JPH0858549A - 車両用液圧ブレーキ装置 - Google Patents

車両用液圧ブレーキ装置

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JPH0858549A
JPH0858549A JP12534195A JP12534195A JPH0858549A JP H0858549 A JPH0858549 A JP H0858549A JP 12534195 A JP12534195 A JP 12534195A JP 12534195 A JP12534195 A JP 12534195A JP H0858549 A JPH0858549 A JP H0858549A
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JP
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brake
valve
front wheel
wheel brake
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JP12534195A
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English (en)
Inventor
Michiji Nishii
井 理 治 西
Satoshi Ishida
田 聡 石
Kenji Toutsu
津 憲 司 十
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブレーキ操作中の左右前輪ブレーキの液圧を
個別に調節でき、ブレーキ操作をしていないときに左右
前輪ベレーキに個別に液圧を付与でき、低騒音、高耐久
性、低コストの車両用液圧ブレーキ装置を提供する。 【構成】 ブレーキ操作中に前輪ブレーキFWBL(F
WBR)を減圧するときは弁装置V1,V4(V2,V
4)を作動させ、その後に増圧するときは弁装置V5
(V6)を作動させてレギュレータバルブRVからブレ
ーキ液を絞りO1(O2)を介して流入させ、その後に
減圧するときは弁装置V5(V6)の作動を解除する。
非ブレーキ操作中に前輪ブレーキFWBL(FWBR)
に液圧を付与するときは弁装置V1,V3,V4,V5
(V1,V3,V4,V6)を作動させ、その後に減圧
するときは弁装置V5(V6)の作動を解除し、その後
に増圧するときは弁装置V5(V6)を作動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この出願の発明は、ブレーキ液を
貯溜するリザーバと、このリザーバ内のブレーキ液をア
キュムレータに圧送する動力駆動のポンプと、このアキ
ュムレータ内に蓄積されている高液圧のブレーキ液を運
転者のブレーキ操作力に対応した液圧に減圧して出力す
るレギュレータバルブと、運転者のブレーキ操作力に対
応した液圧を出力するマスタシリンダと、このマスタシ
リンダの出力液圧により作動して車輪に作用する車輪ブ
レーキと、電子制御装置からの指令に応答して前記各前
輪ブレーキに液圧を給排および増減制御するためのアク
チュエータとを備えた車両用液圧ブレーキ装置、およ
び、ブレーキ液を貯溜するリザーバと、このリザーバ内
のブレーキ液をアキュムレータに圧送する動力駆動のポ
ンプと、このアキュムレータ内に蓄積されている高液圧
のブレーキ液を運転者のブレーキ操作力に対応した液圧
に減圧して出力するレギュレータバルブと、運転者のブ
レーキ操作力に対応した液圧を出力するマスタシリンダ
と、このマスタシリンダの出力液圧により作動して非駆
動輪であり且つ操舵輪である左前輪および左前輪にそれ
ぞれ作用する左前輪ブレーキおよび右前輪ブレーキと、
電子制御装置からの指令に応答して前記各前輪ブレーキ
に液圧を給排および増減制御するためのアクチュエータ
とを備えた車両用液圧ブレーキ装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種の車両用液圧ブレーキ装置は公知
であり、例えば、特開昭64−47644号公報に記載
されている。
【0003】上記の特開昭64−47644号公報に記
載の従来装置における前輪ブレーキ用のアクチュエータ
は、ブレーキ操作中における左右各前輪のロック回避を
するためのものであり、左前輪ブレーキおよび右前輪ブ
レーキに対する加圧ブレーキ液の供給源をとして通常時
はマスタシリンダを、また制御時にはレギュレータバル
ブをそれぞれ選択するための3ポート2位置の電磁操作
式の切替弁装置と、この切替弁装置を通してマスタシリ
ンダまたはレギュレータバルブから供給される加圧ブレ
ーキ液を左前輪ブレーキに流入させる増圧位置と左前輪
ブレーキのブレーキ液をリザーバへ流出させる減圧位置
と左前輪ブレーキに対するブレーキ液の流出入を止める
保圧位置とを持っており通常は増圧位置を占めている3
ポート2位置の電磁操作式の左前輪ブレーキ用切替弁装
置と、前記切替弁装置を通してマスタシリンダまたはレ
ギュレータバルブから供給される加圧ブレーキ液を右前
輪ブレーキに流入させる増圧位置と右前輪ブレーキのブ
レーキ液をリザーバへ流出させる減圧位置と右前輪ブレ
ーキに対するブレーキ液の流出入を止める保圧位置とを
持っており通常は増圧位置を占めている3ポート2位置
の電磁操作式の右前輪ブレーキ用切替弁装置とを備えて
いる。このような構成は、ブレーキ操作時の操作部材の
ストロークが適度であり、且つ、前輪ブレーキ液圧の減
圧,増圧を繰り返す制御時にはレギュレータバルブから
加圧ブレーキ液を供給するため、前輪ブレーキ液圧の減
圧,増圧を繰り返しによってブレーキ操作部材がストロ
ークが増加することがないことを低コストで実現できる
利点を有する。
【0004】また、上記公開公報に記載の従来装置は、
レギュレータバルブの出力液圧により作動して駆動輪で
ある左後輪および右後輪にそれぞれ作用する左後輪ブレ
ーキおよび右後輪ブレーキのためのアクチュエータを備
えているこのアクチュエータは、ブレーキ操作中におけ
る各後輪のロック回避をし、また車両の発進時や加速時
の各後輪の空転回避をするためのものであり、レギュレ
ータバルブから供給される加圧ブレーキ液を左後輪ブレ
ーキに流入させる増圧位置と左後輪ブレーキのブレーキ
液をリザーバへ流出させる減圧位置と左後輪ブレーキに
対するブレーキ液の流出入を止める保圧位置とを持って
おり通常は増圧位置を占める3ポート2位置の電磁操作
式の左後輪ブレーキ用切替弁装置と、レギュレータバル
ブから供給される加圧ブレーキ液を右後輪ブレーキに流
入させる増圧位置と右後輪ブレーキのブレーキ液をリザ
ーバへ流出させる減圧位置と右後輪ブレーキに対するブ
レーキ液の流出入を止める保圧位置とを持っており通常
は増圧位置を占めている3ポート2位置の電磁操作式の
右後輪ブレーキ用切替弁装置と、これら切替弁装置とレ
ギュレータバルブとの接続を断つための2ポート2位置
の電磁操作式の常開の弁装置と、左後輪ブレーキをアキ
ュムレータに接続するための2ポート2位置の電磁操作
式の常閉の弁装置と、右後輪ブレーキをアキュムレータ
に接続するための2ポート2位置の電磁操作式の常閉の
弁装置とを備えている。このような構成は、アキュムレ
ータから各後輪ブレーキへの液圧の導入は2つの弁装置
が作動しない限り達成されず、非ブレーキ操作中に弁装
置の誤作動により車両制動作用が突発的に生じることを
低コストで回避できる利点がある。
【0005】更に、近年、車両旋回中の車両スピンを回
避するため、ブレーキ操作が行われていなくても、上記
アクチュエータの構成要素を利用して、左前輪、右前
輪、左後輪、右後輪の任意の車輪に対して制動力を働か
せる技術が開発されつつある(例えば、特開平4−19
3658号参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、電子制御技術の
急速な発展と車両制動時における車輪のロック回避制御
技術分野への適用により、車輪のロック回避制御のため
の車輪ブレーキの液圧の変化態様は、急減圧と緩増圧の
2モードが主体になってきた。上記従来アクチュエータ
においては、車輪ブレーキの液圧の緩増圧が加圧ブレー
キ液の車輪ブレーキへの流入を制御する弁装置を高頻度
で作動させることにより達成されるものであり、この弁
装置の高頻度の作動が騒音を発生する上、弁体および弁
座の摩耗が激しく、耐久性を維持するために高価な素材
を使用しなければならないと言う問題がある。
【0007】また、前輪ブレーキ用の上記従来アクチュ
エータは、ブレーキ操作が行われていないときには前輪
ブレーキに液圧を供給することができない。前記後輪ブ
レーキ用のアクチュエータと同じようにブレーキ操作が
行われていないときに左右輪ブレーキに個別に液圧を供
給できるとともに弁装置の誤作動により車両制動作用が
突発的に生じることを回避できるようにするためには、
2ポート2位置の弁装置を3個追加することになる。し
かし、非常に高価な2個の3ポート3位置の切替弁装置
が2個と1個の3ポート2位置の切替弁装置と3個の2
ポート2位置の弁装置が必要でコスト高となり、3ポー
ト3位置の切替弁装置を2ポート2位置の常開の弁装置
と2ポート2位置の常閉の弁装置とのセットに置換した
としても、1個の3ポート2位置の切替弁装置と7個の
2ポート2位置の弁装置が必要でやはりコスト高であ
る。
【0008】この出願の発明は、ブレーキ液を貯溜する
リザーバと、このリザーバ内のブレーキ液をアキュムレ
ータに圧送する動力駆動のポンプと、このアキュムレー
タ内に蓄積されている高液圧のブレーキ液を運転者のブ
レーキ操作力に対応した液圧に減圧して出力するレギュ
レータバルブと、運転者のブレーキ操作力に対応した液
圧を出力するマスタシリンダと、このマスタシリンダの
出力液圧により作動して車輪に作用する車輪ブレーキ
と、電子制御装置からの指令に応答して前記各前輪ブレ
ーキに液圧を給排および増減制御するためのアクチュエ
ータとを備えた車両用液圧ブレーキ装置であって、ブレ
ーキ操作中の車輪のロック回避をするため車輪ブレーキ
の液圧を増減しているときに発する騒音が従来装置より
も少なく、コストの面でも有利な車両用液圧ブレーキ装
置の提供を第1の目的とする。
【0009】この出願の発明は、ブレーキ液を貯溜する
リザーバと、このリザーバ内のブレーキ液をアキュムレ
ータに圧送する動力駆動のポンプと、このアキュムレー
タ内に蓄積されている高液圧のブレーキ液を運転者のブ
レーキ操作力に対応した液圧に減圧して出力するレギュ
レータバルブと、運転者のブレーキ操作力に対応した液
圧を出力するマスタシリンダと、このマスタシリンダの
出力液圧により作動して非駆動輪であり且つ操舵輪であ
る左前輪および左前輪にそれぞれ作用する左前輪ブレー
キおよび右前輪ブレーキと、電子制御装置からの指令に
応答して前記各前輪ブレーキに液圧を給排および増減制
御するためのアクチュエータとを備えた車両用液圧ブレ
ーキ装置であって、ブレーキ操作中の左右各前輪または
それと左右各後輪のロック回避をするため各車輪ブレー
キの液圧を個別に増減でき、ブレーキ操作をしていない
ときでも左右各前輪またはそれと左右各後輪に個別に制
動力を加えることができ、各車輪ブレーキの液圧を増減
しているときに発する騒音が従来装置よりも少なく、コ
ストの面でも有利な車両用液圧ブレーキ装置を提供する
ことを第2の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的に従う
この出願の請求項1の車両用液圧ブレーキ装置は、ブレ
ーキ液を貯溜するリザーバと、このリザーバ内のブレー
キ液をアキュムレータに圧送する動力駆動のポンプと、
このアキュムレータ内に蓄積されている高液圧のブレー
キ液を運転者のブレーキ操作力に対応した液圧に減圧し
て出力するレギュレータバルブと、運転者のブレーキ操
作力に対応した液圧を出力するマスタシリンダと、この
マスタシリンダの出力液圧により作動して車輪に作用す
る車輪ブレーキと、電子制御装置からの指令に応答して
前記各前輪ブレーキに液圧を給排および増減制御するた
めのアクチュエータとを備えた車両用液圧ブレーキ装置
であって、前記アクチュエータは、前記車輪ブレーキと
前記マスタシリンダとの接続を断ち且つ前記車輪ブレー
キと車輪ブレーキ液圧制御用通路とを接続する切替弁装
置と、前記車輪ブレーキ液圧制御用通路と前記レギュレ
ータバルブの出力部との接続を断ち且つ前記車輪ブレー
キ液圧制御用通路を前記リザーバに接続するための切替
弁装置と、この切替弁装置と前記車輪ブレーキとの接続
を断つための遮断弁装置と、前記レギュレータバルブの
出力部の加圧ブレーキ液を前記量切替弁装置の後者およ
び前記遮断弁装置を通さずに前記車輪ブレーキ液圧制御
通路に導入するとともにこのブレーキ液流量を前記遮断
弁装置および前記後者の前記切替弁装置を順次通って前
記リザーバへ流出するブレーキ液流量よりも少ない所望
値に設定するための絞り通路とを備えたものである。
【0011】かかる車両用液圧ブレーキ装置において、
ブレーキ操作の解除時に車輪ブレーキのブレーキ液圧を
確実に減圧させるため、前記絞り通路と並列に逆止弁を
設けて車輪ブレーキの加圧ブレーキ液が前記絞り通路を
通らずに前記逆止弁を通ってレギュレータバルブ側へ流
れ得るようにすることが好ましい。また、前記各切替弁
装置は2ポート2位置の遮断弁装置を2個使用して構成
しても良いが、コスト低減の観点から3ポート2位置の
切替弁装置1個で構成することが好ましい。
【0012】上記の第2の目的に従うこの出願の請求項
2の車両用液圧ブレーキ装置は、ブレーキ液を貯溜する
リザーバと、このリザーバ内のブレーキ液をアキュムレ
ータに圧送する動力駆動のポンプと、このアキュムレー
タ内に蓄積されている高液圧のブレーキ液を運転者のブ
レーキ操作力に対応した液圧に減圧して出力するレギュ
レータバルブと、運転者のブレーキ操作力に対応した液
圧を出力するマスタシリンダと、このマスタシリンダの
出力液圧により作動して非駆動輪であり且つ操舵輪であ
る左前輪および右前輪にそれぞれ作用する左前輪ブレー
キおよび右前輪ブレーキと、電子制御装置からの指令に
応答して前記各前輪ブレーキに液圧を給排および増減制
御するためのアクチュエータとを備えた車両用液圧ブレ
ーキ装置であって、前記アクチュエータは、前記左前輪
ブレーキと前記マスタシリンダとの接続を断ち且つ前記
左前輪ブレーキと左前輪ブレーキ液圧制御用通路とを接
続する第1弁装置と、前記右前輪ブレーキと前記マスタ
シリンダとの接続を断ち且つ前記右前輪ブレーキと右前
輪ブレーキ液圧制御用通路とを接続する第2弁装置と、
前記左前輪ブレーキ液圧制御用通路および前記右前輪ブ
レーキ液圧制御用通路への加圧ブレーキ液の供給源とし
て前記レギュレータバルブと前記アキュムレータのいず
れか1つを選択するための第3弁装置と、前記左前輪ブ
レーキ液圧制御用通路および前記右前輪ブレーキ液圧制
御用通路と前記第3弁装置の出力部との接続を断ち且つ
前記左前輪ブレーキ液圧制御用通路および前記右前輪ブ
レーキ液圧制御用通路を前記リザーバに接続するための
第4弁装置と、この第4弁装置と前記左前輪ブレーキと
の接続を断つための第5弁装置と、前記第4弁装置と前
記右前輪ブレーキとの接続を断つための第6弁装置と、
前記第3弁装置の出力部の加圧ブレーキ液を前記第4弁
装置および前記第5弁装置を通さずに前記左前輪ブレー
キ液圧制御通路に導入するとともにこのブレーキ液流量
を前記第5弁装置および前記第4弁装置を順次通って前
記リザーバへ流出するブレーキ液流量よりも少ない所望
値に設定するための第1絞り通路と、前記第3弁装置の
出力部の加圧ブレーキ液を前記第4弁装置および前記第
6弁装置を通さずに前記右前輪ブレーキ液圧制御通路に
導入するとともにこのブレーキ液流量を前記第6弁装置
および前記第4弁装置を順次通って前記リザーバへ流出
するブレーキ液流量よりも少ない所望値に設定するため
の第2絞り通路とを備えたものである。
【0013】上記の第2の目的に従うこの出願の請求項
3の車両用液圧ブレーキ装置は、請求項2に記載の車両
用液圧ブレーキ装置であって、前記レギュレータバルブ
の出力液圧により作動して駆動輪である左後車輪および
右後車輪にそれぞれ作用する左後輪ブレーキおよび右後
輪ブレーキを備えており、前記アクチュエータは、前記
左後輪ブレーキおよび前記右後輪ブレーキと前記レギュ
レータバルブの出力部との接続を断ち且つ前記左後輪ブ
レーキおよび前記右後輪ブレーキを前記リザーバに接続
するための第7弁装置と、この第7弁装置と前記左後輪
ブレーキとの接続を断つための第8弁装置と、前記第7
弁装置と前記右後輪ブレーキとの接続を断つための第9
弁装置と、前記レギュレータバルブの出力部の加圧ブレ
ーキ液を前記前記第7弁装置および前記第8弁装置を通
さずに前記左後輪ブレーキに導入するとともにこのブレ
ーキ液流量を前記第8弁装置および前記第7弁装置を順
次通って前記リザーバへ流出するブレーキ液流量よりも
少ない所望値に設定するための第3絞り通路と、前記レ
ギュレータバルブの出力部の加圧ブレーキ液を前記第7
弁装置および前記第9弁装置を通さずに前記右後輪ブレ
ーキに導入するとともにこのブレーキ液流量を前記第9
弁装置および前記第7弁装置を順次通って前記リザーバ
へ流出するブレーキ液流量よりも少ない所望値に設定す
るための第4絞り通路と、前記第7弁装置と前記第3絞
り通路および前記第4絞り通路を前記レギュレータバル
ブの出力部から遮断し且つ前記第3弁装置の出力部に接
続するための第10弁装置を備えたものである。
【0014】請求項2,3の車両用液圧ブレーキ装置に
おいても、ブレーキ操作の解除時に車輪ブレーキのブレ
ーキ液圧を確実に減圧させるため、前記第1〜第4絞り
通路の各々と並列に逆止弁を設けて各車輪ブレーキの加
圧ブレーキ液が前記絞り通路を通らずに前記逆止弁を通
ってレギュレータバルブ側へ流れ得るようにすることが
好ましい。また、前記第1,2,3,4,7,10弁装
置の各々は、2ポート2位置の遮断弁装置を2個使用し
て構成しても良いが、コスト低減の観点から3ポート2
位置の切替弁装置1個で構成することが好ましい。
【0015】また、請求項3の車両用液圧ブレーキ装置
においては、車両が旋回走行していて大きい横加速度が
働いている状態でブレーキ操作が行われたときの車両ス
ピンを効果的に抑制するため、およびブレーキ操作が行
われていないときの車輌スピンの防止制御字の騒音を抑
制するため、前記第3弁装置の出力部の加圧ブレーキ液
を前記第10弁装置に導く通路には比例減圧弁または圧
力制限弁が介挿されていることが好ましい。
【0016】
【作用】請求項1の車両用液圧ブレーキ装置において
は、通常時には車輪ブレーキが前者切替弁装置を介して
マスタシリンダに接続されている。従って、運転者がブ
レーキ操作をした時には、マスタシリンダがブレーキ操
作力に対応した液圧を出力し、この液圧が前者切替弁装
置を介して車輪ブレーキに迅速に付与され、車輪に制動
力が加えられる。この制動力は、運転者のブレーキ操作
力の加減により増減される。ブレーキ操作が行われてい
るときにはレギュレータバルブがアキュムレータからの
高液圧をブレーキ操作力に対応した液圧に減圧して出力
しているものであり、この液圧は後者切替弁装置と遮断
弁装置を順次通して車輪ブレーキ液圧制御用通路に伝達
しているものである。
【0017】運転者がブレーキ操作をしている状態にお
いて、後者切替弁装置が作動された時には車輪ブレーキ
液圧制御用通路がレギュレータバルブの出力部から遮断
されてリザーバに接続され、車輪ブレーキ液圧制御用通
路が低圧となる。その際、レギュレータバルブの出力部
から加圧ブレーキ液が絞り通路を通って車輪ブレーキ液
圧制御用通路に流入するが、その流量は少ないので、車
輪ブレーキ液圧制御用通路の低圧化に支障はない。後者
切替弁装置の作動下で前者切替弁装置が作動された時に
は車輪ブレーキとマスタシリンダとの接続が断たれ且つ
車輪ブレーキが車輪ブレーキ液圧制御用通路に接続され
るので、車輪ブレーキ内の加圧ブレーキ液が前者切替弁
装置と遮断弁装置および後者切替弁装置を順次通ってリ
ザーバへ流出し車輪ブレーキの液圧が急減圧される。前
者切替弁装置および後者切替弁装置の作動下で遮断弁装
置が作動されると車輪ブレーキからリザーバへのブレー
キ液の流出が阻止されて車輪ブレーキの液圧の減圧が止
まり、レギュレータバルブの出力部からブレーキ液が1
絞り通路および前者切替弁装置を順次通って車輪ブレー
キに流入することによって車輪ブレーキの液圧が緩増圧
される。前者切替弁装置と後者切替弁装置および遮断弁
装置の作動下で遮断弁装置の作動が解除されたときには
車輪ブレーキの液圧が再び急減圧される。
【0018】このように、請求項1の車両用液圧ブレー
キ装置においては、車輪ブレーキ液圧の制御中の緩増圧
は車輪ブレーキに流入するブレーキ液流量を絞り通路に
より少なくすることで得るため、弁装置の作動頻度は従
来装置に比べて少なく、従って騒音や耐久性の点で有利
である。また、弁装置は安価な2ポート2位置の弁装置
や3ポート2位置の弁装置でよく、その数も従来装置に
比べて減少し、従ってコストの点で有利である。
【0019】請求項2の車両用液圧ブレーキ装置におい
ては、通常時には左前輪ブレーキが第1弁装置を介して
マスタシリンダに、また右前輪ブレーキが第2弁装置を
介してマスタシリンダにそれぞれ接続されている。従っ
て、運転者がブレーキ操作をした時には、マスタシリン
ダがブレーキ操作力に対応した液圧を出力し、この液圧
が第1弁装置を介して左前輪ブレーキに、また第2弁装
置を介して右前輪ブレーキにそれぞれ迅速に付与され、
左右各前輪に制動力が加えられる。この制動力は、運転
者のブレーキ操作力の加減により増減される。ブレーキ
操作が行われているときにはレギュレータバルブがアキ
ュムレータからの高液圧をブレーキ操作力に対応した液
圧に減圧して出力しているものであり、この液圧は第3
弁装置と第4弁装置および第5弁装置を順次通して左前
輪ブレーキ液圧制御用通路に、また第3弁装置と第4弁
装置および第6弁装置を順次通して右前輪ブレーキ液圧
制御用通路にそれぞれ伝達しているものである。
【0020】運転者がブレーキ操作をしている状態にお
いて、第4弁装置が作動された時には左前輪ブレーキ液
圧制御用通路および右前輪ブレーキ液圧制御用通路が第
3弁装置の出力部から遮断されてリザーバに接続され、
左前輪ブレーキ液圧制御用通路および右前輪ブレーキ液
圧制御用通路が低圧となる。その際、レギュレータバル
ブの出力部からブレーキ液が第3弁装置と第1絞り通路
を順次通って左前輪ブレーキ液圧制御用通路に、また第
3弁装置と第2絞り通路を順次通って右前輪ブレーキ液
圧制御用通路にそれぞれ流入するが、その流量は少ない
ので、左前輪ブレーキ液圧制御用通路および右前輪ブレ
ーキ液圧制御用通路の低圧化に支障はない。第4弁装置
の作動下で第1弁装置が作動された時には左前輪ブレー
キとマスタシリンダとの接続が断たれ且つ左前輪ブレー
キが左前輪ブレーキ液圧制御用通路に接続されるので、
左前輪ブレーキ内の加圧ブレーキ液が第1弁装置と第5
弁装置および第4弁装置を順次通ってリザーバへ流出し
左前輪ブレーキの液圧が急減圧される。また、第4弁装
置の作動下で第2弁装置が作動された時には右前輪ブレ
ーキとマスタシリンダとの接続が断たれ且つ右前輪ブレ
ーキが右前輪ブレーキ液圧制御用通路に接続されるの
で、右前輪ブレーキ内の加圧ブレーキ液が第2弁装置と
第6弁装置および第4弁装置を順次通ってリザーバへ流
出し右前輪ブレーキの液圧が急減圧される。第1弁装置
および第4弁装置の作動下で第5弁装置が作動されると
左前輪ブレーキからリザーバへのブレーキ液の流出が阻
止されて左前輪ブレーキの液圧の減圧が止まり、レギュ
レータバルブの出力部からブレーキ液が第3弁装置と第
1絞り通路および第1弁装置を順次通って左前輪ブレー
キに流入することによって左前輪ブレーキの液圧が緩増
圧される。また、第2弁装置および第4弁装置の作動下
で第6弁装置が作動されると右前輪ブレーキからリザー
バへのブレーキ液の流出が阻止されて右前輪ブレーキの
液圧の減圧が止まり、レギュレータバルブの出力部から
ブレーキ液が第3弁装置と第2絞り通路および第2弁装
置を順次通って右前輪ブレーキに流入することによって
右前輪ブレーキの液圧が緩増圧される。第1弁装置と第
4弁装置および第5弁装置の作動下で第5弁装置の作動
が解除されたときには左前輪ブレーキの液圧が再び急減
圧され、第2弁装置と第4弁装置および第6弁装置の作
動下で第6弁装置の作動が解除されたときには右前輪ブ
レーキの液圧が再び急減圧される。
【0021】ブレーキ操作が行われていない状態におい
て、第1弁装置と第2弁装置および第3弁装置が作動さ
れると、アキュムレータの高圧ブレーキ液が第3弁装置
と第4弁装置と第5弁装置および第1弁装置を順次通っ
て左前輪ブレーキに、また第3弁装置と第4弁装置と第
6弁装置および第2弁装置を順次通って右前輪ブレーキ
にそれぞれ流入し、左前輪ブレーキおよび右前輪ブレー
キに液圧が付与され、左前輪および右前輪に制動力が加
えられる。また、第1弁装置および第3弁装置が作動さ
れると、アキュムレータの高圧ブレーキ液が第3弁装置
と第4弁装置と第5弁装置および第1弁装置を順次通っ
て左前輪ブレーキに流入し、左前輪ブレーキに液圧が付
与され、左前輪に制動力が加えられるものであり、第2
弁装置および第3弁装置が作動されると、アキュムレー
タの高圧ブレーキ液が第3弁装置と第4弁装置と第6弁
装置および第2弁装置を順次通って右前輪ブレーキに流
入し、右前輪ブレーキに液圧が付与され、右前輪に制動
力が加えられるものである。このようにアキュムレータ
の高圧ブレーキ液を左前輪ブレーキおよび/または右前
輪ブレーキに付与する場合、第4弁装置、第5弁装置お
よび第6弁装置を作動させなければ各前輪ブレーキの液
圧は急増圧となるが、第4弁装置と第5弁装置および/
または第6弁装置を作動させたときにはアキュムレータ
の高圧ブレーキ液が第1絞り通路および/または第2絞
り通路を通って左前輪ブレーキおよび/または右前輪ブ
レーキに流入するため、各前輪ブレーキの液圧は緩増圧
となる。第3弁装置が作動されても第1弁装置、第2弁
装置が作動されない場合にはアキュムレータから各前輪
ブレーキに加圧ブレーキ液が流入せず、各前輪ブレーキ
の液圧は増圧されないものである。左前輪ブレーキおよ
び/または右前輪ブレーキの液圧は、第4弁装置を作動
された上で第5弁装置および/または第6弁装置を作
動,作動解除されることにより緩増圧,急減圧される。
【0022】上記のように、請求項2の車両用液圧ブレ
ーキ装置は、ブレーキ操作中の左右各前輪のロック回避
をするため各車輪ブレーキの液圧を個別に増減でき、ブ
レーキ操作をしていないときでも左右各前輪に個別に制
動力を加えることができるものであり、アキュムレータ
から各車輪ブレーキへの加圧ブレーキの流入は2つの弁
装置が作動されたときのみ生じるものであり、弁装置の
誤作動により車両制動作用が突発的に生じる可能性は低
いものである。そして、車輪ブレーキ液圧の制御中の緩
増圧は車輪ブレーキに流入するブレーキ液流量を絞り通
路により少なくすることで得るため、弁装置の作動頻度
は従来装置に比べて少なく、従って騒音や耐久性の点で
有利である。また、弁装置は安価な2ポート2位置の弁
装置や3ポート2位置の弁装置でよく、その数も従来装
置に比べて減少し、従ってコストの点で有利である。
【0023】請求項3の車両用液圧ブレーキ装置におい
ては、請求項2の車両用液圧ブレーキ装置と同様の作用
のほか、ブレーキ操作中の左右各後輪ブレーキの液圧を
個別に増減制御したり、ブレーキ操作をしていないとき
に左右各後輪ブレーキに個別に液圧を付与することがで
きる。つまり、通常時には左後輪ブレーキが第8弁装置
と第7弁装置および第10弁装置を順次介してレギュレ
ータバルブに、また右後輪ブレーキが第9弁装置と第7
弁装置および第10弁装置を順次介してレギュレータバ
ルブにそれぞれ接続されている。従って、運転者がブレ
ーキ操作をした時には、レギュレータバルブがブレーキ
操作力に対応した液圧を出力し、この液圧が第10弁装
置と第7弁装置および第8弁装置を順次介して左後輪ブ
レーキに、また第10弁装置と第7弁装置および第9弁
装置を順次介して右後輪ブレーキにそれぞれ迅速に付与
され、左右各後輪に制動力が加えられる。この制動力
は、運転者のブレーキ操作力の加減により増減される。
【0024】運転者がブレーキ操作をしている状態にお
いて、第7弁装置が作動された時には左右各後輪ブレー
キとレギュレータバルブとの接続が断たれ且つ左後輪ブ
レーキが第8弁装置および第7弁装置を順次介して、ま
た右後輪ブレーキが第9弁装置および第7弁装置を順次
介してそれぞれリザーバに接続されるので、左右各後輪
ブレーキ内の加圧ブレーキ液がリザーバへ流出し各後輪
ブレーキの液圧が急減圧される。第7弁装置の作動下で
第8弁装置が作動されると左後輪ブレーキからリザーバ
へのブレーキ液の流出が阻止され且つレギュレータバル
ブから加圧ブレーキ液が第3絞り通路を通って左後輪ブ
レーキに流入することで左後輪ブレーキの液圧が緩増圧
され、また第7弁装置の作動下で第9弁装置が作動され
ると右後輪ブレーキからリザーバへのブレーキ液の流出
が阻止され且つレギュレータバルブから加圧ブレーキ液
が第4絞り通路を通って右後輪ブレーキに流入すること
で右後輪ブレーキの液圧が緩増圧される。左後輪ブレー
キの液圧は第7弁装置の作動下で第8弁装置が作動およ
び作動解除されることで増圧および減圧され、また左後
輪ブレーキの液圧は第7弁装置の作動下で第9弁装置が
作動および作動解除されることで増圧および減圧される
ものである。
【0025】ブレーキ操作が行われていない場合におい
て、第10弁装置および第3弁装置が作動されると、第
7弁装置と第3絞り通路および第4絞り通路がレギュレ
ータバルブとの接続を断たれ且つアキュムレータに接続
され、アキュムレータの高圧ブレーキ液が第3弁装置、
第7弁装置および第8弁装置を順次通って左後輪ブレー
キに、また第3弁装置、第7弁装置および第9弁装置を
順次通って右後輪ブレーキにそれぞれ流入し、左右各後
輪ブレーキの液圧が急増圧され各後輪に制動力が加えら
れる。第3弁装置が作動されても第10弁装置が作動さ
れない場合は、アキュムレータから各後輪ブレーキに流
入した加圧ブレーキ液はレキュレータバルブへと流出し
てしまい、各後輪ブレーキの液圧は増圧されないもので
ある。第10弁装置および第3弁装置の作動下で第7弁
装置が作動されると、左後輪ブレーキ内の加圧ブレーキ
液が第8弁装置と第7弁装置を順次通ってリザーバへ、
また右後輪ブレーキ内の加圧ブレーキ液が第9弁装置と
第7弁装置を順次通ってリザーバへそれぞれ流出するよ
うになり、これらブレーキ液流量はアキュムレータから
第3弁装置と第3絞り通路を順次通って左後輪ブレーキ
に、また第3弁装置と第4絞り通路を順次通って右後輪
ブレーキにそれぞれ流入するブレーキ液流量よりも多い
ので、左右各後輪ブレーキの液圧が減圧される。第7弁
装置、第10弁装置および第3弁装置の作動下で第8弁
装置が作動されると、左後輪ブレーキからリザーバへの
ブレーキ液流出が阻止され、アキュームレータの高圧ブ
レーキ液が第3弁装置と第3絞り通路を順次通って左後
輪ブレーキに流入することで左後輪ブレーキの液圧が緩
増圧される。また、第7弁装置、第10弁装置および第
3弁装置の作動下で第9弁装置が作動されると、右後輪
ブレーキからリザーバへのブレーキ液流出が阻止され、
アキュムレータの高圧ブレーキ液が第3弁装置と第4絞
り通路を順次通って右後輪ブレーキに流入することで右
後輪ブレーキの液圧が緩増圧される。
【0026】上記のように、請求項3の車両用液圧ブレ
ーキ装置は、ブレーキ操作中の前後左右の各車輪ブレー
キの液圧を個別に増減でき、ブレーキ操作中の前後左右
の各車輪のロック回避するための所謂アンチロック制御
や、車両が旋回走行していときにブレーキ操作が行われ
た場合の車両のスピン回避制御等を行うことができるも
のであり、またブレーキ操作中の前車輪と後車輪間の制
動力配分を理想配分に近似させるために左右各後輪ブレ
ーキの液圧を左右各前車輪ブレーキの液圧よりも低く制
御することができ、更にブレーキ操作をしていないとき
でも左右各前輪と左右各後輪に個別に制動力を加えるこ
とができ、車両発進時の駆動輪の空転回避制御や旋回走
行時の車両スピン回避制御を行うことができるものであ
り、アキュムレータから前後左右の各車輪ブレーキへの
加圧ブレーキの流入は2つの弁装置が作動されたときの
み生じるものであり、弁装置の誤作動により車両制動作
用が突発的に生じる可能性は低いものである。そして、
車輪ブレーキ液圧の制御中の緩増圧は車輪ブレーキに流
入するブレーキ液流量を絞り通路により少なくすること
で得るため、弁装置の作動頻度は従来装置に比べて少な
く、従って騒音や耐久性の点で有利である。また、弁装
置は安価な2ポート2位置の弁装置や3ポート2位置の
弁装置でよく、その数も従来装置に比べて減少し、従っ
てコストの点で有利である。
【0027】請求項3の車両用液圧ブレーキ装置におい
て、請求項4に記載したように、前記第3弁装置の出力
部の加圧ブレーキ液を前記第10弁装置に導く通路には
比例減圧弁または圧力制限弁が介挿されているものとし
た場合には、車両が旋回走行している状態でブレーキ操
作が行われたとき、第10弁装置を作動させてレギュレ
ータバルブの出力部の加圧ブレーキ液を比例減圧弁また
は圧力制限弁を介して左右各後輪ブレーキに付与し、左
右後輪ブレーキの液圧を低圧に抑制することで、車両ス
ピンの抑制効果を高めることができる。そして、車輌旋
回走行している状態でブレーキ操作が行われていないと
き、第3弁装置および第10弁装置を作動させて左右後
輪ブレーキに付与する場合、比例減圧弁または圧力制限
弁によりアキュムレータの液圧を減圧するため、騒音が
抑制される。
【0028】
【実施例】以下、この出願の発明に係る車両用液圧ブレ
ーキ装置の実施例を図に基づいて説明する。
【0029】図1は第1実施例を示すものである。図1
において、マスタシリンダMは、ブレーキ液を貯溜する
リザーバRと接続されており、リザーバRからブレーキ
液の補給を受ける。マスタシリンダMはブレーキペダル
(ブレーキ操作部材)BPと連結されており、ブレーキ
ペダル踏力(ブレーキ操作力)に比例した液圧を出力す
る。液圧ポンプHPは、リザーバRと接続されており、
図示しない電動機により駆動されることによりリザーバ
Rのブレーキ液を逆止弁CV1を介してアキュムレータ
ACCへ圧送する。レギュレータバルブRVは、アキュ
ムレータACCおよびリザーバRと接続されており、マ
スタシリンダMの出力液圧をパイロット圧として付与さ
れて作動してマスタシリンダMの出力液圧に比例したパ
ワー液圧を出力する。
【0030】マスタシリンダMおよびレギュレータバル
ブRVの詳細が図2に示されている。図2において、シ
リンダボデー2内には第1ピストン3が摺動可能に設置
され、第1ピストン3は、プッシュロッド4を介してブ
レーキペダルBPと連結している。第1ピストン3はリ
ターンスプリング6からの付勢力を受けスリーブ7に当
接し、更に、スナップリング7aにて位置決めされてい
る。また、スリーブ7の前部にはストッパー7bが設置
され、スリーブ7が前方に移動することを防いでいる。
第1ピストン3の連通孔3a内には、インレットバルブ
8が嵌挿され、インレットバルブ8はバルブスプリング
8aによって付勢され、第1ピストン3の非作動時に
は、シリンダボデー2に固定され、第1ピストン3に設
けられた貫通孔3bに挿通されたピン9に当接してお
り、この状態ではインレットバルブ8のバルブ部8bと
ピストン3のバルブ面3cとは当接しておらず、インレ
ットバルブ8は開弁している。第1ピストン3は、その
前端においてシールカップ3dが装着され、更に、その
後端においてシールカップ3eが装着されている。ま
た、スリーブ7には、各々内径シール7c、および外径
シール7dが装着されている。これらのシール部材によ
って、第1ピストン3の前方には液圧室10が、又、後
方にはスリーブ7との間で、補助液圧室11が形成され
ている。また、12は防塵用ブーツであり、リテーナ1
3はブーツ12を支持し、プッシュロッド4の径方向へ
の移動を規制する。更に、カップリテーナ14はリター
ンスプリング6を第1ピストン3に係合させ、且つ、シ
ールカップ3dが第1ピストン3から脱落しないように
規制している。
【0031】スリーブ部材15は、その右端においてリ
ターンスプリング6からの付勢力を受けて、シリンダボ
デー2の底部に当接している。スリーブ部材15にはシ
ール部材15aが装着され、第1ピストン3との間で液
圧室10を形成している。スリーブ部材15には第2ピ
ストン16が摺動可能に嵌挿され、スナップリング16
aに係止したピストンスプリング15bによってスリー
ブ部材15に対して右方に付勢されており、ストッパー
15cに当接することで位置決めされている。
【0032】第2ピストン16は、カップシール16b
を備えることによって液圧室10を形成すると共に、液
圧室10に発生する液圧を受けて図において左方に摺動
可能となっている。第2ピストン16には、ピン17に
よってスプールバルブ18と連結しており、スプールバ
ルブ18は第2ピストン16と一体的に移動可能となっ
ている。
【0033】更に、スプールバルブ18の左端にはスプ
リング19を介してピストン戻し部材20が設置され、
ピストン戻し部材20には、規制手段を構成する台形状
の係合部材21が装着されている。係合部材21は、ス
プリング19の付勢力によって例えばゴムによって形成
された、やはり規制手段を構成する弾性部材22と当接
している。23はスリーブ部材15の移動防止部材であ
り、スリーブ部材15に固定されている。更に、移動防
止部材23には、シール部材23aと連通孔23b,2
3cが備えられている。ここで、弾性部材22は移動防
止部材23との間で、レギュレータ圧室24を形成して
おり、このレギュレータ圧室24の液圧がレギュレータ
バルブから出力されるパワー液圧となる。
【0034】スリーブ部材15は、シール部材15a以
外に、図において右方からシール部材15d,15e,
15fを備えている。シール部材15dと15eの間に
は、図1に示される左後輪(駆動輪)ブレーキRWBL
および右後輪(駆動輪)ブレーキRWBRへとつながる
アウトレットポート15gが、また、シール部材15e
と15fの間には、アキュムレータACCに蓄積された
高圧ブレーキ液が導入されるインレットポート15hが
形成されている。スリーブ部材15に設けられたアウト
レットポート15g、インレットポート15hは、各々
シリンダボデー2に設置されたポート2a,2bに連結
している。また、シリンダボデー2には、更にポート2
cが設置され、このポートは図1に示される左前輪(非
駆動輪)ブレーキFWBLおよび右前輪(非駆動輪)ブ
レーキFWBRへとつながる。また、シリンダボデー2
には2つのインレットポート2d,2eが設置され、双
方共リザーバRへと連通している。
【0035】スプールバルブ18にはその外周部に、第
1スリット18aと第2スリット18bとが形成され、
又、スリーブ部材15にもスリット15iが形成されて
いる。また、シリンダボデー2に設置されたポート2a
は、レギュレータ圧室24へ連通するポート2fと連通
し、更に連通孔2gを介して補助液圧室11へと連通し
ている。
【0036】マスタシリンダMおよびレギュレータバル
ブRVの作動について説明する。ブレーキペダルBPが
踏み込まれるとプッシュロッド4を介して第1ピストン
3が、図において左方にストロークするため、インレッ
トバルブ8がピン9から離れ、バルブスプリング8aに
付勢されバルブ部8bと、第1ピストン3のバルブ面3
cとが当接することによって液圧室10をリザーバRか
ら遮断する。その後、第1ピストン3のストロークが更
に増えるに従って、液圧室10の容積が減少し、液圧室
10にブレーキペダル踏力を液圧室10の断面積で除し
た値の液圧PMが発生する。この時、第2ピストン16
は、液圧室10に発生した液圧PM を受けるため、図2
において、第2ピストン16の断面積をSA とするとP
A ×SAの力が、図において左方に働き、第2ピストン
16は左方に移動する。スプールバルブ18は、ピン1
7にて第2ピストン16に係合しているため、第2ピス
トン16と共に左方に移動し、スプリング19を圧縮し
てピストン戻し部材20と当接する。スプールバルブ1
8の移動によって、スプールバルブ18に設けられた第
1スリット18aが、スリーブ部材15に設置されたイ
ンレットポート15hと連通し、インレットポート15
hとスリーブ部材15に設置されたスリット15iとを
連通させる。また、スプールバルブ18に設置された第
2スリット18bはスリット15iと連通して、スリッ
ト15iとアウトレットポート15gとを連通させるた
め、結局、スプールバルブ18の図の左方への移動によ
って、スリーブ部材15に設置されたインレットポート
15hはアウトレットポート15gと連通する。従っ
て、シリンダボデー2に備えられたインレットポート2
bは、インレットポート15h→第1スリット18a→
スリット15i→第2スリット18b→アウトレットポ
ート15gを経由して、同じくシリンダボデー2に設置
されたポート2aと連通するため、アキュムレータAC
Cに蓄えられていた液圧は、ポート2aから、ポート2
fを介して徐々にレギュレータ圧室24へ導入される。
ここで、レギュレータ圧室24へ導入された液圧は、弾
性部材22を図において右方に付勢して、係合部材2
1、ピストン戻し部材20を介して、スプールバルブ1
8を図において右方に押し返し、スプールバルブ18の
両端に働く力がつりあったところで平衡に達して、レギ
ュレータ圧が決定される。この時、弾性部材22が係合
部材21と当接している部位の面積を、SV とすると、
液圧室10に発生した液圧PM と、アキュムレータAC
Cからスプールバルブ18を経てレギュレータ圧となっ
てレギュレータ圧室24に導入される液圧PR との間に
は、リタンスプリングの荷重等による損失を無視すれば
PM ×SA =PR ×SVという関係があるため、レギュ
レータ圧室24に導入される液圧:レギュレータ圧は PR =PM ×SA /SV となり、液圧室10に発生する液圧PM に対して、第2
ピストン16の断面積SA の、弾性部材22が係合部材
21に当接している部位の面積に対する比を乗じたもの
となる。ここで、レギュレータ圧室24の液圧が比較的
低圧である場合は、弾性部材22が係合部材21に向け
て付勢される力がさほど大きくないため、弾性部材22
が係合部材21と当接している部位の面積SV も小さ
く、レギュレータ圧室24の液圧が上昇するにつれて面
積SV も増大し、最大時として図1におけるSB まで増
大する。従って、液圧室10に発生する圧力PM とレギ
ュレータ圧PR との特性は、図3におけるXに示すよう
なゆるやかな曲線を描く。この曲線で描かれる特性は、
弾性部材22の硬度、或いは係合部材21の弾性部材2
2と当接する部位の形状を変更することによって、図3
に示したように、その特性を任意に設定できる。
【0037】その後、液圧室10に発生する圧力PM の
上昇に伴って、レギュレータ圧PRが上昇し、最終的に
図3のY部に示す如く、 PR =PM ×SA /SB となり、SA ,SB は不変の値であるため、これ以降は
レギュレータ圧PR は液圧室10の液圧PM の上昇に伴
って、直線的に上昇する。つまり、液圧室10に発生す
る液圧PM に対する、レギュレータ圧PR の設定(図3
において、Y部の直線の傾きで表される)は、第2ピス
トン16の断面積SA と規制手段の一部である係合部材
21の断面積SB を変えることによって自由に設定で
き、ブレーキの効きを任意に設定できる。
【0038】スプールバルブ18によってアキュムレー
タ圧が調圧されてレギュレータ圧室24に発生したレギ
ュレータ圧PR は、連通孔2gを経由して補助液圧室1
1に伝達され、第1ピストン3に働く入力の助勢力とし
て供されるのと同時に、後輪ブレーキRWBL,RWB
Rに付与される。尚、液圧室10に発生した液圧PM
は、前輪ブレーキFWBL,FWBRに付与される。
【0039】マスタシリンダMの液圧室10の液圧は、
図1により示されるように、通常は、3ポート2位置の
電磁操作式の第1弁装置V1を介して左前輪ブレーキF
WBLに、また3ポート2位置の電磁操作式の第2弁装
置V2を介して右前輪ブレーキFWBRにそれぞれ付与
される。第1弁装置V1は通常は左前輪ブレーキFWB
Lを左前輪ブレーキ液圧制御用通路PFLから遮断して
マスタシリンダMに接続しているが、作動時には左前輪
ブレーキFWBLををマスタシリンダMから遮断して右
前輪ブレーキ液圧制御用通路PFRに接続する。第2弁
装置V1は通常は右前輪ブレーキFWBRを右前輪ブレ
ーキ液圧制御用通路PFRから遮断してマスタシリンダ
Mに接続しているが、作動時には右前輪ブレーキFWB
RをマスタシリンダMから遮断して右前輪ブレーキ液圧
制御用通路PFRに接続する。
【0040】ブレーキ操作が行われており且つ第1弁装
置V1および/または第2弁装置V2が作動されている
下において、レギュレータバルブRVの出力部の加圧ブ
レーキ液を前輪ブレーキFWBL,FWBRに速やかに
流入させるため、左前輪ブレーキ液圧制御用通路PFL
が2ポート2位置の電磁操作式の常開型の第5弁装置V
5と3ポート2位置の電磁操作式の第4弁装置V4およ
び3ポート2位置の電磁操作式の第3弁装置V3を順次
介してレギュレータバルブRVの出力部に、また右前輪
ブレーキ液圧制御用通路PFRが2ポート2位置の電磁
操作式の常開型の第6弁装置V6と第4弁装置V4およ
び第3弁装置V3を順次介してレギュレータバルブRV
の出力部にそれぞれ接続されている。第3弁装置V3
は、左前輪ブレーキ液圧制御用通路PFLおよび右前輪
ブレーキ液圧制御用通路PFRへの加圧ブレーキ液供給
源としてレギュレータバルブRVとアキュムレータAC
Cの何れか1つを選択するためのものであり、通常は加
圧ブレーキ液供給源としてレギュレータバルブRVを選
択している。第4弁装置V4は、左前輪ブレーキ液圧制
御用通路PFLおよび右前輪ブレーキ液圧制御用通路P
FRと第3弁装置V3の出力部との接続を断ち且つ左前
輪ブレーキ液圧制御用通路PFLおよび右前輪ブレーキ
液圧制御用通路PFRをリザーバRに接続するためのも
のであり、通常は左前輪ブレーキ液圧制御用通路PFL
および右前輪ブレーキ液圧制御用通路PFRと第3弁装
置V3の出力部とを接続する。第5弁装置V5および第
6弁装置V6は左前輪ブレーキ液圧制御用通路PFLお
よび右前輪ブレーキ液圧制御用通路PFRと第4弁装置
V4との接続を選択的に断つためのものである。
【0041】ブレーキ操作が行われており且つ第1弁装
置V1と第4弁装置V4および第5弁装置V5が作動さ
れている下において、レギュレータバルブRVの出力部
の加圧ブレーキ液を左前輪ブレーキFWBLに緩やかに
流入させるため、第3弁装置V3の出力部と左前輪ブレ
ーキ液圧制御用通路PFLとが第1絞り通路O1を介し
て接続されており、またブレーキ操作が行われており且
つ第1弁装置V1と第4弁装置V4および第6弁装置V
6が作動されている下において、レギュレータバルブR
Vの出力部の加圧ブレーキ液を右前輪ブレーキFWBR
に緩やかに流入させるため、第3弁装置V3の出力部と
右前輪ブレーキ液圧制御用通路PFRとが第2絞り通路
O2を介して接続されている。
【0042】第1弁装置V1および第2弁装置V2作動
されている状況下でブレーキペダルが釈放された時に前
輪ブレーキFWBL,FWBRの液圧をレギュレータバ
ルブRVの出力液圧の低下に迅速に追従させるため、絞
り通路O1,O2と並列に逆止弁CV2,CV3が配設
されている。
【0043】レギュレータバルブRVの出力液圧は、図
1により示されるように、通常は、3ポート2位置の電
磁操作式の第10弁装置V10と3ポート2位置の電磁
操作式の第7弁装置V7および2ポート2位置の電磁操
作式の常開型の第8弁装置V8を順次介して左後輪ブレ
ーキRWBLに付与され、同時に第10弁装置と第7弁
装置V7および2ポート2位置の電磁操作式の常開型の
第9弁装置V9を順次介して右後輪ブレーキRWBRに
付与される。第7弁装置V7は、後輪ブレーキRWB
L,RWBRとレギュレータバルブRVとの接続を断ち
且つ後輪ブレーキRWBL,RWBRとリザーバRとを
接続するためのものである。第8弁装置V8,第9弁装
置V9は後輪ブレーキRWBL,RWBRと第7弁装置
V7との接続を断つためのものである。
【0044】ブレーキ操作が行われており且つ第7弁装
置V7と第8弁装置V8が作動されている下において、
レギュレータバルブRVの出力部の加圧ブレーキ液を左
後輪ブレーキRWBLに緩やかに流入させるため左後輪
ブレーキRWBLと第10部装置の出力部とが第3絞り
通路O3を介して接続され、またブレーキ操作が行われ
ており且つ第7弁装置V7と第9弁装置V9が作動され
ている下において、レギュレータバルブRVの出力部の
加圧ブレーキ液を右後輪ブレーキRWBRに緩やかに流
入させるため右後輪ブレーキRWBRと第10部装置の
出力部とが第4絞り通路O4を介して接続されている。
【0045】第10弁装置V10は、その作動により第
7弁装置V7と絞り通路O3,O4をレギュレータバル
ブRVの出力部から遮断して比例減圧弁(または液圧制
限弁)V11を介して第3弁装置V3の出力部に接続す
る。比例減圧弁V11は、レギュレータバルブRVの出
力部の加圧ブレーキ液が第3弁装置V3と第10弁装置
V10を経由して左右後車輪ブレーキRWBL,RWB
Rに供給される際、その出口側液圧(第10弁装置V1
0側液圧)が所定液圧に上昇するまでは出口側液圧を入
口側液圧(第3弁装置V3側液圧)に一致させるが、出
口側液圧が更に上昇する過程では出口側液圧の上昇率を
入口側液圧の上昇率に対して所定比率で小さく調節する
ものであり、一般にプロポーショニングバルブとして知
られているものである。また、液圧制限弁は、その出口
側液圧が所定液圧に上昇するまでは出口側液圧を入口側
液圧に一致させるが、入口側液圧が更に上昇しても出口
側液圧を上昇させないものであり、一般にリミッティン
グバルブとして知られている。
【0046】ブレーキ操作が行われており且つ弁装置V
7または弁装置V8,V9が作動されている状況下でブ
レーキ操作が解除された時に後輪ブレーキRWBL,R
WBRの液圧がレギュレータバルブRVの出力液圧の低
下に迅速に追従してするようにするため、O3,O4と
並列に逆止弁CV4,CV5が配設されている。
【0047】弁装置V1〜V10の作動は図示しない電
子制御装置により制御されるものである。この電子制御
装置は、ブレーキペダルBPに連動するブレーキスイッ
チ、左右各前輪および左右各後輪にそれぞれ配設された
回転速度センサ、前輪舵角センサ、前後加速度センサ、
横加速度センサ、ヨーレートセンサなどからの信号を処
理し、ブレーキペダルが踏み込まれている状態(ブレー
キ操作が行われている状態)において左右各後輪の挙動
に応じて弁装置V7,V8,V9を作動させて後輪ブレ
ーキRWBL,RWBRの液圧をレギュレータバルブR
Vの出力液圧よりも低く調節して前後輪間の制動力配分
を理想配分曲線に近似させ、またブレーキペダルが踏み
込まれている状態において左右各前輪の挙動に応じて弁
装置V1,V2,V4,V5,V6を作動させて前輪ブ
レーキFWBL,FWBRの液圧を増減することによっ
て左右各前輪のロックを回避するとともに左右各後輪の
挙動に応じて弁装置V7,V8,V9を作動させて後輪
ブレーキRWBL,RWBRの液圧を調節することによ
って左右各後輪のロックを回避し、更に所定値以上の横
加速度が車両に働いている状態、つまり旋回走行中にブ
レーキペダルが踏み込まれたときには弁装置V3,V1
0を作動させてレギュレータバルブRVの出力部の加圧
ブレーキ液を比例減圧弁(または圧力制限弁)V11を
通して後輪ブレーキRWBL,RWBRに供給すること
で車両のオーバーステア特性による車両スピンの発生を
回避する。そして、ブレーキペダルBPが踏み込まれて
いない状態(ブレーキ操作が行われていない状態)、例
えば車両発進時において、回転速度センサからの信号を
処理し、左右各後輪の挙動に応じて弁装置V3,V10
と弁装置V7,V8,V9を作動させて後輪ブレーキR
WBL,RWBRに液圧を付与するとともにそれを調節
して左右各後輪の空転を回避し、或いはブレーキ操作が
行われていない車両旋回時において、前輪舵角センサ、
横加速度センサからの信号を処理し、弁装置V1〜V6
を作動させて前輪ブレーキFWBL,FWBRに液圧を
付与するとともにそれを調節して車両のオーバーステア
特性によるハンドルの切れ過ぎを回避する。
【0048】ブレーキ操作中における全車輪のロック回
避制御のための弁装置の作動とそれによる車輪ブレーキ
FWBL,FWBR,RWBL,RWBRの液圧の変化
を図4に、また車両発進時における後輪の空転回避のた
めの弁装置の作動とそれによる後輪ブレーキRWBL,
RWBRの液圧の変化を図5に、更に車両が左旋回中の
車両のオーバーステア特性によるハンドルの切れ過ぎ回
避のための弁装置の作動とそれによる車輪ブレーキFW
BL,FWBR,RWBL,RWBRの液圧の変化を図
6にそれぞれ例示する。図4〜6中の時刻T1 はブレー
キ操作の開始時刻を、T2 は制御開始時刻を、T3 は制
御終了時刻を、T4 はブレーキ操作の終了時刻をそれぞ
れ示す。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この出
願の発明にかかる車両用液圧ブレーキ装置は、車輪ブレ
ーキ液圧の制御中の緩増圧は車輪ブレーキに流入するブ
レーキ液流量を絞り通路により少なくすることで得るた
め、弁装置の作動頻度は従来装置に比べて少なく、従っ
て騒音や耐久性の点で有利である。また、弁装置は安価
な2ポート2位置の弁装置や3ポート2位置の弁装置で
よく、その数も従来装置に比べて減少し、従ってコスト
の点で有利である。
【0050】また、この出願の発明にかかる車両用液圧
ブレーキ装置は、ブレーキ操作中の左右各前輪またはそ
れと左右各後輪のロック回避をするため各車輪ブレーキ
の液圧を個別に増減でき、ブレーキ操作をしていないと
きでも左右各前輪またはそれと左右各後輪に個別に制動
力を加えることができ、各車輪ブレーキの液圧を増減し
ているときに発する騒音が従来装置よりも少なく、コス
トの点も有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の第1実施例の構成を示す液圧
回路図である。
【図2】図1中のマスタシリンダMおよびレギュレータ
バルブRVの詳細構成を示す縦断面図である。
【図3】図2のマスタシリンダMおよびレギュレータバ
ルブRVの出力特性を示す線図である。
【図4】図1の実施例のブレーキ操作中のロック回避制
御時における弁装置と車輪ブレーキの液圧との関係を示
す線図である。
【図5】図1の実施例の車両発進時の後輪の空転回避制
御時における弁装置と車輪ブレーキの液圧との関係を示
す線図である。
【図6】図1の実施例の車両の左旋回中の車両のオーバ
ーステア特性によるハンドルの切り過ぎを回避する車両
スピン回避制御時における弁装置と車輪ブレーキの液圧
との関係を示す線図である。
【符号の説明】
R・・・リザーバ M・・・マスタシリンダ BP・・・ブレーキペダル(ブレーキ操作部材) HP・・・液圧ポンプ ACC・・・アキュムレータ RV・・・パワー液圧を出力するレギュレータバルブ V1・・・第1弁装置 V2・・・第2弁装置 V3・・・第3弁装置 V4・・・第4弁装置 V5・・・第5弁装置 V6・・・第6弁装置 V7・・・第7弁装置 V8・・・第8弁装置 V9・・・第9弁装置 V10・・・第10弁装置 O1・・・第1絞り通路 O2・・・第2絞り通路 O3・・・第3絞り通路 O4・・・第4絞り通路 CV1,CV2,CV3,CV4,CV5・・・逆止弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ液を貯溜するリザーバと、この
    リザーバ内のブレーキ液をアキュムレータに圧送する動
    力駆動のポンプと、このアキュムレータ内に蓄積されて
    いる高液圧のブレーキ液を運転者のブレーキ操作力に対
    応した液圧に減圧して出力するレギュレータバルブと、
    運転者のブレーキ操作力に対応した液圧を出力するマス
    タシリンダと、このマスタシリンダの出力液圧により作
    動して車輪に作用する車輪ブレーキと、電子制御装置か
    らの指令に応答して前記各前輪ブレーキに液圧を給排お
    よび増減制御するためのアクチュエータとを備えた車両
    用液圧ブレーキ装置であって、 前記アクチュエータは、前記車輪ブレーキと前記マスタ
    シリンダとの接続を断ち且つ前記車輪ブレーキと車輪ブ
    レーキ液圧制御用通路とを接続する切替弁装置と、前記
    車輪ブレーキ液圧制御用通路と前記レギュレータバルブ
    の出力部との接続を断ち且つ前記車輪ブレーキ液圧制御
    用通路を前記リザーバに接続するための切替弁装置と、
    この切替弁装置と前記車輪ブレーキとの接続を断つため
    の遮断弁装置と、前記レギュレータバルブの出力部の加
    圧ブレーキ液を前記量切替弁装置の後者および前記遮断
    弁装置を通さずに前記車輪ブレーキ液圧制御通路に導入
    するとともにこのブレーキ液流量を前記遮断弁装置およ
    び前記後者の前記切替弁装置を順次通って前記リザーバ
    へ流出するブレーキ液流量よりも少ない所望値に設定す
    るための絞り通路とを備えたものである車両用液圧ブレ
    ーキ装置。
  2. 【請求項2】 ブレーキ液を貯溜するリザーバと、この
    リザーバ内のブレーキ液をアキュムレータに圧送する動
    力駆動のポンプと、このアキュムレータ内に蓄積されて
    いる高液圧のブレーキ液を運転者のブレーキ操作力に対
    応した液圧に減圧して出力するレギュレータバルブと、
    運転者のブレーキ操作力に対応した液圧を出力するマス
    タシリンダと、このマスタシリンダの出力液圧により作
    動して非駆動輪であり且つ操舵輪である左前輪および右
    前輪にそれぞれ作用する左前輪ブレーキおよび右前輪ブ
    レーキと、電子制御装置からの指令に応答して前記各前
    輪ブレーキに液圧を給排および増減制御するためのアク
    チュエータとを備えた車両用液圧ブレーキ装置であっ
    て、 前記アクチュエータは、前記左前輪ブレーキと前記マス
    タシリンダとの接続を断ち且つ前記左前輪ブレーキと左
    前輪ブレーキ液圧制御用通路とを接続する第1弁装置
    と、前記右前輪ブレーキと前記マスタシリンダとの接続
    を断ち且つ前記右前輪ブレーキと右前輪ブレーキ液圧制
    御用通路とを接続する第2弁装置と、前記左前輪ブレー
    キ液圧制御用通路および前記右前輪ブレーキ液圧制御用
    通路への加圧ブレーキ液の供給源として前記レギュレー
    タバルブと前記アキュムレータのいずれか1つを選択す
    るための第3弁装置と、前記左前輪ブレーキ液圧制御用
    通路および前記右前輪ブレーキ液圧制御用通路と前記第
    3弁装置の出力部との接続を断ち且つ前記左前輪ブレー
    キ液圧制御用通路および前記右前輪ブレーキ液圧制御用
    通路を前記リザーバに接続するための第4弁装置と、こ
    の第4弁装置と前記左前輪ブレーキとの接続を断つため
    の第5弁装置と、前記第4弁装置と前記右前輪ブレーキ
    との接続を断つための第6弁装置と、前記第3弁装置の
    出力部の加圧ブレーキ液を前記第4弁装置および前記第
    5弁装置を通さずに前記左前輪ブレーキ液圧制御通路に
    導入するとともにこのブレーキ液流量を前記第5弁装置
    および前記第4弁装置を順次通って前記リザーバへ流出
    するブレーキ液流量よりも少ない所望値に設定するため
    の第1絞り通路と、前記第3弁装置の出力部の加圧ブレ
    ーキ液を前記第4弁装置および前記第6弁装置を通さず
    に前記右前輪ブレーキ液圧制御通路に導入するとともに
    このブレーキ液流量を前記第6弁装置および前記第4弁
    装置を順次通って前記リザーバへ流出するブレーキ液流
    量よりも少ない所望値に設定するための第2絞り通路と
    を備えたものである車両用液圧ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の車両用液圧ブレーキ装
    置であって、 前記レギュレータバルブの出力液圧により作動して駆動
    輪である左後車輪および右後車輪にそれぞれ作用する左
    後輪ブレーキおよび右後輪ブレーキを備えており、 前記アクチュエータは、前記左後輪ブレーキおよび前記
    右後輪ブレーキと前記レギュレータバルブの出力部との
    接続を断ち且つ前記左後輪ブレーキおよび前記右後輪ブ
    レーキを前記リザーバに接続するための第7弁装置と、
    この第7弁装置と前記左後輪ブレーキとの接続を断つた
    めの第8弁装置と、前記第7弁装置と前記右後輪ブレー
    キとの接続を断つための第9弁装置と、前記レギュレー
    タバルブの出力部の加圧ブレーキ液を前記前記第7弁装
    置および前記第8弁装置を通さずに前記左後輪ブレーキ
    に導入するとともにこのブレーキ液流量を前記第8弁装
    置および前記第7弁装置を順次通って前記リザーバへ流
    出するブレーキ液流量よりも少ない所望値に設定するた
    めの第3絞り通路と、前記レギュレータバルブの出力部
    の加圧ブレーキ液を前記第7弁装置および前記第9弁装
    置を通さずに前記右後輪ブレーキに導入するとともにこ
    のブレーキ液流量を前記第9弁装置および前記第7弁装
    置を順次通って前記リザーバへ流出するブレーキ液流量
    よりも少ない所望値に設定するための第4絞り通路と、
    前記第7弁装置と前記第3絞り通路および前記第4絞り
    通路を前記レギュレータバルブの出力部から遮断し且つ
    前記第3弁装置の出力部に接続するための第10弁装置
    を備えたものである車両用液圧ブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の車両用液圧ブレーキ装
    置であって、 前記第3弁装置の出力部の加圧ブレーキ液を前記第10
    弁装置に導く通路には比例減圧弁または圧力制限弁が介
    挿されているものである車両用液圧ブレーキ装置。
JP12534195A 1994-06-15 1995-05-24 車両用液圧ブレーキ装置 Pending JPH0858549A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106740784A (zh) * 2016-11-16 2017-05-31 江苏大学 一种用于车辆巡航控制的电液制动系统及其控制方法
CN114436164A (zh) * 2021-11-24 2022-05-06 广西电网有限责任公司北海供电局 一种电动抢修塔顶升调平装置及方法

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CN114436164B (zh) * 2021-11-24 2023-09-08 广西电网有限责任公司北海供电局 一种电动抢修塔顶升调平装置及方法

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