JPH086287A - 電子写真トナー組成物 - Google Patents

電子写真トナー組成物

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JPH086287A
JPH086287A JP7097182A JP9718295A JPH086287A JP H086287 A JPH086287 A JP H086287A JP 7097182 A JP7097182 A JP 7097182A JP 9718295 A JP9718295 A JP 9718295A JP H086287 A JPH086287 A JP H086287A
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雅章 石山
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孝 平
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智之 吉田
Koichi Nagase
公一 長瀬
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ウレタン化合物を配合した電子写真トナ−組成
物。 【効果】低温定着性が優れ、ボイドのない高画質な画像
が得られ、また、高温環境下においてもブロッキングが
発生しないので、フラッシュ定着方式の電子写真トナ−
組成物として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真における静電
潜像を現像するための現像用粉体(以下トナ−組成物と
記す)、とりわけフラッシュ定着方式に適した電子写真
トナ−組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真プリンタ−における画像定着方
式としては、(1)電熱ヒ−タ−の加熱雰囲気中を通過
させるオ−ブン定着方式、(2)少なくとも一方が加熱
ロ−ルである一組のロ−ル間を通過させる熱ロ−ル定着
方式、(3)一組の剛性ロ−ル間を常温で通過させる圧
力定着方式、(4)フラッシュ定着方式、などが知られ
ている。
【0003】フラッシュ定着方式は、トナ−の可視像に
キセノンまたはハロゲンの発光スペクトルをミリ秒以下
の短時間照射してその輻射熱により紙面上に定着させる
方法で、定着に要する時間が極めて短時間であるため高
速度印字・高速度定着に適した定着方式である。
【0004】しかしながら、フラッシュ定着方式は、非
接触定着であるため周囲へのエネルギ−散逸の割合が高
く、エネルギ−効率の低い定着方式であること、高エネ
ルギ−のフラッシュ光の照射によりトナ−組成物の表面
温度は瞬間的に数百度の高温に達すること、ボイドと呼
ばれる画像不良が発生し易いこと、などの問題点があっ
た。
【0005】ボイドとはフラッシュ定着時に画像上に発
生するスポンジの穴のような白抜け部分を指す。発生の
メカニズムは必ずしも明かではないが、非接触定着のた
め定着時にトナ−および被印刷体に圧力がかからないこ
と、および極めて短時間に高エネルギ−をうけるためト
ナ−の溶融粘度が極端に低下し、表面張力によって溶融
トナ−が凝集することによると考えられる。即ち、溶融
したトナ−の粘性よりも表面張力が大きい場合ボイドが
発生する。また、ボイドが生じると、定着性も損なわれ
る。
【0006】一方、市場においては定着性に関する要求
が強く、より少ないエネルギ−で、より高い定着強度を
示すトナ−が求められている。これに対して、画像の定
着強度を高める方法には大きく分けて、特定の結着樹脂
成分を用いる方法、および特定の添加剤を加える方法、
の2つの方法が提案されている。
【0007】特定の結着樹脂を用いる方法としては、ス
チレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂な
どの結着樹脂を用いるに際して、特定の粘弾性を有する
結着樹脂成分を用いるトナ−組成物(特開平2−158
747号公報など)、特定の分子量分布を有する結着樹
脂を用いるトナ−組成物(特開昭61−176948号
公報)、特定の熱特性を有する結着樹脂を用いるトナ−
組成物(特開昭52−50241号公報)、ウレタン結
合などの特定の化学結合を結着樹脂に導入して、化学的
に変性した結着樹脂を用いるトナ−組成物(特開昭63
−49768号公報、特開平3−31858号公報、特
開平4−361271号公報)などが知られている。
【0008】特定の添加剤を加える方法としては、例え
ば特定の脂肪酸エステルを加える方法(特開昭60−1
84260号公報)、脂肪酸アミドを添加する方法(特
開昭60−252364号公報)などが提案されている
が、これらは熱ロ−ル定着方式において優れた定着性を
示すものであり、これら添加剤を用いたトナ−組成物を
フラッシュ定着方式に供すると十分な定着性が得られな
いばかりか、フラッシュ光照射による高温のため、添加
剤の一部が分解してガス化し悪臭を放ったり、ボイドが
激しく発生するという欠点があった。
【0009】また、フラッシュ定着時のボイドを抑制す
る方法としては、特定の組成、物性を有する結着樹脂を
用いる方法(特開平5−107805号公報)、特定の
物性を有する樹脂微粒子を添加する方法(特開平4−3
28576号公報、特開平4−328578号公報)な
どが知られているが、これらとてより少ないエネルギ−
で所定の定着強度が得られる、いわゆる低温定着に対し
ては必ずしも十分ではなかった。
【0010】さらに、定着性を補う目的で軟化温度の低
い結着樹脂や融点の低い添加剤を使用したトナ−は、高
温環境下に晒された場合、トナ−の表面が軟化し、トナ
−粒子同士がお互いに融着する、いわゆるブロッキング
を起こし易い。ブロッキングが発生するとトナ−の流動
性が低下しトナ−の供給がスム−ズでなくなるばかりで
はなく、トナ−の保存安定性が損なわれるという問題点
があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、低温定着性が優れ、ボイドのない高画質な画像が得
られ、また、高温環境下においてもブロッキングが発生
しない電子写真トナ−組成物について鋭意検討した結
果、少なくとも結着樹脂および着色剤を含有する電子写
真トナ−組成物においてウレタン化合物を配合すること
により所期の目的を達するトナ−組成物が得られること
を見出し、本発明に到達した。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、少な
くとも結着樹脂および着色剤を含有する電子写真トナ−
組成物においてウレタン化合物を含有することを特徴と
する電子写真トナ−組成物を提供するものである。
【0013】本発明におけるウレタン化合物は、分子中
にウレタン結合を有する化合物であれば特に限定されな
いが、通常、1種類または2種類以上のイソシアネ−ト
化合物と1種類または2種類以上のアルコ−ル化合物と
を反応させて調製することができる。
【0014】イソシアネ−ト化合物としては、ヘキサメ
チレンイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−トなどの
脂肪族イソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、
シクロヘキシルメタンジイソシアネ−トなどの脂環式イ
ソシアネ−ト、o−トリルイソシアネ−ト、m−トリル
イソシアネ−ト、p−トリルイソシアネ−ト、トリレン
−2,4−ジイソシアネ−ト、トリレン−2,6−ジイ
ソシアネ−ト、ジフェニルメタン−4、4’−ジイソシ
アネ−ト、1,3−キシリレンジイソシアネ−ト、1,
4−キシリレンジイソシアネ−ト、テトラメチルキシリ
レンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシア
ネ−ト、トリレン−2,4,6−トリイソシアネ−トな
どの芳香環を有するイソシアネ−ト、水素添加キシリレ
ンジイソシアネ−ト、水素添加ジフェニルメタン−4,
4−ジイソシアネ−トなどが好ましく用いられ、o−ト
リルイソシアネ−ト、m−トリルイソシアネ−ト、p−
トリルイソシアネ−ト、トリレン−2,4−ジイソシア
ネ−ト、トリレン−2,6−ジイソシアネ−ト、トリレ
ン−2,4−ジイソシアネ−トとトリレン−2,6−ジ
イソシアネ−トの混合物、などが特に好ましく用いられ
る。
【0015】ウレタン化合物を配合することが定着性の
向上、ボイドの抑制につながる理由は明確ではないが、
ウレタン化合物が被印刷体である一般の連続紙、カット
紙に対し親和性が高く、より密着し易いこと、またウレ
タン化合物と結着樹脂とりわけポリエステル系樹脂との
相溶性が著しく優れており、ウレタン化合物が結着樹脂
に極めて均質に分散することにより定着性が向上すると
同時に、フラッシュ光照射時のトナ−組成物の溶融粘度
と表面張力の関係がボイドを発生させないような適切な
関係にあることが原因と考えられる。
【0016】また、本発明におけるウレタン化合物は、
炭素数10以上の長鎖脂肪族炭化水素基を有することが
好ましい。長鎖脂肪族炭化水素基を有するウレタン化合
物が本発明において好ましい効果を与える理由は明確で
はないが、結着樹脂、例えばスチレン−(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、などの中に存在するエステル結合、エ−
テル結合や末端のカルボキシル基や水酸基などの極性成
分に対し、長鎖脂肪族炭化水素基は炭化水素からなる非
極性成分であるため比較的組成物の表面に析出し易いこ
とが挙げられる。すなわち、ウレタン結合の結着樹脂へ
の親和力と長鎖脂肪族炭化水素基の表面析出力により、
長鎖脂肪族炭化水素含有ウレタン化合物の添加量が少量
であっても効果的作用し、被印刷体への密着性向上、溶
融粘度および表面張力への寄与が発現するものと考えら
れる。
【0017】長鎖脂肪族炭化水素基が、イソシアネ−ト
化合物とアルコ−ル化合物の内、アルコ−ル化合物側に
用いられ、調製された、下式(1)で示されるウレタン
化合物がさらに好ましい。
【0018】
【化6】 (式中、R1 は脂肪族または芳香族炭化水素基、mは1
0以上の整数、nは1〜2m+1の奇数である) 加えて、長鎖脂肪族アルコ−ルと芳香族イソシアネ−ト
化合物から得られる下式(2)、(3)、(4)で示さ
れる長鎖脂肪族アルコ−ル由来の芳香族ウレタン化合物
が特に好ましい。
【0019】
【化7】 (式中、R2 は脂肪族炭化水素基、lは0〜3の整数、
mは10以上の整数、nは1〜2m+1の奇数である)
【化8】 (式中、R3 は脂肪族炭化水素基、lは0〜3の整数、
mは10以上の整数、nは1〜2m+1の奇数である)
【化9】 (式中、R4 は脂肪族炭化水素基、lは0〜3の整数、
mは10以上の整数、nは1〜2m+1の奇数である) 本発明において、全組成物100重量部中の長鎖脂肪族
炭化水素基を有するウレタン化合物の含有量は、0.1
〜20重量部が好ましく、1〜10重量部がさらに好ま
しい。長鎖脂肪族炭化水素基を有するウレタン化合物の
含有量が0.1重量部に満たない場合には十分な定着性
が得られないばかりか、フラッシュ定着時に画像上に発
生するボイドを抑制する効果も得られない。長鎖脂肪族
炭化水素基を有するウレタン化合物の含有量が20重量
部を越えると高温下での保存においてトナ−粒子同士の
ブロッキングが発生し、トナ−凝集物が生成する。
【0020】本発明における結着樹脂は、ポリスチレ
ン、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、ス
チレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、スチレン
−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−(メ
タ)アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−マレイン
酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体な
どのスチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系
樹脂などがあげられるが、ポリエステル系樹脂が好まし
く用いられる。
【0021】ポリエステル系樹脂の製造方法は特に限定
されるものではないが、有機金属化合物、金属酸化物、
非金属酸化物から選ばれた1つまたは2つ以上の化合物
の存在下または非存在下において、ジおよび/またはポ
リカルボン酸成分とジおよび/またはポリオ−ル成分を
不活性ガス雰囲気中において130〜280℃の温度で
縮合重合して得る方法が挙げられる。この際、重合の任
意の段階で減圧条件下に製造することもできる。
【0022】ジカルボン酸成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、シク
ロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、α−アルキル(ま
たはアルケニル)コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、
アゼライン酸、マロン酸、α−アルキル(またはアルケ
ニル)マロン酸、またはこれらの無水物、炭素数1〜4
の低級アルキルエステルを挙げることができる。このう
ち、テレフタル酸、イソフタル酸、およびこれら酸と炭
素数1〜4の低級アルコ−ルからなる低級アルキルエス
テルが好ましく用いられ、酸成分中の80モル%以上を
占めることが好ましい。
【0023】また、ポリカルボン酸成分としては、1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(トリメシン
酸)、またはこれらの無水物、炭素数1〜4の低級アル
キルエステルを挙げることができる。
【0024】ジオ−ル成分としては、式(5)で示され
るビスフェノ−ルAのアルキレンオキサイド付加物、エ
チレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレ
ングリコ−ル、1,2−プロピレングリコ−ル、1,3
−プロピレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、ネ
オペンチルグリコ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、
1,6−ヘキサンジオ−ル、ビスフェノ−ルAなどのビ
スフェノ−ル類を挙げることができる。
【0025】
【化10】 (式中、Rはエチレンまたはプロピレン基、x、yはそ
れぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値が2〜
7である。)このうち、ビスフェノ−ルAのアルキレン
オキサイド付加物が好ましく用いられ、ジオール成分中
の80モル%以上を占めることが好ましい。さらに好ま
しくはポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、またはポリオキ
シエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンが用いられる。
【0026】ポリオ−ル成分としては、ソルビト−ル、
1,4−ソルビタン、ペンタエリスリト−ル、ジペンタ
エリスリト−ル、トリペンタエリスリト−ル、グリセロ
−ル、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン
などを挙げることができる。
【0027】本発明における着色剤は、カ−ボンブラッ
ク、鉄黒などの無機顔料や、有彩色の染料および有機顔
料などが使用できる。
【0028】本発明の組成物は、本発明の目的を損なわ
ない範囲で、通常の帯電制御剤や分散剤、オフセット防
止剤を含有することができる。帯電制御剤としては、公
知のものであれば正および負いずれの帯電制御剤も使用
することができる。正帯電制御剤としては、ニグロシ
ン、第4級アンモニウム塩化合物などが、負帯電制御剤
としては、含金属アゾ化合物、サリチル酸誘導体の金属
化合物などが使用できる。
【0029】本発明の組成物の製造方法は特に限定され
るものではないが、好ましくは結着樹脂の軟化点以上の
温度において、結着樹脂、着色剤、長鎖脂肪族炭化水素
基を有するウレタン化合物、および必要に応じて帯電制
御剤、離型剤などの種々の添加剤を押出機を用いて均一
に溶融混練する方法が挙げられる。
【0030】得られた組成物は、通常の粉砕、分級工程
を経て、平均粒径5〜15μm、好ましくは7〜13μ
mの粉体の形でトナ−として使用される。この時に、流
動性向上剤やクリ−ニング剤、滑剤をトナ−粒子に外添
して用いてもよい。
【0031】流動性向上剤としては、平均粒径が0.0
05〜1.0μmの無機微粒子、有機微粒子を必要に応
じて添加することができる。無機微粒子としては、シリ
カ、酸化チタン、アルミナなどを挙げることができる
が、高い流動性が得られる点から疎水化処理されたシリ
カ微粒子が好ましい。また、有機微粒子としては、ポリ
メチルメタクリレ−ト樹脂微粒子、ポリスチレン−アク
リレ−ト樹脂微粒子、フルオロオレフィン樹脂微粒子、
シリコ−ン樹脂微粒子などの樹脂微粒子を挙げることが
できる。
【0032】本発明の電子写真トナ−組成物は、フラッ
シュ定着用電子写真トナ−組成物として特に好適に用い
られる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、
実施例中の部数はすべて重量基準である。
【0034】[参考例1] ポリエステル系結着樹脂−1の調製 ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン46.1部、ポリオキシ
エチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン40.5部、テレフタル酸13.3
部、イソフタル酸13.3部、α−オクチル無水コハク
酸4.2部、無水トリメリット酸3.1部を、0.60
部(全単量体重量の0.5重量%)のジブチル錫オキシ
ドと共に、ステンレス製撹拌翼、コンデンサ−付き留出
口、窒素導入口、を備え付けた試験管に仕込み、オイル
バス中で窒素気流下にてエステル化およびエステル交換
反応を行った。反応条件は、220℃にて2時間、25
0℃にて2時間加熱、さらに最終重合温度260℃にて
30mmHg以下の減圧下に1時間反応させて重合を完
結させた。
【0035】得られた樹脂は、数平均分子量3400、
重量平均分子量92000、高下式フロ−テスタ−によ
る溶融粘度は、106 ポイズ到達温度が109℃、10
5 ポイズ到達温度が130℃であった。
【0036】以下、この結着樹脂を”ポリエステル系結
着樹脂−1”と記す。
【0037】[参考例2] ポリエステル系結着樹脂−2の調製 ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン46.1部、ポリオキシ
エチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン40.5部、テレフタル酸29.9
部、トリメリット酸トリメチル2.2部、0.60部の
ジブチル錫オキシドを重合用試験管に仕込み、最終重合
温度を230℃とした以外は参考例1と同様の方法で重
合を行い、”ポリエステル系結着樹脂−2”を得た。
【0038】ポリエステル系結着樹脂−2は、数平均分
子量3400、重量平均分子量10000、高下式フロ
−テスタ−による溶融粘度は、106 ポイズ到達温度が
82℃、105 ポイズ到達温度が91℃であった。
【0039】[参考例3] ポリエステル系結着樹脂−3の調製 ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン46.1部、ネオペンチ
ルグリコ−ル10.4部、テレフタル酸13.3部、イ
ソフタル酸13.3部、トリメリット酸トリメチル6.
9部、0.45部のジブチル錫オキシドを重合用試験管
に仕込み、最終重合温度を250℃とした以外は参考例
1と同様の方法で重合を行い、”ポリエステル系結着樹
脂−3”を得た。
【0040】ポリエステル系結着樹脂−3は、数平均分
子量3000、重量平均分子量120000、高下式フ
ロ−テスタ−による溶融粘度は、106 ポイズ到達温度
が95℃、105 ポイズ到達温度が112℃であった。
【0041】[実施例1]ポリエステル系結着樹脂−1
を85部、カ−ボンブラック(REAGAL330R:
キャボット社製)10部、正帯電性帯電制御剤(ボント
ロンN−01:オリエント化学工業製)2部、長鎖脂肪
族炭化水素基含有ウレタン化合物(NPS−6010:
日本精蝋製、式(2)においてR2 がメチル基、l=
1、m=14〜18、n=2m+1、融点75度、酸価
11mgKOH/g)3部を撹拌混合した後、2軸押出
機で溶融混練し、冷却した後、粉砕・分級を行い、平均
粒径8.0μmのトナ−を得た。さらに、疎水性シリカ
微粒子(HVK−2150:ヘキストジャパン社製)を
トナ−に対し0.3部添加し、高速撹拌装置(エ−スホ
モジナイザ−AM−10:日本精機製作所製)にて撹拌
混合して、正帯電性トナ−を得た。
【0042】[実施例2]結着樹脂としてポリエステル
系結着樹脂−2を用いたこと以外は実施例1と同様の方
法で正帯電性トナ−を調製した。
【0043】[実施例3]結着樹脂としてポリエステル
系結着樹脂−3を用いたこと以外は実施例1と同様の方
法で正帯電性トナ−を調製した。
【0044】[実施例4]長鎖脂肪族炭化水素含有ウレ
タン化合物としてNPS−6010を1部とした以外は
実施例1と同様の方法で正帯電性トナ−を調製した。
【0045】[実施例5]長鎖脂肪族炭化水素基含有ウ
レタン化合物としてNPS−6010を10部とした以
外は実施例1と同様の方法で正帯電性トナ−を調製し
た。
【0046】[実施例6]長鎖脂肪族炭化水素基含有ウ
レタン化合物としてNPS−6010を20部とした以
外は実施例1と同様の方法で正帯電性トナ−を調製し
た。
【0047】[比較例1]長鎖脂肪族炭化水素基含有ウ
レタン化合物を用いないこと以外は実施例1と同様の方
法で正帯電性トナ−を調製した。
【0048】[比較例2]長鎖脂肪族炭化水素基含有ウ
レタン化合物に代えて脂肪酸エステル(カルナウバワッ
クス:野田ワックス製、融点84度)を用いたこと以外
は実施例1と同様の方法で正帯電性トナ−を調製した。
【0049】実施例1〜6、比較例1〜2の正帯電性ト
ナ−5部に対して鉄粉キャリア95部を撹拌混合し、現
像剤を調製した。評価は、フラッシュ定着方式のレ−ザ
−プリンタ−(FACOM−6700D:富士通製)を
用いて画像出しを行い、次に示す方法で定着性試験、画
質試験、ブロッキング性試験を行った。
【0050】定着性試験:キセノンランプに印加される
フラッシュ電圧を下げてフラッシュエネルギ−を標準値
から30%省エネルギ−した状態、18%省エネルギ−
した状態、標準状態の3つの条件で角ベタパタンを画像
出しし、テ−プ剥離試験を行った。テ−プ剥離前と剥離
後の反射濃度を反射濃度計(RD918:マクベス社
製)で測定し、その保持率を求めた。
【0051】画質試験:標準のフラッシュ電圧で格子パ
タンを画像出しし、画像を50倍のル−ペで覗き、ボイ
ドの有無を判定した。
【0052】ブロッキング性試験:55℃に設定した恒
温層中でトナ−約50gを24時間暴露させ、白紙上に
取り出して目視によりトナ−の凝集状態を評価した。凝
集物が存在しても、机上から白紙を持ち上げ、高さ5c
mから落下させて凝集物がほぐれる場合は実用上使用可
能であると判断した。
【0053】結果を表1に示す。
【0054】
【表1】 [実施例7]ポリエステル樹脂(TTR−2:花王製、
ガラス転移点65℃、軟化点135℃、酸価3mgKO
H/g、水酸基価41mgKOH/g)90部、カ−ボ
ンブラック(BLACK PEARLS 800:キャ
ボット社製)7部、、負帯電性帯電制御剤2部(T−7
7:保土ヶ谷化学工業製)、長鎖脂肪族炭化水素基含有
ウレタン化合物(HAD−5670:日本精蝋製、式
(3)においてR3 がメチル基、l=1、m=14〜1
8、n=2m+1、融点103度、酸価0.5mgKO
H/g)1部を撹拌混合後、130℃に設定した2軸押
出機にて溶融混練し、冷却した後、粉砕・分級を行い、
平均粒径8.0μmのトナ−を得た。さらに、疎水性シ
リカ微粒子(TS−720:キャボット社製)をトナ−
100部に対し、1.4部添加し、撹拌機(ス−パ−ミ
キサ−SMB−20:カワタ製)にて撹拌混合して、負
帯電性トナ−を得た。
【0055】[実施例8]ポリエステル樹脂をTTR−
2およびTTR−5(花王製:ガラス転移点60℃、軟
化点100℃、酸価3mgKOH/g、水酸基価20m
gKOH/g)の併用としそれぞれ70.4部と17.
6部、カ−ボンブラック(BLACK PEARLS
130:キャボット社製)、負帯電性帯電制御剤(アイ
ゼンスピロンブラックTRH:保土ヶ谷化学工業製)2
部、長鎖脂肪族炭化水素基含有ウレタン化合物(NPS
−6010:日本精蝋製)を3部を撹拌混合し、130
℃に設定した2軸押出機にて溶融混練し、冷却した後、
粉砕・分級を行い、平均粒径8.0μmのトナ−を得
た。さらに、疎水性シリカ微粒子(R972:日本アエ
ロジル製)およびポリフッ化ビニリデン微粒子(カイナ
−301F:ペンワォルト社製)をトナ−100部に対
し、それぞれ1.75部および0.35部添加し、撹拌
機(ス−パ−ミキサ−SMB−20:カワタ製)にて撹
拌混合して、負帯電性トナ−を得た。
【0056】[実施例9]ポリエステル樹脂TTR−2
およびTTR−5をそれぞれ36部ずつ、負帯電性帯電
制御剤(S−34:オリエント化学工業)4部、カ−ボ
ンブラック(MA−100:三菱化成製)10部、長鎖
脂肪族炭化水素基含有ウレタン化合物(HAD−567
0)10部、疎水性シリカ微粒子(R−812:日本ア
エロジル製)0.5部およびアルミナ微粒子(RFY−
C:日本アエロジル製)0.5部を用い、実施例7と同
様の方法で負帯電性トナ−を得た。
【0057】[実施例10]ポリエステル樹脂(TTR
−9:花王製:ガラス転移点69℃、軟化点122℃、
酸価20mgKOH/g、水酸基価39mgKOH/
g)88部、負帯電性帯電制御剤(T−95:保土ヶ谷
化学工業製)2部、カ−ボンブラック(REAGAL3
30R)7部、長鎖脂肪族炭化水素基含有ウレタン化合
物(NPS−6010)3部、疎水性シリカ(TS−7
20)0.5部および疎水性シリカ微粒子(RX−5
0:日本アエロジル製)0.5部、酸化チタン微粒子
(P−25:日本アエロジル製)0.25部を用い、実
施例7と同様の方法で負帯電性トナ−を得た。
【0058】[実施例11]結着樹脂として架橋スチレ
ン−ブチルアクリレ−ト樹脂(NC−6172:日本カ
−バイド製、ガラス転移点72℃、軟化点165℃、酸
価0.5mgKOH/g)を用い、2軸押出機による溶
融混練温度を180℃とした以外は実施例7と同様の方
法で負帯電性トナ−を得た。
【0059】[比較例3]長鎖脂肪族炭化水素基含有ウ
レタン化合物に代えて脂肪酸アミド化合物(ビスアマイ
ド(C1735CONH)2 (CH2 ):日本化成製、融
点143℃)を用い、2軸押出機による溶融混練温度を
150℃としたこと以外は実施例7と同様の方法で負帯
電性トナ−を得た。
【0060】[比較例4]長鎖脂肪族炭化水素基含有ウ
レタン化合物に代えて長鎖アルキル尿素化合物(ハクリ
−ンSPH C1837NHCONHC6 5 :日本化成
製、融点69℃)を用いたこと以外は実施例9と同様の
方法で負帯電性トナ−を得た。
【0061】実施例7〜11、比較例3〜4のトナ−4
重量部に対して、フェライトキャリア96重量部からな
る現像剤を調製し、フラッシュ定着方式のプリンタ−
(T8400:東レエンジニアリング製)にて画像出し
を行い、定着性試験、画質試験、ブロッキング性試験を
行った。結果を表2に示す。
【0062】
【表2】 以上のように、本発明のトナ−組成物は、低温定着性が
優れ、ボイドのない高画質な画像が得られ、また、高温
環境下においてもブロッキングが発生しないので、フラ
ッシュ定着方式に最適であることが分かる。
【0063】
【発明の効果】本発明のトナ−組成物は、低温定着性が
優れ、ボイドのない高画質な画像が得られ、また、高温
環境下においてもブロッキングが発生しないので、フラ
ッシュ定着方式に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 智之 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 (72)発明者 長瀬 公一 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも結着樹脂および着色剤を含有す
    る電子写真トナ−組成物においてウレタン化合物を含有
    することを特徴とする電子写真トナ−組成物。
  2. 【請求項2】ウレタン化合物が炭素数10以上の長鎖脂
    肪族炭化水素基を有することを特徴とする請求項1に記
    載の電子写真トナ−組成物。
  3. 【請求項3】ウレタン化合物が下式(1)で表される長
    鎖脂肪族炭化水素基含有ウレタン化合物であることを特
    徴とする請求項1に記載の電子写真トナ−組成物 【化1】 (式中、R1 は脂肪族または芳香族炭化水素基、mは1
    0以上の整数、nは1〜2m+1の奇数である)
  4. 【請求項4】ウレタン化合物が下式(2)で表される長
    鎖脂肪族炭化水素基含有ウレタン化合物であることを特
    徴とする請求項1に記載の電子写真トナ−組成物。 【化2】 (式中、R2 は脂肪族炭化水素基、lは0〜3の整数、
    mは10以上の整数、nは1〜2m+1の奇数である)
  5. 【請求項5】ウレタン化合物が下式(3)で表される長
    鎖脂肪族炭化水素基含有ウレタン化合物であることを特
    徴とする請求項1に記載の電子写真トナ−組成物。 【化3】 (式中、R3 は脂肪族炭化水素基、lは0〜3の整数、
    mは10以上の整数、nは1〜2m+1の奇数である)
  6. 【請求項6】ウレタン化合物が下式(4)で表される長
    鎖脂肪族炭化水素基含有ウレタン化合物であることを特
    徴とする請求項1に記載の電子写真トナ−組成物。 【化4】 (式中、R4 は脂肪族炭化水素基、lは0〜3の整数、
    mは10以上の整数、nは1〜2m+1の奇数である)
  7. 【請求項7】全組成物100重量部に対して長鎖脂肪族
    炭化水素基を有するウレタン化合物の含有量が0.1〜
    20重量部であることを特徴とする請求項1〜6のいず
    れかに記載の電子写真トナ−組成物。
  8. 【請求項8】結着樹脂がポリエステル系樹脂であること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真
    トナ−組成物。
  9. 【請求項9】ポリエステル系樹脂のジオ−ル成分中の8
    0モル%以上が下式(5)で表されるビスフェノ−ルA
    アルキレンオキサイド付加物であることを特徴とする請
    求項8に記載の電子写真トナ−組成物。 【化5】 (式中、Rはエチレンまたはプロピレン基、x、yはそ
    れぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値が2〜
    7である。)
  10. 【請求項10】ポリエステル系樹脂の酸成分中の80モ
    ル%以上がテレフタル酸、イソフタル酸、炭素数1〜4
    のアルコ−ルとこれら酸のアルキルエステルから選ばれ
    た1種以上の化合物であることを特徴とする請求項8に
    記載の電子写真トナ−組成物。
  11. 【請求項11】フラシュ定着方式により被印刷体に定着
    することを特徴とする請求項1〜10に記載の電子写真
    トナ−組成物。
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