JPH0864140A - 補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法 - Google Patents
補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法Info
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- JPH0864140A JPH0864140A JP22090394A JP22090394A JPH0864140A JP H0864140 A JPH0864140 A JP H0864140A JP 22090394 A JP22090394 A JP 22090394A JP 22090394 A JP22090394 A JP 22090394A JP H0864140 A JPH0864140 A JP H0864140A
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Landscapes
- Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 機能膜付き安全ガラス4をブラウン管パネル
2表面に有する補強型陰極線管に安全ガラス2以外の不
良が発生した場合にその安全ガラス2を機能膜の持つ機
能を損なうことなく再利用できるようにし、もって、不
良発生による損失を小さくし、廃棄物の発生量の低減に
寄与し、廃棄に要するコストの低減を図り、資源の有効
利用を図る。 【構成】 安全ガラス2及び不飽和ポリエステル樹脂か
らなる接着剤3を機能膜を侵さないように例えば赤外線
加熱により加熱する工程と、ブラウン管パネル2と安全
ガラス4を分離する工程と、該安全ガラス4を有機溶
剤、例えばジクロールメタンに浸漬する工程を有する。
2表面に有する補強型陰極線管に安全ガラス2以外の不
良が発生した場合にその安全ガラス2を機能膜の持つ機
能を損なうことなく再利用できるようにし、もって、不
良発生による損失を小さくし、廃棄物の発生量の低減に
寄与し、廃棄に要するコストの低減を図り、資源の有効
利用を図る。 【構成】 安全ガラス2及び不飽和ポリエステル樹脂か
らなる接着剤3を機能膜を侵さないように例えば赤外線
加熱により加熱する工程と、ブラウン管パネル2と安全
ガラス4を分離する工程と、該安全ガラス4を有機溶
剤、例えばジクロールメタンに浸漬する工程を有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、補強型陰極線管の安全
ガラスの再生方法、特にブラウン管パネルの表面に、反
射防止機能を備えた機能膜を表面に有する安全ガラスの
裏面を接着剤を介して接着した補強型陰極線管の安全ガ
ラスを再生する補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法
に関する。
ガラスの再生方法、特にブラウン管パネルの表面に、反
射防止機能を備えた機能膜を表面に有する安全ガラスの
裏面を接着剤を介して接着した補強型陰極線管の安全ガ
ラスを再生する補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】図3はブラウン管パネルの表面に、反射
防止機能を備えた機能膜を表面に有する安全ガラスの裏
面を接着剤を介して接着した補強型陰極線管を示すもの
である。図面において、1はブラウン管ファンネル部、
2はブラウン管パネル、3は不飽和ポリエステル樹脂か
らなる接着剤、4は該接着剤3を介してブラウン管パネ
ル2の表面に裏面にて接着された安全ガラスで、該安全
ガラス4は表面に反射防止などの機能を有する図示しな
い機能膜が形成されている。このような機能膜を形成す
ることにより画像のボケを防止することができ、画質を
向上させることができる。機能膜は、例えばフッ化マグ
ネシウムMgF2 、チタン酸プラセオジウムPrTiO
2 、ITO(In2 O3 −SnO2 )等を真空蒸着によ
りコーティングした多層膜である。5は例えばポリエス
テル製の粘着テープで、ブラウン管パネル2にこれを保
護するために接着される。6は該粘着テープ5が接着さ
れた部分にてブラウン管パネル2に締め付けられた防爆
バンドで、補強型陰極線管の爆縮事故を防止するもので
あり、金属からなる。
防止機能を備えた機能膜を表面に有する安全ガラスの裏
面を接着剤を介して接着した補強型陰極線管を示すもの
である。図面において、1はブラウン管ファンネル部、
2はブラウン管パネル、3は不飽和ポリエステル樹脂か
らなる接着剤、4は該接着剤3を介してブラウン管パネ
ル2の表面に裏面にて接着された安全ガラスで、該安全
ガラス4は表面に反射防止などの機能を有する図示しな
い機能膜が形成されている。このような機能膜を形成す
ることにより画像のボケを防止することができ、画質を
向上させることができる。機能膜は、例えばフッ化マグ
ネシウムMgF2 、チタン酸プラセオジウムPrTiO
2 、ITO(In2 O3 −SnO2 )等を真空蒸着によ
りコーティングした多層膜である。5は例えばポリエス
テル製の粘着テープで、ブラウン管パネル2にこれを保
護するために接着される。6は該粘着テープ5が接着さ
れた部分にてブラウン管パネル2に締め付けられた防爆
バンドで、補強型陰極線管の爆縮事故を防止するもので
あり、金属からなる。
【0003】ところで、このような補強型陰極線管は、
例えばブラウン管パネル2あるいはブラウン管ファンネ
ル1に品質規格に達していない事項がある場合、安全ガ
ラスが良品であっても補強型陰極線管を産業廃棄物とし
廃棄していた。また、不飽和ポリエステル樹脂を接着剤
としてブラウン管パネルと安全ガラスの接着のために注
入するときその不飽和ポリエステル樹脂が液状であるた
め泡(ボイド)の巻き込みが生じたり、異物が混入する
等の欠陥が発生することがある。このような場合も欠陥
がある以上不良ということになるが、しかし、安全ガラ
スそのものには何等問題がない。にも拘らず、従来にお
いては安全ガラスを産業廃棄物として廃棄していた。
例えばブラウン管パネル2あるいはブラウン管ファンネ
ル1に品質規格に達していない事項がある場合、安全ガ
ラスが良品であっても補強型陰極線管を産業廃棄物とし
廃棄していた。また、不飽和ポリエステル樹脂を接着剤
としてブラウン管パネルと安全ガラスの接着のために注
入するときその不飽和ポリエステル樹脂が液状であるた
め泡(ボイド)の巻き込みが生じたり、異物が混入する
等の欠陥が発生することがある。このような場合も欠陥
がある以上不良ということになるが、しかし、安全ガラ
スそのものには何等問題がない。にも拘らず、従来にお
いては安全ガラスを産業廃棄物として廃棄していた。
【0004】即ち、防爆補強処理を行う製造工程が一般
的に最終画面検査前の工程であり、この工程終了後の画
面検査、電気検査で一定の品質基準に達していないと判
断されるような補強型陰極線管のブラウン管パネルに対
しても安全ガラスが接着されてしまうのであり、また、
接着の過程で不良が生じることがあるのである。そし
て、不良という検査結果がでた補強型陰極線管は解体さ
れ、金属部分は再利用されるが、不飽和ポリエステル樹
脂が接着している安全ガラスは従来においては廃棄して
いた。ちなみに、補強型陰極線管の安全ガラスであって
も反射防止などの機能を有する機能膜を有しないものも
ある。即ちボケ防止の配置を講じていないもあるのであ
る。このようなものついては、補強型陰極線管に欠陥が
あった場合、安全ガラスをブラウン管パネルから剥した
後、安全ガラス裏面に残っている接着剤としての不飽和
ポリエステル樹脂を水酸化ナトリウム(10〜20%)
を用いて膨潤させ、その後、その不飽和ポリエステル樹
脂を除去し、安全ガラスを再利用することが検討された
こともある。しかし、不飽和ポリエステル樹脂を膨潤さ
せるのに24時間もかかること、機能膜のない安全ガラ
スはもともと安価であるため再生利用するメリットがほ
とんどなく、それでいて再生に手間がかかること等から
やはり安全ガラスは産業廃棄物として廃棄していた。
的に最終画面検査前の工程であり、この工程終了後の画
面検査、電気検査で一定の品質基準に達していないと判
断されるような補強型陰極線管のブラウン管パネルに対
しても安全ガラスが接着されてしまうのであり、また、
接着の過程で不良が生じることがあるのである。そし
て、不良という検査結果がでた補強型陰極線管は解体さ
れ、金属部分は再利用されるが、不飽和ポリエステル樹
脂が接着している安全ガラスは従来においては廃棄して
いた。ちなみに、補強型陰極線管の安全ガラスであって
も反射防止などの機能を有する機能膜を有しないものも
ある。即ちボケ防止の配置を講じていないもあるのであ
る。このようなものついては、補強型陰極線管に欠陥が
あった場合、安全ガラスをブラウン管パネルから剥した
後、安全ガラス裏面に残っている接着剤としての不飽和
ポリエステル樹脂を水酸化ナトリウム(10〜20%)
を用いて膨潤させ、その後、その不飽和ポリエステル樹
脂を除去し、安全ガラスを再利用することが検討された
こともある。しかし、不飽和ポリエステル樹脂を膨潤さ
せるのに24時間もかかること、機能膜のない安全ガラ
スはもともと安価であるため再生利用するメリットがほ
とんどなく、それでいて再生に手間がかかること等から
やはり安全ガラスは産業廃棄物として廃棄していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、反射防止な
どの機能を有する機能膜を有しない安全ガラスは、上述
したように安価であり、従って、補強型陰極線管の安全
ガラス以外の部分の不良があっても手間をかけて安全ガ
ラスを再利用することには意義がほとんどない。しか
し、ボケをなくすことのできる機能膜付き安全ガラス
は、非常に高価で、機能膜の付いていない安全ガラスの
4倍以上の価格を有する。というのは、機能膜付き安全
ガラスというのは非常に大きなガラスパネルに対してフ
ッ化マグネシウムMgF2 、チタン酸プラセオジウムP
rTiO2 、ITO(In2O3−SnO2 )等を真空
蒸着によりコーティングすることが必要であり、高い技
術と工数がかかるからである。従って、補強型陰極線管
の安全ガラス以外の不良によって安全ガラスをも廃棄す
るのは非常に大きな損失が生じる。しかも、機能膜付き
の安全ガラスはガラスのみならずフッ化マグネシウムM
gF2 、チタン酸プラセオジウムPrTiO2、ITO
(In2O3−SnO2 )等を含んでいるため、普通の
ガラスとして廃棄することは許されず、特殊なガラスと
して分別して廃棄しなければならないので、廃棄に無視
できないコストがかかるのである。従って、安全ガラス
以外の補強型陰極線管不良が発生したときその安全ガラ
スを廃棄することとするのは好ましくないのである。
どの機能を有する機能膜を有しない安全ガラスは、上述
したように安価であり、従って、補強型陰極線管の安全
ガラス以外の部分の不良があっても手間をかけて安全ガ
ラスを再利用することには意義がほとんどない。しか
し、ボケをなくすことのできる機能膜付き安全ガラス
は、非常に高価で、機能膜の付いていない安全ガラスの
4倍以上の価格を有する。というのは、機能膜付き安全
ガラスというのは非常に大きなガラスパネルに対してフ
ッ化マグネシウムMgF2 、チタン酸プラセオジウムP
rTiO2 、ITO(In2O3−SnO2 )等を真空
蒸着によりコーティングすることが必要であり、高い技
術と工数がかかるからである。従って、補強型陰極線管
の安全ガラス以外の不良によって安全ガラスをも廃棄す
るのは非常に大きな損失が生じる。しかも、機能膜付き
の安全ガラスはガラスのみならずフッ化マグネシウムM
gF2 、チタン酸プラセオジウムPrTiO2、ITO
(In2O3−SnO2 )等を含んでいるため、普通の
ガラスとして廃棄することは許されず、特殊なガラスと
して分別して廃棄しなければならないので、廃棄に無視
できないコストがかかるのである。従って、安全ガラス
以外の補強型陰極線管不良が発生したときその安全ガラ
スを廃棄することとするのは好ましくないのである。
【0006】そこで、本願発明者は安全ガラスの再利用
を図るべく、機能膜付き安全ガラスのブラウン管パネル
からの剥離を接着剤として用いられる不飽和ポリエステ
ル樹脂を膨潤させることができる水酸化ナトリウムを用
いて行うことを試みてみた。しかし、水酸化ナトリウム
は機能膜を変質させる性質を有することから機能膜付き
の安全ガラスの再利用には使用することができないこと
が判明した。そこで、本願発明者はその不飽和ポリエス
テル樹脂を、機能膜を変質させることなく除去する方法
を模索し、本発明を為すに至ったのである。
を図るべく、機能膜付き安全ガラスのブラウン管パネル
からの剥離を接着剤として用いられる不飽和ポリエステ
ル樹脂を膨潤させることができる水酸化ナトリウムを用
いて行うことを試みてみた。しかし、水酸化ナトリウム
は機能膜を変質させる性質を有することから機能膜付き
の安全ガラスの再利用には使用することができないこと
が判明した。そこで、本願発明者はその不飽和ポリエス
テル樹脂を、機能膜を変質させることなく除去する方法
を模索し、本発明を為すに至ったのである。
【0007】即ち、本発明は、機能膜付き安全ガラスを
有する補強型陰極線管に安全ガラス以外の不良が発生し
た場合にその安全ガラスを機能膜の持つ機能を損なうこ
となく再利用できるようにし、もって、不良発生による
損失を小さくし、廃棄に要するコストの低減を図り、資
源の有効利用を図ることを目的とする。
有する補強型陰極線管に安全ガラス以外の不良が発生し
た場合にその安全ガラスを機能膜の持つ機能を損なうこ
となく再利用できるようにし、もって、不良発生による
損失を小さくし、廃棄に要するコストの低減を図り、資
源の有効利用を図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の補強型陰極線
管の安全ガラスの再生方法は、安全ガラス及び接着剤を
上記機能膜を侵さないように加熱する工程と、ブラウン
管パネルと安全ガラスを分離する工程と、該安全ガラス
を有機溶剤に浸漬する工程を有することを特徴とする。
請求項2の補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法は、
請求項1記載の補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法
において、接着剤として不飽和ポリエステル樹脂を用
い、有機溶剤としてジクロールメタンを用いることを特
徴とする。請求項3の補強型陰極線管の安全ガラスの再
生方法は、請求項1又は2の補強型陰極線管の安全ガラ
スの再生方法において、安全ガラスの有機溶剤への浸漬
時間が2時間以上であることを特徴とする。
管の安全ガラスの再生方法は、安全ガラス及び接着剤を
上記機能膜を侵さないように加熱する工程と、ブラウン
管パネルと安全ガラスを分離する工程と、該安全ガラス
を有機溶剤に浸漬する工程を有することを特徴とする。
請求項2の補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法は、
請求項1記載の補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法
において、接着剤として不飽和ポリエステル樹脂を用
い、有機溶剤としてジクロールメタンを用いることを特
徴とする。請求項3の補強型陰極線管の安全ガラスの再
生方法は、請求項1又は2の補強型陰極線管の安全ガラ
スの再生方法において、安全ガラスの有機溶剤への浸漬
時間が2時間以上であることを特徴とする。
【0009】請求項4の補強型陰極線管の安全ガラスの
再生方法は、安全ガラス及び接着剤を機能膜を侵さない
ように加熱する工程と、ブラウン管パネルと安全ガラス
を分離する工程と、該安全ガラスの裏面をウォータージ
ェット法で洗浄する工程を有することを特徴とする。請
求項5の補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法は、請
求項1、2、3又は4の補強型陰極線管の安全ガラスの
再生方法において、安全ガラス及び接着剤の加熱を赤外
線により行うことを特徴とする。請求項6の補強型陰極
線管の安全ガラスの再生方法は、請求項5の補強型陰極
線管の安全ガラスの再生方法において、加熱温度を75
〜120℃、加熱時間を2〜4分にしたことを特徴とす
る。請求項7の補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法
は、請求項1、2、3、4、5又は6記載の補強型陰極
線管の安全ガラスの再生方法において、安全ガラスの機
能膜が形成された表面を有機溶剤で洗浄する工程を有す
ることを特徴とする。
再生方法は、安全ガラス及び接着剤を機能膜を侵さない
ように加熱する工程と、ブラウン管パネルと安全ガラス
を分離する工程と、該安全ガラスの裏面をウォータージ
ェット法で洗浄する工程を有することを特徴とする。請
求項5の補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法は、請
求項1、2、3又は4の補強型陰極線管の安全ガラスの
再生方法において、安全ガラス及び接着剤の加熱を赤外
線により行うことを特徴とする。請求項6の補強型陰極
線管の安全ガラスの再生方法は、請求項5の補強型陰極
線管の安全ガラスの再生方法において、加熱温度を75
〜120℃、加熱時間を2〜4分にしたことを特徴とす
る。請求項7の補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法
は、請求項1、2、3、4、5又は6記載の補強型陰極
線管の安全ガラスの再生方法において、安全ガラスの機
能膜が形成された表面を有機溶剤で洗浄する工程を有す
ることを特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1の補強型陰極線管の安全ガラスの再生
方法によれば、安全ガラス及び接着剤を機能膜を侵さな
いように加熱することにより、接着剤の接着力を弱める
ことができるので、その接着剤で接着されている安全ガ
ラスとブラウン管パネルとの間を剥し易くなる。そし
て、剥し易くした状態でその安全ガラスとブラウン管パ
ネルを剥すので、簡単に安全ガラスをブラウン管パネル
から分離することができる。そして、無機物からなる機
能膜を侵さず接着剤を侵す性質を有する有機溶剤に安全
ガラスを浸漬するので、安全ガラスの裏面に残存してい
る接着剤を機能膜を変質させることなく除去し易くする
ことができる。従って、安全ガラスを支障なく再使用す
ることができる。請求項2の補強型陰極線管の安全ガラ
スの再生方法によれば、接着剤として不飽和ポリエステ
ル樹脂を用い、有機溶剤としてジクロールメタンを用い
たので、ジクロールメタンが不飽和ポリエステル樹脂に
対してこれを比較的短時間(例えば2〜3時間程度)で
膨潤させる性質を有することから、有機溶剤としてのジ
クロールメタンにより安全ガラス裏面に残存する接着剤
である不飽和ポリエステル樹脂を短時間に除去すること
が可能となる。従って、安全ガラスを低コストで支障な
く再使用することができる。
方法によれば、安全ガラス及び接着剤を機能膜を侵さな
いように加熱することにより、接着剤の接着力を弱める
ことができるので、その接着剤で接着されている安全ガ
ラスとブラウン管パネルとの間を剥し易くなる。そし
て、剥し易くした状態でその安全ガラスとブラウン管パ
ネルを剥すので、簡単に安全ガラスをブラウン管パネル
から分離することができる。そして、無機物からなる機
能膜を侵さず接着剤を侵す性質を有する有機溶剤に安全
ガラスを浸漬するので、安全ガラスの裏面に残存してい
る接着剤を機能膜を変質させることなく除去し易くする
ことができる。従って、安全ガラスを支障なく再使用す
ることができる。請求項2の補強型陰極線管の安全ガラ
スの再生方法によれば、接着剤として不飽和ポリエステ
ル樹脂を用い、有機溶剤としてジクロールメタンを用い
たので、ジクロールメタンが不飽和ポリエステル樹脂に
対してこれを比較的短時間(例えば2〜3時間程度)で
膨潤させる性質を有することから、有機溶剤としてのジ
クロールメタンにより安全ガラス裏面に残存する接着剤
である不飽和ポリエステル樹脂を短時間に除去すること
が可能となる。従って、安全ガラスを低コストで支障な
く再使用することができる。
【0011】請求項3の補強型陰極線管の安全ガラスの
再生方法によれば、安全ガラスの有機溶剤への浸漬時間
を2時間以上にすれば、有機溶剤により安全ガラス裏面
の接着剤を充分に膨潤させることができ、接着剤を除去
するのが極めて容易となる。請求項4の補強型陰極線管
の安全ガラスの再生方法によれば、安全ガラス及び接着
剤を機能膜を侵さないように加熱し、更に、ブラウン管
パネルと安全ガラスを分離した後、安全ガラスの裏面を
ウォータージェット法で洗浄するので、安全ガラス表面
の機能膜に全く影響を与えることなく安全ガラス裏面に
残存する接着剤を極めて有効に除去することができる。
従って、安全ガラスを支障なく再使用することが可能に
なる。請求項5記載の補強型陰極線管の安全ガラスの再
生方法によれば、安全ガラス及び接着剤の加熱を赤外線
により行うので、赤外線が透明な機能膜を透過する性質
を有することから、安全ガラスの表面の機能膜を徒らに
加熱することなく加熱目標の接着剤を効果的に加熱して
その接着力を弱めることができる。従って、機能膜を変
質させることなく安全ガラスのブラウン管パネルからの
分離を容易にすることができる。
再生方法によれば、安全ガラスの有機溶剤への浸漬時間
を2時間以上にすれば、有機溶剤により安全ガラス裏面
の接着剤を充分に膨潤させることができ、接着剤を除去
するのが極めて容易となる。請求項4の補強型陰極線管
の安全ガラスの再生方法によれば、安全ガラス及び接着
剤を機能膜を侵さないように加熱し、更に、ブラウン管
パネルと安全ガラスを分離した後、安全ガラスの裏面を
ウォータージェット法で洗浄するので、安全ガラス表面
の機能膜に全く影響を与えることなく安全ガラス裏面に
残存する接着剤を極めて有効に除去することができる。
従って、安全ガラスを支障なく再使用することが可能に
なる。請求項5記載の補強型陰極線管の安全ガラスの再
生方法によれば、安全ガラス及び接着剤の加熱を赤外線
により行うので、赤外線が透明な機能膜を透過する性質
を有することから、安全ガラスの表面の機能膜を徒らに
加熱することなく加熱目標の接着剤を効果的に加熱して
その接着力を弱めることができる。従って、機能膜を変
質させることなく安全ガラスのブラウン管パネルからの
分離を容易にすることができる。
【0012】請求項6記載の補強型陰極線管の安全ガラ
スの再生方法によれば、加熱温度を75〜120℃に
し、加熱時間を2〜4分にしたので、機能膜を変質させ
ることなく接着剤の接着力を有効に弱めることができ
る。というのは、加熱温度が75℃より低いと加熱不足
で接着剤の接着力を充分に弱めることができず、また1
20℃より高いと加熱過剰で、機能膜が変質するおそれ
があり、加熱時間が2分より短いと加熱不足になり接着
力の低下が不充分となり4分より長いと加熱過剰にな
り、機能膜が変質するおそれがあるからである。請求項
7の補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法によれば、
安全ガラスの機能膜が形成された表面を有機溶剤で洗浄
するので、機能膜を変質させることなく機能膜表面の汚
れを確実に除去することができ、延いてはきれいに安全
ガラスの全面を仕上げることができる。
スの再生方法によれば、加熱温度を75〜120℃に
し、加熱時間を2〜4分にしたので、機能膜を変質させ
ることなく接着剤の接着力を有効に弱めることができ
る。というのは、加熱温度が75℃より低いと加熱不足
で接着剤の接着力を充分に弱めることができず、また1
20℃より高いと加熱過剰で、機能膜が変質するおそれ
があり、加熱時間が2分より短いと加熱不足になり接着
力の低下が不充分となり4分より長いと加熱過剰にな
り、機能膜が変質するおそれがあるからである。請求項
7の補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法によれば、
安全ガラスの機能膜が形成された表面を有機溶剤で洗浄
するので、機能膜を変質させることなく機能膜表面の汚
れを確実に除去することができ、延いてはきれいに安全
ガラスの全面を仕上げることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明補強型陰極線管の安全ガラスの
再生方法を図示実施例に従って詳細に説明する。図1
(A)乃至(F)は、本発明補強型陰極線管の安全ガラ
スの再生方法の一つの実施例を工程順に示す工程図であ
る。 (A)図3に示す状態の補強型陰極線管が補強型陰極線
管完成検査において不良と判定され、安全ガラスには欠
陥がない場合、その補強型陰極線管の安全ガラスを再生
の対象とする。そして、先ずその補強型陰極線管から防
爆バンド6を除去し、更に、ブラウン管パネル保護用の
粘着テープ5を除去する。図1(A)はブラウン管パネ
ル保護用粘着テープ除去後の状態を示す。尚、防爆バン
ド6の除去は市販のディスクグラインダを用いる等して
手作業で防爆バンド6を切断し、その後、取り外すこと
により行う。また、ポリエステルの粘着テープ5は、補
強型陰極線管のポリエステル製粘着テープ5の部分をお
湯につける等して暖めたうえで手で剥すことにより比較
的簡単に剥離することができる。
再生方法を図示実施例に従って詳細に説明する。図1
(A)乃至(F)は、本発明補強型陰極線管の安全ガラ
スの再生方法の一つの実施例を工程順に示す工程図であ
る。 (A)図3に示す状態の補強型陰極線管が補強型陰極線
管完成検査において不良と判定され、安全ガラスには欠
陥がない場合、その補強型陰極線管の安全ガラスを再生
の対象とする。そして、先ずその補強型陰極線管から防
爆バンド6を除去し、更に、ブラウン管パネル保護用の
粘着テープ5を除去する。図1(A)はブラウン管パネ
ル保護用粘着テープ除去後の状態を示す。尚、防爆バン
ド6の除去は市販のディスクグラインダを用いる等して
手作業で防爆バンド6を切断し、その後、取り外すこと
により行う。また、ポリエステルの粘着テープ5は、補
強型陰極線管のポリエステル製粘着テープ5の部分をお
湯につける等して暖めたうえで手で剥すことにより比較
的簡単に剥離することができる。
【0014】(B)次に、防爆バンド6を取り外しポリ
エステル製粘着テープ5を剥した状態の補強型陰極線管
の安全ガラス4及び不飽和ポリエステル樹脂3を75〜
120℃、例えば90℃の温度にて2〜4分間、例えば
3分間加熱する。この加熱は、接着剤3を成す不飽和ポ
リエステル樹脂を変質させてその接着力を奪い、ブラウ
ン管パネル2から安全ガラスを分離し易くするために行
うものであり、加熱方法としては種々の方法、例えば、
電気ヒーターを用いる方法、ガスバーナーを用いる方
法、各種の炉を用いる方法、赤外線急加熱法などを採る
ことができる。但し、実験の結果では、図1(B)に示
す赤外線急加熱法によるのが最も好ましい。図1(B)
において、7は遠赤外線セラミックスプレートヒーター
で、その表面は安全ガラス3の凸曲した表面に沿って凹
曲した形状に仕上げられている。これは、ヒーター7
を、安全ガラス3との間隔を均等に狭くして該安全ガラ
ス3に対置させて均等に加熱できるようにするためであ
る。この遠赤外線セラミックスプレートヒーター7は温
度制御のために必要な温度モニターができるように図示
しない熱電対を有している。8は加熱時に補強型陰極線
管を支持する支持具である。
エステル製粘着テープ5を剥した状態の補強型陰極線管
の安全ガラス4及び不飽和ポリエステル樹脂3を75〜
120℃、例えば90℃の温度にて2〜4分間、例えば
3分間加熱する。この加熱は、接着剤3を成す不飽和ポ
リエステル樹脂を変質させてその接着力を奪い、ブラウ
ン管パネル2から安全ガラスを分離し易くするために行
うものであり、加熱方法としては種々の方法、例えば、
電気ヒーターを用いる方法、ガスバーナーを用いる方
法、各種の炉を用いる方法、赤外線急加熱法などを採る
ことができる。但し、実験の結果では、図1(B)に示
す赤外線急加熱法によるのが最も好ましい。図1(B)
において、7は遠赤外線セラミックスプレートヒーター
で、その表面は安全ガラス3の凸曲した表面に沿って凹
曲した形状に仕上げられている。これは、ヒーター7
を、安全ガラス3との間隔を均等に狭くして該安全ガラ
ス3に対置させて均等に加熱できるようにするためであ
る。この遠赤外線セラミックスプレートヒーター7は温
度制御のために必要な温度モニターができるように図示
しない熱電対を有している。8は加熱時に補強型陰極線
管を支持する支持具である。
【0015】尚、加熱温度は、75℃より低いと低過ぎ
て機能膜3の接着力を充分に弱めることができず、12
0℃より高いと高すぎて安全ガラス4の表面の機能膜を
変質させるおそれが生じるので、75〜120℃で行う
のである。また、加熱時間は、2分未満だと短か過ぎて
接着力を充分に弱めることができず、4分より長いと長
過ぎて機能膜を変質させるおそれがあるので2〜4分に
するのである。この赤外線急加熱法によれば、赤外線が
透明な機能膜を透過する性質を有することから、安全ガ
ラス4の表面の機能膜を徒らに加熱することなく加熱目
標である不飽和ポリエステル樹脂からなる接着剤3を効
果的に加熱してその接着力を弱めることができる。従っ
て、機能膜を変質させることなく安全ガラス4のブラウ
ン管パネル2からの分離を容易にすることができる。
て機能膜3の接着力を充分に弱めることができず、12
0℃より高いと高すぎて安全ガラス4の表面の機能膜を
変質させるおそれが生じるので、75〜120℃で行う
のである。また、加熱時間は、2分未満だと短か過ぎて
接着力を充分に弱めることができず、4分より長いと長
過ぎて機能膜を変質させるおそれがあるので2〜4分に
するのである。この赤外線急加熱法によれば、赤外線が
透明な機能膜を透過する性質を有することから、安全ガ
ラス4の表面の機能膜を徒らに加熱することなく加熱目
標である不飽和ポリエステル樹脂からなる接着剤3を効
果的に加熱してその接着力を弱めることができる。従っ
て、機能膜を変質させることなく安全ガラス4のブラウ
ン管パネル2からの分離を容易にすることができる。
【0016】(C)次に、手で安全ガラス4をブラウン
管パネル2から分離する。図1(C)はブラウン管パネ
ル2から分離された安全ガラス4を示す。安全ガラス4
をブラウン管パネル2に接着していた不飽和ポリエステ
ル樹脂からなる接着剤3は上記加熱により接着力が弱め
られていたから、安全ガラス4のブラウン管パネル2か
らの分離は手で簡単に行うことができる。 (D)安全ガラス4はブラウン管パネル2から分離され
ても安全ガラス4の裏面には接着剤3が付着したままに
なっている。この接着剤3は、次に補強型陰極線管のブ
ラウン管パネルに安全ガラス4をきちんと接着するとき
の妨げになるので、安全ガラス4の再生には絶対に除去
しなければならないものである。そこで、図1(D)に
示すように、安全ガラス4を有機溶剤例えば、ジクロー
ルメタン(別名塩化メチレン、或いはメチレンクロライ
ド)9に2時間以上、例えば3時間浸漬する。この浸漬
は、安全ガラス4裏面の不飽和ポリエステル樹脂からな
る接着剤3を膨潤させて取り易くするためである。この
場合、浸漬時間が2時間以下だと膨潤効果がほとんどな
い。従って、2時間以上浸漬する必要がある。後での不
飽和ポリエステル樹脂の除去のし易さを考えれば3時間
程度が最も好ましい。尚、浸漬時間をそれよりも長くす
ると、コストパーフォーマンスが悪くなる。
管パネル2から分離する。図1(C)はブラウン管パネ
ル2から分離された安全ガラス4を示す。安全ガラス4
をブラウン管パネル2に接着していた不飽和ポリエステ
ル樹脂からなる接着剤3は上記加熱により接着力が弱め
られていたから、安全ガラス4のブラウン管パネル2か
らの分離は手で簡単に行うことができる。 (D)安全ガラス4はブラウン管パネル2から分離され
ても安全ガラス4の裏面には接着剤3が付着したままに
なっている。この接着剤3は、次に補強型陰極線管のブ
ラウン管パネルに安全ガラス4をきちんと接着するとき
の妨げになるので、安全ガラス4の再生には絶対に除去
しなければならないものである。そこで、図1(D)に
示すように、安全ガラス4を有機溶剤例えば、ジクロー
ルメタン(別名塩化メチレン、或いはメチレンクロライ
ド)9に2時間以上、例えば3時間浸漬する。この浸漬
は、安全ガラス4裏面の不飽和ポリエステル樹脂からな
る接着剤3を膨潤させて取り易くするためである。この
場合、浸漬時間が2時間以下だと膨潤効果がほとんどな
い。従って、2時間以上浸漬する必要がある。後での不
飽和ポリエステル樹脂の除去のし易さを考えれば3時間
程度が最も好ましい。尚、浸漬時間をそれよりも長くす
ると、コストパーフォーマンスが悪くなる。
【0017】(E)次に、安全ガラス3の裏面に膨潤し
た状態で付着している不飽和ポリエステル樹脂からなる
接着剤3を、図1(E)に示すように樹脂或いは木から
なる削り具10を用いて手作業で削り落とす。これによ
り、安全ガラス4の裏面の接着剤3をほとんど除去する
ことができる。しかし、僅かに接着剤3が残っている場
合もある。その場合には、その不飽和ポリエステル樹脂
からなる接着剤3を例えば剃刀を用いて削り落とせば良
い。これで、安全ガラス4の裏面の接着剤3は完全に除
去することができる。 (F)尚、安全ガラス4の裏面の接着剤3を完全に除去
しても再生のための上記一連の工程中に安全ガラス4全
表面(機能膜の表面及び安全ガラス裏面)が汚れてお
り、その汚れを除去する必要がある。そこで、最終仕上
げ洗浄を行ってその汚れを除去するのであるが、それ
は、図1(F)に示すように、有機溶剤、例えばイソプ
ロピルアルコール11等に安全ガラス4を浸漬し、その
状態で超音波振動を加えることにより、即ち、超音波洗
浄により行う。これにより、安全ガラス4の表面の汚れ
は完全に除去できる。
た状態で付着している不飽和ポリエステル樹脂からなる
接着剤3を、図1(E)に示すように樹脂或いは木から
なる削り具10を用いて手作業で削り落とす。これによ
り、安全ガラス4の裏面の接着剤3をほとんど除去する
ことができる。しかし、僅かに接着剤3が残っている場
合もある。その場合には、その不飽和ポリエステル樹脂
からなる接着剤3を例えば剃刀を用いて削り落とせば良
い。これで、安全ガラス4の裏面の接着剤3は完全に除
去することができる。 (F)尚、安全ガラス4の裏面の接着剤3を完全に除去
しても再生のための上記一連の工程中に安全ガラス4全
表面(機能膜の表面及び安全ガラス裏面)が汚れてお
り、その汚れを除去する必要がある。そこで、最終仕上
げ洗浄を行ってその汚れを除去するのであるが、それ
は、図1(F)に示すように、有機溶剤、例えばイソプ
ロピルアルコール11等に安全ガラス4を浸漬し、その
状態で超音波振動を加えることにより、即ち、超音波洗
浄により行う。これにより、安全ガラス4の表面の汚れ
は完全に除去できる。
【0018】尚、最終仕上げ洗浄を終えた安全ガラス4
は、照明付き検査台で外観検査を受ける。即ち、安全ガ
ラス4表面に傷、汚れ等の欠陥が無いか否かの目視検査
が行われるのである。そして、この検査に合格した安全
ガラス4は再使用に供するために梱包される。このよう
な安全ガラスの再生方法によれば、機能膜付き安全ガラ
ス4を有する補強型陰極線管にその安全ガラス4以外の
不良が発生した場合においてその安全ガラス4を機能膜
の持つ機能を損なうことなく再利用できるようにし、も
って、不良発生による損失を小さくし、廃棄に要するコ
ストの低減を図り、資源の有効利用を図ることが可能に
なるのである。
は、照明付き検査台で外観検査を受ける。即ち、安全ガ
ラス4表面に傷、汚れ等の欠陥が無いか否かの目視検査
が行われるのである。そして、この検査に合格した安全
ガラス4は再使用に供するために梱包される。このよう
な安全ガラスの再生方法によれば、機能膜付き安全ガラ
ス4を有する補強型陰極線管にその安全ガラス4以外の
不良が発生した場合においてその安全ガラス4を機能膜
の持つ機能を損なうことなく再利用できるようにし、も
って、不良発生による損失を小さくし、廃棄に要するコ
ストの低減を図り、資源の有効利用を図ることが可能に
なるのである。
【0019】尚、上記実施例においては、安全ガラス4
をブラウン管パネル2から分離した後、ジクロールメタ
ン等の有機溶剤9に浸漬することにより不飽和ポリエス
テル樹脂からなる接着剤3を膨潤させた上でその接着剤
3を治具10を用いて削り取っていた。しかし、ブラウ
ン管パネル2から分離された安全ガラス4を有機溶剤に
浸漬して接着剤3を膨潤させるという工程を省略し、安
全ガラス4裏面の接着剤3を図2に示すように、ウォー
タージェット法により直接的に剥ぎ取るようにしても良
い。尚、図2において、12はノズル、13は該ノズル
12から噴射された超高圧水であり、この超高圧水12
の強い圧力(圧力例210〜1500Kgf/cm2 )
で不飽和ポリエステル樹脂からなる接着剤3を完全に取
ることができる。尚、このウォータージェット法を駆使
した再生方法は、図1に示した実施例とは、図1(D)
に示すジクロールメタン等の有機溶剤9への安全ガラス
4の浸漬をする工程がない点と、接着剤3の削り落とし
をウォータージェット法で行う点において異なるが、そ
れ以外の点では異なることはない。
をブラウン管パネル2から分離した後、ジクロールメタ
ン等の有機溶剤9に浸漬することにより不飽和ポリエス
テル樹脂からなる接着剤3を膨潤させた上でその接着剤
3を治具10を用いて削り取っていた。しかし、ブラウ
ン管パネル2から分離された安全ガラス4を有機溶剤に
浸漬して接着剤3を膨潤させるという工程を省略し、安
全ガラス4裏面の接着剤3を図2に示すように、ウォー
タージェット法により直接的に剥ぎ取るようにしても良
い。尚、図2において、12はノズル、13は該ノズル
12から噴射された超高圧水であり、この超高圧水12
の強い圧力(圧力例210〜1500Kgf/cm2 )
で不飽和ポリエステル樹脂からなる接着剤3を完全に取
ることができる。尚、このウォータージェット法を駆使
した再生方法は、図1に示した実施例とは、図1(D)
に示すジクロールメタン等の有機溶剤9への安全ガラス
4の浸漬をする工程がない点と、接着剤3の削り落とし
をウォータージェット法で行う点において異なるが、そ
れ以外の点では異なることはない。
【0020】
【発明の効果】請求項1の補強型陰極線管の安全ガラス
の再生方法によれば、安全ガラス及び接着剤を機能膜を
侵さないように加熱することにより、接着剤の接着力を
弱めることができるので、その接着剤で接着されている
安全ガラスとブラウン管パネルとの間を剥し易くなる。
そして、剥し易くした状態でその安全ガラスとブラウン
管パネルを剥すので、簡単に安全ガラスをブラウン管パ
ネルから分離することができる。そして、無機物からな
る機能膜を侵さず接着剤を侵す性質を有する有機溶剤に
安全ガラスを浸漬するので、安全ガラスの裏面に残存し
ている接着剤を機能膜を変質させることなく除去を容易
にすることができる。従って、安全ガラスを支障なく再
使用することができる。
の再生方法によれば、安全ガラス及び接着剤を機能膜を
侵さないように加熱することにより、接着剤の接着力を
弱めることができるので、その接着剤で接着されている
安全ガラスとブラウン管パネルとの間を剥し易くなる。
そして、剥し易くした状態でその安全ガラスとブラウン
管パネルを剥すので、簡単に安全ガラスをブラウン管パ
ネルから分離することができる。そして、無機物からな
る機能膜を侵さず接着剤を侵す性質を有する有機溶剤に
安全ガラスを浸漬するので、安全ガラスの裏面に残存し
ている接着剤を機能膜を変質させることなく除去を容易
にすることができる。従って、安全ガラスを支障なく再
使用することができる。
【0021】請求項2の補強型陰極線管の安全ガラスの
再生方法によれば、接着剤として不飽和ポリエステル樹
脂を用い、有機溶剤としてジクロールメタンを用いたの
で、ジクロールメタンが不飽和ポリエステル樹脂に対し
てこれを比較的短時間(例えば2〜3時間程度)で膨潤
させる性質を有することから、有機溶剤としてのジクロ
ールメタンにより安全ガラス裏面に残存する接着剤であ
る不飽和ポリエステル樹脂を容易に除去できるようにす
ることが短時間で可能となる。従って、安全ガラスを低
コストで支障なく再使用することができる。
再生方法によれば、接着剤として不飽和ポリエステル樹
脂を用い、有機溶剤としてジクロールメタンを用いたの
で、ジクロールメタンが不飽和ポリエステル樹脂に対し
てこれを比較的短時間(例えば2〜3時間程度)で膨潤
させる性質を有することから、有機溶剤としてのジクロ
ールメタンにより安全ガラス裏面に残存する接着剤であ
る不飽和ポリエステル樹脂を容易に除去できるようにす
ることが短時間で可能となる。従って、安全ガラスを低
コストで支障なく再使用することができる。
【0022】請求項3の補強型陰極線管の安全ガラスの
再生方法によれば、安全ガラスの有機溶剤への浸漬時間
が2時間以上なので、有機溶剤により安全ガラス裏面の
接着剤を充分に膨潤させることができ、接着剤を除去す
るのが極めて容易となる。請求項4の補強型陰極線管の
安全ガラスの再生方法によれば、安全ガラス及び接着剤
を機能膜を侵さないように加熱し、更に、ブラウン管パ
ネルと安全ガラスを分離した後、安全ガラスの裏面をウ
ォータージェット法で洗浄するので、安全ガラス表面の
機能膜に全く影響を与えることなく安全ガラス裏面に残
存する接着剤を極めて有効に除去することができる。ま
た、接着剤を膨張させる工程が不要なので、再生工程の
工程数が少なくなり、再生に要するコストを低減するこ
とができる。従って、安全ガラスを支障なく低コストで
再使用することが可能になる。
再生方法によれば、安全ガラスの有機溶剤への浸漬時間
が2時間以上なので、有機溶剤により安全ガラス裏面の
接着剤を充分に膨潤させることができ、接着剤を除去す
るのが極めて容易となる。請求項4の補強型陰極線管の
安全ガラスの再生方法によれば、安全ガラス及び接着剤
を機能膜を侵さないように加熱し、更に、ブラウン管パ
ネルと安全ガラスを分離した後、安全ガラスの裏面をウ
ォータージェット法で洗浄するので、安全ガラス表面の
機能膜に全く影響を与えることなく安全ガラス裏面に残
存する接着剤を極めて有効に除去することができる。ま
た、接着剤を膨張させる工程が不要なので、再生工程の
工程数が少なくなり、再生に要するコストを低減するこ
とができる。従って、安全ガラスを支障なく低コストで
再使用することが可能になる。
【0023】請求項5記載の補強型陰極線管の安全ガラ
スの再生方法によれば、安全ガラス及び接着剤の加熱を
赤外線により行うので、赤外線が透明な機能膜を透過す
る性質を有することから、安全ガラスの表面の機能膜を
徒に加熱することなく加熱目標の接着剤を効果的に加熱
してその接着力を弱めることができる。従って、機能膜
を変質させることなく安全ガラスのブラウン管パネルか
らの分離を容易にすることができる。請求項6記載の補
強型陰極線管の安全ガラスの再生方法によれば、加熱温
度を75〜120℃にし、加熱時間を2〜4分にしたの
で、機能膜を変質させることなく接着剤の接着力を有効
に弱めることができる。請求項7の補強型陰極線管の安
全ガラスの再生方法によれば、安全ガラスの機能膜が形
成された表面を有機溶剤で洗浄するので、機能膜を変質
させることなく機能膜表面を含め安全ガラス全面の汚れ
を確実に除去することができ、きれいに最終仕上げをす
ることができる。
スの再生方法によれば、安全ガラス及び接着剤の加熱を
赤外線により行うので、赤外線が透明な機能膜を透過す
る性質を有することから、安全ガラスの表面の機能膜を
徒に加熱することなく加熱目標の接着剤を効果的に加熱
してその接着力を弱めることができる。従って、機能膜
を変質させることなく安全ガラスのブラウン管パネルか
らの分離を容易にすることができる。請求項6記載の補
強型陰極線管の安全ガラスの再生方法によれば、加熱温
度を75〜120℃にし、加熱時間を2〜4分にしたの
で、機能膜を変質させることなく接着剤の接着力を有効
に弱めることができる。請求項7の補強型陰極線管の安
全ガラスの再生方法によれば、安全ガラスの機能膜が形
成された表面を有機溶剤で洗浄するので、機能膜を変質
させることなく機能膜表面を含め安全ガラス全面の汚れ
を確実に除去することができ、きれいに最終仕上げをす
ることができる。
【図1】(A)乃至(F)は本発明補強型陰極線管の安
全ガラスの再生方法の一つの実施例を示す工程図であ
る。
全ガラスの再生方法の一つの実施例を示す工程図であ
る。
【図2】本発明補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法
の別の実施例の説明図である。
の別の実施例の説明図である。
【図3】補強型陰極線管を示す図である。
2 ブラウン管パネル 3 接着剤(不飽和ポリエステル樹脂) 4 安全ガラス 7 赤外線加熱用ヒーター 9 有機溶剤(ジクロールメタン) 12 ウォータージェット用ノズル 13 高圧水
Claims (7)
- 【請求項1】 ブラウン管パネルの表面に、反射防止機
能を備えた機能膜を表面に有する安全ガラスの裏面を接
着剤を介して接着した補強型陰極線管の安全ガラスを再
生する補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法におい
て、 上記安全ガラス及び接着剤を上記機能膜を侵さないよう
に加熱する工程と、 上記ブラウン管パネルと安全ガラスを分離する工程と、 上記安全ガラスを有機溶剤に浸漬する工程と、 を有することを特徴とする補強型陰極線管の安全ガラス
の再生方法 - 【請求項2】 接着剤として不飽和ポリエステル樹脂を
用い、有機溶剤としてジクロールメタンを用いたことを
特徴とする請求項1記載の補強型陰極線管の安全ガラス
の再生方法 - 【請求項3】 安全ガラスの有機溶剤への浸漬時間が2
時間以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の
補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法 - 【請求項4】 ブラウン管パネルの表面に、反射防止機
能を備えた機能膜を表面に有する安全ガラスの裏面を接
着剤を介して接着した補強型陰極線管の安全ガラスを再
生する補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法におい
て、 上記安全ガラス及び接着剤を上記機能膜を侵さないよう
に加熱する工程と、 上記ブラウン管パネルと安全ガラスを分離する工程と、 上記安全ガラスの裏面をウォータージェット法で洗浄す
る工程と、 を有することを特徴とする補強型陰極線管の安全ガラス
の再生方法 - 【請求項5】 安全ガラス及び接着剤の加熱を赤外線に
より行うことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載
の補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法 - 【請求項6】 加熱温度を75〜120℃、加熱時間を
2〜4分にしたことを特徴とする請求項5記載の補強型
陰極線管の安全ガラスの再生方法 - 【請求項7】 安全ガラスの機能膜が形成された表面を
有機溶剤で洗浄する工程を有することを特徴とする請求
項1、2、3、4、5又は6記載の補強型陰極線管の安
全ガラスの再生方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22090394A JPH0864140A (ja) | 1994-08-22 | 1994-08-22 | 補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22090394A JPH0864140A (ja) | 1994-08-22 | 1994-08-22 | 補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0864140A true JPH0864140A (ja) | 1996-03-08 |
Family
ID=16758345
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22090394A Pending JPH0864140A (ja) | 1994-08-22 | 1994-08-22 | 補強型陰極線管の安全ガラスの再生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0864140A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0822014A3 (en) * | 1996-07-30 | 2000-02-09 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Disassembling method of electronic appliance and disassembling apparatus thereof |
CN100367442C (zh) * | 2004-05-14 | 2008-02-06 | 清华大学 | 一种crt玻壳分离方法及其专用设备 |
WO2013031051A1 (ja) * | 2011-09-01 | 2013-03-07 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイ装置の解体方法 |
-
1994
- 1994-08-22 JP JP22090394A patent/JPH0864140A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0822014A3 (en) * | 1996-07-30 | 2000-02-09 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Disassembling method of electronic appliance and disassembling apparatus thereof |
US6186848B1 (en) * | 1996-07-30 | 2001-02-13 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Disassembling method of electronic appliance and disassembling apparatus thereof |
EP1393825A1 (en) * | 1996-07-30 | 2004-03-03 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Disassembling method of electronic appliance and disassembling apparatus thereof |
CN100367442C (zh) * | 2004-05-14 | 2008-02-06 | 清华大学 | 一种crt玻壳分离方法及其专用设备 |
WO2013031051A1 (ja) * | 2011-09-01 | 2013-03-07 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイ装置の解体方法 |
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