JPH0853472A - トリアルコキシシランの製法 - Google Patents

トリアルコキシシランの製法

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Publication number
JPH0853472A
JPH0853472A JP18938294A JP18938294A JPH0853472A JP H0853472 A JPH0853472 A JP H0853472A JP 18938294 A JP18938294 A JP 18938294A JP 18938294 A JP18938294 A JP 18938294A JP H0853472 A JPH0853472 A JP H0853472A
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JP
Japan
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methanol
alcohol
reaction
trialkoxysilane
azeotropic
Prior art date
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Pending
Application number
JP18938294A
Other languages
English (en)
Inventor
Sunao Imaki
直 今木
Koichi Adachi
浩一 足立
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 効率のよいトリアルコキシシランの製法を提
供する。 【構成】 トリメトキシシランと炭素数2以上のアルコ
ールからアルコール交換反応によりトリアルコキシシラ
ンを製造する際、 メタノールと共沸混合物を形成する成分の共存下で
アルコール交換反応を行わせ、かつ 前記共沸混合物の沸点が58℃未満である、ことを
特徴とするトリアルコキシシランの製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】トリアルコキシシラン、特にトリ
メトキシシラン及びトリエトキシシランは半導体用のシ
リコン製造の原料となるシランガスや、複合材や塗料等
の分野で用いられるシランカップリング剤の製造原料と
して産業上重要な化合物である。本発明は、このトリア
ルコキシシランの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にアルコキシシランの製法として、
(1)式のようにアルコール交換反応を利用する方法が
知られている。
【0003】
【数1】 R1 n Si(OR2 4-n + (4-n)R3 OH → R1 n Si(OR3 4-n + (4-n)R2 OH (1) (n=0〜3)
【0004】(文献:M.G.Voronkovら“T
HE SILOXANE BOND”P340) この製法をトリアルコキシシランに適用すると、(2)
式のようにトリメトキシシランを出発物質として各種ア
ルコールと反応させることにより対応する各種トリアル
コキシシランが合成できる。
【0005】
【数2】 HSi(OCH3 3 + 3ROH → HSi(OR)3 + 3CH3 OH (2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
反応(1)は平衡反応であり、単にR1 n Si(O
24-n とアルコールを混合しただけでは、たとえば
n=1の時、R1 Si(OR 2 3 、R1 Si(O
2 2 (OR3 )、R1 Si(OR2 )(O
3 2 、R1 Si(OR3 3 などの平衡組成物が生
じるだけで、高収率でトリアルコキシシランR1 Si
(OR3 3 を得ることはできない。このため通常、
(1)のアルコール交換で生成する低級のアルコールを
蒸留操作により反応系外へ追い出すことにより平衡を右
へずらしてトリアルコキシシランの収率を上げる方法が
用いられる。
【0007】同じことが(2)でも言えるが、トリメト
キシシラン(TMSと略)の場合、アルコール交換で生
ずるメタノールと常圧で沸点58℃、重量比でほぼ1:
1の共沸混合物を作るため、アルコール交換反応の平衡
を右へずらそうとして沸点64℃のメタノールを蒸留除
去しようとすると、より低沸のTMS−メタノール共沸
混合物が留出してしまい、反応すべきTMSがロスする
という不具合が生じる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の事
実に鑑み、アルコール交換反応(2)においてメタノー
ルのみ選択的に蒸留除去する方法を検討した結果、TM
S−メタノールの共沸点より低い共沸点を持つ共沸混合
物をメタノールとの間に生ずる化合物を反応系に共存さ
せ、蒸留することによりトリアルコキシシランが高収率
で得られることを見いだした。
【0009】すなわち、本発明の要旨は、トリメトキシ
シランと炭素数2以上のアルコールからアルコール交換
反応によりトリアルコキシシランを製造する際に、メ
タノールと共沸混合物を形成する成分の共存下でアルコ
ール交換反応を行わせ、かつ前記共沸混合物の沸点が
58℃未満である、ことを特徴とするトリアルコキシシ
ランの製法にある。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。TMSと
反応させるアルコールの種類は特に限定しないが、水酸
基を2個以上持つ場合、TMSと重合するので1価のア
ルコールが好ましく、たとえば、エタノール、n−プロ
パノール、イソプロパノール、n−ブタノール、n−ペ
ンタノール、n−ヘキサノール、シクロペンタノール、
シクロヘキサノールなどの脂肪族アルコール、フェノー
ル、クレゾールなどの芳香族アルコールが挙げられる。
【0011】仕込みの際のアルコール/TMSのモル比
は特に制限はないが、3以下では、化学量論量不足のた
め当然アルコール交換が完結しない。一方、アルコール
が過剰すぎると、反応終了後、生成したトリアルコキシ
シランと過剰分のアルコールの分離のスケールが大きく
なる。このため、3〜10モル比程度、なかでも3〜6
モル比が好ましい。
【0012】反応系に加えるメタノールと共沸する化合
物(以下、共沸剤と略す)としては、TMS−メタノー
ルの共沸を破り、メタノールを先に留出させるためTM
S−メタノールの共沸点58℃より低沸の共沸物をメタ
ノールと形成するものに限られ、例えば、メチルプロピ
ルエーテル(11.94%、38℃、ただし、%は共沸
組成のメタノール重量%を表し、温度はその共沸沸点を
表す。以下、同じ)、エトキシメトキシメタン(25.
3%,57.1℃)、シクロペンタン(14%,38.
8℃)、n−ペンタン(15%,30.6℃)、メチル
ブチルエーテル(35.35%,56.3℃)、エチル
プロピルエーテル(24%,55.5℃)、メチル−t
−ブチルエーテル(15%,51.6℃)、ベンゼン
(38%,57.5℃)、シクロヘキサン(38%,5
4℃)、ヘキサン(26%,50℃)、トランス−1,
3−ジメチルシクロペンタン(45%,57.3℃)、
2,3,3−トリメチルブタン(38%,54.1℃)
などが挙げられる。中でも、工業的見地からすると、不
活性で58℃より共沸沸点ができるだけ離れていて、か
つ共沸組成のメタノール含有量が多いものが好ましく、
とくにシクロペンタン、n−ペンタン、ベンゼン、ヘキ
サン、シクロヘキサンなどが好適である。
【0013】反応系に添加するこれらのメタノール共沸
剤の量は、アルコール交換反応により発生するメタノー
ル量に対応させ、メタノールと共沸組成となるように適
宜決定する。アルコール交換反応では、例えば、塩酸や
ピリジンといった酸やアルカリ性物質を触媒として添加
してもよいが、本発明者らの実験によるとTMSとアル
コールの交換反応は無触媒でもかなり速く、室温で、ほ
とんど数分間で平衡状態に達するため、触媒は必須では
ない。
【0014】反応温度は、メタノール共沸剤の選定によ
り、その共沸沸点以上の温度で行う。圧力は、通常、常
圧で行うが、必要に応じ、減圧下または加圧下で行って
もよい。反応の方法としては、本反応がいわゆる反応蒸
留に類するため、バッチ形式が適しているが、滞留時間
を十分にとることにより連続反応で行う事もできる。
【0015】反応装置としては、通常の蒸留塔を備えた
撹拌槽を用いることができる。蒸留塔に関しては、メタ
ノール共沸剤の選定により、必要な段数、還流比を決定
する。このように適当なメタノール共沸剤を用いること
により、メタノールを反応系外に除去し、アルコール交
換を完結させた後、残存する過剰分のアルコールをさら
に蒸留除去することにより蒸留残渣として、高収率でト
リアルコキシシランを得ることができる。また、必要に
応じて、さらにトリアルコキシシランを蒸留することに
より精製してもよい。また、共沸剤を再使用するため留
出したメタノール共沸物から、抽出などの方法によりメ
タノールと共沸剤を分離する工程を本反応のあとに追加
してもよい。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例
に限定されるものではない。
【0017】実施例1 反応器としてガラス製の1リットルの3つ口フラスコに
精留塔を取り付けたものを用いた。精留塔は、内径16
mm、長さ600mmで、充填物としてガラス製のヘリ
ックス型(外径5mm)充填物を詰めた。また、精留塔
の塔頂部にコンデンサー付きの還流器を取り付けた。こ
の反応器に、トリエトキシシラン(TESと略す)を合
成する目的で、TMS86.0g(0.705mo
l)、エタノール130.0g(2.83mmol)を
仕込み、さらにメタノール共沸剤としてヘキサン19
0.0gを添加した。
【0018】この反応器をオイルバス中で加熱し、還流
比0.5の条件で蒸留を行い、経時的に留出してくる留
出液を塔頂温度を見ながら適当に分取し、ガスクロマト
グラフィーで組成を分析した。その結果を表−1にまと
めた。この結果、各留出液の組成から反応成績を計算す
ると、TMSの転換率は95.8%、TES選択率9
4.9%で、TES収率は90.7%(104.9g)
であった。また、フラクション5で純度99.3%のT
ESが単離できた。
【0019】実施例2 実施例1で、メタノール共沸剤としてヘキサンの代わり
にベンゼン139.2gを加え、同じように蒸留を行っ
た。その結果を表−2にまとめた。この結果、各留出液
の組成から反応成績を計算すると、TMSの転換率は9
9.8%、TES選択率88.0%で、TES収率は8
7.8%(101.5g)であった。また、フラクショ
ン5で純度95.1%のTESが単離できた。
【0020】実施例3 実施例1で、メタノール共沸剤としてヘキサンの代わり
にシクロペンタン、n−ペンタンおよびシクロヘキサン
をそれぞれ用い、実施例1と同じ装置、条件で蒸留を行
った。その留出液の組成から反応成績を計算した結果を
表−3にまとめた。いずれの場合でも、共沸剤を使うこ
とにより、90%以上の高収率で、トリエトキシシラン
が得られた。
【0021】比較例1 実施例1の仕込み組成で、メタノール共沸剤を添加せ
ず、エタノールとTMSだけで、同じように蒸留を行っ
た。その結果を表−4にまとめた。この結果、各留出液
の組成から反応成績を計算すると、TMSの転換率は7
1.4%、TES選択率87.4%で、TES収率は6
2.4%(72.2g)であった。仕込みの約30%に
あたる未反応TMSは、表−3から明らかなように、フ
ラクション1でメタノールと共沸を形成し、反応系外へ
留出していた。
【0022】
【表1】 ND:検出されず
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【発明の効果】本発明により、効率よくトリアルコキシ
シランを製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリメトキシシランと炭素数2以上のア
    ルコールからアルコール交換反応によりトリアルコキシ
    シランを製造する際に、 メタノールと共沸混合物を形成する成分の共存下で
    アルコール交換反応を行わせ、かつ 前記共沸混合物の沸点が58℃未満である、ことを
    特徴とするトリアルコキシシランの製法。
JP18938294A 1994-08-11 1994-08-11 トリアルコキシシランの製法 Pending JPH0853472A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006022096A (ja) * 2004-07-07 2006-01-26 Xerox Corp ヨードアルキルアルコキシシランの製造方法
JP2008500305A (ja) * 2004-05-26 2008-01-10 デグサ ゲーエムベーハー オルガノシランエステルの製法

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040323