JPH08553B2 - 車輌用前照灯の照射角修正装置 - Google Patents

車輌用前照灯の照射角修正装置

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JPH08553B2
JPH08553B2 JP61314344A JP31434486A JPH08553B2 JP H08553 B2 JPH08553 B2 JP H08553B2 JP 61314344 A JP61314344 A JP 61314344A JP 31434486 A JP31434486 A JP 31434486A JP H08553 B2 JPH08553 B2 JP H08553B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明車輌用前照灯の照射角修正装置を以下の項目に
従って説明する。
A.産業上の利用分野 B.発明の概要 C.従来技術 a.一般的背景[第14図乃至第17図] b.従来の車輌用前照灯の照射角修正装置 D.発明が解決しようとする問題点[第15図] E.問題点を解決するための手段 F.実施例[第1図乃至第13図] a.前照灯の照射角修正装置の概要[第1図、第2図、第
6図、第8図、第13図] b.車体傾斜検知器[第2図乃至第5図] b−1.ケース[第3図乃至第5図] b−2.ジンバル[第2図乃至第5図] b−3.モータ、回転体[第2図乃至第5図] b−4.ポテンショメータ[第2図乃至第5図] b−5.動作 c.前照灯装置[第6図乃至第12図] c−1.ランプボディ、反射鏡[第6図乃至第8図] c−2.制御用レンズ、連結体[第8図、第9図] c−3.バルブ[第6図、第8図乃至第11図] c−4.配光[第11図、第12図] c−5.上下傾動手段[第6図乃至第8図] c−5−a.ランプボディの車体に対する支持 c−5−b.モータ、傾動角検出器 c−5−c.動作 c−6.左右傾動手段[第8図、第9図] c−6−a.構成 c−6−b.動作 d.速度検出手段[第13図] d−1.構成 d−2.動作 e.照射角制御部[第1図] f.動作速度制御部[第1図] g.照射角修正動作 G.発明の効果 (A.産業上の利用分野) 本発明は新規な車輌用前照灯の照射角修正装置に関す
る。詳しくは、例えば、二輪自動車等進行方向を変更す
るときは車体を左右に傾けることを要する車輌の前照灯
の照射角修正装置に関するものであり、少なくとも、車
体が左右に傾くことにより生ずる照射角の左右方向に対
する傾きを自動的に修正することができると共に、その
修正の速度をそのときの車体の走行速度に応じて変更す
ることができるようにし、それによって、前照灯の照射
角の修正をそのときどきの走行速度等に応じた最も望ま
しい動作速度で行なうことができるようにした新規な車
輌用前照灯の照射角修正装置を提供しようとするもので
ある。
(B.発明の概要) 本発明車輌用前照灯の照射角修正装置は、進行方向を
変更するときは車体を左右に傾けることを要する車輌に
設けられる前照灯の照射角修正装置において、車体の傾
斜を検知する車体傾斜検知手段と車体の走行速度を検出
する速度検出手段を設けると共に前照灯の照射角を変更
する照射角変更手段を上記車体傾斜検知手段からの信号
により駆動し、かつ、照射角変更手段の動作速度を前記
速度検出手段からの信号により変更しながら前照灯の照
射角の傾きを修正するようにし、それによって、前照灯
の照射角の修正をそのときどきの走行速度等に応じた最
も望ましい動作速度で行なうことができるようにしたも
のである。
(C.従来技術) (a.一般的背景)[第14図乃至第17図] 車輌用灯具には当該灯具が果すべき照明機能に応じた
所定の配光が為されることが要求され、例えば、自動車
用の前照灯における所謂すれ違い用ビームの配光は、通
常、第14図に示す配光aのような配光であることが要求
される。尚、b、bは路肩、cはセンターライン、dは
走行車線、eは対向車線である。
尚、同図及びその他の配光を示す図において、V−V
は走行路に垂直な垂直線、H−Hは水平線である。
ところで、自動二輪車等の二輪車輌はカーブした走行
路を通過するときや所謂進路変更を行なうとき、即ち、
進行方向を変更するときは、車体に生ずる遠心力に抗す
るために車体を左右方向に傾けて走行することになるの
で、この車体の傾きに伴なって前照灯装置も同じ方向へ
傾くことになり、このため、前照灯装置による配光、例
えば、前記配光aが左右方向に傾くことになる。
即ち、二輪車輌が、例えば、第15図に示すような左に
カーブした道路を太い実線矢印で示すように通過すると
きは、少なくともカーブに入る直前のA地点から運転者
がその重心を移動して車体を第16図に2点鎖線で示すよ
うに左に角度α傾けることになり、車体がこのように左
に傾くと、前照灯装置による配光も第17図に実線で示す
配光fのように左下がりに傾くことになる。また、第17
図に2点鎖線で示すような右にカーブした道路を通過す
るときは、車体を第16図に1点鎖線で示すように右に角
度β傾けることになり、これによって、前照灯装置によ
る配光も第17図に2点鎖線で示す配光gのように右下が
りに傾くことになる。
そして、前照灯装置による配光が前記配光fのように
左下がりに傾くと、その配光は走行車線に対してはより
手前の地点を照明することになるため良好な視界を得ら
れないことになると共に、対向車線に対しては水平線H
−Hより高いところを照明することになるため対向車に
眩感を与えることになり、また、前照灯装置による配光
が前記配光gのように右下がりに傾いた場合も、その配
光は走行車線に対してより手前の地点を照明することに
なるため良好な視界を得られないことになる。
(b.従来の車輌用前照灯の照射角修正装置) そこで、従来から、二輪車輌の車体の左右の傾きを検
知すると共に車体が傾いたときは照射角を規定する部材
の姿勢を補正して配光の傾きを補正するようにすること
が提案されており、例えば、特公昭56−18430号公報に
示されたものがある。これは、光学ブロック(前照灯ユ
ニット)の反射鏡及び制御用レンズ等をライト用ケーシ
ング内においてその光軸の軸回り方向へ回転自在なるよ
うに支持すると共に、車体が左右に傾くことにより車体
に対して傾動する重力体の動きにより反射鏡及び制御用
レンズ等を回動し、それによって、配光の傾きを補正す
るようにしたものである。
(D.発明が解決しようとする問題点)[第15図] ところで、二輪車輌がカーブした道路を通過するとき
に必要な車体の左右の傾き、即ち、前記した角度α又は
角度βは、上記カーブの回転半径R(第15図参照)の大
きさと車体の走行速度Vによって次式にように規定され
る。
α又は (g=重力加速度) 即ち、走行速度が一定である場合、カーブの回転半径
Rが大きければ、即ち、緩やかなカーブであれば車体に
生ずる遠心力F(第15図参照)がより小さいので車体の
左右の傾きは小さくて済むが、カーブの回転半径Rが小
さければ、即ち、急なカーブであれば、上記遠心力Fが
より大きくなるので車体を左右に大きく傾ける必要があ
り、また、カーブの回転半径が同じである場合、走行速
度が遅ければ車体に生ずる遠心力Fがより小さいので、
車体の左右の傾きは小さくて済むが、走行速度が早けれ
ば早い程上記遠心力Fが大きくなるので車体をより大き
く傾ける必要がある。
従って、車体の左右の傾きが同じであっても走行する
道路のカーブの回転半径の大きさが同じであるとは限ら
ず、また、そのときの走行速度も同じであるとは限らな
い。
一方、車体の左右の傾きが同じであっても、そのとき
の走行速度がより速い場合は走行速度が遅い場合に較べ
てより直線に近い進行方向へ走行していることになり、
しかも、走行速度が速いのであるから前照灯装置による
配光はより遠くを照明する配光であることが望ましく、
従って、配光の傾きの補正はできるだけ速かに為される
ことが好ましい場合が多い。また、逆に、そのときの走
行速度がより遅い場合は走行速度が速い場合に較べてよ
り急なカーブを走行していることになるので前照灯装置
による配光は比較的近いところを照明する配光であるこ
とが望ましく、従って、配光の傾きの補正は比較的ゆっ
くりと為される方が好ましい場合が多い。
即ち、車体が傾くことによって生ずる配光の傾きを補
正する動作速度、即ち、補正応答速度は車体の走行速度
の違いにより速い方が望ましい場合もあれば遅い方が望
ましい場合もある。
しかるに、配光の傾きを補正するめの傾動部材、即
ち、反射鏡やバルブあるいは制御用レンズ等をモータの
回転によって動かす場合、これら傾動部材の動作速度は
モータの回転速度によって一義的に決ることになるた
め、前記補正応答速度が車体の走行速度に係わりなく常
に一定となってしまうことになる。
従って、例えば、車体の前方の直ぐ近くを注意して見
ながら比較的ゆっくりとした走行速度で急なカーブを走
行する場合、車体は左右いずれかに大きく傾くことにな
るが、この場合前記補正応答速度が速すぎるとカーブに
入った途端前照灯装置による配光がより遠くを照明する
配光に補正されて車体の近くの視界が全く利かなくなる
という極めて重大な問題が生ずることになる。また、例
えば、車体の前方の遠くを見ながら比較的速い走行速度
で緩やかなカーブを走行する場合、前記補正応答速度が
遅いとカーブに入っても配光の傾きが直ぐには補正され
ないため、一時遠くの視界が利かない状態になるという
ことが起り得る。
(E.問題点を解決するための手段) 本発明車輌用前照灯の照射角修正装置は、上記した問
題点を解決するために、前照灯にその照射角を変更する
照射角変更手段を設けると共に、車体の傾斜を検知する
車体傾斜検知手段と、走行速度を検出する速度検出手段
と、前記車体傾斜検知手段の検知信号を受けて前記照射
角変更手段を駆動する照射角制御部と、前記速度検出手
段の信号を受けて照射角変更手段の動作速度を変更する
動作速度制御部を設けたものである。
従って、本発明によれば、車体に傾きが生じたときは
前照灯の配光が傾くことになるが、このような場合は車
体の傾きが車体傾斜検知手段により検知されて照射角制
御部によって照射角変更手段が駆動され、それによっ
て、傾いた配光が修正されると共に、その配光の傾きの
修正は、照射角変更手段の動作速度が動作速度制御部に
よって変更されて、そのときどきの走行速度に応じた望
ましい速さでもって行なわれることになる。
(F.実施例)[第1図乃至第13図] 以下に、本発明車輌用前照灯の照射角修正装置の詳細
を添附図面に示した実施例に従って説明する。
尚、図面に示した実施例は、本発明を所謂「ハロゲン
H4ヘッドライトバルブ」と称されるバルブを使用した前
照灯の照射角修正装置に適用したものであり、また、こ
の実施例においては車体の左右方向における傾きのみな
らず、前後方向における傾きをも検知して照射角の上下
方向に対する角度も修正するように構成してある。
先ず、この装置の概要について説明し、その後で車体
傾斜検知器、前照灯装置、照射角制御部及び動作速度制
御部について説明する。
(a.前照灯の照射角修正装置の概要)[第1図、第2
図、第6図、第8図、第13図] 1は前照灯の照射角修正装置であり、該装置1は前照
灯装置2、車体傾斜検知器3、速度検出手段4、照射角
制御部5及び動作速度制御部6から成る。
そして、前照灯装置2は、制御用レンズ7とバルブ8
がこれらの光軸x−xの軸回り方向へ傾動自在なるよう
に支持されたランプボディ9が車体に対して略上下方向
へ傾動自在なるように支持されると共に、ランプボディ
9を傾動させるための第1のモータ10及びランプボディ
9の傾動角を検出するための第1の傾動角検出器11と、
制御用レンズ7とバルブ8とを一体的に連係した連結体
12を回動させるための第2のモータ13及び上記連結体12
の回動角、即ち、制御用レンズ7及びバルブ8の左右方
向における傾動角を検出するための第2の傾動角検出器
14を備えており、上記第1のモータ10が回転することに
より照射角の上下方向における傾きが修正され、また、
第2のモータ13が回転することにより照射角の左右方向
における傾きが修正されるように構成されている。
また、車体傾斜検知器3は、車体が左右方向に傾いて
も左右方向には一定の姿勢を保持する重力体(以下、
「外側ジンバル」と言う。)15と、該外側ジンバル15に
前後方向へ回動自在に支持されたもう一つの重力体(以
下、「内側ジンバル」と言う。)16と、該内側ジンバル
16の軸を常時重力方向に沿うように保持するための回転
体17と、外側ジンバル15と内側ジンバル16との間の角度
差、即ち、車体の前後方向における傾きを検知するため
の第1のポテンショメータ18と、外側ジンバル15と車体
との間の角度差、即ち、車体の左右方向における傾きを
検知するための第2のポテンショメータ19とを備えてお
り、これらによって車体の傾き方向等が検出されるよう
になっている。
そして、照射角制御部5は、車体傾斜検知器3により
検知された車体の傾き信号と所定の基準信号、即ち、車
体がいずれの方向へも傾いていない状態における前記ポ
テンショメータ18、19の端子電圧を同じ値の基準電圧と
を比較して車体の傾き方向に応じた駆動信号を前記第1
のモータ10及び/又は第2のモータ13へ出力してランプ
ボディ9や制御用レンズ7、バルブ8を傾動せしめると
共に、前記第1の傾動角検出器11及び/又は第2の傾動
角検出器14によって検出された傾動角を示す信号が所定
の制御信号、即ち、ランプボディ9や制御用レンズ7、
バルブ8が前照灯装置2の照射角を所定の角度にする位
置まで傾動されたときにおける第1の傾動角検出器11及
び/又は第2の傾動角検出器14の端子電圧と同じ値の基
準電圧と一致したときモータ10及び/又は13に停止指令
を出すように構成されており、また、第1のモータ10、
第2のモータ13の回転速度は速度検出手段4によって検
出された走行速度に応じて動作速度制御部6により変更
されるようになっている。
しかして、車体が前後及び/又は左右に傾くと前照灯
装置2の配光が傾くことになるが、車体がそのように傾
いたときはランプボディ9や制御用レンズ7、バルブ8
が車体の傾き方向に応じた方向へそのときの走行速度に
応じた速さで傾動されて配光の傾きが修正される。
(b.車体傾斜検知器][第2図乃至第5図] 第2図乃至第5図は車体傾斜検知器3を示すものであ
る。尚、第2図は車体傾斜検知器3を原理的に示すもの
であり、同図に示す各部のうち他の図面に示す各部と機
能的に同じ部分については同じ符号を付してある。
(b−1.ケース)[第3図乃至第5図] 20は車体傾斜検知器3のケースであり、該ケース20は
車体の略中央部に固定されている。そして、該ケース20
は蓋体21と該蓋体21が被着される基板22とから成り、基
板22の外周縁寄りの部分のうちその中心を挟んで前後の
位置から支持壁23、23′が平行に対向する状態で立設さ
れると共に、これら支持壁23、23′の上端寄りの位置に
前後方向に延びる支持孔24、24′が形成されている。
(b−2.ジンバル)[第2図乃至第5図] 外側ジンバル15は上下方向にある程度の幅を有する略
円環状に形成され、その外周面の前後両端の位置、即
ち、外側ジンバル15の中心を通って前後方向に延びる直
線が通る位置から軸25、25′が外方へ向けて水平に突出
されると共に、左右両端の位置、即ち、外側ジンバル15
の中心を通って左右方向に延びる直線が通る位置に支持
孔26、26′が形成されており、また、その下面のうち左
側の支持孔26の下方に位置する部分から下方へ向けて突
出した突片27が形成されている。
そして、外側ジンバル15はその軸25、25′が前記支持
壁23、23′に形成された支持孔24、24′に回動自在に支
持されている。
内側ジンバル16は外側ジンバル15の内径より稍小さい
直径を有する底板部16aと該底板部16aの外周縁から立ち
上げられた外周壁16bとが一体に形成されて成ると共
に、その中心部に下方に開口し、かつ、上面が閉塞され
た略円筒状を成す突部28が形成されており、また、外周
壁16bの左右両端の位置、即ち、内側ジンバル16の中心
を通って左右方向に延びる直線が通る位置から軸29、2
9′が外方へ向けて突出されており、該軸29、29′が外
側ジンバル15に形成された前記支持孔26、26′に回動自
在に支持されている。
(b−3.モータ、回転体)[第2図乃至第5図] 30はモータであり、該モータ30はその略上側半分が内
側ジンバル16に設けられた前記突部28内に内嵌状に位置
すると共に、その略下側半分が内嵌状に位置するモータ
取付金具31が内側ジンバル16の底板部16aの下面に取着
されることによって、内側ジンバル16に固定されてお
り、その回転軸30aは前記突部28の上端部に形成された
孔28aを通して突部28から上方へ突出されている。
また、回転体17は内側ジンバル16の外周壁16bの内径
より稍小さい直径を有する略円板状に形成されると共
に、その中心部に下面に開口する比較的大きな凹部32が
形成され、また、該凹部32の天面の中心部に圧入孔33が
形成されており、回転体17は、その凹部32内に内側ジン
バル16の突部28が稍余裕を有して位置された状態で、そ
の圧入孔33にモータ30の回転軸30aの上端部が圧入され
ることによって該回転軸30aに固定されている。
従って、モータ30が回転すると、回転体17がモータ30
の回転軸30aの軸心を中心として回転することになる。
そこで、前記したように、内側ジンバル16はケース20
に対して、即ち、車体に対して前後方向及び左右方向に
回動自在なるように設けられており、モータ30はこのよ
うに設けられた内側ジンバル16に固定されているので、
回転体17が回転することによって生ずる遠心力がモータ
30の回転軸30aを、常時、重力方向に沿った姿勢、即
ち、鉛直な姿勢に保持する力として作用することにな
る。従って、回転体17が回転している状態において、モ
ータ30はその軸心が常に鉛直方向に沿って延びる姿勢に
保持されることになり、それによって、車体に傾きが生
じても内側ジンバル16の姿勢は、常時、水平に保持され
ることになる。
(b−4.ポテンショメータ)[第2図乃至第5図] 第1のポテンショメータ18は外側ジンバル15に形成さ
れた前記突片27に固定されると共に、そのロータ軸34の
先端部にギヤ35が固定されており、該ギヤ35が内側ジン
バル16の一方の軸29のうち外側ジンバル15の支持孔26か
ら突出した部分に固定されたギヤ36と噛合されている。
また、第2のポテンショメータ19は一方の支持壁23′
に固定されると共に、そのロータ軸37の先端部にギヤ38
が固定されており、該ギヤ38が外側ジンバル15の一方の
軸25′のうち支持壁23′の支持孔24′から突出した部分
に固定されたギヤ39と噛合されている。
そして、ポテンショメータ18、19はそのケーシング内
に抵抗体40、41(第2図参照)が設けられると共に、そ
のロータ軸34、37に設けられた接点42、43(第2図参
照)が上記抵抗体40、41と摺接する状態で設けられてい
る。
(b−5.動作) そこで、このように構成された車体傾斜検知器3によ
る車体傾斜検知動作は次のように行なわれる。
即ち、回転体17が回転している状態、即ち、内側ジン
バル16の姿勢が常に水平に保持されている状態から、車
体が前後方向に傾く、即ち、車体が前上がりもしくは前
下がりの姿勢になると、外側ジンバル15が前後方向に傾
くことになるため、内側ジンバル16の軸29に固定された
ギヤ36が外側ジンバル15に対して相対的に回転すること
になり、それによって、上記ギヤ36が第1のポテンショ
メータ18のモータ軸34に固定されたギヤ35を回転させる
ことになる。これにより、上記ロータ軸34に固定された
接点42の低抗体40に対する接触位置が変化するため、該
低抗体40による抵抗値が変化して第1のポテンショメー
タ18の端子電圧が変化することになり、従って、その電
圧値を検出することにより車体の前後の傾き方向とその
傾き角が検出される。
また、車体が左右に傾いたときは、外側ジンバル15も
水平な姿勢に保持されるので、この場合は、外側ジンバ
ル15の軸25′に固定されたギヤ39がケース20に対して相
対的に回転することになり、それによって、上記ギヤ39
が第2のポテンショメータ19のロータ軸37に固定された
ギヤ38を回転させることになる。これにより、上記ロー
タ軸37に固定された接点43の低抗体41に対する接触位置
が変化するため、該低抗体41による抵抗値が変化して第
2のポテンショメータ19の端子電圧が変化することにな
り、従って、その電圧値を検出することにより車体の左
右の傾き方向とその傾き角が検出される。
尚、車体が前後及び左右に傾いたときはその両方の傾
きについての方向と傾き角がポテンショメータ18、19に
よって同時に検出される。
(c.前照灯装置)[第6図乃至第12図] 次に、前照灯装置2について説明する。
(c−1.ランプボディ、反射鏡)[第6図乃至第8図] ランプボディ9は開口面が前方を向いた略横倒腕形を
成す主部45と該主部45の開口部の前側に結合された略円
環状のリム46とから成り、主部45の開口部から稍後側へ
寄った位置の両側部に前方から見て略円形を成す突部4
7、47′が形成されると共に、該突部47、47′から後方
へ向けて略水平に突出した腕48、48′が形成されてお
り、該腕48、48′の先端面に上下方向に沿って延びるギ
ヤ49、ウォームホィール49′が形成されている。
尚、ランプボディ9の車体に対する取着構造について
は後述する。
50は回転放物面を成す反射面50aを有する反射鏡であ
り、該反射鏡50の前端部にはこの部分を連続して2段階
に拡径することにより形成された略環状のレンズ支持部
51、52が設けられると共に、その頂部には円形の支持孔
53が形成されており、該支持孔53の開口縁に後方へ向け
て突出した環状の突縁54が形成されている。
55は略環状を成すマウンティングリングであり、該マ
ウンティングリング55の前側縁の周方向における数箇所
の位置に結合片56、56、・・・(図面では1個のみ示し
てある。)が形成されている。
また、57は上記マウンティングリング55と略同じ大き
さを有しこれも略環状を成すリテーニングリングであ
り、該リテーニングリング57はその前端部にこの部分を
内側に向けて屈曲して成るレンズ押え片58が形成される
と共に、その前端部が反射鏡50の前側のレンズ支持部51
に外嵌された状態で反射鏡50に溶着等により固定されて
いる。
従って、反射鏡50の前側のレンズ支持部51とリテーニ
ングリング57のレンズ押え片58とによって環状に延びる
溝59(第8図参照)が形成されることになり、この溝59
にカバーレンズ60の外周縁が嵌合されている。
そして、前記マウンティングリング55は反射鏡50の前
端寄りの部分に外嵌された状態でその結合片56、56、・
・・がリテーニングリング57の後端部に溶着等により固
定され、更に、カバーレンズ60が前記リム46の開口面、
即ち、ランプボディ9の開口面を塞ぐように位置する状
態で、マウンティングリグ55が図示しない固定手段によ
りリム46に固定されている。
尚、リム46はこれにマウンティングリング55が取着さ
れた後ランプボディ9の主部45に結合される。
(c−2.制御用レンズ、連結体)[第8図、第9図] 連結体12は制御用レンズ7とバルブ8とを連結するた
めの部材であり、該連結体12はその中心部に孔61が形成
された円板部62と該円板部62の外周縁の互いに略90゜離
間した位置から前方へ向けて湾曲しながら、即ち、前記
反射鏡50の反斜面50aに近接して略平行に延びるように
突出した4本の腕63、63、・・・と円板部62に形成され
た孔61の縁から後方へ向けて突出した円筒部64とが一体
に形成されて成ると共に、該円筒部64に、その後端寄り
の部分が上記円筒部64から後方へ突出するように位置す
るバルブ取着筒65が内嵌状態で溶着等により固定されて
おり、また、前記腕63、63、・・・の先端部が制御用レ
ンズ7の稍厚肉に形成された外周縁7aにアウトサート成
形により固着されている。
そして、制御用レンズ7及び連結体12は、反射鏡50と
カバーレンズ60とにより画成された空間内に、制御用レ
ンズ7の中心と連結体12の円筒部64の中心とを含む軸が
反射鏡50の光軸x−xと一致し、かつ、上記光軸x−x
の軸回り方向へ回転自在な状態で設けられている。即
ち、制御用レンズ7は、その外周縁部7aが反射鏡50に形
成された後側のレンズ支持部52とカバーレンズ60外周部
後面とによって形成される環状に延びる溝66(第8図参
照)に摺動自在に係合され、かつ、その前面の中心部に
形成された凹部7bにカバーレンズ60の中心部後面に形成
された突起60aが回転自在に係合されることによって、
反射鏡50及びカバーレンズ60に回転自在に支持され、ま
た、連結体12の円筒部64は反射鏡50の頂部に形成された
突縁54に回転自在に挿通されている。
尚、連結体12のバルブ取着筒65の円筒部64から突出し
た部分には3つの切欠67a、67b及び67cが形成されてお
り、これら切欠67a、67b、67cのうち上側のもの67aは他
の2つの切欠67b、67cより幅広に形成されている。
68は連結体12の円筒部64に外嵌状に溶着等により固定
された回転板であり、該回転板68は略円板状に形成され
ると共に、その外周縁の上下両端部に該外周縁に沿って
延びる円弧形を成し、かつ、その外周面にギヤ歯が形成
された円弧ギヤ69、69′が取着されている。
(c−3.バルブ)[第6図、第8図乃至第11図] バルブ8はEC規格の所謂「ハロゲンH4ヘッドランプバ
ルブ」と称されるバルブであり、このバルブ8は口金70
から前方へ突出するように位置されたガラス球71内にす
れ違い用ビームの光源たるサブフィラメント72と走行用
ビームの光源たるメインフィラメント73がこの順序で同
一の軸上に前後に配列された状態で設けられると共に、
サブフィラメント72の略下半分と前方を覆う略皿状の遮
光キャップ74が設けられている。
75は口金70に固定されたフランジ部で、該フランジ部
75は連結体12のバルブ取付筒65の内径より僅かに小径な
筒部75aと該筒部75aの後端から略放射方向へ突出した3
つの位置決片76a、76b及び76cとから成り、上記筒部75a
の前端部が口金70の前端寄りの位置に溶着等により固定
されている。
尚、上記3つの位置決片76a、76b、76cの互いの位置
関係及び幅の違いは連結体12のバルブ取着筒65に形成さ
れた前記3つの切欠67a、67b及び67cの互いの位置関係
及び幅の違いと同じになっている。
また、バルブ8が他のものより稍広い幅を有する位置
決片76aがバルブ8の光軸の真上に来ている向き、即
ち、第10図に示す向きとなっている状態において、前記
遮光キャップ74の左肩線74aは、第10図(B)を見て良
く解るように、光軸を中心とする15゜の角度上記光軸を
含む水平面より下側となるように形成されている。
そして、バルブ8はそのフランジ部75の位置決片76
a、76b及び76cが連結体12のバルブ取着筒65に形成され
る切欠67a、67b、67cのうちその付加符号を共通にする
ものにそれぞれ係合されることによって連結体12及び制
御用レンズ7に対する軸回り方向における向きが規定さ
れ、かつ、バルブ取付筒65に取着されたバルブ押え77に
よって後方から保持された状態で連結体12に取着され
る。
尚、バルブ8がこのようにして連結体12に取着される
と、メインフィラメント73が反射鏡50の焦点Fに位置さ
れ、従って、サブフィラメント72は上記焦点Fより稍前
方に位置される。
(c−4.配光)[第11図、第12図] しかして、バルブ8が連結体12に取着されると、その
遮光キャップ74は反射鏡50に対して次のような姿勢で位
置することになる。
即ち、第11図を見て良く解るように、遮光キャップ74
は、その左肩線74aが反射鏡50の軸を含む水平面上に位
置され、その右肩線74bが上記水平面より中心角で略15
゜下側に来る姿勢で位置することになる。
従って、このようなバルブ8と反射鏡50との位置関係
におけるサブフィラメント72による配光は、第12図に示
すように、バルブ8の光軸を含む水平線H−Hより上方
の、かつ、垂直線V−Vより左側において略15゜の中心
角をもつ上向き配光部分78がある配光になる。即ち、サ
ブフィラメント72の位置が反射鏡50の光軸上で焦点Fよ
り稍前方にあるので、遮光キャップ74の中心角で15゜下
方になる右肩線74bの付近を通って反射鏡50の反射面50a
の下半分に向った光が上向きにかつ左右反転して反射さ
れることになり、この反射光により上記上向き配光部分
78が出来ることになる。
(c−5.上下傾動手段)[第6図乃至第8図] 79はランプボディ9を略上下方向に傾動させて前照灯
装置2による照射角を上下方向において変更するための
上下傾動手段である。
(c−5−a.ランプボディの車体に対する支持) 80、80′は図示しない車体フレームの前端部から前方
へ向けて互いにに略平行に左右に離間した状態で突設さ
れた支持アームであり、該支持アーム80、80′の先端部
の対向面に軸方向が左右方向に沿う支持軸81、81′が突
設されており、ランブボディ9はその左右両端部に設け
られた突部47、47′が上記支持軸81、81′に回動自在に
支持されることにより車体に対して略上下方向へ傾動自
在なるように支持されている。
(c−5−b.モータ、傾動角検出器) そして、上記右側の支持アーム80′の左側面に前記第
1のモータ10がその回転軸82が上下方向に沿う向きで固
定されると共に、該回転軸82にウォーム83が固定されて
おり、このウォーム83がランプボディ9に設けられた右
側の腕48′に形成されたウォームホィール49′と噛合さ
れている。
また、左側の支持アーム80の右側面に前記第1の傾動
角検出器11が固定されると共に、該第1の傾動角検出器
11のロータ軸84の先端部に固定されたギヤ85がランプボ
ディ9に設けられた左側の腕48に形成されたギヤ49と噛
合されている。尚、この傾動角検出器11は、ロータ軸84
の回転に応じて抵抗値が変わるポテンショメータが使用
されている。
(c−5−c.動作) しかして、第1のモータ10が回転すると、ランプボデ
ィ9の右側の腕48′の先端部が上下方向へ移動されるた
め、ランプボディ9が制御用レンズ7、バルブ8、連結
体12及び反射鏡50等と一体的に上下方向へ傾動されるこ
とになり、それによって、制御用レンズ7、バルブ8及
び反射鏡50の光軸x−xの延びる方向が上下方向に傾く
ことにより、従って、照射角が上下方向において変更さ
れることになる。
そして、ランプボディ9がこのように上下方向に傾動
すると、左側の腕48のギヤ49がその傾動量に応じた量第
1の傾動角検出器11のギヤ85を回転させることになるた
め、例えば、該第1の傾動角検出器11に設けられた抵抗
体と可動接点との接触位置が変化して端子電圧が変化す
ることになり、従って、その端子電圧を検出することに
より前照灯装置2の車体に対する上下方向の傾動角が検
出されることになる。
(c−6.左右傾動手段)[第8図、第9図] 86は前記連結体12を反射鏡50の光軸x−xの軸回り方
向へ回転させて前照灯装置2による照射角を左右方向に
おいて変更するための左右傾動手段である。
(c−6−a.構成) 87は反射鏡50後部を後側から覆うように取着された支
持板であり、バルブ8の口金70の後端部はこの支持板87
の略中央部に形成された孔88を通して支持板87から後方
へ突出するように位置されている。
そして、支持板87の下端部は後方へ向けて稍突出する
ように形成され、この部分に前記第2のモータ13がその
回転軸89が前後方向に沿って延びる向きで取着されてお
り、該回転軸89に固定されたギヤ90が連結体12に設けら
れた前記回転板68に取着された下側の円弧ギヤ69′と噛
合されている。
また、支持板87の上端部の内面には前記第2の傾動角
検出器14が取着されており、該第2の傾動角検出器14の
ロータ軸91に固定されたギヤ92が上記回転板68に取着さ
れた上側の円弧ギヤ69と噛合されている。尚、この傾動
角検出器14にも、ロータ軸91の回転に応じて抵抗値が変
わるポテンショメータが使用されている。
(c−6−b.動作) しかして、第2のモータ13が回転すると、回転板68が
下側の円弧ギヤ69′が送られることによって回転される
ので、連結体12がバルブ8及び制御用レンズ7等と一体
的に光軸x−xの軸回り方向へ傾動されることになり、
それによって、照射角が左右方向において変更されるこ
とになる。
そして、回転板68が回転すると、上側の円弧ギヤ69が
第2の傾動角検出器14のギヤ92を回転させることになる
ため、該第2の傾動角検出器14の端子電圧が変化するこ
とになり、従って、その端子電圧を検出することにより
バルブ8及び制御用レンズ7等の左右方向における傾動
角が検出されることになる。
(d.速度検出手段)[第13図] (d−1.構成) 93は速度検出器4のケーシングであり、該ケーシング
93はそれぞれ略漏斗状に形成された2つの分割ケース93
aと93bとがその各開口面を互いに突き合わせられた状態
で一体的に結合されて成ると共に、その軸方向における
中間部に大きな空間94が形成されており、また、その軸
心部に、ケーシング93を軸方向に貫通するように延びる
挿通孔95、95が形成されている。
96は該挿通孔95に回転自在なるように挿通された回転
軸であり、該回転軸96の一端寄りの部分に入力軸97の一
端部が連結されており、該入力軸97は例えば車輪の回転
と同期して回転されるようになっている。
尚、回転軸96の他端部はスピードメータに連結されて
いる。
98は側方から見て略クランク状に屈曲されたマグネッ
ト取付片であり、該マグネット取付片98はその基端部が
回転軸96に固定されると共に、そのクランク形の中間部
にマグネット99が取着されている。
100はスイッチ取付片であり、該スイッチ取付片100は
その一端寄りの部分が2つの分割ケース93aと93bとの突
合部においてケーシング93に支持されると共に、その余
の部分が空間94内に突出するように位置されており、空
間94に突出した部分のマグネット99に対向した位置にリ
ードスイッチ101が取着されている。
(d−2.動作) しかして、車輪が回転すると、入力軸97が回転するの
で、それによって回転軸96、マグネット取付片98及びマ
グネット99が一体的に回転されることになり、従って、
マグネット99が入力軸97の回転速度に応じた周期でリー
ドスイッチ101と対向することになり、それによって、
該リードスイッチ101から車体の走行速度に応じた周波
数のパルス信号が出力することになる。
(e.照射角制御部)[第1図] 次に、照射角制御部5について説明する。
102は第1の比較回路であり、第1のポテンショメー
タ18端子電圧、即ち、車体の前後方向の傾き角を示し信
号と基準電圧発生回路103から出力された基準電圧、即
ち、車体が前後方向に傾いていないときの第1のポテン
ショメータ18の端子電圧と同じ値の電圧とがこの第1の
比較回路102において比較されると共に、そこに差があ
れば、その差の方向に応じた駆動信号が前記第1のモー
タ10を駆動する第1のモータ駆動回路104に出力され、
それにより、第1のモータ10が正転方向又は逆転方向の
いずれかの方向へ回転されて前照灯装置2が上下いずれ
かの方向へ傾動せしめられることになる。
105は第2の比較回路であり、第1の傾動角検出器11
の端子電圧、即ち、前照灯装置ユニット2の車体に対す
る上下方向における傾動角を示す信号と基準電圧発生回
路106から出力された基準電圧、即ち、予め定められた
修正角に応じた電圧とがこの第2の比較回路105におい
て比較されると共に、上記2つの信号の値が一致したと
ころで前記第1のモータ駆動回路104に停止信号が出力
され、それによって第1のモータ10の回転が停止する。
しかして、車体が前後方向に傾いたときは、前照灯装
置2の上下方向に対する向きが修正されるべき量変更さ
れるまで第1のモータ10が回転される。
また、107は第3の比較回路であり、第2のポテンシ
ョメータ19の端子電圧、即ち、車体の左右方向における
傾き角を示す信号と基準電圧発生回路103から出力され
た基準電圧、即ち、車体が左右方向に傾いていないとき
の第2のポテンショメータ19の端子電圧と同じ値の電圧
とがこの第3の比較回路107において比較されると共
に、そこに差があれば、その差の方向に応じた駆動信号
が第2のモータ駆動回路108に出力され、それにより、
第2のモータ13が正転方向又は逆転方向に回転されて連
結体12、バルブ8及び制御用レンズ7等が左右いずれか
の方向へ傾動せしめられる。
109は第4の比較回路であり、第2の傾動角検出器14
の端子電圧と、即ち、バルブ8、制御用レンズ7等の左
右方向における傾き角を示す信号と基準電圧発生回路10
6から出力される基準電圧、即ち、バルブ8、制御用レ
ンズ7等の左右方向における修正されるべき角度に応じ
た電圧とがこの第4の比較回路109において比較される
と共に、上記2つの信号の値が一致したところで前記第
2のモータ駆動回路108へ停止信号が出力され、それに
よって第2のモータの回転が停止される。
しかして、車体が左右方向に傾いたときは、バルブ8
及び制御用レンズ7等の左右方向に対する向きが所定の
量変更されるまで第2のモータ13が回転されることにな
る。
(f.動作速度制御部)[第1図] 動作速度制御部6はF/V変換回路と電圧増幅回路とか
ら成る。
即ち、110は速度検出器4のリードスイッチ101に接続
されたF/V変換回路であり、リードスイッチ101から出力
されたパルス信号はこのF/V変換回路110においてその周
波数に応じた値の電圧に変換される。
また、111は上記F/V変換回路110と前記第1のモータ1
0及び第2のモータ13とに接続された電圧増幅回路であ
り、F/V変換回路110から出力された電圧はこの電圧増幅
回路111において増幅された後第1のモータ10及び/又
は第2のモータ13へ供給され、これらモータの駆動電源
となる。
即ち、第1のモータ10及び第2のモータ13の回転速度
は、そのときどきの車体の走行速度に応じた速さに制御
されることになる。
従って、照射角の上下方向における傾きの修正速度及
び左右方向における傾きの修正速度は車体の走行速度と
の関係において随時変更されることになる。
尚、このように、照射角の修正速度は走行速度に応じ
て変更されるが、そうかと言って、その修正速度が走行
速度と一定の相関関係を有するとは限らず、実際の走行
テストで得られたデータも考慮してそのときどきの走行
速度に適した最も望ましい配光の修正が為される速度と
するべきである。
(g.照射角修正動作) しかして、このように構成された前照灯の照射角修正
装置1による照射角修正動作は次のように行なわれる。
即ち、車体が前後方向及び左右方向のいずれにも傾い
ていないときは、車体傾斜検知器3のポテンショメータ
18、19端子電圧と制御部5の基準電圧発生回路103から
出力される電圧とが同じ値であるため、第1のモータ10
及び第2のモータ13はいずれも回転することはない。
そして、車体が前後方向に傾くと、照射角が上向き又
は下向きに変化してその配光が上下方向に移動してしま
うことになる。そして、この場合は、車体傾斜検知器3
の外側ジンバル15が前後方向に傾くため、第1のポテン
ショメータ18の端子電圧が基準電圧と異なる値となり、
それによって第1の比較回路102から第1のモータ駆動
回路104に駆動信号が出力されて第1のモータ10が電圧
増幅回路111から出力される電圧、即ち、そのときの走
行速度に応じた速さで回転し、前照灯装置2はランプボ
ディ9が上下方向に傾動され、所定の修正量だけ傾動さ
れたところで第1のモータ10の回転が停止する。
また、車体が左右に傾くと、バルブ8及び制御用レン
ズ7が左右に傾くため、配光が例えば、第17図に示すよ
うに左右に傾くことになる。そして、この場合は、車体
傾斜検知器3の外側ジンバル15がケース20に対して相対
的に左右に傾くため、第2のポテンショメータ19の端子
電圧が基準電圧と異なることになり、それによって第3
の比較回路107から第2のモータ駆動回路108に駆動信号
が出力されて第2のモータ13が電圧増幅回路111から出
力される電圧、即ち、そのときの走行速度に応じた速さ
で回転し、バルブ8及び制御用レンズ7は連結体12が回
動されることにより光軸x−xの軸回り方向へ傾動され
ると共に、バルブ8及び制御用レンズ7が、所定量傾動
されたところで第2のモータ13の回転が停止する。
尚、車体が前後方向及び左右方向に同時に傾いたとき
は第1のモータ10及び第2のモータ13が同時に回転して
照射角の上下方向における傾きと左右方向における傾き
とが同時に修正されることになる。
(G.発明の効果) 以上に記載したところから明らかなように、本発明車
輌用前照灯の照射角修正装置は、前照灯の左右方向にお
ける照射角を変更する照射角変更手段と、車体の左右方
向における傾斜を検知する車体傾斜検知手段と、走行速
度を検出する速度検出手段と、前記車体傾斜検知手段の
検知信号を受けて前記照射角変更手段を駆動する照射角
制御部と、前記速度検出手段の信号を受けて照射角変更
手段の動作速度を変更する動作速度制御部とを備えたこ
とを特徴とする。
従って、本発明によれば、車体に傾きが生じたときは
前照灯の照射角が傾くことになるが、このような場合は
車体の傾きが車体傾斜検知手段により検知されて照射角
制御部によって照射角変更手段が駆動され、それによっ
て、傾いた照射角が修正されると共に、その照射角の修
正は、照射角変更手段の動作速度が動作速度制御部によ
って変更されることになるためそのときどきの走行速度
に応じた望ましい速さでもって行なわれることになるの
で、そのときの運転状況に応じた良好な配光が得られ
る。
尚、前記した実施例においては車体が前後方向におい
て傾くことにより生ずる前照灯の照射角の上下方向に対
する傾きについても修正されるようにしたが、このよう
にすることによって、前照灯の照射角をより良好な配光
を為す角度に修正することができる。
また、前記実施例においては、車体傾斜検知手段とし
て所謂ジャイロメータ構造を有するものを使用するよう
にしたが、この車体傾斜検知手段は少なくとも車体の左
右方向における傾斜を検知し得るものであればどのよう
な構造のものでも良い。
そして、前記実施例においては、本発明を、左右方向
に対する照射角が光源及び制御用レンズのこれらの光軸
の軸回り方向における傾きにより規定される前照灯に適
用し、従って、照射角変更手段はこれら光源及び制御用
レンズを上記光軸の軸回り方向へ移動させることによっ
て照射角を変更する構造としたが、本発明における照射
角制御部は当該前照灯が有する左右方向に対する照射角
を規定する部材如何によって適宜な構造にすれば良い。
更に、本発明を実施するに当り、動作速度制御部は適
宜なスイッチを操作することによって動作状態となるよ
うにしても良いし、あるいは照射角修正動作そのものに
ついても動作スイッチの操作により動作状態となるよう
にすることも考えられる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第13図は本発明車輌用前照灯の照射角修正装
置の実施の一例を示すものであり、第1図は回路のブロ
ック図、第2図乃至第5図は車体傾斜検知器を示し第2
図は原理図、第3図は前後方向に沿う縦断面図、第4図
は第3図のIV−IV線に沿う断面図、第5図は要部の一部
切欠拡大斜視図、第6図乃至第12図は前照灯装置を示
し、第6図は平面図、第7図は側面図、第8図は第6図
のVIII−VIII線に沿う断面図、第9図は要部の一部切欠
斜視図、第10図(A)はバルブの拡大斜視図、第10図
(B)は第10図(A)のB−B線に沿って切断した遮光
キャップの断面図、第11図は要部の拡大背面図、第12図
は配光図、第13図は速度検出手段の縦断面図、第14図は
車輌用前照灯に要求される基本的な配光を示す図、第15
図はカーブした道路を通過する二輪車輌の車体の傾きを
説明するための図、第16図は二輪車輌の背面図、第17図
は二輪車輌の車体が左右方向に傾いたときの配光を示す
図である。 符号の説明 1……車輌用前照灯の照射角修正装置、 2……前照灯、 3……車体傾斜検知手段、 4……速度検出手段、 5……照射角制御部、 6……動作速度制御部、 7、8、12、13、69、90……照射角変更手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前照灯の左右方向における照射角を変更す
    る照射角変更手段と、 車体の左右方向における傾斜を検知する車体傾斜検知手
    段と、 走行速度を検出する速度検出手段と、 前記車体傾斜検知手段の検知信号を受けて前記照射角変
    更手段を駆動する照射角制御部と、 前記速度検出手段の信号を受けて照射角変更手段の動作
    速度を変更する動作速度制御部とを備えた ことを特徴とする車輌用前照灯の照射角修正装置
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