JPH08549Y2 - 切削油汲上げポンプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、工作機械の切削油を汲み上げるために使用
されるポンプに関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種のポンプは、切粉の侵入を防止するため
に、切削油吸収口に多孔板、網等からなるストレーナを
取付けている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来のポンプは、ストレーナに切粉が付着して切
削油の汲上げ効率が低下するため、該ストレーナの交換
やクリーニングを頻繁に行なう必要がある。

本考案の目的は、かかる従来の問題点に鑑み、切粉の
付着による汲上げ効率の低下を防止することができる切
削油汲上げポンプを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、モータの回転軸に取付けた羽根車と、この
羽根車を収納する円筒状ケーシングとを備え、吸入した
切削油を前記回転軸の方向に送って前記ケーシングの上
側部から排出する軸流式のポンプであって、 前記ハウジングの下端を延長して開口面が完全開放さ
れた円筒状の吸入口を形成し、前記吸入口の開口径より
も大きな長手方向長を有した長方形状平板からなるフィ
ンを、その平面が前記吸入口の開口面に近接かつ平行す
る態様で前記回転軸に取付けたことを特徴としている。

〔作用〕

切削油に含まれた切粉が上記ファンの回転によって切
削油吸入口の直前で振り飛ばされれる。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。

第１図は、本考案に係る切削油汲上げポンプの一実施
例を示している。

このポンプ１は、モータ２の回転軸３に取付けられた
羽根車4,5と、これらの羽根車4,5を収納するハウジング
６とを備えている。

ハウジング６は、その下端を延長して形成した円筒状
の切削油吸入口７を下部に有し、また、上側部に切削油
の排出口８を備えている。そして上記吸入口７は、その
開口面が完全開放している。

上記回転軸３の下端は、上記吸入口７の開口面より若
干下方に位置しており、その端面にはボルト９によって
フィン10を取付けてある。

フィン10は、第２図および３図に示すような長方形状
の平板からなり、前記吸入口７の開口径L2よりも大きな
長手方向長L1を有する。そして、このフィン10は、その
平面が吸入口７の開口面に近接かつ平行する態様で前記
回転軸３に取付けられている。

以下、この実施例に係るポンプ１の作用を説明する。

いま、切粉が混入した戻り切削油内に上記ハウジング
６の下部が位置されているとすると、モータ２による羽
根車4,5回転に伴って切削油が吸入口７側に吸寄せられ
る。

このときフィン10は、吸入口７の開口面に近接かつ対
向した面内で回転している。したがって、切削油内に含
まれた一定以上の大きさの切粉はフィン10によって吸入
口７から離れる方向に振り飛ばされ、ポンプ１内への侵
入が妨げられる。

かくして、この実施例のポンプ１によれば、ハウジン
グ６内に切粉が詰まって、汲上げ能力が低下するという
不都合を回避することができる。

そして、上記実施例に示すフィン10は、前記したスト
レーナのような切粉の付着による目詰まりを生じないの
で、そのメインテナンスをほとんど必要としない。

第４図は、上記ポンプ１が組込まれる切削油清浄化装
置の一例を示している。

この装置においては、図示していない工作機械（たと
えば、平面研削盤）より排出された戻り切削油20がダー
ティタンク21内に流入する。

タンク21内には、コンベア22が配設されており、切削
油20に含まれた切粉の一部はこのコンベア22でスクレー
パ部23まで搬送されたのち、切粉収納箱24内に投棄され
る。

一方、タンク21内の切削油は、前記ポンプ１で汲上げ
られてフィルタタンク25まで運ばれ、ここで濾過され
る。そして、切粉が取除かれた切削油は、パイプ26を介
してクリーンタンク27内に投入されたのち、再び工作機
械に供給される。

フィルタタンク25の底部からは未除去の切粉を含んだ
切削油28が排出され、この切削油28はダーティトイ29を
通ってコンベアボックス30内のコンベア31上に投入され
る。

ボックス30内に投入された切削油は、含有する切粉の
大部分がコンベア31によってスクレーパ部32まで搬送さ
れる。そして、前記コンベア22上に落下したのち、該コ
ンベア22を介して前記切粉収納箱24内に投棄される。

このように、この清浄化装置は、切削油を循環させな
がら切粉を取除く作用をなす。

〔考案の効果〕

本考案によれば、以下のような効果が得られる。

フィンによって吸入口内への切粉の侵入を阻止する
ようにしているので、従来のポンプにおいて実施されて
いたストレーナのクリーニングや交換操作が不要とな
る。

フィンが切削油の吸上げ補助手段として機能しない
ので、切粉を効率良く排除することができる。

吸入口が完全開放しているので、つまり、該吸入口
の内方に切削油の流れを妨げる部材が介在していないの
で、フィンを吸入口に近接して配置しても十分な吸上げ
力が得られる。したがって、フィンを吸入口の開口面に
可及的に近接させて切粉の侵入阻止効果を向上すること
が可能である。

ハウジングの下端を延長して吸入口を形成している
ので、構成の簡単化および組立ての容易化を図ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るポンプの一実施例を示した部分破
断図、第２図および第３図はそれぞれフィンの側面図お
よび底面図、第４図は切削油清浄化装置の一例を示した
概念図である。 １……ポンプ、２……モータ、３……回転軸、4,5……
羽根車、７……吸入口、10……フィン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】モータ（２）の回転軸（３）に取付けた羽
   根車（4,5）と、この羽根車（4,5）を収納する円筒状ハ
   ウジング（６）とを備え、吸入した切削油を前記回転軸
   の方向に送って前記ハウジング（６）の上側部から排出
   する軸流式のポンプであって、 前記ハウジング（６）の下端を延長して開口面が完全開
   放された円筒状の吸入口（７）を形成し、 前記吸入口（７）の開口径よりも大きな長手方向長を有
   した長方形状平板からなるフィン（10）を、その平面が
   前記吸入口（７）の開口面に近接かつ平行する態様で前
   記回転軸（３）に取付けた ことを特徴とする切削油汲上げポンプ。