JPH085454A - 赤外線検出装置 - Google Patents

赤外線検出装置

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Publication number
JPH085454A
JPH085454A JP6140231A JP14023194A JPH085454A JP H085454 A JPH085454 A JP H085454A JP 6140231 A JP6140231 A JP 6140231A JP 14023194 A JP14023194 A JP 14023194A JP H085454 A JPH085454 A JP H085454A
Authority
JP
Japan
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buffer amplifier
infrared
transistor
pyroelectric element
voltage
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP6140231A
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English (en)
Inventor
Masafumi Ueno
雅史 上野
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Publication of JPH085454A publication Critical patent/JPH085454A/ja
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  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回路構成が簡単で、かつ、検出感度の高い赤
外線検出装置を提供する。 【構成】 焦電素子1の電極D1をバッファアンプ2の
入力側と接続し、焦電素子1の電極D2をバッファアン
プ2の出力側と接続する。上記の接続により焦電素子1
の容量が見掛け上減少するように働き、焦電素子1の容
量と反比例する出力電圧VOUT の変化量を増大させるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焦電素子を用いた赤外
線検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、焦電素子を用いた赤外線検出装置
としては、特公平5−67890号公報に開示された赤
外線検出装置がある。以下、上記のような従来の赤外線
検出装置について図面を参照しながら説明する。図10
は、従来の赤外線検出装置の構成を示す回路図である。
【0003】図10を参照して、赤外線検出装置は、焦
電素子11、バッファアンプ12、リセットトランジス
タ13を含む。焦電素子11の一方の電極D12は接地
電位と接続され、他方の電極D11はリセットトランジ
スタ13およびバッファアンプ12と接続される。焦電
素子11としては、たとえば、PbTiO3 等の強誘電
体材料が用いられる。焦電素子11の一端側のノードN
11には、焦電素子11の内部容量CD 、その他の配線
による寄生容量CS が接続される。焦電素子11が赤外
線を受けると、熱により焦電素子11内の分極が変化
し、焦電素子11の電極D11に電荷ΔQが発生する。
発生した電荷ΔQは、容量CS およびCDにより電圧に
変換され、バッファアンプ12へ入力される。
【0004】バッファアンプ12は、MOSトランジス
タ14、15を含む。トランジスタ15の一端は接地電
位と接続され、他端はトランジスタQ14と接続され
る。トランジスタQ15のゲートには、端子P14から
所定のバイアス電圧VG が入力される。トランジスタ1
4のゲートには、ノードN11の信号が入力され、トラ
ンジスタ14の他端は電源端子P15から所定の電源電
圧が入力される。トランジスタ14および15の接続点
から出力端子P12を介して出力電圧VOUT が出力され
る。上記の構成により、トランジスタ14は、駆動トラ
ンジスタとして作用し、トランジスタ15は定電流源と
して作用するので、バッファアンプ2は、ノードN11
の信号を増幅するソースフォロアアンプとして動作す
る。また、バッファアンプ12は、出力端子P2に接続
される外部回路を焦電素子11から分離するためのバッ
ファアンプとしても働く。
【0005】リセットトランジスタ13のゲート端子T
Gには、所定のクロック信号が入力され、入力したクロ
ック信号に応答して、リセット電圧VINo にノードN1
1の電圧をリセットする。このリセット動作は、焦電素
子11の初期電位をバッファアンプ12の動作点に合わ
せるため、および特公平5−67890号公報に述べら
れているように焦電素子11のポーリングを行なうため
に行なわれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た従来の赤外線検出装置においては、赤外線検出による
出力端子P12の出力電圧VOUT の変化量ΔVOUT は次
式で表される。
【0007】 ΔVOUT =Av・ΔQ/(CD +CS ) …(1) ここで、Avは、バッファアンプ12の電圧増幅率であ
り、一般に1より小さく、1に近い値(たとえば、0.
9)を持つ。
【0008】一方、焦電素子11は、強誘電体であるた
め、非誘電率εS が非常に大きくなる。したがって、焦
電素子11の内部容量CD も非常に大きくなり、一般
に、C D >>CS となる。また、温度変化により発生す
る電荷ΔQは、通常小さいため、結果的に出力電圧V
OUT の変化量ΔVOUT は非常に小さくなる。この結果、
従来の赤外線検出装置では、検出感度が非常に低くなる
という問題点があった。
【0009】また、変化量ΔVOUT を増加させるために
は、電圧増幅率Av>>1となるような増幅器を用いら
れることも考えられるが、以下のような問題点が発生す
る。まず、電圧増幅率の大きな増幅器は、一般に出力イ
ンピーダンスが高く、出力端子に外部回路を接続するた
めには、増幅器の後段にバッファアンプを追加しなけれ
ばならず、回路が複雑になるという問題点があった。ま
た、バッファアンプに比べ、電圧増幅率の大きな増幅器
は、電圧増幅率がばらつきやすい。したがって、上記の
増幅器を含めた検出回路を1つの画素として多数並べ、
出力を順次操作することにより撮像装置を構成する場
合、画素間の感度のばらつきが大きくなり、検出された
画質を著しく劣化させるという問題点があった。
【0010】本発明は上記課題を解決するためのもので
あって、回路構成が簡単で、かつ、検出感度の高い赤外
線検出装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の赤外線検
出装置は、第1および第2電極を含む焦電素子と、第1
電極と入力側が接続され、第2電極と出力側が接続さ
れ、入力側の電圧を増幅して出力するバッファアンプと
を含む。
【0012】請求項2記載の赤外線検出装置は、請求項
1記載の赤外線検出装置の構成に加え、上記バッファア
ンプの電圧増幅率は、1より小さい。
【0013】請求項3記載の赤外線検出装置は、請求項
2記載の赤外線検出装置の構成に加え、さらに、第1電
極と接続され、焦電素子の電位を所定の電位にリセット
するためのリセットトランジスタを含む。
【0014】請求項4記載の赤外線検出装置は、請求項
1記載の赤外線検出装置の構成に加え、さらに、一端が
第1電極と接続され、他端が所定のバイアス電圧を受け
る容量を含む。
【0015】請求項5記載の赤外線検出装置は、請求項
4記載の赤外線検出装置の構成に加え、さらに、第1電
極と接続され、焦電素子のポーリングにのみ使用される
ポーリング用トランジスタを含む。
【0016】請求項6記載の赤外線検出装置は、請求項
4記載の赤外線検出装置の構成に加え、上記容量を介し
て所定の電圧を入力することにより焦電素子のポーリン
グを行なう。
【0017】請求項7記載の赤外線検出装置は、請求項
1記載の赤外線検出装置の構成に加え、上記バッファア
ンプは、入力信号のレベルが接地電位のとき、正電圧の
出力信号を出力する。
【0018】請求項8記載の赤外線検出装置は、請求項
7記載の赤外線検出装置の構成に加え、上記バッファア
ンプは、デプレションモードMOSトランジスタを含む
ソースフォロアアンプを含む。
【0019】請求項9記載の赤外線検出装置は、請求項
7記載の赤外線検出装置の構成に加え、上記バッファア
ンプは、ノーマリON形接合形電界効果トランジスタを
含む。
【0020】請求項10記載の赤外線検出装置は、請求
項1記載の赤外線検出装置の構成に加え、焦電素子およ
びバッファアンプを含む赤外線検出器を複数含み、上記
赤外線検出器は、1次元的に一列に配設される。
【0021】請求項11記載の赤外線検出装置は、請求
項1記載の赤外線検出装置の構成に加え、焦電素子およ
びバッファアンプを含む赤外線検出器を複数含み、上記
赤外線検出器は、2次元的に配列される。
【0022】請求項12記載の赤外線検出装置は、請求
項10または請求項11記載の赤外線検出装置の構成に
加え、上記バッファアンプは定電流源を含み、上記複数
の赤外線検出器は定電流源を共用する。
【0023】
【作用】請求項1ないし請求項12記載の赤外線検出装
置においては、焦電素子とバッファアンプとが並列に接
続されるので、焦電素子の容量が見掛け上減少したよう
に働き、焦電素子の容量と反比例する出力電圧の変化量
を増大させることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例の赤外線検出装
置について図面を参照しながら説明する。図1は、本発
明の第1の実施例の赤外線検出装置の構成を示す回路図
である。
【0025】図1を参照して、赤外線検出装置は、焦電
素子1、バッファアンプ2、リセットトランジスタ3を
含む。焦電素子1の電極D1はバッファアンプ2の入力
側と接続され、電極D2はバッファアンプ2の出力側と
接続される。リセットトランジスタ3の一端は焦電素子
1の電極D1と接続される。バッファアンプ2として
は、たとえば、図10に示すMOSトランジスタで構成
されるソースフォロアアンプ等が用いられる。
【0026】以下、上記のように構成された赤外線検出
装置の動作について説明する。まず、リセットトランジ
スタ3のゲートに所定のゲート電圧TGを印加し、バッ
ファアンプ2の入力ノードN1の電位を入力端子P1に
入力されているリセット電源電圧VIN0 に設定する。図
2は、図1に示すバッファアンプの入力電圧と出力電圧
との関係を示す図である。図2に示す特性は、ソースフ
ォロアアンプの代表的な特性を示したもので、入力電圧
INと出力電圧VOUT とは次式で表される。
【0027】VOUT ≒Av・VIN−K …(2) ここで、Avは電圧増幅率であり、1に近く、1より小
さい値となる。また、Kは定数で、通常正の値を持つ。
図2では、ノードN1がリセット電源電圧VIN 0 に設定
されたとき、バッファアンプ2の出力電圧(端子P2の
電圧)はVOUT0となることが示されている。
【0028】次に、リセットトランジスタ3のゲートを
ロウレベルにすることにより、ノードN1をフローティ
ング状態とする。この状態で、焦電素子1が赤外線を吸
収し、温度が上昇することによって、内部の分極が変化
して焦電素子1の電極D1にΔQの電荷が発生する。ま
た、このとき、ノードN1の電位がVIN0 からVIN0
ΔVINに変化し、バッファアンプ2の出力電圧がVOUT0
からVOUT0+ΔVOUTに変化する。上記の変化量ΔVIN
およびΔVOUT は以下の式により表される。
【0029】 ΔQ=CS ・ΔVIN+CD (ΔVIN−ΔVOUT ) …(3) ΔVOUT =Av・ΔVIN …(4) ここで、CD は焦電素子1の容量であり、CS は配線等
による寄生容量である。(3)式は、ΔQの電荷が容量
D 、CS に分配される効果を示しており、(4)式は
(2)式と等価である。(3)、(4)式より、変化量
ΔVOUT は以下の式で表される。
【0030】 ΔVOUT =Av・ΔQ/{(1−Av)CD +CS } …(5) 従来例で示した(1)式と本実施例による(5)式とを
比べると、本実施例では、焦電素子1の容量CD が見掛
け上(1−Av)倍され、容量が減少したように働くこ
とがわかる。この結果、出力電圧の変化量ΔVOUT を増
大させることができる。
【0031】通常、図1に示す赤外線検出装置をIC化
すると、CD はpFのオーダとなり、CS はfFのオー
ダとなる。また、ソースフォロアアンプを用いれば、バ
ッファアンプ2の電圧増幅率Avを容易に0.9とする
ことができる。したがって、CS を無視し、Avを0.
9とすると、(5)式に示すように、本実施例では、従
来例に比べ出力電圧の変化量ΔVOUT を10倍増加させ
ることが可能となる。この結果、簡単な回路構成で、検
出感度の高い赤外線検出装置を実現することが可能とな
る。
【0032】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。第1の実施例では、出力電圧の変化量ΔVOUT
増加させたが、S/N比を増加させることを考えると、
信号Sに相当するΔVOUT を増加させ、雑音Nも減少さ
せるほうが好ましい。一方、第1の実施例および従来例
における雑音の一つにリセットトランジスタ3によるリ
セット動作に伴なうリセット雑音がある。これは、有限
のON抵抗を持つトランジスタ3によりバッファアンプ
2の入力端子を充電する際、ON抵抗が持つ熱雑音によ
り充電ごとに充電電圧がわずかに変化し、この変化が雑
音となる現象である。
【0033】赤外線検出装置を動作させるときには、一
定周期でリセット動作を行なう必要がある。つまり、図
1に示すノードN1は、接地電位に対し有限のリーク抵
抗を必ず持っているため、長期間リセット動作が行なわ
れないと、ノードN1の電位は徐々に下がっていき、図
2に示すバッファアンプの入出力特性の直線範囲外にな
ってしまうからである。第2の実施例は、上記の問題点
を解決するため、リセット動作を行なわずにバッファア
ンプの動作点にノードN1の電位を維持するものであ
る。図3は、本発明の第2の実施例の赤外線検出装置の
構成を示す回路図である。図3に示す第2の実施例と図
1に示す第1の実施例とで異なる点は、バッファアンプ
2の入力側のノードN1に結合容量4を介してバイアス
電圧VB が与えられる点である。その他の点は、図1に
示す第1の実施例と同様であるので同一部分には同一符
号を付し以下その説明を省略する。
【0034】図3を参照して、ノードN1には結合容量
4を介してバイアス電圧VB が与えられ、この電圧によ
りバッファアンプ2の動作点を決めることが可能とな
る。なお、リセットトランジスタ3は、ポーリング時の
みに使用する。焦電素子1のポーリングは、特開平5−
67890号公報に述べられているように、焦電素子1
の分極方向を一定に揃えることであり、製造完了後にの
みに行なえばよいものである。したがって、第2の実施
例では、リセットトランジスタ3によりポーリングを行
ない、結合容量4を介してバッファアンプ2の動作点に
ノードN1の電位を維持し、リセット動作は行なわな
い。
【0035】以下、上記のように構成された第2の実施
例の動作について詳細に説明する。第1の実施例と同様
に、赤外線により発生する電荷ΔQがない場合のノード
N1の電位をVIN0 とし、出力端子P2の電位をVOUT0
とする。また、バッファアンプ2の入出力特性は、
(2)式で表されているものとする。
【0036】まず、ΔQ=0、ΔVIN=ΔVOUT =0の
場合、結合容量4の容量をCC とすると、以下の式が成
立する。
【0037】 CC (VB −VIN0 )=CD (VIN0 −VOUT0)+CS ・VIN0 …(6) VOUT0≒Av・VIN0 −K …(7) (6)、(7)式よりバイアス電圧VB は以下の式で表
される。
【0038】 VB =[1+{1−Av)CD +CS }/CC ]VIN0 +K・CD /CC …(8) 上式を基に、最適なバッファアンプの動作電圧VIN0
対するバイアス電圧V B を求めることができる。
【0039】次に、焦電素子1が赤外線を検出して、焦
電素子1の電極D1に電荷ΔQが発生した場合に、以下
の式が成立する。
【0040】 ΔQ=CC ・ΔVIN+CS ・ΔVIN+CD (ΔVIN−ΔVOUT ) …(9) ΔVOUT =Av・ΔVIN …(10) 上式より、出力電圧の変化量ΔVOUT は以下の式で表さ
れる。
【0041】 ΔVOUT =Av・ΔQ/{(1−Av)CD +CC +CS } …(11) (1)式のΔVOUT と第2の実施例による(11)式の
ΔVOUT とを比較すると、出力電圧の増加率η(=(1
1)式のΔVOUT /(1)式のΔVOUT )は、以下の式
で表される。
【0042】 η=(1+CS /CD )/{(1−Av)+CC /CD +CS /CD } …( 12) 通常、CS <<CD であるから、増加率ηは次式で近似
される。
【0043】 η≒1/{(1−Av)+α} …(13) ここで、α=CC /CD である。
【0044】具体的な値として、VIN0 =4(V)、A
v=0.9、K=1.0(V)、α=0.1を用いて、
(8)、(13)式へ代入し、(1−Av)CD >>C
S とした場合、VB ≒18(V)、η=5となる。すな
わち、結合容量4を介してバイアス電圧として18Vを
ノードN1に加えることにより、ノードN1の電位をバ
ッファアンプ2の動作点に維持することができる。した
がって、リセット動作を行なう必要がなく、リセット雑
音を発生させることなく、従来に比べΔVOUTを5倍増
加させることが可能となる。この結果、出力電圧の変化
量ΔVOUT を増加させるだけでなく、S/N比を増加さ
せることが可能となる。
【0045】次に、本発明の第3の実施例の赤外線検出
装置について説明する。図4は、本発明の第3の実施例
の赤外線検出装置の構成を示す回路図である。図4に示
す第3の実施例と、図3に示す第2の実施例とで異なる
点は、リセットトランジスタ3が省略されている点であ
る。その他の点は図3に示す第2の実施例と同様である
ので同一部分には同一符号を付し以下その説明を省略す
る。
【0046】第3の実施例では、バイアス電圧VB を入
力する端子P3に所定の電圧を印加することにより、焦
電素子1のポーリングを行なう。この結果、結合容量4
を介して焦電素子1のポーリングも行なうことができ、
リセットトランジスタ3を省略することができ、部品点
数をさらに削減することが可能となる。
【0047】次に、図1に示すバッファアンプの他の具
体例について説明する。図5は、図1に示すバッファア
ンプの他の具体例の構成を示す回路図である。
【0048】図5を参照して、バッファアンプは、デプ
レションモードMOSトランジスタ5、定電流源6を含
む。トランジスタ5の端子P5には、電源電圧が供給さ
れる。トランジスタ5のゲートの端子P4は、図1に示
すノードN1と接続され、入力電圧VINがゲートに入力
される。トランジスタ5は、定電流源6と接続され、定
電流源6の一端は接地電位と接続される。トランジスタ
5と、定電流源6の接続点の端子P6から出力電圧V
OUT が出力される。
【0049】以下、上記のように構成されたバッファア
ンプの動作について説明する。定電流源6の電流値をI
とし、トランジスタ5を飽和領域で動作させると次式が
成立する。
【0050】 I=β(VIN−VOUT −Vt 2 …(14) ここで、βはトランジスタの形状および製造プロセスに
より決まる定数、Vtはしきい値電圧、VIN、VOUT
それぞれバッファアンプの入力および出力端子電圧であ
る。
【0051】Vt はデプレションモードMOSトランジ
スタ5では負の値をとる。この値は、トランジスタ5の
チャネル形成時の不純物注入量により任意に設定するこ
とができる。
【0052】(14)式をVOUT について解くと次式が
成立する。 VOUT =VIN−Vt −(I/β)1/2 …(15) 上式によれば、VOUT は、VINに対しゲイン1で完全に
比例することになるが、実際には(14)式に含まれて
いない2次的な効果、たとえば、バックゲート効果、チ
ャネル長変調効果等によりゲインはわずかに1より小さ
くなり、次式のようになる。
【0053】 VOUT =Av・VIN−Vt −(I/β)1/2 …(16) ここで、Av<1である。上式と(2)式とを比べる
と、次式が成立する。
【0054】K=Vt +(I/β)1/2 …(17) 通常、エンハンスメント形あるいはノーマリOFF形の
トランジスタを用いると、Vt は正の値であるので、必
ず、K>0となり、入出力特性は図2に示すようにな
り、有限のリセット電圧VIN0 が必要となるが、上記の
ように、Vt <0のトランジスタを用い、K<0となる
ようにVt を設定すると、入出力特性は、図6に示すよ
うになり、リセット電圧VIN0 が0Vでもバッファアン
プが動作できるようになる。したがって、上記のように
デプレションモードMOSトランジスタを用いたソース
フォロアアンプを用いると、リセット電圧VIN0 を0V
にすることができ、赤外線検出時には入力端子P1を接
地することができ、リセット用の外部電源が不要とな
る。
【0055】次に、図1に示すバッファアンプのさらに
他の具体例について説明する。図7は、図1に示すバッ
ファアンプのさらに他の具体例の構成を示す回路図であ
る。図7に示すバッファアンプと図5に示すバッファア
ンプとで異なる点は、デプレションモードMOSトラン
ジスタ5をノーマリON形接合形電界効果トランジスタ
7に変更した点である。その他の点は図5に示すバッフ
ァアンプと同様であるので同一部分には同一符号を付し
以下その説明を省略する。
【0056】図7に示すノーマリON形接合形電界効果
トランジスタ7を用いたソースフォロアアンプでも、ノ
ーマリON形接合形電界効果トランジスタのしきい値電
圧V t は負の値をとるため、図5に示すデプレションモ
ードMOSトランジスタを用いソースフォロアアンプと
同様に動作し、同様の効果を得ることができる。
【0057】なお、図5および図7に示すバッファアン
プの電流源6は、図10に示すようにゲートに一定のバ
イアス電圧Vt を印加したMOSトランジスタあるいは
接合形電界効果トランジスタ等で実現することができ
る。また、電流源6の代わりに負荷抵抗を接続する形式
としてもよい。つまり、図5および図7に示すバッファ
アンプの要点は、ソースフォロアを構成するドライバト
ランジスタのゲート電圧が0Vでも負荷に電流を流せる
ように、ドライバトランジスタをデプレション形もしく
はノーマリON形接合形とすることにある。
【0058】また、図5および図7に示すデプレション
形MOSトランジスタまたはノーマリON形接合形電界
効果トランジスタをドライバトランジスタに持つソース
フォロアアンプを図3および図4に示す第2および第3
実施例のバッファアンプに用いた場合、以下のようにバ
イアス電圧VB を低電圧化することが可能となる。
【0059】(8)式より、バイアス電圧VB は、(1
−Av)CD >>CS とした場合、次式で表される。
【0060】 VB ≒{1+(1−Av)CD /CC }VIN0 +K・CD /CC …(18) 上式より、図5および図7に示すバッファアンプではK
<0となるため、バイアス電圧VB を定電圧化すること
が可能となる。
【0061】第2の実施例に対応して、VIN0 =4
(V)、Av=0.9、CD /CC =10(CC /CD
=α=0.1)、K=−0.5(V)とすると、VB
3(V)となる。したがって、第2の実施例で18Vと
して説明したバイアス電圧VB が3Vとなり、15Vだ
けバイアス電圧VB を低減することが可能となる。この
結果、赤外線検出装置をIC化した場合、最大印加電圧
が一般に20V以下であるので、耐圧マージンを増す意
味で、この低電圧化が特に有用となる。
【0062】上記各実施例では、すべて単素子の赤外線
検出装置について述べたが、これらを1次元または2次
元状に多数配列し、出力信号を順次読出すようにするこ
とにより1次元または2次元のイメージセンサを実現す
ることができる。つまり、上記各実施例では、製造ばら
つきが小さいソースフォロアアンプの電圧増幅率Avを
用いて出力信号の変化量を増大させることができるの
で、多数配列した場合、画素間感度のばらつきの少ない
高感度な1次元または2次元のイメージセンサを実現す
ることができる。
【0063】次に、本発明の第4の実施例である1次元
のイメージセンサについて説明する。図8は、本発明の
第4の実施例の赤外線検出装置の構成を示す回路図であ
る。第4の実施例は、第1の実施例と図5に示すバッフ
ァアンプとを組合わせたものを1次元的に一列に配置し
たものである。
【0064】図8を参照して、赤外線検出装置は、シフ
トレジスタ8、焦電素子1a〜1c、デプレションモー
ドMOSトランジスタ5a〜5c、リセットトランジス
タ3a〜3c、選択スイッチとなるトランジスタ10a
〜10c、定電流源となるトランジスタ6iを含む。
【0065】シフトレジスタ8は、4段のシフトレジス
タであり、クロック信号φINを受け、順次シフトした信
号をトランジスタ10aのゲート、トランジスタ10b
およびリセットトランジスタ3aのゲート、トランジス
タ10cおよびリセットトランジスタ3bのゲート、リ
セットトランジスタ3cのゲートへそれぞれ出力する。
トランジスタ10a〜10cの一端はそれぞれトランジ
スタ6iと接続され、この接続点から出力電圧VOUT
出力される。トランジスタ10aの他端は、トランジス
タ5aおよび焦電素子1aと接続される。他のトランジ
スタ10bおよび10cも同様である。リセットトラン
ジスタ3aの一端はトランジスタ5aのゲートおよび焦
電素子1aと接続される。リセットトランジスタ3aの
他端にはリセット電圧VINo が入力される。他のリセッ
トトランジスタ3bおよび3cも同様に接続される。ト
ランジスタ5a〜5cの他端は共通接続され、電源電圧
D が供給される。トランジスタ6iの他端は接地電位
と接続され、そのゲートにはバイアス電圧VG が入力さ
れる。
【0066】次に、上記のように構成された1次元のイ
メージセンサとなる赤外線検出装置の動作について説明
する。シフトレジスタ8へクロック信号φINが入力され
ると、まず、トランジスタ10aがオンし、焦電素子1
aの出力がトランジスタ5aおよび6iで構成されるソ
ースフォロアアンプにより増幅され出力される。次に、
トランジスタ10bがオンし、焦電素子1bの出力が同
様に読出され、同時に、リセットトランジスタ3aがオ
ンし、トランジスタ5aのゲートがリセット電圧VIN0
にリセットされる。以降、上記の動作が順次繰返され
る。上記の動作により、焦電素子1a〜1cの出力が順
次増幅されて読出され、1次元のイメージセンサとして
動作することができる。また、第4の実施例では、定電
流源となるトランジスタ6iを共用化しているため、回
路規模を削減することができる。
【0067】次に、本発明の第5の実施例について説明
する。図9は、本発明の第5の実施例の赤外線検出装置
の構成を示す回路図である。第5の実施例は、第2の実
施例と図5に示すバッファアンプとを組合わせたものを
1次元的に一列に配置したものである。
【0068】図9を参照して、赤外線検出装置は、シフ
トレジスタ8a、選択スイッチとなるトランジスタ10
a〜10c、焦電素子1a〜1c、デプレションモード
MOSトランジスタ5a〜5c、定電流源となるトラン
ジスタ6i、結合容量4a〜4c、リセットトランジス
タ3a〜3cを含む。
【0069】シフトレジスタ8aは3段のシフトレジス
タであり、クロック信号φINを受け、順次シフトした信
号をトランジスタ10a〜10cの各ゲートへ出力す
る。トランジスタ10a〜10cの一端はトランジスタ
6iの一端と接続され、この接続点から出力電圧VOUT
が出力される。トランジスタ6iの他端は、接地電位と
接続され、そのゲートにはバイアス電圧VG を受ける。
トランジスタ10aの他端はトランジスタ5aおよび焦
電素子1aと接続される。トランジスタ10bおよび1
0cも同様に接続される。焦電素子1aは、トランジス
タ5aのゲート、トランジスタ3a、および結合容量4
aと接続される。他の焦電素子1bおよび1cも同様に
接続される。結合容量4a〜4cの他端はバイアス電圧
B を受ける。リセットトランジスタ3a〜3cの他端
はポーリング用電圧VP と接続され、そのゲートにはポ
ーリング用クロック信号φP を受け、ポーリングにのみ
使用される。
【0070】次に、上記のように構成された赤外線検出
装置の動作について説明する。シフトレジスタ3aにク
ロック信号φINが入力されると、まず、トランジスタ1
0aがオンし、焦電素子1aの出力がトランジスタ5a
および6iで構成されるソースフォロアアンプにより増
幅されて出力される。以降同様に焦電素子1b、1cの
出力が順次増幅されて出力される。また、結合容量4a
〜4cを介してバイアス電圧VB が入力され、入力電圧
はソースフォロアアンプの動作点に適した電位となるた
め、リセット動作は行なわれない。また、ポーリング動
作は、ポーリング用クロック信号φP に応答して、トラ
ンジスタ3a〜3cがオンし、ポーリング用電圧VP
より焦電素子1a〜1cのポーリングが行なわれる。し
たがって、第5の実施例でも、第4の実施例と同様に、
画素間感度のばらつきの少ない高感度な1次元イメージ
センサを実現することが可能となる。
【0071】上記のように第4および第5実施例では、
1次元のイメージセンサについて説明したが、2次元の
イメージセンサでも各素子を2次元的に配列することに
より同様に構成することができる。また、画素の読出し
にシフトレジスタとMOSトランジスタとを用いた場合
を示したが、CCD(電荷結合素子)、BBD(バケツ
・リレー素子)等の電荷転送素子を用いてもよい。ま
た、ソースフォロアアンプの負荷の電流源を各画素ごと
に設けてもよいし、ソースフォロアアンプとして図6に
示すバッファアンプや他のバッファアンプを用いてもよ
い。さらに、第5の実施例では、ポーリングをリセット
トランジスタ3a〜3cを用いて行なっているが、結合
容量4a〜4cを用いて行ない、リセットトランジスタ
3a〜3cを削除してもよい。
【0072】
【発明の効果】請求項1ないし請求項12に記載の赤外
線検出装置においては、電圧増幅率の大きな増幅器を用
いることなく、出力電圧の変化量を増大させることがで
きるので、簡単な回路構成で、かつ検出感度を高く設定
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の赤外線検出装置の構
成を示す回路図である。
【図2】 図1に示すバッファアンプの入力電圧と出力
電圧との関係を示す図である。
【図3】 本発明の第2の実施例の赤外線検出装置の構
成を示す回路図である。
【図4】 本発明の第3の実施例の赤外線検出装置の構
成を示す回路図である。
【図5】 図1に示すバッファアンプの他の具体例の構
成を示す回路図である。
【図6】 図5に示すバッファアンプの入力電圧と出力
電圧との関係を示す図である。
【図7】 図1に示すバッファアンプのさらに他の具体
例の構成を示す回路図である。
【図8】 本発明の第4の実施例の赤外線検出装置の構
成を示す回路図である。
【図9】 本発明の第5の実施例の赤外線検出装置の構
成を示す回路図である。
【図10】 従来の赤外線検出装置の構成を示す回路図
である。
【符号の説明】
1 焦電素子、2 バッファアンプ、3 リセットトラ
ンジスタ。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1および第2電極を含む焦電素子と、 前記第1電極と入力側が接続され、前記第2電極と出力
    側が接続され、前記入力側の電圧を増幅して出力するバ
    ッファアンプとを含む赤外線検出装置。
  2. 【請求項2】 前記バッファアンプの電圧増幅率は、1
    より小さい請求項1記載の赤外線検出装置。
  3. 【請求項3】 前記第1電極と接続され、前記焦電素子
    の電位を所定の電位にリセットするためのリセットトラ
    ンジスタをさらに含む請求項2記載の赤外線検出装置。
  4. 【請求項4】 一端が前記第1電極と接続され、他端が
    所定のバイアス電圧を受ける容量をさらに含む請求項1
    記載赤外線検出装置。
  5. 【請求項5】 前記第1電極と接続され、前記焦電素子
    のポーリングにのみ使用されるポーリング用トランジス
    タをさらに含む請求項4記載の赤外線検出装置。
  6. 【請求項6】 前記容量を介して所定の電圧を入力する
    ことにより前記焦電素子のポーリングを行なう請求項4
    記載の赤外線検出装置。
  7. 【請求項7】 前記バッファアンプは、入力信号のレベ
    ルが接地電位のとき、正電圧の出力信号を出力する請求
    項1記載の赤外線検出装置。
  8. 【請求項8】 前記バッファアンプは、デプレションモ
    ードMOSトランジスタを含むソースフォロアアンプを
    含む請求項7記載の赤外線検出装置。
  9. 【請求項9】 前記バッファアンプは、ノーマリON形
    接合形電界効果トランジスタを含むソースフォロアアン
    プを含む請求項7記載の赤外線検出装置。
  10. 【請求項10】 前記焦電素子およびバッファアンプを
    含む赤外線検出器を複数含み、 前記赤外線検出器は、1次元的に一列に配設される請求
    項1記載の赤外線検出装置。
  11. 【請求項11】 前記焦電素子およびバッファアンプを
    含む赤外線検出器を複数含み、 前記赤外線検出器は、2次元的に配列される請求項1記
    載の赤外線検出装置。
  12. 【請求項12】 前記バッファアンプは、定電流源を含
    み、 前記複数の赤外線検出器は、前記定電流源を共用する請
    求項10または請求項11記載の赤外線検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011149932A (ja) * 2009-12-24 2011-08-04 Seiko Epson Corp 赤外線検出回路、センサーデバイス及び電子機器
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