JPH0864346A - セラミックヒータ - Google Patents

セラミックヒータ

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JPH0864346A
JPH0864346A JP6216495A JP21649594A JPH0864346A JP H0864346 A JPH0864346 A JP H0864346A JP 6216495 A JP6216495 A JP 6216495A JP 21649594 A JP21649594 A JP 21649594A JP H0864346 A JPH0864346 A JP H0864346A
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敦 倉野
Katsunori Yamada
勝則 山田
Nobuo Kamiya
信雄 神谷
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Toyota Central R&D Labs Inc
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1400℃前後の高温条件下でも抵抗値の変
化が小さく、ガラスの溶出がなく、しかもクラックの生
じない耐熱衝撃性に優れたセラミックヒータを提供す
る。 【構成】 電気絶縁性の支持体3と、その先端部に一体
に形成される導電性の発熱体2を備え、支持体3および
発熱体2はいずれも導電性セラミックと絶縁性セラミッ
クの混合焼結体よりなる。支持体3は、導電性セラミッ
ク粒子がこれを包む絶縁性セラミック粒子により互いに
分断されることにより絶縁性を示し、発熱体2は、互い
に連続する導電性セラミック粒子で絶縁性セラミック粒
子を包むことにより導電性を示す。支持体3および発熱
体2には、焼結助剤として希土類元素の酸化物を1種以
上添加するとともに、その添加総量を導電性セラミック
と絶縁性セラミックの総量に対して3〜25重量%とな
るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミックヒータに関
し、特に、ディーゼルエンジンのセラミックグロープラ
グ等に好適に使用されるセラミックヒータに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンの始動を補助するた
めに、燃焼室内にセラミックグロープラグを配置し、発
熱部に通電加熱して燃料の着火、燃焼を促すことが行な
われている。この発熱部を構成するセラミックヒータと
しては、従来より種々のものが提案されており、例え
ば、特開昭62−140386号公報には、サイアロン
焼結体中に導電性の窒化チタンを分散させた複合焼結体
を用いたヒータが開示されている。
【0003】また、絶縁性セラミックよりなる支持体の
先端に、導電性セラミックよりなる発熱体を設けたセラ
ミックヒータが知られ、例えば、窒化珪素、酸化アルミ
ニウム等よりなる棒状の絶縁性セラミックの先端に、窒
化珪素と珪化モリブデンの混合体等よりなるU字状の導
電性セラミックを設けた構成のものがある。
【0004】ところが、上記従来のセラミックヒータ
は、支持体と発熱体の熱膨張係数差から、急速な昇温、
または冷却により両者の間に熱応力が発生し、接合部を
破損するおそれがあった。そこで本出願人は、先に、支
持体と発熱体とをいずれも導電性の珪化モリブデン(M
oSi2 )と絶縁性の窒化珪素(Si3 4 )の混合体
で構成し、支持体においては導電性のMoSi2 粒子が
これを包む絶縁性のSi3 4 粒子により互いに分断さ
れることにより絶縁性を示し、発熱体においては、互い
に連続する導電性のMoSi2 粒子で絶縁性のSi3
4 粒子を包むことにより導電性を示すようになしたセラ
ミックヒータを提案した(特開昭63−96883号公
報)。具体的には、支持体と発熱体の基本成分をいずれ
も70Si3 4 −30MoSi2 (重量%)とし、こ
れらの総量に対し焼結助剤として、例えば酸化イットリ
ウム(Y2 3 )を7重量%、酸化アルミニウム(Al
2 3 )を3重量%添加しており、支持体と発熱体を同
一組成とすることで、熱応力が大幅に緩和される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、セラ
ミックヒータの速熱性をさらに向上し、エンジン始動ま
での待ち時間を短縮しようとする要求が高まっており、
これに伴いヒータの温度を従来の1000℃〜1100
℃から1300℃〜1400℃にする必要が生じてい
る。
【0006】しかしながら、最高温度を1400℃に設
定した上記構成のセラミックヒータをエンジンで使用し
たところ、次のような問題が生じた。第1に、長時間の
使用で抵抗値が上昇し、飽和温度が低くなってエンジン
の始動性が悪くなる。第2に、ヒータの最高温度部近傍
でガラスの溶出が見られ、使用を続けるとヒータの変形
または変質が起こり、強度低下をきたすおそれがある。
第3に、セラミックヒータの、噴霧燃料が直撃する部分
にクラックが発生する場合があり、このクラックが進展
すると、ヒータの一部がエンジン内に脱落し、エンジン
が損傷するおそれがある。
【0007】第1の問題点である抵抗値上昇について
は、本発明者等が、長時間使用して抵抗値が上昇したヒ
ータを軸方向に切断し、発熱体およびその近傍を調査し
たところ、発熱体のU字状に屈曲する先端部の、正また
は負電極よりの端部で発熱体が最高温度になること、こ
のうち負電極側の最高温度部にイットリウム(Y)が集
中し、逆に正電極側にはYがほとんど存在せず、モリブ
デン(Mo)の酸化物が多くなっていることがわかっ
た。また、発熱体の正または負電極側の最高温度部間に
位置する支持体においても、同様に、負電極側でYが多
く、次第にYが減少して正電極側ではYがほとんど存在
していないことが判明した。
【0008】このメカニズムは以下のように推定され
る。基本成分であるSi3 4 中には、通常、不純物と
して微量のSiO2 が存在する。この不純物としてのS
iO2は焼結助剤であるY2 3 、Al2 3 およびS
3 4 と反応し、多成分系ガラスとなって粒界に析出
する。この多成分系ガラスはAlを含むことから低融点
であり、ヒータの最高温度が1400℃(局所的に14
00℃以上の温度になっていると考えられる)という高
温状態で、軟化、活性化状態となる。そして、通電によ
り生じる電界の作用により、Y2 3 がYとOに分解
し、Yが負電極側に移動する。正電極側では残った酸
素、および正電極側から負電極側へ移動した酸素により
酸素リッチとなり、その結果、MoSi2 を酸化して、
MoSi2 よりなる電流パスを細化または断線させ、こ
れが抵抗値上昇の原因になったものと考えられる。
【0009】第2の問題点である溶出ガラスは、SiO
2 、Y2 3 、Al2 3 を主成分とするもので、上述
した不純物としてのSiO2 がY2 3 、Al2 3
反応して生じた多成分系ガラスと見られる。この多成分
系ガラスは低融点であるため、1400℃という高温状
態で軟化し、ヒータ表面に溶出してきたものと考えられ
る。
【0010】第3の問題点であるクラックの発生につい
て、ヒータは、通電による最高温度が1400℃という
高温状態では、Si3 4 とMoSi2 の粒界の多成分
系ガラスが軟化し、高温強度が低下した状態となってい
る。この強度が低下した部分に噴霧燃料が直撃すると、
その熱衝撃によりヒータ表面にクラックが発生するもの
と思われる。
【0011】本発明は、上記実情に鑑みなされたもので
あり、1400℃前後の高温条件下でも抵抗値の変化が
小さく、ガラスの溶出がなく、しかもクラックの生じに
くい耐熱衝撃性に優れたセラミックヒータを提供するこ
とを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の構成を図1で説
明すると、セラミックヒータ1は、電気絶縁性の支持体
3と、その先端部に一体に形成される導電性の発熱体2
を備え、上記支持体3および上記発熱体2はいずれも導
電性セラミックと絶縁性セラミックの混合焼結体よりな
る。上記支持体3は、導電性セラミック粒子がこれを包
む絶縁性セラミック粒子により互いに分断されることに
より絶縁性を示し、上記発熱体2は、互いに連続する導
電性セラミック粒子で絶縁性セラミック粒子を包むこと
により導電性を示している。そして、上記支持体3およ
び発熱体2に、焼結助剤として希土類元素の酸化物を1
種以上添加するとともに、その添加総量が導電性セラミ
ックと絶縁性セラミックの総量に対して3〜25重量%
となるようにする(請求項1)。
【0013】また、上記発熱体2の焼結助剤の添加総量
をX重量%、上記支持体3の焼結助剤の添加総量をY重
量%としたときに、X、Yが、式:X≧0.7×Yが満
足するようになしてある(請求項2)。上記絶縁性セラ
ミックとしては、窒化珪素が好適に使用される。また、
上記導電性セラミックとしては、金属の炭化物、珪化
物、窒化物、またはホウ化物が使用でき、これらより選
ばれた少なくとも1種を使用すればよい(請求項3)。
【0014】
【作用】焼結助剤として用いられる希土類元素の酸化物
は、ヒータ材を構成する焼結体中の不純物とともにガラ
ス化し、粒界に存在することになる。この多成分系ガラ
スは、少なくともAlを含有しないので、従来のヒータ
材の粒界に存在するガラスより高融点であり、軟化しに
くい。従って、1400℃という高温状態においても、
粒界ガラス相の軟化、活性化の程度が低く抑えられ、電
界の作用による粒界ガラスの分解が大幅に抑制される。
その結果、粒界ガラス相の分解により生じる金属元素の
負電極側への移動、および正電極側における導電性セラ
ミックの酸化が防止され、導電性セラミックの酸化によ
る導電パスの細化、断線を防止できる。
【0015】また、粒界ガラス相が高融点で、軟化しに
くいので、ガラス溶出が起こりにくい。さらにガラスの
軟化が低く抑えられることにより、高温状態でも強度の
低下が小さく、高い耐熱衝撃性を保持できる。
【0016】また、発熱体の焼結助剤の添加量が、支持
体に比べて少なすぎると、両者の最適な焼成条件にずれ
が生じ、発熱体が焼結不足となるおそれがある。発熱体
の焼結助剤の添加量を、上記式のように一定量以上にす
ると焼成条件のずれが小さくなり、焼結不足が解消され
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。図2
には本発明を適用したディーゼルエンジンのグロープラ
グを示す。6は両端開口の筒状金属ハウジングであり、
その下端開口内に筒状金属部材61が固着してある。上
記ハウジング6内には下方より本発明のセラミックヒー
タ1が挿通され、その中間部を、上記筒状金属部材61
に嵌合固定してある。ハウジング6の中央部外周には取
付けネジ62が形成してあり、グロープラグは該取付け
ネジ62にて図略のエンジンに取付けられる。
【0018】上記セラミックヒータ1の上端部には、電
源接続用の金属キャップ7が固定してあり、金属キャッ
プ7は、上記ハウジング6の上半部内に挿通された金属
製の中軸8と、金属線71により接続されている。上記
ハウジング6上端部の、中軸8周りにはガラスシール9
が配設され、さらに上方より絶縁ブッシュ10が嵌着さ
れて、上記中軸8を電気的に絶縁している。中軸8の基
端部には、図略の電源に接続される雄ネジ81が形成し
てあり、上記絶縁ブッシュ10は上記雄ネジ81に螺着
されたナット82にて固定される。
【0019】図1には上記セラミックヒータ1の詳細を
示す。図において、セラミックヒータ1は、断面円形の
棒状体である支持体3と、支持体3の先端部内に埋設さ
れる断面U字形の発熱体2からなる。発熱体2の一端に
は電極線4の先端41が埋設され、電極線4の他端は支
持体3の基端部へ延びて支持体3の外周表面に露出する
端子部42を形成している。また発熱体2の他端には電
極線5の先端51が埋設され、電極線5の他端は支持体
3の中間部で支持体3の外周表面に露出する端子部52
を形成している。なお、上記電極線4、5はタングステ
ン、モリブデン等の高融点金属またはその合金からな
る。
【0020】上記電極線4、5の端子部42、52が露
出する支持体3の外周表面にはニッケルメッキが施され
ている。しかして、セラミックヒータ1をハウジング6
内に挿通すると(図2)、上記支持体3は、このニッケ
ルメッキ層を介して上記筒状金属部材61内周面にロウ
付けされる。上記筒状金属部材61はセラミックヒータ
1を保持するとともに、上記電極線5の端子部52と電
気的に接続される。一方、支持体3の基端部に露出する
上記電極線4の端子部42は、上記金属キャップ7の内
周面にロウ付けされ、金属線71より中軸8を経て電源
に接続している。かくして図示しない電源より、中軸
8、金属線71、金属キャップ7、電極線4、発熱体
2、電極線5、筒状部材61、ハウジング6を経て、図
示しないエンジンブロックへ通電が可能となる。
【0021】セラミックヒータ1の上記支持体3は、導
電性セラミックであるMoSi2 と、絶縁性セラミック
であるSi3 4 を基本成分とし、焼結助剤としてY2
3を添加したセラミック焼結体よりなる。Y2 3
添加量はMoSi2 とSi34 の総量に対して10重
量%としてある。そして、Si3 4 の粒径を、MoS
2 と同じかやや小さくすることにより、導電性のMo
Si2 粒子が絶縁性のSi3 4 粒子で囲まれて分断さ
れた組織となり、絶縁性を発現する。具体的には、例え
ば、平均粒径0.9μm のMoSi2 と、平均粒径0.
6μm のSi34 を用いることができる。
【0022】上記発熱体2は、導電性セラミックである
MoSi2 と、絶縁性セラミックであるSi3 4 を基
本成分とし、焼結助剤としてY2 3 を添加したセラミ
ック焼結体よりなる。Y2 3 の添加量はMoSi2
Si3 4 の総量に対して10重量%としてある。そし
て、Si3 4 の粒径をMoSi2 より大きくすること
により、絶縁性のSi3 4 粒子が、互いに連続する導
電性のMoSi2 粒子で包まれた組織となり、導電性を
発現する。具体的には、例えば、平均粒径0.9μm の
MoSi2 と、平均粒径13μm のSi3 4 を用いる
ことができる。
【0023】上記発熱体2または支持体3における導電
性セラミックとしては、上記したMoSi2 以外の金属
の炭化物、珪化物、窒化物、またはホウ化物を用いても
よく、これらの少なくとも一種を使用する。導電性セラ
ミックと絶縁性セラミックの配合割合は、例えば10〜
40:90〜60(重量%)の範囲で適宜選択される。
発熱体2、支持体3で同一またはそれに近い配合割合と
すれば熱膨張係数等の差が小さくなるのでより好まし
い。焼結助剤としては、Y2 3 以外の希土類元素の酸
化物、例えばイッテルビウム、ランタン、ネオジム等の
酸化物を用いてもよく、これらから選ばれる一種以上を
使用する。
【0024】焼結助剤として使用される希土類元素の酸
化物の添加総量は、導電性セラミックと絶縁性セラミッ
クの総量に対して、3〜25重量%とする。また、発熱
体2の焼結助剤の添加総量をX重量%、支持体3の焼結
助剤の添加総量をY重量%としたときに、X、Yが、
式:X≧0.7×Yを満足するようにすることが好まし
い。このようにすることで、長時間使用による抵抗値の
上昇が抑えられ、また、ガラスの溶出やクラックの発生
が抑制できる。
【0025】次に、本発明の効果を確認するための試験
を行なった。 (1)まず、以下のようにして試験用の試料を作成し
た。支持体と発熱体の基本成分をいずれも70Si3
4 −30MoSi2 (重量%)とし、支持体は平均粒径
が0.9μm のMoSi2 と平均粒径が0.6μm のS
3 4 を、発熱体には平均粒径が0.9μm のMoS
2 と平均粒径が13μm のSi3 4 を使用した。焼
結助剤としてY2 3 を用い、その添加量を支持体と発
熱体で同量として、上記図1の構成のセラミックヒータ
を作成した。Si3 4 とMoSi2の総量に対するY
2 3 の添加量を、1〜30重量%の範囲で表1に示す
ように変更し、試料No1〜6とした。次いで、発熱
体、支持体ともにY2 3 7重量%、Al2 3 3重量
%とした従来の組成によるヒータを作成し、比較用の試
料No7とした。
【0026】焼成は、アルゴンガス雰囲気下、1気圧
で、圧力は500Kgf/cm2 とし、焼結助剤量の変
更による焼成条件の変化に対しては、各々の最適な焼成
条件となるように、焼成温度を1560℃〜1850℃
の範囲内で変えて行なった(以下に説明する試料は全
て、各々の最適な焼成条件となるように、焼成温度を適
宜変更して作成した)。
【0027】上記試料No1〜7のセラミックヒータを
用いて上記図2に示したグロープラグを作成し、以下の
試験を行なった。まず、通電の繰り返しによる抵抗値変
化を調べるため、通電1分、非通電1分の繰り返しを1
サイクルとした冷熱試験を行なった。このときのヒータ
温度は初期に通電時の発熱による飽和温度を1400℃
にし、非通電時はファンでヒータを100℃以下に冷却
した。評価は各試料につき4本づつ同様の試験を実施し
て、そのうちの1本が抵抗値上昇により通電時のヒータ
飽和温度が100℃低下して1300℃になったサイク
ル数を寿命サイクルとした。表1に結果を示す。また、
この時のガラスの溶出の有無を表1に併せて記した。
【0028】次に、クラックの発生に関し、水中スポー
リング試験を行なった。まず、グロープラグに通電し、
所定の飽和温度に発熱させた後、20℃の水中に金属パ
イプから突出しているヒータ先端部を浸漬させ、表面に
発生するクラックの有無を調査することにより評価し
た。具体的には、飽和温度が500℃で水中スポーリン
グ試験を行ない、クラックが発生していなければ、飽和
温度を100℃上げ、600℃として水中スポーリング
試験を行なった。このようにして1400℃まで、もし
くはクラックが発生するまで、100℃づつ温度を上げ
て評価した。評価は各試料について4本づつ同様の試験
を実施し、結果を表1に併記した。
【0029】表1より、冷熱試験、ガラス溶出について
は、Y2 3 を単独で添加した試料No1〜6のいずれ
も、従来組成の試料No7に比べ、寿命が向上してい
る。なお、寿命サイクルは市場での信頼性を考慮すると
10000サイクル以上であることが好ましく、試料N
o1〜6では10000〜15000サイクルと良好な
結果が得られている。また、クラックの発生について
も、試料No1〜6ともに試料No7より改善されてお
り、特に、Y2 3 の添加量を3〜25重量%とした試
料No2〜5では1400℃においてもクラックの発生
が全く見られなかった。以上より、Y2 3 を3〜25
重量%添加することで、1400℃という高温使用にお
いて抵抗値変化が小さく、ガラス溶出がなく、耐熱衝撃
性のよいセラミックヒータが得られることがわかる。
【0030】(2)次に、焼結助剤としてY2 3 に加
え、他の希土類元素の酸化物を添加した試料を作成し
た。基本成分は上記(1)と同一とし、焼結助剤の種類
と添加量を表2のように変更した。焼結助剤の添加量は
発熱体と支持体で同量とした。上記(1)と同様にして
試料を作成し(試料No8〜16)、評価を行なった。
結果を表2に併記する。
【0031】表2の結果を従来組成の試料No7(表
1)と比較すると、全試料で冷熱試験結果が向上してお
り、ガラス溶出、クラックの発生も見られない。このよ
うに、Y2 3 と他の希土類元素の酸化物を組み合わせ
た場合でも、添加総量を3〜25重量%とすることで、
抵抗値変化が小さく、ガラス溶出がなく、耐熱衝撃性の
よいセラミックヒータが得られる。
【0032】(3)続いて、Y2 3 以外の希土類元素
の酸化物を1種以上添加した試料を作成した。希土類元
素の酸化物として、Yb2 3 、La2 3 、Nd2
3 、およびこれらを組み合わせたものを用い、それぞれ
につき、焼結助剤の添加総量が3重量%、25重量%の
2種類の試料を作成した。基本成分は上記(1)と同一
とし、焼結助剤の添加量は発熱体と支持体で同量とし
た。上記(1)と同様にして試料を作成し(試料No1
7〜26)、評価を行なった。結果を表3に示す。
【0033】表3の結果を従来組成の試料No7(表
1)と比較すると、全試料で冷熱試験結果が向上してお
り、ガラス溶出、クラックの発生も見られない。このよ
うに、焼結助剤としてはY2 3 以外の他の希土類元素
の酸化物のいずれを使用してもよく、その添加総量を3
〜25重量%とすることで、同様の効果が得られること
がわかる。
【0034】以上(1)〜(3)の結果より、焼結助剤
として希土類元素の酸化物を一種以上使用し、その添加
総量を3〜25重量%とすることで、抵抗値変化が小さ
く、ガラス溶出がなく、耐熱衝撃性のよいセラミックヒ
ータが実現できることがわかる。
【0035】(4)さらに、発熱体と支持体とで焼結助
剤の添加量を変更した場合について調べた。表4に示す
ように、支持体のY2 3 添加量を7重量%または20
重量%とし、発熱体のY2 3 添加量を3〜25重量%
の範囲で変更して試料を作成した(試料No27〜3
4)。それぞれの試料につき、上記(1)と同様の試験
を行ない、結果を表4に併記した。
【0036】表4の結果より、全試料において、ガラス
溶出およびクラックの発生に対する効果が見られる。冷
熱試験では、上記試料No7に比べいずれも寿命サイク
ルが向上しているが、上述したように、市場での信頼性
を考慮すると、試料No27、31は10000サイク
ルに満たず、やや寿命が短い。これは、支持体への添加
量に比べて発熱体の添加量がかなり少ない場合で、逆
に、大きな効果が見られるのは、支持体のY2 3 添加
量が7重量%で、発熱体が5重量%以上、支持体のY2
3 添加量が20重量%で、発熱体が15重量%以上の
場合であるといえる。この関係を式で表すと、発熱体の
焼結助剤の添加総量をX重量%、支持体の焼結助剤の添
加総量をY重量%としたときに、式:X≧0.7×Yが
成り立つようにすると、寿命サイクルの向上に有効であ
るといえる。
【0037】ここで、試料No27、31のように、支
持体の添加量に比べて発熱体の添加量がかなり少ない場
合には、支持体と発熱体の焼成条件のずれが大きくな
る。従って、支持体に最良の焼成条件となるように焼結
すると、発熱体は焼結不足になるものと考えられる。一
方、発熱体が最良の焼成条件となるようにすると、支持
体は過焼結状態となり、Si3 4 が粒成長しすぎるた
め、強度が低下してクラックが発生する。よって、上述
した3〜25重量%の範囲内で、上記式が成立するよう
にそれぞれの添加量を決めるのがよい。
【0038】(5)なお、上記実施例では導電性セラミ
ックとして、MoSi2 の場合について述べたが、導電
性セラミックを他の金属の炭化物、窒化物、ホウ化物と
してもよく、同様の効果が得られる。これを確認するた
め、表5に示すように、導電性セラミックをWC、Ta
C、TiN、ZrB2 に変更し、それぞれについて、焼
結助剤の添加量を上記試料No3(Y2 3 :10重量
%)、試料No7(Y23 :7重量%、Al2 3
3重量%)と同じにした2種類の試料を作成して(試料
No35〜42)、上記(1)と同様の試験を行なっ
た。結果を表5に併記する。表に明らかなように、導電
性セラミックの種類を変更した場合においても、Y2
3 添加量を本発明の範囲とすることで、抵抗値変化が小
さく、ガラス溶出がなく、耐熱衝撃性のよいセラミック
ヒータが得られる。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【発明の効果】このように、本発明のセラミックヒータ
は、高温で使用しても抵抗値の変化が小さく、ガラスの
溶出も見られない。しかも耐熱衝撃性に優れ、クラック
の発生を防止することができる。従って、グロープラグ
等に適用されてその信頼性を大きく向上することがで
き、工業的利用価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すセラミックヒータの断
面図である。
【図2】本発明のセラミックヒータを適用したディーゼ
ルエンジンのグロープラグの全体断面図である。
【符号の説明】
1 セラミックヒータ 2 発熱体 3 支持体 4、5 電極線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 勝則 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 神谷 信雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性の支持体と、その先端部に一
    体に形成される導電性の発熱体を備え、上記支持体およ
    び上記発熱体はいずれも導電性セラミックと絶縁性セラ
    ミックの混合焼結体よりなり、上記支持体は、導電性セ
    ラミック粒子がこれを包む絶縁性セラミック粒子により
    互いに分断されることにより絶縁性を示し、上記発熱体
    は、互いに連続する導電性セラミック粒子で絶縁性セラ
    ミック粒子を包むことにより導電性を示すセラミックヒ
    ータにおいて、上記支持体および発熱体に、焼結助剤と
    して希土類元素の酸化物を1種以上添加するとともに、
    その添加総量が導電性セラミックと絶縁性セラミックの
    総量に対して3〜25重量%となるようにしたことを特
    徴とするセラミックヒータ。
  2. 【請求項2】 上記発熱体の焼結助剤の添加総量をX重
    量%、上記支持体の焼結助剤の添加総量をY重量%とし
    たときに、X、Yが式:X≧0.7×Yを満足するよう
    にしたことを特徴とする請求項1記載のセラミックヒー
    タ。
  3. 【請求項3】 上記絶縁性セラミックが窒化珪素であ
    り、上記導電性セラミックが金属の炭化物、珪化物、窒
    化物、またはホウ化物より選ばれる少なくとも1種であ
    ることを特徴とする請求項1ないし2記載のセラミック
    ヒータ。
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