JPH0862473A - ケーブル用遮水材 - Google Patents

ケーブル用遮水材

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JPH0862473A
JPH0862473A JP6222552A JP22255294A JPH0862473A JP H0862473 A JPH0862473 A JP H0862473A JP 6222552 A JP6222552 A JP 6222552A JP 22255294 A JP22255294 A JP 22255294A JP H0862473 A JPH0862473 A JP H0862473A
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JP
Japan
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water
cover cloth
modulus
composition layer
tape
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Pending
Application number
JP6222552A
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English (en)
Inventor
Masanari Umeda
政成 梅田
Yukio Sakuraba
幸雄 桜場
Shinsuke Niiyama
慎介 仁井山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 T字型およびL字型の遮水性に優れるのみな
らず、光ファイバーケーブルへの巻き付け作業に際して
も低いテンションにより巻き付けできるケーブル用遮水
材(遮水性テープ)を提供すること。 【構成】 ケーブル用遮水材(遮水性テープ)は、シー
ト基材12の表面に吸水性組成物層14が保持され、そ
の吸水性組成物層14の表面にはカバークロス19が貼
り合わされているものであって、吸水性組成物層14中
の吸水性ポリマー粒子16は、モジュラス10〜50k
g/cm2 の範囲の合成ゴム又は熱可塑性エラストマ合
成樹脂の有機バインダ18を介してシート基材12上に
担持されるものであり、かつその吸水性組成物層14の
表面に貼り付けられるカバークロス19もその有機バイ
ンダの低伸張時のバインダモジュラスによって密着性良
く張り付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバーケーブル
をはじめとする各種ケーブルの水の侵入を効果的に防止
するケーブル用遮水材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、通信ケーブル、特に光ファイバー
ケーブルの障害のほとんどが、ケーブル内への水の侵入
によるものであり、その水の侵入によって光ファイバー
の強度が劣化したり、あるいは侵入した水が凍結して光
ファイバーを圧迫し、光伝送特性を損なわせる等の問題
を生じさせる。
【0003】そこでこの光ファイバーケーブル内への水
の侵入を防止したり、たとえ水が侵入してもその侵入長
さを短くする特性を備えた遮水材(遮水性テープ、止水
性テープ、あるいは吸水性テープなどと一般に称されて
いる。)が種々提供されている。
【0004】例えば、特開平3−224729号公報に
は、シート基材の表面に吸水膨潤物質をバインダによっ
て固着してなる膨潤性吸水樹脂層を形成し、その吸水樹
脂層の上に不織布のカバークロスを高圧カレンダーによ
り貼り合わせ処理した3層構造の遮水性テープが開示さ
れている。
【0005】この公報のものによれば、カバークロスの
存在によって吸水膨潤物質の不用意な脱落や光ファイバ
ーケーブルへの巻き付け作業時の吸湿によるべとつき等
が回避されるばかりでなく、カバークロスの繊維間間隙
を調整することにより遮水性能が改善されるというもの
である。
【0006】また、特開平4−357623号公報に
も、シート基材の表面に吸水性樹脂と樹脂バインダを必
須成分とする吸水性樹脂層を有し、この吸水性樹脂層の
表面に合成繊維の不織布カバーシートをその吸水性樹脂
層に溶剤を含んだ状態で貼り合わせて乾燥したり、ある
いは熱ロールなどにより貼り合わせた構造の遮水性テー
プが開示されている。この公報のものも、カバーシート
によって吸水性樹脂が不用意に吸水膨潤して脱落するの
を阻止し、遮水特性を維持するというものである。
【0007】さらに、特開平5−92525号公報に
も、支持体(シート基材)上に高吸水ポリマー粒子を含
有するコーティング層を保持させ、そのコーティング層
の表面に不織布,織物,編物等のカバークロスを高圧カ
レンダープレス等によって圧着し貼り合わせた遮水性テ
ープが開示されている。この公報のものは、カバークロ
スの繊維間空隙の圧力損失量を調節することにより遮水
性能の維持と作業時のべとつき性の改善を満足させると
するものである。
【0008】あるいはまた、これらの公報類には示され
ていないが、カバークロスを貼り合わせるのに接着剤を
用い、接着剤を介してカバークロスをシート基材上の吸
水性組成物層の表面に貼り合わせる方法も取られてい
る。
【0009】ところでこれらの公報に示されるものは、
いずれもカバークロスの繊維間空隙を調整したり、カバ
ークロスを貼り合わせるときの条件を考慮したりするも
のばかりであった。すなわちシート基材上に形成される
吸水性組成物層の特性を特に考慮し、あるいはその特性
に注目したものではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来技術によるものでは、高圧カレンダーによるプ
レス圧着方式あるいは接着剤塗布方式によるものがほと
んどであったため、高湿度下で吸湿率が高い場合遮水性
テープの吸水性ポリマーが粘着性(べとつき)を帯びカ
バークロス表面も粘着性を帯びるため、遮水性テープを
光ファイバーケーブルに巻き付ける際に支障を来した
り、その巻き付け用のガイドレールやガイドロールを汚
す場合がある等の問題があった。即ちそのテープ表面に
出ている接着剤や吸水性組成物が、テープ巻き付け時に
そのガイドレールやガイドロールへ付着することがある
が、その付着物の除去・清掃等のためにケーブル製造設
備のメンテナンスに負荷が掛かる等の問題もあった。
【0011】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、シ
ート基材上に吸水性ポリマー粒子を有機バインダを介し
て坦持させてなる吸水性組成物層の表面にさらにカバー
クロスを設けた3層構造の遮水性テープを提供するに際
し、そのカバークロスの貼り合わせに接着剤を使用せ
ず、吸水性組成物層中の有機バインダの低伸張時のモジ
ュラスの最適化を図ったものである。すなわち本発明の
目的とするところは、吸水性組成物層中の有機バインダ
の低伸張時のモジュラスを調節することにより、T字型
およびL字型の遮水性能に優れ、また光ファイバーケー
ブルへの巻き付け作業時のべとつきがなく、巻き付け不
良等を生じることもないことはもとより、カバークロス
の密着性にも優れたケーブル用遮水材を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のケーブル用遮水材は、シート基材の表面に吸
水性ポリマー粒子がモジュラス10〜50kg/cm2
の範囲の有機バインダを介して担持された吸水性組成物
層が形成され、かつ該吸水性組成物層上にカバークロス
が熱圧されていることを要旨とするものである。
【0013】ここにシート基材は、ポリエステル繊維,
ポリアミド繊維,ポリプロピレン繊維,ポリエチレン繊
維,ポリアクリル繊維,レーヨン,ビニロン等の不織
布、織物あるいは編物等が挙げられる。これらの合成繊
維の任意の二種類からなる合成繊維を組み合わせたもの
であってもよい。不織布の繊度としては、1〜10デニ
ール、また目付け量としては、10〜70g/m2 程度
が適当である。また吸水性組成物層は、吸水性ポリマー
粒子,有機バインダ,その他界面活性剤,酸化劣化防止
剤,無機充填剤等の添加物が配合されている。
【0014】ここに吸水性ポリマー粒子としては、ポリ
アクリル酸塩架橋体,澱粉−アクリル酸グラフト重合体
の中和物,架橋ポリビニルアルコール変性物,架橋イソ
ブチレン−無水マレイン酸共重合体,ポリエチレンオキ
サイド架橋体,アクリルアミド−アクリル酸架橋重合
体,その他が挙げられる。この吸水性ポリマー粒子は、
水と接触した時にバラバラになってシート基材より脱落
しなければならないが、その粒子形状や粒子径に特に限
定はなく、粒子形状としては、真円形状のものでもいび
つ形状のものでもよい。また粒子径も吸水膨潤速度が遅
くならず、かつシート基材からの脱落が遅れない程度の
大きさ(45〜425μm)の範囲が好ましく、さらに
光ファイバーケーブルのスロットなどの微小間隙の遮水
性を損なわないようにするため45μm以下の粒子径の
ものもある程度(5重量%以上)含まれていることが望
ましい。そしてこれらの吸水性ポリマー粒子は、単独に
あるいは二種類以上を組み合わせて用いるものであって
もよい。また有機バインダとしては、主にゴム系材料と
熱可塑性エラストマー合成樹脂系材料とがある。
【0015】ゴム系材料としては、スチレンブタジエン
ゴム,ブチルゴム,ブタジエンゴム,イソプレンゴム,
エチレン−プロピレンゴム,クロロスルホン化ポリエチ
レンゴム,シリコンゴム,クロロプレンゴム,ポリウレ
タンゴム,アクリルゴム,塩素化ブチルゴム,エピクロ
ルヒドリンゴム,その他が挙げられる。また熱可塑性エ
ラストマー合成樹脂系材料としては、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体,エチレン−プロピレン共重合体,アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合体,スチレン−ブタジエ
ン共重合体,ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂,ウレ
タン樹脂,その他の熱可塑性エラストマ系のものが挙げ
られる。この有機バインダもこれらのゴム材料や合成樹
脂材料を単独に、あるいは二種類以上組み合わせて用い
てもよく、またランダム重合させたものを混在させたも
のであってもよい。
【0016】そしてこの吸水性組成物層の上にカバーク
ロスをラミネート法等により貼りつけるものであるが、
カバークロスの材料としては不織布,織物,編物等が用
いられる。このカバークロスは、遮水性テープが梅雨期
などの高湿度環境下に放置され、著しく吸湿した時にテ
ープどうしのブロッキングを防止したり、ファイバーケ
ーブルへの巻き付け中にガイドロールなどを汚すなどの
トラブルを防止するためのものであり、遮水性能を阻害
しないように適度の目スキがあり、かつ貼り合わせ加工
時の張力に耐えるものでなければならない。よって、そ
のカバークロスの材料としては、合成繊維からなる不織
布シートが最も良く、材質面からポリプロピレン繊維,
ポリエチレン繊維,ナイロン,ポリエステル繊維,ポリ
アクリル繊維等が使用でき、スパンボンド法やメルトブ
ロー法で製造される。そしてこのカバークロス材料の繊
度は1〜20デニール、また目付け量としては5〜20
g/m2が好適である。
【0017】カバークロス材料をラミネートする方法と
しては、初めにシート基材上に吸水性組成物を塗布し乾
燥したその上に、カバークロス材料(例えば、ポリプロ
ピレン繊維)を重ね、さらに上下を離型用のポリエステ
ルフィルムを重ね合わせ、所定温度で加熱加圧し、冷却
後にその離型用フィルムを剥せば、カバークロス付き遮
水性テープを製作することができる。
【0018】かくして本発明では、上述した吸水性組成
物中の有機バインダのモジュラスを調整することにより
遮水性特性(T字型およびL字型)とカバークロスの密
着性とを改善するものであるが、そのバインダモジュラ
スとしては、特に10kg/cm2 以上であればT字型
の遮水性が損なわれることはなく、ただし、60kg/
cm2 以上になるとL字型の遮水性が損なわれる。しか
しカバークロスの密着性の面からみると、バインダモジ
ュラスが50kg/cm2 以上ではカバークロスの密着
性が悪くなることから、遮水性(T字型およびL字型)
とカバークロス密着性の両方を満たすためには、バイン
ダモジュラスとして10〜50kg/cm2 の範囲とし
た。ただカバークロスの密着性をより安定させるために
は、バインダモジュラスとして15〜40kg/cm2
の範囲が好ましく、さらに実務的に最適な数値範囲を示
すならば、20〜30kg/cm2 の範囲で最も安定し
た遮水性およびカバークロスの密着性が得られる。
【0019】尚、本発明では、有機バインダの親水性を
向上させるため界面活性剤を適量配合したり、あるい
は、有機バインダが熱により劣化して変色・硬化するの
を防止するため酸化劣化防止剤を配合するのもよい。界
面活性剤としては、アニオン系界面活性剤,ノニオン系
界面活性剤,カチオン系界面活性剤,カルボン酸金属
塩,多価アルコール,アミノアルコール,線状ポリエー
テル,糖類、糖アルコール,ソルビタン脂肪酸エステ
ル,多価アルコールのグリシジルエーテル,アルキルホ
スフェートアルカリ金属塩,ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル等が挙げられる。また光ファイバーケーブル
巻き付け作業時の粘着性(べとつき性)を改善するため
シリカなどの無機充填剤を少量配合してもよい。
【0020】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。図1は、本発明のケーブル用遮水材の一例
を示す拡大断面図である。図示されるように、このケー
ブル用遮水材10は、厚さ0.15mm 程度のポリエス
テル系スパンボンド不織布からなるシート基材12の片
側表面に、吸水性組成物の層14が形成されてなるもの
である。このシート基材不織布のポリエステル単糸は繊
度2デニール、目付け量としては45g/m2 を目安と
している。一方シート基材上に形成される吸収性組成物
は、吸水性ポリマー粒子16と有機バインダ18とが混
練されてなるもので、これにさらに前述のような界面活
性剤,酸化劣化防止剤などの添加剤が適宜配合されてい
る。そしてこの吸水性組成物層14の表面にポリプロピ
レン系スパンボンド不織布からなるカバークロス19が
貼り合わされている。このカバークロス不織布のポリプ
ロピレン単糸は繊度4デニール、目付け量としては12
g/m2 を目安としている。
【0021】この遮水材10は、バインダ樹脂のような
有機バインダをトルエン,メチルエチルケトン,酢酸エ
チル等の有機溶剤に攪拌機を使用して溶解・分散させ、
次にこれに吸水性ポリマー粒子を混合し、さらにその他
の添加剤も必要に応じて混合する。そして、これを不織
布などのシート基材12の表面にバーコータ、ロールコ
ータ等を使用してコーティングして吸水性組成物層14
を形成することにより製作されている。吸水性組成物の
付着量としては、150g/m2 を目安としている。
【0022】しかる後、この吸水性組成物層14の表面
にカバークロス19をラミネート法により貼り合わせ
る。そのときには吸水性組成物を塗布・乾燥した(シー
ト基材+吸水性組成物塗布)ものの吸水性組成物層の上
にポリプロピレン繊維(PP)製のカバークロスを重
ね、上下を離型用のポリエステルフィルム(75ミクロ
ン厚)で挟み、130℃の温度に調整したプレス機に
て、面圧8kg/cm2 ×3分間加圧した後、加圧した
状態で、プレス温度を80℃迄冷却する。そして冷却
後、取り出しカバークロス付きの遮水性テープが得られ
るものである。
【0023】次に、各種の吸水性組成物の配合量を変え
た供試試料により試験を行ったので、その結果を以下に
説明する。供試試料としては次の1〜6を用意した。
尚、以下の説明において、「%」は「重量%」を意味
し、「部」は「重量部」を意味するものとする。
【0024】供試試料1:吸水性組成物としては、イソ
ブチレン−マレイン酸共重合体の金属塩の架橋体である
吸水性樹脂ポリマー(クラレ社製商品名「KIゲル20
1K−F3」)200部に対してブチルゴム(エッソ社
製商品名「エッソブチル#268」)100部を配合
し、その他添加剤として界面活性剤であるポリエチレン
グリコール(日本油脂社製商品名「PEG600」)を
4部配合し、これを繊度2デニール,目付量45g/m
2, 厚さ0.15mm のポリエステル系スパンボンド不
織布のシート基材12(ユニチカ社製商品名「マリック
ス70450WTO」)上に塗布した。このときの吸水
性組成物層14の厚さも0.15mmtで、合計の厚さは
0.3mmtである。そしてその吸水性組成物層14の表
面に繊度4デニール,目付け量12g/m2,厚さ0.1
mm程度のポリプロピレン系スパンボンド不織布のカバ
ークロス19を前述のラミネート法により貼り合わせ、
合計 0.4mmt程度の厚さの遮水性テープ10が得ら
れた。バインダモジュラスは、12kg/cm2であ
る。
【0025】供試試料2:吸水性組成物としては、供試
試料1の場合と同じイソブチレン−マレイン酸共重合体
の金属塩の架橋体である吸水性樹脂ポリマー(クラレ社
製商品名「KIゲル201K−F3」)200部に対し
て、スチレン−ブタジエン−スチレン熱可塑性エラスト
マー(シェル化学社製商品名「カリフレックスTR−1
101」)20部およびブチルゴム(エッソ社製商品名
「エッソブチル#268」)80部を配合し、その他添
加剤としてポリエチレングリコール(日本油脂社製商品
名「PEG600」)の界面活性剤4部およびフェノー
ル系酸化劣化防止剤0.5 部を配合し、これを前述のポ
リエステル系スパンボンド不織布のシート基材12上に
塗布した後、吸水性組成物14上にポリプロピレン系ス
パンボンド不織布のカバークロス19を貼り合わせて遮
水性テープを製作した。供試試料1との主なる違いは、
有機バインダの組成物を変えてバインダモジュラスの値
を若干高くした(23kg/cm2)点である。
【0026】供試試料3:供試試料1と同じ吸水性組成
物イソブチレン−マレイン酸共重合体の金属塩の架橋体
の吸水性樹脂ポリマー(クラレ社製商品名「KIゲル2
01K−F3」)200部に対して、スチレン−ブタジ
エン−スチレン熱可塑性エラストマー(シェル化学社製
商品名「カリフレックスTR−1101」)40部およ
びブチルゴム(エッソ社製商品名「エッソブチル#26
8」)60部を配合し、その他添加剤としてポリエチレ
ングリコール(日本油脂社製商品名「PEG600」)
の界面活性剤4部およびフェノール系酸化劣化防止剤
0.5部 を配合し、これを前述のポリエステル系スパン
ボンド不織布のシート基材12上に塗布した後、吸水性
組成物層14上にポリプロピレン系スパンボンド不織布
のカバークロス19を貼り合わせて遮水性テープを製作
した。供試試料2との主なる違いは、有機バインダの組
成物であるスチレン−ブタジエン−スチレン熱可塑性エ
ラストマーとブチルゴムとの配合比率を変えてバインダ
モジュラスの値をさらに高くした(31kg/cm2
点である。
【0027】供試試料4:供試試料1と同じ吸水性組成
物イソブチレン−マレイン酸共重合体の金属塩の架橋体
である吸水性樹脂ポリマー(クラレ社製商品名「KIゲ
ル201K−F3」)200部に対して、スチレン−ブ
タジエン−スチレン熱可塑性エラストマー(シェル化学
社製商品名「カリフレックスTR−1101」)60部
およびブチルゴム(エッソ社製商品名「エッソブチル#
268」)40部を配合し、その他添加剤としてポリエ
チレングリコール(日本油脂社製商品名「PEG60
0」)の界面活性剤4部およびフェノール系酸化劣化防
止剤1部を配合し、これを前述のポリエステル系スパン
ボンド不織布のシート基材12上に塗布した後、吸水性
組成物層14上にポリプロピレン系スパンボンド不織布
のカバークロス19を貼り合わせて遮水性テープを製作
した。供試試料2および供試試料3との主なる違いは、
有機バインダの組成物であるスチレン−ブタジエン−ス
チレン熱可塑性エラストマーとブチルゴムとの配合比率
をさらに変えてバインダモジュラスの値をさらに高くし
た(44kg/cm2)点である。
【0028】供試試料5:供試試料1と同じ吸水性組成
物イソブチレン−マレイン酸共重合体の金属塩の架橋体
である吸水性樹脂ポリマー(クラレ社製商品名「KIゲ
ル201K−F3」)200部に対して、スチレン−ブ
タジエン−スチレン熱可塑性エラストマー(シェル化学
社製商品名「カリフレックスTR−1101」)80部
およびブチルゴム(エッソ社製商品名「エッソブチル#
268」)20部を配合し、その他添加剤としてポリエ
チレングリコール(日本油脂社製商品名「PEG60
0」)の界面活性剤4部およびフェノール系酸化劣化防
止剤1部を配合し、これを前述のポリエステル系スパン
ボンド不織布のシート基材12上に塗布した後、吸水性
組成物層14上にポリプロピレン系スパンボンド不織布
のカバークロス19を貼り合わせて遮水性テープを製作
した。供試試料2、供試試料3および供試試料4との主
なる違いは、有機バインダの組成物であるスチレン−ブ
タジエン−スチレン熱可塑性エラストマーとブチルゴム
との配合比率をさらに変えてさらにバインダモジュラス
の値を高くした(50kg/cm2)点である。
【0029】供試試料6:供試試料1と同じ吸水性組成
物イソブチレン−マレイン酸共重合体の金属塩の架橋体
である吸水性樹脂ポリマー(クラレ社製商品名「KIゲ
ル201K−F3」)200部に対して、スチレン−ブ
タジエン−スチレン熱可塑性エラストマー(シェル化学
社製商品名「カリフレックスTR−1101」)100
部配合し、その他添加剤としてポリエチレングリコール
(日本油脂社製商品名「PEG600」)の界面活性剤
4部およびフェノール系酸化劣化防止剤1部を配合し、
これを前述のポリエステル系スパンボンド不織布のシー
ト基材12上に塗布した後、吸水性組成物層14上にポ
リプロピレン系スパンボンド不織布のカバークロス19
を貼り合わせて遮水性テープを製作した。供試試料1と
の主なる違いは、有機バインダの組成物をブチルゴムか
らスチレン−ブタジエン−スチレン熱可塑性エラストマ
ーに変えてバインダモジュラスの値をさらに高くした
(62kg/cm2 )点である。
【0030】次の表には、その組成表および試験結果を
まとめて示す。試験中のバインダモジュラスの判定、T
型およびL型の遮水性、並びにカバークロスの密着性は
次の方法で測定した。試験に用いた水は全て人工海水で
ある。
【0031】
【表1】
【0032】(1)バインダモジュラス 上述の有機バインダにより2mm厚シートの所定の引張
試験サンプルを作成し、これをJIS K6254の低
変形引張試験によりモジュラスを測定した。
【0033】(2)T字型遮水性 T字型の遮水性とは、ケーブルの外被に何らかの力が加
わり、外被に穴又はクラックができ、そこから水が侵入
したときに、そのケーブルの長手方向への水の侵入を遮
断しようとする特性をいう。
【0034】図2にT字法の遮水性測定装置の斜視図を
示す。この図2に示した装置では、スロット型ロッドを
模した幅1.6mm、深さ2.0mmのスロット40aを
有するスロットバー40にまず厚さ0.4mm 、幅1m
mの光ファイバー心線テープを4枚入れる。そしてその
スロットバー40のスロット40a上に遮水性テープ1
0を、そのカバークロス19側をそのスロット40aに
対面させた状態で設け、さらにその上をシール用ビニル
テープ42で覆い光ファイバーケーブルと似た構造の模
擬ケーブル44を作成する。
【0035】そしてさらにこの模擬ケーブル44のスロ
ット40aの両端をオープンにして水平に置き、その真
ん中に当たる場所のシール用ビニルテープ42を1cm
にわたって剥ぎ取り、その上に給水パイプ46を設け、
この給水パイプ46に高さ1mまで人工海水を満たした
状態でコック(図示せず)を開いて遮水性テープ10に
浸透させ、24時間後にその模擬ケーブル44のスロッ
ト40a内にどの程度の長さまで水が走ってせき止めら
れたかによってT字方向の水走り性を評価した。水の走
った長さの短いものが遮水性に優れ、1m(100c
m)を超えると使用に耐え得ないと判定される。
【0036】(3)L字型遮水性 L字型の遮水性とは、ケーブルが外力で切断された場合
にケーブルの断面から水が侵入したときに、そのケーブ
ルの長手方向への水の侵入を遮断しようとする特性をい
う。
【0037】図3にL字法の遮水性測定装置の斜視図を
示す。この図3に示した装置では、スロット型ロッドを
模した幅1.6mm、深さ2.0mmのスロット40aを
有するスロットバー40にまず厚さ0.4mm、 幅1m
mの光ファイバー心線テープを4枚入れる。そしてその
スロットバー40のスロット40a上に遮水性テープ1
0を、そのカバークロス19側をそのスロット40aに
対面させた状態で設け、さらにその上にシール用ビニル
テープ42で覆い光ファイバーケーブルと似た構造の模
擬ケーブル44を作成する。そしてこのスロットバー4
0のスロット40aの一端に給水パイプ48を設け、こ
の給水パイプ48に高さ1mまで人工海水を満たした状
態でコック(図示せず)を開いてスロット40a内に注
水し、24時間後にその水がスロット40a内にどの程
度の長さまで走ってせき止められたかによってL字方向
の水走り性を評価した。水の走った長さの短い方がL字
型の遮水性に優れ、10mを超えると使用に耐え得ず、
また8m以下でほぼ良好であると判定される。
【0038】(4)カバークロス密着性 上述した供試試料1〜6の遮水性シート30mm幅の剥
離試験用サンプルを剥離引張試験機に装着し、引張速度
50mm/minで180°剥離試験を行なった。その
ときのカバークロスの破壊程度が、剥離力6kg/cm
以上の値を示せば良好(○),2〜6kg/cmの範囲
であれば普通(△),2kg/cm以下であれば不良
(×)と判定した。
【0039】しかして上記した表より明らかなように、
初めに遮水性をみた場合に、T字型の遮水性は供試試料
1〜6のいずれも1m(100cm)以下と良好な値を
示したが、遮水材の吸水性組成物中のバインダモジュラ
スが62kg/cm2 (供試試料6)では、L字型の遮
水性が10mの値を示し良くなかった(×印)。またバ
インダモジュラスが50kg/cm2 (供試試料5)で
は、L字型の遮水性が8mの値を示し、かろうじて合格
と判断された(△印)。したがってT字型およびL字型
の両方の遮水性を満足するためには、バインダモジュラ
スの値としておよそ60kg/cm2以下、好ましくは
50kg/cm2以下であることが望まれる。
【0040】一方、カバークロスの密着性については、
バインダモジュラスが50kg/cm2 以上(供試試料
5および6)になると悪い(×印)結果となった。また
バインダモジュラスが12kg/cm2 (供試試料1)
および44kg/cm2 (供試試料4)については一応
使用には耐え得る(△印)との判断となった。そして最
も安定しているのが、供試試料2(バインダモジュラス
が、23kg/cm2)および供試試料3(バインダモ
ジュラスが31kg/cm2)であった。
【0041】したがって以上の試験結果を総括すると、
遮水性(T字型およびL字型)が良く、かつカバークロ
スの密着性も一応満足するとされるバインダモジュラス
の値としては、およそ10〜50kg/cm2、好まし
くは15〜40kg/cm2の範囲にあることが望まれ
る。そして遮水性(T字型およびL字型)およびカバー
クロスの密着性のいずれもが最も安定して得られたの
は、供試試料3および4であり、そのバインダモジュラ
スの範囲は、20〜30kg/cm2 であることがわか
った。
【0042】尚、界面活性剤を配合すれば、L字型の遮
水性が若干良くなるし、シリカなどの無機充填剤を配合
すると、光ファイバーケブルへのこの遮水性テープの巻
き付け作業時の粘着性(べとつき性)が改善される等が
期待されるものである。
【0043】その他本発明では各種実施例(供試試料)
について試験を行なったが、上記実施例に何ら限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各種
の改良変更は可能である。例えば各種の組成物を変えた
り、配合量を変えたりしても本発明がバインダモジュラ
スに着目した点を考慮すれば、本発明に含まれることは
勿論である。
【0044】
【発明の効果】以上実施例について説明したように、本
発明のケーブル用遮水材によれば、高圧カレンダーや接
着剤を使わずにカバークロスをシート基材上の吸水性組
成物層上に貼り合わせてなるもので、その吸水性組成物
中の有機バインダのバインダモジュラスを調整すること
によりT字型およびL字型の遮水性能を良くし、かつカ
バークロスの密着性を良くしたものである。したがって
この遮水材を光ファイバーケーブルへの巻き付けるに際
して使用されるガイドレールやガイドロールに接着剤が
付着することもないばかりか、低張力による巻き付けに
より吸水性組成物の付着量も少なくて済み、光ファイバ
ーケーブルの製造設備のメンテナンスが軽減される等そ
の経済的効果も大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる遮水材の拡大断面図
である。
【図2】T字法の遮水性測定装置の斜視図である。
【図3】L字法の遮水性測定装置の斜視図である。
【符号の説明】
10 遮水材(遮水性テー
プ) 12 シート基材 14 吸水性組成物層 16 吸水性ポリマー粒子 18 有機バインダ 19 カバークロス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仁井山 慎介 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート基材の表面に吸水性ポリマー粒子
    がモジュラス10〜50kg/cm2 の範囲の有機バイ
    ンダを介して担持された吸水性組成物層が形成され、か
    つ該吸水性組成物層上にカバークロスが熱圧されている
    ことを特徴とするケーブル用遮水材。
JP6222552A 1994-08-23 1994-08-23 ケーブル用遮水材 Pending JPH0862473A (ja)

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