JPH086257B2 - 表面変性全芳香族ポリアミド繊維 - Google Patents

表面変性全芳香族ポリアミド繊維

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JPH086257B2
JPH086257B2 JP63255978A JP25597888A JPH086257B2 JP H086257 B2 JPH086257 B2 JP H086257B2 JP 63255978 A JP63255978 A JP 63255978A JP 25597888 A JP25597888 A JP 25597888A JP H086257 B2 JPH086257 B2 JP H086257B2
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は主として繊維強化樹脂材(FRP)に使用され
る全芳香族ポリアミド繊維(以下アラミド繊維という)
に関する。
<従来技術> アラミド繊維はハイテク繊維の代表として最近その耐
熱性,高強力,高モジュラス,耐薬品性等の特徴を生か
しアドバンストコンポジットとして軽量,高強力,高剛
性の要求される分野で実用化されつつある。
しかし強化繊維としての機能を発揮させるためには繊
維とマトリックス樹脂との接着性が最も重要な要素とな
る。ここにマトリックス樹脂は、エポキシ系,ウレタン
系及びエポキシアクリレート系が主流である。
ところで一般にアラミド繊維は繊維軸方向では卓越し
た力を発揮するが繊維に直角の方向では繊維軸方向の配
向性,結晶性が高すぎるためフィブリル化がおこり易
く、また他の材料との界面接着性が低くなる。またアラ
ミド繊維を構成する芳香族アミンは脂肪族アミンに比
べ、アミノ基が隣接するフェニル基の影響で塩基性が極
めて弱いのでエポキシとの反応性が弱い。
従来のアラミド繊維の製糸用油剤は、潤滑性は良好だ
がマトリックス樹脂と複合した場合油剤がアラミド繊維
とマトリックス樹脂との界面に残留し、接着を阻害す
る。又油剤がアラミド繊維とマトリックス樹脂との界面
に残留せず接着を阻害しないような組成を有する場合
は、油膜強度が弱く、高接圧下でアラミド繊維とガイド
類との摩擦係数が増大し、ループ,毛羽多発等の問題を
生ずる。
<発明の目的> 本発明は、アラミド繊維の製糸工程および撚糸工程等
における操業性を満足せしめると共にマトリックス樹脂
と複合化させたときの接着性をも向上させるアラミド繊
維の提供を目的としたものである。
<発明の構成> すなわち本発明は「繊維表面に固体状カチオン交換性
無機化合物が固着された全芳香族ポリアミド繊維の表面
に、プロピレンオキシドとエチレンオキシドとの共重合
比が70/30〜0〜100(モル比),平均分子量が400〜800
のプルロニックスA70〜95重量%と平均分子量が8000〜3
0000のプルロニックスB30〜5重量%とから構成される
油剤が被覆されてなる表面変性全芳香族ポリアミド繊
維」である。
アラミド繊維とは、コポリパラフェニレン・3,4′オ
キシジフェニレン・テレフタラミド(テクノーラ 帝人
(株)製),ポリパラフェニレンテレフタラミド(ケブ
ラー デュポン社製),ポリメタフェニレンイソフタラ
ミド(コーネックス 帝人(株)製)等である。本発明
のアラミド繊維は固体状カチオン交換性無機化合物が固
着された繊維である。
ここでカチオン交換性無機化合物とはカチオンとの交
換能を有する化合物であり、具体的にはシリカ−アルミ
ナ,シリカ−マグネシア,ベントナイト,カオリン,フ
ーラーズアース,酸性白土,活性白土,モンモリロナイ
ト,バイトサイト,タルクなどであり、これらのカチオ
ン交換性無機化合物は固体状で繊維表面に固着される。
該化合物(粒子)の大きさは大体0.01〜5μ程度のもの
が用いられる。固着とは激しい状態での水洗処理や溶剤
に浸漬する程度ではまったく脱離しないことをいう。
繊維表面にカチオン交換性無機化合物粒子を固着させ
るには、たとえば繊維表面が軟化した状態でカチオン交
換性無機化合物粒子を繊維表面に押し付けて繊維表面に
喰い込ませたのち繊維を固化させることにより行うこと
ができる。すなわち紡出直後の未延伸アラミド繊維にカ
チオン交換性無機化合物を吹き付けるかあるいは水にカ
チオン交換性無機化合物粒子を懸濁させた懸濁液中にア
ラミド繊維を浸漬せしめて繊維表面にカチオン交換性無
機化合物粒子を付着させ、ついでアラミド繊維の2次転
移点以上の温度で延伸するか熱処理を施すなどの方法を
用いる。
例えば、アラミド繊維の表面に固体状カチオン交換性
無機化合物(無機粒子)を固着させる具体例を述べる
と、紡出直後の未延伸のアラミド繊維を無機粒子を含有
する水分散液中に浸漬し、未延伸アラミド糸の表面に無
機粒子を付着させ、乾燥し2次転移点以上分解点以下の
温度で接触ヒーターまたは非接触ヒーターを用いて5倍
以上の延伸・熱処理を行うことによって無機粒子を繊維
の表面にくさびが打ち込まれたような状態になるように
固着させ、繊維表面に固体状カチオン交換性無機化合物
が固着されたアラミド繊維を得る。
プルロニックスAはプロピレンオキシドとエチレンオ
キシドとの共重合比が70/30〜0/100(モル比)である。
特に70/30〜30/70(モル比)が望ましい。モル比が70/3
0を越えると、プルロニックスAの水溶性が低下するの
で溶液安定性が悪化する。
プルロニックスAの平均分子量は400〜800である。40
0未満では製糸工程において、熱板,加熱ローラー上で
の発煙が増大し、作業環境の悪化と、高接圧下の油膜破
断によってスティックスリップが増大し、毛羽発生をも
たらす。
800を越えると油剤の粘度アップに伴って特に粗度の
低い糸導ガイドに粘着性スカムの蓄積を促進させ長時間
走行時に毛羽を多発せしめる。
プルロニックスAの共重合形態としては、ブロックコ
ポリマーでもランダムコポリマーでもよい。水分散液の
表面張力低下効果の面からブロックコポリマーが含まれ
るのが望ましい。プルロニックスAを共重合する際の開
始剤としてはアルコール類または塩基酸類を用いる。
一方プルロニックスBは、平均分子量が8000〜30000
であり、プロピレンオキシドとエチレンオキシドとの共
重合比は70/30〜10/90(モル比)が望ましい。モル比が
70/30をこえると水溶性が悪くなり、溶液の安定性が維
持されず、モル比が10/90未満では、油膜強度を増加さ
せる効果はあるが、配合油の粘度が高くなって、摩擦係
数いわゆる摩擦抵抗が増大し、摩擦を調整するという目
的にとって好ましくない。
プルロニックスBの分子量は8000未満では油膜強度を
向上させる効果が大巾に低下する。プルロニックスBの
分子量が大きくなればなるほど油膜強度を向上させる効
果が高くなるが、分子量が大きすぎて30000を越えると
取扱性が低下する。
プルロニックスBの共重合の形態としては、ブロック
コポリマーでもランダムコポリマーでもよい。プルロニ
ックスBの重合開始剤としては、アルコール類,塩基酸
類又は窒素含有化合物を用いてもよい。
プルロニックスA/プルロニックスBの配合割合は95/5
〜70/30(重量比)であるが、好ましくは95/5〜80/20
(重量比)である。
プルロニックスA/プルロニックスBの配合割合が95/5
を越える場合では、プルロニックスBの油膜強度アップ
の効果が期待されず、70/30未満の場合では、配合油の
粘度を必要以上に増大させるので好ましくない。
以上の配合油を使用することにより、プルロニックス
Aの使用による摩擦係数の低下とこれに配合するプルロ
ニックスBの添加による油膜強化に伴って高張力,高接
圧下の油膜破断に伴うスティックスリップの増大を抑制
する。
油剤の付着量は、製糸工程から後加工工程に至る操業
性及びマトリックス樹脂との接着性向上の面から0.5〜
5.0重量%の範囲が好ましい。特に好ましくは1.0〜3.5
重量%である。
0.5重量%未満では潤滑性および繊維糸条の集束性が
低下する。5.0重量%を越えると油剤にじみ出しによる
製品汚れが発生する。
<発明の効果> 本発明は下記の効果を有する。
(1)プルロニックスAとプルロニックスBとからなる
混合物は製糸工程で油剤としての役割を果したあと加熱
ローラーあるいは熱プレート上で、分解揮発するので延
伸後の糸には接着の障害にならない程度の粘度成分しか
残存しない。
(2)対金属摩擦係数を大巾に低減させる。
特にプルロニックスBを併用することによって、油膜
強度を向上せしめ従来の油剤にみられる高張力,高接圧
下の油膜破断に伴うスティックスリップの増大を抑制
し、高張力下で屈曲ガイドでの擦過に伴う糸の損傷を大
巾に減少できる。
(3)製糸工程において熱処理による発煙,各種ガイド
との擦過による毛羽,スカムの発生等の操業上の問題が
無い。
(4)プルロニックスAとプルロニックスBとの混合物
は、エポキシ樹脂,ウレタン樹脂あるいはエポキシアク
リレート樹脂に対する相溶拡散性に優れているので複合
成形の際、アラミド繊維とマトリックス樹脂との界面に
介在することがないのでアラミド繊維とマトリックス樹
脂との結合作用をより効果的に発揮せしめ接着性を向上
する。
<実施例> 以下、実施例により本発明の製造方法を具体的に説明
する。
なお実施例において製糸安定性その他の評価は下記の
方法に従った。
評価法1,製糸安定性(毛羽) 捲取速度300m/分で連続紡糸し5時間後、捲取チーズ
の表面毛羽を判定した。
評価法2,製糸安定性(発煙) 走行開始後5時間経過した時点で、180℃に設定した
加熱ローラー上での発煙の状態を肉眼判定した。
評価3,接着性(層間剪断強度;ILSSと略称する) エポキシ樹脂としては を使用した。
上記エポキシ樹脂に浸漬させ繊維を一方向に引き揃え
た状態で硬化処理を施した。硬化条件は、室温で48時間
放置後、120℃で2時間加圧して硬化せしめたのち、さ
らに180℃で1時間、後硬化処理を行った。
このようにして得られた成形物(繊維含有率60%)よ
り長さ20mm,巾6mm,厚さ3mmの試験片を作成し、シャート
ビーム3点曲げ法によりスパン間隔13mm,クロスヘッド
速度1.0mm/分にて、層間剪断強度(ILSS;単位kg/mm2
を測定した。
実施例1〜6,比較例1〜6 テレフタル酸ジクロリドとP−フェニレンジアミンお
よび3,4′−ジアミノジフェニルエーテルからなるアラ
ミドを1500デニール/1000フィラメントの繊維束になる
ように紡出し、水洗を繰返し、次いで水洗後にベントナ
イト水分散液を付着させ500℃で高温延伸した。ベント
ナイトの固着量は0.42%であった。
油剤は表1に示す水準について、20%濃度水系エマル
ジョン油剤を油剤付着量(OPU)1.5%になるように付着
せしめた。得られた繊維の強度は27グラム/デニール,
伸度は4.9%であった。
表1に結果を示したように本発明の表面変性アラミド
繊維を使用した場合、明らかに優れた製糸性と成形品の
品質が得られることがわかる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維表面に固体状カチオン交換性無機化合
    物が固着された全芳香族ポリアミド繊維の表面に、プロ
    ピレンオキシドとエチレンオキシドとの共重合比が70/3
    0〜0/100(モル比)、平均分子量が400〜800のプルロニ
    ックスA70〜95重量%と平均分子量が8000〜30000のプル
    ロニックスB30〜5重量%とから構成される油剤が被覆
    されてなる表面変性全芳香族ポリアミド繊維。
JP63255978A 1988-10-13 1988-10-13 表面変性全芳香族ポリアミド繊維 Expired - Lifetime JPH086257B2 (ja)

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