JPH0862844A - ポジ型感光性組成物 - Google Patents

ポジ型感光性組成物

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JPH0862844A
JPH0862844A JP6193356A JP19335694A JPH0862844A JP H0862844 A JPH0862844 A JP H0862844A JP 6193356 A JP6193356 A JP 6193356A JP 19335694 A JP19335694 A JP 19335694A JP H0862844 A JPH0862844 A JP H0862844A
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裕紀 佐藤
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い感光性を有し、かつ広範囲の波長光での
使用が可能であり、露光部と未露光部との溶解性の差が
大きく、現像ラチチュードが高く、画像部(未露光部)
の皮膜性が高く、インク、溶剤等への耐性が高いポジ型
感光性組成物を提供することにある。 【構成】 少なくとも(a)酸により分解可能な−O−
C−O−、−O−C−S−及び−S−C−S−の少なく
とも1つの構造単位を有する3次元架橋樹脂と、(b)
活性光線または放射線の照射により分解して酸を発生す
る化合物とを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平版印刷版、多色印刷
の校正刷り、オーバーヘッドプロジェクター用図面、更
には半導体素子の集積回路を製造する際に微細なレジス
トパターンを形成することが可能なポジ型感光性組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版の用途において、活性光線に
より可溶化する、いわゆるポジティブに作用する感光性
物質としては、従来オルトキノンジアジド化合物が知ら
れており、実際平版印刷版等に広く利用されてきた。こ
の様なオルトキノンジアジド化合物は、例えば米国特許
第2,766,118号、同第2,767,092号、
同第2,772,972号、同第2,859,112
号、同第2,907,665号、同第3,046,11
0号、同第3,046,111号、同第3,046,1
15号、同第3,046,118号、同第3,046,
119号、同第3,046,120号、同第3,04
6,121号、同第3,046,122号、同第3,0
46,123号、同第3,061,430号、同第3,
102,809号、同第3,106,465号、同第
3,635,709号、同第3,647,443号の各
明細書をはじめ、多数の刊行物に記載されている。これ
らのオルトキノンジアジド化合物は、活性光線の照射に
より分解を起こして5員環のカルボン酸を生じ、アルカ
リ可溶性となることを利用したものであるが、いずれも
十分な感度を示すものではなかった。これは、オルトキ
ノンジアジド化合物を、光化学的に増感するのが困難で
あり、本質的にその量子収率が1を越えないことに起因
する。
【0003】また、これらの化合物を用いた平版印刷版
等は、通常、プリンター等でパターン状に露光し、アル
カリ現像液あるいは溶剤で露光部を除去することにより
作製されるが、現像液、溶剤の濃度、温度、現像時間の
影響を受け易く、感度が変化する(現像ラチチュード)
等の問題があった。また、感光波長が固定されるため、
光源適性は乏しく、白灯安全性付与等が困難であり、更
にDeep UV領域での吸収が大きいため、低波長光
使用によるフォトレジストの解像力向上を目的とした用
途には適さない。これらの欠点を克服するために、例え
ば特公昭52−4012号、米国特許第4,307,1
73号などの各公報及び明細書に記載の方法が試みられ
ているが、いずれも不十分な改良に留まっている。最
近、オルトキノンヂアジド化合物に替わる新規ポジ型感
光性材料の開発を目的として、いくつかの提案がなされ
ている。その一つとして、例えば特公昭56−2696
号公報に記載されているオルトカルビノールエステル基
を有するポリマー化合物を挙げることができるが、この
場合においても十分な感度が得られなかった。
【0004】一方、半導体素子、磁気バブルメモリ、集
積回路等の電子部品を製造するためのパターン形成法と
して、フォトレジストを利用する方法が一般に行われて
いるが、半導体素子等は高密度、高集積であるため、フ
ォトレジストには高解像度および高ドライエッチング性
を有することが必要になる。そのためにフォトレジスト
の主流もネガ型より、ポジ型に推移し、その中でも、特
に感度、解像力、ドライエッチング適性に優れているこ
とから、例えば、ジェー・シー・ストリエータ著、コダ
ック・マイクロエレクトロニクス・セミナー・プロシー
ディングス、第116頁(1976年)に記載されてい
るノボラック樹脂をベースにしたアルカリ現像型のポジ
型フォトレジストが現在広く使用されている。しかしな
がら、近年、電子機器の多様化、高密度化が急速な勢い
で進み、それに伴う高密度ならびに高集積化をはかるパ
ターンの微細化が強く要請されている。これらの要求に
対し、従来のキノンジアジド感光物に、アルカリ可溶性
を付与したポリシロキサンまたはポリシルメチレン等の
シリコーンポリマーを組み合わせた感光物、例えば特開
昭61−256347号、同61−144639号、同
62−159141号、同62−191849号、同6
2−220949号、同62−229136号、同63
−90534号、同63−91654号等の各公報に記
載の感光性組成物が開示されている。また、特開昭62
−136638号にポリシロキサン/カーボネートのブ
ロック共重合体に有効量のオニウム塩を組み合わせた感
光性組成物も開示されているが、いずれもアルカリ可溶
性のシリコーンポリマーの製造が困難であり、経時安定
性も十分ではなかった。
【0005】また、最近従来のキノンジアジドに代わる
ポジ型の感光材料として、光により酸を発生する化合物
および酸により加水分解等を生じ、アルカリ水に対する
溶解度が変化する化合物、必要に応じてバインダー樹脂
等を含有する組成物が報告されている。例えば露光で発
生した酸により、特定の低分子量または高分子量のアセ
タールおよびヒドロキシルまたはアミン成分として芳香
族化合物を含有するO,N−アセタール(米国特許第
3,779,778号)およびオルトエステルおよびア
ミドアセタール(西ドイツ国特許公開公報第26108
42号)を分解してポジ画像を形成させる方法を挙げる
ことができる。この様な化学増幅型ポジ組成物として
は、例えば特開昭64−33546号、同48−890
03号、同51−120714号、同53−13342
9号、同55−126236号、同53−133428
号、同55−12995号、同57−31674号、同
57−31675号、同57−37347号、同62−
215947号、特開平1−106040号、同1−1
06041号公報に記載されている組成物をあげること
ができる。
【0006】しかし、これらの組成物はいずれも感度が
低いか、未露光部と露光部の溶解度の差が小さいため、
現像処理条件のバラツキの影響を受け易いか、あるいは
ポジ画像のパターンの形状に問題があり、実用に供され
るまでには至っていない。また酸分解性化合物として、
エノールエーテル基を含有した化合物を用い、露光によ
り発生した酸でエノールエーテル部分を加水分解し、同
様の方法でポジ画像が形成できることは、特公昭62−
45971号公報に記載されている。また酸分解性化合
物としてアセタール構造、チオアセタール構造を有する
化合物を用いて同様の方法によりポジ画像を形成する方
法は、上記特許のほかに、特開昭53−133429
号、特開昭63−10153号、特開昭63−2415
40号、特開昭63−287950号、特開昭62−2
15947号、特開昭64−57258号、特開平1−
106040号、特開平1−106041号、特開平2
−118645号に開示されている。しかし、これらの
酸分解性化合物は、いずれも低分子化合物、あるいは主
鎖または側鎖にアセタール構造を有する線状高分子化合
物であるため、未露光部と露光部の溶解度の差が小さ
く、限られた条件でしか鮮明なポジ画像を得ることがで
きなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決するための新規なポジ型感光性組成物を供
することにある。即ち、高い感光性を有し、かつ広範囲
の波長光での使用が可能である新規なポジ型感光性組成
物を提供することにある。更なる本発明の目的は、露光
部と未露光部との溶解性の差が大きく、現像ラチチュー
ドの高いポジ型感光性組成物を提供することにある。更
なる本発明の目的は、画像部(未露光部)の皮膜性が高
く、インク、溶剤等への耐性が高いポジ型感光性組成物
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく、オルトキノンジアジドに替わる新規なポジ
型感光性組成物の探索を行った結果、例えば、2個以上
のビニルエーテル基等のエノールエーテル基を含有する
化合物と、例えばカルボキシル基が含まれているアクリ
ル樹脂等の酸基を有する線状高分子とを溶媒で希釈調整
し、支持体上に塗布乾燥した場合、乾燥熱で上記成分が
効果的に熱架橋し3次元架橋樹脂となり、アルカリ水溶
液、溶剤等に不溶となること、更にこの3次元架橋樹脂
の熱架橋部は、光により分解して酸を発生する化合物
(以下、光酸発生剤と言う場合がある。)から生じる酸
の存在下で効率よく加水分解して、可溶化することを見
いだし、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明の
目的は、下記(1)〜(2)の構成により達成すること
ができる。 (1)(a)酸により分解可能な下記構造単位(I)、
(II)、及び(III)の少なくとも1つを有する3
次元架橋樹脂と、(b)活性光線または放射線の照射に
より分解して酸を発生する化合物とを含有することを特
徴とするポジ型感光性組成物。
【0009】
【化3】
【0010】式中、R1 、R2 はそれぞれ独立に水素原
子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリール
オキシ基を表す。 (2)該成分(b)の活性光線または放射線の照射によ
り分解して酸を発生する化合物が、下記一般式(IV)
で表されるO−ナフトキノンジアジド化合物であること
を特徴とする前記(1)記載のポジ型感光性組成物。
【0011】
【化4】
【0012】式中、Aは2価の置換もしくは未置換の脂
肪族残基、2価の置換もしくは未置換の芳香族残基を示
す。
【0013】従来の化学増幅型ポジ系感光性組成物に使
用されている、酸により分解されアルカリ現像液に対し
て溶解性の変化する化合物は、いずれも低分子化合物、
あるいは主鎖および側鎖に酸分解性基(アセタールおよ
びチオアセタール基等)を有する線状高分子であり、未
露光部と露光部の溶解性の差を出すのに限界があり、現
像条件の広い範囲で良好なポジ画像を得ることは難し
い。これに対して、本発明のポジ型感光性組成物は、未
露光部が架橋構造の3次元架橋樹脂であるため、アルカ
リ現像液に不溶となり、広い現像ラチチュードを有す
る。また、本発明のポジ型感光性組成物は、3次元に架
橋している樹脂を含有していることから、溶剤にも不溶
となり、インクおよび印刷汚れ発生時に使用するプレー
トクリーナー等の処理薬品に対する耐性が高い。更に本
発明は、紫外線、可視光線、電子線またはX線に対し高
い感光性を示し、かつ広い現像条件で鮮明なポジ画像の
形成が可能な感光性樹脂に関する。更に、光により分解
して酸を発生する化合物が、前記式(IV)で示される
化合物であると、広範囲の波長光を吸収し易く酸の発生
を促進し、良好な結果が得られる。
【0014】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明は上記(a)および(b)の成分を含有するポジ型
感光性組成物であるが、成分(a)が酸分解可能なアセ
タール、チオアセタール構造を有する3次元架橋樹脂で
あることに第一の特徴がある。Al板やPET等の支持
体上に、均一に薄膜状態の3次元架橋樹脂を作る方法と
して、(ア)一般式(V)で示されるエノールエーテル
基および/または一般式(VI)で示されるエノールチ
オエーテル基を少なくとも2個以上有する化合物と、
(イ)酸基を有する線状高分子とを、溶剤に溶かし、支
持体上に塗布、乾燥する方法を用いることができる。乾
燥時にかかる熱により成分(ア)と成分(イ)が架橋反
応をおこし、アルカリ水、溶剤等に不溶の3次元架橋構
造を有する塗膜となる。 (R3 )(R4 )C=C(R5 )−O− (V) (R3 )(R4 )C=C(R5 )−S− (VI) 式中、R3 、R4 、R5 はそれぞれ独立に水素、アルキ
ル基、アリール基、アルコキシ基又はアリールオキシ基
を表す。また、それらの内の2つが結合して飽和または
オレフィン性不飽和の環を形成してもよい。ここで、前
記式(I)〜(III)のR1 及びR2 は、−CH(R
3 )(R4)、又はR5 を示す。
【0015】まず、上記成分(ア)のエノールエーテル
基およびエノールチオエーテル基を含有する化合物につ
いて説明する。一般式(V)のエノールエーテル基およ
び一般式(VI)のエノールチオエーテル基において、
3 、R4 及びR5 がアリール基の場合、一般に4〜2
0個の炭素原子(例えば、フェニル基、ナフチル基、ア
ントリル基、フェナントリル基等)を有し、アルキル
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシ
ルオキシ基、アルキルメルカプト基、アミノアシル基、
カルボアルコキシ基、ニトロ基、スルホニル基、シアノ
基またはハロゲン原子により置換されてもよい。R3
4 及びR5 がアルキル基を表す場合には、好ましくは
炭素数1〜20の飽和または不飽和の直鎖、分岐または
脂環のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プル
ピル基、イソプロピル基等)を示し、ハロゲン原子、シ
アノ基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基
またはアリール基により置換されていてもよい。また、
3 、R4 及びR5 のいずれか2つが結合してシクロア
ルキル基またはシクロアルケニル基を形成する場合には
通常3〜8、好ましくは5または6個の環員を表す。本
発明において、一般式(V)および(VI)で示される
エノールエーテル基又はエノールエーテル基のうち、好
ましいのは、R3 、R4 及びR5 がすべて水素であるビ
ニルエーテル基またはビニルチオエーテル基、R3 、R
4 及びR5 のうちひとつがメチル基、もしくはエチル基
で、残りが水素原子であるエノールエーテルまたはエノ
ールチオエーテル基、更に好ましいものはR3 、R4
びR5がすべて水素であるビニルエーテル基またはビニ
ルチオエーテル基である。
【0016】本発明では2つ以上のエノールエーテル基
またはエノールチオエーテル基を含有する種々の化合物
を使用することができるが、これらは大気圧下で60℃
以上の沸点を有する化合物であることが好ましい。成分
(ア)の好ましい化合物としては、下記一般式(VI
I)または(VIII)で示されるエノールエーテル化
合物またはエノールチオエーテル含有化合物を挙げるこ
とができる。 A−〔−O−(R6 −X)n −CH=CH2 m (VII) A−〔−B−R6 −X−CH=CH2 m (VIII) ここで、Aはm価のアルキル基、アリール基またはヘテ
ロ環基を、Bは−CO−O−、−NHCOO−または−
NHCONH−を、R6 は炭素数1〜10の直鎖または
分岐のアルキレン基を、Xは酸素原子または硫黄原子を
示す。nは0または1〜10の整数、mは2〜6の整数
を示す。一般式(VII)、(VIII)で示される化
合物は例えば、Stephen.C.Lapin,Po
lymers Paint Colour Journ
al,179(4237)、321(1988)に記載
されている方法、即ち多価アルコールまたは多価フェノ
ールとアセチレンとの反応、または多価アルコールもし
くは多価フェノールとハロゲン化アルキルビニルエーテ
ルとの反応に準じて合成することができる。
【0017】一般式(VII)で示されるエノールエー
テル化合物の具体例として、エチレングリコールジビニ
ルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテ
ル、1,3−ブタンジオールビニルエーテル、テトラメ
チレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリ
コールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリ
ビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエー
テル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シ
クロヘキサンジオールジビニルエーテル、テトラエチレ
ングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトール
テトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエー
テル、ソルビトールペンタビニルエーテル、エチレング
リコールジエチレンビニルエーテル、トリエチレングリ
コールジエチレンビニルエーテル、エチレングリコール
ジプロピレンビニルエーテル、トリメチロールプロパン
トリエチレンビニルエーテル、トリメチロールプロパン
ジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールジエ
チレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリエチ
レンビニルエーテル、1,2−ジ(ビニルエーテルメト
キシ)ベンゼン、1,2−(ジビニルエーテルメトキ
シ)ベンゼン、1,2−ジ(ビニルエーテルエトキシ)
ベンゼン、並びに以下の一般式(VII−1)〜(VI
I−41)で示される化合物をあげることができるがこ
れに限定されるものではない。
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】
【化11】
【0025】
【化12】
【0026】
【化13】
【0027】
【化14】
【0028】一般式(VII)で示されるエノールチオ
エーテル化合物の具体例として、エチレングリコールジ
ビニルチオエーテル、トリエチレングリコールジビニル
チオエーテル、1,3−ブタンジオールビニルチオエー
テル、テトラメチレングリコールジビニルチオエーテ
ル、ネオペンチルグリコールジビニルチオエーテル、ト
リメチロールプロパントリビニルチオエーテル、トリメ
チロールエタントリビニルチオエーテル、ヘキサンジオ
ールジビニルチオエーテル、1,4−シクロヘキサンジ
オールジビニルチオエーテル、テトラエチレングリコー
ルジビニルチオエーテル、ペンタエリスリトールテトラ
ビニルチオエーテル、ソルビトールテトラビニルチオエ
ーテル、ソルビトールペンタビニルチオエーテル、エチ
レングリコールジエチレンビニルチオエーテル、トリエ
チレングリコールジエチレンビニルチオエーテル、エチ
レングリコールジプロピレンビニルチオエーテル、トリ
メチロールプロパントリエチレンビニルチオエーテル、
トリメチロールプロパンジエチレンビニルチオエーテ
ル、ペンタエリスリトールジエチレンビニルチオエーテ
ル、ペンタエリスリトールトリエチレンビニルチオエー
テル、1,2−ジ(ビニルチオエーテルメトキシ)ベン
ゼン、1,2−(ジビニルチオエーテルメトキシ)ベン
ゼン、1,2−ジ(ビニルチオエーテルエトキシ)ベン
ゼン、並びに以下の一般式(VII−42)〜(VII
−56)で示される化合物をあげることができるがこれ
に限定されるものではない。
【0029】
【化15】
【0030】
【化16】
【0031】
【化17】
【0032】一方、一般式(VIII)(B=CO−O
−の場合)で示される化合物は多価カルボン酸とハロゲ
ン化アルキルビニルエーテル、または多価カルボン酸と
ハロゲン化アルキルチオビニルエーテルとの反応により
製造することができる。具体的にはテレフタル酸ジエチ
レンビニルエーテル、フタル酸ジエチレンビニルエーテ
ル、イソフタル酸ジエチレンビニルエーテル、フタル酸
ジプロピレンビニルエーテル、テレフタル酸ジプロピレ
ンビニルエーテル、イソフタル酸ジプロピレンビニルエ
ーテル、マレイン酸ジエチレンビニルエーテル、フマル
酸ジエチレンビニルエーテル、イタコン酸ジエチレンビ
ニルエーテル、テレフタル酸ジエチレンビニルチオエー
テル、フタル酸ジエチレンビニルチオエーテル、イソフ
タル酸ジエチレンビニルチオエーテル、フタル酸ジプロ
ピレンビニルチオエーテル、テレフタル酸ジプロピレン
ビニルチオエーテル、イソフタル酸ジプロピレンビニル
チオエーテル、マレイン酸ジエチレンビニルチオエーテ
ル、フマル酸ジエチレンビニルチオエーテル、イタコン
酸ジエチレンビニルチオエーテル等を挙げることができ
るが、これらに限定されるものではない。
【0033】更に本発明において好適に用いられるビニ
ルエーテル基又はビニルチオエーテル基含有化合物とし
ては、下記一般式(IX)、(X)または(XI)等で
示される活性水素を有するビニルエーテル化合物または
ビニルチオエーテル化合物と、イソシアナート基を有す
る化合物との反応により合成されるビニルエーテル基ま
たはビニルチオエーテル基含有化合物を挙げることがで
きる。 CH2 =CH−X−R7 −OH (IX) CH2 =CH−X−R7 −COOH (X) CH2 =CH−X−R7 −NH2 (XI) ここでR7 は炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキ
レン基を示す。またXは酸素原子または硫黄原子を示
す。イソシアナート基を含有する化合物としては、例え
ば架橋剤ハンドブック(大成社刊、1981年発行)に
記載の化合物を用いることができる。具体的には、トリ
フェニルメタントリイソシアナート、ジフェニルメタン
ジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、2,4
−トリレンジイソシアナートの2量体、ナフタレン−
1,5−ジイソシアナート、O−トリレンジイソシアナ
ート、ポリメチレンポリフェニルイソシアナート、ヘキ
サメチレンジイソシアナート等のポリイソシアナート
型、トリレンジイソシアナートとトリメチロールプロパ
ンの付加体、ヘキサメチレンジイソシアナートと水との
付加体、キシレンジイソシアナートとトリメチロールプ
ロパンとの付加体等のポリイソシアナートアダクト型等
を挙げることができる。上記イソシアナート基含有化合
物と、活性水素含有ビニルエーテル基又はビニルチオエ
ーテル基含有化合物とを反応させることにより、末端に
ビニルエーテル基またはビニルチオエーテル基を持つ種
々の化合物ができる。このような化合物の例を以下に列
挙するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
【化18】
【0035】
【化19】
【0036】
【化20】
【0037】
【化21】
【0038】以上述べてきたエノールエーテル基又はエ
ノールチオエーテル基を少なくとも2個含有する化合物
は単一で使用できるが、数種の混合物を使用してもよ
い。本発明の酸により加水分解可能な架橋構造を有する
樹脂は、上記エノールエーテル化合物または上記エノー
ルチオエーテル化合物と熱架橋可能な線状高分子化合物
とを塗布溶剤に溶解、塗布し、乾燥中に熱を加えること
により得られるが、この場合、エノールエーテル化合物
またはエノールチオエーテル化合物の添加量は、一般に
感光性組成物の全固形分に対し、1〜80重量%、好ま
しくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量
%である。
【0039】次にエノールエーテル化合物またはエノー
ルチオエーテル化合物と熱的に反応し、3次元架橋樹脂
を形成する酸基を有する線状高分子(イ)について説明
する。本発明で使用される酸基を含む線状高分子(イ)
は、エノールエーテル基またはエノールチオエーテル基
を少なくとも2個有する化合物と熱的に架橋し、その架
橋部が酸により効率よく分解するものであれば任意に選
択して用いることができる。
【0040】上記線状高分子は一般に線状高分子を得る
公知の方法により合成できるが、例えば、酸基、好まし
くはカルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、スルホン
アミド基等を有するビニルモノマーとそれらと共重合可
能な他のビニルモノマーを共重合することによって得る
ことができる。本発明において使用される酸基を含有す
るビニルモノマーとしては、例えばアクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、イソク
ロトン酸、p−ビニル安息香酸、p−ビニルベンゼンス
ルホン酸、p−ビニル桂皮酸、マレイン酸モノメチルエ
ーテル、マレイン酸モノエチルエーテル等が挙げられる
が、これに限定されるものではない。上記モノマーと共
重合可能な他のモノマーとしては、例えばアクリロニト
リル、アクリロアミド、メタクリルアミド、メチルメタ
クリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメ
タクリレート、ブチルメタクリレート、ベンジルメタク
リレート、ビニルベンゾエート、塩化ビニル、ビニリデ
ンクロライド、スチレン、酢酸ビニル、N−(4−スル
ファモイルフェニル)メタクリルアミド、N−フェニル
ホスホニルメタクリルアミド、ブタジエン、クロロプレ
ン、イソプレン、2−ヒドロキシエチルスチレン、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、p−2−ヒドロキシエチルスチレン、
p−ヒドロキシスチレン、3−メルカプトエチルアクリ
レート、2−メルカプトエチルメタクリレート等を挙げ
ることができるが、これらに限定されるものではない。
【0041】酸基を含有するビニルモノマーと他の共重
合可能なモノマーとは任意の組み合わせでかつ任意の数
のモノマーを共重合させることができるが、酸基を含有
するビニルモノマーと他の共重合可能なモノマーの比率
としては重量%で、2〜80:90〜20の範囲が適当
であり、好ましい範囲としては5〜70:95〜30、
より好ましい範囲としては5〜30:95〜70であ
る。又酸基を有する線状高分子(イ)は、酸基を有する
ジヒドロキシ化合物とジカルボン酸化合物との共縮合等
により得ることができる。例えば3,5−ジヒドロキシ
安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオ
ン酸、2,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロピオ
ン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピル)プロピ
オン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)酢酸、4,4−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ペンタン酸、酒石酸等の酸基を有するジヒ
ドロキシ化合物と、2,4−トリレンジイソシアナー
ト、2,4−トリレンジイソシアナートの2量体、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアナート、1,5−ナ
フチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシア
ナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、
4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナー
ト)等のジイソシアナート化合物を等当量で反応させる
ことにより、カルボキシル基を含有する線状ポリウレタ
ン樹脂が得られる。又更にカルボキシル基を有せず、イ
ソシアナートと反応しない他の置換基を有しても良いジ
オール化合物を併用しても良い。例えば、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、水添
ビスフェノールF、ビスフェノールAのエチレンオキサ
イド付加体等を挙げることができるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0042】又線状高分子(イ)は上記酸基を有するジ
オール、必要に応じて、上記他のジオールと、2官能の
カルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸等とを共縮合
することにより得ることができる。酸基を有するジオー
ルと他のモノマー単位との比率としては重量%で2から
80:98〜20の範囲が適当であり、好ましい範囲と
しては5〜70:95〜30、より好ましい範囲として
は5〜30:95〜70である。本発明で使用される酸
基を有する線状高分子(イ)として、フェノール性水酸
基を含有する樹脂を挙げることができる。具体的にはフ
ェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルム
アルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹
脂、o−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−
混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/ク
レゾールホルムアルデヒド樹脂等のノボラック樹脂、レ
ゾール型のフェノール樹脂類、フェノール変性キシレン
樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロ
キシスチレン、フェノール性水酸基を有するアクリル樹
脂等を挙げることができるがこれらに限定されるもので
はない。これらの線状高分子の分子量は、1,000〜
1,000,000、好ましくは1,500〜200,
000、より好ましくは2,000〜100,000で
ある。これらの内、好適に用いられる線状高分子として
は、酸基を含有するモノマーとヒドロキシル基またはメ
ルカプト基を含有するモノマーを一定の割合で含有した
共重合体をあげることができる。共重合体中の酸基を含
むモノマーの含有率が5〜50重量%、好ましくは5〜
40重量%、より好ましくは10〜30重量%、ヒドロ
キシル基またはメルカプト基を含むモノマーの含有率が
5〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、より好ま
しくは10〜30重量%の線状高分子が特に好適に用い
られる。本発明の線状高分子は単一で使用できるが、数
種の混合物として使用してもよい。感光性組成物中の線
状高分子の添加量は、一般に感光性組成物の全固形分に
対し、1〜95重量%、好ましくは20〜90重量%、
より好ましくは30〜80重量%の範囲である。
【0043】本発明で使用される活性光線又は放射線の
照射により分解して酸を発生する化合物としては、光カ
チオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色
素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト
等に使用されている公知の光により酸を発生する化合
物、及びそれらの混合物を適宜に選択して使用すること
ができる。例えば、S.I.Schlesinger,
Photogr.Sci.Eng.,18,387(1
974)、T.S.Bal et al,Polyme
r,21,423(1980)に記載のジアゾニウム
塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,
056号、同Re27,992号、特開平4−3650
49号の明細書に記載のアンモニウム塩、D.C.Ne
cker et al,Macromolecule
s,17,2468(1984)、C.S.Wen e
t al,Teh,Proc.Conf.Rad,Cu
ring ASIA,p478 Tokyo,Oct
(1988)、米国特許第4,069,055号、同
4,069,056号に記載のホスホニウム塩、J.
V.Crivello et al,Macromor
ecules,10(6),1307(1977)、C
hem.& Eng.News,Nov.28,p31
(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許
第339,049号、同第410,201号、特開平2
−150848号、特開平2−296514号に記載の
ヨードニウム塩、J.V.Crivello et a
l,Polymer J.17,73(1985)、
J.V.Crivello et al.J.Org.
Chem.,43,3055(1978)、W.R.W
att et al,J.Polymer Sci.,
Polymer Chem.Ed.,22,1789
(1984)、J.V.Crivello et a
l,PolymerBull.,14,279(198
5)、J.V.Crivello etal,Macr
omorecules,14(5),1141(198
1)、J.V.Crivel.lo et al,J.
Polymer Sci.,Polymer Che
m.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第
370,693号、同3,902,114号、同23
3,567号、同297,443号、同297,442
号、米国特許第4,933,377号、同161,81
1号、同410,201号、同339,049号、同
4,760,013号、同4,734,444号、同
2,833,827号、独国特許第2,904,626
号、同3,604,580号、同3,604,581号
に記載のスルホニウム塩、
【0044】J.V.Crivello et al,
Macromorecules,10(6),1307
(1977)、J.V.Crivel lo et a
l,J.Polymer Sci.,Polymer
Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載
のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Te
h,Proc.Conf.Rad.Curing AS
IA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記
載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,9
05,815号、特公昭46−4605号、特開昭48
−36281号、特開昭55−32070号、特開昭6
0−239736号、特開昭61−169835号、特
開昭61−169837号、特開昭62−58241
号、特開昭62−212401号、特開昭63−702
43号、特開昭63−298339号に記載の有機ハロ
ゲン化合物、K.Meier et al,J.Ra
d.Curing,13(4),26(1986),
T.P.Gill et al,Inorg.Che
m.,19,3007(1980)、D.Astru
c,Acc.Chem.Res.,19(12),37
7(1896)、特開平2−161445号に記載の有
機金属/有機ハロゲン化物、S.Hayase eta
l,J.Polymer Sci.,25,753(1
987)、E.Reichmanis et al,
J.Polymer Sci.,Polymer Ch
em.Ed.,23,1(1985)、Q.Q.Zhu
et al,J.Photochem.,36,8
5,39,317(1987)、B.Amit et
al,Tetrahedron Lett.,(24)
2205(1973),
【0045】D.H.R.Barton et al,
J.Chem.Soc.3571(1965)、P.
M.Collins et al,J.Chem.So
c.,Perkin I,1695(1975)、M.
Rudinstein etal,Tetrahedr
on Lett.,(17),1445(1975)、
J.W.Walker et al,J.Am.Che
m.Soc.,110,7170(1988)、S.
C.Busman et al,J.Imaging
Technol.,11(4),191(1985)、
H.M.Houlihan et al,Macrom
olecules,21,2001(1988)、P.
M.Collins et al,J.Chem.So
c.,Chem.Commun.,532(197
2)、S.Hayase et al,Macromo
lecules,18,1799(1985)、E.R
eichmanis et al,J.Electro
chem.Soc.,SolidState Sci.
Technol.,130(6)、F.M.Houli
han et al,Macromolecules,
21,2001(1988)、欧州特許第0290,7
50号、同046,083号、同156,535号、同
271,851号、同0,388,343号、米国特許
第3,901,710号、同4,181,531号、特
開昭60−198538号、特開昭53−133022
号に記載のo−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発
生剤、M.TUNOOKA et al,Polyme
r Preprints Japan,38(8)、
G.Berner et al,J.Rad.Curi
ng,13(4)、W.J.Mijs et al,C
oating Technol.,55(697),4
5(1983)、Akzo,H.Adachi eta
l,Polymer Preprints,Japa
n,37(3)、欧州特許第0199,672号、同8
4515号、同199,672号、同044,115
号、同0101,122号、米国特許第4,618,5
64号、同4,371,605号、同4,431,77
4号、特開昭64−18143号、特開平2−2457
56号、特願平3−140109号に記載のイミノスル
フォネート等に代表される、光分解してスルホン酸を発
生する化合物、特開昭61−166544号に記載のジ
スルホン化合物を挙げることができる。
【0046】またこれらの光により酸を発生する基、あ
るいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合
物、例えば、M.E.Woodhouse et a
l,J.Am.Chem.Soc.,104,5586
(1982)、S.P.Pappas et al,
J.Imaging Sci.,30(5),218
(1986)、S.Kondo et al. Mak
romol.Chem.,Rapid Commu
n.,9,625(1988)、Y.Yamada e
tal,Makromol.Chem.,152,15
3,163(1972)、J.V.Crivello
et al.J.Poylmer Sci.,Poly
mer Chem.Ed.,17,3845(197
9)、米国特許第3,849,137号、独国特許第
3,914,407、特開昭63−26653号、特開
昭55−164824号、特開昭62−69263号、
特開昭63−1460387、特開昭63−16345
2号、特開昭62−153853号、特開昭63−14
6029号に記載の化合物を用いることができる。
【0047】更に、V.N.R.Pillai,Syn
thesis,(1),1(1980)、A.Abad
et al,Tetrahedr on Let
t.,(47)4555(1971)、D.H.R.B
arton et al,J.Chem.Soc.,
(C),329(1970)、米国特許第3,779,
778号、欧州特許第126,712号に記載の光によ
り酸を発生する化合物も使用することができる。その中
で、特に好適に使用される活性光線または放射線の照射
により酸を発生する化合物として、下記一般式(IV)
で表されるO−ナフトキノンジアジド化合物をあげるこ
とができる。
【0048】
【化22】
【0049】式中、Aは2価の置換もしくは未置換の脂
肪族残基、2価の置換もしくは未置換の芳香族基を挙げ
ることができる。一般式(IV)において、Aの2価の
脂肪族残基としては直鎖、分岐および/または環状のも
のであり、飽和結合および/または不飽和結合を有し、
好ましくは炭素原子数が2〜20のものである。例え
ば、エチレン基、トリエチレン基、プロピレン基、エチ
ルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1−エチ
ル−1−メチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン
基、テトラメチルエチレン基、ドデシルエチレン基、オ
クタデシルエチレン基、2−メチルトリメチレン基、2
−エチルトリメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレ
ン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、2−エチル−
2−メチルトリメチレン基、1−エチル−3−メチルト
リメチレン基、1,2−シクロブチレン基、1,2−シ
クロヘキシレン基、1,2,2−トリメチル−1,3−
シクロペンチレン基、2,3−ノルボルニレン基、ビニ
レン基、メチルビニレン基、1,1−ジメチルビニレン
基、メチレンエチレン基、ノネニルエチレン基、ドデシ
ニルエチレン基、オクタドデセニルエチレン基、1−シ
クロヘキセン−1,2−イレン基、4−シクロヘキセン
−1,2−イレン基、5−メチル−4−シクロヘキセン
−1,2−イレン基、4,5,6−トリメチル−4−シ
クロヘキセン−1,2−イレン基、5−ノルボルネン−
2,3−イレン基、ビシクロ〔2,2,2〕オクト−5
−エン−2,3−イレン基などが含まれる。
【0050】また、Aの2価の置換脂肪族残基は、上記
の如き2価の脂肪族残基に例えばフェニル基などのアリ
ール基が置換したもの、酸素原子により構造中にエーテ
ル結合を形成させたもの、あるいはクロロ基などのハロ
ゲン基が置換したものなどが含まれる。例えば、1−メ
チル−1−フェニルエチレン基、1−ベンジル−1−メ
チルエチレン基、1−フェニルエチレン基、1,1−ジ
フェニルエチレン基、1−フェニルトリメチレン基、2
−フェニルトリメチレン基、1−エチル−1−フェニル
トリメチレン基、フェニルビニレン基、3,6−オキソ
−1,2,3,6−テトラヒドロフタリル基、1,4,
5,6,7,7−ヘキサクロロ−5−ノルボルネン−
2,3−イレン基などが挙げられる。Aの2価の芳香族
残基としては、アリーレン基および複素芳香族残基を含
み、好ましくは単環あるいは2環のものであり、例え
ば、O−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、1,8
−ナフチレン基、2,3−ピリジイリル基、2,3−ピ
ラジンジイル基、2,3−ベンゾ〔b〕チオフェンジイ
ル基などが含まれる。
【0051】また、Aの2価の置換芳香族残基は、上記
の如き2価の芳香族残基に、例えばメチル基などの低級
アルキル基が置換したもの、クロロ基、ブロモ基などの
ハロゲン基が置換したもの、あるいはニトロ基、アセト
アミノ基などが置換したものが含まれ、例えば3−メチ
ル−1,2−フェニレン基、4−メチル−1,2−フェ
ニレン基、3−クロロ−1,2−フェニレン基、4−ク
ロロ−1,2−フェニレン基、3−ブロモ−1,2−フ
ェニレン基、3,6−ジクロロ−1,2−フェニレン
基、3,6−ジブロモ−1,2−フェニレン基、3,
4,5,6−テトラクロロ−1,2−フェニレン基、
3,4,5,6−テトラブロモ−1,2−フェニレン
基、3−ニトロ−1,2−フェニレン基、3−アセトア
ミノ−1,2−フェニレン基、4−クロロ−1,8−ナ
フチレン基、4−ブロモ−1,8−ナフチレン基、4,
5−ジブロモ−1,8−ナフチレン基、4−ブロモ−5
−クロロ−1,8−ナフチレン基、4−ニトロ−1,8
−ナフチレン基、5−メチル−2,3−ベンゾ〔b〕チ
オフェンジイル基、5−クロロ−2,3−ベンゾ〔b〕
チオフェンジイル基、1−エチル−2,3−インドール
ジイリル基などが挙げられる。本発明で用いられる前記
の一般式(IV)で表されるO−ナフトキノンジアジド
化合物は、G.F.Jaubert著、Bericht
e der Deutschen Chemische
n Gesellschaft,28,360〜364
(1895)に記載の方法、D.E.Amesら著、J
ournalof the chemical Soc
iety.3518〜3521(1955)に記載の方
法、M.A.Stolbergら著、Journal
ofthe chemical Society.7
9,2615〜2617(1957)記載の方法、L.
Bauerら著、Journal of Organi
c chemistry,24,1293〜1296
(1959)記載の方法、あるいはL.M.Werbe
lら著、Journal of Medicalche
mistry,10,32〜36(1967)記載の方
法などに従い合成される一般式(XII)
【0052】
【化23】
【0053】で表される化合物と1,2−ナフトキノン
−2−ジアジド−4−スルホン酸クロリドとを脱塩化水
素剤共存下、脱塩化水素縮合反応させることにより合成
することができる。本反応は、脱塩化水素剤共存下であ
れば、水溶媒中、有機溶剤中いずれでも進行する。水溶
媒中の場合、脱塩化水素剤としては水酸化リチウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム等が好適である。有機溶媒中にて反応を行う
場合、有機溶剤としてはOH基を有しない、例えばジエ
チルエーテル、ジイソプロピルエーテル、アセトン、ジ
クロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、ベンゼン、トルエ
ン、アセトニトリル等が好適であり、脱塩化水素剤とし
ては、ピリジン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、
N,N−ジメチルアニリン等が好ましい。反応は一般式
(XII)の化合物1当量に対して1,2−ナフトキノ
ン−2−ジアジド−4−スルホン酸クロリド1〜1.5
当量、脱塩化水素剤1〜1.5当量用いるのが好まし
く、反応温度は−10℃〜40℃が好ましい。次に本発
明に用いられるO−ナフトキノンジアジド化合物を例示
するが、これに限定されるものではない。
【0054】
【化24】
【0055】
【化25】
【0056】
【化26】
【0057】
【化27】
【0058】
【化28】
【0059】
【化29】
【0060】
【化30】
【0061】上記一般式(IV)で示される化合物は、
約250nmから500nmの範囲内に含まれる活性光
線により、非常に効率よくスルホン酸を生成する。これ
らの活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生
する化合物の添加量は、感光性組成物の全固形分を基準
として通常0.001〜40重量%の範囲であり、好ま
しくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.2〜1
0重量%の範囲である。
【0062】本発明のポジ型感光性組成物には必要に応
じて、前記酸を発生する化合物の光酸発生効率を増大さ
せる化合物(増感剤)、染料、顔料、可塑剤、更にポジ
型感光性組成物のアルカリ水溶液への溶解性を調整する
目的で公知の種々の化合物を添加することができる。増
感剤としては、ピレン、ペリレン等の電子供与性化合
物、あるいはメロシアニン色素、シアニン色素等を使用
できるがこれらに限定されるものではない。これらの増
感剤と前記成分(b)との割合は、好ましくはモル比で
0.01/1〜20/1、重量比で0.1/1〜5/1
の範囲である。また、本発明のポジ型感光性組成物には
着色剤として染料を用いることができるが、好適な染料
としては油溶性染料又は塩基性染料がある。具体的に
は、例えばオイルイエロー#101、オイルイエロー#
130、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、
オイルブルーBOS、オイルブラックBY、オイルブラ
ックBS、オイルブラックT−505(以上オリエンタ
ル化学工業(株)製)、クリスタルバイオレット(CI
42555)、メチルバイオレット(CI4253
5)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイト
グリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI5
2015)などを挙げることができる。これらの染料
は、感光性組成物の全固形分に対し、0.01〜10重
量%、好ましくは0.1〜3重量%の割合で感光性組成
物中に添加することができる。また、本発明のポジ型感
光性組成物のアルカリ水溶液への溶解性を調整する化合
物としては、環状酸無水物、その他のフィラーなどを加
えることができる。環状酸無水物としては米国特許第
4,115,128号明細書に記載されているような無
水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ
無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−テトラヒドロ無
水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水マレイン
酸、クロロ無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン
酸、無水コハク酸、ピロメリット酸等がある。これらの
環状酸無水物を好ましくは感光性組成物の全固形分に対
し1〜15重量%、好ましくは2〜15重量%、より好
ましくは3〜10重量%含有させることによって感度を
最大3倍程度まで高めることができる。更に露光部と未
露光部との溶解性の差を出す目的で、例えば特開昭62
−27829号、特開昭63−250642号、特開昭
63−139343号、特開平4−63846号、特開
平4−70021号、特開平4−67677号、特開昭
60−191372号、特開昭63−139343号、
特開昭48−39003号、特開昭51−120714
号、特開昭53−133429号、特開昭55−126
236号、特開平1−106038号、特開昭64−5
7258号に記載の酸により加水分解され、アルカリ可
溶性となる化合物を使用することができる。
【0063】本発明のポジ型感光性組成物は、平版印刷
版用の材料として使用する場合には上記各成分を溶解す
る溶剤に溶かして、支持体上に塗布する。また、半導体
等のレジスト材料用としては、溶媒に溶解したままで使
用する。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロ
ライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノー
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メト
キシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルア
セテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリ
ドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロ
ラクトン、トルエン、酢酸エチル、ジオキサンなどがあ
り、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。溶
媒中の上記成分(添加物を含む全固形分)の濃度は、好
ましくは2〜50重量%、好ましくは3〜30重量%、
より好ましくは5〜20重量%である。また、塗布して
使用する場合、塗布量は用途により異なるが、例えば感
光性平版印刷版についていえば一般的に固形分として
0.5〜3.0g/m2 、好ましくは0.8〜2.5g
/m2 、より好ましくは1.0〜2.0g/m2 であ
り、またフォトレジストについていえば一般的に固形分
として0.1〜3.0g/m2 が好ましく、より好まし
くは0.2〜2.0g/m2 、更に好ましくは0.3〜
1.5g/m2 である。塗布量が少なくなるにつれて、
感光性は大になるが、感光膜の皮膜特性は低下する。
【0064】本発明のポジ型感光性組成物を用いて平版
印刷版を製造する場合、その支持体としては、例えば、
紙、プラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレンなど)がラミネートされた紙、例えば
アルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜鉛、銅な
どのような金属板、例えば、二酢酸セルロース、三酢酸
セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロー
ル、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ
プロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール
などのようなプラスチックのフィルム、上記のごとき金
属がラミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラ
スチックフィルムなどが含まれる。これらの支持体のう
ち、アルミニウム板は寸度的に著しく安定であり、しか
も安価であるので特に好ましい。更に特公昭48−18
327号公報に記されているようなポリエチレンテレフ
タレートフィルム上にアルミニウムシートが結合された
複合体シートも好ましい。アルミニウム板の表面をワイ
ヤブラシングレイニング、研磨粒子のスラリーを注ぎな
がらナイロンブラシ粗面化するブラシングレイニング、
ボールグレイニング、液体ホーニングによるグレイニン
グ、バフグレイニング等の機械的方法、HFやAlCl
3 、HClをエッチャントするケミカルグレイニング、
硝酸又は塩酸を電解液とする電解グレイニングやこれら
の粗面化法を複合させて行った複合グレイニングによっ
て表面を砂目立てした後、必要に応じて酸又はアルカリ
によりエッチング処理し、引き続き硫酸、リン酸、クロ
ム酸、スルファミン酸又はこれらの混酸中で直流又は交
流電源にて陽極酸化を行い、アルミニウム表面に強固な
不動態皮膜を設けたものが好ましい。また、砂目立て処
理、陽極酸化後、封孔処理を施したものが好ましい。か
かる封孔処理は熱水及び無機塩又は有機塩を含む熱水溶
液への浸漬並びに水蒸気浴などによって行われる。
【0065】このような不動態皮膜自体でアルミニウム
表面は親水化されるが、更に必要に応じて米国特許第
2,714,066号明細書や米国特許第3,181,
461号明細書に記載されている珪酸塩処理(珪酸ナト
リウム、珪酸カリウム)、米国特許第2,946,63
8号明細書に記載されているフッ化ジルコニウム酸カリ
ウム処理、米国特許第3,201,247号明細書に記
載されているホスホモリブデート処理、英国特許1,1
08,559号明細書に記載されているアルキルチタネ
ート処理、独国特許第1,091,443号明細書に記
載されているポリアクリル酸処理、独国特許第1,13
4,093号明細書や英国特許第1,230,447号
明細書に記載されているポリビニルホスホン酸処理、特
公昭44−6409号公報に記載されているホスホン酸
処理、米国特許第3,307,951号明細書に記載さ
れているフイチン酸処理、特開昭58−16893号や
特開昭58−16291号の各公報に記載されている親
水性有機高分子化合物と2価の金属イオンとの錯体によ
る下塗処理、特開昭59−101651号公報に記載さ
れているスルホン酸基を有する水溶性重合体の下塗によ
って親水化処理を行ったものは特に好ましい。その他の
親水化処理方法としては、米国特許第3,658,66
2号明細書に記載されているシリケート電着を挙げるこ
とができる。
【0066】本発明のポジ型感光性組成物は公知の塗布
技術により上記の支持体上に塗布される。上記の塗布技
術の例としては、回転塗布法、ワイヤーバー塗布法、デ
ィップ塗布後、エアーナイフ塗布法、ロール塗布法、ブ
レード塗布法、カーテン塗布法及びスプレー塗布法等を
挙げることができる。上記のようにして塗布されたポジ
型感光性組成物の層は、40〜150℃で30秒〜10
分間、熱風乾燥機、赤外線乾燥機等を用いて乾燥され
る。成分(a)と成分(b)との架橋は、感光性組成物
の塗布、乾燥時に熱をかける方法又は塗布乾燥機に熱を
かける方法等が挙げられる。加熱は、好ましくは60℃
〜150℃、更に好ましくは80℃〜130℃で、5秒
〜20分間、好ましくは、20秒〜5分間行う。本発明
のポジ型感光性組成物をフォトレジストとして使用する
場合には銅板又は銅メッキ板、シリコン板、ステンレス
板、ガラス板等の種々の材質の基板を支持体として用い
ることができる。
【0067】本発明のポジ型感光性組成物を含む感光性
平版印刷版又はフォトレジスト等は、通常、像露光、現
像工程を施される。像露光に用いられる活性光線の光源
としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キ
セノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯など
がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビー
ム、遠紫外線などがある。フォトレジスト用の光源とし
ては、g線、i線、Deep−UV光が好ましく使用さ
れる。また、高密度エネルギービーム(レーザービーム
又は電子線)による走査露光も本発明に使用することが
できる。このようなレーザービームとしてはヘリウム・
ネオンレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンイオン
レーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー、KrFエキ
シマレーザーなどが挙げられる。本発明のポジ型感光性
組成物の現像に用いる現像液としては、珪酸ナトリウ
ム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン
酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸ア
ンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、
アンモニア水などのような無機アルカリ剤や、テトラア
ルキルアンモニウムハイドライドなどのような有機アル
カリ剤の水溶液が適当であり、それらの濃度が0.1〜
10重量%、好ましくは0.5〜5重量%になるように
添加される。また、該アルカリ性水溶液には、必要に応
じて界面活性剤やアルコールなどのような有機溶媒を加
えることもできる。
【0068】
【実施例】以下、本発明の実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1〜20及び比較例1〜5厚さ0.24mmの1
Sアルミニウム板を80℃に保った第三燐酸ナトリウム
の10%水溶液に3分間浸漬して脱脂し、ナイロンブラ
シで砂目立てした後、アルミン酸ナトリウムで約10分
間エッチングして、硫酸水素ナトリウム3%水溶液でデ
スマット処理を行った。このアルミニウム板を20%硫
酸中で電流密度2A/dm2 において2分間陽極酸化を
行った。表1に示される化合物を用いて、下記処方のと
おりに25種類の感光液〔A〕−1〜〔A〕−20、
〔A′〕−1〜〔A′〕−5を調製した。この感光液を
陽極酸化したアルミニウム板上に塗布し、100℃で1
0分間乾燥して各々の感光性平版印刷版を作成した。こ
のときの塗布量は全て乾燥重量で1.7g/m2 になる
ように調整した。 感光液処方〔A〕 表1の線状高分子 2.0g 表1のエノールエーテル基又は エノールチオエーテル基含有の化合物 0.4g 表1の光酸発生剤 0.1g ジオキサン 50.0g メタノール 15.5g
【0069】乾燥時の熱による感光層の架橋を確認する
ため、得られた感光性平版印刷版を表2に示す溶媒に5
分間浸漬し、水洗したあと塗膜の溶解状態を観察した。
その結果を表2に示す。Aは不溶、Bは一部溶解(膜減
り)、Cは溶解を表す。表2の結果、本発明の線状高分
子とエノールエーテル基又はエノールチオエーテル基含
有化合物を含有する実施例1〜20と比較例1及び4〜
5は、現像液原液、メチルエチルケトン、ジオキサン、
トルエンに不溶であり、十分架橋されていることがわか
る。このことからインクや溶剤等の耐性が良好であるこ
とがわかる。これに対して、本発明の線状高分子を含有
していない比較例3と、エノールエーテル基またはエノ
ールチオエーテル基含有化合物を含有していない比較例
2は、十分な架橋がされておらず、インクや溶剤等の耐
性が不十分であることがわかる。
【0070】次に、得られた感光性平版印刷版の感光層
上に濃度差0.15のグレースケールを密着させ、2K
Wの高圧水銀灯で50cmの距離から20秒露光を行っ
た。露光した感光性平版印刷版を120℃で5分加熱し
た後、以下の組成の現像液原液(Y)の2倍希釈水溶液
で25℃において60秒間浸漬し現像したところ、本発
明の感光性組成物はすべて鮮明なポジ画像が得られた。
結果を表3に示す。
【0071】(Y): 水 80g トリエタノールアミン 3g t−ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム 8g ベンジルアルコール 9g
【0072】
【表1】 表1 感光液 線状高分子 ビニルエー 光酸発生剤 テル化合物 実施例1 〔A〕−1 P−1 VII−11 化合物A 2 〔A〕−2 P−2 VII−11 化合物A 3 〔A〕−3 P−3 VII−11 化合物A 4 〔A〕−4 P−4 VII−11 化合物A 5 〔A〕−5 P−5 VII−11 化合物A 6 〔A〕−6 P−6 VII−11 化合物A 7 〔A〕−7 P−2 VII− 1 化合物A 8 〔A〕−8 P−2 VII−12 化合物A 9 〔A〕−9 P−2 VII−22 化合物A 10 〔A〕−10 P−2 VII−24 化合物A 11 〔A〕−11 P−2 VII−47 化合物A 12 〔A〕−12 P−2 IX−1 化合物A 13 〔A〕−13 P−2 IX−7 化合物A 14 〔A〕−14 P−3 IX−47 化合物A 15 〔A〕−15 P−2 VII−11 IV−1 16 〔A〕−16 P−2 VII−11 IV−10 17 〔A〕−17 P−2 VII−11 IV−14 18 〔A〕−18 P−2 VII−11 IV−16 19 〔A〕−19 P−2 VII−11 IV−18 20 〔A〕−20 P−2 VII−11 IV−23 比較例1〔A′〕−1 P−2 VII−11 なし 2〔A′〕−2 P−2 なし 化合物A 3〔A′〕−3 P′−1 VII−11 化合物A 4〔A′〕−4 P−2 VII−11 化合物B 5〔A′〕−5 P−2 VII−11 化合物C P−1:メタクリル酸/メタクリル酸メチル/アクリル
酸エチル=20/55/25(重量%)、分子量Mw=
4.3万 P−2:メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/2−
ヒドロキシエチルメタクリレート=20/60/20
(重量%)、分子量Mw=3.7万 P−3:メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/2−
メルカプトエチルメタクリレート=20/60/20
(重量%)、分子量Mw=2.0万 P−4:ビニル安息香酸/メタクリル酸メチル/アクリ
ル酸エチル=20/60/20(重量%)、分子量Mw
=3.7万 P−5:p−ヒドロキシスチレン/ビニルトルエン=5
0/50(重量%)、分子量Mw=3.2万 P−6:式aのポリマー、分子量Mw=3.0万 P’−1:2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ベン
ジルメタクリレート=20/80(wt%)、分子量M
w=4.3万 化合物A:
【0073】
【化31】
【0074】化合物B:
【0075】
【化32】
【0076】化合物C:
【0077】
【化33】
【0078】式aのポリマー
【0079】
【化34】
【0080】
【表2】 表2 乾燥塗膜の溶解性 現像液原液 Y/水(1/2) メチルエチルケトン ジオキサン トルエン 実施例1 A A A A 2 A A A A 3 A A A A 4 A A A A 5 A A A A 6 A A A A 7 A A A A 8 A A A A 9 A A A A 10 A A A A 11 A A A A 12 A A A A 13 A A A A 14 A A A A 15 A A A A 16 A A A A 17 A A A A 18 A A A A 19 A A A A 20 A A A A 比較例1 A A A A 2 C C C C 3 A C C B 4 A A A A 5 A A A A
【0081】
【表3】 表3 画像性能 グレースケールの段数 実施例1 鮮明なポジ画像 10 2 鮮明なポジ画像 9 3 鮮明なポジ画像 10 4 鮮明なポジ画像 8 5 鮮明なポジ画像 5 6 鮮明なポジ画像 7 7 鮮明なポジ画像 8 8 鮮明なポジ画像 9 9 鮮明なポジ画像 6 10 鮮明なポジ画像 7 11 鮮明なポジ画像 5 12 鮮明なポジ画像 6 13 鮮明なポジ画像 8 14 鮮明なポジ画像 10 15 鮮明なポジ画像 10 16 鮮明なポジ画像 11 17 鮮明なポジ画像 12 18 鮮明なポジ画像 12 19 鮮明なポジ画像 13 20 鮮明なポジ画像 14 比較例1 露光部、未露光部とも不溶 2 露光部、未露光部とも溶解 3 露光部、未露光部とも膜減り(画像なし) 4 露光部、未露光部とも不溶 5 露光部、未露光部とも不溶 ────────────────────────────────
【0082】実施例21〜24 厚さ2mmのシリコーンウェハー上に感光液〔A〕−
1、〔A〕−4、〔A〕−6及び〔A〕−14をスピン
ナーで塗布し、120℃で2分間乾燥させ、乾燥時の膜
厚が1g/m2 になるように調整した。得られたレジス
トを波長436nmの単色光を用いた縮小投影露光装置
(ステッパー)を用いて露光し、その後120℃で3分
間加熱した。テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの
2.4%水溶液で60秒現像することにより、レジスト
パターンを形成させた。その結果、すべてのサンプルに
おいて0.7μmのライン及びスペースの良好なパター
ンが得られた。
【0083】実施例25 実施例1で得られた感光性平版印刷版を感光層上に濃度
差0.15のグレースケールを密着させ、2KWの高圧
水銀灯で50cmの距離から20秒間露光を行った。露
光した感光性平版印刷版を120℃で5分加熱した後、
Y−3C(商品名:富士写真フィルム(株)製)の2倍
希釈水溶液で25℃において、20秒、30秒、1分、
2分、5分、10分と現像時間を変えて現像した。その
結果、すべてにおいて良好なポジ画像が得られ、グレー
スケール段数はすべて13段であった。以上の結果によ
り、本発明のポジ型感光性組成物は高感度であり、鮮明
なポジ画像が得られること、現像ラチチュードが広いこ
とがわかった。
【0084】
【発明の効果】本発明のポジ型感光性組成物は、高い感
光性を有し、かつ、広範囲の波長光の使用が可能であ
る。更に本発明のポジ型感光性組成物は、露光部と未露
光部との溶解性の差が大きく、現像ラチチュードが高
い。更に本発明のポジ型感光性組成物は、画像部(未露
光部)の皮膜性が高く、インク、溶剤等への耐性が高
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/022 H01L 21/027

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも(a)酸により分解可能な下
    記構造単位(I)、(II)及び(III)の少なくと
    も1つを有する3次元架橋樹脂と、(b)活性光線また
    は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物とを
    含有することを特徴とするポジ型感光性組成物。 【化1】 式中、R1 、R2 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル
    基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基を表
    す。
  2. 【請求項2】 該成分(b)の活性光線または放射線の
    照射により分解して酸を発生する化合物が、下記一般式
    (IV)で表されるO−ナフトキノンジアジド化合物で
    あることを特徴とする請求項1記載のポジ型感光性組成
    物。 【化2】 式中、Aは2価の置換もしくは未置換の脂肪族残基、2
    価の置換もしくは未置換の芳香族残基を示す。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6303267B1 (en) * 1998-10-13 2001-10-16 Agfa-Gevaert Negative-working radiation-sensitive mixture for the production of a recording material which is imageable by heat of infrared laser beams
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US6787290B2 (en) 2000-08-31 2004-09-07 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. Positive-working photoresist composition and resist patterning method using same

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