JPH086133B2 - リベット用線材の製造方法 - Google Patents

リベット用線材の製造方法

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JPH086133B2
JPH086133B2 JP62301849A JP30184987A JPH086133B2 JP H086133 B2 JPH086133 B2 JP H086133B2 JP 62301849 A JP62301849 A JP 62301849A JP 30184987 A JP30184987 A JP 30184987A JP H086133 B2 JPH086133 B2 JP H086133B2
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重正 斎藤
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Fuji Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は、鉄心の締め付けなどに用いられるリベッ
トのための線材の製造方法に関する。
【従来の技術】
電磁接触器などに使用される電磁石の鉄心は、第3図
に示すように、積層したけい素鋼板を厚手の側板で挟ん
だ積層体1をリベット2で締め付けることにより構成さ
れている。 この場合、積層体1にあけられたリベット挿入孔3の
内径は、リベット2の軸部4を貫挿できるようにその外
径より若干大きくされている。その結果、リベット2の
頭部5の成形前は、リベット挿入孔3とリベット2の軸
部4との間に空隙が存在する。
【発明が解決しようとする問題点】
ところがこの空隙のために、リベット2のかしめの際
に、材質によっては第3図のようにりリベット2の軸部
4が湾曲したり、第4図のようにリベット2の頭部5に
近い部分のみ変形し、リベット2とリベット挿入孔3と
の間には空隙が大部分残存してしまう。 このため、積層体1へのリベット2の締付力は、頭部
5と積層体1との接触面を介して加わり、例えばこのよ
うな鉄心を用いた電磁接触器では、開閉動作の繰り返し
による疲労から、リベット2の軸部4と頭部5との境界
部に応力が集中して亀裂が発生し、極端な場合にはリベ
ット2が破断して事故の原因となることがある。 このような亀裂の発生を防ぐには、第1図に示すよう
に、リベット挿入孔3とリベット2の軸部4とが密着
し、その間に空隙が存在しないことが望ましい。すなわ
ち、これにより積層された各々の板がリベット2で結合
される状態が得られ、リベット2の頭部5に加わる力が
小さくなって軸部4と頭部5との境界部への応力集中が
なくなる。 第1図に示すような状態を得るためには、軟らかい材
質を選定して、かしめの際にリベット2の軸部4が横に
拡がりリベット挿入孔3の断面を満たすようにすればよ
い。 しかし、単に軟らかい材料を用いた場合には、引張応
力を小さくして伸びを抑えるために、リベット2の断面
積を大きくしなければならないので、その分鉄心の寸法
が大きくなる。 そこで、本発明者は先に、かしめの際に変形してリベ
ット挿入孔の内面に密着するとともに疲れ強さが大き
く、断面積を大きくすることなく亀裂の発生を防止でき
るリベット用線材の製造方法を開発し、特許出願した
(特開昭57−206515号参照)。これは、0.10〜0.18%の
炭素を含むアルミキルド低炭素鋼の素線を軟質状態から
18〜30%の範囲の加工度で冷間伸線した後、600〜700℃
で焼鈍し、10%以下の仕上げ伸線を施すもので、この方
法により製造された線材は高い変形能を発揮し、この線
材を使用したリベットはかしめ時に軸部が膨出してリベ
ット挿入孔を満たし、軸部と頭部との境界部への応力集
中がなくなるとともに、その優れた疲れ強さから、例え
ば電磁接触器の鉄心締付用として用いた場合における上
記境界部での亀裂の発生を確実に防止するに至ってい
る。 本発明者はその後も引き続きリベット用線材の製造方
法の改良研究に従事したところ、より大きな変形能と強
度とを併せ持つリベット用線材を得る方法を突き止め
た。すなわち、この発明は、上記出願に係るリベット用
線材の製造方法を更に改良した技術に関し、より性能の
優れたリベット用線材を得ることのできる製造方法を提
供することを目的とするものである。
【問題点を解決するための手段】
この発明は、0.10〜0.18%の炭素を含み、0.10〜0.15
%のシリコンを残留させたシリコンキルド低炭素鋼の素
線を軟質状態から18〜25%の範囲の加工度で冷間伸線し
た後、600〜700℃で焼鈍するものである。焼鈍後に10%
以下の仕上げ伸線を行えば、リベットの寸法精度を向上
する上で効果的である。
【作 用】 この発明は、0.10〜0.18%の炭素を含む鋼に適度の割
合でシリコン(Si)を含有させ、この鋼に適正な伸線加
工と熱処理を施すと、リベット用線材としてきわめて優
れた性質を示すとの知見に基づいている。すなわち、本
発明者は、上記炭素を含む鋼の溶湯にシリコンを添加し
て生成過程で混入した酸素を除去したシリコンキルド鋼
を用い、しかもシリコンを0.10〜0.15%残留させた上
で、その素線を軟質状態から18〜25%の範囲の加工度で
冷間伸線し、次いで600〜700℃で焼鈍すると、この線材
はアルミキルド鋼を用いた場合と遜色のない冷間鍛造性
を示しながら、より大きな引張強さと疲れ強さとを持つ
ことを見出した。 上記出願に係る発明、更にはこの発明は、均一で微細
な結晶粒からなる金属組織の線材が高い変形能と疲れ強
さを示すとの認識に基づいて、そのための最適な加工・
焼鈍条件を見出したものであるが、これに加えて上記シ
リコンの残留は結晶粒の粒間不純物がシリコンで置き換
えられ、強度がより向上したものと考えられる。ここ
で、残留シリコンが0.15%を越えると、冷間鍛造性が低
下を始めることが実験により確認された。また、残留シ
リコンが0.1%以下になるようなシリコンの添加では、
シリコンの均一な分布が得にくく歩留りの低下を招く
上、必要な脱酸作用を得るための溶湯管理が煩雑となり
好ましくない。
【実施例】
第1表は、使用した素線の成分を示してある。 また、第2表は、第1表の成分を有する熱間圧延した
直径5.5mmの素線を加工度9%、20%及び28%で冷間伸
線し、続いて650℃の温度で4時間及び6時間焼鈍し、
その後600℃まで1時間当たり30℃の冷却速度で降温
し、次いで600℃から空冷した結果の引張強さ、疲れ強
さ、絞り、ビッカース硬さ及び粒度を示すものである。 第2表において、加工度9%の場合と20%の場合を比
較すると、20%の加工度で伸線した線材はフェライト粒
度が均一であり、硬さが低く、絞り性が増大して変形能
が向上しており、さらに疲れ強さで約40%上回ってい
る。 加工度が28%になると、疲れ強さは大きく、硬さも低
いが、絞り性が低下し変形能が劣ってくることを示して
いる。実験の結果、加工度は25%以下が適していること
が判明している。また加工度が18%より小さいときに
は、結晶粒が混粒になり、変形能及び疲れ強さが大きく
ないことも判明している。 最終焼鈍温度が600℃より低いと再結晶が十分起こら
ず、均一な金属組織が得られない。また700℃を超える
と結晶粒の粗大化を来たし、あるいは脱炭が起きること
もある。 素線の炭素量は、0.18%を超えると十分な変形が得ら
れない。 寸法精度を出すためには仕上げ伸線を行うとよい。そ
の場合、加工度が大きいと変形能が損なわれるので、加
工度は10%以下に抑えることが必要である。 この発明による線材をリベットとして使用した場合、
第2図に示すように、押型6によってリベット2を押圧
すると、リベット2の軸部4における中央部4aが膨出し
て積層体1のリベット挿入孔3の内面に密着する。この
変形は連続的な座屈現象によりさらに両端に向かって進
行して、第1図に示すように、リベット挿入孔3の断面
を満たし、その後において初めて頭部5が形成される。 これにより、リベット2の軸部4と頭部5との応力差
が小さくなる上、このリベット線材の疲れ強さが大きい
ので、リベット2のかしめ時及び使用中に、軸部4と頭
部5との境界部に亀裂が発生することがない。また、両
側板7(第1図)の担持力が小さくなるので、場合によ
っては側板7を省略することも可能である。
【発明の効果】
この発明によれば、シリコンを適度に残留させたシリ
コンキルド鋼を素材とし、これに適切な加工度と熱処理
とを施して均一で微細な金属組織とすることにより、ア
ルミキルド低炭素鋼を用いた場合と同様の変形態を示す
一方で、より大きな引張強さ及び疲れ強さを持つリベッ
ト用線材を製造することができる。その結果、リベット
強度の向上によりこれを適用した機器の信頼性を一層向
上させ、またリベット断面積の縮小あるいは必要本数の
減少を図れることから機器を小形化することが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による線材を用いたリベットの締付状
態を示す断面図、第2図は第1図のリベットのかしめ時
の状態を説明する断面図、第3図及び第4図は従来の線
材を用いたリベットの締付状態のそれぞれ異なる例を示
す断面図である。 1:積層体、2:リベット、3:リベット挿入孔、4:リベット
の軸部、5:リベットの頭部、6:押型、7:側板。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.10〜0.18%の炭素を含み、0.10〜0.15%
    のシリコンを残留させたシリコンキルド低炭素鋼の素線
    を軟質状態から18〜25%の範囲の加工度で冷間伸線した
    後、600〜700℃で焼純することを特徴とするリベット用
    線材の製造方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の方法におい
    て、10%以下の仕上げ伸線を施すリベット用線材の製造
    方法。
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