JPH0859127A - エレベータ装置 - Google Patents

エレベータ装置

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JPH0859127A
JPH0859127A JP19855694A JP19855694A JPH0859127A JP H0859127 A JPH0859127 A JP H0859127A JP 19855694 A JP19855694 A JP 19855694A JP 19855694 A JP19855694 A JP 19855694A JP H0859127 A JPH0859127 A JP H0859127A
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speed
abnormality
elevator
motor
deviation
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JP19855694A
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Masahiro Sueishi
正博 末石
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 減速機のオイル粘度の増加による速度低下の
ような回復可能な一時的な異常では運転を止めないよう
にしてサービスの向上を図る。 【構成】 この発明のエレベータ装置は、速度異常検出
手段13によってエレベータ速度の異常を検出し、異常
カウント手段14が速度異常検出手段13の検出する速
度異常回数をカウントし、所定回数を超える速度異常を
カウントしたときに故障発生と判定する。これにより、
減速機構7のギアオイルの粘性増加による一時的な速度
制御異常に対しては、数回の再起動によって粘性が減少
し、速度制御異常が解消するために故障と判定すること
がなく、引き続きエレベータ装置を使用することができ
るが、継続的な速度制御異常に対しては正しく故障判定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はエレベータ装置に関
し、特にモータ出力を減速機構を介してシーブに伝達
し、乗りかごを昇降させるエレベータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、速度指令に対する実速度の偏差を
求め、その偏差が0になるようにモータ速度を制御する
速度制御装置を備え、モータ出力を減速機を介してシー
ブに伝達し、乗りかごの昇降を行う減速機付きのエレベ
ータ装置では、減速機のギアがスムーズに回転するよう
に、また摩擦による発熱を拡散させるためにギアオイル
を使用しているが、オイルは温度によって粘性が大きく
変化する性質がある。特に寒冷地において冬季に長時間
停止した後に起動する場合、オイルの粘性が高くなって
いるために、著しい場合にはモータトルク不足で速度制
御異常が発生し、故障状態になってしまうことがある。
このために、オイルの粘性が増加してもモータトルク不
足とならないように、大きなトルクを発生させる速度制
御装置を使用することによって対応している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来のエレベータ装置では、次のような問題点があっ
た。エレベータ装置には機械的に乗りかごを停止させる
ブレーキ機構が装備されているが、このブレーキ力より
も大きなモータトルクを発生させる設定にすれば、ブレ
ーキ開放されなくてもモータが回転を開始してしまうこ
とになる。この場合、ブレーキがかかったまま乗りかご
が動くことになり、ブレーキ部分に大きな発熱が起こ
り、ブレーキシューが焼き切れてしまうこともあり得て
危険であり、これを未然に防ぐためには速やかにエレベ
ータを停止させる必要がある。
【0004】一方、温度が低下したギアオイルの粘性変
化に起因するモータトルク不足は、数回の起動によって
ギアオイルの温度が上昇して粘性が元に戻れば解消され
る問題であり、長時間停止後の最初の起動時における速
度制御異常検出だけで故障状態にしてしまうと、無駄に
停止させることになり、利用客に対するサービスが低下
してしまう。
【0005】この発明はこのような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、速度制御異常を検出した場合にそれ
がブレーキ機構の異常のような継続的な要因によるもの
か、ギアオイル粘性の増加のような一時的な要因による
ものなのかを自動的に判断し、継続的な速度制御異常の
場合には運転を停止するが、回復可能な一時的な速度制
御異常では運転を停止しないようにして利用客へのサー
ビスの低下を防止することができるエレベータ装置を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、速度
指令に対する実速度の偏差を求め、その偏差が0になる
ようにモータ速度を制御する速度制御装置を備え、モー
タ出力を減速機を介してシーブに伝達し、乗りかごの昇
降を行うエレベータ装置において、エレベータ速度の異
常を検出する速度異常検出手段と、速度異常検出手段が
検出する速度異常をカウントし、所定回数を超える速度
異常をカウントしたときに故障発生と判定する異常カウ
ント手段とを備えたものである。
【0007】請求項2の発明は、請求項1のエレベータ
装置において、速度異常検出手段が、モータの速度指令
と実速度とを比較し、それらの偏差が所定値を超えると
きに速度異常であると判定するようにしたものである。
【0008】請求項3の発明は、請求項1のエレベータ
装置において、速度異常検出手段が、モータ電流を電流
許容値と比較し、モータ電流が電流許容値を超えたとき
に速度異常であると判定するようにしたものである。
【0009】請求項4の発明は、請求項1のエレベータ
装置において、速度異常検出手段が、エレベータ昇降路
に等間隔に設置されているスイッチの位置を乗りかごが
通過するときに発するパルス信号の周期をあらかじめ設
定されている正常時の周期と比較し、正常時の周期より
も長くなったときに速度異常であると判定するようにし
たものである。
【0010】請求項5の発明は、速度指令に対する実速
度の偏差を求め、その偏差が0になるようにモータ速度
を制御する速度制御装置を備え、モータ出力を減速機を
介してシーブに伝達し、乗りかごの昇降を行うエレベー
タ装置において、起動指令の出力タイミングから速度制
御装置が検出する速度偏差がほぼ0になるタイミングま
での等速度走行到達時間を計測する計時手段と、起動指
令の出力毎に計時手段が計測する等速度走行到達時間が
減少傾向にあれば故障なし、減少傾向になければ故障発
生と判定する故障判定手段とを備えたものである。
【0011】
【作用】請求項1の発明のエレベータ装置では、速度異
常検出手段によってエレベータ速度の異常を検出し、異
常カウント手段が速度異常検出手段の検出する速度異常
回数をカウントし、所定回数を超える速度異常をカウン
トしたときに故障発生と判定する。
【0012】これにより、減速機構のギアオイルの粘性
増加による一時的な速度制御異常に対しては、数回の再
起動によって粘性が減少し、速度制御異常が解消するた
めに故障と判定することがなく、引き続きエレベータ装
置を使用することができるが、継続的な速度制御異常に
対しては正しく故障判定することができる。
【0013】請求項2の発明のエレベータ装置では、速
度異常検出手段がモータの速度指令と実速度とを比較
し、それらの偏差が所定値を超えるときに速度異常であ
ると判定する。したがって、減速機構のギアオイルの粘
性が増加している状態ではモータ速度が速度指令に追従
できないために速度偏差が大きくなるが、そのような一
時的な速度異常を確実に検出することができる。
【0014】請求項3の発明のエレベータ装置では、速
度異常検出手段がモータ電流を電流許容値と比較し、モ
ータ電流が電流許容値を超えたときに速度異常であると
判定する。したがって、特に減速機構のギアオイルの粘
性が増加している状態ではモータ速度を速度指令に一致
させるべく大きなモータ電流を流すようになるが、その
ような一時的な速度異常を確実に検出することができ
る。
【0015】請求項4の発明のエレベータ装置では、速
度異常検出手段がエレベータ昇降路に等間隔に設置され
ているスイッチの位置を乗りかごが通過するときに発す
るパルス信号の周期をあらかじめ設定されている正常時
の周期と比較し、正常時の周期よりも長くなったときに
速度異常であると判定する。したがって、特に減速機構
のギアオイルの粘性が増加している状態ではモータ速度
が遅くなり、乗りかごの速度も遅くなるが、そのような
一時的な速度異常を確実に検出することができる。
【0016】請求項5の発明のエレベータ装置では、計
時手段によって起動指令の出力タイミングから速度制御
装置が検出する速度偏差がほぼ0になるタイミングまで
の等速度走行到達時間を計測し、故障判定手段が起動指
令の出力毎にこの計時手段が計測する等速度走行到達時
間の変化傾向を評価し、それが減少傾向にあれば故障な
し、減少傾向になければ故障発生と判定する。
【0017】これによって、減速機構のギアオイルの粘
性増加による一時的な速度制御異常に対しては、数回の
再起動によって粘性が減少し、起動後に速度制御系によ
って等速度走行に到達するまでの時間が漸次減少するの
でその減少傾向を評価することにより、一時的な異常か
継続的な異常かを正しく判断することができる。
【0018】
【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて詳説
する。図1は請求項1及び請求項2の発明の共通する実
施例を示している。この実施例のエレベータ装置は、速
度制御部1、この速度制御部1に速度基準電圧を与える
速度基準発生部2、モータ速度を検出する速度検出器
3、速度制御部1から与えられる速度制御信号に基づい
てモータに必要なトルクを出力するトルク発生部4、エ
レベータ駆動モータ5、モータ5の回転出力を伝達する
カップリング6、このカップリング6から出力される回
転力を減速する減速機7、減速機7からの出力によって
回転するシーブ8、このシーブ8に巻きかけられて駆動
されるロープ9、このロープ9の一端に取り付けられた
乗りかご10から構成されている。
【0019】カップリンク6はブレーキドラムを構成
し、ブレーキシュー11とこのブレーキシュー11をカ
ップリング6に押しつけてブレーキをかけるためのブレ
ーキバネ12を備えている。
【0020】またこの実施例のエレベータ装置は、その
特徴として速度基準電圧と実速度電圧とを比較し、それ
らの偏差が所定値を超えるときに速度異常であると判定
する異常検出部13と、この異常検出部13が異常検出
した回数をカウントし、所定回数を超えると故障発生と
判定し、エレベータ運転を停止させる異常カウント部1
4を備えている。
【0021】次に、上記構成のエレベータ装置の動作に
ついて説明する。通常運転では、速度制御部1において
速度基準発生部2から速度基準電圧を入力し、モータ軸
に取り付けられている速度検出器3からの速度に比例し
た実速度電圧との偏差を増幅して速度制御信号を得、こ
れをトルク発生器4においてモータに必要なトルクに変
換してモータ5を回転させる。このモータ5の回転力は
カップリング6を介して減速機7に伝達される。
【0022】減速機7はモータ5の回転を所定の減速比
で減速してシーブ8に伝達してシーブ8を回転させ、こ
れによってロープ9を駆動して乗りかご10を昇降させ
る。
【0023】速度制御異常が発生している場合、速度基
準発生器2からの速度基準に対してモータ5の速度が追
従しなくなる。速度制御部1は比例積分回路によって速
度制御を実行するが、乗りかご10が始動直後の加速ゾ
ーンや停止階直前の減速ゾーン以外の等速度走行ゾーン
を走行しているときには速度基準電圧は一定値であり、
速度制御が正常であれば速度制御部1でモータ速度電圧
との偏差を比例積分増幅した速度制御信号はほぼ0とな
るが、速度制御異常が発生していればこの偏差が大きく
なる。
【0024】そこで、異常検出部13では、エレベータ
の運転がスタートする度に、図2に示すフローチャート
及び図3に示すタイミングチャートに基づいて一定周期
で繰り返し、速度制御異常の有無を検出する。それには
まず、速度制御部1に速度基準発生部2から入力される
速度基準電圧に基づいて等速度走行ゾーンであるかどう
か判断する(ステップS1)。そして、等速度走行ゾー
ンに入っていれば、速度基準電圧Vref を入力し、実速
度電圧Vdを入力し(ステップS2,S3)、その偏差
(Vd−Vref )を評価する(ステップS4)。
【0025】この偏差の評価では、ほぼ0でない場合に
速度制御異常が発生しているものとして、比較値δ1よ
りも偏差(Vd−Vref )が大きいかどうか判断する。
そして比較値δ1よりも偏差(Vd−Vref )の方が大
きければ速度制御異常が発生しているものとし、その異
常検出信号を異常カウント部14に出力する(ステップ
S5)。
【0026】異常カウント部14では、エレベータのス
タート毎に異常検出部13が行う異常検出回数をカウン
トし、制限回数以上、例えば4回以上連続して速度制御
異常が検出されれば制御系に継続的な異常が発生してい
るものと判定し、エレベータの運転停止指令を出力し、
制限回数に達しないうちに異常検出信号が連続して入力
されなくなれば、一時的な異常であったと判断して何も
出力せず、エレベータの運転制御を継続させる。
【0027】このようにしてこの実施例のエレベータ装
置では、図3に示すように速度基準電圧s1に対して正
常時には速度電圧がs2のカーブとなり、速度基準電圧
と速度電圧との偏差はd1のカーブとなり、等速度走行
ゾーンではほぼ0となる。しかしながら、速度制御異常
が発生すれば、速度電圧がs3のカーブとなり、速度偏
差はd3のカーブとなる。そこで、速度偏差が0に近い
値として設定した比較値δ1よりも大きくなれば異常と
判定し、エレベータの停止後の再起動毎に異常判定を行
い、連続する所定回数の起動毎に異常と判定された場合
には継続的な故障が発生しているものと判定する。そし
て何回かの起動で異常が検出されなくなれば、例えば、
ギアオイルの粘性の減少により速度追従性が回復したも
のと判断し、一時的な異常であって故障ではないと判定
するのである。
【0028】次に、請求項1及び請求項3の発明の共通
する実施例について、図4〜図6に基づいて説明する。
この第2の実施例のエレベータ装置は、トルク発生部4
からモータ5に通じる起動電流を検出する電流検出器1
5と、この電流検出器15の検出するモータ電流を電流
許容値と比較し、モータ電流が電流許容値を超えたとき
に速度異常であると判定する異常検出部16を備えた点
を特徴とする。したがって、その他の構成部分について
は、図1に示した第1の実施例と同じ構成であり、同一
の符号を付すことによって詳しい説明を省略する。
【0029】速度制御異常が発生する場合、モータ5の
回転数が速度基準に正しく追従していないのであるが、
その場合には速度制御信号として速度制御部1からトル
ク発生部4に大きな速度制御信号が与えられ、トルク発
生部4はそれに見合う大きな起動電流をモータ5に流す
ことになる。そこで、この第2の実施例のエレベータ装
置では、等速度走行ゾーンになってもモータ5の定格電
流を一定値以上オーバーするようなモータ電流が流れ続
ける場合には速度制御異常と判断し、その異常検出信号
を異常カウント部14に出力する。
【0030】そして異常カウント部14では、第1の実
施例と同じように連続する何回かの起動毎に異常検出が
行われた場合、継続的な異常が発生しているものと判断
して故障発生とし、運転停止指令を出力する。
【0031】以上の動作について、図5のフローチャー
ト及び図6のタイミングチャートに基づいて説明する。
異常検出部16では、エレベータの運転がスタートする
度に、図5に示すフローチャート及び図6に示すタイミ
ングチャートに基づいて一定周期で繰り返し、速度制御
異常の有無を検出する。それにはまず、速度制御部1に
速度基準発生部2から入力される速度基準電圧に基づい
て等速度走行ゾーンであるかどうか判断する(ステップ
S11)。そして、等速度走行ゾーンに入っていれば、
電流検出器15の検出するモータ電流Imを入力し、ま
たあらかじめモータ5の定格電流に基づいて設定されて
いる比較値Irefを読み出し(ステップS12,S1
3)、それらの大きさを比較する(ステップS14)。
【0032】この電流値の比較において、等速度走行ゾ
ーンでのモータの電流値Imが比較値Iref よりも大き
くなっていれば速度制御異常が発生しているものとし、
その異常検出信号を異常カウント部14に出力する(ス
テップS15)。
【0033】異常カウント部14では、エレベータのス
タート毎に異常検出部16が行う異常検出回数をカウン
トし、制限回数以上、例えば4回以上連続して速度制御
異常が検出されれば制御系に継続的な異常が発生してい
るものと判定し、エレベータの運転停止指令を出力し、
制限回数に達しないうちに異常検出信号が連続して入力
されなくなれば、一時的な異常であったと判断して何も
出力せず、エレベータの運転制御を継続させる。
【0034】このようにしてこの第2の実施例のエレベ
ータ装置では、図6に示すように速度基準電圧s1に対
して正常時にはモータ起動電流がe1のカーブとなり、
等速度走行ゾーンでは比較的小さな値になる。しかしな
がら、速度制御異常が発生すれば、速度基準に追従させ
るために大きな速度制御信号がトルク発生部4に入力さ
れ、モータ電流Imが大きくなるために、カーブe2の
ようなモータ電流が検出される。そこで、モータ電流I
mが等速度走行ゾーンでの定格電流に基づいて設定され
た比較値Iref を超えるようになれば異常と判定し、エ
レベータの停止後の再起動毎にこの異常判定を行い、連
続する所定回数の起動毎に異常と判定された場合には継
続的な故障が発生しているものと判定する。そして何回
かの起動で異常が検出されなくなれば、例えば、ギアオ
イルの粘性の減少により速度追従性が回復したものと判
断し、一時的な異常であって故障ではないと判定するの
である。
【0035】次に、請求項1及び請求項4の発明の共通
する実施例について、図7〜図9に基づいて説明する。
この第3の実施例のエレベータ装置は、エレベータ昇降
路17に等間隔に設置されているスイッチ作動板18の
位置を乗りかご10が通過するときに乗りかご10側に
取り付けられているスイッチ19が発するパルス信号の
周期をあらかじめ設定されている正常時の周期と比較
し、正常時の周期よりも長くなったときに速度異常であ
ると判定する異常検出部20を備えた点を特徴とする。
したがって、その他の構成部分については、図1に示し
た第1の実施例と同じ構成であり、同一の符号を付すこ
とによって詳しい説明を省略する。
【0036】速度制御異常が発生する場合、最終的には
かご速度が速度基準に追従していないことであり、等速
度走行ゾーンでは乗りかご10は所定の一定速度で走行
していなければならないのが、速度制御異常に結果とし
て走行速度が遅くなる。したがって、エレベータ昇降路
17に等間隔で設置されているスイッチ作動板18の位
置を乗りかご10が通過するときに乗りかご10に取り
付けられているスイッチ19が作動して発するパルス信
号の周期は正常時のそれに比べて延びることになる。そ
こで、この第3の実施例では、パルス信号の周期を計測
し、それが正常時の周期に比べて遅くなっている場合に
速度制御異常と判断し、その異常検出信号を異常カウン
ト部14に出力する。
【0037】そして異常カウント部14では、第1の実
施例と同じように連続する何回かの起動毎に異常検出が
行われた場合、継続的な異常が発生しているものと判断
して故障発生とし、運転停止指令を出力する。
【0038】以上の動作について、図8のフローチャー
ト及び図9のタイミングチャートに基づいて説明する。
異常検出部20では、エレベータの運転がスタートする
度に、図8に示すフローチャート及び図9に示すタイミ
ングチャートに基づいて一定周期で繰り返し、速度制御
異常の有無を検出する。それにはまず、速度制御部1に
速度基準発生部2から入力される速度基準電圧に基づい
て等速度走行ゾーンであるかどうか判断する(ステップ
S21)。そして、等速度走行ゾーンに入っていれば、
一定時間、スイッチ18からのパルス信号を入力してパ
ルス数をカウントし、その周期Tdを演算する(ステッ
プS22,S23)。そして、得られたパルス周期Td
を正常時のパルス周期としてあらかじめ設定されている
比較周期Tref と比較する(ステップS24)。
【0039】このパルス周期Td,Tref の比較におい
て、等速度走行ゾーンで実際のパルス周期Tdが比較周
期Tref よりも長くなっていれば速度制御異常が発生し
ているものとし、その異常検出信号を異常カウント部1
4に出力する(ステップS25)。
【0040】異常カウント部14では、エレベータのス
タート毎に異常検出部20が行う異常検出回数をカウン
トし、制限回数以上、例えば4回以上連続して速度制御
異常が検出されれば制御系に継続的な異常が発生してい
るものと判定し、エレベータの運転停止指令を出力し、
制限回数に達しないうちに異常検出信号が連続して入力
されなくなれば、一時的な異常であったと判断して何も
出力せず、エレベータの運転制御を継続させる。
【0041】このようにしてこの第3の実施例のエレベ
ータ装置では、図9に示すように等速度走行ゾーンにお
いて、正常時のパルス信号p1の周期Tref に対して検
出パルス信号がp2のようになり、その周期Tdが長く
なれば速度制御異常が発生していると判断し、連続する
所定回数の起動毎に異常と判定された場合には継続的な
故障が発生しているものと判定する。そして何回かの起
動で異常が検出されなくなれば、例えば、ギアオイルの
粘性の減少により速度追従性が回復したものと判断し、
一時的な異常であって故障ではないと判定するのであ
る。
【0042】次に、請求項5の発明の実施例を図10〜
図12に基づいて説明する。この第4の実施例のエレベ
ータ装置は、正常時の速度基準と実速度との偏差の変化
パターンを基準にし、再起動毎の速度基準と実速度との
偏差の変化パターンが正常時の変化パターンに近づく変
化をする場合には一時的な異常と判断し、そうでない変
化をする場合には継続的な異常、つまり故障が発生して
いると判断することを特徴とするもので、図10に示す
ように、起動がかかった時点から速度基準発生器2が与
える速度基準電圧と速度検出器3が検出する実速度電圧
との偏差がほぼ0となるまでにかかった時間、つまり等
速度走行到達時間を計測する計時部21と、起動指令の
出力毎にこの計時部21が計測する等速度走行到達時間
の変化傾向を評価し、それが減少傾向にあれば故障な
し、減少傾向になければ故障発生と判定する故障判定部
22とを備えている。したがって、その他の構成部分に
ついては、図1に示した第1の実施例と同一の部分につ
いては、同一の符号を付すことによってその詳しい説明
を省略する。
【0043】この第4の実施例のエレベータ装置の動作
を、図11のフローチャート及び図12のタイミングチ
ャートに基づいて説明する。計時部21は、起動指令が
かかれば、一定時間の経過を待ち、等速度走行ゾーンに
入ったかどうか判定し(ステップS31)、等速度走行
ゾーンに入れば速度基準電圧Vref と速度電圧Vdとを
比較し、その偏差がほぼ0になっていなければ(つま
り、比較値δ1よりも小さくなっていなければ)速度異
常が発生していると判断し、そうでなければ正常である
と判断する(ステップS32〜S34)。
【0044】そして速度異常が発生していると判断した
場合には、計時部21はさらに、速度基準電圧Vref に
速度電圧Vdがほぼ等しくなるまで繰り返し実速度の入
力を繰り返し、速度偏差がほぼ0になり(つまり、δ2
よりも小さくなる)タイミングを見図らい(ステップS
35〜S37)、速度偏差がほぼ0なれば起動指令が出
されてからそれまでにかかった時間を算出して故障判定
部22に出力する(ステップS38)。
【0045】計時部21は、次回の起動時にもステップ
S31〜S38の同じ処理を繰り返し、速度偏差がほぼ
0になるまでにかかった時間が求まれば故障判定部22
に出力する。
【0046】そして故障判定部22では、前回の計測時
間と今回の計測時間を比較してその計測時間が短縮され
ているかどうか評価する(ステップS39,S40)。
【0047】この評価において、速度偏差がほぼ0にな
るまでにかかった時間が今回の方が短縮されていれば、
速度制御としては正常方向に変化していると判断し、故
障判定を行わず、さらに次回の起動時に上記ステップS
31〜S40の処理を繰り返す。
【0048】しかしながら反対に、ステップS39およ
びS40の変化傾向の評価において、計測時間が短縮方
向になければ速度制御に異常が発生しているものと判断
し、異常判定を行い、エレベータ運転の停止指令を出力
する(ステップS41)。
【0049】これによって、減速機構のギアオイルの粘
性増加による一時的な速度制御異常に対しては、数回の
再起動によって粘性が減少し、起動後に速度制御系によ
って等速度走行に到達するまでの時間が漸次減少するの
でその減少傾向を評価することにより、一時的な異常か
継続的な異常かを正しく判断することができるようにな
る。つまり、図12(a)に示すように、速度基準のカ
ーブs1に対して実速度のカーブがs21であって、そ
の速度偏差のカーブはd21となり、実速度が等速走行
に到達するまでにかかった時間はt1となる。なお、カ
ーブdpは正常時の速度偏差のパターンを示している。
【0050】次に起動時には同図(b)に示すように、
実速度がs22のカーブとなり、速度偏差のカーブがd
22となり、速度偏差がほぼ0になるまでにかかった時
間がt2とする。ここで、t1>t2であれば、等速度
走行到達時間は前回の起動時よりも今回の起動時の方が
改善されたことになり、速度異常であっても、回復可能
な一時的なものであると判断することができ、故障判定
を行わない。
【0051】さらに次の起動時には同図(c)に示すよ
うに、実速度がs23のカーブとなり、速度偏差のカー
ブがd23となり、速度偏差がほぼ0となるまでにかか
った時間がt3であったとすると、t1>t2>t3で
あり、速度制御が正常に回復基調にあることが判断でき
る。
【0052】しかしながら、この場合に、もしt1<t
2、あるいはt2<t3であれば、速度制御系が発散す
る傾向にあり、単なるオイル粘度の増加による速度制御
特性の一時的な低下というものではなく、他の異常が発
生しているものと判断して故障判定を行い、エレベータ
運転を停止して保守点検を行うようにするのである。
【0053】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
速度異常検出手段によってエレベータ速度の異常を検出
し、異常カウント手段が速度異常検出手段の検出する速
度異常回数をカウントし、所定回数を超える速度異常を
カウントしたときに故障発生と判定するようにしたの
で、減速機構のギアオイルの粘性増加による一時的な速
度制御異常に対しては、数回の再起動によって粘性が減
少し、速度制御異常が解消するために故障と判定するこ
とがなく、引き続きエレベータ装置を使用することがで
きるが、継続的な速度制御異常に対しては正しく故障判
定することができ、無駄なエレベータの停止を行うこと
によるサービスの低下を防ぎ、しかも継続的な異常を正
確に検出することができ、エレベータの信頼度を高める
ことができる。
【0054】請求項2の発明によれば、速度異常検出手
段がモータの速度指令と実速度とを比較し、それらの偏
差が所定値を超えるときに速度異常であると判定するよ
うにしたので、減速機構のギアオイルの粘性が増加して
いる状態ではモータ速度が速度指令に追従できないため
に速度偏差が大きくなるが、そのような一時的な速度異
常を確実に検出することができる。
【0055】請求項3の発明によれば、速度異常検出手
段がモータ電流を電流許容値と比較し、モータ電流が電
流許容値を超えたときに速度異常であると判定するよう
にしたので、特に減速機構のギアオイルの粘性が増加し
ている状態ではモータ速度を速度指令に一致させるべく
大きなモータ電流を流すようになるが、そのような一時
的な速度異常を確実に検出することができる。
【0056】請求項4の発明によれば、速度異常検出手
段がエレベータ昇降路に等間隔に設置されているスイッ
チの位置を乗りかごが通過するときに発するパルス信号
の周期をあらかじめ設定されている正常時の周期と比較
し、正常時の周期よりも長くなったときに速度異常であ
ると判定するようにしたので、特に減速機構のギアオイ
ルの粘性が増加している状態ではモータ速度が遅くな
り、乗りかごの速度も遅くなるが、そのような一時的な
速度異常を確実に検出することができる。
【0057】請求項5の発明によれば、計時手段によっ
て起動指令の出力タイミングから速度制御装置が検出す
る速度偏差がほぼ0になるタイミングまでの等速度走行
到達時間を計測し、故障判定手段が起動指令の出力毎に
この計時手段が計測する等速度走行到達時間の変化傾向
を評価し、それが減少傾向にあれば故障なし、減少傾向
になければ故障発生と判定するようにしたので、減速機
構のギアオイルの粘性増加による一時的な速度制御異常
に対しては、数回の再起動によって粘性が減少し、起動
後に速度制御系によって等速度走行に到達するまでの時
間が漸次減少するのでその減少傾向を評価することによ
り、一時的な異常か継続的な異常かを正しく判断するこ
とができ、無駄なエレベータの停止を行うことによるサ
ービスの低下を防ぎ、しかも継続的な異常を正確に検出
することができ、エレベータの信頼度を高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び請求項2の発明の共通する実施例
の回路ブロック図。
【図2】上記実施例の異常判定処理を示すフローチャー
ト。
【図3】上記実施例の異常判定処理を示すタイミングチ
ャート。
【図4】請求項1及び請求項3の発明の共通する実施例
の回路ブロック図。
【図5】上記実施例の異常判定処理を示すフローチャー
ト。
【図6】上記実施例の異常判定処理を示すタイミングチ
ャート。
【図7】請求項1及び請求項4の発明の共通する実施例
の回路ブロック図。
【図8】上記実施例の異常判定処理を示すフローチャー
ト。
【図9】上記実施例の異常判定処理を示すタイミングチ
ャート。
【図10】請求項5の発明の一実施例の回路ブロック
図。
【図11】上記実施例の異常判定処理を示すフローチャ
ート。
【図12】上記実施例の異常判定処理を示すタイミング
チャート。
【符号の説明】
1 速度制御部 2 速度基準発生部 3 速度検出器 4 トルク発生部 5 モータ 6 カップリング(ブレーキドラム) 7 減速機 8 シーブ 9 ロープ 10 乗りかご 13 異常検出部 14 異常カウント部 15 電流検出器 16 異常検出部 17 昇降路 18 スイッチ板 19 スイッチ 20 異常検出部 21 計時部 22 故障判定部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 速度指令に対する実速度の偏差を求め、
    その偏差が0になるようにモータ速度を制御する速度制
    御装置を備え、モータ出力を減速機を介してシーブに伝
    達し、乗りかごの昇降を行うエレベータ装置において、 エレベータ速度の異常を検出する速度異常検出手段と、 前記速度異常検出手段が検出する速度異常をカウント
    し、所定回数を超える速度異常をカウントしたときに故
    障発生と判定する異常カウント手段とを備えて成るエレ
    ベータ装置。
  2. 【請求項2】 前記速度異常検出手段が、モータの速度
    指令と実速度とを比較し、それらの偏差が所定値を超え
    るときに速度異常であると判定することを特徴とする請
    求項1記載のエレベータ装置。
  3. 【請求項3】 前記速度異常検出手段が、モータ電流を
    電流許容値と比較し、モータ電流が電流許容値を超えた
    ときに速度異常であると判定することを特徴とする請求
    項1記載のエレベータ装置。
  4. 【請求項4】 前記速度異常検出手段が、エレベータ昇
    降路に等間隔に設置されているスイッチの位置を乗りか
    ごが通過するときに発するパルス信号の周期をあらかじ
    め設定されている正常時の周期と比較し、正常時の周期
    よりも長くなったときに速度異常であると判定すること
    を特徴とする請求項1記載のエレベータ装置。
  5. 【請求項5】 速度指令に対する実速度の偏差を求め、
    その偏差が0になるようにモータ速度を制御する速度制
    御装置を備え、モータ出力を減速機を介してシーブに伝
    達し、乗りかごの昇降を行うエレベータ装置において、 起動指令の出力タイミングから前記速度制御装置が検出
    する速度偏差がほぼ0になるタイミングまでの等速度走
    行到達時間を計測する計時手段と、 前記起動指令の出力毎に前記計時手段が計測する等速度
    走行到達時間が減少傾向にあれば故障なし、減少傾向に
    なければ故障発生と判定する故障判定手段とを備えて成
    るエレベータ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100395167C (zh) * 2001-09-28 2008-06-18 三菱电机株式会社 升降机设备
JP2009279487A (ja) * 2008-05-20 2009-12-03 Kyokuto Sanki Co Ltd 壁紙糊付機
CN114148850A (zh) * 2021-12-30 2022-03-08 重庆天智慧启科技有限公司 一种电梯智能管理系统及方法

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