JPH086250B2 - ハイブリッド繊維の製造方法 - Google Patents

ハイブリッド繊維の製造方法

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JPH086250B2
JPH086250B2 JP63327710A JP32771088A JPH086250B2 JP H086250 B2 JPH086250 B2 JP H086250B2 JP 63327710 A JP63327710 A JP 63327710A JP 32771088 A JP32771088 A JP 32771088A JP H086250 B2 JPH086250 B2 JP H086250B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、繊維強化金属(以下FRAと言う)の素材と
して好適に使用できる強化繊維及びそれで強化されたFR
Mに関する。
(従来の技術) 近年、強化繊維として、アルミナ繊維、シリカ繊維、
シリコンカーバイド繊維、ボロン繊維、窒化ケイ素繊
維、炭素繊維などを用い、マトリックス金属としてアル
ミニウム、マグネシウム、チタン、銅などを用いたFRM
が開発され、例えば各種機械部品や構造材など多くの産
業分野に利用され始めている。
FRMは、複合則で示される機械的性質を与えることが
予想されるが、実際には、連続無機繊維同志の接触や繊
維の片寄りなどのため、所定の機械的性質が得られてい
ない。
これらの問題の解決策として、特開昭61−266666号公
報には、繊維の表面に無機ウィスカ、金属ウィスカ、無
機短繊維あるいはセラミックス、炭素、金属等の粉末な
どの介在物を付着させたハイブリッド繊維が、また、特
開昭61−295346号公報には、そのハイブリッド繊維を用
いたFRMが、それぞれ開示されている。このハイブリッ
ド繊維を使用することによって、繊維が均一に分散され
たFRMを製造することができるという効果が奏される。
(発明が解決しようとする問題点) 上記公報には、ハイブリッド繊維の製法として例えば
第1図に示すような装置を使用して、介在物の懸濁液に
連続無機繊維束を浸漬する方法が記載されている。
連続無機繊維束1はボビン2から巻き戻され、介在物
の懸濁液3が収容されている処理浴4中をプーリー5、
6、7及び8に導かれて通過する。この間に連続無機繊
維束1を構成する繊維の表面に介在物が付着する。
介在物が付着された連続無機繊維束1は圧力ローラ
9、10によって押圧されて連続無機繊維束1中に含有さ
れる液体が絞り出され、ついで乾燥炉11によって乾燥さ
れ、ドラム12に巻き取られる。
上記方法を連続的に実施する場合、介在物がプーリ
6、7及び8及び圧力ローラ9、10に固着する。そのた
め、プーリ及びローラに固着した介在物と連続無機繊維
束1とが接触する際に、両者が擦れ合って、あるいは繊
維の上さ方向に対して横方向に力が加わって、連続無機
繊維束1の損傷あるいは破断が生ずるようになる。この
連続無機繊維の損傷あるいは破断は、得られるハイブリ
ッド繊維の毛羽立ちによって容易に判定することができ
る。損傷あるいは破断したハイブリッド繊維を織物など
の所望形状のプリフォームに成形することは著しく困難
であると共に、このプリフォームを使用して得られるFR
Aは所定の強度を示さない。
(問題点を解決するための手段) 本発明の目的は、上記問題点を解決した強化繊維の製
造方法及びこの繊維で強化された金属を提供することに
ある。
本発明によれば、 耐熱性物質の粉末、短繊維及びウイスカからなる群か
ら選択される介在物の懸濁液に連続無機繊維束を浸漬し
て、この繊維束を構成する連続無機繊維の表面に介在物
が付着したハイブリッド繊維を製造するに際し、連続無
機繊維及び/または介在物が予め滑剤でコーティングさ
れていることを特徴とするハイブリッド繊維の製造方法
が提供される。
また、本発明によれば 耐熱性物質の粉末、短繊維及びウイスカからなる群か
ら選択される介在物の懸濁液に連続無機繊維束を浸漬し
て、この繊維束を構成する連続無機繊維の表面に介在物
が付着したハイブリッド繊維を製造するに際し、上記懸
濁液に滑剤が溶解されていることを特徴とするハイブリ
ッド繊維の製造方法が提供される。
本発明を図面に参照して詳しく説明する。
第1図及び第2図は、本発明のハイブリッド繊維の製
造方法において好適に使用される装置の概略図である。
連続無機繊維束1はボビン2から巻き戻される。連続
無機繊維束1がサイジング剤で収束されていないとき
は、第1図に示すように、繊維束1を直接に処理浴4に
供給することができる。繊維束1がサイジング剤で収束
されているときは、介在物を均一に連続無機繊維表面に
付着させるために、繊維束1を電気炉15中を通過させて
サイジング剤を分解除去することが好ましい。
連続無機繊維束1を構成する繊維としては、例えば炭
化ケイ素繊維、窒化ケイ素繊維、窒化硼素繊維、窒化ア
ルミニウム繊維、シリカ繊維、ボロン繊維、アルミナ繊
維、炭素繊維、ポリメタロカルボシランを焼成して得ら
れるSi−Ti又はZr−C−O系の無機繊維(宇部興産
(株)製、チラノ繊維:登録商標)などが挙げられ、こ
れらの繊維は単独又は組み合わせて用いることが出来
る。
連続無機繊維束1は、プーリー5、6、7及び8に導
かれて介在物の懸濁液3を収容した処理浴4内を通過す
る。
介在物を構成する耐熱性物質は、金属あるいはセラミ
ックスからなり、金属としては、Al、Ti、Cu、Ni、Co、
Zr、Si、Cr、Zn、W、Moなどが、セラミックスとして
は、炭化物、窒化物、硼化物及び酸化物などを用いるこ
とができる。
介在物としては、これら金属あるいはセラミックスの
粉末、短繊維又はウィスカを単独又は2種以上を組み合
わせて用いることができる。
短繊維、ウィスカの長さ、太さ、形状及び粉末の粒度
等は繊維との組み合わせを考慮して選択するとよいが、
短繊維及びウィスカは連続繊維の平均直径の1/3000〜1/
5の平均直径及びアスペクト比50〜1000であるものが望
ましく、また、微粒子は連続繊維の平均直径の1/5000〜
1押2の平均直径を有するものが望ましい。
懸濁液3中の介在物の濃度は、特に制限はなく、0.3
〜300wt%程度とするのが一般的であるが、好ましくは
0.3〜30wt%の範囲である。
本発明における繊維束1への介在物の付着の第1の態
様においては、処理浴4内を通過する連続無機繊維及び
介在物の少なくとも一方が予め滑剤物でコーティングさ
れる。
コーティングに使用される滑剤は、繊維束と介在物と
の摩擦、圧縮等の力を緩和し、繊維の損傷、破断を無く
するような効果を有する。滑剤が繊維及び付着物の少な
くとも一方の表面にコーティングされることにより、こ
の両者の間の滑りが良好となり、脆く、破損しやすい繊
維の破損、破断のなくすることが可能となる。
滑剤としては、例えば、天然パラフィン、マイクロワ
ックス、合成パラフィンワックス、ポリエチレンワック
ス、フルオロカーボン油、高級脂肪酸、高級オキシ脂肪
酸、高級脂肪酸アミド、ビス脂肪酸アミド、高級脂肪
酸、低級アルコールエステル、高級脂肪酸の多価アルコ
ールエステル、ヘキストワックス、天然ワックス、高級
脂肪族アルコールなどが挙げられる。
滑剤は単独で用いること以外に、結合剤、可塑剤など
と組み合わせて使用してもよい。
滑剤の付着量は、被コーティング物100重量部に対し
て0.5〜20.0重量部の範囲が好ましい。
被コーティング物に対して滑剤の量が少なすぎれば効
果がなく、又多すぎても多くしたことによる利点はな
く、経済的でない。
滑剤のコーティング方法としては、滑剤を溶解した溶
液に繊維束又は介在物を浸漬する方法、滑剤を溶解した
溶液を繊維束にスプレーする方法などの一般的なコーテ
ィング法が用いられる。
コーティング層の厚さは繊維または介在物のどれにコ
ーティングするか、それらの径や太さなどにもよるが、
1μm以下で充分である。
無機繊維への介在物の付着を促進するために上記懸濁
液3中に結合剤が溶解されていることが好ましく、結合
剤としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、エチル
セルロース等が挙げられる。結合剤の懸濁液中の濃度は
0.1〜0.2重量%が適当である。
本発明における繊維束1への介在物の付着の第2の態
様においては、介在物が懸濁され、さらに前記有機物が
溶解された媒体に連続無機繊維束1を浸漬する。
介在物が懸濁され、場合によりさらに滑剤が溶解され
る媒体の具体例としては、メタノール、エタノールのよ
うなアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレンのよう
な有機溶媒が挙げられる。尚、介在物のみを懸濁させる
溶媒としては水も使用することができる。本発明の第1
の態様及び第2の態様において、介在物の懸濁液、場合
により介在物が懸濁されかつ有機物が溶解された媒体に
連続無機繊維束1を浸漬する方法については特別の制限
はなく、それ自体公知の方法をすべて採用することがで
きる。
なお、処理浴4中で介在物を均一に懸濁させるため
に、第1図に示すように、マグネティックスターラー13
によってスターラーピース14を回転させて懸濁液を撹拌
することができる。
処理浴4中を通過し、介在物が付着した繊維束1は、
第1図に示すように圧力ローラ9、10によって押圧し媒
体を絞り出した後、あるいは第2図に示すようにそのま
ま乾燥炉11中を通過させて、媒体を蒸発除去する。
こうして得られたハイブリッド繊維は、直接FRM製造
用の強化繊維として使用することができるが、FRM製造
時にハイブリッド繊維へ金属溶湯を迅速かつ均一に含浸
させるためには、FRMの製造に先立って開繊することが
好ましい。
ハイブリッド繊維の繊維束の開繊方法については特別
の制限はないが、均一に開繊するためには第2図に示す
ように、ローラ群(16、17、18及び19)によって開繊す
るのが好ましい。このローラ群(以下開繊用ローラと呼
ぶ)は巻き取りドラム12直前に設置され、繊維束を上下
にしごき繊維束への張力を変化させることにより繊維束
を偏平化して開繊する。開繊用ローラの個数は使用する
強化繊維の収束本数に応じて使い分ければよく、例えば
200本ならば2個、400本ならば3個、800本ならば4個
と増やすことにより200本束が2〜3mm幅、400本束が4
〜6mm幅、800本束が8〜10mm幅に開繊することができ
る。
上記のようにして、充分に開繊したハイブリッド繊を
用いFRMを製造すると、マトリックス中に繊維がより均
一に分散し、機械的性質の極めて優れたFRMが得られ
る。
本発明の方法で得られたハイブリッド繊維を用いてFR
Mを製造する方法については特別の制限はないが、特に
高圧鋳造法、溶射法によりプリプレグシートを製造し、
これを用い拡散接合法によりFRMを製造する方法が、機
械的性質の優れたFRMを製造するのに好適に使用でき
る。
前述の方法で開繊され、ドラム12上に一層をなすよう
に螺旋状に巻き取られたハイブリッド繊維に対してマト
リックス金属粒子をプラズマ溶射し、プリプレグシート
を製造し、ドラム軸方向に切り開いて平らなシートと
し、これを複数枚積層し、ホットプレスすることによ
り、優れた機械的性質を有するFRMを製造することがで
きる。
また、ドラム12上に巻き取ることなく、開繊され、ド
ラム12上を通過するハイブリッド繊維に対してマトリッ
クス金属を溶射することによりプリプレグシートを連続
して製造することもできる。
プラズマ溶射によるプリプレグシートの製造につい
て、以下にさらに詳細に説明する。
プリプレグシートの製造に際し、第3図及び第4図に
示すように,ドラム12上のハイブリッド繊維層31とプラ
ズマガン33の間にスリット35を有するマスク36を置き、
プラズマ流で搬送されるマトリックス金属粒子のうち、
中心部にあって完全に溶融している部分のみを穴35を通
して繊維層31に溶射し、プラズマ流34の周縁部にあり外
気で冷却され充分に溶融されていない金属粒子を遮るこ
ともできる。このようにすると、未溶融の金属粒子の衝
突による繊維の破断や損傷を回避することができる。
また、プリプレグシートの製造に際しは、マトリック
ス金属粒子の溶射前に、繊維層を例えば、予備加熱炉中
を通過させて予熱することも有利である。予熱すること
により、溶射粒子は繊維表面で急激な冷却を受けず、溶
射粒子の粘度が急激に失われないため、マトリックス層
は密になり、繊維表面と溶射粒子との接着性も向上す
る。さらに、溶射粒子の流動性も保持されため、マトリ
ックス金属の繊維間への回り込みも向上する。本発明の
ハイブリッド繊維を用いた場合、繊維が充分に離間され
た状態にあるため予熱によるマトリックス金属の繊維間
隙への回り込み向上の効果が顕著に発現される。
(発明の効果) 本発明によれば、繊維に金属あるいはセラミックを付
着させて複合材料用ハイブリッド繊維とする際、繊維束
の浸漬処理及び開繊処理中の繊維の損傷、破断が無くな
る。従って本発明で得られるハイブリッド繊維は支障な
く織物にすることができる。また、本発明によれば、金
属あるいはセラミックによる繊維の損傷、破断を伴わず
に均一に開繊されたハイブリッド繊維が得られるので、
これにマトリックス金属粒子を溶射しプリプレグシート
とし、次いでFRM化することにより、従来より格段に機
械的特性の優れたFRMを連続して製造することができ
る。
更に、この開繊されたハイブリッド繊維を用い作られ
た繊維成形体は、開繊せずに作られた成形体に比べより
密度むらがないため高圧鋳造法等の液相法によりFRMを
製造する際にも適用され、従来より格段に機械的性質が
優れ、かつ強度むらがないFRMを製造できる。
(実施例) 以下の実施例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 直径0.2〜0.5μm、平均長さ50〜200μmの炭化ケイ
素ウィスカを、ステアリン酸を8wt%溶解したトルエン
溶液中に分散させ、濾過後乾燥させることにより、表面
にステアリン酸をコーティングした炭化ケイ素ウィスカ
を得た。重量増加より求めたステアリン酸コーティング
量は3.5wt%であった。この炭化ケイ素ウィスカ5gを水2
00mlとエチルアルコール1800mlの混合物の入った処理槽
中に入れて、撹拌を行いながら懸濁させた。
本実施例においては、第1図に示す装置を用い、以下
のようにハイブリッド繊維を製造した。
直径9〜10μmのSi−Ti−C−O繊維(宇部興産
(株)製チラノ繊維:登録商標)800本よりなる連続繊
維束1をボビン2から巻き戻しながら、この懸濁液3中
を、3m/minの速度で浸漬しながら通した。
プーリ5、6、7、8によって繊維束を処理槽4中に
浸し、次いで圧力ローラ9、10によって押圧した後乾燥
機11を通し再びドラム12に巻き取った。この時、乾燥炉
11を出て来た繊維束にはほとんど枝毛の発生を認めるこ
とが出来なかった。また、繊維強度の低下は無かった。
このことから、ステアリン酸の潤滑効果を確認すること
ができた。
比較例1 炭化ケイ素ウィスカを処理することなく市販品をその
まま使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った結
果、乾燥機11を出て来た繊維束は多数の枝毛の発生が認
められ、繊維の破断が起こっているのが認められた。
圧力ローラ9、10を取り除いて上記と同様に行った場
合、枝毛の発生は大幅に改善され、1〜2本/mになった
ものの、繊維の性状は実施例1より劣っていた。
実施例2 平均直径0.2μmの炭化ケイ素粉末を、ステアリン酸
を8wt%溶解したトルエン溶液中に分散させ、濾過後乾
燥させることにより、炭化ケイ素粉末表面にステアリン
酸をコーティングした炭化ケイ素粉末を得た。重量増加
より求めたステアリン酸のコーティング量は4.0wt%で
あった。この炭化ケイ素粉末60gを水200mlとエチルアル
コール1800mlの混合物の入った処理槽中に入れて、撹拌
を行いながら懸濁させた。次いで、この懸濁液に、結合
剤としてポリエチレンオキサイドを0.1重量%の濃度に
なるように溶解させた。
本実施例においては、第2図に示す装置を用い、以下
のようにハイブリッド繊維を製造した。
直径が9〜10μmで、引張強度が314Kg/mm2のSi−Ti
−C−O繊維(宇部興産(株)製チラノ繊維:登録商
標)800本よりなる繊維束1をボビン2から送り出し、5
00℃の温度に保持された電気炉15中を通過させ収束剤を
消失させた。次いで、繊維束1を処理槽4に収容された
上記懸濁液3中にガイドロール5、6、7及び8によっ
て誘導しながら、3m/minの速度で浸漬しながら通過させ
炭化ケイ素粉末を繊維表面に付着させた後、乾燥炉11を
通過させ乾燥させた。
その後、開繊ローラ16、17、18、19へ次々に接触させ
繊維束1を徐々に開繊し、ドラム12に巻き取った。ドラ
ム12に巻き取られた繊維にはほとんど毛羽立ちの発生が
認められなかった。
開繊後の引張強度は309Kg/mm2であり、浸漬処理及び
開繊処理の間に繊維の強度が殆ど低下していないことが
判明した。
比較例2 炭化ケイ素粉末をステアリン酸でコーティングせず市
販品をそのまま使用し、開繊用ロールによる開繊処理も
行わない以外は、実施例2と同様の操作を行った結果、
ドラム12に巻き取られた繊維は毛羽立っており、繊維の
破断が起こっていることが認められた。
実施例3 実施例2において得られた開繊されたハイブリッド繊
維から第5図に示す保形用治具42を用い、以下の手順で
FRMを作製した。使用した治具42はグラファイト製で、
本体42aと蓋42bからなる。本体42aは、長さ15cmで、巾8
cm、深さ1cmの長さ方向に貫通した溝43を有する。一定
長に切断したハイブリッド繊維を溝43内に繊維体積率が
60%になるように均一に充填し、ついて本体42aに蓋42b
をボルトナットにより固着した。このようにハイブリッ
ド繊維44を収納したグラファイト製保形用治具42を大気
中で650℃に加熱し、第6図に示すように金型45の中に7
50℃のアルミニウム溶湯46(JIS規格1070)を注入した
後、前記保形用治具42をガス抜き用穴49を設けた蓋42b
が上になるように、金型内に設置した。ついで、第7図
に示すように、プランジャ47により前記アルミニウム溶
湯を46を1000kg/cm2に加圧し、両側の開口孔及び本体42
aの下面に適当に穿設されたアルミニウム注入穴50から
溶湯を保形用治具内に圧入、凝固させ、繊維強化金属を
製造いた。
なお、第7図において繊維補形用治具42のガス抜き用
穴49に対接するプランジャ下面に水平にガス排気溝51を
設けると、一層ガスの発出が良好となる。
この複合材料を取り出し、断面組織観察を行ったとこ
ろ、空孔等の鋳造欠陥、繊維配向の乱れ等は、全く観察
されなかった。さらに、この複合材料について、繊維配
向方向の曲げ強度を測定したところ、180kg/mm2という
高い値が得られた。第8図、第9図及び第10図はこうし
て得られたFRMの繊維方向と直角方向の金属組織の光学
顕微鏡写真であり、第8図は上層部の、第9図は中間部
の及び第10図は下層部の金属組織の光学顕微鏡写真であ
る。各写真中、黒丸は強化繊維であり、これらの写真は
本発明によるFRMにおいては、全体にわたって強化繊維
が均一に分散されていることを示す。
比較例3 炭化珪素粉末をステアリン酸でコーティングせず、開
繊用ロールによる開繊処理も行わない以外は実施例3と
同様の操作を行い繊維強化金属を製造した。
得られた繊維強化金属の曲げ強度は125kg/mm2であっ
た。
第11図、第12図及び第13図は、この比較例によって得
られたFRMの実施例3におけると同様の金属組織の光学
顕微鏡写真である。第13図は、下層において繊維束の分
散が不十分で、繊維が偏在していることを示している。
実施例4 実施例2で得られた、ドラム12に巻き取られたハイブ
リッド繊維(繊維巾200mm)に対して、上記ドラムを回
転させ溶射用アルミニウム粉末を繊維体積率が30%にな
るよう溶射し、プリプレグシートを製造した。その際、
プラズマスプレー装置のノズルは繊維面より140mm離し
て設置した。ノズルと繊維の移動速度はハイブリッド繊
維の全巾との兼ね合いで決定した。
得られたプリプレグシートの厚さは130〜150μmであ
った。
このプリプレグシートより繊維方向に90mm、繊維と垂
直方向に60mmのシートを切り出し、そのシートを20枚積
層して、一方向積層対とし、これを金型中にセットし
た。
この金型をホットプレス装置内に入れ容器内を5×10
-5Torrに保持し550℃に加熱した後、油圧プレスにて金
型を400kg/mm2の圧力で15分間プレスして、厚さ2.0mmの
繊維強化金属を得た。
得られた繊維強化金属の繊維方向の曲げ強度は100kg/
mm2であった。
比較例4 炭化珪素粉末をステアリン酸でコーティングせず、開
繊用ロールによる開繊処理も行わない以外は実施例4と
同様の操作を行い繊維強化金属を製造した。
得られた繊維強化金属の繊維方向の曲げ強度は40kg/m
m2であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ハイブリッド繊維の製造に用いる従来の製造
装置の一例の概略図であり、第2図は本発明に用いる製
造装置の一例の概略図である。 第3図、第4図はプラズマ溶射によるプリプレグシート
の製造を示す概略図である。 第5図、第6図及び第7図は高圧鋳造によるFRMの製造
を示す概略図である。 第8図、第9図及び第10図は実施例3において得られた
FRMの繊維方向と直角方向の金属組織の光学顕微鏡写真
であり、第11図、第12図及び第13図は比較例3において
得られたFRMの繊維方向と直角方向の金属組織の光学顕
微鏡写真である。 1……連続無機繊維、3……処理液 5、6、7、8……プーリ 11……乾燥炉 16、17、18、19……開繊用ローラ 33……プラズマガン、34……プラズマ流 42……保形用治具、45……金型 47……プランジャ、48……接合ボルト穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−59473(JP,A) 特開 昭61−295346(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性物質の粉末、短繊維及びウイスカか
    らなる群から選択される介在物の懸濁液に連続無機繊維
    束を浸漬して、この繊維束を構成する連続無機繊維の表
    面に介在物が付着したハイブリッド繊維を製造するに際
    し、連続無機繊維及び/又は介在物が予め滑剤でコーテ
    ィングされていることを特徴とするハイブリッド繊維の
    製造方法。
  2. 【請求項2】耐熱性物質の粉末、短繊維及びウイスカか
    らなる群から選択される介在物の懸濁液に連続無機繊維
    束を浸漬して、この繊維束を構成する連続無機繊維の表
    面に介在物が付着したハイブリッド繊維を製造するに際
    し、上記懸濁液に滑剤が溶解されていることを特徴とす
    るハイブリッド繊維の製造方法。
JP63327710A 1988-05-02 1988-12-27 ハイブリッド繊維の製造方法 Expired - Lifetime JPH086250B2 (ja)

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