JPH0859347A - NiO/YSZ複合粉末の製造方法 - Google Patents

NiO/YSZ複合粉末の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 組成が均一であり、微粒を得ることも可能で
あり、使用原料粉末の粒径に特別の要求も不要なNiO
/YSZ複合粉末の製造方法を提供する。 【構成】 本発明のNiO/YSZ複合粉末の製造方法
は、酸化ニッケル粉末と硝酸ジルコニウム・イットリウ
ム水溶液との混合物を作成する混合工程と、得られた混
合物を熱処理して水分及びNOxを除去し、酸化ニッケ
ル/イットリア安定化ジルコニア(NiO/YSZ)複
合粉末を得る熱処理工程と、を含む。液相から固相を析
出させるので、均一な組成のNiO/YSZ複合粉末を
製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体電解質型燃料電池
(以下SOFCとも言う)の燃料電極材料等に用いられ
るNiO/YSZ複合粉末の製造方法に関する。特に
は、組成が均一で、耐久性に優れたSOFC燃料電極を
形成しうるNiO/YSZ複合粉末の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】SOFCの燃料電極用材料を例にとって
従来技術を説明する。SOFCの燃料電極用材料として
は、NiOとY2O3安定化ZrO2(YSZ )とを混合複合化し
た複合粉末の焼結膜が主に用いられている(特開昭61-1
53280 、特開昭61-198570 等)。なお、燒結膜中のNi
Oは、SOFCの運転中に還元されてNiとなる。
【0003】このようなNiO/YSZ複合粉末の製造
方法は、一般的に、NiO粉とYSZ粉を両者とも固体
の状態で混合し、その後昇温して若干焼結することによ
り複合化する方法が採られている。混合方法としては、
一般的にボールミルを用いるものや、メカノケミカル的
機械混合によるもの等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の製造方法
にあっては、次のような問題があった。 ボールミル混合法:混合粉のうち、比重の大きな成
分(NiO)や粒径の大きな成分が沈降して、粉末の組成む
らが起こりやすい。特に、液体を媒体として湿式混合を
行う場合、混合処理後の乾燥工程で、上述の沈降現象が
起こりやすい。
【0005】 メカノケミカル的機械混合:この方法
は、機械的な混合法の一つであるが、一例を挙げれば、
高速回転する容器(あるいは刃自体が回転するものでも
構わない)中に回転刃が設置され、その回転刃の表面が
粉末が刃上を転がるような曲面を持つもので、容器また
は回転刃自体の回転による遠心力、攪拌によって粉末混
合を促進するものである。このとき自然発生する熱、ま
たは強制的に温度を上げた状態で粉末同士の混合を行
う、つまり熱によって粉末間の結合を促進させることが
メカノケミカル手法の大きな特徴である(従来の機械的
混合はアトライター等に見られるように発生する熱を冷
却によって除去する手法がおもであった)。そして、こ
の手法は主には粉末体と微粉体との混合において、粗粉
体表面上に微粉体を吸着させて殻と核から構成される複
合粉末を作成する表面改質手法として今日広く用いられ
るようになってきている。
【0006】このように、このメカノケミカル的機械混
合においては、表面改質手法が粗い粉末粒子の表面に、
細い粒子を吸着させるという粉末粒径差を利用するメカ
ニズムに基づくものであった。そのため、使用しうる原
料が粗い粉末を細い粉末との組み合わせに限られ、微粉
同士を混合・複合化したいときには、このメカノケミカ
ル的機械混合は大きな効果は発揮し得ない。
【0007】また、粉体の表面改質の点においては次の
ような問題があった。すなわち、攪拌複合化時の昇温温
度には加熱と高速回転という使用条件から材質に制限が
あり、その温度は高々400℃程度である。これより高
い温度では容器の材料が限られ、また、粉末と容器との
機械的反応による容器材料のコンタミ等が問題となって
くる。従って、混合するとどちらか一方の材料粉末が低
融点物質であれば、メカノケミカル手法は有効である
が、全物質がSOFCの燃料局材料Nio/YSZのよ
うに高融点物質である場合には、加熱の効果は小さく、
最終的には焼成という手法によって粉体間の結合を強固
にする必要があるが、この時には粒成長が起こることが
一般的であり、希望粒度の粒体特に微粉体を得たい場合
には再度粉砕処理を行わなければならず、メカノケミカ
ル混合の意味が薄れてくる。
【0008】さらに、粉体の複合化の点においても次の
ような問題があった。すなわち、一般的に粉体は微粒と
なるほど凝集を起こす。従って、この凝集を解いて粗粉
体上に微粉体を均一に表面吸着させることは困難であ
り、粉体レベルみれば結果的には組成むらが生じて製品
に不均一が生じる。
【0009】本発明は、組成が均一であり、微粒を得る
ことも可能であり、使用原料粉末の粒径に特別の要求も
不要なNiO/YSZ複合粉末の製造方法を提供するこ
とを目的とする。また、本発明はそのようなNiO/Y
SZ複合粉末を提供することにより、もってSOFCセ
ルの耐久性を向上させることをも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のNiO/YSZ複合粉末の製造方法は、酸
化ニッケル粉末と硝酸ジルコニウム・イットリウム水溶
液との混合物を作成する混合工程と、得られた混合物を
熱処理して水分及びNOxを除去し、酸化ニッケル/イ
ットリア安定化ジルコニア(NiO/YSZ)複合粉末
を得る熱処理工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明のNiO/YSZ複合粉末の製造方法に
おいては、出発原料を、粉体と液体としている。そし
て、液相から固相を析出させるので、均一な組成のNi
O/YSZ複合粉末を製造することができる。
【0012】本発明のNiO/YSZ複合粉末の製造方
法においては、上記混合物中における酸化ニッケル重量
(換算値)と、YSZ重量(換算値)との比が、30〜
80対70〜20であることが好ましい。なお、ここで
換算値とは、例えば、硝酸ジルコニウムZr(NO3
4 中に含まれるZrO2 の重量に換算して、という意味
である。上述の数値範囲が好ましい理由について説明す
る。YSZの比が70を越えると粉末の焼成膜の導電率
が低くなるので好ましくない。YSZの比が20未満で
は、粉末の焼成膜内におけるYSZ粒子同士の結合の頻
度(個数)が減るので、液相合成のメリットが少ない。
【0013】このような観点からは、上記混合物中にお
ける酸化ニッケル重量(換算値)と、YSZ重量(換算
値)との比が、40〜70対60〜30であることがよ
り好ましい。
【0014】本発明の製造方法においては、さらに、得
られたNiO/YSZ複合粉末を粉砕する粉砕工程を含
み、この粉砕工程において、複合粉末の最終粒径を10
μm以下とすることが好ましい。
【0015】熱分解後に得られた粉末の一次粒子は、原
料としたNiO粉末、析出したYSZ粒子径に依存する
が、大きくとも数μm以下であることが多い。しかしな
がら、最終的に製品となる粉体は二次粒子とよばれる粉
体の凝集体であり、この二次粒子が粗粉である場合に
は、一次粒子が微粉であっても、電極として膜状に成形
した場合の粉体間の結合は二次粒子径に依存して全体的
な結合面積の低下を招き、これによって最終的にはSO
FCセルとした場合には燃料極の導電率の低下を引き起
こす原因となる。
【0016】このような観点は、上記粉砕工程において
粉末の最終粒径を5μm 以下とすることがより好まし
い。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は、
本発明の標準的な実施例に係るNiO/YSZ複合粉末
の製造方法の工程を示すフローチャートである。まずこ
のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0018】(1) 酸化ニッケル原料:酸化ニッケル粉
末、硝酸ニッケル水和物結晶又は硝酸ニッケル水溶液を
用いることができる。
【0019】(2) YSZ原料:硝酸ジルコニウム・イッ
トリウム水溶液を用いることができる。なお、両者の含
有量は、酸化物となった段階で、ZrO292mol%、Y2O3
mol%が代表例である。なお、酸化ニッケル原料として硝
酸ニッケル水溶液を用いる場合にはYSZ原料として固
体粉末を用いることも可能である。しかし、NiOがY
SZ粒子を取り込む形で析出し、その結果、電極として
成形した際にNiO間の結合頻度が大きくなり、還元に
よって金属Niとなる際の体積収縮により大きなクラッ
クが生じて、Ni間の結合が強固に形成されているにも
かかわらず、結果的に導電率の低下を招くという結果が
得られた。
【0020】(3) 秤量:得たい複合粉末のNiO/YS
Zの組成比に応じて、上記原料を秤量する。
【0021】(4) 混合:両組成とも液体原料の場合は、
両液を混合・攪拌する。硝酸ニッケル水和物結晶を用い
る場合は、結晶が全部溶けるまで攪拌する。NiO 粉末を
原料とする場合は、ボールミルを用いて混合・攪拌する
ことが好ましい。その理由は、NiO粉体の凝集を解い
て、NiOの一次粒子表面へのYSZ粒子析出を促進さ
せるためである。
【0022】(5) 蒸発乾固:混合物の水分(主に)を蒸
発させ固体物(主に化学式でNiO、Ni(NO3)2、ZrO2、Zr(N
O3)4、Y23 、Y(N033 の混合物)を取り出
す。このときの温度は180 〜 250℃が好ましい。また、
混合物(溶液または泥しょう)をスターラー等によって
攪拌しながら蒸発乾固することも好ましい。粉体の沈降
とそれに伴う凝集を防ぐことにより、均一な複合粉末を
作製する為である。蒸発乾固はホットスターラー上、蒸
発皿を用いて行うため、スターラー自体の到達最高温度
が400 ℃であっても、現実的には熱拡散によって試料温
度は 200℃までしか試料温度は上がらない。この時、無
理に試料温度を上げようとすると、蒸発皿自体の温度分
布による熱膨張歪から容器が割れることがしばしばであ
る。
【0023】(6) 熱分解:上記固体物から硝酸成分を除
去する(飛ばす)ため、約400 〜600 ℃で熱処理する。
熱分解が終わった段階で、固体物は NiOとZrO2、Y2O3
混合物である。つまり、主たる反応式は次のとおりであ
る。 Ni(NO32 →NiO+NO2 +NO3 Zr(NO34 →ZrO2 +2NO2 +2NO3 2Y(NO33 →Y23 +3NO2 +3NO3
【0024】(7) 粗粉砕:得られた固体物を約1mm角
程度の大きさに粗粉砕する。次工程で行う微粉砕におい
ては、微粉砕機への試料投入可能径には制限があり、そ
の多くが試料塊の大きさを前もってある程度(例えば5
00μm以下)の粒径にまで落としておくことが必要で
ある。本実施例では使用した機種(日清製粉のCJ−1
0)の能力上、粗粉砕粒子径を1mmとした。
【0025】(8) 噴霧熱分解処理:上記(5) 蒸発乾固〜
(7) 粗粉砕の間の工程は、噴霧熱分解処理によって一工
程で行うこともできる。この噴霧熱分解処理の処理条件
例は以下のとおりである。噴霧熱分解の場合にも溶液
状、スラリー状の両方の原料が使用可能である。原料溶
液を攪拌しながら、溶液の一部をパイプを通して少しづ
つ取り出すとともに、圧縮空気によってノズルから霧状
として反応容器中(主には反応容器上部)へ噴出させ
る。この時、反応容器の温度は800℃から1000℃
とした。原料のミストは反応容器内を落下する途中で熱
分解され、補集されることで微粉末を得ることができ
る。得られる粒子の大きさは、原料容器における金属酸
化物濃度、噴霧速度および熱分解温度に依存する。
【0026】(9) 仮焼:次に、温度900〜1200℃
で、2hr〜10hr仮焼する。この仮焼温度と時間を
コントロールすることにより成分の一次粒子の粒径制御
を行うことができる。900℃で10hrの仮焼をする
と、NiO の一次粒子径は約1μm くらいになる。110
0℃で2hrの仮焼をすると、NiO の一次粒子径は2μ
m くらいになる。YSZ 粒子の場合にはこの温度範囲での
仮焼条件では粒径差は殆どなく、0.5μm 程度の粉末
が得られた。
【0027】(10)微粉砕:最終的に必要な粒径となるよ
うに微粉砕する。その方法は、セラミックボールを用い
たボールミル粉砕によるもの、気流粉砕(気流中で原料
粒子同士を衝突させて粉砕する)方法などがある。ボー
ルミルの場合には、要求される粒径分布の試料を得る為
には、使用するボールの種類とボール径と量、処理時間
等から最適条件を求める必要がある。また、気流粉砕の
場合には、粉砕途中に微粉をカットできるので原料粉体
の供給速度、気流速度、粗粉砕粒径等から最適条件を見
いだすことが必要である。
【0028】以下、具体的な実施例を説明する。出発原
料として、どちらの成分を液相とするかは、複合化の目
的及び液相からの固体析出状態により判断される。本例
では固相にNiO、液相に8モルイットリア含有硝酸ジルコ
ニウム水溶液を使用した。この水溶液はイットリア、ジ
ルコニア各成分の硝酸系原料から作製しても問題はな
い。NiO 粉末は平均粒径1.5 μm 、水溶液は8-YSZ酸化
物換算で約20重量%を含有する。重量目的組成となる
様に各成分を秤量し、ボールミルにて24時間混合攪拌
処理を行う。このとき、NiOの粉砕が起こらないように
攪拌用のボールとしてはナイロン球を使用することが好
ましい。また、場合によっては泥しょう粘土が上がらな
い様に解膠剤を添加することもある。
【0029】泥しょうを容器に移し、攪拌しながら蒸発
ざらに取り分け蒸発乾固処理を行う。この時にも粉体の
沈降を防ぐ目的からスターラーによる攪拌を行う。液体
の蒸発、固化が始まりスターラーが回らなくなった時点
で攪拌子を取り出す。処理の終わった蒸発皿はオーブン
にて約400〜600℃で熱処理し、硝酸成分(NOx)
を除去する。
【0030】得られた固体を約1mm角程度の大きさに粗
粉砕し、900〜1200℃で仮焼処理した。この仮焼
温度と処理時間の設定により成分の一次粒子の粒径制御
を行うことができる。次に、複合粉の最大粒径が5μm
以下となるように微粉砕処理して目的の粉末が得られ
る。
【0031】以上には液相水分の蒸発乾固法により行っ
た例を示したが、固液/液体両原料の場合にも噴霧熱分
解法によって固体析出処理を行うことも可能である。こ
の場合、蒸発乾固法と異なり得られる粉末は二次粒子径
で約100μm 以下の微粉であったことから、直接仮焼
処理を行い、最終粉砕処理することで目的の粉末が得ら
れる。
【0032】このようにして得られた粉末でスラリーを
作製し、ディップコート法によりSOFCセルの燃料極
として成膜した。材料特性、耐久性を調べるためにCS
Z管外表面にYSZ緻密膜を形成したパイプ上に膜成形
を行った。
【0033】成形した燃料極を、H2 雰囲気、1000
℃にて還元処理した。その燃料極の導電率を、四端子法
にて測定した。また、1050℃/300hr の熱処理を行い、
導電率の特性変化を調べた。
【0034】さらに、比較の為に粉体原料のボールミル
混合によって作製した粉末を使用しての成膜試料、プレ
ス成形体も作製した。成分組成としてはNiO/YSZ
=70/30(重量比)とした。固体/液体原料から合
成された粉末1、粉体混合によって作製した粉末を粉末
2とした。
【0035】水素還元後の成膜試料では粉末2を使用し
たもので表面に網目状のクラックが発生しており、この
結果導電率が約100S/cmと小さくなっていた。粉末1
を使用したものでは、クラックは殆ど発生しておらず、
導電率は450S/cmと大きい。なお、粉末1の場合で
も、粒径0.5〜5μm のものの導電率と、粒径1〜1
0μm のものの導電率とを比較すると、前者の方が高か
った。
【0036】1050℃の処理後には粉末1のもので導
電率700〜750S/cmと、初期値よりも大きくなった
一方、粉末2では約30%の特性劣化が見られた。
【0037】電子顕微鏡による観察では、粉末1のもの
ではNiの回りを囲むようなYSZの結合頻度が大き
く、これがNiの高温処理による焼結収縮を防止する働
きをしているものと考えられる。一方、粉末2のもので
は部分的な成分の凝集に加えて、このようなYSZの結
合が粉末1のものより小さく、Niの焼結防止力が小さ
いことが推測され、その結果、高温処理による特性低下
が現れたものと考えられる。
【0038】固体/液合成においても原料種を交換する
と異なる結果が得られる。平均粒径0.7 μm のYSZ粉
末と硝酸ニッケル水溶液から合成した粉末から作製した
成膜試料では水素還元後のクラックが大きく、導電率は
約200S/cmと小さくなり、高温処理によって約15%
の特性劣化が見られた。このような結果は液体からの固
体の析出形態や固体原料粒度による複合化の違いによる
ものと考えられる。
【0039】このことはNiO 粉末/硝酸ジルコニウム水
溶液を使用した場合の粉末粒度によって特性の異なる複
合粉末が得られることを示唆している。実際NiO 粉末と
して粒径0.6 μm 程度の微粉から合成した粉末は、成膜
に当たっては、成膜体の下層(電解質膜直上)用、粒径
2μm のNiO 粉末から合成した粉末は先の下部成形後の
上層用として用いることで総合的な電気伝導特性、発電
特性を向上させることができた。下層においては、YS
Z−Ni−燃料ガスの三相界面を増加させるために、N
iの微粒が好ましく、上層においては、通気性を増すた
めに、NiOの粗粒が好ましい。先に述べた750S/cm
という値は、この組み合わせのものであり、全成分固体
から合成した粉末で同様の構成を作製しても効果は殆ど
現れず、クラックの発生を抑止することはできなかっ
た。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、以下の効果を発揮する。 組成が均一で、微粒を得ることも可能であり、使用
原料粉末の粒径に特別の要求も不要なNiO/YSZ複
合粉末を提供できる。 本発明のNiO/YSZ複合粉末を用いてSOFC
の燃料電極を作成した場合、SOFCセルの耐久性を向
上させることをも目的とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の標準的な実施例に係るNiO/YS
Z複合粉末の製造方法の工程を示すフローチャートであ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化ニッケル粉末と硝酸ジルコニウム・
    イットリウム水溶液との混合物を作成する混合工程と、 得られた混合物を熱処理して水分及びNOxを除去し、
    酸化ニッケル/イットリア安定化ジルコニア(NiO/
    YSZ)複合粉末を得る熱処理工程と、 を含むNiO/YSZ複合粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記混合物中における酸化ニッケル重量
    (換算値)と、YSZ重量(換算値)との比が、30〜
    80対70〜20である請求項1記載のNiO/YSZ
    複合粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記混合物中における酸化ニッケル重量
    (換算算)と、YSZ重量(換算値)との比が、40〜
    70対60〜30である請求項1記載のNiO/YSZ
    複合粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 さらに、得られたNiO/YSZ複合粉
    末を粉砕する粉砕工程を含み、 この粉砕工程において、複合粉末の最終粒径を10μm
    以下とする請求項1〜3いずれか1項記載のNiO/Y
    SZ複合粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 さらに、得られたNiO/YSZ複合粉
    末を粉砕する粉砕工程を含み、 この粉砕工程において、複合粉末の最終粒径を5μm 以
    下とする請求項1〜3いずれか1項記載のNiO/YS
    Z複合粉末の製造方法。
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