JPH0859356A - 炭素繊維強化炭素複合材の耐酸化処理法 - Google Patents
炭素繊維強化炭素複合材の耐酸化処理法Info
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- JPH0859356A JPH0859356A JP6216645A JP21664594A JPH0859356A JP H0859356 A JPH0859356 A JP H0859356A JP 6216645 A JP6216645 A JP 6216645A JP 21664594 A JP21664594 A JP 21664594A JP H0859356 A JPH0859356 A JP H0859356A
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Abstract
面に、炭化珪素の均一な被覆層を形成することのできる
C/C材の耐酸化処理法を提供する。 【構成】 珪素源と炭材の混合粉末に炭素繊維のチョッ
プあるいはミルド、および熱硬化性樹脂を混合し、所定
形状に成形したのち硬化した成形体を、C/C材に当接
した状態で非酸化性雰囲気下1600〜2000℃に加熱処理し
て炭化珪素の被覆処理を施す。
Description
材(以下「C/C材」という。)の基材面に高温下の酸
化抵抗性に優れる炭化珪素の均一な被覆層を形成するC
/C材の耐酸化処理法に関する。
を有するうえに優れた耐熱性および化学的安定性を備え
ているため、航空宇宙用をはじめ多くの分野で構造材料
として有用されている。ところが、この材料には大気中
において 500℃付近から酸化を受けるという炭素材固有
の材質的な欠点があり、これが汎用性を阻害する最大の
ネックとなっている。このため、C/C材の表面に耐酸
化性の被覆を施して改質化する試みがなされており、例
えば炭化珪素、窒化珪素、ジルコニヤ、アルミナ等の耐
熱セラミックス系物質によって被覆処理する方法が開発
されている。このうち、被覆層の形成操作、性状特性な
ど技術的、経済的の面から炭化珪素の被膜形成が最も工
業性に適合している。
を施す方法として、気相反応により生成するSiCを直
接沈着させるCVD法(化学的気相蒸着法)と、基材の
炭素を反応源に利用してSiOガスと反応させることに
よりSiCに転化させるコンバージョン法が知られてい
る。このうち、前者のCVD法を適用して形成した炭化
珪素被覆層は、基材との界面が明確に分離している関係
で熱衝撃を与えると相互の熱膨張差によって層間剥離現
象が起こり易く、高温域での十分な耐酸化性は望めな
い。これに対し、後者のコンバージョン法による場合に
は基材の表層部が連続組織として炭化珪素層を形成する
傾斜機能材質となるため界面剥離を生じることがない。
えばC/C基材の原料フィラー中に予め炭化珪素の微粉
末を混入しておき熱処理時に耐酸化膜を形成する方法
(特開平2−271963号公報) があるが、この方法では緻
密性の高い耐酸化性被膜を形成することは困難である。
また、特開平1−252578号公報にはC/C基材を
炭化珪素被覆用の珪素源と炭材からなる混合粉体中に埋
没させて加熱することにより耐酸化膜を形成する方法が
提案されている。
法 (特開平1−252578号公報) では炭化珪素被覆用の材
料が粉体であるために均一に混合することが難しいう
え、混合粉体中において珪素源と炭材が偏析を生じる問
題がある。このような原料系に偏析が発生すると、生成
するSiOガス濃度が変動して不均質になり易く、形成
される炭化珪素の被覆層の膜厚が不均一になる欠点があ
る。更に、C/C材が三次元的に複雑な形状を有する場
合には反応原料を基材に対して一定割合で設置すること
が困難となり、均一な膜厚を被覆することに多くの課題
を含んでいた。
の均質化を図ることにより、形成される炭化珪素被覆層
の膜厚を均一化するとともにハンドリング性の向上を図
り、処理作業の容易なC/C材の耐酸化処理法を提供す
ることにある。
めの本発明によるC/C材の耐酸化処理法は、珪素源と
炭材の混合粉末に炭素繊維のチョップあるいはミルドお
よび熱硬化性樹脂を混合し、所定形状に成形したのち硬
化した成形体を、炭素繊維強化炭素複合材に当接した状
態で非酸化性雰囲気下1600〜2000℃に加熱処理
して炭化珪素の被覆層を形成することを構成上の特徴と
する。
アクリロニトリル系、レーヨン系、ピッチ系など各種原
料から製造された平織、朱子織、綾織などの織布を一次
元または多次元方向に配向した繊維体、フェルト、トウ
等が使用され、マトリックス樹脂としてはフェノール
系、フラン系など高炭化性の液状熱硬化性樹脂、タール
ピッチのような熱可塑性物質が用いられる。炭素繊維
は、含浸、塗布などの手段によりマトリックス樹脂で十
分に濡らしたのち半硬化してプリプレグを形成し、つい
で積層加圧成形する。成形体は加熱して樹脂成分を完全
に硬化し、引き続き常法に従って焼成炭化または更に黒
鉛化してC/C基材を得る。また、用途によってはマト
リックス樹脂の含浸、硬化、炭化の処理を反復したり、
CVD法を用いてメタン、プロパン等を原料とする熱分
解炭素を沈着させて組織の緻密化を図ることもできる。
なお、前記焼成炭化時の温度は炭化珪素膜を形成する際
の処理温度よりも高く設定しておくことが望ましい。
料には、珪素源と炭材からなる混合物が用いられる。珪
素源としては、石英、珪石、珪砂等のSiO2 含有物質
を粒径10〜500 μm に粉砕したものが、また炭材として
は、粒径10〜500 μm のコークス、ピッチ、黒鉛、カー
ボンブラック等の炭素質物質が用いられる。珪素源と炭
材との配合組成は、各材料粉末の表面積を考慮して決定
されるが、一般的にはSiO2 :Cの重量比率が1:1
〜5:1の範囲になるように調整し、配合物をV型ブレ
ンダーなどの混合装置で十分に混合する。
プあるいは粉砕したミルド、およびフェノール樹脂やフ
ラン樹脂などの熱硬化性樹脂液を配合して、充分に混練
して均一な混合物としたのち混合物を所定形状に成形
し、次いで加熱硬化して成形体とする。炭素繊維のチョ
ップやミルドは成形体の骨格として形状保持に機能し、
また熱硬化性樹脂は成形時のバインダーとして機能す
る。本発明は、この成形体を炭化珪素被覆用のSiOガ
ス発生の原材料として用いるものであり、成形体の形状
は、炭化珪素を被覆するC/C基材面の形状を考慮して
所定形状に成形されるが、とくにC/C基材の被覆面が
複雑な形状の場合には、その形状に対応した成形体を作
製することが好ましい。なお、成形時に加熱硬化の条件
設定や熱硬化性樹脂を選択することにより、曲面形状物
へのなじみ(フィッティング性)を向上させることも可
能である。
に当接させた状態で反応容器内に装入し、この反応容器
を加熱炉に入れて非酸化性雰囲気下に1600〜200
0℃の温度で加熱処理することにより行われ、均一な膜
厚を有する炭化珪素の被覆層を形成することができる。
コンバージョン法によるものであり、被覆材料から生成
するSiOガスをC/C基材に接触させて徐々にその表
面を炭化珪素層に転化させる機構に基づいている。
ガス発生の原材料として、珪素源粉末と炭材粉末との混
合粉末に炭素繊維のチョップあるいはミルド、およびフ
ェノール樹脂やフラン樹脂などの熱硬化性樹脂を配合し
た成形体を使用するものであるから、珪素源粉末と炭材
粉末の混合粉体を用いる方法に比べて偏析を生じること
がなく、成形体の表面から均一にSiOガスを発生させ
ることができる。更に、成形体はC/C基材面に当接し
た状態で加熱され、被覆処理されるのでC/C基材面に
おけるSiOガス濃度は均一化して、均等にSiC化反
応させることが可能となる。その結果、均一な炭化珪素
被覆層を形成することができ、更に、複雑な形状を有す
るC/C基材についても本発明を適用すれば均一な膜厚
の炭化珪素被覆層の形成が可能となる。
原材料が成形体であるから粉体に比べて取扱いが容易で
あり、C/C材のセッティングや取り出しなどのハンド
リング性が向上するので、能率よく耐酸化処理を行うこ
とができる。
明する。
系の平織炭素繊維布〔東邦レーヨン(株)製、W6101 〕
にフェノール樹脂初期縮合物〔住友デュレズ(株)製、
PR940 〕をマトリックスとして体積含有率が60%になる
ように塗布し、48時間風乾してプリプレグシートを作製
した。このプリプレグシート10枚を、L型雌治具に積層
してオートクレーブに入れ、20kg/cm2の圧力を適用して
加熱温度 130℃で10時間、加熱温度 170℃で3時間の条
件により加圧成形して複合化した。次いで、複合体を窒
素ガス雰囲気に保持された焼成炉に移し、20℃/hr の昇
温速度で1000℃まで上昇して炭化処理をおこなった。こ
の材料にフルフリルアルコール初期縮合物を真空・加圧
含浸し、再び焼成炉に移して50℃/hr の昇温速度で2000
℃まで加熱して厚さ2.5mmで、縦75mm、横75mm、
長さ200mmのL型のC/C基材を作製した。
粉末を4:1の重量比で混合した混合粉末中に、黒鉛化
炭素繊維チョップドファイバー(繊維径7μm、長さ
0.1mm) を黒鉛粉末に対して5重量%の割合で配合
し、また全重量に対して40重量%のフェノール樹脂を
加えて充分に混練したのち、前記C/C基材の形状に対
応させて成形し、L型形状の成形体を得た。この成形体
を170℃の温度で硬化したのちC/C基材面に当接し
た状態にして黒鉛容器に入れ、黒鉛容器を窒素ガス雰囲
気に保持された加熱炉中で1900℃に2時間加熱処理
して、C/C基材表面に炭化珪素の被覆層を形成した。
%としたほかは、実施例1と同一の条件で成形体の作製
ならびに炭化珪素の被覆処理を行った。
使用し、黒鉛粉末に対して3重量%の割合で配合したほ
かは、実施例1と同一の条件で成形体の作製ならびに炭
化珪素の被覆処理を行った。
粉末を4:1の重量比で混合充填した黒鉛容器の中に前
記C/C基材を埋没するように入れた。黒鉛容器を窒素
ガス雰囲気に保持された加熱炉中で1900℃に2時間
加熱処理して、C/C基材表面に炭化珪素の被覆層を形
成した。
製し、黒鉛治具面に直径30mm、深さ30mmの穴を等間
隔に36個設け、この穴の中に比較例1と同一の混合粉
末を充填した。C/C基材を雄雌型の黒鉛治具間に入れ
て、窒素ガス雰囲気に保持された加熱炉中で1900℃
に2時間加熱処理して、C/C基材表面に炭化珪素の被
覆層を形成した。
膜厚を走査型電子顕微鏡により測定し、その結果を表1
に示した。膜厚の測定は、被覆層の10ヶ所の点につい
て行い膜厚の均一性を比較した。また、外観検査により
被覆層の形成状況を観察してその結果も表1に併載し
た。
化珪素の被覆層が形成されており、膜厚の均一性が高
い。一方、比較例では膜厚は不均一であり、均等に被覆
層が形成されていないことが認められる。
被覆用のSiOガス発生の原材料として成形体を用いる
ので、珪素源と炭材とが均等に反応し発生するSiOガ
スの濃度が均一化するので、炭化珪素の被覆層を均等に
形成することが可能である。更に混合粉体のようにハン
ドリング上の問題もなく、能率的に耐酸化処理をするこ
とができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 珪素源と炭材の混合粉末に炭素繊維のチ
ョップあるいはミルドおよび熱硬化性樹脂を混合し、所
定形状に成形したのち硬化した成形体を、炭素繊維強化
炭素複合材に当接した状態で非酸化性雰囲気下1600
〜2000℃に加熱処理して炭化珪素の被覆層を形成す
ることを特徴とする炭素繊維強化炭素複合材の耐酸化処
理法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21664594A JP3599791B2 (ja) | 1994-08-18 | 1994-08-18 | 炭素繊維強化炭素複合材の耐酸化処理法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21664594A JP3599791B2 (ja) | 1994-08-18 | 1994-08-18 | 炭素繊維強化炭素複合材の耐酸化処理法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0859356A true JPH0859356A (ja) | 1996-03-05 |
JP3599791B2 JP3599791B2 (ja) | 2004-12-08 |
Family
ID=16691690
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21664594A Expired - Lifetime JP3599791B2 (ja) | 1994-08-18 | 1994-08-18 | 炭素繊維強化炭素複合材の耐酸化処理法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3599791B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114907145A (zh) * | 2022-06-10 | 2022-08-16 | 辽宁奥亿达新材料有限公司 | 一种碳纤维复合材料表面碳化硅涂层胶及其制备使用方法 |
-
1994
- 1994-08-18 JP JP21664594A patent/JP3599791B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114907145A (zh) * | 2022-06-10 | 2022-08-16 | 辽宁奥亿达新材料有限公司 | 一种碳纤维复合材料表面碳化硅涂层胶及其制备使用方法 |
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JP3599791B2 (ja) | 2004-12-08 |
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