JPH0856331A - 信号処理システム - Google Patents

信号処理システム

Info

Publication number
JPH0856331A
JPH0856331A JP18856794A JP18856794A JPH0856331A JP H0856331 A JPH0856331 A JP H0856331A JP 18856794 A JP18856794 A JP 18856794A JP 18856794 A JP18856794 A JP 18856794A JP H0856331 A JPH0856331 A JP H0856331A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
circuit
coefficient
control
data block
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP18856794A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3557657B2 (ja
Inventor
Hiromi Yoshinari
博美 吉成
Takuya Kitamura
卓也 北村
Yoshihiro Murakami
芳弘 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP18856794A priority Critical patent/JP3557657B2/ja
Publication of JPH0856331A publication Critical patent/JPH0856331A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3557657B2 publication Critical patent/JP3557657B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Television Signal Processing For Recording (AREA)
  • Television Systems (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 垂直ブランキング期間中に映像信号以外の制
御信号を付加してそのまま変換符号化処理に通しても、
制御信号の内容が破壊されないようにする。 【構成】 入力されたアナログの映像信号Svに対して
標本化処理及び量子化処理を施してデジタルの映像デー
タDvに変換するA/D変換器3と、このA/D変換器
3からの映像データDvに対して変換符号化処理及び再
量子化処理を施して映像データDvをデータ圧縮処理す
るデータ圧縮処理回路4とを有する記録系1において、
データ圧縮処理回路4のFDCT回路の前段に、映像デ
ータDvの垂直ブランキング期間に対応する部分に量子
化歪みを受けないデータ列で構成された制御データブロ
ックDcBを挿入する制御データブロック挿入回路31
を接続して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、信号処理システムに関
し、特に、入力映像信号を標本化及び量子化してディジ
タルの映像データに変換した後、この変換後の映像デー
タを符号化して圧縮し、この圧縮後のデータを伝送路に
供給するあるいは記録媒体に蓄積する符号化装置と、伝
送路からのあるいは記録媒体に蓄積された圧縮データを
読み出して、この読み出した圧縮データを復号化して元
の映像信号に戻す復号化装置とを有する信号処理システ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】近時、高精細度の画像を伝送する、ある
いは光磁気ディスク等の記録媒体に蓄積するという画像
システムが提案されている。この画像システムは、変換
符号化(ブロック符号化)と可変長符号化によって画像
情報のデータ圧縮を実現している。
【0003】空間面上の画像信号は、種々の画像を統計
的に見るとき、振幅方向に対して各画像サンプルの出現
確率は一様であるといえる。つまり偏りがない。一方、
変換符号化、例えば離散コサイン変換(DCT)後の係
数面上で見た場合には、周波数面で見る画像の性質を良
く反映して、低次ほどエネルギが集中し、高次に行くに
従って急速に減少する。つまり、偏りが大きい。
【0004】この偏りを利用して、画像情報を効率よく
データ圧縮するのが可変長符号化であり、偏りを作るの
がDCTなどの直交変換である。
【0005】ところで、我々が使用する画像信号は、そ
の種類によって上記偏りの度合が変化する。従って、可
変長符号化を施した結果の情報もそれに従って変化す
る。これを例えばフィールド単位で一定量に収めようと
する処理として、係数面における再量子化が存在する。
前者の可変長符号化が無歪みの変換であるのに対して、
この再量子化処理は歪みを伴う処理である。
【0006】ここで、DCT変換−逆変換(IDCT)
における有効語長のイメージを図19に示す。DCT変
換を行なうということは、DCT変換基底行列とブロッ
ク割りした映像信号の内積をとる作業であり、加算を行
なうたびに桁上がりがある。逆変換でも同じになるはず
だが、DCT変換−逆変換の関係があるため、逆変換時
には打ち消し合って桁上がりを起こさない。この関係
と、DCT変換−逆変換で単位行列が得られるように正
規化すると、図19で示す有効語長のイメージになる。
なお、小数部は、出力語長の精度を出すために必要とな
る。そして、整数部と小数部を合わせたものが有効語長
である。
【0007】次に、再量子化ステップによる歪みの出力
への影響のイメージを図20に示す。この図20は、再
量子化ステップと歪みの出力への影響と入出力語長及び
係数語長の関係を示したものである。
【0008】いま、例えば8ビット精度の映像信号(輝
度信号Y及び色差信号PB,PR)をそれぞれ水平、垂
直方向に4×4の画素の大きさのブロックに分割した場
合の2次元DCT変換は、次式で表わされる。
【0009】
【数1】
【0010】そして、上記2次元行列形式のDCT変換
を一般的な形で表わすと、次のようになる。
【0011】
【数2】
【0012】また、2次元逆DCT変換は、次式で表わ
される。
【0013】
【数3】
【0014】そして、上記2次元行列形式の逆DCT変
換を一般的な形で表わすと、次のようになる。
【0015】
【数4】
【0016】このことから、DCT変換→再量子化→逆
量子化→逆変換の一連の流れを一般的な形で表わすと、
以下のようになる。
【0017】変換 [X]=(2/N)[a][x][b]t 再量子化(特に式の上では示さないが、整数部で丸める
ものとする) [XL]=[X](1/[Qn]) [Qn]:再量子化マトリクス 逆量子化 [iX]=[XL][Qn] 逆変換 [ix]=(2/N)[a]t [iX][b]
【0018】ここで、[Q0]のとき、[ix]=
[x]を満足する限界の再量子化値としたとき、[Q
0]に対して1桁多い再量子化マトリクス[Q1]にお
ける上記一連の流れ(DCT変換→再量子化→逆量子化
→逆変換)は、以下のようになる。
【0019】変換 [2X’]=(2/N)[a][2x’][b]t 再量子化 [XL’]=[2X’](1/[Q1])=[X’]
(1/[Q0]) ([Q1]=2・[Q0])より ここで、再量子化の条件が[Q0]のときと同じにな
る。 逆量子化 [2iX’]=[XL’][Q1]=[XL’][2Q
0] 逆変換 [2ix’]=(2/N)[a]t [2iX’][b]
【0020】次に、[Q0]に対して2桁多い再量子化
マトリクス[Q2]における上記一連の流れ(DCT変
換→再量子化→逆量子化→逆変換)は、以下のようにな
る。
【0021】変換 [4X’]=(2/N)[a][4x’][b]t 再量子化 [XL’]=[4X’](1/[Q2])=[X’]
(1/[Q0]) ([Q2]=4・[Q0])より ここで、再量子化の条件が[Q0]のときと同じにな
る。 逆量子化 [4iX’]=[XL’][Q2]=[XL’][4Q
0] 逆変換 [4ix’]=(2/N)[a]t [4iX’][b]
【0022】以下同様である。
【0023】具体的に、5回の演算を経て係数を得るよ
うな直交変換を想定した場合を図21(a)に基づいて
説明する。なお、簡単のため、変換側では各演算によっ
てダイナミックレンジが2倍、即ち毎回桁上がりが起こ
るものとする。
【0024】上記直交変換では、逆変換は、DCT変換
との相関関係からダイナミックレンジの変化による繰り
上りが生じず、最終段のワードの入力語長分を上位ビッ
トから切り出すことによって逆変換を得る。
【0025】いま、再量子化器において、12ビットに
再量子化したときを考えると、逆変換では各演算でダイ
ナミックレンジの変化による繰り上りはないが、再量子
化による歪みには変換との相関関係がなく演算のたびに
その最大値は倍になる。その様子を図21(b)に示
す。この図21(b)において、斜線で示す部分が再量
子化による歪みを示し、この歪みが演算ごとに積み重な
っていくのがわかる。この場合、結果的に再量子化によ
る歪みが出力信号に含まれることになる。
【0026】このように、変換符号化処理(ビットレー
トリダクション処理)は、基本的に映像情報の冗長度を
削減することによって実現しようとするが、それだけ
で、常に所望の固定レートに収めることはできない。従
って、歪みを伴う再量子化によって、情報量を圧縮し、
該圧縮データの総量調整を行なう必要が出てくる。な
お、該当する直交変換にとって難しい絵柄であるほど再
量子化によって圧縮する量が大きい。
【0027】そのため、どこか視覚的に影響の少ない事
象で歪ませることが画像データの圧縮上都合がよい。直
交変換前の事象は空間面であるが、この空間面で再量子
化を行なうと、階調の欠落となって現われる。空間面上
の階調の欠落は人の目は敏感である。このことから、空
間面での再量子化は採用できない。
【0028】直交変換後の事象は係数面であるが、係数
面での再量子化は係数の欠落となるが、これを空間面上
で見ると、ブロックを構成する各サンプル間の相関関係
の欠落となる。即ち、波形歪みとなって現われることに
なる。人の目は、波形歪みには寛容である。このことか
ら、歪みを伴う再量子化は係数面で行なうのが有利であ
る。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近では、
通信路を通して伝送される、あるいは記録媒体に記録さ
れる圧縮データに、表示装置の切換えや映像信号に対し
て各種特殊効果を行なわせるための各種情報信号を含め
たいという要求がある。
【0030】これらの情報信号は、画像表示において影
響のない、例えば垂直ブランキング期間に挿入して伝送
することが考えられる。
【0031】しかし、従来の変換符号化処理において
は、上述したように、歪みを伴う再量子化を行なうこと
から、映像信号に付加した情報信号が上記再量子化によ
る歪みによって変化してしまい、付加した情報の内容が
失われるという問題がある。
【0032】また、変換符号化処理において、入力語長
と再量子化ステップの関係によっては、信号符号さえも
保存されないサンプルが存在する可能性がある。このた
め、従来は、上記情報信号を入力時に付加して、そのま
ま変換符号化処理に通すことができなかった。
【0033】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、変換符号化によるビッ
トリダクションを行なう画像システムにおいて、無効画
像表示期間、例えば垂直ブランキング期間中に映像信号
以外の情報信号(制御信号等)を付加してそのまま変換
符号化処理に通しても、情報信号の内容が破壊されるこ
とがなく、画像情報のほかに、上記制御信号等の画像情
報以外の情報を伝送・蓄積することができ、画像システ
ムの多機能化を促進させることができる信号処理装置を
提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明は、入力された映
像データDvに対して変換符号化処理を施して映像デー
タDvをデータ圧縮処理するデータ圧縮処理回路4を有
し、このデータ圧縮処理回路4からの圧縮映像データd
vを伝送・蓄積する符号化処理装置1と、伝送・蓄積さ
れた映像信号に関する上記圧縮映像データdvに対して
変換復号化処理を施して上記圧縮映像データdvを元の
映像データDvに復元するデータ伸長処理回路22を有
する復号化処理装置2とを具備した信号処理システムに
おいて、符号化処理装置1におけるデータ圧縮処理回路
4の変換符号化処理の前段に、映像データDvの無効画
像表示期間(例えば垂直ブランキング期間又は水平ブラ
ンキング期間)に対応する部分に量子化歪みを受けない
データ列で構成された制御用情報DcBを挿入する制御
用情報挿入回路31を接続し、復号化処理装置2におけ
るデータ伸長処理回路22の変換復号化処理の後段に、
上記制御用情報DcBを抽出する制御用情報抽出回路4
1を接続して構成する。
【0035】この場合、符号化処理装置1におけるデー
タ圧縮処理回路4を、映像データDvを所定のブロック
単位に分割するブロッキング回路11と、このブロッキ
ング回路11からのデータブロックを直交変換して係数
データブロックに変換する直交変換回路12と、この直
交変換回路12からの係数データブロックに対し、再量
子化処理を行なって量子化レベルを得る再量子化処理回
路13と、この再量子化処理回路13からの量子化レベ
ルをエントロピー符号化処理して圧縮映像データdvと
するエントロピー符号化回路14とを設けて構成し、上
記制御用情報挿入回路31を、ブロッキング回路11と
直交変換回路12との間に挿入接続して構成する。
【0036】そして、この制御用情報挿入回路31を、
所定の規則に基づいて作成された多数のデータブロック
が制御データDcの内容に対応させて配列登録された変
換テーブルを有し、この変換テーブルにおける多数のデ
ータブロック中、入力される制御データDcの内容に対
応したデータブロックを選択して、制御データブロック
DcBとして出力するデータブロック変換回路33を設
けて構成する。
【0037】また、復号化処理装置2におけるデータ伸
長処理回路22を、上記圧縮映像データdvをエントロ
ピー復号化処理して量子化レベルを得るエントロピー復
号化回路26と、このエントロピー復号化回路26から
の量子化レベルに対し、逆量子化処理を行なって係数デ
ータブロックを得る逆量子化回路27と、逆量子化回路
27からの係数データブロックを逆直交変換して映像デ
ータブロックに変換する逆直交変換回路28と、この逆
直交変換回路28からの映像データブロックのブロック
をほどいて映像データDvに復元するデブロッキング回
路29とを設けて構成し、上記制御用情報抽出回路41
を、逆直交変換回路28とデブロッキング回路29との
間に挿入接続して構成する。
【0038】そして、上記制御用情報抽出回路41を、
所定の規則に基づいて作成された多数のデータブロック
が制御データDcの内容に対応させて配列登録された変
換テーブルを有し、この変換テーブルにおける上記多数
の制御データ中、復号化された制御データブロックDc
Bに対応した制御データDcを選択して出力する制御デ
ータ変換回路43を設けて構成する。
【0039】上記所定の規則は、入力データの空間面で
の語長をLin、入力データ=復元後のデータを満たす
ための係数面の語長をLcoef、再量子化ステップに
よる再量子化を行なったときの有効語長をLq、再量子
化ステップレベルの語長をLgとし、語長(Lin+L
g)が語長Lcoefと同じである場合、係数データの
上記有効語長における値をXn’とし、関係式[X]L
を係数面における最上位ビットからの語長Lにおける値
として定義したとき、入力データXnが以下の関係式を
満足するようにする。 [Xn Lin =[Xn ’・2(Lcoef-Lq)Lin
【0040】また、上記所定の規則は、最大の再量子化
ステップレベルの係数面での語長をLgとしたとき、制
御データブロックDcB内の各入力データを全部加算し
たときの結果がLg倍になる組合せとなるようにする。
【0041】また、上記所定の規則は、最大の再量子化
ステップレベルの係数面での語長をLgとしたとき、制
御データブロックDcB内の各入力データを直交変換し
た後の値がLg倍になる組合せとなるようにする。
【0042】
【作用】本発明に係る信号処理システムにおいては、ま
ず、符号化処理装置1に入力された映像データDvは、
通常は、データ圧縮処理回路4にて変換符号化処理され
てデータ圧縮されるが、本発明では、この変換符号化処
理に先立って、制御用情報挿入回路31にて、上記映像
データDvの無効画像表示期間、例えば垂直ブランキン
グ期間に対応する部分に量子化歪みを受けないデータ列
で構成された制御用情報DcBが挿入される。
【0043】上記制御用情報挿入回路31にて制御用情
報DcBが挿入された映像データDvは、後段のデータ
圧縮処理回路4における変換符号化処理にてデータ圧縮
されて圧縮映像データdvとなる。このとき、上記変換
符号化処理において、再量子化処理が施されてデータ圧
縮量の調整が行なわれるが、この再量子化処理におい
て、上記挿入された制御用情報DcBは、該再量子化処
理における歪みの影響を受けることがなく、データの内
容が破壊されるということがない。
【0044】そして、上記データ圧縮処理回路4からの
圧縮映像データdvは、制御用情報DcBとともに通信
路を通して伝送され、あるいは記録媒体Tに蓄積される
ことになる。
【0045】上記符号化処理装置1にて伝送・蓄積され
た圧縮映像データdvは、復号化処理装置2において、
まず、データ伸長処理回路22にて変換復号化処理が施
されて元の映像データDvに復元される。そして、本発
明では、制御用情報抽出回路41にて上記映像データD
vから制御用情報DcBが抽出される。この制御用情報
DcBは、変換符号化処理に先立って上記映像データD
vの垂直ブランキング期間に対応する部分に挿入された
データであり、特に、量子化歪みを受けないデータ列で
構成されている。
【0046】従って、上記データ伸長処理回路22にて
復号化処理された場合、量子化歪みが復号化演算のたび
に積み重なるということがなく、挿入した状態のデータ
構成のまま抽出されることになる。
【0047】このように、本発明の信号処理装置におい
ては、変換符号化によるビットリダクションを行なう画
像システムにおいて、例えば垂直ブランキング期間中に
映像信号以外の情報信号(制御信号等)を付加してその
まま変換符号化処理に通しても、情報信号の内容が破壊
されることがなく、画像情報のほかに、上記制御信号等
の画像情報以外の情報を伝送・蓄積することができ、画
像システムの多機能化を促進させることができる画像情
報のほかに、上記制御信号等の画像情報以外の情報を伝
送・蓄積することができ、画像システムの多機能化を促
進させることができる。
【0048】特に、上記データ圧縮処理回路4を、上記
映像データDvを所定のブロック単位に分割するブロッ
キング回路11と、このブロッキング回路11からのデ
ータブロックを直交変換して係数データブロックに変換
する直交変換回路12と、この直交変換回路12からの
係数データブロックに対し、再量子化処理を行なって量
子化レベルを得る再量子化処理回路13と、この再量子
化処理回路13からの量子化レベルをエントロピー符号
化処理して圧縮映像データdvとするエントロピー符号
化回路14とを設けて構成し、制御用情報挿入回路31
を、上記ブロッキング回路11と直交変換回路12との
間に挿入接続した場合においては、以下の動作を行なう
ことになる。
【0049】まず、入力された映像データDvは、ブロ
ッキング回路11において所定のブロック単位に分割さ
れてデータブロックとして出力される。そして、映像デ
ータDvの垂直ブランキング期間に対応する部分におい
て、制御用情報挿入回路31を通じて制御用情報DcB
が挿入されることになる。
【0050】具体的には、映像データDvがブロッキン
グ回路11にてデータブロックに変換されることから、
上記制御用情報DcBもデータブロックの形にされて挿
入されることになる。ブロッキング回路11からのデー
タブロックや制御用情報挿入回路31からの制御用情報
(データブロック)DcBは、後段の直交変換回路12
にてそれぞれ直交変換されて係数データブロックに変換
される。この係数データブロックは、後段の再量子化処
理回路13にて再量子化処理が施され、データ圧縮量の
調整が行なわれる。
【0051】このとき、ブロッキング回路11からのデ
ータブロック(映像情報)は、この再量子化処理によっ
て歪みを受けることになるが、制御用情報挿入回路31
からのデータブロック(制御用情報)DcBは、量子化
歪みを受けないデータ列で構成されているため、上記再
量子化処理において歪みを受けることがなく、データの
内容が破壊されるということがない。
【0052】この再量子化処理回路13からは、直流成
分と交流成分とが別々とされた2値系列(量子化レベ
ル)が出力される。この再量子化処理回路13からの量
子化レベルは、後段のエントロピー符号化回路14にて
エントロピー符号化処理が施されて、圧縮映像データd
vが作成される。この圧縮映像データdvは、その後通
信路を通じて伝送されるか、あるいは記録媒体Tに蓄積
されることになる。上記圧縮映像データdv中、映像情
報に関するデータ成分は、先の再量子化処理及びエント
ロピー符号化処理によって十分に圧縮された形で伝送・
蓄積されるが、制御用情報DcBに関するデータ成分
は、データの内容が保持されたまま伝送・蓄積されるこ
とになる。
【0053】また、上記制御用情報挿入回路31とし
て、所定の規則に基づいて作成された多数のデータブロ
ックが制御データDcの内容に対応させて配列登録され
た変換テーブルを有し、この変換テーブルにおける多数
のデータブロック中、入力される制御データDcの内容
に対応したデータブロックを選択して、制御データブロ
ックDcBとして出力するデータブロック変換回路33
を設けた場合においては、以下の動作を行なうことにな
る。
【0054】上記構成において、A/D変換器3による
デジタル変換後の映像データDvが、ブロッキング回路
11において所定のブロック単位に分割されてデータブ
ロックとして出力されることになるが、このとき、映像
データDvの垂直ブランキング期間に対応する部分にお
いて、制御用情報挿入回路31を通じて制御データブロ
ックDcBが挿入されることになる。
【0055】このときの制御用情報挿入回路31におけ
る動作を説明すると、まず、データブロック変換回路3
3において、変換テーブルに配列登録されている多数の
データブロック中、入力された制御データDcに対応す
るデータブロックが選択される。この変換テーブルに配
列登録されている多数のデータブロックは、量子化歪み
の影響を受けないデータ列にて構成されるように、所定
の規則に従って作成されている。そして、制御用情報挿
入回路31におけるデータブロック変換回路33から入
力制御データDcに対応した制御データブロックDcB
が出力され、該制御データブロックDcBが映像データ
Dcの垂直ブランキング期間に対応する部分に挿入され
ることになる。
【0056】ブロッキング回路11からのデータブロッ
クや制御用情報挿入回路31からの制御データブロック
DcBは、後段の直交変換回路12にてそれぞれ直交変
換されて係数データブロックに変換される。この係数デ
ータブロックは、後段の再量子化処理回路13にて再量
子化処理が施され、データ圧縮量の調整が行なわれる。
【0057】このとき、ブロッキング回路11からのデ
ータブロック(映像情報)は、この再量子化処理によっ
て歪みを受けることになるが、制御用情報挿入回路31
からの制御データブロックDcBは、量子化歪みを受け
ないデータ列で構成されているため、上記再量子化処理
において歪みを受けることがなく、データの内容が破壊
されるということがない。
【0058】次に、上記所定の規則について説明する。
この規則は、DC係数の利用によって歪を受けないよう
にする場合と、AC係数の利用によって歪を受けないよ
うにする場合とがある。
【0059】まず、DC係数の利用とAC係数の利用と
で共通する規則は、入力データの空間面での語長をLi
n、入力データ=復元後のデータを満たすための係数面
の語長をLcoef、再量子化ステップによる再量子化
を行なったときの有効語長をLq、再量子化ステップレ
ベルの語長をLgとし、語長(Lin+Lg)が語長L
coefと同じである場合、係数データの上記有効語長
における値をXn’とし、関係式[X]L を係数面にお
ける最上位ビットからの語長Lにおける値として定義し
たとき、入力データXnが以下の関係式を満足するよう
にする。 [Xn Lin =[Xn ’・2(Lcoef-Lq)Lin
【0060】そして、上記規則において、DC係数を利
用した場合のデータ処理は以下のようになる。
【0061】まず、上記関係式からわかることは、入力
語長Linにおける入力データの内容と直交変換後の係
数データの入力語長Lin分の内容とが一致しているこ
とである。そして、係数データの入力語長Lin以外の
語長分のデータの内容はすべて0となっていることを示
す。即ち、語長(Lcoef−Lq)分がすべて0とな
ることを示す。語長(Lcoef−Lq)は、この場
合、再量子化処理にて使用される再量子化ステップの語
長Lgを示すもので、再量子化処理にて上記係数データ
をこの再量子化ステップで除算したとしても、そのまま
係数データが量子化レベル(整数値)としてまるめら
れ、再量子化による歪みは生じない。
【0062】このことから、上記所定の規則にて作成さ
れたデータブロックを制御用情報DcBとして映像デー
タDvの垂直ブランキング期間に挿入したとしても、そ
の後の再量子化処理にて量子化歪みによる影響を受ける
ということがなくなる。これは、通信路を通して伝送し
た圧縮映像データdvあるいは記録媒体Tに蓄積した圧
縮映像データdvを復号化して元の映像データDvに復
元させる際に、量子化歪みに基づくデータの破壊(波形
歪み)は生じないということを示すものであり、復元後
の映像データDvからデータ内容がそのまま保持された
制御用情報Dcを取り出すことができることにつなが
る。
【0063】次に、上記規則において、AC係数を利用
した場合のデータ処理は以下のようになる。
【0064】直交変換後の係数データ、特に量子化位置
以下のデータがすべて0になるとは限らないため、この
場合、量子化による歪を持つことになる。従って、直交
変換の演算のたびに量子化歪の最大値が2倍になるた
め、逆直交変換後の出力で有効となるビット数(歪を受
けないビット数)はDC係数を利用した場合よりも少な
くなるが、再量子化ステップの最悪値がわかっていれ
ば、データ伝送として利用できる係数上のビット数がわ
かり、同時に出力で有効となるビット数も判断できる。
従って、この有効となるビット数を利用しての情報のデ
ータ伝送が可能となる。
【0065】また、上記所定の規則として、最大の再量
子化ステップの係数面での語長をLgとしたとき、制御
データブロックDcB内の各入力データを全部加算した
ときの結果がLg倍になる組合せとなるようにした場合
は、DC係数を利用する場合において、特に、入力語長
Linと語長Lgとを加算した語長が、語長Lcoef
よりも大きい場合に有効である。
【0066】即ち、入力語長Linと語長Lgとを加算
した語長が、語長Lcoefよりも大きい場合、通常
は、再量子化ステップにて係数データの下位ビット部分
を除算してしまい、量子化歪みを生じさせることにな
る。
【0067】しかし、制御データブロックDcB内の各
入力データを全部加算したときの結果がLg倍になる組
合せとなるようにした場合、係数データの下位ビットに
0が挿入されることになり、疑似的に再量子化ステップ
の語長Lg分0が並ぶことになる。その結果、再量子化
処理にて上記係数データをこの再量子化ステップレベル
で除算したとしても、そのまま係数データが量子化レベ
ル(整数値)としてまるめられ、再量子化による歪みは
生じないことになる。
【0068】また、上記所定の規則として、最大の再量
子化ステップレベルの係数面での語長をLgとしたと
き、制御データブロックDcB内の各入力データを直交
変換した後の値がLg倍になる組合せにした場合は、A
C係数を利用する場合において、特に、入力語長Lin
と語長Lgとを加算した語長が、語長Lcoefよりも
大の場合に有効である。
【0069】上記規則に従って作成された制御データブ
ロックDcBを直交変換した場合、係数データに桁上げ
が生じることになり、以下の場合に有効となる。即ち、
最大の再量子化ステップの語長Lgが入力語長Linよ
りも大きい場合、通常は、入力語長Linと語長Lgと
を加算した語長が、語長Lcoefよりも大となる。こ
の場合、通常は、再量子化ステップにて係数データの下
位ビット部分を除算してしまい、量子化歪みを生じさせ
ることになる。
【0070】しかし、上記規則に従った制御データブロ
ックDcBの場合、係数データに桁上げが生じるため、
再量子化処理にて上記係数データをこの再量子化ステッ
プで除算したとしても、そのまま係数データが量子化レ
ベル(整数値)としてまるめられ、再量子化による歪み
は生じないことになる。
【0071】一方、上記復号化処理装置2におけるデー
タ伸長処理回路22を、圧縮映像データdvをエントロ
ピー復号化処理して量子化レベルを得るエントロピー復
号化回路26と、このエントロピー復号化回路26から
の量子化レベルに対し、逆量子化処理を行なって係数デ
ータブロックを得る逆量子化回路27と、この逆量子化
回路27からの係数データブロックを逆直交変換して映
像データブロックに変換する逆直交変換回路28と、こ
の逆直交変換回路28からの映像データブロックのブロ
ックをほどいて映像データに復元するデブロッキング回
路29とを設けて構成し、制御用情報抽出回路41を、
逆直交変換回路28とデブロッキング回路29との間に
挿入接続した場合においては、以下の動作を示すことに
なる。
【0072】まず、上記符号化処理装置1によって、伝
送・蓄積された圧縮映像データdvがエントロピー復号
化回路26にて復号化処理されて量子化レベルに変換さ
れる。その後、逆量子化回路27において、上記量子化
レベルに対し、逆量子化処理が行なわれて係数データブ
ロックが得られる。この係数データブロックは、後段の
逆直交変換回路28にて逆直交変換されて映像データブ
ロックに変換される。
【0073】その後、通常は、上記映像データブロック
が後段のデブロッキング回路29にてそのブロックがほ
どかれることになるが、本発明においては、逆直交変換
回路28からの映像データブロック、特に垂直ブランキ
ング期間に対応する部分に挿入されている制御データブ
ロックDcBを制御用情報抽出回路41にて抽出する。
【0074】この場合、垂直ブランキング期間に対応す
る部分に挿入されている制御用情報DcBが、上記符号
化処理装置1における制御用情報挿入回路31によって
量子化歪みの影響を受けないデータ列にて構成されるよ
うになっているため、上記逆直交変換回路28での逆直
交変換を実行するための演算処理のたびに量子化歪みが
積み重なるということがなく、挿入した状態のデータ内
容がそのまま維持されて抽出されることになる。
【0075】次に、上記制御用情報抽出回路41とし
て、上記所定の規則に基づいて作成された多数のデータ
ブロックが制御データDcの内容に対応させて配列登録
された変換テーブルを有し、この変換テーブルにおける
多数の制御データDc中、復号化された制御データブロ
ックDcBに対応した制御データDcを選択して出力す
る制御データ変換回路43を設けた場合においては、以
下の動作を行なうことになる。
【0076】まず、逆直交変換回路28から逆直交変換
後の映像データブロックが出力されることになるが、こ
のとき、垂直ブランキング期間に対応する部分に挿入さ
れているデータブロック(制御用情報)DcBが、制御
用情報抽出回路41を通じて抽出されることになる。
【0077】このときの制御用情報抽出回路41におけ
る動作を説明すると、まず、制御データ変換回路43に
おいて、変換テーブルに配列登録されている多数のデー
タブロック中、抽出されたデータブロックDcBに対応
する制御データDcが選択される。この変換テーブルに
配列登録されている多数のデータブロックは、量子化歪
みの影響を受けないデータ列にて構成されるように、上
述した所定の規則に従って作成されている。そして、制
御用情報抽出回路41における制御データ変換回路43
から上記データブロックDcBに対応した制御データD
cが出力されることになる。この制御データDcは符号
化処理装置1における制御用情報挿入回路31に入力さ
れた制御データDcの内容と同じかそれと関連するデー
タ内容となっている。
【0078】このように、符号化処理装置1において垂
直ブランキング期間に挿入した制御用情報DcBがデー
タ破壊を受けることなくそのままの状態で復号化処理装
置にて取り出されることになる。
【0079】
【実施例】以下、本発明に係る信号処理システムを、画
像圧縮方式のデジタルVTRに適用した実施例(以下、
単に実施例に係るVTRと記す)を図1〜図18を参照
しながら説明する。
【0080】この実施例に係るVTRは、図1及び図2
に示すように、アナログ信号用入力端子φin1を介し
て入力されたアナログコンポーネント映像信号(Y,R
−Y,B−Y:以下、単に映像信号と記す)Svをデジ
タル変換した後のデジタルコンポーネント映像データ
(以下、単に映像データと記す)Dv、あるいはデジタ
ル信号用入力端子φin2に直接入力された映像データ
Dvを画像圧縮して圧縮映像データdvとして記録媒体
である磁気テープTに記録する記録系1と、磁気テープ
Tに記録されている圧縮映像データdvを再生し、この
再生した圧縮映像データdvに対してデータ伸張処理
(エラー訂正及びデータ復号化処理)して再生映像デー
タDvとし、該再生映像データDvを直接デジタル信号
用出力端子φout2に出力する、あるいは更に上記再
生映像データDvをアナログ変換して元の映像信号Sv
に復元してアナログ信号用出力端子φout1より出力
する再生系2とを有して構成されている。
【0081】記録系1は、図示するように、アナログ信
号用入力端子φin1及びスイッチング回路SWを介し
て入力された映像信号Svをデジタル変換して例えば1
0ビットの映像データDvとするA/D変換器3と、こ
のA/D変換器3から出力される映像データDv、ある
いはデジタル信号入力端子φin2及びスイッチング回
路SWを介して入力された映像データDvを圧縮処理す
るデータ圧縮処理回路4と、このデータ圧縮処理回路4
から出力される圧縮映像データDvを磁気テープTに磁
気的に記録する記録用磁気ヘッド5とを有して構成され
る。
【0082】データ圧縮処理回路4は、A/D変換器3
からの映像データDvをフィールドメモリあるいはフレ
ームメモリを用いて水平方向4サンプル、垂直方向4ラ
イン(以下、4×4単位という)を1つのブロックとす
るデータにまとめるブロッキング回路11と、このブロ
ッキング回路11にてまとめられた4×4単位のデータ
を、離散コサイン変換するFDCT回路12と、このF
DCT回路12から出力される係数データを再量子化す
る再量子化回路13と、この再量子化回路13からの量
子化レベルを可変長符号化してデータ圧縮を行なう可変
長符号化器(VLC)14と、このVLC14からの可
変長符号化データをECC(ErrorCorecti
on Code)の積符号構成となるようにブロック化
し、更にこのブロック化されたデータにアウターパリテ
ィ符号及びインナーパリティ符号を付加するECCエン
コーダ15と、各パリティ符号が付加されたデータをシ
リアルデータに変換するチャンネルエンコーダ16とを
有して構成されている。
【0083】この記録系1には、FDCT変換後の情報
量を検出し、更に可変長符号化後のデータ量を受け取っ
て、再量子化回路13における量子化のパラメータ(量
子化テーブル内の量子化ステップレベル)を調節する情
報量制御回路17が接続されている。この情報量制御回
路17によって、可変長符号化後のデータ量が調節され
ることになる。
【0084】上記ブロッキング回路11は、タイミング
発生回路18からのタイミング信号に基づいてフレーム
メモリ(図示せず)に保持された映像データを4×4単
位にブロック化する。このブロック化に用いられるタイ
ミング信号は、映像データの入力タイミング(例えば水
平同期信号や垂直同期信号)に基づいてタイミング発生
回路18にて作成される。
【0085】また、この記録系1は、上記データ圧縮処
理回路4の後段に、チャンネルエンコーダ17から出力
されるシリアルデータを増幅する増幅器(図示せず)
と、この増幅器からの増幅されたシリアルデータを磁気
テープTに例えばヘリカルスキャン方式で磁気的に記録
する記録用磁気ヘッド5を有する。
【0086】一方、再生系2は、図2に示すように、磁
気テープTに磁気記録された圧縮映像データdvを再生
してシリアルデータとして再生する再生用磁気ヘッド2
1と、この再生用磁気ヘッド21からのシリアルデータ
を増幅する増幅器(図示せず)と、この増幅器からの増
幅されたシリアルデータに対してデータ伸張処理(エラ
ー訂正及びデータ復号化)処理して圧縮処理前の映像デ
ータ、即ち再生映像データDvに変換するデータ伸長処
理回路22と、このデータ伸長処理回路22からの10
ビットの再生映像データDvをアナログ変換して元の映
像信号(即ち、再生映像信号)Svに復元するD/A変
換器23とを有して構成されている。D/A変換器23
からの再生映像信号Svは出力端子φout1より取り
出される。また、データ伸長処理回路22からの10ビ
ットの再生映像データDvは、直接デジタル信号用出力
端子φout2より取り出されるようになっている。
【0087】データ伸長処理回路22は、上記増幅器か
らのシリアルデータ(圧縮映像データ)dvをデータ検
出してシリアル/パラレル変換するチャンネルデコーダ
24と、このチャンネルデコーダ24からのパラレルデ
ータに付加されているインナーパリティ符号及びアウタ
ーパリティ符号に基づいてエラー訂正を行ない、更にエ
ラー訂正されたデータを可変長符号のワード単位に分解
するECCデコーダ25と、このECCデコーダ25か
らのワード単位の分解データに対し、可変長復号化を行
なう復号化器(VLD)26と、このVLD26からの
量子化レベルを逆量子化して係数データを得る逆量子化
器27と、この逆量子化器27からの係数データを逆離
散コサイン変換して4×4単位のデータに変換する逆離
散コサイン変換回路(IDCT回路)28と、このID
CT回路28からの4×4単位のデータに対し、デシャ
フリング、データ補間等を行なって再生映像データ(デ
ジタルコンポーネント映像データ)Dvに変換するデブ
ロッキング回路29とを有して構成されている。
【0088】そして、この実施例に係るVTRは、記録
系1におけるブロッキング回路11とFDCT回路12
の間に、ブロッキング回路11から出力されるデータブ
ロック群に対して4×4単位のデータブロックにて構成
される制御データブロックDcBを挿入するための制御
データブロック挿入回路31が挿入接続され、再生系2
におけるIDCT回路28とデブロッキング回路29の
間に、IDCT回路28から出力されるデータブロック
群から4×4単位のデータブロックにて構成される制御
データブロックDcBを抽出するための制御データブロ
ック抽出回路41が挿入接続されて構成されている。
【0089】上記記録系1における制御データブロック
挿入回路31は、外部からの制御データDcが入力され
る入力端子φ1と、この入力端子φ1に供給された制御
データDcを所定期間保持するメモリ32と、このメモ
リ32から読み出された制御データDcの内容に対応す
る制御データブロックDcBを出力するデータブロック
変換回路33と、ブロッキング回路11とFDCT回路
12の信号ライン間に挿入接続され、上記データブロッ
ク変換回路33からの制御データブロックDcBを信号
ラインに供給する挿入回路34を有して構成されてい
る。
【0090】上記メモリ32は、入力端子φ1に供給さ
れた制御データDcを順次保持し、この保持している制
御データDcをタイミング発生回路18からの読出しク
ロックに基づいて順次後段のデータブロック変換回路3
3に出力する。タイミング発生回路18からの読出しク
ロックは、垂直ブランキング期間のうち、磁気テープT
に記録される有効な水平走査線(記録ライン)が出現す
るタイミングで出力される。
【0091】具体的には、ブロッキング回路11におけ
るブロッキング処理にフィールドメモリを用いた場合、
例えば625システムにおいては、図3(a)及び図5
に示すように、垂直ブランキング期間における記録ライ
ンが、奇数フィールドについて、7,8,9・・・であ
り、偶数フィールドについて、320,321,322
・・・となっている。また、525システムの場合は、
図3(b),図4及び図6に示すように、垂直ブランキ
ング期間における記録ラインが、奇数フィールドについ
て、10,11,12・・・であり、偶数フィールドに
ついて、273,274,275・・・となっている。
【0092】また、1つの制御データDcに対して、4
×4単位の制御データブロックDcBに変換されること
から、上記読出しクロックの最初の出力は、625シス
テムの場合、奇数フィールドにおいては、まず、図5に
示すように、7ライン目にて1つのクロックを出力し、
その後、この7ラインが終了するまで、4画素読み出す
毎に1つのクロックを出力する。
【0093】上記7ライン目が終了した後は、次に、1
1ライン目にて1つのクロックを出力し、以下同様に、
この11ラインが終了するまで、4画素読み出す毎に1
つのクロックを出力する。
【0094】このように、読出しクロックの出力タイミ
ングを制御することにより、最初に入力された制御デー
タDcがデータブロック変換回路33にて対応する4×
4のデータブロックに変換され、後段の挿入回路34に
おいて、上記変換されたデータブロックが、7ライン目
における最初の4画素を水平方向とし、7ライン目から
10ライン目までの4つの画素を垂直方向とする4×4
の制御データブロックDcBとして挿入される。
【0095】そして、2番目に入力された制御データD
cが、上記と同様にして、対応するデータブロックに変
換されて、7ライン目における5〜8画素を水平方向と
し、7ライン目から10ライン目までの4つの画素を垂
直方向とする4×4の制御データブロックDcBとして
挿入される。以下同様に、3番目以降の制御データDc
が順次対応する4×4のデータブロックに変換されて垂
直ブランキング期間における記録ラインの所定の制御デ
ータブロックDcBとして挿入される。
【0096】7ライン目を1行目とする制御データブロ
ックDcBの挿入が終了した後、今度は、11ライン目
を1行目とする制御データブロックDcBが制御データ
Dcの供給に従って順次挿入される。以下同様に、当該
ラインを1行目とする制御データブロックDcBの挿入
が終了した後は、順次4ライン飛びに、制御データブロ
ックDcBが挿入されていくことになる。
【0097】一方、偶数フィールドにおいては、320
ライン目にて1つのクロックを出力し、その後、この3
20ラインが終了するまで、4画素読み出す毎に1つの
クロックを出力する。
【0098】上記320ライン目が終了した後は、次
に、324ライン目にて1つのクロックを出力し、以下
同様に、この324ラインが終了するまで、4画素読み
出す毎に1つのクロックを出力する。
【0099】このように、読出しクロックの出力タイミ
ングを制御することにより、最初に入力された制御デー
タがデータブロック変換回路33にて対応する4×4の
データブロックに変換され、後段の挿入回路34におい
て、上記変換されたデータブロックが、320ライン目
における最初の4画素を水平方向とし、320ライン目
から323ライン目までの4つの画素を垂直方向とする
4×4の制御データブロックDcBとして挿入される。
【0100】そして、2番目に入力された制御データD
cが、上記と同様にして、対応するデータブロックに変
換されて、320ライン目における5〜8画素を水平方
向とし、320ライン目から10ライン目までの4つの
画素を垂直方向とする4×4の制御データブロックDc
Bとして挿入される。以下同様に、3番目以降の制御デ
ータが順次対応する4×4のデータブロックに変換され
て垂直ブランキング期間における記録ラインの所定の制
御データブロックDcBとして挿入される。
【0101】320ライン目を1行目とする制御データ
ブロックDcBの挿入が終了した後、今度は、324ラ
イン目を1行目とする制御データブロックDcBが制御
データの供給に従って順次挿入される。以下同様に、当
該ラインを1行目とする制御データブロックDcBの挿
入が終了した後は、順次4ライン飛びに、制御データブ
ロックDcBが挿入されていくことになる。
【0102】なお、525システムについては、図6に
示すように、奇数フィールドが10ラインから始まり、
偶数フィールドが273ラインから始まる点で異なるほ
かは、上記625システムと同じである。
【0103】また、ブロッキング回路11におけるブロ
ッキング処理において、フレームメモリを用いた場合
は、図7に示すように、奇数フィールドの画素データと
偶数フィールドの画素データがすべてフレームメモリに
展開されるため、例えば525システムにおいては、1
0ライン目にて1つのクロックを出力し、その後、この
10ラインが終了するまで、4画素読み出す毎に1つの
クロックを出力する。
【0104】上記10ライン目が終了した後は、次に、
12ライン目にて1つのクロックを出力し、以下同様
に、この12ラインが終了するまで、4画素読み出す毎
に1つのクロックを出力する。
【0105】このように、読出しクロックの出力タイミ
ングを制御することにより、最初に入力された制御デー
タDcがデータブロック変換回路33にて対応する4×
4のデータブロックに変換され、後段の挿入回路34に
おいて、上記変換されたデータブロックが、10ライン
目における最初の4画素を水平方向とし、10,27
3,11及び274ラインにおける4つの画素を垂直方
向とする4×4の制御データブロックDcBとして挿入
される。
【0106】そして、2番目に入力された制御データD
cが、上記と同様にして、対応するデータブロックに変
換されて、10ライン目における5〜8画素を水平方向
とし、10,273,11及び274ラインにおける4
つの画素を垂直方向とする4×4の制御データブロック
DcBとして挿入される。以下同様に、3番目以降の制
御データDcが順次対応する4×4のデータブロックに
変換されて垂直ブランキング期間における記録ラインの
所定の制御データブロックDcBとして挿入される。
【0107】10ライン目を1行目とする制御データブ
ロックDcBの挿入が終了した後、今度は、12ライン
目を1行目とする制御データブロックDcBが制御デー
タDcの供給に従って順次挿入される。以下同様に、当
該ラインを1行目とする制御データブロックDcBの挿
入が終了した後は、順次4ライン飛びに、制御データブ
ロックが挿入されていくことになる。
【0108】上記例は、4×4単位のデータブロックに
変換する例を示したが、その他、8×8単位の制御デー
タブロックDcBに変換する場合もある。この8×8単
位の制御データブロックDcBに関しては、上記例にお
いて、8×8単位の制御データブロックとして挿入され
るほかは、上記例と同じであるため、その図示及び説明
は省略する。
【0109】一方、再生系2における制御データブロッ
ク抽出回路41は、IDCT回路28とデブロッキング
回路29の信号ライン間に挿入接続され、IDCT回路
28からのデータブロック群のうち、垂直ブランキング
期間における制御データブロックDcBを抽出する抽出
回路42と、この抽出回路42からの制御データブロッ
クDcBの内容に対応する制御データDcを出力するデ
ータ変換回路と、このデータ変換回路42からの制御デ
ータDcを所定期間保持するメモリ44とを有して構成
されている。このメモリ44から読み出された制御デー
タDcは出力端子φ2を介してシリーズに取り出される
ことになる。
【0110】メモリ44から制御データDcを読み出す
タイミングは、タイミング発生器45からの読出しクロ
ックの入力に基づいて行なわれる。読出しクロックは、
デブロッキング回路29から出力される映像データの出
力タイミング(例えば水平同期信号や垂直同期信号)に
基づいて作成される。
【0111】そして、上記データ変換回路43は、その
内部に変換テーブルが格納されたメモリ(図示せず)を
有する。この変換テーブルは、上記記録系1のデータブ
ロック変換回路33における変数テーブルとその構成が
ほぼ同じとされ、制御データDcのデータ値に対応して
多数の制御データブロックDcBが配列されて構成され
ている。
【0112】そして、このデータ変換回路43にて制御
データブロックDcBを制御データDcに変換する場合
は、変換テーブルに配列登録されている多数の制御デー
タブロックDcBから、抽出回路42から供給された制
御データブロックDcBの内容と一致する制御データブ
ロックDcBを検索し、検索完了時の検索用パラメータ
の値を制御データDcとして出力する。
【0113】データ変換回路43からの制御データDc
は、一旦メモリ44に格納され、垂直ブランキング期間
のうち、対応する記録ラインが再生された段階で出力端
子φ2より取り出される。
【0114】ここで、上記変換テーブルに配列登録され
る制御データブロックDcBの内容について以下に説明
する。
【0115】上記変換テーブルに配列登録される制御デ
ータブロックDcBは、記録系1の再量子化処理におい
て生じる量子化歪みの影響を受けないデータ列が選ばれ
ている。このデータ列は、以下に示す規則に従って作成
される。
【0116】(規則1)制御データブロックDcBを構
成する入力データ(サンプル)の空間面での語長をLi
n、入力データ=復元後のデータを満たすための係数面
の語長をLcoef、再量子化ステップによる再量子化
を行なったときの有効語長をLq、再量子化ステップの
語長をLgとし、語長(Lin+Lg)が語長Lcoe
fと同じである場合、係数データの上記有効語長Lqに
おける値をXn’とし、関係式[X]L を係数面におけ
る最上位ビットからの語長Lにおける値として定義した
とき、入力データXnが以下の関係を示すようにする。
【0117】 [Xn Lin =[Xn ’・2(Lcoef-Lq)Lin
【0118】(規則2)最大の再量子化ステップの係数
面での語長をLgとしたとき、制御データブロックDc
B内の各入力データを全部加算したときの結果がLg倍
になる組合せにする。
【0119】(規則3)最大の再量子化ステップの係数
面での語長をLgとしたとき、制御データブロックDc
B内の各入力データをFDCT変換後の値がLg倍にな
る組合せにする。
【0120】まず、規則1について詳細に説明する。デ
ジタルVTRは、例えば40ブロックを等長化の単位と
しているが、この場合、映像データDvは、再量子化に
よって、全体の歪みとなって上記再量子化の影響を受け
ることになる。そのため、映像そのものが失われること
はないが、単純に映像データDvに該映像データDvと
は異なる例えば制御データDcを付加した場合、この付
加した制御データDcはデータビットそのものに意味が
あるため、上記再量子化による歪みによって、内容が全
て失われることになる。従って、最悪のケースでは、上
記制御データDcの1ビットさえもそのまま伝送できな
いことになる。
【0121】しかしながら、デジタルVTR、特に、そ
のFDCT変換等の直交変換を用いたビットレートリダ
クションにおいては、DC係数を特別扱いにし、上記の
ような条件にあるのはAC係数のみである。これは、D
C係数に冗長度が多く含まれるのに対し、重要な情報で
あるにも拘らずDC係数にはほとんど含まれないからで
ある。上記特別扱いの方法としては、DC係数の量子化
に上限を持たせるのが一般的である。例えば、10ビッ
ト以下には量子化しないなどである。AC係数の量子化
ステップの上限が例えば4ビットとDC係数に比べ非常
に大きいことを考えれば、特別扱いと言える。システム
によっては、上限を設定しない場合も有り得る。
【0122】また、DC係数は、統計的な分布に偏りを
持たないため、可変長符号化を適用しない。可変長符号
化は、統計的な分布の偏りを利用することによって冗長
度を削減する手法だからである。従って、DC係数は、
固定長のデータとして扱う。固定長というのは、可変長
のテーブルによって可変長符号に置き換えないという意
味である。このことは、DC係数の量子化が、ビットシ
フトによるものだけである理由である。このように、量
子化がビットシフトによるものだけということと、DC
係数そのものの生成過程に乗算を含まないことがDC係
数の活用に大きな意味を持つ。
【0123】このことから、DC係数の語長を10ビッ
ト固定とした場合、そのDC10ビット分がデータ伝送
に利用できることになる。具体的には、符号ビットを設
定しない場合は、制御データDcとして、値0〜102
4を伝送することができ、符号ビットを設定した場合
は、値−511〜0〜+511を伝送することができ
る。
【0124】そして、DC係数の取り扱いは、図8に示
すように、DC係数は固定長符号化し、AC係数は可変
長符号化する。この場合、AC係数は再量子化による総
量調整が行なわれて、さらなるデータ圧縮が実現され
る。このとき、AC係数は再量子化によって歪むが、D
C係数は変化しない。
【0125】このようなことから、映像データと異なる
制御データ等の付加データを伝送する場合は、DC係数
を利用することが有効であることがわかる。DC係数を
利用するためには、空間面における同一変換ブロック内
の入力データ(サンプル)を全て同じ値に設定する。図
9に示すように、4×4の16サンプルで1つのDC係
数が利用できる。換言すれば、16サンプルで10ビッ
トのデータを伝送できるということになる。また、入力
8ビットを想定した場合、8ビットの伝送となる。
【0126】映像信号を8ビットの映像データとする場
合において、垂直ブランキング期間中にどの位のデータ
容量の制御データを挿入することができるか、簡単に計
算すると、以下のようになる。
【0127】・16サンプルで8ビット ・YとCが同数のブロックを持つから16ビット ・4ライン中のブロック数=720×4/16 従って、(720×4/16ブロック)×16ビット=
360×8ビット=360バイト
【0128】ところで、DC係数を利用する場合、垂直
ブランキング期間中に挿入されるデータブロックを構成
する16サンプルは全て同じ値でなければならないが、
これは以下の理由による。
【0129】これまで、DC係数を固定長符号として扱
ってきたが、実際は、DC係数もまた再量子化を受けて
いる。ところが、DC係数に限って再量子化によって1
0ビット以下にならないように再量子化ステップに上限
を設けていることと、可変長符号化を掛けずにそのまま
使っていることから固定長符号として説明してきたので
ある。従って、DC係数を利用するとき、再量子化歪み
の影響を受けないために、上記条件、即ち、「データブ
ロックを構成する16サンプルは全て同じ値でなければ
ならない」という条件が必要になる。
【0130】ここで、簡単のため、空間面の同一ブロッ
ク内の入力データ(サンプル)が全て同じ値をとるとき
について説明する。いま、例えば、5回の演算でDC係
数が求まり、更に各演算でダイナミックレンジが2倍に
なるとする。DC係数の量子化の上限が8ビットのとき
の例を図10に示す。
【0131】上記前提のもとでは、演算のたびに2倍で
あるから、下位ビットに0が詰まることになる。そし
て、直交変換による演算の結果、量子化位置まで0が詰
まる、即ち量子化ステップの語長分0が詰まると、後の
再量子化による歪みは生じないものとなる。
【0132】その結果、再生系におけるIDCT回路で
の演算において、量子化歪みの積み重なりは生じなくな
り、入力データ(サンプル)が保存されることになる。
【0133】一方、AC係数を利用する場合を図11を
参照しながら説明すると、この場合、量子化がビットシ
フト演算でないため、FDCT変換後の係数データ、特
に量子化位置以下のデータがすべて0になるとは限らな
い。そのため、量子化によって歪みを持つことになり、
IDCT変換の演算のたびに量子化歪みの最大値が2倍
になる。図11の例では、最終的に上位3ビットが利用
できることになる。従って、AC係数を利用する場合
は、再量子化ステップの最悪値がわかっていれば、デー
タ伝送として利用できる係数上のビット数がわかり、同
時に出力で有効となるビット数も判断できる。その結
果、この有効となるビット数を利用しての情報のデータ
伝送が可能となる。
【0134】このように、上記関係式からわかること
は、入力語長Linにおける入力データXnの内容と直
交変換後の係数データの入力語長分の内容Xn’とが一
致していることである。そして、DC係数を利用する場
合は、係数データの入力語長以外の語長分のデータの内
容はすべて0となっていることを示す。即ち、語長(L
coef−Lq)分がすべて0となることを示す。語長
(Lcoef−Lq)は、この場合、再量子化処理にて
使用される再量子化ステップの語長を示すもので、再量
子化処理にて上記係数データをこの再量子化ステップで
除算したとしても、そのまま入力語長分の係数データが
量子化レベル(整数値)としてまるめられ、再量子化に
よる歪みは生じないことになる。
【0135】また、AC係数を利用する場合は、ある程
度の歪は受けるが、必要な出力精度以下の歪みであるた
め、その後の再量子化処理にて上記係数データをこの再
量子化ステップで除算したとしても、そのまま入力語長
分の係数データが量子化レベル(整数値)としてまるめ
られ、再量子化による歪みは生じないことになる。
【0136】このことから、DC係数を利用した場合及
びAC係数を利用した場合において、上記規則1にて作
成されたデータブロックを制御データブロックDcBと
して映像データの垂直ブランキング期間に挿入したとし
ても、その後の再量子化処理にて量子化歪みによる影響
を受けるということがなくなる。これは、磁気テープT
に記録した圧縮映像データdvを復号化して元の映像デ
ータDvに復元させる際に、量子化歪みに基づく制御デ
ータブロックDcBの破壊(波形歪み)は生じないとい
うことを示すものであり、復元後の映像データDvから
データ内容がそのまま保持された制御データDcを取り
出すことができることにつながる。
【0137】次に、規則2について詳細に説明する。こ
の規則2については、DC係数を利用する場合におい
て、入力語長Linと語長Lgとを加算した語長が、語
長Lcoefよりも大きい場合に有効となる。
【0138】具体的に、まず、入力語長Linと語長L
gとを加算した語長が、語長Lcoefよりも大きい場
合の不都合点について図12(a)及び(b)に基づい
て説明する。
【0139】前提として、図12(a)に示すように、
FDCT変換によってDC係数が求まった段階で、DC
係数の下位5ビットに0が詰まった場合を想定する。そ
して、この場合の量子化位置が下位7ビット目にあると
き、即ち、量子化ステップの語長が7ビットであると
き、その後の再量子化処理にて、DC係数を再量子化ス
テップにて除算した場合、DC係数における有効語長の
下位2ビットを除算してしまい、量子化歪みを生じさせ
ることになる。
【0140】この場合、再生系のIDCT変換におい
て、上記再量子化による歪みが、図12(a)中、斜線
で示すように順次積み重なってしまい、情報を効率よく
送れないという問題が生じる。この例では、1ビットの
みしか送れないことになり実用的でない。
【0141】そこで、この規則2においては、再量子化
ステップの語長をLgとしたとき、変換ブロック内の1
6サンプルを全て加算したときの結果が、Lg倍になる
組合せとする。
【0142】この組合せを簡単に実現させる一手法とし
ては、サンプルに所定の桁数ほど0を挿入する方法があ
る。この手法は、サンプルに所定の桁数ほど0を挿入す
ることによって、疑似的に規則1を満足させる方法であ
る。上記所定の桁数は、語長(Lin+Lg)−語長L
coefにて求めることができる。
【0143】この方法によれば、例えば所定の桁数が2
の場合、図12(b)に示すように、予め入力データの
下位2ビットに0が挿入されたデータとなり、その後の
FDCT変換(5回の演算を想定)によって、DC係数
データの下位7ビット全てに0が詰まることになる。即
ち、量子化位置まで0が詰まることになり、その後の再
量子化によって歪みは生じなくなる。
【0144】このように、制御データブロックDcB内
の各入力データを全部加算したときの結果が2Lg倍に
なる組合せとなるようにした場合、係数データの下位ビ
ットに0が挿入されることになり、疑似的に再量子化ス
テップレベルの語長分0が並ぶことになる。その結果、
再量子化処理にて上記係数データをこの再量子化ステッ
プで除算したとしても、そのまま係数データが量子化レ
ベル(整数値)としてまるめられ、再量子化による歪み
は生じないことになる。
【0145】次に、規則3について詳細に説明する。こ
の規則3においては、AC係数を利用する場合におい
て、特に、入力データの語長Linに対して最大量子化
ステップの語長Lgが1桁多い場合に有効となる。
【0146】具体的に、入力データの語長Linに対し
て最大量子化ステップの語長Lgが1桁多い場合におい
ては、そのまま係数データを最大量子化ステップで除算
して再量子化を行なった場合、再量子化による歪みが生
じることになる。そこで、変換関数の基底を利用して係
数面上の再量子化ステップに対する桁上げをおこなうよ
うな入力データ(サンプル)の組合せを選ぶことで、結
果的に規則1の条件を満足させるようにする。
【0147】4×4単位のデータブロックに対するFD
CT変換関数の基底は、以下の行列式で表わされる。
【0148】
【数5】
【0149】以下、上記規則3を満足する組合せを作成
する手順について説明する。その前提として、簡単のた
めに、最悪ケースの再量子化ステップにより、図13に
示すように、係数データの有効語長Lqが4ビット、最
悪ケースの再量子化ステップの語長Lgが8ビット(図
示せず)である場合を想定して説明する。4ビットの内
訳は、この場合、−4,−3,−2,−1,0,1,
2,3,4である。なお、制御データブロックの各入力
データ(サンプル)の語長Linは10ビットであり、
係数データブロックの各係数データの語長Lcoefは
12ビットである。
【0150】上記4ビットの内訳のうち、4,−4は、
変換全体が1箇所に集まったときに作られるDC係数の
場合であるため、結果的に−3〜3で総当たりの係数の
組合せ(第1の組合せ)を作って、図13に示すよう
に、逆変換(IDCT変換)する。もちろん、上記4及
び−4を含めた第1の組合せを作るようにしてもよい。
【0151】そして、上記第1の組合せの中から空間面
で−1,0,1(データ値としては、−256,0,+
256である)による組合せになるものを選ぶ(第2の
組合せ)。その後、この第2の組合せをFDCT変換
し、得られた係数面上での組合せと第1の組合せとが全
く同じになる組合せを選ぶ(第3の組合せ)。そして、
この第3の組合せをIDCT変換して求めたものが、規
則3を満足する入力データ(サンプル)の組合せとな
る。
【0152】具体的な組合せの例を図14〜図18に示
す。529組あるため、制御データDcとして、約9ビ
ット分の情報を割り当てることができる。つまり、制御
データDcの値として、符号ビットを設定しない場合
は、例えば0〜528を用いることができ、符号ビット
を設定した場合は、例えば−264〜0〜263を用い
ることができる。
【0153】そして、上記組合せによるデータブロック
を制御データブロックDcBとして用いれば、FDCT
変換において桁上がりが生じることになる。
【0154】上記規則3に従った制御データブロックD
cBによれば、FDCT変換の際に、桁上がりが生じる
ため、最大の再量子化ステップの語長Lgが入力語長L
inよりも大きい場合においても、ある程度の歪は受け
るが、必要な出力精度以下の歪みであるため、その後の
再量子化処理にて上記係数データをこの再量子化ステッ
プで除算したとしても、そのまま係数データが量子化レ
ベル(整数値)としてまるめられ、再量子化による歪み
は生じないことになる。
【0155】次に、再生系2の動作について簡単に説明
する。まず、上記記録系1によって磁気テープTに記録
された圧縮映像データdvが再生用磁気ヘッド21にて
再生され、その後、VLD26にて復号化処理されて量
子化レベルに変換される。その後、逆量子化回路27に
おいて、上記量子化レベルに対し、逆量子化処理が行な
われて係数データブロックが得られる。この係数データ
ブロックは、後段のIDCT回路28にてIDCT変換
されて映像データブロックに変換される。
【0156】その後、通常は、上記映像データブロック
が後段のデブロッキング回路29にてそのブロックがほ
どかれることになるが、本実施例においては、IDCT
変換回路28からの映像データブロック、特に垂直ブラ
ンキング期間に対応する部分に挿入されている制御デー
タブロックを抽出回路42にて抽出する。
【0157】この場合、垂直ブランキング期間に対応す
る部分に挿入されている制御データブロックDcBが、
上記記録系1における制御データブロック挿入回路31
によって量子化歪みの影響を受けないデータ列にて構成
されて挿入されるようになっているため、IDCT変換
回路28でのIDCT変換を実行するための演算処理の
たびに量子化歪みが積み重なるということがなく、挿入
した状態のデータ内容がそのまま維持されて抽出される
ことになる。
【0158】抽出回路42で抽出された制御データブロ
ックDcBは、制御データ変換回路43に供給されて、
該制御データ変換回路43において、変換テーブルに配
列登録されている多数のデータブロック中、抽出された
制御データブロックDcBに対応する制御データDcが
選択される。この変換テーブルに配列登録されている多
数のデータブロックは、記録系1における制御データブ
ロック変換回路33のメモリ(図示せず)内に格納され
た変換テーブルと同じデータブロックが配列登録されて
いる。即ち、上記多数のデータブロックは、量子化歪み
の影響を受けないデータ列にて構成されるように、上述
した規則1,規則2又は規則3に従って作成されてい
る。
【0159】そして、上記制御データブロック抽出回路
41におけるデータ変換回路43から上記抽出された制
御データブロックDcBに対応した制御データDcが出
力されることになる。この制御データDcは記録系1に
おける制御データブロック挿入回路31に入力された制
御データDcの内容と同じかそれと関連するデータ内容
となっている。
【0160】このように、記録系1における制御データ
ブロック挿入回路31において垂直ブランキング期間に
挿入した制御データブロックDcBがデータ破壊を受け
ることなくそのままの状態で再生系2における制御デー
タブロック抽出回路41にて取り出されることになり、
これは、記録系1において垂直ブランキング期間のタイ
ミングで挿入した制御データDcが、データ圧縮処理に
て破壊されることなく、データ内容が維持された状態で
再生系2にて読み出されることになることと等価とな
る。
【0161】上述のように、この実施例に係るデジタル
VTRによれば、変換符号化によるビットリダクション
を行なう場合において、例えば垂直ブランキング期間中
に映像信号以外の情報信号(制御信号等)を付加してそ
のまま変換符号化処理に通しても、情報信号の内容が破
壊されることがなく、従って、画像情報のほかに、上記
制御信号等の画像情報以外の情報を伝送・蓄積すること
ができ、デジタルVTRの多機能化を促進させることが
できる。
【0162】上記例は、制御データブロックDcBを垂
直ブランキング期間に対応する位置に挿入した例を示し
たが、その他水平ブランキング期間に対応する位置に挿
入するようにしてもよい。
【0163】上記例は、記録系1において作成された圧
縮映像データdvを磁気テープTに記録し、この記録さ
れた圧縮映像データdvを再生系2にて再生して元の映
像信号Svに復元させるデジタルVTRに適用した例を
示したが、その他、圧縮映像データdvを光ファイバ等
の通信路を通して伝送し、伝送された圧縮映像データd
vを元の映像信号Svに復元するデータ通信装置にも適
用することができる。
【0164】この場合、通信路符号化処理を行なうEC
Cエンコーダ15と通信路復号化処理を行なうECCデ
コーダ25の各符号化処理及び復号化処理の変換パラメ
ータを、使用される通信路の特性に合わせて作成すれば
よい。
【0165】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る信号処理シ
ステムによれば、符号化処理装置におけるデータ圧縮処
理回路の変換符号化処理の前段に、映像データの無効画
像表示期間(例えば垂直ブランキング期間又は水平ブラ
ンキング期間)に対応する部分に量子化歪みを受けない
データ列で構成された制御用情報を挿入する制御用情報
挿入回路を接続し、復号化処理装置におけるデータ伸長
処理回路の変換復号化処理の後段に、上記制御用情報を
抽出する制御用情報抽出回路を接続するようにしたの
で、変換符号化によるビットリダクションを行なう画像
システムにおいて、例えば垂直ブランキング期間中に映
像信号以外の情報信号(制御信号等)を付加してそのま
ま変換符号化処理に通しても、情報信号の内容が破壊さ
れることがなく、画像情報のほかに、上記制御信号等の
画像情報以外の情報を伝送・蓄積することができ、画像
システムの多機能化を促進させることができる画像情報
のほかに、上記制御信号等の画像情報以外の情報を伝送
・蓄積することができ、画像システムの多機能化を促進
させることができる。
【0166】また、本発明に係る信号処理システムは、
上記構成において、上記符号化処理装置におけるデータ
圧縮処理回路を、上記映像データを所定のブロック単位
に分割するブロッキング回路と、このブロッキング回路
からのデータブロックを直交変換して係数データブロッ
クに変換する直交変換回路と、この直交変換回路からの
係数データブロックに対し、再量子化処理を行なって量
子化レベルを得る再量子化処理回路と、この再量子化処
理回路からの量子化データブロックをエントロピー符号
化処理して圧縮映像データとするエントロピー符号化回
路とを設けて構成し、上記制御用情報挿入回路を、ブロ
ッキング回路と直交変換回路との間に挿入接続するよう
にしたので、ブロッキング回路からのデータブロック
(映像情報)は、その後の再量子化処理によって歪みを
受けることになるが、制御用情報挿入回路からのデータ
ブロック(制御用情報)は、量子化歪みを受けないデー
タ列で構成されているため、その後の再量子化処理にお
いて歪みを受けることがなく、データの内容が破壊され
るということがない。
【0167】従って、上記圧縮映像データ中、映像情報
に関するデータ成分は、先の再量子化処理及びエントロ
ピー符号化処理によって十分に圧縮された形で伝送・蓄
積されるが、制御用情報に関するデータ成分は、データ
の内容が保持されたまま伝送・蓄積されることになる。
【0168】また、本発明に係る信号処理システムは、
上記構成において、上記制御用情報挿入回路を、所定の
規則に基づいて作成された多数のデータブロックが制御
データの内容に対応させて配列登録された変換テーブル
を有し、この変換テーブルにおける上記多数のデータブ
ロック中、入力される制御データの内容に対応したデー
タブロックを選択して、制御データブロックとして出力
するデータブロック変換回路を設けるようにしたので、
上記ブロッキング回路からのデータブロック(映像情
報)は、その後の再量子化処理によって歪みを受けるこ
とになるが、制御用情報挿入回路からのデータブロック
(制御用情報)は、量子化歪みを受けないデータ列で構
成されているため、上記再量子化処理において歪みを受
けることがなく、データの内容が破壊されるということ
がない。
【0169】また、本発明に係る信号処理システムは、
上記構成において、上記復号化処理装置における上記デ
ータ伸長処理回路を、上記データ再生手段からの再生デ
ータをエントロピー復号化処理して量子化レベルを得る
エントロピー復号化回路と、上記エントロピー復号化回
路からの量子化レベルに対し、逆量子化処理を行なって
係数データブロックを得る逆量子化回路と、上記逆量子
化回路からの上記係数データブロックを逆直交変換して
映像データブロックに変換する逆直交変換回路と、上記
逆直交変換回路からの上記映像データブロックのブロッ
クをほどいて映像データに復元するデブロッキング回路
とを設けて構成し、上記制御用情報抽出回路を、上記逆
直交変換回路とデブロッキング回路との間に挿入接続す
るようにしたので、通常は、上記映像データブロックが
後段のデブロッキング回路にてそのブロックがほどかれ
ることになるが、本発明においては、逆直交変換回路か
らの映像データブロック、特に無効画像表示期間(例え
ば垂直ブランキング期間又は水平ブランキング期間)に
対応する部分に挿入されているデータブロックを制御用
情報抽出回路にて抽出することとなる。この場合、上記
符号化処理装置における制御用情報挿入回路によって量
子化歪みの影響を受けないデータ列にて構成されるよう
になっているため、上記逆直交変換回路での逆直交変換
を実行するための演算処理のたびに量子化歪みが積み重
なるということがなく、挿入した状態のデータ内容がそ
のまま維持されて抽出されることになる。
【0170】また、本発明に係る信号処理システムは、
上記構成において、上記制御用情報抽出回路を、所定の
規則に基づいて作成された多数のデータブロックが制御
データの内容に対応させて配列登録された変換テーブル
を有し、この変換テーブルにおける上記多数の制御デー
タ中、復号化された制御データブロックに対応した制御
データを選択して出力する制御データ変換回路を設ける
ようにしたので、信号変換回路において、変換テーブル
に配列登録されている多数のデータブロック中、抽出さ
れたデータブロックに対応する制御データが選択される
ことになる。この場合、変換テーブルに配列登録されて
いる多数のデータブロックは、量子化歪みの影響を受け
ないデータ列にて構成されるように、上述した所定の規
則に従って作成されているため、制御用情報抽出回路に
おける信号変換回路からデータブロックに対応した制御
データが出力されることになる。
【0171】また、本発明に係る信号処理システムは、
上記構成において、上記所定の規則を、入力データの空
間面での語長をLin、入力データ=復元後のデータを
満たすための係数面の語長をLcoef、再量子化ステ
ップによる再量子化を行なったときの有効語長をLq、
再量子化ステップレベルの語長をLgとし、語長(Li
n+Lg)が語長Lcoefと同じである場合、係数デ
ータの上記有効語長における値をXn’とし、関係式
[X]L を係数面における最上位ビットからの語長Lに
おける値として定義したとき、入力データXnが関係式
[Xn Lin =[Xn ’・2(Lcoef-Lq)Lin を満足す
るようにしたので、上記所定の規則にて作成されたデー
タブロックを制御用情報として映像データの例えば垂直
ブランキング期間に挿入したとしても、その後の再量子
化処理にて量子化歪みによる影響を受けるということが
なくなる。これは、通信路を通して伝送した圧縮映像デ
ータあるいは記録媒体に蓄積した圧縮映像データを復号
化して元の映像データに復元させる際に、量子化歪みに
基づくデータの破壊(波形歪み)は生じないということ
を示すものであり、復元後の映像データからデータ内容
がそのまま保持された制御用情報を取り出すことができ
ることにつながる。
【0172】また、本発明に係る信号処理システムは、
上記構成において、上記所定の規則を、最大の再量子化
ステップレベルの係数面での語長をLgとしたとき、制
御データブロック内の各入力データを全部加算したとき
の結果がLg倍になる組合せとなるようにしたので、特
にDC係数を利用した場合において、係数データの下位
ビットに0が挿入されることになり、疑似的に再量子化
ステップレベルの語長分0が並ぶことになる。その結
果、再量子化処理にて上記係数データをこの再量子化ス
テップレベルで除算したとしても、そのまま係数データ
が量子化レベル(整数値)としてまるめられ、再量子化
による歪みは生じないこととなる。
【0173】また、本発明に係る信号処理システムは、
上記構成において、上記所定の規則を、上記所定の規則
を、最大の再量子化ステップレベルの係数面での語長を
Lgとしたとき、制御データブロック内の各入力データ
を直交変換した後の値がLg倍になる組合せとなるよう
にしたので、特に、AC係数を利用した場合において、
ある程度の歪は受けるが、必要な出力精度以下の歪みで
あるため、その後の再量子化処理にて上記係数データを
この再量子化ステップレベルで除算したとしても、その
まま係数データが量子化レベル(整数値)としてまるめ
られ、再量子化による歪みは生じないことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る信号処理システムを、画像圧縮方
式のデジタルVTRに適用した実施例(以下、単に実施
例に係るVTRと記す)の記録系の構成を示すブロック
図である。
【図2】本実施例に係るVTRの再生系の構成を示すブ
ロック図である。
【図3】本実施例に係るデジタルVTRに入力される映
像信号の垂直ブランキング期間における記録ラインの入
力タイミングを示すタイミングチャートであり、同図
(a)は625システムを示し、同図(b)は525シ
ステムを示す。
【図4】本実施例に係るデジタルVTR(525システ
ムの場合)に入力される映像信号の垂直ブランキング期
間における奇数フィールド及び偶数フィールドでの記録
ラインの入力タイミングを示すタイミングチャートであ
る。
【図5】625システム(フィールドメモリを使用した
場合)での制御データブロックの挿入位置を示す概念図
である。
【図6】525システム(フィールドメモリを使用した
場合)での制御データブロックの挿入位置を示す概念図
である。
【図7】525システム(フレームメモリを使用した場
合)での制御データブロックの挿入位置を示す概念図で
ある。
【図8】AC係数に対する再量子化による総量調整を示
す概念図である。
【図9】空間面における変換ブロック内の16サンプル
に対する直交変換(FDCT)を示す概念図である。
【図10】DCT変換(5回演算)によってDC係数を
求めるまでの加算処理と、DCT変換後のDC係数デー
タの語調Lcoefが有効語調Lqと量子化ステップの
語調Lgを合わせたものである場合の規則1の効果を示
す概念図である。
【図11】再量子化によって量子化歪みが生じた場合の
不都合点を示す概念図である。
【図12】DCT変換(5回演算)後のDC係数データ
の語調Lcoefが、有効語調Lqと量子化ステップの
語調Lgを合わせた語調よりも小さい場合の効果を示す
概念図であり、同図(a)は再量子化にて量子化歪みが
生じた場合の不都合を示し、同図(b)は規則2による
効果を示す概念図である。
【図13】規則3のうち、サンプルが−1,0,1(−
256,0,+256)のみで構成された組合せの作成
手順を示す概念図である。
【図14】規則3のうち、サンプルが−1,0,1(−
256,0,+256)のみで構成された組合せの例を
示す図(その1)である。
【図15】規則3のうち、サンプルが−1,0,1(−
256,0,+256)のみで構成された組合せの例を
示す図(その2)である。
【図16】規則3のうち、サンプルが−1,0,1(−
256,0,+256)のみで構成された組合せの例を
示す図(その3)である。
【図17】規則3のうち、サンプルが−1,0,1(−
256,0,+256)のみで構成された組合せの例を
示す図(その4)である。
【図18】規則3のうち、サンプルが−1,0,1(−
256,0,+256)のみで構成された組合せの例を
示す図(その5)である。
【図19】DCT変換−逆変換(IDCT)における有
効語長のイメージを示す概念図である。
【図20】再量子化ステップによる歪みの出力への影響
のイメージを示す概念図である。
【図21】DCT変換(5回演算)によってDC係数を
求め、量子化・逆量子化の後、逆変換を行なって出力を
得るまでの語調の変化を示す概念図を示し、同図(a)
は全体の流れを示し、同図(b)は再量子化によって量
子化歪みが生じた場合の不都合点を示す。
【符号の説明】
1 記録系 2 再生系 3 A/D変換器 4 データ圧縮処理回路 5 記録用磁気ヘッド 11 ブロッキング回路 12 FDCT(離散コサイン変換)回路 13 再量子化回路 14 VLC(可変長符号化器) 15 ECCエンコーダ 16 チャンネルエンコーダ 17 情報量制御回路 18 タイミング発生器 21 再生用磁気ヘッド 22 データ伸長処理回路 23 D/A変換器 24 チャンネルデコーダ 25 ECCデコーダ 26 VLD(可変長復号化器) 27 逆量子化回路 28 IDCT(逆離散コサイン変換)回路 29 デブロッキング回路 31 制御データブロック挿入回路 32 メモリ 33 データブロック変換回路 34 挿入回路 41 制御データブロック抽出回路 42 抽出回路 43 データ変換回路 44 メモリ 45 タイミング発生器
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 7/083 7/087 7/088 7/084 7/085 7/30 H04N 7/093 7/133 Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された映像データに対して変換符号
    化処理を施して上記映像データをデータ圧縮処理するデ
    ータ圧縮処理回路を有し、該データ圧縮処理回路からの
    圧縮映像データを伝送・蓄積する符号化処理装置と、 伝送・蓄積された映像信号に関する上記圧縮映像データ
    に対して変換復号化処理を施して上記圧縮映像データを
    元の映像データに復元するデータ伸長処理回路を有する
    復号化処理装置とを具備した信号処理システムにおい
    て、 上記符号化処理装置における上記データ圧縮処理回路の
    変換符号化処理の前段に、上記映像データの無効画像表
    示期間に対応する部分に量子化歪みを受けないデータ列
    で構成された制御用情報を挿入する制御用情報挿入回路
    が接続され、 上記復号化処理装置における上記データ伸長処理回路の
    変換復号化処理の後段に、上記制御用情報を抽出する制
    御用情報抽出回路が接続されていることを特徴とする信
    号処理システム。
  2. 【請求項2】 上記符号化処理装置における上記データ
    圧縮処理回路は、上記映像データを所定のブロック単位
    に分割するブロッキング回路と、 上記ブロッキング回路からのデータブロックを直交変換
    して係数データブロックに変換する直交変換回路と、 上記直交変換回路からの上記係数データブロックに対
    し、再量子化処理を行なって量子化レベルを得る再量子
    化処理回路と、 上記再量子化処理回路からの量子化レベルをエントロピ
    ー符号化処理して上記圧縮映像データとするエントロピ
    ー符号化回路とを有して構成され、 上記制御用情報挿入回路は、上記ブロッキング回路と上
    記直交変換回路との間に挿入接続されていることを特徴
    とする請求項1記載の信号処理システム。
  3. 【請求項3】 上記制御用情報挿入回路は、所定の規則
    に基づいて作成された多数のデータブロックが制御デー
    タの内容に対応させて配列登録された変換テーブルを有
    し、この変換テーブルにおける上記多数のデータブロッ
    ク中、入力される制御データの内容に対応したデータブ
    ロックを選択して、制御データブロックとして出力する
    データブロック変換回路を有することを特徴とする請求
    項2記載の信号処理システム。
  4. 【請求項4】 上記復号化処理装置における上記データ
    伸長処理回路は、上記圧縮映像データをエントロピー復
    号化処理して量子化レベルを得るエントロピー復号化回
    路と、 上記エントロピー復号化回路からの量子化レベルに対
    し、逆量子化処理を行なって係数データブロックを得る
    逆量子化回路と、 上記逆量子化回路からの上記係数データブロックを逆直
    交変換して映像データブロックに変換する逆直交変換回
    路と、 上記逆直交変換回路からの上記映像データブロックのブ
    ロックをほどいて映像データに復元するデブロッキング
    回路とを有して構成され、 上記制御用情報抽出回路は、上記逆直交変換回路とデブ
    ロッキング回路との間に挿入接続されていることを特徴
    とする請求項1記載の信号処理システム。
  5. 【請求項5】 上記制御用情報抽出回路は、所定の規則
    に基づいて作成された多数のデータブロックが制御デー
    タの内容に対応させて配列登録された変換テーブルを有
    し、この変換テーブルにおける上記多数の制御データ
    中、復号化された制御データブロックに対応した制御デ
    ータを選択して出力する制御データ変換回路を有するこ
    とを特徴とする請求項4記載の信号処理システム。
  6. 【請求項6】 上記所定の規則は、入力データの空間面
    での語長をLin、入力データ=復元後のデータを満た
    すための係数面の語長をLcoef、再量子化ステップ
    による再量子化を行なったときの有効語長をLq、再量
    子化ステップレベルの語長をLgとし、語長(Lin+
    Lg)が語長Lcoefと同じである場合、係数データ
    の上記有効語長における値をXn’とし、関係式[X]
    L を係数面における最上位ビットからの語長Lにおける
    値として定義したとき、入力データXnが以下の関係を
    示すことを特徴とする請求項3又は5記載の信号処理シ
    ステム。 [Xn Lin =[Xn ’・2(Lcoef-Lq)Lin
  7. 【請求項7】 上記所定の規則は、最大の再量子化ステ
    ップレベルの係数面での語長をLgとしたとき、制御デ
    ータブロック内の各入力データを全部加算したときの結
    果がLg倍になる組合せであることを特徴とする請求項
    3又は5記載の信号処理システム。
  8. 【請求項8】 上記所定の規則は、最大の再量子化ステ
    ップレベルの係数面での語長をLgとしたとき、制御デ
    ータブロック内の各入力データを直交変換した後の値が
    Lg倍になる組合せであることを特徴とする請求項3又
    は5記載の信号処理システム。
  9. 【請求項9】 上記無効画像表示期間は、垂直ブランキ
    ング期間であることを特徴とする請求項1記載の信号処
    理システム。
  10. 【請求項10】 上記無効画像表示期間は、水平ブラン
    キング期間であることを特徴とする請求項1記載の信号
    処理システム。
JP18856794A 1994-08-10 1994-08-10 信号処理システム Expired - Fee Related JP3557657B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18856794A JP3557657B2 (ja) 1994-08-10 1994-08-10 信号処理システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18856794A JP3557657B2 (ja) 1994-08-10 1994-08-10 信号処理システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0856331A true JPH0856331A (ja) 1996-02-27
JP3557657B2 JP3557657B2 (ja) 2004-08-25

Family

ID=16225952

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18856794A Expired - Fee Related JP3557657B2 (ja) 1994-08-10 1994-08-10 信号処理システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3557657B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002051344A (ja) * 2000-08-07 2002-02-15 Sony Corp デジタル画像信号処理装置および方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002051344A (ja) * 2000-08-07 2002-02-15 Sony Corp デジタル画像信号処理装置および方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3557657B2 (ja) 2004-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0519962B1 (en) Digital image coding using a random scanning of image frames
US7411526B2 (en) Variable length coding method and variable length decoding method
EP0580454B1 (en) Coding and decoding of digital data
JP3205498B2 (ja) 連続画像の符号化方法及び復号化方法
JP3298915B2 (ja) 符号化装置
US6990247B2 (en) Multiple coder technique
US7016545B1 (en) Reversible embedded wavelet system implementation
JP2955363B2 (ja) 画像データを符号化するための方法
US6157741A (en) Image processing apparatus and image processing method
JPH077731A (ja) 画像デ−タの順序付けとフォ−マッティング及び部分的画像の再構成
JP2001136526A (ja) 画像処理方法及びその装置及び記憶媒体
EP0671816A1 (en) High efficiency encoding/decoding device
US5694127A (en) Method and apparatus for efficiently generating variable length code data
US5995171A (en) Coding and/or decoding apparatus for decoding variable-length coded image information
GB2325584A (en) Reversible embedded wavelet transform system implementation
JP2000244922A (ja) 画像データ圧縮方法
US5793428A (en) Self-encoded deltas for digital video data transmission
JP2723867B2 (ja) 画像信号復号化装置
JP3557657B2 (ja) 信号処理システム
JP3392949B2 (ja) 画像圧縮装置および画像伸張装置
JP2789585B2 (ja) 高能率符号化装置
JP2627927B2 (ja) 画像データの圧縮率変換方法
KR100530745B1 (ko) 고해상도 영상신호를 저해상도 디스플레이 장치에 디스플레이하는 디스플레이 방법
JP2985586B2 (ja) 記録再生装置
JP3186509B2 (ja) 画像情報圧縮方法、画像情報記録方法、画像情報圧縮装置、画像情報記録装置、画像情報伸長装置、画像情報再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040427

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040510

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080528

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090528

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees