JPH0853305A - 固型徐放剤組成物およびその製造法 - Google Patents

固型徐放剤組成物およびその製造法

Info

Publication number
JPH0853305A
JPH0853305A JP20932694A JP20932694A JPH0853305A JP H0853305 A JPH0853305 A JP H0853305A JP 20932694 A JP20932694 A JP 20932694A JP 20932694 A JP20932694 A JP 20932694A JP H0853305 A JPH0853305 A JP H0853305A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
active ingredient
wax
fibrous
sustained
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20932694A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiko Kaneko
俊彦 金子
Koji Yamauchi
浩司 山内
Takashi Koganei
隆志 小金井
Hiroyasu Myojin
弘恭 明神
Nobutaka Ota
信隆 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHINSUIDOU KK
ST Chemical Co Ltd
Original Assignee
SHINSUIDOU KK
ST Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHINSUIDOU KK, ST Chemical Co Ltd filed Critical SHINSUIDOU KK
Priority to JP20932694A priority Critical patent/JPH0853305A/ja
Publication of JPH0853305A publication Critical patent/JPH0853305A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 パラフィンワックスやマイクロクリスタリン
ワックス等のワックス成分、紙、織布、不織布等の繊維
性成分および油性有効成分を含有する殺虫・防虫剤、防
かび剤、消臭剤、芳香剤等の固型徐放剤組成物およびそ
の製法。 【効果】 本発明の固型徐放剤組成物は、従来の徐放製
剤と比べ、空気の流通や温度による影響を受けにくく、
しかも経済的に油性有効成分を徐放することが可能とな
るものであり、新しいタイプの徐放製剤として、家庭用
をはじめとし、多くの分野で広く利用できるものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固型徐放剤組成物に関
し、更に詳細には、防虫剤成分、消臭剤成分、香料成分
等の油性有効成分を長期間にわたって安定に放出するこ
とのできる固型徐放剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、揮散性有効成分あるいは、揮
散性溶剤に担持させた有効成分を徐々に放出させる徐放
型製剤は公知であり、殺虫・防虫剤、防かび剤、消臭
剤、芳香剤等として利用されている。
【0003】この徐放型製剤としては、例えば、 揮
散性有効成分を、紙、不織布、素焼きあるいはゼオライ
ト等の含浸体に含浸させたもの、 揮散性有効成分の
溶液をゲル化剤をもちいてゲル化したもの、 熱可塑
性樹脂中に揮散性有効成分を混入させたもの等が知られ
ている。
【0004】しかし、上記したような徐放型製剤のう
ち、 および のものは、例えば、高温の条件下
や、送風などにより強制的に揮散させる条件下では揮散
の初期の段階で薬剤が大量に放出し、経時的に放出量が
少なくなってしまい、安定して薬効成分を放出すること
ができないという問題点があった。
【0005】また、 のものは、樹脂中に配合できる
揮散性有効成分量が数パーセントと少ないうえに、配合
された有効成分の大部分は樹脂中に残存し、揮散しない
ために、薬効が弱いという問題点があった。
【0006】なお、前記 や に関しては、揮散面
積を変化させたり、通気量を手動式あるいは機械式もし
くは電動式で調節する方法も取られているが、例えば、
温度変化に対応して揮散面積を変化させたり、手動で通
気量を調節することは極めて面倒であり、かつ、温度に
対する個人差があるので充分にその目的を達成すること
は困難である。 一方、機械式あるいは電動式では上記
のような問題はないが、設備自身が複雑となり、かなり
高価なものとなる欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、温度や送風の
影響をあまり受けず、十分な量の有効成分を安定に揮散
させる技術の開発が求められていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特に油性
の有効成分を徐々に揮散させるべく鋭意研究を行った結
果、溶融したワックス中に当該成分と繊維性成分を混入
させ、これを固化せしめれば優れた徐放性を有する固型
徐放剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明の目的は、ワックス成
分、繊維性成分および油性有効成分を含有する固型徐放
剤組成物を提供することである。また、本発明の他の目
的は、ワックス成分および油性有効成分を加熱下混合
し、次いで、繊維性成分を加え、固化せしめることによ
る固型徐放剤組成物を提供することである。
【0010】本発明で用いられるワックス成分として
は、常温で固体であり、加熱により溶融、液体化するも
のであれば特に制限なく、天然ワックスや合成ワックス
を使用することができる。
【0011】具体的なワックス成分としては、パラフィ
ンワックスやマイクロクリスタリンワックス等の石油ワ
ックスが例示され、これらは単独または混合して用いる
ことができる。
【0012】また、本発明で用いられる繊維性成分とし
ては、木綿、麻、パルプ、セルロース等の天然繊維や、
レーヨン、アセテート、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ナイロン、テトロン等の化学繊維を挙げることがで
きる。
【0013】この繊維性成分は、長繊維やこれを切断し
た短繊維等の繊維状物であっても、また、これら繊維か
ら調製される紙、不織布や織布等のシート状物であって
も良い。 更には、不織布を利用した各種の形態、例え
ば、タバコフィルターのような円柱状や直方体状、多角
柱状のものであっても良い。 更にまた、セルロースを
主成分とする木材や葉、花などを乾燥させて用いても良
い。
【0014】更に、本発明の油性有効成分は、空中や、
地中あるいは水中に徐々に放出されることにより一定の
作用が期待される油性の成分をいい、殺虫・防虫剤成
分、消臭剤成分、香料成分、人体薬効成分等が例示され
る。
【0015】本発明の固型徐放剤の製造は、ワックス成
分および油性有効成分を加熱下混合し、次いで、繊維性
成分を加え、固化せしめることにより行われる。
【0016】ワックス成分および油性有効成分の加熱
は、これらの混合物がペースト状〜液状となるまで行う
ことが必要である。 この加熱温度は、使用する油性有
効成分やワックス成分により実験的に定める必要があ
る。
【0017】次いで、これらの混合物に繊維性成分を加
えるが、繊維性成分がシート状物であるときは、混合物
にシート状物を浸漬させ、十分浸漬した後これを取り出
せば良く、また、繊維性成分が繊維状物である場合は、
混合物中にこれらを加え、分散させれば良い。
【0018】更に、固化は室温に放置する自然放冷によ
って行ってもよいが、後記するように冷却固化速度は油
性有効成分の揮散速度に影響するので、冷却速度を管理
しながら固化させることが好ましい。
【0019】なお、シート状、直方体状、円柱状、多角
柱状等とした不織布を繊維性成分として利用する場合
は、表面に多くの繊維性成分を露出せしめ、また、揮散
面積を増加させるために、固化に先立ち、加圧ロール等
を用いて、ワックス成分および油性有効成分の一部を除
去することが好ましい。
【0020】すなわち、シート状の繊維性成分にワック
ス成分および油性有効成分を含浸せしめた後、圧縮する
ことによりこれら成分の一部が除去され、次いで解圧に
よりシート状の繊維性成分の厚みが元に戻ることによ
り、表面の多くの凹凸と内部の空孔ができ、揮散面積が
増加する。 また、解圧により、繊維性成分の表面全体
がワックス成分で覆われることがなく、安定に揮散され
る。
【0021】同様に、繊維性成分として繊維状物を用
い、固化させた成型品とする場合は、固化成型後、その
表面を削り取り、繊維性成分を露出せしめておくことが
好ましい。
【0022】本発明の固型徐放性組成物において、油性
有効成分の揮散速度は種々の方法により調整することが
できる。
【0023】まず、第一の方法としては、ワックス成分
の選択およびその配合を調製する方法が挙げられる。
すなわち、本発明の固型徐放性組成物の徐放作用は、後
記するように、ワックス成分が固化する際に形成される
ワックス結晶の粒界に油性有効成分が封じ込められるこ
とにより奏されると考えられているのであるが、ワック
ス成分としてパラフィンワックスを選んだ場合は、大き
な結晶が得られ、揮散速度は比較的大きくなる。 一
方、ワックス成分としてマイクロクリスタリンワックス
を選択した場合は、結晶が細かいため、揮散速度は小さ
くなる。 そして、パラフィンワックスとマイクロクリ
スタリンワックスを組合せた場合は、その配合比率に応
じて両者の間の揮散速度が得られる。
【0024】また、第二の方法としては、冷却、固化速
度を調製する方法が挙げられる。すなわち、同じワック
ス成分であっても、冷却、固化速度が遅い場合は大きな
結晶が、速い場合は小さな結晶が得られるため、冷却、
固化速度を調整することにより揮散速度を変えることが
可能になる。
【0025】第三の方法としては、繊維性成分の種類を
選択する方法が挙げられる。 すなわち、ワックス結晶
の粒界に封じ込まれた油性有効成分は、繊維性成分の繊
維中あるいは繊維性成分とワックス結晶の間の隙間を通
り、表面から揮散されるので、繊維成分として油吸収性
の良いもの、例えば麻や木綿等を使用した場合は揮散速
度が早くなる。 一方、油吸収性の悪い繊維、例えばP
ET等を用いた場合は揮散速度が遅くなる。
【0026】更に、揮散速度を調整する第四の方法とし
ては、使用繊維性成分量を調整する方法が挙げられる。
すなわち、前記のように油性有効成分の揮散には繊維
性成分が関与しているのであるから、繊維性成分量が多
くなればなるほど揮散速度も大きくなり、逆に繊維成分
量を少なくすれば揮散速度は小さくなる。 この繊維量
の調整は、シート状の不織布の場合は目付の選択により
行われる。
【0027】以上の如くして得られる本発明の固型徐放
性組成物は、多くの油性有効成分を安定に徐放すること
ができ、種々用途の組成物として利用することができ
る。
【0028】具体的な組成物例としては、エンペントリ
ン、アレスリン、フタルスリン、レスメトリン、フラメ
トリン、フェノトリン、ペルメトリン等の殺虫・防虫剤
成分を徐放する殺虫・防虫剤;ヒノキ油、ローズ油、ラ
ベンダー油、アビエス油、ベルガモット油、ビターアー
モンド油、カナンガ油、カシア油、シダーリーフ油、シ
ダーウッド油、シナモン油、シトロネラ油、ゲラニウム
油、ホー油、ラバンジン油、レモン油、ライム油、ナツ
メグ油、オークモス油、オリガナム油、ペチグレン油、
ペパーミント油、パイン油、スターアニス油、スイート
オレンジ油、テレビン油、ベチバー油等の単独あるいは
これらのいくつかを混合した植物精油等の消臭剤成分や
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ラウリ
ルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ピルビ
ン酸エチル、マレイン酸ジメチル等の消臭成分を徐放す
る消臭剤;天然香料、合成香料、調合香料等の香料成分
を放出する芳香剤;カンゾウエキス、アロエエキス、ヨ
クイニンエキス等の人体薬効成分を放出する医薬等が挙
げられる。
【0029】また、本発明の固型徐放剤組成物を使用す
る環境も、空中のみならず、地中や水中も含まれる。
例えば、長期間にわたって地中の害虫を防除する害虫忌
避剤や、浴中に投入し、入浴時に芳香を発散する浴用剤
としての利用も可能である。
【0030】更に、本発明の固型徐放剤は、基本的に油
性成分からなるため、水のかかるところや、湿度の高い
ところでの使用にも何等問題はなく、例えば、台所の流
し中に貼付ける防虫剤としたり、浴室等での防かび剤や
芳香剤として利用することもできるものである。
【0031】
【作用】本発明の作用機序は、ワックス成分、油性有効
成分および繊維性成分を混合、固化させたときに、ワッ
クス成分のみが結晶化し、油性有効成分はこの結晶の隙
間(粒界)に封じ込められるが、これは繊維性成分を通
して表面に滲みだし、徐々に揮散されるというものであ
る。
【0032】すなわち、ワックス成分は、従来隠蔽用と
して利用されていたことからわかるように、油性有用成
分も浸透させにくい。 そして、ワックス成分と油性有
用成分を混合後、固化させると、ワックス成分のみが結
晶化し、油性有効成分はワックス成分中に封入される。
【0033】このままでは、外部と連通していないた
め、油性有効成分は揮散されないが、繊維性成分が存在
すると、この油性有効成分はこの繊維中あるいは繊維性
成分とワックス結晶の間の隙間を通り、表面まで導かれ
て揮散する。このような作用により、本発明組成物の徐
放効果が説明されるのである。
【0034】
【実施例】次に、実施例、試験例等を挙げ、本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等になんら
制約されるものではない。
【0035】実 施 例 1 ワックス成分として、パラフィンワックスを70部、油
性有効成分として植物精油を30部とり、これらをバッ
トに入れ、70℃まで加熱し、溶解、混合した。 この
中に繊維性成分として、パルプ製の不織布(面積15c
2、厚さ3mm、目付550mg/cm2)を十分浸漬
し、取り出した後、絞りスリットを2.8mmとしたロ
ーラで絞り、1℃/分の速度で冷却、固化して固型徐放
性組成物を得た(本発明品1)。
【0036】試 験 例 1 実施例1で得た本発明品と、実施例1の有効成分である
植物精油を透過性袋に封入したもの(比較品1)、セラ
ミックス(素焼き)に含浸させたもの(比較品2)およ
び多孔体の含浸させたもの(比較品3)について、その
有効成分の揮散速度を調べた。
【0037】試験は、本発明品および徐放製剤の各検体
を、常温、送風の条件下で、検体の有効成分の減少量を
経時的に測定することにより行った。なお、比較品1の
透過性袋としては、エチレンビニルアセテート(EV
A)の袋を、セラミックスとしては、白雲陶土を900
℃で燒結したものを、多孔体としては、ケイ酸カルシウ
ムをそれぞれ利用した。 この結果を図1に示す。この
結果から、本発明の固型徐放性組成物が優れた徐放作用
を有することが明かとなった。
【0038】実 施 例 2 ワックス成分の種類を変化させ、揮散速度の変化を調べ
た。すなわち、ワックス成分以外は、実施例1と同様に
して、3つの固型徐放剤組成物を調製した。 それぞれ
に使用したワックスは、融点61℃のパラフィンワック
ス(本発明品2)、融点64℃マイクロクリスタリンワ
ックス(本発明品3)および融点70℃マイクロクリス
タリンワックス(本発明品4)である。
【0039】これらの固型徐放剤組成物について、常温
で強制送風を当てたものおよび当てないものの両検体の
有効成分の減少量を経時的に測定した。なお、対照とし
て、実施例1の不織布に植物精油を0.45g含浸させ
たもの(対照品1)を用いた。
【0040】強制送風を当てたものの結果を図2に、当
てないものの結果を図3にそれぞれ示す。この結果か
ら、使用ワックス成分を代えることにより揮散速度を変
化させることができることおよび強制送風による揮散速
度の変化があまり大きくないことが明らかになった。
【0041】実 施 例 3 繊維性成分の種類を変化させ、揮散速度の変化を調べ
た。すなわち、繊維性成分以外は、実施例1と同様にし
て、3つの固型徐放剤組成物を調製した。 それぞれに
使用した繊維性成分は、パルプの不織布(本発明品
5)、PETの不織布(本発明品6)および麻の不織布
(本発明品7)である。
【0042】これらの固型徐放剤組成物について、常温
で強制送風を当てた場合の有効成分の減少量を経時的に
測定した。この結果から、使用繊維性成分の種類を代え
ることにより揮散速度を変化させることができることが
明らかになった。
【0043】実 施 例 4 繊維性成分の表面積を変化させ、揮散速度の変化を調べ
た。すなわち、繊維性成分の表面積を代える以外は、実
施例1と同様にして、2つの固型徐放剤組成物を調製し
た。 それぞれに使用した繊維性成分の表面積は、18
cm2(本発明品8)および54cm2(本発明品9)で
ある。
【0044】これらの固型徐放剤組成物について、試験
例1の条件下で、有効成分の減少量を経時的に測定し
た。なお、対照として、ワックス成分と油性有効成分を
混合、固化させ、表面積を18cm2としたもの(対照
品2)を用いた。 この結果を図5に示す。
【0045】この結果から、繊維性成分の表面積を代え
ることにより揮散速度を変化させることができることお
よび繊維性成分を利用しない場合は実質的に揮散が起こ
らないことが明らかになった。
【0046】実 施 例 5 繊維性成分の厚さを変化させ、揮散速度の変化を調べ
た。すなわち、繊維性成分の厚さを代える以外は、実施
例1と同様にして、2つの固型徐放剤組成物を調製し
た。 それぞれに使用した繊維性成分の厚さは、3mm
(本発明品10)および6mm(本発明品11)であ
る。
【0047】これらの固型徐放剤組成物について、試験
例1の条件下で、有効成分の減少量を経時的に測定し
た。 この結果を図6に示す。この結果から、繊維性成
分の厚さを代えることにより揮散速度を変化させること
ができることが明らかになった。
【0048】実 施 例 6 実施例1により調製した固型徐放性組成物(本発明品
1)について、室温条件下および加温条件下(40〜5
0℃)での揮散速度を測定し、本発明組成物の揮散に対
する温度の影響を調べた。 この結果を図7に示すこの
結果から、本発明の固型徐放性組成物は温度により揮散
速度が変わるが、その変化はあまり極端でないことが明
らかになった。
【0049】実 施 例 7 ローラーの絞りスリット巾を代える以外は、実施例1と
同様にして、3つの固型徐放剤組成物を調製した。 そ
れぞれの絞りスリット巾は、2.8mm(元厚の93
%;本発明品12)、2.3mm(元厚の77%;本発
明品13)および1.9mm(元厚の63%;本発明品
14)である。
【0050】これらの固型徐放剤組成物について、試験
例1の条件下で、有効成分の減少量を経時的に測定し
た。 この結果を図8に示す。この結果から、絞りスリ
ット巾(圧縮率)を代えることにより揮散速度を変化さ
せることができることが明らかになった。
【0051】実 施 例 8 防 虫 剤 :油性有効成分としてエンペントリンを用い
る以外は実施例1と同様にして固型徐放性防虫剤を調製
した。このものは、約6ヶ月間安定に揮散し、防虫効果
を発揮した。
【0052】実 施 例 9 芳 香 剤 :油性有効成分としてレモン系調合香料を用
いる以外は実施例1と同様にして固型徐放性芳香剤を調
製した。
【0053】実 施 例 10 消 臭 剤 :ワックス成分としてパラフィンワックス2
0部、マイクロクリスタリンワックス10部、油性有効
成分としてラウリルメタアクリレート10部をとり、こ
れらをパットに入れ70℃に加熱し、溶解、混合した。
この中に線維性成分として短線維PETを60部入れ、
1℃/分の速度で冷却、固化した。これをカッターにて
4cm×4cmにカットし、表面をカッターで削って固
型消臭剤組成物を得た(厚さ5mm)。このものをこた
つ内に取り付けたところ、約30日間安定的に揮散し、
消臭効果を発揮した。
【0054】実 施 例 11 外 用 消 炎 剤 :ワックス成分としてマイクロクリス
タリンワックス70部、油性有効成分としてカンゾウエ
キス30部をとり、これらをパットに入れ70℃に加熱
し、溶解、混合した。 この中に線維性成分としてPE
T製不織布(目付100g/m2、面積30cm2、厚さ
1mm)を浸漬して取り出し、1℃/分の速度で冷却、
固化して固型の外用消炎剤を得た。 このものは、皮膚
に貼付して使用する。
【0055】実 施 例 12 風 呂 用 芳 香 剤 :ワックス成分としてパラフィンワ
ックス30部、マイクロクリスタリンワックス30部、
油性有効成分としてヒノキ油40部を用いた以外は実施
例1と同様にして固型風呂用芳香剤を得た。 このもの
を入浴の度に浴槽に浮かべたところ、約1ヶ月間ヒノキ
の芳香を発した。
【0056】実 施 例 13 自 動 車 用 消 臭 剤 :ワックス成分としてパラフィ
ンワックス70部、油性有効成分として植物精油30部
をとり、これらをパットに入れ、70℃に加熱し、溶
解、混合した。 この中に繊維性成分としてPETの長
繊維を円柱状にしたもの(目付7g/m、直径10m
m、長さ5cm)を浸漬して取り出し、0.5℃/分の
速度で冷却、固化して固型エアコン用消臭剤組成物を得
た。このものを自動車用のエアコンの送風口に取り付け
たところ、冷房、暖房いずれのときも約1ヶ月間安定し
た消臭効果が得られた。
【0057】
【発明の効果】本発明の固型徐放剤組成物によれば、油
性有効成分を徐放することが可能となるが、それのみな
らず、以下のように従来の徐放性剤と比べて優れた点を
有するものである。
【0058】まず、本発明の固型徐放剤組成物は、従来
の水型の徐放製剤と比べ、空気の流通や温度による影響
を受けにくく、例えば強制送風により揮散させた場合で
あっても十分な薬効を持続的に発揮することができる。
【0059】また、例えば従来の樹脂混入型の徐放製剤
では、混入できる有効成分量が全体の数%であり、しか
もその多くが揮散しないため、有効性が低く、しかも不
経済であったが、本発明の固型徐放剤組成物では、有効
成分を全体の70%程度まで混入させることができ、し
かもそのうちの95%程度まで揮散させることが可能で
あるので、極めて有効で経済性も高いものである。
【0060】更に、本発明の固型徐放剤組成物は、油性
有効成分の選択の他、ワックスの選択および配合割合、
冷却・固化速度の選択、繊維性成分の種類および配合量
等の調整により油性有効成分の揮散速度を大きく変える
ことが可能であるので、用途に適した徐放製剤を容易に
調製することが可能である。
【0061】従って、本発明の固型徐放剤組成物は新し
いタイプの徐放製剤として、家庭用をはじめとし、多く
の分野で広く利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の固型徐放剤組成物と、従来の徐放製
剤の揮散速度を比較した図面
【図2】 ワックス成分の相違による強風送風時の揮散
速度の違いを示す図面
【図3】 ワックス成分の相違による無風時の揮散速度
の違いを示す図面
【図4】 繊維性成分の相違による揮散速度の違いを示
す図面
【図5】 繊維性成分の表面積による揮散速度の違いを
示す図面
【図6】 繊維性成分の厚さによる揮散速度の違いを示
す図面
【図7】 本発明の固型徐放剤組成物の温度による揮散
速度の違いを示す図面
【図8】 繊維性成分の絞りスリット巾の相違による揮
散速度の違いを示す図面 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/38 C C11B 9/00 Z (72)発明者 小金井 隆志 東京都新宿区下落合1丁目4番10号 エス テー化学株式会社内 (72)発明者 明神 弘恭 東京都新宿区下落合1丁目4番10号 エス テー化学株式会社内 (72)発明者 太田 信隆 東京都北区昭和町1丁目6番17号 株式会 社信水堂内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワックス成分、繊維性成分および油性有
    効成分を含有する固型徐放剤組成物。
  2. 【請求項2】 繊維性成分が、紙、織布、不織布または
    木材である請求項1記載の固型徐放剤組成物。
  3. 【請求項3】 繊維性成分の形状が、シート状、直方体
    状、円柱状または多角柱状である請求項1記載の固型徐
    放剤組成物。
  4. 【請求項4】 油性有効成分が、殺虫・防虫剤成分、防
    かび剤成分、消臭剤成分、香料成分または人体薬効成分
    である請求項1記載の固型徐放剤組成物。
  5. 【請求項5】 ワックス成分および油性有効成分を加熱
    下混合し、次いで、繊維性成分を加え、固化せしめるこ
    とにより製造される請求項第1項ないし第4項のいずれ
    かの項記載の固型徐放剤。
  6. 【請求項6】 固化に先立ち、繊維性成分を圧縮し、ワ
    ックス成分および油性有効成分の一部を除去することに
    より得られる請求項第5項記載の固型徐放剤。
  7. 【請求項7】 固化後、成型物の表面を削り取ることに
    より得られる請求項第5項記載の固型徐放剤。
  8. 【請求項8】 ワックス成分および油性有効成分を加熱
    下混合し、次いで、繊維性成分を加え、固化せしめるこ
    とを特徴とする固型徐放剤の製造法。
  9. 【請求項9】 固化に先立ち、繊維性成分を圧縮し、ワ
    ックス成分および油性有効成分の一部を除去することを
    特徴とする請求項第8項記載の固型徐放剤の製造法。
  10. 【請求項10】 固化後、成型物の表面を削り取ること
    を特徴とする請求項第8項記載の固型徐放剤の製造法。
JP20932694A 1994-08-11 1994-08-11 固型徐放剤組成物およびその製造法 Pending JPH0853305A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20932694A JPH0853305A (ja) 1994-08-11 1994-08-11 固型徐放剤組成物およびその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20932694A JPH0853305A (ja) 1994-08-11 1994-08-11 固型徐放剤組成物およびその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0853305A true JPH0853305A (ja) 1996-02-27

Family

ID=16571097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20932694A Pending JPH0853305A (ja) 1994-08-11 1994-08-11 固型徐放剤組成物およびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0853305A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002234801A (ja) * 2001-02-08 2002-08-23 Kumiai Chem Ind Co Ltd 固体農薬組成物、その製造方法およびその散布方法
JP2019154289A (ja) * 2018-03-12 2019-09-19 パナソニック株式会社 薬剤の徐放性を有する繊維複合樹脂組成物
US20210244034A1 (en) * 2020-02-11 2021-08-12 Auburn University Compositions and methods for controlled delivery of volatile vapors
US11134689B2 (en) 2011-10-28 2021-10-05 Shepard Farms, Llc Natural volatile plant oils to repel arthropods

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002234801A (ja) * 2001-02-08 2002-08-23 Kumiai Chem Ind Co Ltd 固体農薬組成物、その製造方法およびその散布方法
US11134689B2 (en) 2011-10-28 2021-10-05 Shepard Farms, Llc Natural volatile plant oils to repel arthropods
JP2019154289A (ja) * 2018-03-12 2019-09-19 パナソニック株式会社 薬剤の徐放性を有する繊維複合樹脂組成物
US20210244034A1 (en) * 2020-02-11 2021-08-12 Auburn University Compositions and methods for controlled delivery of volatile vapors
WO2021163112A1 (en) * 2020-02-11 2021-08-19 Auburn University Composition and methods for controlled delivery of volatile vapors
US11672254B2 (en) 2020-02-11 2023-06-13 Auburn University Compositions and methods for controlled delivery of volatile vapors

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE69908796T2 (de) Dampffreisetzender gegenstand
DE69917309T2 (de) Gelförmige dampfeinrichtung
KR20200123209A (ko) 해충 기피제, 및 해충 기피 제품
WO2019202415A1 (en) Natural mosquitoes repellent formulation
US20070010407A1 (en) Scent composites
DE2756953C2 (de) Sublimierbare Masse und deren Verwendung als Trägermaterial in Formkörpern für Wirkstoffe aller Art
US5833971A (en) Perfumed rocks
JPS6139823B2 (ja)
JPH0853305A (ja) 固型徐放剤組成物およびその製造法
JPH0225885B2 (ja)
JP2731789B2 (ja) 吸液芯およびその製造方法並びに薬剤蒸散方法
JP2001224675A (ja) 液体薬剤揮散用パッド及び揮散装置
JP4206140B2 (ja) 環境改善用成形物
JPWO2009104770A1 (ja) 薬剤揮散用植物体
TW202038717A (zh) 消臭組成物及消臭方法,以及惡臭害蟲防除用組成物及惡臭害蟲防除方法
JPH02207003A (ja) ゲル型防虫剤
JPH01139067A (ja) 蒸散性持続ゲル
JP3233875B2 (ja) 炭窯木酢液を混入した消臭、清浄用の香
JPH02207004A (ja) ゴキブリ忌避剤
JP2519629B2 (ja) 加熱蒸散型装置用容器
JPH01296933A (ja) 吸液芯
DE3628091A1 (de) Mittel, insbesondere zur verbreitung von pheromonen
JP7012009B2 (ja) 害虫忌避成分の刺激緩和方法および低刺激性害虫忌避剤
JP6907106B2 (ja) 忌避剤
JP2000103704A (ja) 加熱蒸散用吸液芯

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20031218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040308

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040330