JPH10203742A - 油圧エレベータ - Google Patents

油圧エレベータ

Info

Publication number
JPH10203742A
JPH10203742A JP9008787A JP878797A JPH10203742A JP H10203742 A JPH10203742 A JP H10203742A JP 9008787 A JP9008787 A JP 9008787A JP 878797 A JP878797 A JP 878797A JP H10203742 A JPH10203742 A JP H10203742A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
car
speed
speed control
elevator
abnormality
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9008787A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Sueishi
正博 末石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP9008787A priority Critical patent/JPH10203742A/ja
Publication of JPH10203742A publication Critical patent/JPH10203742A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Maintenance And Inspection Apparatuses For Elevators (AREA)
  • Elevator Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】かご内での乗客による跳躍等により、乗りかご
に異常な加振が与えられたことを的確に検知し得る油圧
エレベータを提供する。 【解決手段】 第1の比較判定部92において、予め設
定された乗りかごの基準速度と乗りかごの実際の走行速
度との差と、予め設定された基準値Lと比較されその比
較結果を導出し、その結果がかご1内に設けられた表示
器14に表示される。従って、かご1内乗客は、表示器
14により、上記差の値が予め設定された基準値Lを越
え、乗りかごの速度制御が異常となったことを知ること
ができる。かご内乗客が故意に加振操作した状態では、
他の制御系の故障による速度制御の異常と区別され、か
ご内の加振行為の即時停止により、速やかにエレベータ
を起動させ得ることから、運行効率を高めることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、速度制御が異常
となった原因を的確に把握し得る油圧エレベータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の油圧エレベータは、図4に示すよ
うに構成されていた。
【0003】すなわち、油圧エレベータの乗りかご1
は、プランジャ21を介したワイヤロープ3に接続さ
れ、油圧ジャッキ2のプランジャ21の上下動に伴いガ
イドレール1Aに案内され昇降移動する。乗りかご1の
昇降制御は、油圧タンク4から油圧ジャッキ2のシリン
ダ22への油の供給量の制御により行われた。
【0004】油圧タンク4から油圧ジャッキ2への油の
供給は、ポンプ5を介して行われ、ポンプ5は常に一定
の油量を油圧バルブ6に供給するように作動する。油圧
バルブ6はそれぞれ油圧配管7を介して、油を油圧ジャ
ッキ2側と油圧タンク4側とに分流させ、その分流制御
によって乗りかご1の昇降移動が行われる。
【0005】乗りかご1の昇降移動制御のうち、上昇制
御は、油圧ジャッキ2の油圧が乗りかご1の静止状態よ
りも大となるように分流量が制御され、下降制御は、油
圧ジャッキ2の油圧が乗りかご1の静止状態よりも小さ
くなるように、油圧ジャッキ2から油圧タンク4に戻る
油量の制御によって行なわれた。なお、油圧配管7内の
圧力が規定値以上とならないように、油圧バルブ6と油
圧ジャッキ2との間に圧力センサ8が設けられ、その圧
力検出信号8aは制御器9に供給されて常時監視されて
いる。
【0006】そこで、制御器9には速度基準発生部91
が設けられ、乗りかご1の昇降指令操作に対応する基準
速度信号91aが予め設定され、速度制御部11に供給
される。速度制御部11は速度基準発生部91からの基
準速度信号91aと、速度検出器10で検出された乗り
かご1の実際の走行速度信号10aとを比較し、両信号
91a,10aとの差、すなわち速度差を検出し、その
差検出信号11aはバルブ制御部12に供給される。
【0007】バルブ制御部12は、差検出信号11aを
油圧バルブ制御信号12aに変換して油圧バルブ6に供
給することによって、前記差検出信号11aの値が零に
なるようフィードバック制御系が構成され、乗りかご1
走行の安定化が図られる。
【0008】なお、かご1の下部にはかご1の実際の積
載荷重をアナログ量として検出する荷重検出器13が設
けられ、その荷重検出信号13aが制御器9に供給され
ることにより、定格荷重を越えたときに利用客に警報を
発する等、安全かつ円滑な運行制御が行われる。
【0009】このように油圧エレベータは、基準速度信
号91aと走行速度信号10aとの差をもとに、負帰還
回路による速度制御が行なわれるものであるが、もしも
かご内で乗客が飛び跳ねたりした場合には、乗りかご1
は上下(移動)方向に振動し、脈動的かつ急激な速度変
化が生じるから、円滑な走行が妨げられた。
【0010】油圧エレベータのフィードバック制御系
は、上述のようにエレベータの速度変化に対応する差信
号を基に、油量制御を行なうものであるが、乗りかご1
に制御応答の追随を逸脱するような急激な振動が加えら
れた場合は、制御系における応答が遅延し乗りかご1の
制御に時間的なずれが生じた。
【0011】従って、かご内での乗客の跳躍等により、
重力方向に対する乗りかご1への加振行為があると制御
系の応答タイミングがずれ、往々にして上下方向の振動
を更に増幅させるような正帰還制御となるから、安定し
た走行が不可能となった。
【0012】もちろん、速度制御の異常は、上記のよう
に人為的な操作による場合のほかに、制御系の故障によ
り発生する場合があるが、いずれにしても乗客の安全
上、図示しない加速度検出回路等がその異常を検出し、
制御器9の基準速度発生部91等がエレベータの運転を
停止させるように制御されていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
油圧エレベータは、何らかの原因で速度制御に異常が発
生し、安定した速度制御が不可能となったときは、故障
と判断され運転は停止された。
【0014】その速度制御の異常の原因が、もしも構成
機器等の制御系での不具合によるものであれば、当然な
がら直ちに運転を停止させ、その不具合箇所及び故障の
原因を見出し、修復を図り、早期に運転再開を図ること
が求められた。
【0015】一方、速度制御の異常が、上述のようにか
ご内乗客等の人為的な加振行為による場合がある。この
場合は、制御系の機械的あるいは電気的な故障とは相違
し、かご内乗客によるその行為が停止されさえすれば、
運転を継続させることも可能である。また仮に一旦運転
停止させても、乗りかごの振動が停止し安定した後は、
運転を再開しても何等支障がないものである。
【0016】しかしながら、上記従来の油圧エレベータ
では、速度制御の異常の原因が、制御系の機器の異常に
よるものが、あるいはかご内乗客の故意等による人為的
な操作によるものか判別することができなかったから、
速度制御に異常が発生した場合は、いずれにしても運転
を停止し、原因を解明し、その原因が解消されるまでは
運転再開は不可能であった。
【0017】従って、従来の油圧エレベータでは、速度
制御の異常状態に一旦陥ると、その原因が人為的なもの
であるか、あるいは制御系の故障によるものであるか、
容易には判別する手段を持たなかったから、運転回復ま
でには長い時間を要し、運行効率は低下したので改善が
要望されていた。
【0018】また、上下(重力)方向に対し、急激で大
きな加振行為が継続した場合には、それが加速度検出器
等を含む制御系の故障へと波及することもあり、同様に
復旧の遅れと、運行効率の低下を招く欠点があった。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の課
題を解決するためになされたもので、第1の発明は、予
め設定された乗りかごの基準速度と、乗りかごの実際の
走行速度との差を利用して速度制御を行う油圧エレベー
タにおいて、前記差の値が予め設定された基準値と比較
し、その比較結果を導出する第1の比較判定手段と、こ
の第1の比較判定手段に接続され、前記比較結果を表示
するよう前記乗りかご内に設けられた表示器とを具備
し、前記差の値が予め設定された基準値を越えたとき
に、乗りかごの速度制御が異常であることを乗りかご内
に報知することを特徴とする。
【0020】上記のように、第1の発明による油圧エレ
ベータは、第1の比較判定手段を有し、予め設定された
基準速度と実際の走行速度との差が、予め設定された基
準値を越えたか否か判定し、かご内の表示器に表示され
るので、かご内の乗客は走行制御の異常を知ることがで
きる。
【0021】従って、もしもかご内で人為的な加振行為
を行なっていた場合には、直ちにその行為の停止によ
り、再起動が可能となるから油圧エレベータの運行効率
を高めることができる。
【0022】第2の発明は、予め設定された乗りかごの
基準速度と乗りかごの実際の走行速度との差を利用して
速度制御を行う油圧エレベータにおいて、予め設定され
た乗りかごの基準速度の変化特性とかご内荷重の変化特
性とを対応させて比較する比較手段と、この比較手段に
接続され、前記乗りかごの基準速度の変化値に対応する
前記かご内荷重の変化値が予め設定された基準値を越え
たときに、前記乗りかごの速度制御が異常であると判定
する第2の比較判定手段と、この第2の比較判定手段に
接続され、前記かご内荷重の変化値が予め設定された基
準値を越えたことを報知するよう前記乗りかご内に設け
られた報知手段とを具備することを特徴とする。
【0023】この第2の発明は、乗りかご内乗客の跳躍
等による加振行為、あるいは多数の乗客の乗り入れによ
り積載荷重の急増があったときには、かご内荷重が急変
することに着目してなされたもので、比較手段により予
め設定された乗りかごの基準速度の変化特性とかご内荷
重の変化特性とを対応させて比較し、この比較出力信号
が予め設定された基準値を越えたとき、速度制御機能が
異常であると判定するものである。
【0024】従って、予め設定された基準値を越えるこ
とがなくなったときには、再起動可能であると判断し、
直ちに再起動操作が可能となるので油圧エレベータの運
行効率を高めることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明による油圧エレベ
ータの一実施の形態を図1乃至図3を参照し、詳細に説
明する。なお、図4に示した従来の構成と同一構成に
は、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0026】すなわち、図1及び図2はこの発明による
油圧エレベータの第1の実施の形態を説明するもので、
まず図1に示す油圧エレベータの構成において、ポンプ
5からは常に一定の油量が油圧バルブ6に供給され、油
圧バルブ6は油圧ジャッキ2側と油圧タンク4側への油
分流量の制御、及び油圧ジャッキ2側から油圧タンク4
側への戻り油量の制御により、プランジャ21は上下動
する。この油圧ジャッキ2のプランジャ21の上下動に
伴いワイヤロープ3に接続された乗りかご1は、ガイド
レール1Aに案内されて昇降移動する。
【0027】速度制御部11は、エレベータの走行に対
応して予め設定された速度基準発生部91からの基準速
度信号91aと、速度検出器10からの乗りかご1の実
走行速度信号10aとを導入し、両信号の差である差検
出信号11aを生成増幅し、バルブ制御部12に供給す
る。バルブ制御部12は、差検出信号11aを油圧バル
ブ制御信号12aに変換し油圧バルブ6に供給する。従
って、油圧バルブ6は、速度基準発生部91の基準速度
信号91aに対し、実際の走行速度信号10aが追随す
るように負帰還制御されることにより乗りかご1の正常
時の円滑な走行が行われる。
【0028】また、速度制御部11からの差検出信号1
1aは、制御器9内の第1の比較判定部92に供給され
る。第1の比較判定部92は差検出信号11aが予め基
準値設定部93で設定された信号レベルの基準値Lを越
えたときに速度異常であると判定する。従って、その判
定結果に基づく出力制御信号を速度基準発生部91に供
給しエレベータの運行を停止させるとともに、マイコン
により構成された速度制御異常判断部94を介して制御
器9内の表示部95及び乗りかご1内に設けられた表示
器14に供給表示する。
【0029】そこで、図1及び図2を参照して、第1の
比較判定部92による制御系の構成及び主要動作を以下
説明する。すなわち、図2(A)(B)はそれぞれ横軸
に時間を、また縦軸は乗りかご1の走行に対応した各部
の信号レベルを示したもので、図2(A)は油圧エレベ
ータが正常に動作しているときの乗りかご1の加速走行
状態(イ)、定速度走行状態(ロ)、及び減速走行状態
(ハ)に順次移行する様子を示したものである。すなわ
ち、加速走行状態(イ)では出発階から上の目的階に向
け静止状態から走行を開始し、一定速度に達するまで順
次走行速度が上昇され、定速度走行状態(ロ)では定速
度での走行が継続され、減速走行状態状態(ハ)では目
的階に停止するために減速させることを示している。
【0030】そこで図2(A)(a)は、走行指令に対
応する太い実線で示した基準速度信号91aに対し、細
い実線で示す実際の走行速度信号10aが若干のタイム
ラグ(遅延時間)を有して追随して油圧エレベータが走
行することを示している。
【0031】従って、速度制御部11は、基準速度信号
91a及び走行速度信号10aを受け両信号量間の差に
より、図2(A)(b)に示すようにかご1の昇降移動
を促す差検出信号11aが導出される。
【0032】図2(A)(b)に示すような差検出信号
11aの供給を受けたバルブ制御部12は、図2(A)
(c)に示すように、油圧バルブ6を制御するための油
圧バルブ制御信号12aを生成し、油圧バルブ6を制御
する。
【0033】油圧バルブ6の駆動により制御される油圧
ジャッキ2のシリンダ22内圧力について考えれば、図
2(A)(d)に示すように、静止圧力レベル22aに
対して、かご1の出発階での一定の油圧hをなして停止
した状態から徐々に圧力が高められ、目的階に向け走行
するようなシリンダ圧力特性22bを呈する。すなわ
ち、シリンダ圧力特性22bは、丁度図2(A)(a)
の走行速度信号10aに対応する曲線を描いて変化す
る。
【0034】図2(A)(e)は、図2(A)(d)に
示したシリンダ圧力特性22bにより、走行移動する乗
りかご1のかご内荷重の変化を示している。すなわち、
加速走行状態(イ)では、出発階での乗りかご1の一定
の荷重を示す静止状態から加速により荷重が上昇し、定
加速走行時は一定荷重が加わった状態で推移する。定速
度走行状態(ロ)では、荷重が順次低下して後、一定の
荷重を示す静止状態になり、更に、着床態勢に入る減速
走行状態(ハ)では乗りかご1の減速により出発時とは
逆方向に荷重は減少し、一定減速時の定荷重を経て、着
床時の荷重上昇を経て静止状態に戻るように推移する。
【0035】そこでいま、図2(B)に示すように、乗
りかご1が定速度状態(ロ)の途中の(ニ)のときに、
かご1内乗客により跳躍等が意図的に行なわれ、かご1
が重力方向に脈動的に加振されたものとし、そのときの
制御系の動作を以下説明する。
【0036】基準速度信号91aは、走行指令に基づく
ものであるから、図2(B)(a)に太線で示したよう
に正常時と変らないものとする。いま、かご内乗客の跳
躍により油圧に抗するように意図的な加振操作がある
と、かご1内荷重は、図2(B)(e)に示すように重
力方向に対し急激な脈動を生成する。かご1の速度検出
器10はその重力方向の速度を検出し、図2(B)
(a)に示すように脈動を検出し、その速度検出信号1
0aを速度制御部11に供給する。
【0037】速度制御部11は、図2(B)(b)に示
すように、基準速度信号91aとの差を検出し、バルブ
制御部12及び第1の比較判定部92に供給する。バル
ブ制御部12は図2(B)(c)に示すように、同様に
脈動に応答しそれに追随して補償すべく、バルブ制御信
号12aを生成し、これを受けた油圧バルブ6は図2
(B)(d)に示すように、図2(B)(e)に示した
加振による脈動を押えるように制御しようとするもので
ある。
【0038】一方、制御器9の第1の比較判定部92に
供給された差検出信号11aは、基準値設定部93にお
いて予め設定された信号レベルの基準値Lと比較され、
速度制御の変化量が予め設定した値を超えたか否かを判
定し、もしもその値を越えたときに、制御信号92aを
導出し、速度基準発生部91を制御してエレベータを停
止させるとともに、速度制御異常判断部94を介して表
示部95及び乗りかご1内に設けられた表示器14に供
給表示し、かご内乗客に対して、警告を与えるものであ
る。
【0039】そこで、もしもかご1内乗客による加振行
為により速度異常が発生していた場合は、表示器14へ
の警告表示が効果を奏し、その行為が停止され正常に復
帰した場合、エレベータを再起動させることができる。
【0040】なお、再起動によってもなお、速度制御が
異常となった場合は、制御系の故障と判断されることか
ら、直ちに関連機器の点検が開始可能となることから、
従来よりも迅速に対応して早急な運転再開が可能とな
る。
【0041】なお、基準値設定部93において予め設定
された基準値とは、この実施の形態では、図2(B)
(b)に示すように、信号レベルの大きさ(L)を設定
した。しかし、乗客のかご内での跳躍による加振現象を
考慮すると、加速度の急激な変化が特徴でもあるから、
信号の立上がりあるいは立下がりの傾斜の度合い、つま
り信号の微分値を基準値に設定するようにしても良い。
【0042】次に、速度基準発生部91からの基準速度
信号の生成には異常がなく、速度制御部11や速度制御
部12等、速度制御を構成する負帰還系のいずれかが故
障している場合もあり、これらの構成部分のいずれが故
障しているかを検出することによって、より速やかに故
障箇所を修復することができ、運行効率を高めることが
できる。
【0043】すなわち、マイコンで構成された制御器9
の速度制御異常判断部94には、前記制御信号12aと
ともに、走行速度信号10a、差検出信号11a、油圧
バルブ制御信号12a、圧力検出信号8a及び荷重検出
器13からの荷重検出信号13aが供給されている。そ
こで、速度制御異常判断部94は、これらの各信号の位
相相関を検知し、異常時の変化がいずれの信号において
最初に発生されたかを検知することによって、人為的な
かご加振や積載荷重の過多によるものであるか、あるい
は負帰還制御系を構成するいずれかの機器や信号系の故
障によるかを的確に判断し、表示制御信号94aにより
表示部95やかご内表示器14に表示させるよう構成し
た。
【0044】従って、速度制御異常判断部94における
判断の結果、かご内加振であると判断した場合、かご内
に加振を停止するよう、かご内の表示器14に文字表
示、またはブザーや注意アナウンス等の音声によって乗
客に注意を促すとともに、必要に応じ、制御信号92a
及び速度制御異常判断部94からの判断制御信号94b
により一旦エレベータを停止させ、引き続きその後の加
振の継続の有無を監視することで、適宜、正常に復帰さ
せるよう制御するものである。
【0045】以下、マイコンによる速度制御異常判断部
94において、速度異常現象がかご1内の何らかの人為
的な加振操作によるものか、あるいは速度制御系のいず
れかの構成部分の異常によるものであるかの判断を行な
う機能について以下説明する。なお、速度制御系として
チェック対象機器は、この実施の形態では、油圧バルブ
6、バルブ制御部12及び速度制御部11の3箇所とし
た。
【0046】すなわち、速度制御異常判断部94は、供
給された上記各出力信号のうち、最も早く出力が変化し
た信号を抽出し、表示部95に表示するよう機能するも
のであり、以下場合分けによって説明する。
【0047】A.かご内荷重検出信号13aによる異常
有無の判断。 かご1内への定格荷重を越えた急激な乗車、あるいは停
止時の乗客の跳躍等により加振され、かご1の走行速度
信号10aも変化するが、それに先立ち荷重検出信号1
3aが変化したことを速度制御異常判断部94が検知す
ることによって、かご1の荷重による異常であると判断
できる。
【0048】B.走行速度信号10aによる異常有無の
判断。 上述のように、通常は、かご1が上昇加速している場合
は、荷重出力は重力が増加した場合と等価となり、荷重
出力は比例して大きくなる。他方減速をしている場合
は、荷重出力は重力が減少した場合と等価となり、荷重
出力は比例して小さくなる。また、かご1が下降走行す
る場合は、速度と減速で荷重出力の変化は逆となる。走
行速度信号10aが、同様に荷重検出信号13aや圧力
検出信号8a等、他の信号に先立ち最初に急激な変化あ
った場合は、かご1の加振操作によるものと判断でき
る。
【0049】C.圧力検出信号8aによる異常有無の判
断。 圧力検出信号8aが、油圧バルブ制御信号12a等に先
立ち、最初に急激に変化した場合は、油圧バルブ6の不
良によるものであると判断できる。
【0050】D.油圧バルブ制御信号12aによる異常
有無の判断。 差検出信号11a等より先に、油圧バルブ制御信号12
aが変化した場合は、油圧バルブ制御部12の異常であ
ると判断できる。
【0051】E.差検出信号11aによる異常有無の判
断。 走行速度信号10a等の変化より先に変化したことを意
味し、速度制御部11の異常によるものと判断できる。
【0052】以上のように、速度制御異常判断部94は
マイコンで構成され、ソフトウエアによる上記判断処理
を行なうものであるが、上記A及びB項のように、かご
内加振であると判断した場合、制御器9の速度制御異常
判断部94は次のような処理を行なう。
【0053】イ.「加振行為を止めること。止まない場
合にはエレベータを停止させる」旨、かご1内の表示器
14に表示する。 ロ.かご1内の表示器14にブザー信号を送り、ブザー
を鳴らす。あるいは音声信号を送り、かご内加振行為を
直ちに停止するように放送する。 ハ.上記イ項またはロ項により、かご1内に警告を出力
した後も加振が縦続していることが検知された場合は、
速度制御異常判断部94は、速度基準発生部9に油圧エ
レベータを停止させる信号を発生するよう判断制御信号
94bを出力する。 ニ.一時停止させた後のエレベータのかご1内の加振状
態を監視して、加振が継続されていないことを検知した
とき、正常運転に復帰させる。
【0054】以上のように、かご1内での、乗客による
故意による加振という一時的な速度制御の異常があった
場合、従来は速度制御関連構成機器の異常と区別されな
かったが、この実施の形態によれば、かご内の加振状態
であるとの的確な判断も可能となり、しかも乗客に対し
加振状態の即時停止を促し、加振状態が解消した時点で
速やかに正常に復帰させることが可能となるので、エレ
ベータの運行効率を著しく向上させることができる。
【0055】なお、従来の油圧エレベータでは、定格速
度での走行中に加振行為が継続された場合、速度変化の
大きさによっては、過速度検出により途中階に停止して
しまい、乗客の閉じこめ状態となる可能性がある。しか
しながら、この実施の形態によれば、早期にかご1内表
示器14に表示可能であることから、加振行為による影
響が拡大し構成機器の故障へと波及する以前に加振行為
を停止させ、乗客の閉じ込め等を回避することが可能と
なるから、途中階での閉じ込め事故も少なくなり、利用
客へのサービス向上を図ることができる。
【0056】上記第1の実施の形態では、予め設定され
た基準速度と実際の走行速度との差が、予め設定された
基準値を越えたか否か判定するのに、第1の比較判定部
92において速度制御部11の出力信号(差検出信号1
1a)と基準値設定部93の基準値Lとを比較するよう
に構成したが、荷重検出器13の荷重検出信号13aを
利用して、同様に速度制御の異常を検出することができ
る。
【0057】すなわち、図3はこの発明による油圧エレ
ベータの第2の実施の形態を示す構成図で、第1の実施
の形態と相違する点を主に説明する。
【0058】制御器9の速度基準発生部91からの予め
設定された乗りかごの基準速度、すなわち基準速度信号
91aは比較部96に供給される。一方、この比較部9
6には乗りかご1の荷重検出器13からのかご内荷重を
示す荷重検出信号13aが供給され、ここで乗りかごの
基準速度の変化特性とかご内荷重の変化特性とを対応さ
せて比較する。
【0059】従って、この比較部96の出力には、乗り
かごの基準速度の変化値に対応する前記かご内荷重の変
化値が出力され、第2の比較判定部97に供給される。
この第2の比較判定部97には基準値設定部93が接続
され、予め設定された基準値が供給されることから、そ
の基準値Lを越えたときに、第2の比較判定部97は乗
りかごの速度制御が異常であると判定し、その判定によ
る制御信号97aを第1の実施の形態と同様に、基準速
度発生部91及び速度制御異常判断部94に供給するも
のである。
【0060】従って、第2の比較判定部97からの制御
信号97aによって、前記かご内荷重の変化値が予め設
定された基準値を越えたことを前記乗りかご内に設けら
れた表示器14に表示する。このように、乗りかご内の
乗客により加振行為あるいは急激な積載荷重の増加があ
ったときには、かご内荷重に急激な変化が生ずるので、
比較部96により、予め設定された乗りかごの基準速度
の変化特性とかご内荷重の変化特性とを対応させて比較
し、この比較出力信号が予め設定された基準値を越えた
とき、速度制御機能が異常であると判定される。
【0061】従って、予め設定された基準値を越えるこ
とがなくなったときには、再起動可能であると判断し、
再起動操作に移行できるので第1の実施の形態と同様
に、油圧エレベータの運行効率を高めることができる。
【0062】以上のように、本発明は、速度制御におけ
る制御信号量(偏差)の状態、かご内の荷重の変化の状
態から故意によるかご内加振であるか否かを判断する構
成、及びかご内の乗客に故意の加振をやめるような警告
を音声等の表示出力を行なう構成を付加するという簡単
な構成で、利用客への運行効率の良い油圧エレベータを
提供することができる。
【0063】
【発明の効果】この発明による油圧エレベータは、かご
内での加振行為によるエレベータ制御の異常を的確に判
断し、かご内乗客への警告やエレベータの再起動による
回復をも可能としたものであり、利用効率の向上を図る
ことができ、実用に際し得られる効果大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による油圧エレベータの第1の実施の
形態を示す構成図である。
【図2】図1に示す油圧エレベータの制御動作特性図で
ある。
【図3】この発明による油圧エレベータの第2の実施の
形態を示す構成図である。
【図4】従来の油圧エレベータを示す構成図である。
【符号の説明】
1 エレベータかご 2 油圧ジャッキ 21 油圧ジャッキプランジャ 22 油圧ジャッキシリンダ 3 ワイヤーロープ 4 油圧タンク 5 ポンプ 6 油圧バルブ 7 油圧配管 8 圧力センサ 9 制御器 91 基準速度発生部 92 第1の比較判定部 93 基準値設定部 94 速度制御異常判断部 95 表示部 96 比較部 97 第2の比較判定部 10 速度検出器 11 速度制御部 12 油圧バルブ制御部 13 荷重検出器 14 表示器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め設定された乗りかごの基準速度と、
    乗りかごの実際の走行速度との差を利用して速度制御を
    行う油圧エレベータにおいて、 前記差の値が予め設定された基準値と比較し、その比較
    結果を導出する第1の比較判定手段と、 この第1の比較判定手段に接続され、前記比較結果を表
    示するよう前記乗りかご内に設けられた表示器とを具備
    し、前記差の値が予め設定された基準値を越えたとき
    に、乗りかごの速度制御が異常であることを乗りかご内
    に報知することを特徴とする油圧エレベータ。
  2. 【請求項2】 前記第1の比較判定手段が、前記速度制
    御が異常であると判定した場合、前記乗りかごの実際の
    走行速度信号と前記速度制御の出力信号とを比較し、前
    記速度制御の異常が乗りかご内乗客の加振行為によるも
    のであるか、または前記速度制御系の不具合によるもの
    であるかを判別する判別手段を備えたことを特徴とする
    請求項1記載の油圧エレベータ。
  3. 【請求項3】 前記判別手段が、前記速度制御の異常
    が、かご内乗客等の加振行為によるものと判別した場
    合、その加振行為を中止するよう乗りかご内に報知する
    ことを特徴とする請求項2記載の油圧エレベータ。
  4. 【請求項4】 前記第1の比較判定手段は、前記速度制
    御が異常であると判定したとき、エレベータを一旦停止
    させるとともに、前記速度制御の異常が解消したとき、
    前記エレベータを起動させることを特徴とする請求項1
    乃至請求項3のうちのいずれかに記載の油圧エレベー
    タ。
  5. 【請求項5】 予め設定された乗りかごの基準速度と乗
    りかごの実際の走行速度との差を利用して速度制御を行
    う油圧エレベータにおいて、 予め設定された乗りかごの基準速度の変化特性とかご内
    荷重の変化特性とを対応させて比較する比較手段と、 この比較手段に接続され、前記乗りかごの基準速度の変
    化値に対応する前記かご内荷重の変化値が予め設定され
    た基準値を越えたときに、前記乗りかごの速度制御が異
    常であると判定する第2の比較判定手段と、 この第2の比較判定手段に接続され、前記かご内荷重の
    変化値が予め設定された基準値を越えたことを報知する
    よう前記乗りかご内に設けられた報知手段とを具備する
    ことを特徴とする油圧エレベータ。
  6. 【請求項6】 前記第2の比較判定手段は、前記速度制
    御が異常であると判定したとき、エレベータを一旦停止
    させるとともに、前記速度制御の異常が解消したとき、
    前記エレベータを起動させることを特徴とする請求項5
    記載の油圧エレベータ。
JP9008787A 1997-01-21 1997-01-21 油圧エレベータ Pending JPH10203742A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9008787A JPH10203742A (ja) 1997-01-21 1997-01-21 油圧エレベータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9008787A JPH10203742A (ja) 1997-01-21 1997-01-21 油圧エレベータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10203742A true JPH10203742A (ja) 1998-08-04

Family

ID=11702588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9008787A Pending JPH10203742A (ja) 1997-01-21 1997-01-21 油圧エレベータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10203742A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010023962A (ja) * 2008-07-16 2010-02-04 Mitsubishi Electric Corp 油圧エレベーター装置
WO2017013709A1 (ja) * 2015-07-17 2017-01-26 三菱電機株式会社 油圧式エレベータの安全装置および油圧式エレベータの戸開走行異常検出方法
CN110422715A (zh) * 2019-08-02 2019-11-08 浙江新再灵科技股份有限公司 一种直梯蹦跳检测方法及检测系统
US11034548B2 (en) 2018-05-01 2021-06-15 Otis Elevator Company Elevator door interlock assembly
US11040858B2 (en) 2018-05-01 2021-06-22 Otis Elevator Company Elevator door interlock assembly
US11040852B2 (en) 2018-05-01 2021-06-22 Otis Elevator Company Elevator car control to address abnormal passenger behavior
US11046557B2 (en) 2018-05-01 2021-06-29 Otis Elevator Company Elevator door interlock assembly
US11155444B2 (en) 2018-05-01 2021-10-26 Otis Elevator Company Elevator door interlock assembly
US11760604B1 (en) 2022-05-27 2023-09-19 Otis Elevator Company Versatile elevator door interlock assembly

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010023962A (ja) * 2008-07-16 2010-02-04 Mitsubishi Electric Corp 油圧エレベーター装置
WO2017013709A1 (ja) * 2015-07-17 2017-01-26 三菱電機株式会社 油圧式エレベータの安全装置および油圧式エレベータの戸開走行異常検出方法
JPWO2017013709A1 (ja) * 2015-07-17 2017-09-28 三菱電機株式会社 油圧式エレベータの安全装置および油圧式エレベータの戸開走行異常検出方法
CN107848747A (zh) * 2015-07-17 2018-03-27 三菱电机株式会社 液压式电梯的安全装置以及液压式电梯的开门行进异常检测方法
CN107848747B (zh) * 2015-07-17 2019-06-21 三菱电机株式会社 液压式电梯的安全装置以及液压式电梯的开门行进异常检测方法
US11034548B2 (en) 2018-05-01 2021-06-15 Otis Elevator Company Elevator door interlock assembly
US11040858B2 (en) 2018-05-01 2021-06-22 Otis Elevator Company Elevator door interlock assembly
US11040852B2 (en) 2018-05-01 2021-06-22 Otis Elevator Company Elevator car control to address abnormal passenger behavior
US11046557B2 (en) 2018-05-01 2021-06-29 Otis Elevator Company Elevator door interlock assembly
US11155444B2 (en) 2018-05-01 2021-10-26 Otis Elevator Company Elevator door interlock assembly
US11603290B2 (en) 2018-05-01 2023-03-14 Otis Elevator Company Elevator door interlock assembly
US11655122B2 (en) 2018-05-01 2023-05-23 Otis Elevator Company Elevator door in interlock assembly
CN110422715A (zh) * 2019-08-02 2019-11-08 浙江新再灵科技股份有限公司 一种直梯蹦跳检测方法及检测系统
US11760604B1 (en) 2022-05-27 2023-09-19 Otis Elevator Company Versatile elevator door interlock assembly

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7448472B2 (en) Elevator apparatus that detects an accurate running speed of an elevator car that operates over speed
JP5083203B2 (ja) エレベータの管制運転装置
CN101282899B (zh) 电梯装置
US11136220B2 (en) Elevator device
WO2006100791A1 (ja) エレベータのかご揺すり検知装置
JPH10203742A (ja) 油圧エレベータ
JP2007302362A (ja) エレベータの終端階速度制御システム
EP3564170B1 (en) Elevator car control to address abnormal passenger behavior
JP5053291B2 (ja) エレベータの安全装置
JP4410111B2 (ja) エレベーター安全システム
JP2009215012A (ja) エレベータの非常時減速制御システム
JP2009286525A (ja) エレベータ装置及びその制動機能検査方法
JPH0733228B2 (ja) エレベーターの異常検出装置
JP2007204223A (ja) エレベーターの管制運転装置及び管制運転方法
WO2016113881A1 (ja) エレベータ装置及びその制御方法
JP2008007322A (ja) エレベータの終端階減速制御システム
JP4208317B2 (ja) エレベータの荷重演算装置
JPH08333068A (ja) エレベータ案内装置の故障検出装置
JP4732578B2 (ja) エレベーターの制御装置
JPH07330231A (ja) エレベータの制御装置
JP2000128452A (ja) エレベーターのいたずら警告装置
JPH0616361A (ja) エレベーターの制御装置
EP3196157B1 (en) Method for controlling operation of elevator
JPH1179594A (ja) エレベーターの異常振動検出装置
JP2004345751A (ja) エレベータの安全装置