JPH0853507A - トリオルガノ置換スズリチウム開始剤 - Google Patents

トリオルガノ置換スズリチウム開始剤

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JPH0853507A
JPH0853507A JP7137411A JP13741195A JPH0853507A JP H0853507 A JPH0853507 A JP H0853507A JP 7137411 A JP7137411 A JP 7137411A JP 13741195 A JP13741195 A JP 13741195A JP H0853507 A JPH0853507 A JP H0853507A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トリオルガノスズリチウム開始剤中における
残留ハロゲン化物含量を低減させ、該開始剤を使用して
得られるオルガノスズ末端基を有する重合体の加工中に
発生する揮発性のオルガノスズ化合物の量を低減させ
る。 【構成】 トリオルガノスズハロゲン化物をリチウムと
反応させて、ヘキサオルガノ二スズ及びリチウムハロゲ
ン化物を生成し、リチウムハロゲン化物を除去した後、
ヘキサオルガノ二スズをさらにリチウムと反応させて目
的の開始剤を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、2工程法で製造された低い残留
リチウムハロゲン化物含量を有するトリオルガノ置換ス
ズリチウム溶液に係る。オルガノスズリチウムは、ポリ
ジエン及びジエン及びビニル芳香族単量体の共重合体の
如きエラストマーのアニオン重合を開始するために使用
される。この開始剤を使用した重合反応によって生成さ
れた重合体はトリオルガノ置換スズ末端基を有し、この
末端基はカーボンブラックフィラーと反応する。この反
応により、ブチルリチウム開始剤を使用して生成される
同様の重合体におけるよりも低いヒステリシス、高い反
発弾性及び少ない熱ビルドアップを有する硬化カーボン
ブラック充填エラストマーが生成される。
【0002】米国特許第3,426,006号には、塩化スズ(I
I)1モルとアルキルリチウム 3モルとの反応によって
生成されたスズ含有有機金属開始剤が開示されている
(第5欄、第29〜38行)。これら開始剤は無色の重合体
を生成するために使用される。この種の開始剤は、Tamb
orshiらにより、Journal of Organic Chemistry,Vol.2
8,p.237(1963)に、主としてジブチルスズ及びブチ
ルリチウムの平衡混合物(ブチルリチウムがより活性な
開始剤であり、従ってその開始反応から生成されたわず
かな重合体鎖のみが実際にスズ原子を含有する)である
ことが示されている。
【0003】米国特許出願第636,961号(1991年6月2
日出願;ヨーロッパ特許出願公開第493839号)には、ト
リオルガノ置換スズリチウム開始剤を製造するいくつか
の別法及び低減されたヒステリシスを有するオルガノス
ズ停止重合体の製造における使用が開示されている。開
示された開始剤は、本発明のものよりも高い残留塩化物
イオン濃度を有しているか、又はより不経済な蒸留法
(不要なテトラブチルスズ及び/又はトリブチルスズヒ
ドリッド不純物が生ずる)を使用して製造されている。
【0004】発明者らは、2工程法によりトリオルガノ
置換スズハロゲン化物を高収率でトリオルガノ置換スズ
リチウムに変換でき、トリオルガノ置換スズリチウムの
最終溶液における望ましくないリチウムハロゲン化物の
汚染物レベルを実質的に低減できることを見出し、本発
明に至った。2工程法は、わずかにモル過剰量のリチウ
ムを使用するトリオルガノ置換スズハロゲン化物とリチ
ウムとの反応を包含し、この反応によりヘキサオルガノ
置換二スズ化合物を生成する。この反応で生成した不溶
性のリチウムハロゲン化物は濾過(好ましくは熱時濾
過)によって除去される。LiClは反応生成物のより温か
いテトラヒドロフラン(THF)溶液中では溶解性に乏し
い。残留塩化リチウムの汚染物レベルを最小のものとす
る他の工程は、トリオルガノ置換スズハロゲン化物に対
して最少量の溶媒化溶媒(たとえばテトラヒドロフラン
(THF))を使用するものである。たとえば、THFは望ま
しくは濾過前の溶液中の生成物の35〜80重量%である。
ヘキサオルガノ置換二スズ及び残留THFを含まない濾液
を洗浄するためには、望ましくはアルカンタイプの溶媒
が使用されるが、これら溶媒は工程2にLiCl汚染を持ち
越さないためである。その結果、ヘキサオルガノ置換二
スズ化合物はさらに多くの金属リチウムと反応して、よ
り少ない量のリチウムハロゲン化物を含むトリオルガノ
置換スズリチウム化合物を生成できる。
【0005】これらトリオルガノ置換スズリチウム化合
物は、1以上のトリアルキルスズ官能化末端を有するエ
ラストマーを生成するための開始剤として使用される。
スズ官能化末端を有するこれら重合体は、カーボンブラ
ックと配合されて低減されたヒステリシスを有するゴム
生成物とされる。
【0006】この方法によって生成された低い残留ハロ
ゲン化物濃度を有するトリオルガノ置換スズリチウム開
始剤では、オルガノスズ副生物(たとえばテトラブチル
スズ)も低レベルである。高い残留塩化物(たとえば塩
化リチウム)レベルを有するトリオルガノ置換スズリチ
ウムを使用して重合開始された重合体は、加工及び配合
の間にオルガノスズ塩化物を生成することが知られてい
る。これらテトラブチルスズ及びオルガノスズ塩化物は
揮発性である。揮発性の有機スズ化合物は作業部位では
拒絶されるべきものであり、業務上の安全及び健康に関
する条例(Occupational Safety and Health Act(OSH
A))によって規制される。
【0007】2工程法は、良好な活性及び低い残留ハロ
ゲン化物濃度を有するトリオルガノ置換スズリチウム開
始剤を生成するための経済的に実施可能な手段である。
【0008】本発明は、活性なオルガノ置換スズリチウ
ムに対してハロゲン化物イオン(たとえばCl-)約3500p
pmより小、望ましくは3000ppmより小、好ましくは2500
又は2000ppmより小、さらに好ましくは100又は200〜150
0ppmを有する活性な開始剤約10〜55重量%で純粋な形状
のトリオルガノ置換スズリチウム(R3SnLi)溶液を生成
するものである。塩化物含量はイオンクロマトグラフィ
ーによって測定される。トリオルガノ置換スズ塩化物か
ら生成されたリチウム開始剤の残留リチウムハロゲン化
物濃度は、従来技術では、活性なオルガノスズに対して
平均Cl- 4000ppmより大に達している。望ましくは、ト
リオルガノ置換リチウム又はヘキサオルガノ置換二スズ
は、低テトラオルガノスズレベル(活性な開始剤(重
量)に対して、たとえば20、15、10又は5重量%より
小)及び低トリオルガノスズヒドリッドレベル(活性な
開始剤(重量)に対して、たとえば10、6.0又は4.0重量
%より小)を有する。望ましくは、R3SnLiは開始剤中に
存在するすべてのスズ含有物質の90又は93重量%以上で
ある。これらスズリチウム化合物はアニオン系開始剤と
して有用であり、少なくとも1つの鎖末端(重合の開始
が生じた末端)がトリオルガノ置換スズ基(R3Sn)−を
有する重合体(エラストマー)鎖を生成する。スズリチ
ウム化合物が解離して重合反応を開始させると、トリオ
ルガノ置換スズアニオンは単量体ユニットに付加し、カ
ルボアニオンを形成し、一方、リチウム原子は生長鎖端
と関連する対イオンとなる。
【0009】スズリチウム開始剤中にリチウムハロゲン
化物が存在する際には、これらはアニオン系重合反応に
おいて運ばれ、重合体中、その結果、配合されたエラス
トマー中に存在することになる。リチウムハロゲン化物
(特に塩化リチウム)は、さらにトリオルガノ置換スズ
停止重合体及びカーボンブラックと反応して元のトリオ
ルガノスズ塩化物(不快な臭いを有する)を生成する。
さらに、生成するR3SnCl(特にBu3SnCl)は、配合され
た重合体ストックの加工の間における環境問題上重大な
物質である。金属リチウムの代わりにカリウム又はナト
リウムを使用する場合にも同様の結果が認められる。リ
チウムと共に、各種の金属ナトリウムを使用できる。
【0010】トリオルガノ置換スズリチウム化合物は、
金属リチウムに対して不活性な溶媒中におけるトリオル
ガノ置換スズハロゲン化物(R3SnX)と金属リチウム
(又はその一部を任意に金属ナトリウムと交換できる)
との反応によって生成される。特に有効な溶媒化又は溶
解用溶媒の例は、テトラヒドロフラン(THF);エーテル
(たとえば、ジメチルエーテル、ジエチル〜ジアミルエ
ーテル、テトラメチレンエチレンジアミン);グライム
(glyme)(たとえば、モノグライム、エチルグライム、
ジグライム、エチルジグライム、トリグライム、ブチル
グライム、テトラグライム);又は他のジエーテルであ
る。THFは非常に好適な溶媒化又は溶解用溶媒である。
他の溶媒(たとえば炭素数5〜20のアルカン(たとえば
ヘキサン))は希釈剤として使用される。これらアルカ
ン溶媒は、LiClフィルターケーキから有用な反応体をリ
ンスすることに特に有用である。LiClがアルカン中では
極めて不溶性であるため、このリンス用溶媒は濾過工程
から運ばれるLiClの量を最少とする。LiCl濾過ケーキは
リンス前では活性なヘキサオルガノ置換二スズ 10〜15
重量%を保持するものと見込まれる。これらアルカン溶
媒は当該明細書では溶解用溶媒ではない。
【0011】トリ、テトラ及びヘキサオルガノ物質のオ
ルガノ基(R)は、各々独立して、アルキル(炭素数1
〜12の環状アルキルを含む)又はアリール又は炭素数6
〜15のアルキル置換アリールである。さらに望ましく
は、オルガノ基は炭素数2〜8のアルキルであり、最も
望ましくはオルガノ基はブチル基である。ハロゲン化物
(X)は塩化物、ヨウ化物又は臭化物(Cl-、I-、B
r-)であり、さらに望ましくは塩化物である。
【0012】トリオルガノ置換スズリチウム(開始剤)
は望ましくは溶液である。開始剤の濃度は、溶液の約0.
001〜約58重量%、望ましくは約10〜約50又は55重量
%、好ましくは約20又は30〜約50又は55重量%である。
【0013】トリオルガノ置換スズリチウムを生成する
操作は、望ましくは金属リチウムに対して不活性な装置
内で行われる。好適な材料の例としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ステンレス鋼、及びガラスライニ
ング材料がある。反応は望ましくはリチウムに対して不
活性な雰囲気(たとえば、ヘリウム又はアルゴンガ
ス)、好ましくはアルゴンガス雰囲気下で行われる。乾
燥法(たとえば、THFをカルシウムヒドリッド上で乾燥
させること)によって、すべての成分から極微量の水分
をも除去する。トリオルガノ置換スズリチウムを生成す
る操作は、望ましくは2つの別々の工程で行われ、2つ
の工程の間に濾過を行うが、最終の工程の後に任意にさ
らに濾過を行う。
【0014】第1工程 第1工程では、トリオルガノスズ塩化物をほぼ化学量論
量の金属リチウムと反応させて、ヘキサオルガノ置換二
スズの濃縮溶液を生成する。Cl-イオンの除去を容易な
ものとするため、第1工程では反応をヘキサオルガノ置
換二スズまでのみ進行させることが望ましい。トリオル
ガノ置換スズハロゲン化物に対するリチウムのモル比の
値は、第1工程において約1.0〜約1.5、望ましくは約1.
0〜約1.20、好ましくは約1.0〜約1.10である。ほぼ化学
量論量の金属リチウムを添加する際には、極微量のトリ
オルガノスズリチウムが見られるのみである。金属リチ
ウム中における少量のNaの存在は反応速度を増大させる
ことが認められる。使用する金属リチウムは第2工程か
ら回収された過剰又は再循環リチウムでもよい。第1工
程中、反応体又は生成物を溶解させるために溶解用溶媒
が必ずしも存在する必要はないが、少量使用することは
有用であり、金属リチウムの表面を清浄にかつ反応性に
維持することを助ける。溶解用溶媒:トリオルガノスズ
塩化物のモル比の値は、望ましくは3以下、さらに望ま
しくは0.5〜2.0、好ましくは0.8〜1.5である、溶解用溶
媒:スズのモル比の値が大きいほど多量のLiClを溶解で
きる。従って、溶媒:スズ塩化物のモル比を小さい値
(たとえば3以下)に維持して溶解用溶媒に関して濃縮
された溶液中でヘキサオルガノ置換二スズを生成し、こ
れにより可溶性のLiClを低濃度とすることが望ましい。
【0015】反応温度は利用する反応時間に応じて広い
範囲で変動できる。トリオルガノスズ塩化物への金属リ
チウムの添加(又はその逆)の速度は反応器の冷却能力
によって制限される。望ましい反応温度は、副反応(収
率を低下させるか又は他の反応生成物を生ずる)の発生
を最少にするために約0〜約65℃、望ましくは5〜40
℃、好ましくは約5〜約15℃である。生成するトリオル
ガノスズリチウムはさらにトリオルガノスズ塩化物と反
応してヘキサオルガノ置換二スズを生成するものと考え
られる。望ましくは反応をトリオルガノスズ塩化物の変
化率が100%に達するまで進行させ、塩化リチウムと共
に、ヘキサオルガノ置換二スズ化合物(R3Sn−SnR3)を
収率約90〜100%で生成する。不溶性の塩化リチウムは
容易に濾過を行うに適したサイズの結晶である。二スズ
溶液は固形物70又は80重量%以下であり、当該溶液を濾
過して副生物のリチウムハロゲン化物を除去する。フィ
ルターケーキについてヘプタン又は他の炭化水素で数回
洗浄する。溶媒は生成物内に包含される。リチウムハロ
ゲン化物を再循環してリチウムを回収する。
【0016】リチウムハロゲン化物(特に塩化リチウ
ム)は、意外にも、冷THFよりも熱THF中において溶解性
に乏しいことが観察された。このように、可溶性のハロ
ゲン化物の量は、濾過直前及び濾過中に溶媒の温度を高
い値に維持することによって制限される。結果的に、濾
過中、二スズのTHF溶液を約10又は20〜70℃、好ましく
は約30〜65℃に維持して、反応の第2工程に運ばれる可
溶性のリチウムハロゲン化物の量を最少にすることが望
ましい。この反応段階における塩化物:生成物の比は、
最終生成物における塩化物:生成物の比と同様である。
溶解用溶媒の一部の代わりとしてアルカンを使用するこ
とによっても可溶性のLiClが最少となる。
【0017】第2工程 第2工程では、望ましくは、ヘキサオルガノ置換二スズ
(代表的には、溶液中に70又は80重量%以下の濃度で存
在する)を、追加の溶媒化溶媒(好ましくはTHF)中に
金属リチウムを含むスラリーに添加する。この添加順序
はヘキサオルガノ置換二スズの副反応を最少とする。添
加及び反応の合計時間は、望ましくは特別な装置及びそ
の制限に応じて5〜16時間の範囲で変更できる。時間が
長くなければ、望ましくない副生物の量が多くなる。こ
の副生物の濃度は、望ましくは活性な最終生成物の約10
〜50重量%、さらに望ましくは約20〜40重量%である。
リチウム 2モルとヘキサオルガノ置換二スズ 1モルと
が反応してトリオルガノスズリチウム 2モルを生成す
る。ヘキサオルガノ置換二スズとリチウムとの反応の速
度を速めるためには10〜105%の過剰量のリチウムを使
用することが有効である。望ましくは、リチウム:二ス
ズのモル比の値は約2〜6、さらに望ましくは約2.0〜
5.0、好ましくは約2.0〜約4.2である。最終生成物中に
存在する活性なリチウムの量を測定するためにはGilman
滴定を使用できる。
【0018】望ましい反応温度は約0〜約65℃、さらに
望ましくは約5〜約40℃、なお望ましくは約5〜約25
℃、好ましくは約10〜約15℃である。この反応の間にお
ける温度が低いほど、オルガノスズ副生物(たとえば、
テトラブチルスズ及びトリブチルスズヒドリッド)の生
成が最少となることが観察された。反応生成物を濾過し
て未反応の金属リチウム(第1工程における次回のバッ
シ操作に使用される)を回収できる。これにより得られ
た濾液がトリオルガノ置換スズリチウム開始剤である。
フィルターケーキを炭化水素溶媒又は溶解用溶媒でリン
スし、リンス液を任意に生成物と合わせる。溶解用溶
媒:この工程におけるオルガノ置換スズリチウム及び最
終生成物のモル比の値は望ましくは3以上、さらに望ま
しくは3〜6である。これらの比について、スズ物質を
充分に溶解できるが、不必要に希釈しないことが望まし
い。
【0019】トリオルガノスズリチウムは、アニオン重
合可能な単量体のアニオン重合反応を開始させるとの用
途を有する。トリオルガノスズリチウムは、他の化合物
の合成、特に医薬品の合成における中間体としても有用
である。単量体としては、少なくとも1つの炭素−炭素
二重結合を有する化合物(二重結合を介して重合され
る)がある。他の単量体としては、開環反応を介して重
合する環状エーテル及びラクトンがある。好適な単量体
は、炭素数4〜12のジエン(好ましくは共役ジエン)、
炭素数8〜18のモノビニル芳香族単量体及びトリエンで
ある。ジエン及びモノビニル芳香族の共重合体では、共
役ジエン:芳香族ビニル単量体の重量比は望ましくは95
〜50:5〜50、好ましくは95〜55:5〜45である。
【0020】これらトリオルガノ置換スズリチウム化合
物は、1以上のトリアルキルスズ官能化末端を有するエ
ラストマー系重合体を生成するために開始剤として使用
される。スズ官能化末端を有するこれら重合体はカーボ
ンブラックと配合されて、低減されたヒステリシスを有
するエラストマー系生成物となる。
【0021】曲げ状態の間にエラストマー内でヒステリ
シスが増大する1つの源は、硬化物の最後の架橋から重
合鎖の末端までの重合体の区域である。フリーの重合鎖
末端は弾性的にエネルギーを貯えられない。その結果、
この重合鎖末端に移されたエネルギーは熱として失われ
る。この種のヒステリシスエネルギー損失を低減する1
つの方法が、停止スズ基を有する重合鎖末端を生成する
ことである。スズはカーボンブラック強化フィラーに対
して親和性を有し、カーボンブラック上に存在するキノ
ン官能基と化学的に反応する。このスズ停止重合鎖末端
とカーボンブラックとの反応がヒステリシスを低減させ
るものと考えられる。さらに、これはF.TsutsumiらのR
ubber Chemistry and Technology,1990,Vol.63,N
o.1,p.8〜22における「スズ化合物と結合した溶液
SBRの構造と動特性」なる論文に説明されている。硬化
したカーボンブラック充填重合体組成物は、曲げ状態時
に低い熱のビルドアップが要求される多くの用途で有用
である。このような用途の1つとして、ヒステリシスの
低減により転がり抵抗が低減されるタイヤがある。
【0022】これら開始剤を使用する重合反応は、通
常、一般的なアニオン重合用の炭化水素溶媒(たとえ
ば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン等)中で行わ
れる。停止が生ずる鎖末端を官能化するためには、重合
反応停止剤を使用できる。活性な停止剤としては、引き
抜き可能な(abstractable)水素原子を有する化合物
(たとえば、水又はアルコール)がある。生長する鎖末
端は、停止官能基を提供する化合物により官能化される
か又は他の物質に結合される。これらの化合物として
は、四塩化スズ、R3SnCl、R2SnCl2、RSnCl3、カルボジ
イミド、N−メチルピロリジン、環状アミド、環状尿
素、イソシアネート、シッフ塩基、4,4′−ビス(ジエ
チルアミノ)ベンゾフェノン、及び公知の官能化剤があ
る(ここで、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜20のアル
キル、炭素数3〜20のシクロアルキル、炭素数6〜20の
アリール、又は炭素数7〜20のアラルキルである)。
【0023】この用途に好適な停止又はカップリング剤
は、一般式 RxSn(OR)4-x (式中、xは0〜3であり、各Rは上述の有機基であ
り、好ましくはRは低級(すなわち炭素数1〜8)アル
キルに限定される)で表される各種のスズアルコキシド
である。これらスズ含有化合物は、重合体に保持される
汚染物(塩化物)の量を最少とすることを助長する点で
好ましい。上述の如く、塩化物の汚染物はオルガノスズ
停止重合体からの揮発性オルガノスズ副生物の生成によ
るものである。
【0024】トリオルガノ置換スズリチウム開始剤を使
用するアニオン重合は、当分野で公知の重合法に従って
行われる。開始剤:単量体のモル比は、連鎖移動又は鎖
停止反応の不存在下で分子量を限定する。単量体は回分
式又は増量式で添加される。重合反応温度が低いと連鎖
移動及び停止反応が最少となる傾向がある。ジエンの重
合においてビニル含量を制御するため、又は共重合反応
におけるランダム性を助長するために、極性のコーディ
ネーターを添加できる。極性コーディネーターの量はリ
チウムの当量当たり0.001〜90(以上)当量である。
【0025】極性コーディネーターとして有用な化合物
は、テトラヒドロフラン、線状及び環状のオリゴマー系
オキソラニル(oxolanyl)アルカン(たとえば、2,
2′−ジ(テトラヒドロフラニル)プロパン)、ジピペリ
ジルエタン、ヘキサメチルホスホルアミド、N,N′−
ジメチルピペラジン、ジアゾビシクロオクタン、ジメチ
ルエーテル、ジエチルエーテル、トリブチルアミン等で
ある。線状及び環状のオリゴマー系オキソラニルアルカ
ン変性剤は米国特許第4,429,091号に開示されており、
ここでも参照する。他の極性コーディネーターとして
は、酸素又は窒素ヘテロ原子及び非結合電子対を有する
化合物がある。その例としては、モノ及びオリゴアルキ
レングリコールのジアルキルエーテル;クラウンエーテ
ル;第3級アミン(たとえば、テトラメチレンジアン
(TMEDA));テトラヒドロフラン(THF)、THFオリゴマ
ー、THFのアルキル化物等がある。
【0026】唯一の開始剤として本発明のトリオルガノ
スズリチウム開始剤を使用して生成された重合体は、重
合体鎖当たり1以上のオルガノ置換スズ基を必須的に有
し、この1つの基は開始剤に由来する。オルガノ置換ス
ズ停止剤又はカップリング剤を使用する場合、トリオル
ガノスズ:重合体鎖のモル比は、1.60:1以上、望まし
くは1.80:1以上、好ましくは1.95:1以上である。ト
リオルガノスズ化合物(R3Sn-)は、これら開始剤によ
って重合開始された重合体鎖の第1番目の単位である。
このように、生長する重合体鎖は構造 R3Sn-(繰返し単位)-Li+ を有する。ついで、生長するアニオン鎖末端は上述の如
く官能化される。重合体中の残留ハロゲンは、本発明の
開始剤中における残留ハロゲン(望ましくはCl-)の濃
度が低いため、トリオルガノスズ基の重量に対して3500
ppmより小、好ましくは約2500又は2000ppmより小、さら
に好ましくは約100又は200〜1500ppmである。
【0027】本発明のトリオルガノ置換スズリチウム開
始剤は、貯蔵による開始剤活性のロスに対して非常に安
定である。すなわち、密閉したガラスアンプル内におい
てTHF中に存在したブチルリチウムは、保存中に開始剤
としての活性を失う。これに対し、THFに溶解し、温度2
0〜35℃でガラスアンプル内に保存したトリオルガノス
ズリチウム開始剤は、6カ月以上の期間、測定可能なロ
スを生ずることなくその活性を保持する。
【0028】本発明のトリオルガノ置換スズリチウム化
合物は、利用する反応条件が温和である(たとえば、低
温)ためオルガノスズの副生物が少量である。かかる効
果の1つの例は、初期トリブチル置換スズリチウムが生
成物中に汚染物としてテトラブチルスズ 8〜10モル%
を生成したことである。反応条件を制御することによっ
て、トリブチル置換スズリチウムサンプルは、テトラブ
チルスズ形のスズ 2又は3モル%を有するようにな
る。ヘキサオルガノスズを蒸留することにより、第1工
程で生成したヘキサオルガノスズに比例して多くの量の
テトラブチルスズを生ずることが予想される。トリオル
ガノスズリチウム開始剤を使用して得られた重合体は、
配合ゴムストックとしての用途を有する。重合体の末端
のオルガノスズ基は、多くのゴムストック中で使用され
るカーボンブラック上のキノンの如き官能基と化学的に
反応できる。この重合体鎖末端とカーボンブラックとの
間の化学反応が硬化ゴムストックにおけるヒステリシス
を低減させる。たとえばタイヤ(ゴムが一定して曲げ状
態に保たれる)の如き用途では、これは転がり抵抗を低
減し、熱のビルドアップを最少とする。
【0029】
【実施例1】上記方法は下記の実施例からさらに良好に
理解されるであろう。トリ−n−ブチルスズ塩化物6.89
Kgを、テトラヒドロフラン(THF)1.8Kg中で金属リチウ
ム 0.187Kgを反応させた。細粒状又は粉末状の金属リチ
ウムは大きい固体のものよりも迅速に反応できる。15〜
35℃で撹拌しながら、この反応を約2時間行った。反応
生成物中の不溶性リチウムハロゲン化物(沈殿として存
在する)を熱時濾過(たとえば55℃)によりヘキサ−n
−ブチル−二スズのTHF溶液から除去した。LiClをペン
タン又はヘプタンで洗浄してスズ(Sn)化合物を含有し
ないものとし、Liを回収するため再循環する。ヘキサ−
n−ブチル−二スズの濾過溶液を、溶媒:トリオルガノ
スズリチウムの比が3:1となるに充分な量のTHF(約
3.6Kg)及び金属リチウム 0.35Kgを収容する反応器に徐
々に添加した。温度25〜50℃で約4時間反応させて、ト
リ−n−ブチルスズリチウムのTHF溶液を生成させた。
これを再び濾過して存在する過剰の金属リチウム及び不
溶性のスズ含有副生物を除去した。
【0030】
【実施例2】第1工程 撹拌機を具備するタンク形反応器をアルゴンによって脱
気し、金属リチウム分散体5.90Kg(13ポンド、1.87lb−
モル)及びテトラヒドロフラン(THF)77.11Kg(170l
b、2.36lb−モル)を充填した(金属リチウムは金属ナ
トリウム 0.5%を含有する)。金属リチウム分散体は新
たに充填したもの、又は後述の第2反応工程から濾過し
かつ第1工程に再循環された過剰の金属である。スラリ
ーを撹拌しながら10〜15℃に維持すると共に、トリ−n
−ブチルスズ塩化物258.55Kg(570ポンド、1.75lb−モ
ル)を8〜10時間で添加した。反応は明らかに発熱性で
あり、迅速に進行する。添加速度は反応器の冷却能力に
左右される。添加が完了した後、温度が室温に2時間で
上昇する前に反応混合物をさらに撹拌した。ついで、濾
過を行う。
【0031】反応スラリーを濾過して反応で生成した塩
化リチウムを除去した。フィルターケーキをヘプタンで
2回洗浄して残留するヘキサブチル二スズ及びTHFを除
去した。これらの洗浄液を、ヘキサブチル二スズを含有
するTHF溶液と合わせて第2工程の反応用の原料とし
た。ヘキサブチル二スズ生成物への収率は約85〜95%で
あった。溶液の塩化物含量は2000ppmより小であり、ヘ
キサブチル二スズの濃度は約70〜80重量%である。
【0032】第2工程 撹拌機を具備するタンク形反応器をアルゴンで脱気し、
金属リチウム(ナトリウム 0.5重量%含有)9.98Kg(22
ポンド)及びTHF 151.50Kg(334ポンド)を充填した。
撹拌し、スラリーを5〜15℃に冷却し、この温度に維持
しながら、第1工程からの合わせた濾液を6〜8時間で
添加した。反応の前半は温和な発熱性である。添加を10
〜15℃で行った後、反応スラリーをさらに4時間撹拌し
た。ついで、反応スラリーを放置して2時間で室温まで
温め、さらに数時間撹拌した。つづいて生成物スラリー
を濾過し、フィルターケーキをヘプタンで洗浄し、洗浄
液を生成物溶液と合わせた。最終生成物溶液はトリ−n
−ブチルスズリチウム約30〜35%を含有し、全体の収率
は76〜80%である。主として金属リチウムでなるフィル
ターケーキを各工程用のリチウム原料として再循環でき
る。
【0033】
【実施例3】トリオルガノ置換スズリチウム開始剤を使
用して生成した重合体の配合及び硬化の間に揮発性の有
機スズ化合物が生成するか否かに関心があるため、硬化
ゴムサンプル中における抽出可能なBu3SnClの量に対す
るトリブチル置換スズリチウム(TBTL)中のCl-の影響
を測定する実験を行った。実験法は下記のとおりであ
り、データを後述の表1に示す。
【0034】容積7.6リットルのステンレス鋼製反応器
に、スチレンの33%ヘキサン溶液916g及びブタジエン
の24.5%ヘキサン溶液3.18Kgを添加した。13℃に冷却し
た後、2,2′−ジテトラヒドロフリルプロパン 1.0〜
1.5ミリモル及びトリブチルスズリチウム(TBTL)8.7〜
10.9ミリモル(約50重量%THF溶液)を添加した。温度
を13℃に1.5時間維持し、21℃に上昇させ、ついで49℃
に達するまで15分毎に5.6℃ずつ上昇させた。サンプル
1.8Kgを取出し、イソプロピルアルコールによって反応
を停止させ、酸化防止剤としてジブチルパラクレゾール
(DBPC)を添加した。得られたサンプルについて、ML4
(100℃)、スチレン含量(%)、ビニルPBD含量(%)
及びTg(℃)を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0035】
【表1】 重合体 TBTL開始剤中 Bu3SnAm ML4 スチレン ビニルPBD Tgサンプル のCl- (ppm) (ppm) 100℃ 含量(%) 含量 (%) (℃) 1 6325 819 57.4 20.7 61.2 -36.2 2 3770 450 10.3 21.8 78.4 -18.8 3 2425 466 27.3 28.4 57.9 -29.9 4 2425 645 9.4 30.7 55.8 -31.3 5 830 90.1 78.4 27.4 63.4 -21.4 6 830 128 23.6 30.1 55.7 -24.1 7 830 185 26.9 31.1 56.4 -23.2 8 40 55.0 30.5 30.0 56.0 -26.3 9 40 114 16.2 29.2 56.0 -26.4 10 40 55.4 82.2 29.5 54.5 -26.6
【0036】ブラベンダー撹拌機において、このゴム 1
00部をカーボンブラック 50phr、酸化亜鉛3phr、酸化
防止剤1phr、イオウ 1〜8phr、ステアリン酸2phr、
及び促進剤1phrと混合し、ついで149℃で30分間硬化さ
せることによってテストプラークを作成した。ヘキサン
による抽出、抽出物のアミルマグネシウム臭化物(AmMg
Br)での処理及びフレーム測光検出器及びテトラプロピ
ルスズ(Pr4Sn)内部基準物を使用するガスクロマトグ
ラフィー(GC)による分析を行って、抽出可能なトリブ
チルスズ塩化物(Bu3SnCl)(Bu3SnAmとして測定)を定量
する。表1は、Cl-の濃度が開始剤の重量に対して2000p
pmより小である場合、Bu3SnClの濃度が低いことを示
す。
【0037】以上、本発明の最良の形態及び好適な具体
例について述べたが、本発明の精神はこれらに限定され
ず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウィリアム・エル・ハーゲンロザー アメリカ合衆国オハイオ州44313 アクロ ン市ドーチェスターロード195 (72)発明者 ウィリアム・ノバイス・スミス アメリカ合衆国ペンシルバニア州19147 フィラデルフィア市サウスパースストリー ト412 (72)発明者 アンソニー・ジョセフ・ミュラトアー・サ ード アメリカ合衆国ペンシルバニア州19520 エルバーソン アールディー1 ボックス 197 (72)発明者 ジェイ・シー・サイグル アメリカ合衆国ペンシルバニア州19335 ダウニングタウン リッジウッドサークル 112 (72)発明者 マーク・チモシー・ネメス アメリカ合衆国ペンシルバニア州19341 エクストン コンコードアベニュー412

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1以上の溶媒及び任意の1以上の溶解用溶
    媒の存在下で、トリオルガノ置換スズハロゲン化物と金
    属リチウムとを、前記溶解用溶媒:前記置換スズハロゲ
    ン化物のモル比3:1より小で反応させて得られたヘキ
    サオルガノ置換二スズを含有する濾過反応生成物と、金
    属リチウム及び任意の1以上の溶解用溶媒とを反応させ
    ることによって得られたハロゲン化物含量3000ppmより
    小のトリオルガノ置換スズリチウムでなる反応生成物で
    あって、前記溶解用溶媒:該トリオルガノ置換スズリチ
    ウム(ここで、オルガノ基は独立して炭素数1〜12のア
    ルキル又はシクロアルキル、又は炭素数6〜15のアリー
    ル又はアルキル置換アリールであり、ハロゲン化物が塩
    化物、ヨウ化物又は臭化物である)が3:1以上である
    反応生成物でなるトリオルガノ置換スズリチウム開始剤
    において、不溶性のリチウムハロゲン化物を除去するた
    めの前記ヘキサオルガノ置換二スズの濾過を温度10〜70
    ℃で行ったことを特徴とする、トリオルガノ置換スズリ
    チウム開始剤。
  2. 【請求項2】請求項1記載のものにおいて、ハロゲン化
    物が塩化物であり、その濃度がトリオルガノ置換スズリ
    チウムに対して2000ppmより小であり、各オルガノ基が
    独立して炭素数3〜4のアルキルであり、前記の1以上
    の溶解用溶媒が主としてテトラヒドロフランである、ト
    リオルガノ置換スズリチウム開始剤。
  3. 【請求項3】請求項2記載のものにおいて、前記溶液が
    鉱油を含有しないものであり、前記オルガノ基がブチル
    基であり、前記トリブチルスズリチウムが該反応生成物
    中に存在するすべてのスズ物質の93重量%以上である、
    トリオルガノ置換スズリチウム開始剤。
  4. 【請求項4】トリオルガノ置換スズリチウム溶液を製造
    する方法において、任意に1以上の溶解用溶媒の存在
    下、トリオルガノ置換スズハロゲン化物と金属リチウム
    とを、前記1以上の溶解用溶媒:前記トリオルガノ置換
    スズハロゲン化物のモル比3:1より小で反応させて、
    主としてヘキサオルガノ置換二スズ及びリチウムハロゲ
    ン化物沈殿物を生成する工程;前記溶液を温度10〜70℃
    で濾過して沈殿したリチウムハロゲン化物を除去し、濾
    過した溶液とリチウム及び前記1以上の溶解用溶媒とを
    反応させる工程;ヘキサオルガノ置換二スズを金属リチ
    ウムと反応させて、前記1以上の溶解用溶媒中でトリオ
    ルガノ置換スズリチウム(ここで、各オルガノ基は独立
    して炭素数2〜12のアルキル又はシクロアルキル、又
    は炭素数6〜16のアリール又はアルキル置換アリールで
    あり、前記ハロゲン化物が塩化物、ヨウ化物又は臭化物
    である)を、前記1以上の溶解用溶媒:トリオルガノ置
    換スズリチウムのモル比の値3以上で生成する工程を包
    含することを特徴とする、トリオルガノ置換スズリチウ
    ム溶液の製法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の製法において、前記溶液の
    1以上の溶解用溶媒が主としてテトラヒドロフランであ
    り、テトラヒドロフラン:前記トリオルガノ置換スズリ
    チウムのモル比の値が2.5以上であり、ハロゲン化物が
    塩化物であり、オルガノ基がブチル基である、トリオル
    ガノ置換スズリチウム溶液の製法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の製法において、前記トリオ
    ルガノ置換スズリチウムを濾過して未反応のリチウム及
    び不溶性のスズ化合物を除去する工程をさらに包含す
    る、トリオルガノ置換スズリチウム溶液の製法。
  7. 【請求項7】アニオン重合を行い、カーボンブラック充
    填エラストマーとされる際、低減されたヒステリシス及
    び低い揮発性オルガノスズ副生物レベルを示す重合体を
    生成する方法において、トリオルガノ置換スズハロゲン
    開始剤と、少なくとも1つのジエン単量体及び任意にモ
    ノビニル芳香族単量体とを反応させて、少なくとも1つ
    の末端にトリオルガノ置換スズ基を有する重合体を生成
    する工程を包含してなり、前記開始剤が、残留塩化物含
    量3000ppmより小及び該トリオルガノスズ開始剤に対し
    て15重量%のテトラオルガノスズ濃度を有するものであ
    り、該開始剤の各オルガノ基が独立して炭素数1〜12の
    アルキル又はシクロアルキル、又は炭素数6〜15のアリ
    ール又はアルキル置換アリールであり、前記ジエンが炭
    素数4〜12を有するものであり、前記モノビニル芳香族
    単量体が炭素数8〜18を有するものであることを特徴と
    する、アニオン重合法。
  8. 【請求項8】ヘキサオルガノ置換二スズ溶液を製造する
    方法において、トリオルガノ置換スズハロゲン化物と有
    効量の金属リチウムとを反応させて、任意に1以上の溶
    解用溶媒を該溶解用溶媒:トリオルガノスズハロゲン化
    物のモル比の値が3.0以下となる量で含有する溶媒中に
    主としてヘキサオルガノ置換二スズ及びリチウムハロゲ
    ン化物を含有する溶液を生成する工程;前記溶液を温度
    10〜70℃で濾過して、沈殿したリチウムハロゲン化物を
    ヘキサオルガノ置換二スズから分離する工程を包含して
    なり、得られたヘキサオルガノ置換二スズが該ヘキサオ
    ルガノ置換二スズに対して3000ppmより小の塩化物含量
    及びトリオルガノスズリチウムの重量に対して15重量%
    より小のテトラブチルスズ含量を有するものであること
    を特徴とする、ヘキサオルガノ置換二スズ溶液の製法。
  9. 【請求項9】請求項8記載の製法において、前記1以上
    の溶解用溶媒がテトラヒドロフランであり、トリオルガ
    ノ置換スズリチウムの各オルガノ基が独立して炭素数1
    〜12のアルキル又はシクロアルキルであり、前記ヘキサ
    オルガノスズが濾過後、塩化物含量2000ppmより小を有
    するものである、ヘキサオルガノ置換二スズ溶液の製
    法。
  10. 【請求項10】請求項9記載の製法において、前記オル
    ガノ基がブチルであり、濾過中の溶液温度が約20〜65℃
    である、ヘキサオルガノ置換二スズ溶液の製法。
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