JPH0861243A - スパイラル式チューブポンプ - Google Patents

スパイラル式チューブポンプ

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Publication number
JPH0861243A
JPH0861243A JP19810494A JP19810494A JPH0861243A JP H0861243 A JPH0861243 A JP H0861243A JP 19810494 A JP19810494 A JP 19810494A JP 19810494 A JP19810494 A JP 19810494A JP H0861243 A JPH0861243 A JP H0861243A
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JP
Japan
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tube
pitch
pump
elastic tube
cylindrical body
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Pending
Application number
JP19810494A
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English (en)
Inventor
Michio Tsujiura
道生 辻浦
Shunichi Abe
俊一 阿部
Koichi Oishi
光一 大石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Engineering Corp
Original Assignee
Toyo Engineering Corp
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Publication date
Application filed by Toyo Engineering Corp filed Critical Toyo Engineering Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワークを連続的に圧送すると同時にそのワー
クへ安定した増圧または減圧をポンプ内で付与し、ま
た、対象ワークに応じて増減圧付与を容易に可変する。 【構成】 スパイラル式チューブポンプは円筒状本体1
を備え、円筒状本体1の内側面には弾性チューブ2が、
その内側面に沿ってスパイラル状に1巻きごとのピッチ
5を変えて設置されている。円筒状本体1の軸線上に
は、駆動シャフト3がその両端にて本体1と回転自在に
支持されている。駆動シャフト3は、三つのポンプロー
ラー4を支持部材を介して、駆動シャフト3と平行に、
且つ同一円周上に互いに一定ピッチ(60°)に支持し
ている。各ポンプローラー4は、弾性チューブ2の一端
から他端までをまたぐに十分な長さで弾性チューブ2を
押圧している。さらに、円筒状本体1の外側より弾性チ
ューブ2のスパイラルピッチ5を可変調節するピッチ調
節機構(不図示)が備えられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体の高所圧送、気・
液体混合物の気泡圧縮・溶解を伴う圧送、および気・固
・液体混合物の固液の高密度化を伴う圧送に適用可能な
スパイラル式チューブポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、気・液体混合物や気・固・液体混
合物などのワークを圧送できるポンプとして、チューブ
ポンプやシリンダー式ポンプ等がある。
【0003】図7は従来のチューブポンプの摸式図、図
8はシリンダー式ポンプの摸式図である。
【0004】従来のチューブポンプは、図7に示すよう
に、三つのローラー101を同一円周上に互いに一定ピ
ッチ(60°)で支持する回転支持部102と、回転支
持部102の回転に伴って各ローラー101に押圧され
る、流路である弾性チューブ103とを備えている。そ
して、隣り合う二つのローラー101の間に挟まれて構
成される一定容積のポンプ室104を回転支持部102
の図中矢印方向の回転に伴って移動させることにより、
弾性チューブ103内のワークを吸引側から吐出側へと
圧送することができる。
【0005】また、シリンダー式ポンプは図8に示すよ
うに、第1のシリンダー105と第2のシリンダー10
6とを一体的に構成し、シリンダー室内にワークを吸引
するための吸引口108a,108bとシリンダー室内
のワークを吐出するための吐出口107a,107bと
を各々に設けたもので、各吸引口108a,108b及
び各吐出口107a,107bは、弁によって開閉自在
になっている。さらに、各吐出口107a,107bに
はそれぞれ、一本の流路管109を二つに分岐してなる
分岐端が接続されている。
【0006】そしてシリンダー式ポンプでは、第1のシ
リンダー105と第2のシリンダー106とが交互に駆
動されることにより、ワークが流路管109を通じて圧
送される。すなわち、第1のシリンダー105内のワー
クを吐出している時は、第2の吐出口107bの弁を閉
じて第2のシリンダー106内に第2の吸引口108b
よりワークを吸引し、次に第1の吐出口107aの弁を
閉じると共に第2の吐出口107bの弁を開き、第2の
シリンダー内のワークを吐出する。このように二つのシ
リンダーで交互に吸引と吐出を切り換える事により、流
路管109を通じてワークを圧送することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のチューブポンプやシリンダー式ポンプでは、ワ
ークを圧送するのみで、ポンプ内でワークに増圧または
減圧を付与することはできなかった。
【0008】すなわち、図7に示したチューブポンプで
は、ワークの圧送を行うローラー間のピッチ(60°)
が固定のため、隣り合う二つのローラーの間に挟まれて
構成されるポンプ室内の空間容積は絶えず一定であり、
したがって、ポンプ室の内圧は一定で可変できない。
【0009】図8に示したシリンダー式ポンプは、ピス
トンの移動によってシリンダー内の容積が変化するの
で、シリンダーの内圧は確かに上昇方向で変化するが、
本来、この時はピストンの前進と同時にシリンダーの吐
出口のバルブは開かれているので、シリンダー内の内圧
は内にこもって上昇する方向に働かないで、シリンダー
内のワークを吐出させる吐出力に転換されるので、基本
的にはワークそのものが安定した圧力を保持する状態に
はならない。
【0010】もし、ワークへの増圧を考えるなら、シリ
ンダー吐出口に接続された流路管に増圧させたいワーク
をこもらせておき、それへシリンダーより吐出させるよ
うにすれば、ワークへの加圧の目的を達することは可能
といえなくはないが、シリンダー式ポンプは構造上、吸
引と吐出を同時に行うことができず、交互に行われなけ
ればならないので、流路内のワークは脈動を余儀なくさ
れ、安定した圧を得ることは困難である。
【0011】また、上述したような問題点を有している
ので、従来のチューブポンプやシリンダー式ポンプのみ
では、気・液体混合物による物体の気泡洗浄操作、例え
ば重圧下で微細化した不活性気体の気泡を内蔵する洗浄
液を常圧水槽内に噴出させて被洗浄物に吹き付け、常圧
下で急成長する気泡の洗浄液拡散作用を洗浄効果に繋げ
る操作や、あるいは気・固・液体混合物の脱気操作、例
えば食用練り製品を搬送しながら漸次増圧することによ
り固・液体とガスとに分離させて脱気しながら高密度化
する操作などができず、それらの操作のために別の装置
が必要であった。
【0012】更には、気体、液体、粘性体、粉体などの
単体または混合物からなる対象ワークの性質が変わると
適正な増減圧域が異なる場合が多いので、一台のポンプ
で種々の対象ワークへの圧力付与を容易に可変対応でき
るものが必要とされている。
【0013】そこで本発明は上記従来技術の問題点に鑑
み、気・液体混合物や気・固・液体混合物などのワーク
を連続的に圧送すると同時にそのワークへ安定した増圧
または減圧をポンプ内で付与することができ、また、対
象ワークに応じて増減圧付与を容易に可変することがで
きるスパイラル式チューブポンプを提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、円筒状本体の内側面に沿ってスパイラル状
に1巻きごとのピッチが異なるように設置された弾性チ
ューブと、前記円筒状本体の内側にあって前記円筒状本
体の軸線と平行に且つ同一円周上に互いに一定ピッチで
配置され、前記弾性チューブを押し潰している複数のポ
ンプローラーと、前記複数のポンプローラーを前記円筒
状本体の軸線を中心に同時に回転させるための駆動シャ
フトと、前記弾性チューブの1巻きごとのピッチを可変
調節するためのピッチ調節機構と、を少なくとも備えた
スパイラル式チューブポンプであることを特徴とする。
【0015】また、前記スパイラル式チューブポンプに
おいて、前記ピッチ調節機構は、前記円筒状本体の内側
面の前記円筒状本体の軸線と平行な直線上に前記弾性チ
ューブの1巻きごとにスライド可能に配設された、前記
弾性チューブを収受する溝部を有するチューブ受け具お
よび該チューブ受け具をピンにより回転自在に連結保持
するドライバーと、前記円筒状本体の外側より前記各ド
ライバーをそれぞれ異なるスライド量で駆動させるため
のスライド駆動部と、から構成され、前記スライド駆動
部は、前記各ドライバーごとにねじピッチを変えて前記
ドライバーの全部とねじ合っているねじシャフトである
ことを特徴とする。
【0016】さらに、前記弾性チューブの外周面には、
前記チューブ受け具の溝部と合致する突起部が前記弾性
チューブの長さ方向に沿って形成されていることを特徴
とする。
【0017】
【作用】上記のとおりに構成された本発明では、円筒状
本体の内側面に沿ってスパイラル状に1巻きのピッチが
それぞれ異なるように設置された弾性チューブが、円筒
状本体の軸線と平行に且つ同一円周上に互いに一定ピッ
チで配置された複数のポンプローラーにより押し潰され
ている為、弾性チューブ内には隣り合う二つのポンプロ
ーラーにて密閉された空間(以下、「ポンプ室」とい
う。)が複数形成され、この時のポンプ室の容積は、そ
れぞれ大小異なっている。これは、同一の円筒内にスパ
イラル状に巻いたチューブの1巻きごとのピッチを変え
ると、各1巻き分の周回長さはそれぞれ異なり、1巻き
ピッチが大きい時は周回長さは長くなり、1巻きピッチ
が小さい時は周回長さは短くなるからである。
【0018】このような状態にて、駆動シャフトにより
円筒状本体の軸線を中心に複数のポンプローラーを同時
に回転させると、複数のポンプローラーは弾性チューブ
を連続的に押し潰しながら移動するので、ポンプ室の容
積は弾性チューブのスパイラルピッチに比例して変化す
る。
【0019】そこで、密閉状態のポンプ室の容積が駆動
シャフトによるポンプローラーの移動に伴って拡大され
るようにスパイラルピッチを設定すれば、圧送と同時に
ポンプ内でワーク(内容物)に容積拡大変化分だけ減圧
を付与することが可能となる。逆に、縮小されるように
スパイラルピッチを設定すれば、ポンプ内で容積縮小変
化分だけ増圧させることが可能となる。
【0020】このことにより、気・液体混合物あるいは
気・固・液体混合物などのワークを増圧または減圧の状
態に一定時間保持しながら圧送することができるので、
それらの混合物に対しての気体の微細化操作または脱気
操作をポンプ内で圧送と同時に行うことが可能となる。
【0021】さらに、弾性チューブの1巻きごとのピッ
チを可変調節できること、つまり弾性チューブをその1
巻きごとに収受する溝部を有するチューブ受け具と該各
チューブ受け具をピンにより回転自在に連結保持するド
ライバーとを円筒状本体の内側面に本体の軸線と平行な
直線上でスライドできるように設け、前記各ドライバー
を円筒状本体の外側よりそれぞれ異なるスライド量で駆
動させるためのスライド駆動部を設けてなるピッチ調節
機構を備えたことにより、ポンプにて圧送する対象ワー
クの性質に応じてスパイラルピッチを容易に可変調節す
ることが可能になる。
【0022】この場合、弾性チューブのスパイラルピッ
チを可変調節すると、当然の事ながら、巻き角度が変化
し、且つ、1巻き当たりの巻き長も変化するが、チュー
ブ受け具はピンによって回転自在にドライバーと連結さ
れているので、巻き角度の変化に対して自在に対応でき
ると共に、弾性チューブがチューブ受け具の溝内に収受
されているだけなので、チューブ受け具の可動にて誘導
されるスパイラルピッチ変化による1巻き当たりの巻き
長の変化に対しても、滑動対応が自在にでき、これらの
結果、チューブ破損の虞れはない。
【0023】また、ポンプ稼動時において、ポンプロー
ラーが弾性チューブを押し潰しながら移動するが、この
とき、ピッチ調節機構のチューブ受け具の溝部と合致す
る突起部が弾性チューブの外周面にその長さ方向に沿っ
て設けられているので、弾性チューブはポンプローラー
の加圧回転にてずれず、設定したスパイラルピッチを維
持する。したがって、圧送するワークへの設定圧力を安
定して付与することが可能となる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0025】図1は本発明のスパイラル式チューブポン
プの一実施例の特徴を最もよく表わす縦断面図、図2は
図1に示した弾性チューブ、ポンプローラ及び駆動シャ
フトの関連状態を表わした摸式図である。
【0026】本実施例におけるスパイラル式チューブポ
ンプは、図1に示すように、円筒状本体1を備え、円筒
状本体1の内側面には弾性チューブ2が、その内側面に
沿ってスパイラル状に1巻きごとのピッチ(スパイラル
ピッチ5)を変えて設置されている。
【0027】円筒状本体1の軸線上には、駆動シャフト
3がその両端にて本体1と例えばベアリングを介して回
転自在に支持されている。
【0028】この駆動シャフト3は、図1および図2に
示すように、三つのポンプローラー4を支持部材を介し
て、駆動シャフト3と平行に、且つ同一円周上に互いに
一定ピッチ(60°)に支持している。各ポンプローラ
ー4は、弾性チューブ2の一端から他端までをまたぐに
十分な長さを持って弾性チューブ2を押圧している。こ
れにより、隣り合う二つのポンプローラー4に挟まれて
ポンプ室6が構成されている。
【0029】一般に、同一の円筒内にスパイラル状に巻
いたチューブの1巻きごとのピッチを変えると、各1巻
き分の周回長さはそれぞれ異なり、1巻きピッチが大き
い時は周回長さは長くなり、1巻きピッチが小さい時は
周回長さは短くなる。
【0030】したがって、このような1巻きごとのピッ
チを変えたチューブを、図1および図2に示すように同
一円周上に一定ピッチで配設した各ポンプローラー4で
押し潰すと、二つのポンプローラー間にて形成されるポ
ンプ室6の空間容積もそれぞれ大小異なることとなる。
【0031】図1において、円筒状本体1の内側面にス
パイラル状に設置した弾性チューブ2の1巻きごとのピ
ッチ(スパイラルピッチ5)が、図1中右から左へと所
定の割合で縮小されている場合、駆動シャフト3を矢印
a方向(図1、図2参照)に回転させると、隣り合う二
つのポンプローラー4の間に形成される弾性チューブ2
のポンプ室6も、弾性チューブ2のスパイラル形状に沿
って移動するが、この弾性チューブ2のスパイラルピッ
チ5が大から小へ縮小変化しているので、ポンプ室6の
空間容積もそれに比例して大から小へと縮小変化する。
この時、ポンプ室6は前後を二つのポンプローラー4で
密閉されているので、圧送する気・液体混合物や気・固
・液体混合物などのワークの逃げ場はなく、ポンプ室6
の縮小変化分だけポンプ室6の内圧が上昇し続けること
になる。
【0032】一方、駆動シャフト3の回転を反対の矢印
b方向(図1、図2参照)に切り換えると、弾性チュー
ブ2がスパイラル形状であることからポンプローラー4
にて誘導されるポンプ室6の移動方向は反転し、内圧も
増圧から減圧傾向となる。
【0033】この時の減圧変化率は、弾性チューブ2の
スパイラルピッチの小から大への変化率に正比例するこ
とは言うまでもない。
【0034】このような本実施例では、隣り合う二つの
ポンプローラーによりポンプ室が密閉された状態でワー
クを搬送させるので、ポンプ内にある一定時間、弾性チ
ューブ内のワークへの圧力付与状態を安定して保ち続け
ることができる。このため、例えば気・液体混合物によ
る物体の気泡洗浄操作や気・固・液体混合物の脱気操作
などの場合には別の装置を設けることなく、ワークの圧
送と同時に行なうことができ、操作工程が簡素化されて
省力化を図ることができる。
【0035】なお、前記の弾性チューブ2は、ポンプロ
ーラー4による押圧が消滅すれば、即座に中空状に戻る
復元力を備えたものであることは言うまでもない。ま
た、本実施例ではポンプローラー4が三つの場合を示し
たが、これに限られるものではない。
【0036】また本実施例では、前記の弾性チューブ2
が、図2に示すチューブ受け具7により、そのスパイラ
ル状の1巻きごとのピッチを任意に可変できるように構
成されている。
【0037】そこで、チューブ受け具7を含む、弾性チ
ューブ2の1巻きごとのスパイラルピッチ5を可変調節
できるピッチ調節機構について説明する。
【0038】図3は円筒状本体1の内側面における弾性
チューブ2の設置状態を示す斜視図、図4はピッチ調節
機構の構造を説明するために一部を断面で示した平面
図、図5は図4に示したピッチ調節機構を矢印方向から
見た部分断面図、図6はピッチ調節機構による弾性チュ
ーブの1巻きごとのスパイラルピッチの可変状態を示す
摸式的断面図である。
【0039】図3に示すように、円筒状本体1の内側面
の、本体1の軸線と平行な直線上には、ガイド溝窓8が
弾性チューブ2の1巻きごとに形成されている。各ガイ
ド溝窓8には、図4および図5に示すように、ガイド溝
窓8の溝幅よりも小さく作られ弾性チューブ2を収受す
る溝部を有するチューブ受け具7と、チューブ受け具7
をピン9により回転自在に連結保持するドライバー10
とが本体1の軸線と平行な方向にスライド可能に設置さ
れている。そして、ドライバー10の一部は、円筒状本
体1の外側に突き出ており、ドライバー10の突出し部
には雌ねじが設けられ、この雌ねじにはスライド駆動部
としてのねじシャフト11がねじ合っている。さらに、
ねじシャフト11は、図6に示すように、全てのドライ
バー10の突出し部の雌ねじとねじ合っており、ねじシ
ャフト11の両端部はそれぞれ、例えばベアリングを介
して円筒状本体1の外側部に回転自在に支持されてい
る。
【0040】なお、ドライバー10は、本体1の外側よ
り押え板12を用いて脱落の防止がなされている。また
本発明は、チューブ受け具7の溝部に収受される弾性チ
ューブ2の外周面に、その溝部に合致する突起部2aを
弾性チューブ2の長さ方向に沿って形成することによ
り、ポンプローラー4の回転加圧によって弾性チューブ
2がチューブ受け具7から脱落して、設定したスパイラ
ルピッチに変化が生じる事がないようにしている。
【0041】上記の構成にて、ねじシャフト11を一方
向に回転させると、各ドライバー10が同一方向にそれ
ぞれ異なる量でスライドして、これらのドライバー10
に連結されたチューブ受け具7が連れ動き、各チューブ
受け具7に収受されている弾性チューブ2も可動する
(図6参照)。したがって、ねじシャフト11の回転に
よって弾性チューブ2のスパイラルピッチを自在に可変
調節することができる。
【0042】この場合、弾性チューブ2のスパイラルピ
ッチを変化させると、当然ながら、巻き角度が変化し、
且つ、1巻き当たりの巻き長も変化するが、チューブ受
け具7はピン9(図4、図5参照)によって回転自在に
ドライバー10と連結されているので、巻き角度の変化
に対して自在に対応できると共に、弾性チューブ2の突
起部2aがチューブ受け具7の溝内に収受されているだ
けなので、チューブ受け具7の可動にて誘導されるスパ
イラルピッチ変化による1巻き当たりの巻き長の変化に
対しても、滑動対応が自在にでき、これらの結果、チュ
ーブ破損の虞れはない。
【0043】また、上述したように各ドライバー10を
それぞれ異なるスライド量で駆動させるためには、図6
に示したねじシャフト11のねじ部11aとねじ部11
bのねじピッチを1:2、その他の比率で作製し、各ド
ライバー10の雌ねじを、ねじ部11aとねじ部11b
に対応させて組み立てればよい。
【0044】このような構成によれば、弾性チューブ2
のスパイラルピッチの変動幅に変化を持たせることが可
能になり、対象ワークの性質に応じた適正な増減圧域の
圧力を容易に可変させて付与することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載するような効果を奏する。
【0046】請求項1に記載のものにおいては、円筒状
本体の内周面に沿って配置された可変スパイラルピッチ
の弾性チューブを、円筒状本体の軸線と平行に且つ同一
円周上に互いに一定ピッチで配置された複数のポンプロ
ーラーにより押し潰し、複数のポンプローラーを円筒状
本体の軸線を中心に同時に回転させることができる構成
にしたことにより、ポンプ内のワークを増圧または減圧
の状態に一定時間保持しながら圧送することができる。
この結果、気・液体混合物あるいは気・固・液体混合物
における気体の微細化操作・脱気操作も別の装置を設け
ることなく送液操作と同時に行えるので、省力化でき
る。
【0047】また、弾性チューブの1巻きごとのピッチ
を可変調節するピッチ調節機構を備えているので、一台
のポンプで種々の対象ワークへの圧力付与を容易に可変
対応でき、搬送したいワークの適用範囲を拡げることが
できる。
【0048】請求項2に記載のものにおいては、前記ピ
ッチ調節機構を、弾性チューブをその1巻きごとに収受
する溝部を有するチューブ受け具と該各チューブ受け具
をピンにより回転自在に連結保持するドライバーとを円
筒状本体の内側面に本体の軸線と平行な直線上でスライ
ドできるように設け、前記各ドライバーを円筒状本体の
外側よりそれぞれ異なるスライド量で駆動させるための
スライド駆動部を設けた構成としたことにより、装置本
体の外側よりスパイラルピッチを調節できるのでメンテ
ンナンス性での利点も有する。
【0049】そして、前記チューブ受け具はピンによっ
て回転自在にドライバーと連結されているので、巻き角
度の変化に対して自在に対応できると共に、弾性チュー
ブがチューブ受け具の溝内に収受されているだけなの
で、チューブ受け具の可動にて誘導されるスパイラルピ
ッチ変化による1巻き当たりの巻き長の変化に対して
も、滑動対応が自在にでき、ピッチ調節時においてチュ
ーブ破損の虞れはない。
【0050】請求項3に記載のものにおいては、前記ス
ライド駆動部を前記各ドライバーごとにねじピッチを変
えて前記ドライバーの全部とねじ合っているねじシャフ
トとしたことにより、弾性チューブのスパイラルピッチ
の調節においてねじシャフトのねじピッチで容易に対応
することができる。
【0051】請求項4に記載のものにおいては、前記弾
性チューブの外周面に前記ピッチ調節機構のチューブ受
け具の溝部と合致する突起部を弾性チューブの長さ方向
に沿って設けたことにより、ポンプ稼動中にポンプロー
ラーの回転加圧により弾性チューブがずれることなく、
設定したスパイラルピッチを安定・維持することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパイラル式チューブポンプの一実施
例の特徴を最もよく表わす縦断面図である。
【図2】図1に示した弾性チューブ、ポンプローラ及び
駆動シャフトの関連状態を表わした摸式図である。
【図3】本発明のスパイラル式チューブポンプの一実施
例の円筒状本体の内側面における弾性チューブの設置状
態を示す斜視図である。
【図4】本発明のスパイラル式チューブポンプの一実施
例のピッチ調整機構の構造を説明するために一部を断面
で示した平面図である。
【図5】図4に示したピッチ調整機構を矢印方向から見
た部分断面図である。
【図6】本発明のスパイラル式チューブポンプの一実施
例のピッチ調節機構による弾性チューブの1巻きごとの
スパイラルピッチの可変状態を示す摸式的断面図であ
る。
【図7】従来のチューブポンプの摸式図である。
【図8】シリンダー式ポンプの摸式図である。
【符号の説明】
1 円筒状本体 2 弾性チューブ 2a 突起部 3 駆動シャフト 4 ポンプローラー 5 スパイラルピッチ 6 ポンプ室 7 チューブ受け具 8 ガイド溝窓 9 ピン 10 ドライバー 11 ねじシャフト 12 押え板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状本体の内側面に沿ってスパイラル
    状に1巻きごとのピッチが異なるように設置された弾性
    チューブと、 前記円筒状本体の内側にあって前記円筒状本体の軸線と
    平行に且つ同一円周上に互いに一定ピッチで配置され、
    前記弾性チューブを押し潰している複数のポンプローラ
    ーと、 前記複数のポンプローラーを前記円筒状本体の軸線を中
    心に同時に回転させるための駆動シャフトと、 前記弾性チューブの1巻きごとのピッチを可変調節する
    ためのピッチ調節機構と、 を少なくとも備えたスパイラル式チューブポンプ。
  2. 【請求項2】 前記ピッチ調節機構は、 前記円筒状本体の内側面の前記円筒状本体の軸線と平行
    な直線上に前記弾性チューブの1巻きごとにスライド可
    能に配設された、前記弾性チューブを収受する溝部を有
    するチューブ受け具および該チューブ受け具をピンによ
    り回転自在に連結保持するドライバーと、 前記円筒状本体の外側より前記各ドライバーをそれぞれ
    異なるスライド量で駆動させるためのスライド駆動部
    と、から構成されていることを特徴とする請求項1に記
    載のスパイラル式チューブポンプ。
  3. 【請求項3】 前記スライド駆動部は、前記各ドライバ
    ーごとにねじピッチを変えて前記ドライバーの全部とね
    じ合っているねじシャフトであることを特徴とする請求
    項2に記載のスパイラル式チューブポンプ。
  4. 【請求項4】 前記弾性チューブの外周面には、前記チ
    ューブ受け具の溝部と合致する突起部が前記弾性チュー
    ブの長さ方向に沿って形成されていることを特徴とする
    請求項2に記載のスパイラル式チューブポンプ。
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