JPH0857660A - プロジェクションナット溶接機用ガイドピン - Google Patents

プロジェクションナット溶接機用ガイドピン

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JPH0857660A
JPH0857660A JP30998394A JP30998394A JPH0857660A JP H0857660 A JPH0857660 A JP H0857660A JP 30998394 A JP30998394 A JP 30998394A JP 30998394 A JP30998394 A JP 30998394A JP H0857660 A JPH0857660 A JP H0857660A
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JP
Japan
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guide pin
nut
projection nut
insulating sleeve
projection
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Application number
JP30998394A
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English (en)
Inventor
Mitsuaki Sugata
充陽 菅田
Yoshihisa Murase
義久 村瀬
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ONDO KOSAKUSHO KK
Original Assignee
ONDO KOSAKUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガイドピンに要求される機能別に、適正な材
料の複数部品で構成されたプロジェクションナット溶接
機用ガイドピンを提供する。 【構成】 プロジェクションナット溶接機用ガイドピン
60は、鋼製で焼入れ処理されたガイドピン本体61
と、ステンレス鋼製で、特殊表面処理にて耐摩耗性と絶
縁性に優れる被膜を形成した絶縁スリーブ61と、耐摩
耗性とシール性に優れる受圧部材63とで構成され、特
に、上部電極11と下部電極21間に溶接電流を通電す
る直前の状態において、プロジェクションナット40を
ガイドピン本体61のナット受け止め部61aで位置決
し、プロジェクションナット60が溶接されるワークを
絶縁スリーブ62で位置決めするように構成されてい
る。尚、受圧部材63は必須ではない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロジェクションナッ
ト溶接機用ガイドピンに関し、耐摩耗性、絶縁性等を改
善したものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、種々のワークにプロジェクション
ナットを高速で溶接するプロジェクションナット溶接機
には、エアシリンダにより昇降可能な上部電極と、この
上部電極に下方から対向する下部電極とが設けられてお
り、下部電極のガイドピンをワークの穴から突出させ、
このガイドピンにナットを外嵌状に供給した状態で、上
部電極を所定小スローク下降させて、上部電極からプロ
ジェクションナットとワークと下部電極とを介して溶接
電流を通電し、プロジェクションナットをワークに溶接
するように構成されている。通常、図7に示すように、
下部電極ユニット120には、下部電極本体121と、
その下端部に外嵌されたホルダー124と、下部電極本
体121の軸孔121aに摺動自在に装着されたガイド
ピン130等が設けられている。
【0003】前記ガイドピン130は、ナット受け止め
部130aと、軸状部130bと、受圧部130cとを
一体形成してなり、このガイドピン130は、下部電極
本体121の軸孔121aに上下摺動自在に装着され、
下部電極本体121で案内されている。前記ナット受け
止め部130aは、プロジェクションナット128を外
嵌する為に、ほぼテーパ状に形成され、また、軸状部1
30bは、ナット受け止め部130aの下端から一体に
延びる大径状に形成され、また、受圧部130cは、軸
状部130bから次第に大径状になる円錐台状に形成さ
れている。この受圧部130cは、エア作動室127上
部に摺動自在に内嵌され、受圧部130cの外周面は、
ガイドピン130が上方へ突出した状態において、下部
電極本体121の内面に当接するように形成されてい
る。
【0004】図9に示す通電状態において、正規の溶接
電流は、上部電極本体111、プロジェクションナット
128、ワーク129、下部電極本体121の順に流れ
るが、ガイドピン130と下部電極本体121間の絶縁
が不十分である場合には、溶接電流は、上部電極本体1
11、プロジェクションナット128、ガイドピン13
0、下部電極本体121の順にも流れ、正規の溶接電流
以外の分流が発生する。そのため、ガイドピン130の
少なくとも外周部は、絶縁性に優れる構造にする必要が
ある。更に、ガイドピン130は、繰り返し昇降してワ
ークの孔に嵌合されるため、図8に示すように、ガイド
ピン130の軸状部130bの斜線部がワークとの摺動
により摩耗するので、ガイドピンは、耐摩耗性に優れる
材料で構成する必要がある。
【0005】そこで、従来より、前記ガイドピン130
として、(1)クロムとアルミニウムを添加したフェラ
イト系ステンレス鋼製のガイドピンの表面に、特殊な表
面処理によりアルミナ被膜を形成したガイドピン、
(2)ステンレス製のガイドピン、(3)セラミック製
のガイドピン、等種々の構造のものが実用化されてい
る。また、実開平2−87566公報の溶接用ガイドピ
ンでは、複数材料で構成されたガイドピンが記載されて
いる。このガイドピンは、ステンレス製のガイド部と、
ガイド部とホルダーとを絶縁するベークライト製の絶縁
部とで構成され、ガイド部は、その中央部に大径状の鍔
部を有し、鍔部から下端部分を絶縁部に内嵌して固定さ
れている。溶接用のナットは、ガイド部の先端部分と鍔
部とで位置決めされ、溶接ナットが溶接されるワーク
は、鍔部によって位置決めされるように構成されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記(1)の
特殊表面処理したガイドピンは、絶縁性・耐摩耗性に優
れているが、耐衝撃性に劣るため、ナット受け止め部が
衝撃により、折損しやすく、耐久性に欠ける。前記
(2)ステンレス製のガイドピンは、耐摩耗性・耐衝撃
性に優れているが、絶縁性に劣るため、分流が生じやす
く、正規の溶接電流が、十分に流れず、作業能率が低下
する。前記(3)セラミック製のガイドピンは、耐摩耗
性と絶縁性に非常に優れているが、耐衝撃性に劣り、ナ
ット受け止め部が折損しやすく、耐久性に欠ける。結局
のところ、従来のガイドピンは、1種類の材料で構成さ
れているため、耐摩耗性、絶縁性、耐衝撃性の3要件を
具備させることは到底困難であった。
【0007】また、前記公報の溶接ナット用ガイドピン
においては、ステンレス製のガイド部は耐摩耗性に優
れ、ベークライト製の絶縁部は絶縁性に優れているが、
耐摩耗性に欠けるため、上部電極と下部電極間に溶接電
流を通電する直前の状態においても、ワークを位置決め
するガイド部の鍔部が、ワークに接触しているため、ガ
イド部の鍔部からワークへ流れる溶接電流の分流によ
り、鍔部が電食し、ガイド部の耐久性が低下する問題が
生じる。本発明の目的は、ガイドピンに要求される機能
別に、適正な材料の複数部品で構成されたプロジェクシ
ョンナット溶接機用ガイドピンを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1のプロジェクシ
ョンナット溶接機用ガイドピンは、上部電極と、この上
部電極に下方から対向する下部電極と、この下部電極の
中心部に昇降可能に装着されたガイドピンとを備えたプ
ロジェクションナット溶接機において、前記ガイドピン
は、上端側部分にほぼテーパー状に形成されたナット受
け止め部と、このナット受け止め部の下端から一体的に
延びる軸状部とを備えた鋼製のガイドピン本体と、前記
軸状部に外嵌される絶縁スリーブであって、少なくとも
外周面の表面部を耐摩耗性に優れる絶縁材料で構成して
なる絶縁スリーブとを備えたものである。請求項2のプ
ロジェクションナット溶接機用ガイドピンは、請求項1
の発明において、前記ガイドピン本体は、焼入れ処理さ
れたものである。
【0009】請求項3のプロジェクションナット溶接機
用ガイドピンは、上部電極と、この上部電極に下方から
対向する下部電極と、この下部電極の中心部に昇降可能
に装着されたガイドピンとを備えたプロジェクションナ
ット溶接機において、前記ガイドピンは、上端側部分に
ほぼテーパー状に形成されたナット受け止め部と、この
ナット受け止め部の下端から一体的に延びる軸状部とを
備えた鋼製のガイドピン本体と、前記軸状部に外嵌され
る絶縁スリーブであって、少なくとも外周面の表面部を
耐摩耗性に優れる絶縁材料で構成してなる絶縁スリーブ
とを備え、前記上部電極と下部電極間に溶接電流を通電
する直前の状態において、プロジェクションナットをガ
イドピン本体で位置決めし、プロジェクションナットが
溶接されるワークを絶縁スリーブで位置決めするように
構成したものである。
【0010】請求項4のプロジェクションナット溶接機
用ガイドピンは、請求項3の発明において、前記ナット
受け止め部の下端部の外径は、軸状部の外径よりも大径
で、且つ、絶縁スリーブの外径以下に形成されたもので
ある。請求項5のプロジェクションナット溶接機用ガイ
ドピンは、請求項3又は請求項4の発明において、前記
ガイドピン本体は、焼入れ処理されたものである。
【0011】
【発明の作用及び効果】請求項1のプロジェクションナ
ット溶接機用ガイドピンにおいては、このガイドピン
は、ナット受け止め部と軸状部を有する鋼製のガイドピ
ン本体と、少なくとも外周面の表面部を耐摩耗性に優れ
る絶縁材料で構成してなる絶縁スリーブとを備えてい
る。ガイドピン本体のナット受け止め部は、上端側部分
をほぼテーパー状に形成され、ガイドピン本体の軸状部
は、ナット受け止め部の下端から一体的に延びて形成さ
れ、この軸状部に絶縁スリーブが外嵌されている。
【0012】このように、ガイドピン本体を鋼製とした
ので、ナット受け止め部の耐衝撃性を確保できる。ま
た、ワーク及び下部電極に繰り返し摺接する絶縁スリー
ブの少なくとも外周面の表面部を耐摩耗性に優れる絶縁
材料で構成してあるため、耐摩耗性に優れるうえ、分流
が生じることがない。
【0013】請求項2のプロジェクションナット溶接機
用ガイドピンにおいては、ガイドピンのガイドピン本体
が焼き入れ処理されているので、ナット受け止め部の耐
衝撃性・耐摩耗性を一層高めることができる。
【0014】請求項3のプロジェクションナット溶接機
用ガイドピンにおいては、ガイドピンは、ナット受け止
め部と軸状部を有する鋼製のガイドピン本体と、少なく
とも外周面の表面部を耐摩耗性に優れる絶縁材料で構成
してなる絶縁スリーブとを備え、ガイドピン本体のナッ
ト受け止め部は、上端側部分をほぼテーパー状に形成さ
れ、ガイドピン本体の軸状部は、ナット受け止め部の下
端から一体的に延びて形成され、この軸状部に絶縁スリ
ーブが外嵌され、上部電極と下部電極間に溶接電流を通
電する直前の状態において、プロジェクションナットを
ガイドピン本体で位置決し、プロジェクションナットが
溶接されるワークを絶縁スリーブで位置決めするように
構成されている。
【0015】このように、ガイドピン本体を鋼製とした
ので、ナット受け止め部の耐衝撃性を確保できる。ま
た、ワーク及び下部電極に繰り返し摺接する絶縁スリー
ブの少なくとも外周面の表面部を耐摩耗性に優れる絶縁
材料で構成してあるため、耐摩耗性に優れる。また、上
部電極と下部電極間に溶接電流を通電する直前の状態に
おいて、プロジェクションナットはガイドピン本体で位
置決され、プロジェクションナットが溶接されるワーク
は絶縁スリーブで位置決めされるので、ガイドピン本体
からワークへ流れる溶接電流の分流を防止できる。つま
り、ガイドピン本体の分流による電食を防止できるの
で、ガイドピン本体の耐久性を向上することができる。
【0016】請求項4のプロジェクションナット溶接機
用ガイドピンにおいては、ナット受け止め部の下端部の
外径が、軸状部の外径よりも大径で、且つ、絶縁スリー
ブの外径以下に形成されている。つまり、上部電極と下
部電極間に溶接電流を通電する直前の状態において、プ
ロジェクションナットが溶接されるワークは絶縁スリー
ブで位置決めされ、ナット受け止め部の下端部が、絶縁
スリーブの外径以下に形成されているので、ナット受け
止め部が、ワークに接触することがない。つまり、ナッ
ト受け止め部からワークへ流れる溶接電流の分流を確実
に防止できる。つまり、ナット受け止め部の分流による
電食を極力防止できるので、ガイドピン本体の耐久性を
著しく向上することができる。
【0017】請求項5のプロジェクションナット溶接機
用ガイドピンにおいては、ガイドピンのガイドピン本体
が焼き入れ処理されているので、ナット受け止め部の耐
衝撃性・耐摩耗性を一層高めることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しつつ説明する。本実施例は、上部電極と、この上部電
極に下方から対向する下部電極とを備えたプロジェクシ
ョンナット溶接機のガイドピンに、本発明を適用した場
合の一例である。図1に示すように、プロジェクション
ナットを溶接する為のプロジェクションナット溶接機1
は、本体ケース5の上部に設けられた上部電極ユニット
10であって、エアシリンダ2で昇降される上部電極ユ
ニット10と、この上部電極ユニット10に下方から対
向する下部電極ユニット20とを有し、このプロジェク
ションナット溶接機1の近くに、プロジェクションナッ
ト溶接機1にプロジェクションナット40(図2参照)
を供給する為のナットフィーダ50が配設されている。
【0019】前記ナットフィーダ50は、ホッパー52
を有するフィーダ本体51と、プロジェクションナット
溶接機1の本体ケース5に付設されたナット供給ヘッド
54と、ナット供給ヘッド54を実線で図示の受取り位
置と、鎖線で図示のセット位置とに切り換える為のエア
シリンダ55と、フィーダ本体51からナット供給ヘッ
ド54にナットを供給する為のナット供給通路53等で
形成されている。前記フィーダ本体51には、多数のプ
ロジェクションナットを収容して振動を介して整列させ
る為の振動型ホッパーと、振動発生機構と、加圧エア供
給ユニット57と、プロジェクションナット溶接機1及
びナットフィーダ50の為の駆動制御部等が設けられて
いるが、その詳細な説明は省略する。
【0020】ナットフィーダ50のホッパー52に投入
されたプロジェクションナット40は、ナット供給通路
53内を、加圧エアの輸送力でエア圧送されるが、この
ナット供給通路53は、可撓性のホース部材53aで形
成され、ナット供給通路53の下流端には、ナット供給
ヘッド54が、進退駆動用のエアシリンダ55を介して
ナット溶接機1の本体ケース5に付設され、ピストンロ
ッド56の進退駆動により、下部電極ユニット20の下
部電極本体21に接近・隔離される。ナットフィーダ5
0から供給されるプロジェクションナット40は、プロ
ジェクションナット40のプロジェクション側を前進方
向に向けた状態で、ナット供給通路53を通り、ナット
供給ヘッド54が下部電極本体21に接近した際に、ナ
ット供給ヘッド54のガイド部54aの案内により、プ
ロジェクションナット40はガイドピン30(図2参
照)のナット受け部31aに外嵌される。
【0021】次に、ナット溶接機1の上部電極ユニット
10について説明する。図1に示すように、上部電極ユ
ニット10は、上部電極本体11と、ホルダー12とで
構成され、上部電極本体10は、ホルダー11を介して
エアシリンダ2のピストンロッド3に装着され、昇降駆
動される。図2に示すように、上部電極本体11の下端
部には、嵌合穴11aが形成され、上部電極本体11が
下降したとき、この嵌合穴11aには、ガイドピン30
の先端部が遊嵌状に嵌合する。
【0022】次に、下部電極ユニット20について説明
する。図2に示すように、下部電極ユニット20は、下
部電極本体21と、ガイドピン30と、ホルダー24
と、エア作動室23と、エア供給ポート22等を有し、
下部電極本体21の下端部は、ホルダー24に形成され
たホルダー穴24aに内嵌螺合させて固定され、ホルダ
ー24の下端部は、ホルダー支持部材25の上端部に内
嵌固定されている。下部電極本体21の中心部の軸孔2
1aには、ガイドピン30が昇降自在に装着され、この
ガイドピン30の下側において、ホルダー24には、エ
ア作動室23が形成され、このエア作動室23は、エア
連通孔26によりエア供給ポート22に連通連結され、
エア供給ポート22は、加圧エアを給排する加圧エア源
にエアホースを介して接続される。前記エア作動室23
に加圧エアを供給すると、ガイドピン30は、上昇移動
し、ワークWの穴を挿通してワークWの上側へ突出する
ことになる。
【0023】前記ガイドピン30について詳細に説明す
る。図3に示すように、ガイドピン30は、ガイドピン
本体31と、絶縁スリーブ32と、受圧部材33とで構
成されている。前記ガイドピン本体31に関して、ガイ
ドピン本体31の上端側部分には、ほぼテーパー状のナ
ット受け止め部31aが形成され、このナット受け止め
部31aの下端側には、軸状部31bがナット受け止め
部31aの下端から一体的に延びるように形成され、こ
の軸状部31bの径は、ナット受け止め部31aの下端
の最大径部の径より小径に形成され、軸状部31bの下
端部分には、ネジ部31cが形成されている。このガイ
ドピン本体31は、鋼材料製で、機械加工後に焼入れ処
理してある。
【0024】前記絶縁スリーブ32は、軸状部31bよ
りも短く形成され、この絶縁スリーブ32は、その上端
部をナット受け止め部31aの下端に当接させた状態
で、軸状部31bに密嵌状に外嵌されている。この絶縁
スリーブ32は、クロムとアルミウムを添加したフェラ
イト系ステンレス鋼製で、機械加工後に、その全表面に
特殊な表面処理を施して、その全表面の表層部に、耐摩
耗性と絶縁性に優れるアルミナ被膜を形成してある。但
し、絶縁スリーブ32を鋼製とし、窒化処理、酸化処理
等の表面処理を施して、その全表面の表層部に、或い
は、少なくとも外周面の表層部に、耐摩耗性と絶縁性に
優れる被膜を形成してもよい。前記受圧部材33は、環
状で且つ円錐台状に形成されて、ネジ部31cに螺合し
て固着され、受圧部材33の上端は絶縁スリーブ32の
下端に当接している。この受圧部材33は、耐摩耗性と
シール性に優れる合成樹脂材料(例えば、工業用ナイロ
ン)で構成されている。但し、ガイドピン30は、通電
時に上部電極本体10により下方へ押動される関係上、
受圧部材33からの分流の虞はないから、受圧部材33
を耐摩耗性に優れる金属材料で構成してもよい。
【0025】次に、前記ガイドピン30の作用について
説明する。前記ガイドピン本体31は、鋼製であり、焼
入れ処理されているため、ナット受け止め部31aは、
耐摩耗性及び耐衝撃性に優れ、摩耗や折損の虞がなく、
耐久性に優れる。絶縁スリーブ32は、鋼製であり、そ
の全表面の表層部には、耐摩耗性と絶縁性に優れる被膜
を形成してあるので、耐摩耗性と絶縁性に優れ、溶接電
流の一部が、絶縁スリーブ32から下部電極本体21へ
分流するのを確実に防止することができる。前記受圧部
材33は、耐摩耗性とシール性に優れる合成樹脂材料
(例えばナイロン)で構成されているため、摩耗しにく
く、また、エア作動室23の加圧エアを確実にシールす
ることができ、また、受圧部材33は、円錐台状の外形
に形成されているため、ガイドピン30が上方へ飛び出
すことがない。
【0026】上記のように、ガイドピン30を、ガイド
ピン本体31と、絶縁スリーブ32と、受圧部材33と
の3部品で構成し、それらに所望の機械的特性や機能を
付与したので、所望の機械的特性や機能を有するガイド
ピン30を実用化することができ、プロジェクションナ
ット溶接の生産性及び品質を高めることができた。尚、
ガイドピン30を加圧エアにより上方へ移動させる代わ
りに、エアシリンダのロッドの上端にガイドピンを固定
した構成のものでは、受圧部材33は省略される。
【0027】次に、第1別実施例のガイドピン60につ
いて図面を参照しつつ説明する。但し、前記実施例と同
一のものには、同一の符号を付してその説明を省略す
る。図4、図5に示すように、ガイドピン60は、ガイ
ドピン本体61と、絶縁スリーブ62と、受圧部材63
とで構成され、上部電極11と下部電極21間に溶接電
流を通電する直前の状態において、プロジェクションナ
ット40をガイドピン本体61のナット受け止め部61
aで位置決し、プロジェクションナット40が溶接され
るワークを絶縁スリーブ62で位置決めするように構成
されている。
【0028】ガイドピン本体61の上端側部分には、ほ
ぼテーパー状のナット受け止め部61aが形成されてい
るが、ナット受け止め部61aのナット受け面61dか
ら絶縁スリーブ62までの寸法を極力短くして形成さ
れ、このナット受け止め部61aの下端側には、軸状部
61bがナット受け止め部61aの下端から一体的に延
びるように形成され、この軸状部61bの外径は、ナッ
ト受け止め部61aの下端部の外径より小径に形成さ
れ、軸状部61bの下端部分には、ネジ部61cが形成
されている。このガイドピン本体61は、鋼材料製で、
機械加工後に焼入れ処理してある。
【0029】絶縁スリーブ62は、軸状部61bよりも
短く形成され、絶縁スリーブ62の外径は、ナット受け
止め部61aの下端部の外径とほぼ同径に形成され、絶
縁スリーブ62は、その上端部をナット受け止め部61
aの下端に当接させた状態で、軸状部61bに密嵌状に
外嵌されている。この絶縁スリーブ62は、クロムとア
ルミウムを添加したフェライト系ステンレス鋼製で、機
械加工後に、その全表面に特殊な表面処理を施して、そ
の全表面の表層部に、耐摩耗性と絶縁性に優れるアルミ
ナ被膜を形成してある。但し、絶縁スリーブ62を鋼製
とし、窒化処理、酸化処理等の表面処理を施して、その
全表面の表層部に、或いは、少なくとも外周面の表層部
に、耐摩耗性と絶縁性に優れる被膜を形成してもよい。
【0030】受圧部材63は、環状で且つ円錐台状に形
成されて、ネジ部61cに螺合して固着され、受圧部材
63の上端は絶縁スリーブ62の下端に当接している。
この受圧部材63は、耐摩耗性とシール性に優れる合成
樹脂材料(例えば、工業用ナイロン)で構成されてい
る。但し、ガイドピン60は、通電時に上部電極本体1
0により下方へ押動される関係上、受圧部材63からの
分流の虞はないから、受圧部材63を耐摩耗性に優れる
金属材料で構成してもよい。
【0031】上記ガイドピン60の作用について説明す
る。ガイドピン本体61は、鋼製であり、焼入れ処理さ
れているため、ナット受け止め部61aは、耐摩耗性及
び耐衝撃性に優れ、摩耗や折損の虞がなく、耐久性に優
れる。絶縁スリーブ62は、鋼製であり、その全表面の
表層部には、耐摩耗性と絶縁性に優れる被膜を形成して
あるので、耐摩耗性と絶縁性に優れ、溶接電流の一部
が、絶縁スリーブ62から下部電極本体21へ分流する
のを確実に防止することができる。受圧部材63は、耐
摩耗性とシール性に優れる合成樹脂材料(例えばナイロ
ン)で構成されているため、摩耗しにくく、また、エア
作動室23の加圧エアを確実にシールすることができ、
また、受圧部材63は、円錐台状の外形に形成されてい
るため、ガイドピン60が上方へ飛び出すことがない。
【0032】また、上部電極11と下部電極21間に溶
接電流を通電する直前の状態において、プロジェクショ
ンナット40はガイドピン本体61のナット受け止め部
61aナット受け面61dで位置決され、ナット受け止
め部61aは、ナット受け面61dから絶縁スリーブ6
2までの寸法を極力短くして形成されているので、プロ
ジェクションナット40が溶接されるワークは、絶縁ス
リーブ62で位置決めされる。つまり、ナット受け止め
部61aがワークと接触しないので、ナット受け止め部
61aからワークへ流れる溶接電流の分流を防止でき
る。つまり、ナット受け止め部61aの分流による電食
を防止できるので、ガイドピン本体61の耐久性を向上
することができる。
【0033】つまり、上記のように、ガイドピン60
を、ガイドピン本体61と、絶縁スリーブ62と、受圧
部材63との3部品で構成し、それらに所望の機械的特
性や機能を付与し、上部電極11と下部電極21間に溶
接電流を通電する直前の状態において、溶接電流の分流
を極力防止するように構成したので、所望の機械的特性
や機能を有するガイドピン60を実用化することがで
き、プロジェクションナット溶接の生産性及び品質を高
めることができる。尚、ガイドピン60を加圧エアによ
り上方へ移動させる代わりに、エアシリンダのロッドの
上端にガイドピンを固定した構成のものでは、受圧部材
63は省略される。
【0034】次に第2別実施例のガイドピン70につい
て説明する。但し前記実施例と同一のものには、同一の
符号付してその説明を省略する。図6に示すように、ガ
イドピン70は、ガイドピン本体71と、絶縁スリーブ
72と、受圧部材73とで構成され、上部電極11と下
部電極21間に溶接電流を通電する直前の状態におい
て、プロジェクションナット40をガイドピン本体71
のナット受け止め部71aで位置決し、プロジェクショ
ンナット40が溶接されるワークを絶縁スリーブ72で
位置決めするように構成されている。ガイドピン本体7
1の上端側部分には、ほぼテーパー状のナット受け止め
部71aが形成されているが、ナット受け止め部71a
のナット受け面71dから絶縁スリーブ72までの寸法
を極力短くして形成され、このナット受け止め部71a
の下端部の外径は、絶縁スリーブ72の外径以下に形成
されている。尚絶縁スリーブ72の上端部外周面は、テ
ーパー状に形成されている。
【0035】このように、このガイドピン70によれ
ば、上記第1別実施例と同様の作用・効果が得られると
ともに、ナット受け止め部71aの下端部の外径が、絶
縁スリーブ72の外径以下に形成されているので、ナッ
ト受け止め部71aがワークと接触することがなく、ガ
イドピン本体71aからワークへ流れる溶接電流の分流
を確実に防止できる。つまり、ナット受け止め部71a
の分流による電食を防止できるので、ガイドピン本体7
1の耐久性を著しく向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るプロジェクションナット
溶接機とナットフィーダの正面図である。
【図2】下部電極ユニットの要部の縦断面図である。
【図3】ガイドピンの縦断面図である。
【図4】第1別実施例のガイドピンと上部電極及び下部
電極ユニットの縦断面図である。
【図5】第1別実施例のガイドピンと上部電極及び下部
電極ユニット(通電時)の縦断面図である。
【図6】第2別実施例のガイドピンと上部電極及び下部
電極ユニット(通電時)の縦断面図である。
【図7】従来技術に係る下部電極ユニットの要部の縦断
面図である。
【図8】従来技術に係るガイドピンの摩耗部を示す図で
ある。
【図9】従来技術に係る上部電極と下部電極とに通電し
た通電状態を示す図である。
【符号の説明】
1 プロジェクションナット溶接機 11 上部電極 21 下部電極 30,60,70 ガイドピン 31,61,71 ガイドピン本体 31a,61a,71a ナット受け止め部 31b,61b,71b 軸状部 32,62,72 絶縁スリーブ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部電極と、この上部電極に下方から対
    向する下部電極と、この下部電極の中心部に昇降可能に
    装着されたガイドピンとを備えたプロジェクションナッ
    ト溶接機において、 前記ガイドピンは、 上端側部分にほぼテーパー状に形成されたナット受け止
    め部と、このナット受け止め部の下端から一体的に延び
    る軸状部とを備えた鋼製のガイドピン本体と、 前記軸状部に外嵌される絶縁スリーブであって、少なく
    とも外周面の表面部を耐摩耗性に優れる絶縁材料で構成
    してなる絶縁スリーブと、 を備えたことを特徴とするプロジェクションナット溶接
    機用ガイドピン。
  2. 【請求項2】 前記ガイドピン本体は、焼入れ処理され
    たことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクション
    ナット溶接機用ガイドピン。
  3. 【請求項3】 上部電極と、この上部電極に下方から対
    向する下部電極と、この下部電極の中心部に昇降可能に
    装着されたガイドピンとを備えたプロジェクションナッ
    ト溶接機において、 前記ガイドピンは、 上端側部分にほぼテーパー状に形成されたナット受け止
    め部と、このナット受け止め部の下端から一体的に延び
    る軸状部とを備えた鋼製のガイドピン本体と、 前記軸状部に外嵌される絶縁スリーブであって、少なく
    とも外周面の表面部を耐摩耗性に優れる絶縁材料で構成
    してなる絶縁スリーブとを備え、 前記上部電極と下部電極間に溶接電流を通電する直前の
    状態において、プロジェクションナットをガイドピン本
    体で位置決めし、プロジェクションナットが溶接される
    ワークを絶縁スリーブで位置決めするように構成したこ
    とを特徴とするプロジェクションナット溶接機用ガイド
    ピン。
  4. 【請求項4】 前記ナット受け止め部の下端部の外径
    は、軸状部の外径よりも大径で、且つ、絶縁スリーブの
    外径以下に形成されたことを特徴とする請求項3に記載
    のプロジェクションナット溶接機用ガイドピン。
  5. 【請求項5】 前記ガイドピン本体は、焼入れ処理され
    たことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のプロ
    ジェクションナット溶接機用ガイドピン。
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Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6008463A (en) * 1996-05-11 1999-12-28 Aoyama; Yoshitaka Resistance welding electrode with guide pin
US7250585B1 (en) 2006-05-31 2007-07-31 Honda Motor Co., Ltd. Robotic welding system and method for welding projection weld nuts
JP2012183579A (ja) * 2011-02-14 2012-09-27 Yoshitaka Aoyama 電気抵抗溶接機の部品供給装置

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