れ電流が分流
するため、出力相電圧にも影響が出始める。さらに逆バ
イアス電源回路のダイオードを3個にすると逆バイアス
電圧が−1.8Vになって漏れ電流がさらに増加し、出
力相電圧はほとんど分圧抵抗43への分流漏れ電流に支
配されるようになり、ベースドライブによるスイッチン
グ作用は見られなくなる。
【0077】しかし、この漏れ電流が正負両側で等しけ
れば(すなわち、I1 =I2 なら)漏れ電流が位置検出
用分圧抵抗43に流れることはなく、上述の不都合は回
避することができる。つまり、正負両側の漏れ電流がバ
ランスしていれば、不平衡状態が相電圧発生の事態を生
じて相電圧出力の不平衡につながることはない。
【0078】そこで、インバータ10と電動機2Mとの
間に介在しているコネクタ35をオープンとした状態
で、図10に示すように出力相電圧を測定するステップ
において同一相に属する正負両側の一対のトランジス
タ、R相ではトランジスタTr1とTr4、S相ではト
ランジスタTr2とTr5、T相ではトランジスタTr
3とTr6のうち、いずれか一方はデューティー比を1
00%として転流するまでの間を必ずオン状態にして通
電することにより逆バイアスを防止し、漏れ電流の発生
を防止する。図示の例では、周波数固定とし各トランジ
スタの通電期間をほぼ180°とし、PWM制御を行わ
ない単純な通電制御としている。もちろん、正負両トラ
ンジスタが同時にオン(直流短絡)しないように適当な
デッドタイムを設定して正負両トランジスタを交互にオ
ンさせてもよい。
【0079】以上のようにして、比較回路とインバータ
の異常を検出するステップにおいて通常運転時にオフト
ランジスタに印加する逆バイアス電圧を防止することに
より分圧抵抗43に流れる漏れ電流の発生を防止し、そ
れによりトランジスタTr1〜Tr6の短絡・開放の異
常、並びに位置検出回路(コンパレータ46〜48)お
よびドライブ回路41の異常を一層正確に判別すること
ができる。
【0080】異常点検判別後の処理 上記した点検の後、異常箇所がなければパターン比較手
段54から起動許可信号が起動制御手段57に入力され
る。一方、回転数検出手段53は、位置検出手段52の
出力に基づいて電動機2Mの回転子の回転数を計算し出
力する。回転数比較手段56は回転数検出手段53によ
って求められた実際回転数と主制御回路25から指令さ
れた回転数指令bとを比較し、その比較結果に応じた出
力を電圧決定手段59に与える。すなわち、回転数比較
手段56の回転数検出出力は、起動前は位置検出出力が
当然存在しないため0であり、回転数指令が0を上回っ
た時、その回転数増加に応じた信号出力となる。
【0081】起動制御手段57は、パターン比較手段5
4から起動許可信号を受取った後、回転数比較手段56
から回転数増加の信号を受取ることによって起動制御動
作に入る。
【0082】正常起動 <強制転流>起動制御手段57は起動制御動作開始にお
いてまず30秒のタイマ時間を設定し、起動電圧の出力
を行うよう電圧決定手段59に指令する。電圧決定手段
59はこの入力があるかぎり回転数比較手段56で求め
られた回転数差の信号を無視し、特定の通電相のトラン
ジスタに所定の電圧が印加されるように可変幅のPWM
通電信号を与える。このPWM通電における印加電圧は
時間に比例して電圧が徐々に上昇し、30秒後で60V
程度となるように設定される。
【0083】一方、起動制御手段57は通電相決定手段
61に起動時の強制転流動作を行うよう指令を与える。
なお、通電相決定手段61の出力はこの強制転流動作時
も通常の位置検出による転流時も各相を120°ずつず
らして個々のトランジスタに電気角で120°の期間通
電するもので、電動機2Mの1相の固定子巻線が常に非
通電となり、また通電中の1相の固定子巻線がPWM通
電となるように設定されている。
【0084】この強制転流は図11に示す通電パターン
に従って行われ、通電相決定手段61は最初にパターン
m1)で通電を開始し、位置検出とは無関係に、所定の
時間間隔でパターンm1)からm6)までを順次繰り返
す。この強制転流は最初が低い周波数すなわち長い通電
間隔で開始され、徐々に通電間隔を短縮し、最終的に電
動機2Mが20rps程度で回転する出力となるように
設定される。 <位置検出開始>この強制転流動作は起動後30秒で終
了するが、その2〜3秒前に起動制御手段57から位置
検出手段52に動作開始の出力が行われる。この信号を
受けて位置検出手段52は位置検出回路の出力について
検知・判別の動作を開始する。
【0085】直流電源電圧の中間電位と各固定子巻線の
電圧とを比較する3つのコンパレータ46〜48は、検
出対象の通電相が高電圧のものはH出力を行い、低電圧
のものはL出力を行う。通常の運転中、PWMのON時
には各巻線への通電は必ず、1相がH、1相がLとなっ
ているため、この3つのコンパレータのうち非通電相に
接続されたコンパレータを除く2つのコンパレータはP
WMのON時には必ず一方がH、他方がL出力となって
いる。なお、図11の位置検出回路出力のコンパレータ
46〜48出力中で*印が付されているのがPWM通電
相に対応するコンパレータ出力で、*印の後のHないし
LはPWMON時のコンパレータ出力を示す。そして、
残りの非通電の固定子巻線に接続されたコンパレータは
回転子に取り付けられた永久磁石が回転することにより
固定子巻線に発生する電圧(誘起電圧)を直流電源電圧
の中間電位と比較する結果、永久磁石の磁極切り替わり
の通過時点でHからLへ、またはLからHへと切り替わ
る。この変化の方向を図11中に、H→LまたはL→H
で示している。
【0086】この3つのコンパレータ46〜48の出力
が入力された多数決回路50は通電相切替直後の3つの
コンパレータの出力が2つのHと1つのLであれば結果
としてH出力を行い、その後、非通電相のコンパレータ
の出力がHからLへと切り替わることによってそれまで
のH出力からL出力へと切り替わる。したがって、PW
MのON期間において、通電相から決まる多数決回路5
0の最初の出力が一方から他方へと切り替わる時点が非
通電相を磁石が横切った瞬間であり、この切り替わり時
点を多数決回路50の出力から検出することにより最終
的に多数決回路50の出力のみで電動機回転子の回転位
置を検出することができる。
【0087】通電相切替から強制転流に基づく所定時間
以内にコンパレータの出力が正常に「H」から「L」ま
たはその逆が繰り返されているかどうかを判別する。こ
の判別結果が正常であれば強制転流動作の終了時点から
位置検出回路の検出出力に基づく位置検出による転流が
開始される。 <位置検出による転流>位置検出による転流のために、
位置検出手段52により位置検出されてから次の位置検
出がなされるまでの時間(電気角60°に相当)の半分
の時間(電気角30°に相当)を記憶しておき、新たな
位置検出がなされてからその時間が経過した時点で位置
検出手段52が通電相決定手段61に通電切替信号を出
力する。通電相決定手段61はこの通電切替信号に基づ
き次の通電相へと通電を切り替える。
【0088】一方、位置検出手段52は位置検出がなさ
れる度に回転数検出手段53に信号を出力しており、回
転数検出手段53は、この位置検出から次の位置検出ま
での時間を検出し、この時間に基づき電動機2Mの回転
数を算出する。すなわち、位置検出から次の位置検出ま
での時間は電気角で60°に相当し、4極電動機では電
気角で360°×2=720°で1回転であることか
ら、この60°の時間の12倍(720÷60=12)
が電動機1回転の時間Tである。そして、この電動機1
回転の時間Tの逆数(=1/T)が電動機2Mの回転数
r(rps)となる。 <回転数制御(印加電圧制御)>回転数検出手段53で
検出された電動機回転数rは回転数比較手段56で主制
御回路25から入力される回転数指令bと大小比較さ
れ、回転数比較手段56はr>bの時は電圧決定手段5
9に電圧増加の指令を、r<bの時は電圧決定手段59
に電圧減少の指令を、r=bの時は同電圧維持の指令を
出力する。
【0089】したがって、指令された回転数bに対して
実際の回転数rが低い時は電圧決定手段59が通電相の
PWM通電のデューティ比を大きくして出力電圧を高
め、逆の場合はPWM通電のデューティ比を小さくして
出力電圧を低めるように制御する。
【0090】要するに、強制転流で起動して30秒経過
前に位置検出が正常に行われていれば30秒経過後は位
置検出での転流が開始され、この時点から電動機2Mへ
の印加電圧は指令回転数bと実回転数rとの大小比較に
基づき制御される。この際、起動時には指令回転数bが
実回転数rよりも高いため、電動機への印加電圧すなわ
ちPWM通電のデューティ比が大きくなるように変更さ
れる。この電圧が高くなると電動機トルクが増し、電動
機の回転数は上昇を始める。電動機の回転数が上昇する
と、位置検出の間隔が早まり、位置検出に基づく転流も
これに応じて早まる。その結果、最終的に実回転数rが
指令回転数bに一致するところでPWMデューティ比が
一定となり、その後は安定して運転される。なお、指令
回転数bが低下した時や負荷の低下により実回転数rが
指令回転数bよりも増加すると、回転数比較手段56か
ら電圧決定手段59に電圧減少の指令が送られ、PWM
のデューティ比が小さくなり、インバータ10の出力電
圧が低下し、それに伴って位置検出の間隔が延び、位置
検出の転流もこれに応じて延び、実回転数rが指令回転
数bに一致するところで安定する。
【0091】起動不良異常 以上は正常な起動動作の場合の説明であるが、電動機2
Mは回転子が拘束されたりしていると回転できないた
め、起動時の強制転流動作中に位置検出回路の出力は得
られない。すなわち、転流動作を繰り返しても所定時間
内に位置検出回路のコンパレータ46〜48の出力が変
化せず、位置検出手段52では正常な位置検出ができて
いないことが判別される。
【0092】この結果、位置検出手段52から位置検出
ができない旨の信号が電動機異常判別手段64に送出さ
れる。また、電動機異常判別手段64には起動制御手段
57から、起動時点から30秒後出力される起動後30
秒経過信号も入力され、電動機異常判別手段64はこの
両方の信号が入力されると電動機2Mが拘束等で回転で
きない状態にあるとして電動機異常信号を異常内容報知
手段58に送出する。これにより異常内容報知手段58
は電動機が異常である旨の表示を行う。また、電動機異
常判別手段64は電動機異常を判別した場合、起動制御
手段57に起動不可の信号を送り、その後の動作を禁止
する。
【0093】なお、圧縮機駆動電動機の場合、負荷が重
いため、過負荷により起動不良が発生することが考えら
れるため、上記した起動失敗を複数回繰り返した場合に
電動機2Mの異常と判別してもよい。その場合、最初の
30秒間の起動動作後、一旦停止し、その後再度起動制
御手段57により起動を繰り返し、これを複数回繰り返
しても位置検出ができなかった場合に、電動機異常判別
手段64が電動機2Mの異常と判別するようにする。
【0094】なお、以上述べた実施例においては非通電
の固定子巻線の誘起電圧を直接コンパレータに入力し、
その比較出力を位置検知信号とし、その検出時点から3
0°遅れた時点で通電相を切り換えたが、特開昭59−
36519号公報に示されているように、非通電の固定
子巻線の誘起電圧を一次型フィルタ回路を通してからコ
ンパレータに入力し、その比較出力を位置検知信号とし
て用いるものも適用可能である。なお、この場合、コン
パレータの出力は90°の遅れを持つため、通電からコ
ンパレータ(比較回路)の出力の正常/異常の判断まで
は若干の時間遅れを持たせる必要がある。
【0095】また、この場合、コンパレータの出力が9
0°遅れるため、通常の運転中はコンパレータの出力変
化と同時に、以上の実施例よりも1つ後の相を切り換え
ることになる。 (2)室内送風機制御 <主回路及び制御回路の構成>室内送風機8の主系統と
室内送風機制御回路23の詳細を図12を参照して説明
する。
【0096】室内送風機8は横流送風機である。この室
内送風機8を駆動する送風機用電動機8Mは、回転子に
複数の永久磁石を備えた同期電動機であって、固定子に
三相巻線が設けられている。固定子巻線はスター結線さ
れ、その中性点Nから中性点電位取出しのため配線70
が引き出されている。電源主回路は、交流電源13から
受電した交流電圧を整流器16で整流しコンデンサ17
で平滑して得た直流電圧をデューティ比可変のDC/D
Cコンバータ18を通して一定電圧、例えば20〜50
V程度の直流電圧に変化する。DC/DCコンバータ1
8は、スイッチング・トランス181およびその一次巻
線に直列に接続されたスイッチング・トランジスタ18
2を含んで構成された1石トランジスタ式DC−AC変
換回路と、ダイオードおよびコンデンサからなる半波整
流回路183と、トランジスタ182をスイッチング制
御するスイッチング用パルス発生器184とから構成さ
れている。コンバータ18の出力直流電圧を制御する降
圧型DC/DCコンバータ19は、回路に直列に接続さ
れたチョッピング用スイッチング・トランジスタ19
1、その後段に接続された平滑回路192、およびトラ
ンジスタ191のデューティー比を制御するスイッチン
グ用パルス発生器193からなっている。コンバータ1
9の出力直流電圧はインバータ11を介してスイッチン
グされ、さらに常閉接点型のスイッチ71を介して電動
機8Mの固定子巻線に供給される。インバータ11の制
御態様は図5を参照して説明したインバータ10の制御
態様と同様であり、インバータ11の出力電圧制御は、
圧縮機電動機のようなインバータのPWM制御ではな
く、降圧型DC/DCコンバータ19による直流電圧制
御であるため、インバータ11の出力は全波通電であ
る。
【0097】インバータ11は6個のアームを構成する
トランジスタTr11〜Tr16からなっており、3つ
の交流出力端子から交流出力電圧が取り出される。イン
バータ11および電動機8Mにより無整流子電動機が構
成される。スイッチ71はスイッチ駆動回路90によっ
て開放制御される。インバータ11の入力回路に直列に
低抵抗からなる電流検出器30が接続されている。スイ
ッチング・トランス181の三次巻線に制御用電源回路
74が接続され、ここで制御回路23内で用いられる制
御用直流電源電圧Vddが生成される。DC/DCコンバ
ータ18の出力電圧は電圧検出回路73によって検出さ
れ、その検出電圧が一定値になるようにスイッチング用
パルス発生器184を介してスイッチング・トランジス
タ182のデューティー比が制御される。
【0098】室内送風機制御回路23は、電流検出器3
0の出力信号に基づいてインバータ11の入力回路の過
電流を検出する過電流検出手段75、およびインバータ
11のトランジスタTr11〜Tr16を駆動制御する
ドライブ回路76を備えている。過電流検出手段75の
検出出力信号はドライブ回路76、電圧決定手段77、
異常内容報知手段78に送出される。インバータ11の
各相出力端U,V,Wの電位が、配線70を介して検出
される電動機8Mの中性点Nの電位とともに各相毎にコ
ンパレータ79,80,81に入力され、ここで中性点
電位に対する各相出力端電位が比較される。なお中性点
電位は、電動機8Mの中性点Nから直接導出する代わり
に、3つの等値抵抗をスター結線し、その自由端をイン
バータ11の出力端または電動機8Mの巻線端に接続
し、その共通接続点から疑似的に中性点電位を導出する
ようにしてもよい。コンパレータ79〜81の比較出力
信号は位置検出手段82およびパターン比較手段83に
送出される。位置検出手段82により電動機8Mの回転
子位置が検出される。位置検出手段82の検出信号は通
電相決定手段84および回転数検出手段85に送出され
る。回転数検出手段85は入力位置信号から電動機8M
の回転数を検出し、その検出信号を回転数比較手段87
に送出する。主制御回路25から発せられた運転指令a
は特定パターン出力手段86に入力され、回転数指令c
は回転数比較手段87に入力される。特定パターン出力
手段86は運転指令aが入力されると後述の特定パター
ンをドライブ回路76、パターン比較手段83および電
圧決定手段77に送出する。なお、パターン比較手段8
3はコンパレータ79〜81の比較出力から求められた
通電パターンを特定パターン出力手段86から入力され
た特定パターンと比較し、その比較結果から前者が正常
であると判別された場合は起動許可信号を起動制御手段
88に送出し、異常であると判別された場合は異常出力
信号を異常内容識別手段89、スイッチ駆動回路90お
よび相間電圧測定出力手段91に送出する。相間電圧測
定出力手段91の出力信号は電圧決定手段77およびド
ライブ回路76に送出される。回転数比較手段87によ
って得られた比較結果信号は起動制御手段88および電
圧決定手段77に送出される。電圧検出手段92,9
3,94によりインバータ11から出力される交流の相
間(U−V間、V−W間、W−U間)電圧が検出され、
相間電圧不平衡検出手段95に入力される。ここで相間
電圧の不平衡が検出されると、不平衡検出信号が異常内
容識別手段89に送出される。この異常内容識別手段8
9は相間電圧不平衡検出手段95およびパターン比較手
段83からの両入力信号に基づいて異常を識別すると、
異常信号を異常内容報知手段78に送出する。位置検出
手段82の出力信号および起動制御手段88の出力信号
に基づいて電動機異常判別手段96が電動機異常の有無
を判別し、異常があれば異常信号を異常内容報知手段7
8および起動制御手段88に送出する。起動制御手段8
8はそのほかにもパターン比較手段83および回転数比
較手段87からも信号を受け、その出力信号を電圧決定
手段77、通電相決定手段84、位置検出手段82およ
び電動機異常判別手段96に送出する。なお、1点鎖線
で囲んだ回路部分97(符号75,77,82〜89,
91〜96で示す部分)はマイクロプロセッサまたはロ
ジック回路で実現することができる。
【0099】(起動前)交流電源13からの交流電圧は
整流器16で直流に変換され、さらにDC/DCコンバ
ータ18で一定値の直流電圧に調整される。このDC/
DCコンバータ18に含まれているスイッチング・トラ
ンス181の二次巻線および半波整流回路183を介し
て得られる直流電圧は35V程度であり、送風機用電動
機8Mの駆動のために用いられる。トランス181の三
次巻線に接続された制御用電源回路82の出力電圧Vdd
は直流10V程度であり、制御回路の動作電源として使
用される。なお、電動機8Mが駆動されていない時も十
分な出力電圧Vddが得られるようスイッチング・トラン
ジスタ182の最小デューティ比が設定される。
【0100】ここで、空気調和機が使用者により運転開
始を指示されると、主制御回路25から運転指令aが特
定パターン出力手段86に入力される。特定パターン出
力手段86は予め設定されている三相出力パターンを出
力するようドライブ回路76に指示出力するとともに、
降圧型DC/DCコンバータ19に25V程度の直流出
力を指示する。これにより降圧型DC/DCコンバータ
19は25V程度の直流電圧を出力するとともに、イン
バータ11は電動機8Mの固定子巻線に対して特定パタ
ーンの電圧を強制的に供給する。このパターンは図13
に示すトランジスタ出力パターンに従って実現され、1
00ms(ミリ秒)の期間a)パターンを出力した後、1
0msの停止期間をおき、その後、b)パターンの出力を
行う。
【0101】インバータ11の短絡異常検出 この出力中に過電流検出手段75が過電流を検出した時
は、インバータ11を構成するトランジスタ素子の短絡
異常と判断され、異常内容報知手段78により素子短絡
の異常報知がなされる。一方、過電流検出手段75は過
電流を検出した時点でそれ以上の故障に発展しないよう
ドライブ回路76に通電の禁止を指令するとともに降圧
型DC/DCコンバータ19を停止させる。ドライブ回
路76はこの禁止指令により以降、修理の完了後にリセ
ットされるまではインバータ11を駆動しない。
【0102】なお、インバータ11のトランジスタTr
11〜Tr16を一体のパッケージ内に組み込んでいる
場合、修理サービスはすべてのトランジスタ素子交換と
なるため、単に異常内容報知手段78により素子短絡の
異常を表示するのみで十分である。
【0103】位置検出回路異常またはインバータ/ドラ
イブ回路異常の検出 特定パターンa),b)の出力中には各部が正常な場
合、位置検出回路(コンパレータ79〜81)の出力と
特定パターンとは一対一に決まるため、特定パターン出
力手段86の出力する特定パターンに対応して予め設定
された図13に示す正常時の位置検出回路の出力パター
ンと、実際の位置検出回路の出力との一致・不一致がパ
ターン比較手段83で比較される。ここで、両者が一致
すればパターン比較手段83は起動制御手段88に起動
許可信号を出力する。
【0104】一方、特定パターンa),b)の出力中に
両者の間に相違があればパターン比較手段83は位置検
出回路(79〜81)に異常があるかまたはインバータ
11/ドライブ回路76に異常があるとして異常出力を
行う。この異常出力は異常内容識別手段89、相間電圧
測定出力手段91およびスイッチ駆動回路90に入力さ
れる。
【0105】なお、この実施例においては特定パターン
をパターンa),b)の2つの三相通電のパターンとし
たが、図14に示すように2相毎の通電パターンを3種
準備しても良く、要は個々の固定子巻線が中性点Oに対
して高い電圧と低い電圧の両方が現れる通電パターンを
与えることができれば良い。すなわち、すべてのコンパ
レータ79〜81の出力がいずれかのパターンを通して
「H」と「L」の値を取るような通電パターンであれば
良い。
【0106】ここで異常内容識別手段89は即座に異常
内容を報知するのではなく、まず位置検出回路異常また
はインバータ/ドライブ回路異常の識別を開始する。
【0107】位置検出回路およびインバータ/ドライブ
回路の異常識別 まず、相間電圧測定出力手段91が電圧決定手段77に
20V程度の一定電圧の出力を行わせる。同時に通電相
決定手段84は電動機8Mが50rps程度で回転する
通電相切り替え(強制転流)を行うようドライブ回路7
6への出力を行う。通電相決定手段84は通常運転中は
位置検出手段82の検出出力に基づきドライブ回路76
に転流指令を出すが、この際には位置検出手段82とは
無関係に一定周期で通電を切り替える。この場合、スイ
ッチ駆動回路90がパターン比較手段83の異常入力に
よりスイッチ71をOFFとしているので、電動機8M
には通電されない。
【0108】この通電(強制転流)出力によりインバー
タ11/ドライブ回路76が正常であれば、インバータ
11のU−V、V−W、W−Uの各相間出力電圧の平均
値は一定となるはずであるが、欠相やドライブ回路76
と各トランジスタTr11〜Tr16との接続外れなど
がある場合、それが一定とならず、不平衡となる。した
がって、3つの電圧検出手段92〜94により各相間の
平均電圧を検出し、この結果を相間電圧不平衡検出手段
95に入力し、ここで各相間電圧が予め所定の幅を持っ
て定められた範囲内に入っているかどうかを評価し、そ
の結果に従って正常か異常かの識別信号を異常内容識別
手段89に入力する。ここで異常であるとの出力を受け
た場合、異常内容識別手段89はインバータ11/ドラ
イブ回路76が異常であることを異常内容報知手段78
に出力し、異常内容報知手段78はその旨の表示を行
う。一方、相間電圧不平衡検出手段91が正常であると
の出力を行った場合、異常内容識別手段89は位置検出
回路(79〜81)が異常であることを異常内容報知手
段78に出力し、異常内容報知手段78はその旨の表示
を行う。
【0109】また、相間電圧測定出力手段91は内蔵タ
イマに測定出力開始から相間電圧不平衡検出が終了する
にたる時間(例えば20秒)を設定しておき、そのタイ
マ時間の終了により通電相決定手段84と電圧決定手段
77に停止出力を行う。
【0110】なお、この終了はタイマを用いず相間電圧
不平衡検出手段95が検出を終了し、結果を出力した時
に終了させるようにしても良い。この場合、相間電圧不
平衡検出手段95が検出終了時点で通電を終了させるこ
とができ、無駄な通電がなくなるという利点がある。
【0111】異常点検識別のまとめ 以上の一連の動作によりインバータ11のトランジスタ
素子の短絡異常、位置検出回路(79〜81)異常、イ
ンバータ11/ドライブ回路76異常の3種の異常を識
別表示することができる。
【0112】異常点検識別後 上記した点検動作後、異常箇所がなければパターン比較
手段83から起動許可信号が起動制御手段88に入力さ
れる。一方、回転数検出手段85は、位置検出手段82
の出力から電動機8Mの回転数を計算する。回転数比較
手段87は回転数検出手段85によって検出された回転
数と主制御回路25から入力された回転数指令cとを比
較し、その比較結果に応じた出力を起動制御手段88に
与える。すなわち、回転数比較手段87は、起動前は当
然位置検出出力がないため回転数検出出力は0であり、
回転数指令が0を上回った時、その回転数増加の信号を
出力する。
【0113】起動制御手段88は起動許可信号を受けた
後に回転数比較手段87から回転数増加の信号を受けた
場合、起動制御動作に入る。
【0114】正常起動 <強制転流>起動制御手段88はまず内蔵タイマに30
秒のタイマ時間を設定し、起動電圧の出力を行うよう電
圧決定手段77に指令する。電圧決定手段77はこの入
力があるかぎり回転数比較手段87から出力される回転
数差の信号を無視し、パルス発生器193を介して、起
動電圧出力を行うDC/DCコンバータ19のトランジ
スタ191のデューティ比を変更する。この起動電圧出
力は時間に比例して電圧が徐々に上昇し、30秒後で1
0V程度となるように設定される。
【0115】一方、起動制御手段88は通電相決定手段
84に対し起動時に強制転流動作を行うよう指令を与え
る。なお、通電相決定手段84の出力はこの強制転流動
作時も通常の位置検出により転流時も各相を120°ず
つずらして電気角120°の期間通電させるもので、常
に1つの相が非通電となるように設定されている。
【0116】通電相決定手段84は最初に任意の相から
通電を始め、位置検知とは無関係に、所定回転方向とな
るよう次の相に切り替える。この転流は次々に行われ
る。この強制転流は最初に低い周波数で開始され、徐々
に周波数を上昇させ、最終的に電動機8Mが10rps
程度で回転する出力となるように設定される。 <位置検知開始>この強制転流動作は30秒で終了する
が、その2〜3秒前に起動制御手段88から位置検知手
段82に動作開始の出力が行われる。この信号を受けて
位置検知手段82は位置検知回路(79〜81)の出力
を検知・判別開始する。
【0117】位置検知回路は電動機固定子巻線の中性点
電位に対する各固定子巻線の電圧を比較する3つのコン
パレータ79〜81からなり、検出対象の固定子巻線が
非通電相となっている時に回転子に取り付けられている
永久磁石の回転により発電機のように作用し、巻線に電
圧(誘起電圧)を発生させることから、これを固定子巻
線の中性点電位と大小比較することにより、その固定子
巻線が永久磁石の所を通過する時点を検出し、これによ
り回転子の回転位置を検出するための回路である。
【0118】位置検出手段82は、通電相決定手段84
の選択したその時の非通電相に対応する特定のコンパレ
ータの出力を監視し、そのコンパレータの出力が「H」
から「L」、または「L」から「H」へと変化するタイ
ミングを検出する。そして通電相切り替えから強制転流
に基づく所定範囲内にコンパレータの出力が正常に次々
と切り替わっているかどうかを識別する。
【0119】この識別結果が正常であれば強制転流動作
の終了時点から位置検知回路の検出出力に基づく位置検
知による転流が開始される。 <位置検知により転流>位置検知による転流は、位置検
出手段82により位置検知されてから次の位置検知がな
されるまでの時間(電気角60°に相当)の半分の時間
(電気角30°に相当)を記憶しておき、新たな位置検
知がなされてからこの時間が経過した時点で位置検出手
段82から通電相決定手段84に通電切替信号が出力さ
れ、通電相決定手段84はこの通電切替信号に基づき次
の通電相に通電を切り替える。
【0120】一方、位置検出手段82は位置検知がなさ
れる度に回転数検出手段85に信号を出力しており、回
転数検出手段は、この位置検知から次の位置検知までの
時間を検出し、この時間に基づき電動機8Mの回転数を
算出する。すなわち、位置検知から次の位置検知までの
時間は電気角で60°に相当し、4極電動機では電気角
で360°×2=720°で1回転であることから、こ
の60°の時間の12倍(720÷60=12)が電動
機1回転の時間Tである。そして、この電動機1回転の
時間Tの逆数(1/T)が電動機の回転数r(rps)
となる。 <回転数制御(印加電圧制御)>ここで、回転数検出手
段85によって検出された電動機回転数rは主制御回路
25から入力された回転数指令cと回転数比較手段87
で大小比較される。回転数比較手段はr>cの時は電圧
決定手段77に電圧上昇の指令を、r<cの時は電圧決
定手段77に電圧低下の指令を、r=cの時はその時の
電圧維持の指令を出力する。このようにして、指令され
た回転数cに対して実際の回転数rが低い時は降圧型D
C/DCコンバータ19の出力電圧を高め、逆の場合は
出力電圧を低めるよう電圧決定手段77は降圧型DC/
DCコンバータ19のスイッチングトランジスタ191
のデューティ比を制御する。
【0121】要するに、強制転流で起動して30秒経過
前に位置検知が正常に行われれば、30秒経過後は位置
検知での転流が開始され、この時点から電動機への印加
電圧は指令回転数cと実回転数rとの大小関係に基づき
制御される。この際、起動時には指令回転数cが実回転
数rよりも高いため、電動機8Mへの印加電圧すなわち
降圧型DC/DCコンバータ19の出力電圧は高くなる
ように変更される。この電圧が高くなると電動機トルク
が増し、電動機8Mの回転数は上昇を始める。電動機8
Mの回転数が上昇すると、位置検知の間隔が早まり、位
置検知の転流もこれに応じて早まる。その結果、最終的
に実回転数rが指令回転数cに一致するところで降圧型
DC/DCコンバータ19の出力電圧が増加され、その
後は安定して運転される。なお、指令回転数cが低下し
た時や負荷の低下により実回転数rが指令回転数cより
も増加すると、回転数比較手段87から電圧決定手段7
7に電圧低下の指令が送られ、降圧型DC/DCコンバ
ータ19の出力電圧が低下し、それに伴って位置検知の
間隔が延び、位置検知の転流もこれに応じて延び、実回
転数rが指令回転数cに一致するところで安定する。
【0122】起動不良異常の検出 以上は正常な起動動作についての説明であるが、回転子
拘束等が生じていた場合には、電動機8Mが回転できな
いため、起動時の強制転流動作中に位置検知回路(79
〜81)の出力が得られない。すなわち、転流動作を繰
り返してもコンパレータ79〜81は出力が変化せず、
位置検知手段82では正常な位置検知ができない。この
結果、位置検知手段82から位置検知ができない旨の信
号が電動機異常判別手段96に入力される。また、電動
機異常判別手段96には起動制御手段88から、起動か
ら30秒後出力される起動後30秒経過信号も入力さ
れ、電動機異常判別手段96はこの両方の信号が入力さ
れると電動機8Mが拘束等で回転できない状態にあると
して、電動機異常信号を異常内容報知手段78に送出す
る。この結果、異常内容報知手段78は電動機8Mが異
常である旨の報知を行う。
【0123】また、電動機異常判別手段96は異常を判
別した場合、起動制御手段88に起動不可の信号を送
り、この起動制御手段88を通して電圧決定手段77を
停止させ、通電相決定手段84も停止させて、その後の
動作を禁止する。
【0124】なお、送風機用電動機の場合、負荷が軽い
ため、過負荷による起動不良が発生することはまず考え
られないため、1回の起動動作で電動機8Mの異常を識
別するようにしている。 (3)室外送風機制御 <主回路および制御回路の構成>室外送風機7の主系統
と室外送風機制御回路24の詳細を図15に示す。室外
送風機7はプロペラ送風機である。また、送風機用電動
機7Mは回転子に4個の永久磁石を備えた同期電動機で
あって、固定子に三相巻線が巻装され、それらはデルタ
結線されているものとする。
【0125】交流電源13から与えられる100Vの交
流電圧を整流回路20およびコンデンサ21を介して得
られた直流電圧はインバータ12を介して交流化され、
送風機用電動機7Mが駆動される。インバータ12は6
個のアームを構成する6個のトランジスタTr21〜T
r26からなっており、交流出力端子U,V,Wから三
相交流出力電圧が取り出される。このインバータ12と
電動機7Mとで無整流子電動機が構成される。インバー
タ12と電動機7Mとの間には断路器として機能するコ
ネクタ100が介在されている。インバータ12の入力
電圧の中点電位を検出するための分圧抵抗31、および
入力電流を検出する低抵抗からなる電流検出器32を備
えていることは図1の場合と同様である。インバータ1
2も図5,6による制御態様に従って制御される。
【0126】電流検出器32の出力信号に基づいてイン
バータ12の入力回路の過電流を検出するために過電流
検出手段101、およびトランジスタTr21〜Tr2
6を駆動制御するドライブ回路102を備えている。過
電流検出手段101の検出出力信号はドライブ回路10
2および異常内容報知手段103に送出される。インバ
ータ12の出力端において、分圧抵抗30を介して得ら
れる中点電位に対する各相出力端電圧が各相毎にコンパ
レータ104,105,106において比較され、それ
ぞれの差信号が位置検出手段107およびパターン比較
手段108に入力される。位置検出手段107によって
得られた位置検出信号は通電相決定手段109、回転数
検出手段110および電動機異常判別手段111に送出
される。電動機異常判別手段111の出力端は異常内容
報知手段103に接続される。主制御回路25から発せ
られた運転指令aは起動制御手段112に入力され、回
転数指令dは回転数比較手段113に入力される。回転
数比較手段113は回転数検出手段110から入力され
た検出回転数を回転数指令dと比較し、その差に相当す
る信号を起動制御手段112および電圧決定手段114
に送出する。起動制御手段112の出力端は電動機異常
判別手段111および電圧決定手段114と接続されて
いる。電圧決定手段114の出力端は通電相決定手段1
09に接続されている。パターン比較手段108には上
述のコンパレータ出力のほかに通電相決定手段109の
出力信号も入力され、その出力端は異常内容報知手段1
03と接続されている。強制運転スイッチ115から強
制運転指令が発信されると、それは強制運転手段116
を介してドライブ回路102に伝達される。
【0127】今まで説明した圧縮機または室内送風機を
制御する制御回路は、すべて起動前にインバータから電
動機巻線に特定のパターン出力を行わせるものであった
が、ここで説明する室外送風機7Mにおいては、通常の
起動運転時の出力そのものを用いて各種の異常を判別す
るものである。
【0128】空気調和機が使用者により運転開始を指示
されると、主制御回路25から運転指令が起動制御手段
112に入力される。一方、回転数比較手段113は、
位置検出手段107の出力から電動機7Mの回転数を計
算し出力する回転数検出手段110の出力と主制御回路
25から入力される回転数指令d(高速・中速・低速・
停止のいずれかを表す)とを比較し、その比較結果に応
じた出力を起動制御手段112に与える。すなわち、回
転数比較手段113は、起動前は当然位置検知出力がな
いため速度検出出力は0であり、回転数指令dが高・中
・低のいずれかになった時、回転数増加の信号を出力す
る。
【0129】起動制御手段112は運転指令aが入力さ
れた後、回転数比較手段113から回転数増加の信号を
受けた場合、起動制御動作に入る。起動制御手段112
の起動制御動作は通電相決定手段109に起動時の通電
出力を指示するとともに、電圧決定手段114に起動時
の電圧出力を指示する。この指示により通電相決定手段
109は、図16に示すように予め設定されている出力
パターンm1)〜m6)を順次繰り返し出力するようド
ライブ回路102に指令し、電圧決定手段114は通電
相決定手段109に、10Vから徐々に上昇し、起動終
了を見込んだ30秒後に30V程度となるPWM通電の
デューティ比を設定する。
【0130】この電圧決定手段114のPWM通電のデ
ューティ比設定内容が入力された通電相決定手段109
は、出力パターンm1)〜m6)の各パターンにおいて
1相存在するPWM通電相でのトランジスタのON/O
FF信号をこのデューティ比設定に基づき出力する。起
動時は図16に示す出力パターンを位置検知とは無関係
に強制的に時間により通電相を切り替えていく。
【0131】後述する位置検知に基づく通電相切替にお
いてもこの出力パターンは同じで、単に通電相の切替タ
イミングが位置検知に基づく点で相違するのみである。
【0132】起動時、この通電相切替は最初は1.6r
ps程度の低い周波数で開始され、徐々に周波数を上昇
させ、最終的に電動機7Mが10rps程度で回転する
出力となるように設定される。
【0133】なお、図16において、PWMは電圧決定
手段114が決定したPWMのデューティ比設定に基づ
きPWM通電が行われることを示し、位置検知回路出力
の欄の「一」は位置検知相であり、起動開始から所定時
間は誘起電圧が不十分で検知不能であることを表し、括
弧内は起動から所定時間後において、十分な誘起電圧が
発生した場合に得られる正常時のコンパレータ104〜
106の出力変化状態を示す。また、L/HまたはH/
Lは検出相がPWM通電されている相におけるコンパレ
ータ出力を示し、L/HはトランジスタがON時にLで
OFF時にHであることを示し、逆にH/Lはトランジ
スタがON時にHでOFF時にLとなることを示す。
【0134】したがって、起動時にはパターンm1)が
最初に出力され、約50ms後にパターンm2)へと切り
替えられる。その後、約50ms毎に順次パターンm3)
〜パターンm6)へと切り替えられ、パターンm6)の
後は再びパターンm1)に戻る。ここで、電動機7Mは
4極であるとしているため、パターンm1)〜m6)の
出力を2回繰り返すことにより電動機7Mは1回転とな
り、この時の回転数は約1.6rps程度となる。そし
て、この切替時間が徐々に短くなり、最終的に8ms程度
で順次切り替えられるようになり、電動機7Mが10r
ps程度で回転する出力となる。
【0135】ここで、インバータ12を構成するトラン
ジスタTr21〜Tr26の短絡異常および位置検知回
路(104〜106)またはインバータ12/ドライブ
回路102の異常識別について説明する。
【0136】3相出力のトランジスタの短絡異常検出 この出力中に過電流検出手段101が過電流を検出した
時は、インバータ12の短絡異常と判断され、異常内容
報知手段103により素子短絡の異常報知がなされる。
一方、過電流検出手段101は過電流を検出した時点で
それ以上の故障を引き起こさないようドライブ回路10
2に通電禁止を指令する。ドライブ回路102はこの禁
止指令により、以降、修理完了後リセットされるまでは
インバータ12を駆動しない。
【0137】位置検知回路異常またはインバータ/ドラ
イブ回路異常の検出 パターンm1)〜m6)の出力中に各コンパレータ10
4〜106の出力状態がチェックされる。すなわち、パ
ターンm1)ではコンパレータ106の出力がLである
かどうかがパターン比較手段108で検査され、パター
ンm2)ではコンパレータ105の出力がHであるかど
うか、以降、順次パターンm3)ではコンパレータ10
4の出力がL、パターンm4)ではコンパレータ106
の出力がH、パターンm5)ではコンパレータ105の
出力がL、パターンm6)ではコンパレータ104の出
力がHであるかが検査される。この検査により各コンパ
レータ104〜106のすべてに対し、各々HとLの出
力の異常または正常が確認されることになる。
【0138】なお、以上では各パターンに対し、1つの
出力確認を行うものについて説明したが、PWM出力と
の同期が確実に得られるならば1つのパターンで同時に
2つのコンパレータの出力をチェックしても良い。これ
は例えば、パターンm1)において、PWM出力がON
の場合、コンパレータ104がHで、PWM出力がOF
Fの場合、コンパレータ104がLであることをパター
ン比較手段108で検査することによって可能である。
【0139】この場合、パターンm1)でコンパレータ
104、パターンm2)でコンパレータ106、パター
ンm3)でコンパレータ105を検査することができ
る。ただし、この場合、PWM出力との同期が必要であ
るとともに、起動時は印加電圧が低いため、PWMのO
N時間が短く、ノイズ等により誤検出のおそれがあると
いう問題がある。このため、PWM通電相においてコン
パレータの検査を行う場合には複数回の通電結果におい
てすべて異常である場合に初めて異常と判断する等の対
策が必要である。
【0140】以上の検査の結果、パターン比較手段10
8においてすべてのコンパレータが正常であると判断さ
れた場合、起動運転がそのまま継続される。
【0141】一方、パターンm1)〜m6)の出力中に
コンパレータ出力が予め定めた値と異なればパターン比
較手段108は位置検出回路に異常があるかまたはイン
バータ/ドライブ回路に異常があるとして異常出力を行
う。
【0142】位置検出回路とインバータ/ドライブ回路
の異常識別 まず、サービスマンは送風機用電動機7Mとインバータ
12との配線間にあるコネクタ100を外し、強制運転
スイッチ115を押す。強制運転スイッチ115から強
制運転指令が入力されると強制運転手段116は電動機
7Mが30rps程度で回転するような通電相切替(強
制転流)および所定の出力電圧が発生するようにドライ
ブ回路102に制御信号を送る。ここで、サービスマン
はテスタを使用し、インバータ12のU−V、V−W、
W−Uの各相間の平均電圧をチェックする。この相間電
圧がほぼ同じであれば、インバータ12およびドライブ
回路102は正常であることが分かる。したがって、故
障箇所は位置検出回路(コンパレータ104〜196)
であると識別することができる。一方、相間電圧に許容
値以上のばらつきが発生している場合は、インバータ1
2内のいずれかのトランジスタまたはドライブ回路10
2が異常であるため欠相運転となっているとして、イン
バータ/ドライブ回路の異常と識別する。
【0143】さらに、各トランジスタTr21〜Tr2
6とドライブ回路102の異常は各トランジスタに与え
られるドライブ回路102からの駆動電圧を測定するこ
とにより可能となる。駆動対象のトランジスタに5V程
度の駆動電圧が印加されていれば、ドライブ回路102
は正常であり、また、すべてのトランジスタに正常に駆
動電圧が印加されていれば、ドライブ回路102は正常
であり、トランジスタTr21〜Tr26のいずれかが
開放異常である。一方、トランジスタに十分な駆動電圧
が印加されていなければ、ドライブ回路102の異常で
ある。
【0144】一方、測定の結果、インバータ12の出力
相間電圧に不平衡がない場合、異常箇所は位置検出回路
(104〜106)であるとして、この部分の回路素子
を交換することにより修理を完了することができる。
【0145】以上の検査結果に基づきサービスマンは故
障箇所の回路部品を交換することにより修理を迅速に完
了することができる。
【0146】なお、強制運転手段116は、サービスマ
ンが相間電圧測定およびインバータ12のトランジスタ
Tr21〜Tr26に与えられるドライブ回路102か
らの駆動電圧の測定を行うにたる時間、例えば1分程度
経過したところで、その強制運転操作を停止する。また
途中で終了したい場合は、強制運転スイッチ115を再
度押せばその時点で強制運転手段116は強制運転出力
を停止する。
【0147】異常点検識別まとめ 以上のようにインバータ12を構成するトランジスタT
r21〜Tr26の短絡異常、位置検出回路(コンパレ
ータ104〜196)、インバータ12およびドライブ
回路102の運転を識別表示することができる。
【0148】起動制御 <強制転流>上記した起動開始の点検動作において、位
置検出回路出力に異常がなければ通電相決定手段109
からパターンm1)〜m6)の出力を繰り返すととも
に、時間の経過に従ってこの出力の切替間隔を短くし、
電圧決定手段114のPWM通電のデューティ比を大き
くしていく。
【0149】この結果、送風機用電動機7Mは回転(起
動)を初め、最終的に通電相決定手段109および電圧
決定手段114は送風機用電動機7Mが10rps程度
で回転する通電間隔と印加電圧となるような値まで変化
する。 <位置検知開始>この強制転流動作は30秒で終了する
が、その終了の2〜3秒前に起動制御手段112から位
置検出手段107に動作開始の出力が行われる。この信
号を受けて位置検知手段107は位置検出回路104〜
106の出力を検知・判別の動作を開始する。コンパレ
ータ104〜106からなる位置検出回路は分圧抵抗3
0を介して取り出されるインバータ12の入力直流電源
の中間電位と各相交流出力電圧とを比較し、その比較出
力を位置検出手段107に送出する。位置検出手段10
7は、通電相決定手段109の選択したその時の非通電
相に対応する特定のコンパレータの出力を監視し、その
コンパレータの出力が「H」から「L」、または「L」
から「H」へと変化するタイミングを検出する。
【0150】なお、すでに述べたように各瞬時にいずれ
かのPWM通電相が存在するため、コンパレータに入力
される誘起電圧には多くのノイズが含まれる。そのた
め、PWM通電のON期間中のある時のみコンパレータ
出力が有効であるよう位置検知手段107は通電相決定
手段109の出力するPWM通電出力と同期が取られて
いる。そして通電相切り替えから強制転流に基づく所定
時間範囲内にコンパレータの出力が正常に次々と切り替
わっているかどうかを識別する。この識別結果が不良で
あれば起動不良として電動機異常の処理がなされる。
【0151】起動不良異常 上記の識別結果が正常であれば強制転流動作の終了時
点、すなわち起動制御手段112が起動動作を開始して
から30秒後に位置検出回路の検出出力に基づく位置検
知による転流が開始される。 <位置検知により転流>位置検知による転流は、位置検
出手段107により位置検知されてから次の位置検知が
なされるまでの時間(電気角で60°に相当)の半分の
時間(電気角で30°に相当)を記憶しておき、新たな
位置検知がなされてからこの時間が経過した時点で位置
検出手段107から通電相決定手段109に通電切替信
号が出力され、通電相決定手段109はこの通電切替信
号に基づき次の通電パターンに通電を切り替える。すな
わち、通電パターンm1)で通電しているときには次の
通電パターンm2)に通電を切り替える。
【0152】一方、位置検出手段107は位置検知がな
される度に回転数検出手段110に信号を出力してい
る。回転数検出手段110は、この位置検出から次の位
置検出までの時間を測定し、この測定時間に基づき送風
機用電動機7Mの回転数を算出する。すなわち、位置検
出から次の位置検出までの時間は電気角で60°に相当
し、4極電動機では電気角で360°×2=720°で
1回転であることから、この60°の時間の12(=7
20÷60)倍が電動機1回転の時間Tである。そし
て、この1回転の時間Tの逆数(=1/T)が電動機の
回転数r(rps)となる。 <回転数制御(印加電圧制御)>ここで、回転数検出手
段110によって検出された電動機回転数rは回転数比
較手段113で主制御回路25から入力される回転数指
令d(高・中・低)に対応して予め内部に設定された回
転数fと大小比較され、回転数比較手段はr>fの時は
電圧決定手段114に電圧上昇の指令を、r<fの時は
電圧低下の指令をr=fの時はそのときの電圧維持の指
令を出力する。したがって、指令された回転数fに対し
て実際の回転数rが低い時は出力電圧を高めるようデュ
ーティ比を大とし、逆の場合は出力電圧を低めるようデ
ューティ比を小とする。
【0153】要するに、強制転流で起動して30秒経過
前に位置検知が正常に行われていれば30秒経過後は位
置検知での転流が開始され、この時点から送風機用電動
機7Mへの印加電圧は指令回転数fと実回転数rとの大
小関係に基づき制御される。この際、起動時には指令回
転数fが実回転数rよりも高いため、送風機用電動機7
Mへの印加電圧すなわちPWM通電相のPWMデューテ
ィ比を上げて出力電圧が高くなるように変更する。この
電圧が高くなると電動機トルクが増大し、送風機用電動
機7Mの回転数は上昇を始める。電動機の回転数が上昇
すると、位置検知の間隔が早まり、位置検知の転流もこ
れに応じて早まる。その結果、最終的に実回転数rが指
令回転数fに一致するところでPWMデューティ比が増
加され、実回転数rが指令回転数fにほぼ一致するとこ
ろでPWMデューティ比が安定する。
【0154】なお、指令回転数fが低下した時や負荷の
低下により実回転数rが指令回転数fよりも高くなる
と、回転数比較手段113から電圧決定手段114に電
圧低下の指令が送られ、PWMデューティ比が低下さ
れ、電動機への印加電圧が低下し、電動機トルク減少に
伴って電動機回転数が低下し、位置検知の間隔が延び、
位置検知の転流もこれに応じて延び、実回転数rが指令
回転数fに一致したところで安定する。
【0155】なお、回転数指令d(高・中・低)が変化
し、指令回転数が増加または減少したときも同様に回転
数比較手段113で新たな指令回転数fと実回転数rが
比較されるようになるため、指令回転数が増加した時は
PWMデューティ比が増加され、指令回転数が低下した
ときは逆にPWMデューティ比が低下される。したがっ
て、この場合もある程度の時間遅れの後に実回転数rが
新たな指令回転数fに一致し、回転数指令に見合った運
転が行われる。
【0156】起動不良異常 以上は正常な起動動作が行われた場合についての説明で
あるが、送風機用電動機7Mが拘束等で回転できなかっ
た場合には、起動時の強制転流動作中に位置検出回路の
出力が得られない。すなわち、転流動作を繰り返しても
通電の所定期間においてコンパレータ104〜106か
ら必要な出力が得られないため、位置検出手段107で
は正常な位置検知ができないことが判別される。この結
果、位置検出手段107から位置検知ができない旨の信
号が電動機異常判別手段111に入力される。また、電
動機異常判別手段111には起動制御手段112から、
起動から30秒後に出力される起動30秒経過信号も入
力され、電動機異常判別手段111にはこの両方の信号
が入力される。この場合、起動開始時にすでにインバー
タの短絡異常および位置検出回路異常、インバータ/ド
ライブ回路異常はないことが確認されているため、この
場合の可能性のある異常は送風機用電動機7Mが拘束等
で回転しない状態にあるという異常である。
【0157】したがって、電動機異常判別手段111か
らは電動機異常信号が異常内容報知手段103に入力さ
れる。これを受けて異常内容報知手段103は電動機が
異常である旨の報知を行う。また、電動機異常判別手段
111は異常を判別した場合、起動制御手段112に起
動不可の信号を送り、通電相決定手段109を停止させ
て、その後の動作を禁止する。
【0158】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、電
動機不回転を電動機自体の不良によるものと制御回路の
不良によるものとを区別して検知することができ、不良
原因に応じた適切な対策を講ずることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を空気調和機に適用した場合の全体系統
図。
【図2】圧縮機電動機の制御回路の一実施例を示すブロ
ック図。
【図3】圧縮機電動機の横断面図。
【図4】圧縮機電動機の結線図。
【図5】圧縮機電動機を駆動するインバータの通電モー
ドおよび電動機巻線の誘起電圧の説明図。
【図6】圧縮機電動機を駆動するインバータのPWM制
御の様子を示す図。
【図7】圧縮機電動機起動前の特定パターンとコンパレ
ータ出力の関係を示す図表。
【図8】3相インバータにおける通電アームとPWMア
ームのタイムチャート。
【図9】一実施例における同一相正負両アームの漏れ電
流の通流経路を示す説明図。
【図10】本発明に従って行われるテスト時に各アーム
に与える通電オン信号のタイムチャート。
【図11】圧縮機電動機の強制転流通電パターンを示す
図表。
【図12】室内送風機の制御回路の一実施例を示すブロ
ック図。
【図13】室内送風機用電動機の起動前の特定パターン
とコンパレータ出力の関係を示す図表。
【図14】図10のパターンに対する変形実施例を示す
図表。
【図15】室外送風機の制御回路の一実施例を示すブロ
ック図。
【図16】室外送風機用電動機の通電パターンと位置検
知回路のコンパレータ出力の関係を示す図表。
【符号の説明】
2 電動機内蔵圧縮機 2M 圧縮機用電動機 2C 圧縮機 4 室外熱交換器 6 室内熱交換器 7 室外送風機 7M 送風機用電動機 8 室内送風機 8M 送風機用電動機 10,11,12 インバータ 13 交流電源 14,16,18 整流器 20 DC/DCコンバータ 21 降圧型DC/DCコンバータ 22 圧縮機制御回路 23 室外送風機制御回路 24 室内送風機制御回路 25 主制御回路 26 室温センサ 27 室温設定器 35,100 コネクタ 71 スイッチ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】永久磁石型の回転子に回転磁界を与えるた
    めの三相固定子巻線を有する無整流子電動機の固定子巻
    線端電圧を所定の基準電圧と比較する比較回路を各相毎
    に設け、これらの比較回路により電動機の回転時に非通
    電の固定子巻線に発生する誘起電圧に基づいて回転子位
    置を検出し各相固定子巻線への通電を切換える制御手段
    を備えた無整流子電動機の制御装置において、 前記電動機の停止時に各固定子巻線に特定の通電パター
    ンを供給する通電手段と、前記通電手段が通電時にその
    通電パターンに対応して設定された基準出力と前記比較
    回路の出力とを比較する比較手段と、この比較手段の比
    較結果に基づいて異常を検出する異常検出手段とを設け
    たことを特徴とする無整流子電動機の制御装置。
  2. 【請求項2】永久磁石型の回転子に回転磁界を与えるた
    めの三相固定子巻線を有する無整流子電動機の固定子巻
    線端電圧を所定の基準電圧と比較する比較回路を各相毎
    に設け、これらの比較回路により電動機の回転時に非通
    電の固定子巻線に発生する誘起電圧に基づいて回転子位
    置を検出し各相固定子巻線への通電を切換える制御手段
    を備えた無整流子電動機の制御装置において、 前記電動機の停止時にすべての固定子巻線を所定の基準
    電圧に対し高電圧とする第1の通電パターンとすべての
    巻線を基準電圧に対し低電圧とする第2の通電パターン
    とを選択的に供給しうる通電手段と、この通電手段が通
    電時にその通電パターンに対応して設定された基準出力
    と前記比較回路の出力とを比較する比較手段と、この比
    較手段の比較結果に基づいて異常を検出する異常検出手
    段とを設けたことを特徴とする無整流子電動機の制御装
    置。
  3. 【請求項3】永久磁石型の回転子に回転磁界を与えるた
    めの三相固定子巻線を有する無整流子電動機の回転時に
    非通電の固定子巻線に発生する誘起電圧を各相毎に所定
    の基準電圧と比較する第1の比較回路と、これら第1の
    比較回路の比較出力を組合わせて回転子位置を検出する
    第2の比較回路と、第2の比較回路の出力に基づき各相
    固定子巻線への通電を切換える制御手段とを備えた無整
    流子電動機の制御装置において、 前記電動機の停止時に1相または2相の巻線が所定の基
    準電圧よりも低電圧で残りの固定子巻線が所定の基準電
    圧に対し高電圧となる複数の通電パターンを供給する通
    電手段と、この通電手段の通電時にその通電パターンに
    対応して設定された基準出力と前記第2の比較回路の出
    力とを比較する比較手段と、この比較手段の比較結果に
    基づいて異常を検出する異常検出手段とを設けたことを
    特徴とする無整流子電動機の制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載の無整
    流子電動機の制御装置において、電動機の運転開始を判
    別する判別手段をさらに備え、この判別手段が運転開始
    を判別した時、無整流子電動機を起動する前に前記通電
    手段が各巻線への通電を行うことを特徴とする無整流子
    電動機の制御装置。
  5. 【請求項5】永久磁石型の回転子に回転磁界を与えるた
    めの三相固定子巻線を有する無整流子電動機の固定子巻
    線端電圧を所定の基準電圧と比較する比較回路を各相毎
    に設け、これらの比較回路により電動機の回転時に非通
    電の固定子巻線に発生する誘起電圧に基づいて回転子位
    置を検出し各相固定子巻線への通電を切換える制御手段
    を備えた無整流子電動機の制御装置において、 通電中の固定子巻線に対応した比較回路の出力に基づい
    て異常を検出する異常検出手段を設けたことを特徴とす
    る無整流子電動機の制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載の無整
    流子電動機の制御装置において、異常検出手段が異常を
    検出した時、その異常を報知する報知手段をさらに設け
    たことを特徴とする無整流子電動機の制御装置。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれかに記載の無整
    流子電動機の制御装置において、電動機に流れる電流を
    検出する電流検出手段と、前記通電手段が固定子巻線へ
    の通電中に前記電流検出手段が過電流を検出した時、そ
    の後の固定子巻線への通電を禁止する通電禁止手段とを
    さらに設けたことを特徴とする無整流子電動機の制御装
    置。
  8. 【請求項8】請求項6記載の無整流子電動機の制御装置
    において、前記通電手段が巻線への通電中に前記電流検
    出手段が過電流を検出した時、過電流異常を報知する第
    2の報知手段をさらに設けたことを特徴とする無整流子
    電動機の制御装置。
  9. 【請求項9】請求項1ないし3のいずれかに記載の無整
    流子電動機の制御装置において、前記基準電圧は電動機
    に与える入力直流電圧のほぼ中間値の電圧であることを
    特徴とする無整流子電動機の制御装置。
  10. 【請求項10】永久磁石型の回転子に回転磁界を与える
    ための三相固定子巻線を有する無整流子電動機の回転子
    の回転時に非通電の固定子巻線に発生する誘起電圧と前
    記三相固定子巻線の中性点電位とを比較する比較回路の
    比較出力に基づき各相固定子巻線への通電を切換える制
    御手段を備えた無整流子電動機の制御装置において、 電動機の停止時に1相または2相の固定子巻線が所定の
    基準電圧よりも低電圧で残りの1相の固定子巻線が基準
    電圧に対し高電圧となる複数の通電パターンを供給する
    通電手段と、前記通電手段が通電時にその通電パターン
    に対応して設定された基準出力と前記比較回路の出力と
    を比較する比較手段と、この比較手段の比較結果に応じ
    て異常を検出する異常検出手段とを設けたことを特徴と
    する無整流子電動機の制御装置。
  11. 【請求項11】請求項1ないし10のいずれかに記載の
    無整流子電動機を密閉型圧縮機に内蔵された圧縮機駆動
    用電動機として用いられていることを特徴とする空気調
    和機。
  12. 【請求項12】請求項1ないし10のいずれかに記載の
    無整流子電動機の制御装置において、電動機は送風機駆
    動用電動機であることを特徴とする無整流子電動機の制
    御装置。
  13. 【請求項13】永久磁石型の回転子に回転磁界を与える
    ための三相固定子巻線を有する無整流子電動機の固定子
    巻線端電圧を所定の基準電圧と比較する比較回路を各相
    毎に設け、これらの比較回路により電動機の回転時に非
    通電の固定子巻線に発生する誘起電圧に基づいて回転子
    位置を検出し各相固定子巻線への通電を切換える制御手
    段を備えた無整流子電動機の異常検出方法において、 通電中の固定子巻線に対応した比較回路の出力に基づい
    て異常を検出することを特徴とする無整流子電動機の異
    常検出方法。
  14. 【請求項14】永久磁石型の回転子に回転磁界を与える
    ための三相固定子巻線を有する無整流子電動機の固定子
    巻線端電圧を所定の基準電圧と比較する比較回路を各相
    毎に設け、これらの比較回路により電動機の回転時に非
    通電の固定子巻線に発生する誘起電圧に基づいて回転子
    位置を検出し各相固定子巻線への通電を切換えるインバ
    ータを備えた無整流子電動機の異常検出方法において、 前記比較回路の出力に基づき異常を検出するステップ
    と、このステップにより異常が検出された時、前記固定
    子巻線とインバータとの接続を外した状態でインバータ
    から所定周波数および電圧を出力させ、その時のインバ
    ータの出力相間電圧を測定するステップと、測定によっ
    て得られた各相間電圧がほぼ同一値の時には前記比較回
    路の異常と判別し、それ以外の場合はインバータの異常
    と判別することを特徴とする無整流子電動機の異常検出
    方法。
  15. 【請求項15】請求項14記載の無整流子電動機の異常
    検出方法において、前記出力相間電圧を測定するステッ
    プを、前記インバータの各相正負両トランジスタのうち
    いずれか一方を必ずオン状態にして実行することを特徴
    とする無整流子電動機の異常検出方法。
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