JPH085329A - 格子干渉型変位検出装置 - Google Patents

格子干渉型変位検出装置

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JPH085329A
JPH085329A JP13449894A JP13449894A JPH085329A JP H085329 A JPH085329 A JP H085329A JP 13449894 A JP13449894 A JP 13449894A JP 13449894 A JP13449894 A JP 13449894A JP H085329 A JPH085329 A JP H085329A
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grating
light beam
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Motohiro Osaki
基弘 大崎
Masaki Tomitani
雅樹 富谷
Souichi Satou
双一 佐藤
Tetsuo Baba
哲郎 馬場
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Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
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Mitutoyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置の小型化を図ることができるとともに、
スケールの回折格子上の回折点での入射角と回折角とを
一致させて検出信号の質の向上や回折効率の向上を図る
ことができる格子干渉型変位検出装置の提供。 【構成】 光源13から出射されて光束分岐手段21を
介してスケール11の回折格子12上の異なる二つの回
折点P1,P2に至る各光束(各分岐光束A,B)の光
路と、これらの回折点P1,P2で回折されて光束混合
手段31を介して各検出器41A,41Bに至る各光束
(各1次回折光A1,B1)の光路とを、スケール11
の同一側であって異なる面内に配置するとともに、光束
分岐手段21および光束混合手段31に透過型の回折格
子14を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光源からの光束を二波
に分岐してスケールの回折格子上の異なる二点に入射さ
せ、これらの点で生成された複数の光束の混合波を電気
信号として検出する格子干渉型変位検出装置に関し、ス
ケールに反射型の回折格子を用いて光学系を構成する場
合に利用できる。
【0002】
【背景技術】従来の光電型エンコーダの高分解能化を図
ったものの一つとして、スケールにホログラフィの技術
を用いて微細なピッチ(通常、1μm程度)の目盛りを
形成し、その目盛りを回折格子として利用して相対変位
を高精度に検出する格子干渉型変位検出装置が知られて
いる。これは、光源からの光束を二波に分岐してスケー
ルの回折格子上の一または二つの点に入射させ、この点
で生成された複数の光束の混合波を電気信号として検出
するもので、スケールに反射型の回折格子を用いたもの
と、透過型の回折格子を用いたものとに分類できる。
【0003】後者の透過型の回折格子を用いたものとし
て、例えば、特開平5−1924号公報に記載された格
子干渉型変位検出装置が知られている。この格子干渉型
変位検出装置600は、図7に示す如く、図中左右方向
に変位可能に設けられかつその変位方向に沿って透過型
の回折格子602が形成されたスケール601と、レー
ザ光源603と、このレーザ光源603から出射された
レーザビームを二波に分岐して各分岐光束A,Bをスケ
ール601上の異なる二つの回折点P1,P2に入射さ
せるプリズム605と、回折点P1,P2で回折された
二つの1次回折光A1,B1の交点位置(図中K点)に
配置され各1次回折光A1,B1を分岐させて一方の光
束の回折光と他方の光束の透過光とを混合させることに
より二つの混合波MA,MBを生成する透過型の回折格
子607と、その混合波MA,MBを電気信号に変換す
る検出器608A,608Bとにより構成されている。
【0004】そして、プリズム605の斜辺には、レー
ザ光源603から出射されたレーザビームを図中R点で
回折および透過させることにより二波に分岐する透過型
の回折格子604が設けられ、斜辺を挟む他の二辺に
は、二波の偏光方向を直交させる偏光素子606A,6
06Bが設けられている。また、二枚の透過型の回折格
子604,607は、いずれもスケール601と平行に
配置されている。
【0005】ここで、プリズム605(透過型の回折格
子604、偏光素子606A,606B)により光束分
岐手段609が構成され、透過型の回折格子607によ
り光束混合手段610が構成されている。また、検出器
608Aは、透過型の回折格子607で混合された一方
の混合波MAの偏光方向を一致させて干渉させる偏光板
611Aと、この偏光板611Aで干渉させられた光束
を電気信号に変換する受光素子612Aとにより構成さ
れている。そして、検出器608Bは、透過型の回折格
子607で混合された他方の混合波MBの一偏光成分の
みの位相を90度遅らせる1/4波長板613と、この
1/4波長板613を通過した混合波MBの偏光方向を
一致させて干渉させる偏光板611Bと、この偏光板6
11Bで干渉させられた光束を電気信号に変換する受光
素子612Bとにより構成されている。
【0006】このような格子干渉型変位検出装置600
においては、レーザ光源603から出射されたレーザビ
ームは、プリズム605によって互いに偏光方向が直交
する二波に分岐される。各分岐光束A,Bは、それぞれ
スケール601の回折格子602上の回折点P1,P2
に入射される。この際、回折点P1,P2で各分岐光束
A,Bの1次回折光A1,B1が生成される。これらの
各1次回折光A1,B1は、透過型の回折格子607で
混合された後、検出器608A,608Bによって電気
信号に変換される。
【0007】従って、格子干渉型変位検出装置600で
は、スケール601の移動量を干渉光の明暗として検出
するに際し、互いに逆方向に位相シフトされた1次回折
光A1,B1同士の干渉を利用しているので、スケール
601が回折格子602の一ピッチ分だけ変位したとす
ると、各検出器608A,608Bからは、二周期分の
完全正弦波信号φA,φBが得られる(二回の明暗が得
られる)。このため、回折格子602の一ピッチを光学
的に二分割したことになるので分解能の向上が図られて
いる。例えば、回折格子602の一ピッチを0.5μm
とすると、各検出器608A,608Bから得られる正
弦波信号φA,φBは、0.25μmの分解能に相当す
る周期となる。
【0008】また、一方の検出器608Bに1/4波長
板613を設けたので、二つの検出器608A,608
Bから得られる正弦波信号φA,φBは、互いに90度
位相の異なるものとなり、これによりスケール601の
変位方向を把握できるようになっている。
【0009】なお、図中左側の検出器608Aに送られ
る混合波MAは、レーザ光源603から出射されて検出
器608Aに至るまでに一回回折された光束と三回回折
された光束とを混合したものとなっている。つまり、一
回回折された光束とは、スケール601の回折格子60
2上の回折点P2のみで回折された光束(分岐光束Bお
よびその1次回折光B1)のことであり、一方、三回回
折された光束とは、透過型の回折格子604上の点R、
スケール601の回折格子602上の回折点P1、およ
び透過型の回折格子607上の点Kにおいて、それぞれ
回折された光束(分岐光束Aおよびその1次回折光A
1)のことである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような透過型の回折格子602をスケール601とし
て用いた格子干渉型変位検出装置600の場合には、ス
ケール601を両側(図7中上下)から挟み込む状態で
検出系を構成しなければならないため、検出系が大型化
する、あるいはスケール601の取り付けの自由度が制
限されてしまうという問題がある。
【0011】これに対し、反射型の回折格子をスケール
として用いることにより検出系の小型化やスケールの取
り付け自由度の向上を図ることが考えられる。つまり、
前述した図7の格子干渉型変位検出装置600を単純に
スケール601の位置で折り返した状態の検出系を構成
することが考えられる。ところが、反射型の回折格子を
スケールとして用いることにより格子干渉型変位検出装
置600を単純に折り返した状態の検出系を構成しよう
とすると、レーザ光源603と検出器608Aの設置位
置が一致してしまうため、検出系を成立させることはで
きない。
【0012】また、仮にスケール601上の回折点P
1,P2における入射角と回折角とを異なる角度として
格子干渉型変位検出装置600を折り返した状態の検出
系を構成したとしても、スケール601とその他の機器
とのアライメントおよびその変動に対し、鈍感な光学系
を構成することはできないという問題がある。つまり、
スケール601がその他の機器に対して傾いたり、回転
したりした場合に、混合されて干渉する二光束の光路差
や光路長差が大きくなり、検出信号の質やエンコーダと
しての計数に悪影響が及ぶという問題がある。
【0013】本発明の目的は、装置の小型化を図ること
ができるとともに、スケールの回折格子上の回折点での
入射角と回折角とを一致させて検出信号の質の向上や回
折効率の向上を図ることができる格子干渉型変位検出装
置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、光束分岐手段
および光束混合手段として透過型の回折格子を用いかつ
発光側(光源のある側)の光学系と受光側(受光素子の
ある側)の光学系とを異なる面内に配置して前記目的を
達成しようとするものである。具体的には、本発明は、
反射型の回折格子を有するスケールと、光束を出射する
光源と、この光源からの光束を二波に分岐しかつその各
分岐光束を前記スケールの回折格子上の異なる二点に入
射させる光束分岐手段と、前記スケールの回折格子によ
って生成された複数の光束を混合させる光束混合手段
と、この光束混合手段によって混合された混合波を電気
信号に変換する検出器とを備えた格子干渉型変位検出装
置であって、前記光束分岐手段が、前記光源からの光束
を回折および透過させることにより二波に分岐しかつそ
の各分岐光束を前記スケールの回折格子上の異なる二点
に入射させる透過型の回折格子を含み構成されるととも
に、前記光束混合手段が、前記スケールの回折格子上で
回折された二つの光束の交点位置に配置され各々の光束
を分岐させて一方の光束の回折光と他方の光束の透過光
とを混合させることにより二つの混合波を生成する透過
型の回折格子を含み構成され、前記光源から出射されて
前記光束分岐手段を介して前記スケールの回折格子上に
至る各光束の光路と、前記スケールの回折格子上で回折
されて前記光束混合手段を介して前記検出器に至る各光
束の光路とを、前記スケールの同一側であって異なる面
内に配置したことを特徴とする。
【0015】また、本発明の格子干渉型変位検出装置
は、前記光束混合手段が、前記透過型の回折格子で生成
された混合波のうち前記光源とは反対側に向かう混合波
を二波に分岐する無偏光ビームスプリッタを含み構成さ
れていることを特徴とする。
【0016】さらに、本発明の格子干渉型変位検出装置
は、前記光源からの光束が分岐される前記光束分岐手段
の透過型の回折格子上の点とこの点で分岐された各分岐
光束のうちいずれか一方の分岐光束が入射される前記ス
ケールの回折格子上の点との間の光路の途中、および前
記一方の分岐光束が入射される前記スケールの回折格子
上の点とこの点で回折された光束が前記光束混合手段の
透過型の回折格子上に至る点との間の光路の途中に、そ
れぞれ同じ方位の偏光成分の位相を90度遅らせるよう
に配置された1/4波長板が設けられていることを特徴
とする。ここで、二つの光路の途中に設けられる1/4
波長板は、それぞれ別々の1/4波長板であってもよ
く、兼用された一枚の1/4波長板であってもよい。ま
た、前記いずれか一方の分岐光束は、前記光束分岐手段
で分岐された二波のうちの任意の光束であってよく、要
するに、二波のうちの一方の光束およびその1次回折光
の各光路に1/4波長板が設けられていればよい。
【0017】そして、以上のような本発明の格子干渉型
変位検出装置において、前記光束分岐手段を構成する透
過型の回折格子および前記光束混合手段を構成する透過
型の回折格子は、一枚の透過型の回折格子により構成さ
れていることが望ましい。また、前記透過型の回折格子
(前記光束分岐手段を構成する透過型の回折格子および
前記光束混合手段を構成する透過型の回折格子)と前記
スケールの回折格子(反射型の回折格子)とは、同一ピ
ッチであることが望ましい。
【0018】さらに、以上のような本発明の格子干渉型
変位検出装置を構成するに際しては、スケールの回折格
子に入射される各分岐光束の入射角と、これらの各分岐
光束がスケールの回折格子上で回折されて生成された各
1次回折光の回折角とは、一致させてもよく、あるいは
異なる角度としてもよい。しかし、これらの入射角と回
折角とは、検出信号の質の向上や回折効率の向上等の点
から、一致させておくことが好ましい。
【0019】
【作用】このような本発明においては、光源からの光束
を光束分岐手段により二波に分岐してスケールの反射型
の回折格子上の異なる二点に入射させ、これらの点で回
折された二つの光束を光束混合手段により混合し、この
混合波を検出器により干渉させて電気信号として検出す
ることにより、スケールの変位を把握する。この際、発
光側の光学系、すなわち光源から出射されて光束分岐手
段を介してスケールの回折格子上に至る各光束の光路
と、受光側の光学系、すなわちスケールの回折格子上で
回折されて光束混合手段を介して検出器に至る各光束の
光路とが、異なる面内に配置されているので、発光側の
光学系を構成する各機器と受光側の光学系を構成する各
機器との配置位置が干渉することはなく、各機器の配置
構成の自由度が向上する。
【0020】このため、スケールの回折格子上の回折点
に入射される各分岐光束の入射角と、これらの各分岐光
束が回折点で回折されて生成された各1次回折光の回折
角とを一致させることが可能となる。これにより、スケ
ールとその他の各機器とのアライメントおよびその変動
に対し、鈍感な光学系を構成することが可能となる。つ
まり、入射角と回折角とを一致させれば、スケールがそ
の他の各機器に対して傾いたり、回転したりした場合
に、混合されて干渉する二光束の光路差や光路長差がほ
とんど生じなくなるため、検出信号の質やエンコーダと
しての計数にほとんど影響が及ばないうえ、スケールと
その他の各機器との間隔が変化した場合にも、光路変化
が全く生じないようになる。また、入射角と回折角との
一致により、回折効率が最大となり、回折効率の向上を
図ることが可能となる。なお、本発明においては、必ず
しもこれらの入射角と回折角とを一致させる必要はな
い。
【0021】また、スケールとして反射型の回折格子を
用いているので、発光側の光学系と受光側の光学系とが
スケールの同一側に配置されるため、前述した透過型の
回折格子602をスケール601として用いた格子干渉
型変位検出装置600(図7参照)の場合に比べ、装置
の小型化やスケールの取り付け自由度の向上が図られ
る。
【0022】そして、透過型の回折格子により、光源か
らの光束を二波に分岐しかつその各分岐光束をスケール
の回折格子上の異なる二点に入射させるとともに、スケ
ールの回折格子上で回折された二つの光束を混合させる
ようにしたので、ビームスプリッタを用いて同様な機能
を実現する場合に比べ、スケールから光源および検出器
までの距離が短くなり、装置の小型化がより一層図ら
れ、これらにより前記目的が達成される。
【0023】また、光束混合手段を構成する透過型の回
折格子で生成された二つの混合波のうち光源とは反対側
に向かう混合波を二波に分岐する無偏光ビームスプリッ
タを設ければ、この無偏光ビームスプリッタで分岐され
て検出器に送られる混合波はそれぞれ同じ回数だけ回折
された光束どうしの混合波となるので、前述した格子干
渉型変位検出装置600のような一回回折された光束と
三回回折された光束との混合波MAが検出器608Aに
送られる場合に比べ、検出信号の質が向上される。つま
り、無偏光ビームスプリッタに送られる混合波は、光源
から出射された後に光束分岐手段を構成する透過型の回
折格子により回折(一回目の回折)され、さらにスケー
ルの回折格子上の回折点で回折(二回目の回折)され、
光束混合手段を構成する透過型の回折格子を透過して無
偏光ビームスプリッタに至る光束と、光源から出射され
た後に光束分岐手段を構成する透過型の回折格子を透過
し、スケールの回折格子上の回折点で回折(一回目の回
折)され、さらに光束混合手段を構成する透過型の回折
格子により回折(二回目の回折)されて無偏光ビームス
プリッタに至る光束との混合波となるので、同じ回数だ
け回折された光束どうしを混合したものとなる。
【0024】さらに、光束分岐手段の透過型の回折格子
上の点とスケールの回折格子上の点との間の光路の途
中、およびスケールの回折格子上の点と光束混合手段の
透過型の回折格子上の点との間の光路の途中に、それぞ
れ同じ方位の偏光成分の位相を90度遅らせるように配
置された1/4波長板を設けておけば、光束混合手段の
透過型の回折格子上に集まる二つの光束の偏光方向を、
容易に互いに直交した状態にすることが可能となる。
【0025】また、光束分岐手段を構成する透過型の回
折格子および光束混合手段を構成する透過型の回折格子
を、一枚の透過型の回折格子により構成した場合には、
装置が簡略化されるため、装置の小型化、コスト低減が
より一層図られる。さらに、透過型の回折格子とスケー
ルの回折格子とを、同一ピッチとしておけば、光源の波
長が変動した際に、波長変動に伴う回折角変動が小さく
なるため、混合する二光束の光路ずれを生じないように
なり、混合波が確実に得られる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の各実施例を図面に基づいて説
明する。 〔第一実施例〕図1および図2には、本発明の第一実施
例である格子干渉型変位検出装置10が示されている。
図1(A)は格子干渉型変位検出装置10の発光側の構
成図、図1(B)は受光側の構成図、図2は格子干渉型
変位検出装置10の発光側および受光側の各光路の配置
状態を示す概略斜視図である。また、図1(A)および
図1(B)は、いずれも図2中の矢印Yの方向から見た
状態である。
【0027】図1(A)において、格子干渉型変位検出
装置10は、図中左右方向に変位可能に設けられかつそ
の変位方向に沿って反射型の回折格子12が形成された
スケール11と、図中左上に設けられたレーザビームを
出射するレーザ光源13と、スケール11の図中上側に
スケール11と平行に設けられた透過型の回折格子14
とを備えている。
【0028】これらのレーザ光源13および透過型の回
折格子14などにより形成される格子干渉型変位検出装
置10の発光側の各光路は、図2中手前側に位置する第
一の面20内に配置されている。この第一の面20は、
スケール11の変位方向(図2中X方向)に沿いかつス
ケール11の回折格子12の法線を含む面Nと所定の角
度φをなすように配置されている。
【0029】図1(B)において、格子干渉型変位検出
装置10は、図中略中央に配置された前記透過型の回折
格子14と、この透過型の回折格子14の上側にスケー
ル11に対して直角をなすように設けられた無偏光ビー
ムスプリッタ15と、この無偏光ビームスプリッタ15
の両側に設けられた二つの検出器41A,41Bと、光
量モニタ16とを備えている。
【0030】これらの透過型の回折格子14、無偏光ビ
ームスプリッタ15、光量モニタ16、および検出器4
1A,41Bなどにより形成される格子干渉型変位検出
装置10の受光側の各光路は、図2中奥側に位置する第
二の面30内に配置されている。この第二の面30は、
回折格子12の法線を含む面Nと所定の角度φをなすよ
うに配置され、回折格子12の法線を含む面Nに対して
前述した第一の面20と対称をなしている。そして、以
上に述べたレーザ光源13、透過型の回折格子14、無
偏光ビームスプリッタ15、光量モニタ16、および各
検出器41A,41Bは、スケール11に対して全て同
じ側(図中上側)に設けられている。
【0031】透過型の回折格子14は、図1(A)およ
び図1(B)の紙面直交方向に延びて繋がっており、第
一の面20および第二の面30の両方の面を横切るよう
に配置されている。そして、図1(A)に示すように、
図中R点の位置でレーザ光源13からのレーザビームを
回折および透過させることにより二つの分岐光束A,B
に分岐するとともに、図1(B)に示すように、これら
の分岐光束A,Bがスケール11の回折格子12(回折
点P1,P2)上で回折されて生成された二つの1次回
折光A1,B1の交点位置(図中K点の位置)に配置さ
れこれらの1次回折光A1,B1の各々を回折および透
過させることにより二つの混合波を生成するようになっ
ている。この透過型の回折格子14のピッチは、スケー
ル11の回折格子12と同一ピッチとなっている。ま
た、透過型の回折格子14は、レーザ光源13に対して
固定されているため、この透過型の回折格子14で回折
される光束は、位相変化しない。
【0032】無偏光ビームスプリッタ15は、図1
(B)に示すように、透過型の回折格子14により生成
された二つの混合波のうちレーザ光源13とは反対側
(図中右側)に向かう混合波を偏光方向を変えずに二波
に分岐し、各検出器41A,41Bに送るように配置さ
れている。ここで、透過型の回折格子14により光束分
岐手段21が構成され、透過型の回折格子14および無
偏光ビームスプリッタ15により光束混合手段31が構
成されている。つまり、透過型の回折格子14は、光束
分岐手段21および光束混合手段31に兼用されてい
る。
【0033】検出器41Aは、無偏光ビームスプリッタ
15で分岐された一方の混合波の一偏光成分のみの位相
を90度遅らせる1/4波長板42と、この1/4波長
板42を通過した混合波の偏光方向を一致させて干渉さ
せる偏光板43Aと、この偏光板43Aで干渉させられ
た光束を電気信号に変換する受光素子44Aとにより構
成されている。そして、検出器41Bは、無偏光ビーム
スプリッタ15で分岐された他方の混合波の偏光方向を
一致させて干渉させる偏光板43Bと、この偏光板43
Bで干渉させられた光束を電気信号に変換する受光素子
44Bとにより構成されている。
【0034】光量モニタ16は、透過型の回折格子14
により生成された二つの混合波のうちレーザ光源13側
(図中左側)に向かう混合波が入射されるように配置さ
れ、スケール11の回折効率変動に対する補償を行うた
めに設けられている。
【0035】図1(A)において、レーザ光源13から
の光束が分岐される透過型の回折格子14上の点Rとこ
の点Rで分岐された一方の分岐光束Bが入射されるスケ
ール11の回折格子12上の回折点P2との間の光路の
途中には、1/4波長板51が設けられている。また、
図1(B)において、スケール11の回折格子12上の
回折点P2とこの回折点P2で回折された1次回折光B
1が透過型の回折格子14上に至る点Kとの間の光路の
途中には、1/4波長板52が設けられている。これら
の1/4波長板51,52は、それぞれ分岐光束B(直
線偏光)の偏光方向に対して45度位相遅れの方位を傾
けて配置されるとともに、同じ方位の偏光成分の位相を
90度遅らせるように同じ配置とされている。
【0036】従って、分岐光束Bとその1次回折光B1
とは、同じ配置とされた二枚の1/4波長板51,52
を通過することになるので、一偏光成分のみの位相が1
80度遅れるようになり、結局、1/4波長板51を通
過する前の分岐光束B(直線偏光)と1/4波長板52
を通過した後の1次回折光B1(直線偏光)とは、偏光
方向が90度回転した状態となる。一方、分岐光束Aと
その1次回折光A1とは、1/4波長板を通過しないの
で、偏光方向は変わらない。これにより、透過型の回折
格子14の点Kに集まる各1次回折光A1,B1は、互
いに偏光方向が直交した状態となっている。
【0037】図3には、スケール11の拡大断面が示さ
れている。スケール11は、図中上側に配置されたガラ
ス11Aと、下側に配置されたミラー面11Bと、これ
らの間に挟まれた体積位相型の回折格子(ホログラム回
折格子)12とが積層された構造を有している。
【0038】また、図4に示すように、回折格子12と
ミラー面11Bとの間に、隙間Dが形成される場合に
は、この隙間Dを次のように適切な寸法に調整してお
く。すなわち、図4において、入射光Cに対して、回折
格子12で生成される光束は次の四種類であり、(1)
回折格子12で回折された後にミラー面11Bで反射さ
れて回折格子12を透過する光束C1と、(2)回折格
子12を透過した後にミラー面11Bで反射されて回折
格子12で回折される光束C2と、(3)回折格子12
を透過した後にミラー面11Bで反射されて再び回折格
子12を透過する光束C3と、(4)回折格子12で回
折された後にミラー面11Bで反射されて再び回折格子
12で回折される光束C4とがある。
【0039】これらのうち光束C1,C2は、回折格子
12で一回回折された1次回折光であるため、スケール
11の移動によって位相変化を生じる光束である。この
ため、前述した隙間Dを光束の幅に対して充分に小さい
ものとする場合には、これらの光束C1,C2が干渉す
ることによって光強度を強め合うように隙間Dを調整す
るとともに、スケール11のストローク中において隙間
Dが一定に保たれるようにしておく。また、隙間Dを比
較的大きくする場合(例えば、光束の幅が1mm程度の
時に隙間Dを3mm程度とする場合など)には、二つの
光束C1,C2のうちいずれか一方の光束のみを利用
し、他方の光束はスケール11から出射した後に遮断す
る等して利用しないようにしてもよい。
【0040】なお、残りの二つの光束C3,C4は、回
折格子12で一回も回折されないか、あるいは二回回折
されるため、スケール11の移動によって位相変化を生
じない光束であり、共に反射光(0次光)として取り扱
うことができる。また、このような回折格子12として
は、例えば、格子ピッチが500nm程度、レーザ光源
13の波長が780nm程度のものを採用することがで
きる。
【0041】このような第一実施例においては、以下の
ようにスケール11の移動量が検出される。先ず、レー
ザ光源13から出射されたレーザビームは、透過型の回
折格子14上の点Rで回折および透過されて二波に分岐
される。この際、点Rでの回折角と透過角とは、同じ角
度(θ1)となっている。そして、透過型の回折格子1
4上の点Rで回折された分岐光束Aは、スケール11の
回折格子12上の回折点P1に入射され、一方、点Rで
透過された分岐光束Bは、1/4波長板51を通過した
後に、スケール11の回折格子12上の回折点P2に入
射される。
【0042】各回折点P1,P2では、各分岐光束A,
Bの1次回折光A1,B1および反射光(0次光)A
0,B0が生成される。なお、各回折点P1,P2にお
いて、各分岐光束A,Bの回折点P1,P2への入射角
θ1と、各1次回折光A1,B1の回折角θ2とは、同
じ角度となっている。
【0043】次に、1次回折光A1は、透過型の回折格
子14上の点Kに至り、一方、1次回折光B1は、1/
4波長板52を通過した後に、透過型の回折格子14上
の点Kに至る。また、各0次光A0,B0は、スケール
11の回折格子12上の各回折点P1,P2から図中左
右方向に除去される。そして、透過型の回折格子14上
の点Kでは、各1次回折光A1,B1の各々が回折およ
び透過されることにより二つの混合波が生成される。つ
まり、1次回折光A1の回折光と1次回折光B1の透過
光とが混合されてレーザ光源13側(図中左側)に向か
う混合波が生成されるとともに、1次回折光A1の透過
光と1次回折光B1の回折光とが混合されてレーザ光源
13とは反対側(図中右側)に向かう混合波が生成され
る。
【0044】その後、透過型の回折格子14上の点Kか
らレーザ光源13側に向かう混合波は、光量モニタ16
に入射され、一方、レーザ光源13とは反対側に向かう
混合波は、無偏光ビームスプリッタ15で分岐されて各
検出器41A,41Bに至り、電気信号に変換される。
なお、各検出器41A,41Bに至る混合波は、透過型
の回折格子14上の点Rおよびスケール11の回折格子
12上の各回折点P1で合計二回回折された光束と、ス
ケール11の回折格子12上の各回折点P2および透過
型の回折格子14上の点Kで合計二回回折された光束と
の混合波となっている。一方、光量モニタ16に至る混
合波は、透過型の回折格子14上の点R、ケール11の
回折格子12上の各回折点P1、および透過型の回折格
子14上の点Kで合計三回回折された光束と、スケール
11の回折格子12上の各回折点P2のみで合計一回回
折された光束との混合波となっている。
【0045】このような第一実施例によれば、次のよう
な効果がある。すなわち、レーザ光源13から出射され
て光束分岐手段21を介してスケール11の回折格子1
2上の回折点P1,P2に至る各光束(各分岐光束A,
B)の光路が第一の面20内に設けられ、かつ回折点P
1,P2で生成された各1次回折光A1,B1および各
0次光A0,B0の各光路が第二の面30内に設けられ
ているので、各分岐光束A,Bの回折点P1,P2への
入射角θ1と、これらの各分岐光束A1,B1の回折角
θ2とを一致させることができる。このため、スケール
11とその他の各機器とのアライメントおよびその変動
に対し、鈍感な光学系とすることができるので、検出信
号の質の向上やエンコーダとしての計数の変化の防止を
図ることができるうえ、回折効率の向上を図ることがで
きる。
【0046】また、第一の面20および第二の面30を
設けた構成により、発光側の光学系を構成する各機器
(レーザ光源13および光束分岐手段21)と、受光側
の光学系を構成する各機器(光束混合手段31および各
検出器41A,41B)とを互いの配置位置に影響され
ることなく設置でき、各機器の配置構成の自由度を向上
できる。
【0047】さらに、透過型の回折格子14上の点Kか
らレーザ光源13とは反対側に向かう混合波が無偏光ビ
ームスプリッタ15で分岐されるようになっているの
で、各検出器41A,41Bに至る混合波を、同じ回数
(二回)だけ回折された光束どうしの混合波とすること
ができるため、検出信号の質を向上できる。
【0048】また、スケール11として反射型の回折格
子12を用いているので、発光側の光学系を構成する各
機器(レーザ光源13および光束分岐手段21)と受光
側の光学系を構成する各機器(光束混合手段31および
検出器41A,41B)とをスケール11の同一側に配
置できるため、前述した透過型の回折格子602をスケ
ール601として用いた格子干渉型変位検出装置600
(図7参照)の場合に比べ、装置の小型化やスケールの
取り付け自由度の向上を図ることができる。
【0049】さらに、1/4波長板51,52が設けら
れているので、透過型の回折格子14上の点Kに集まる
二つの光束の偏光方向を、容易に互いに直交した状態に
することができる。また、透過型の回折格子14は、光
束分岐手段21および光束混合手段31に兼用されてい
るので、装置を簡略化できるため、装置の小型化、コス
ト低減をより一層図ることができる。
【0050】そして、透過型の回折格子14とスケール
11の回折格子12とは、同一ピッチとなっているの
で、レーザ光源13の波長が変動した際に、波長変動に
伴う回折角変動を小さくできるため、混合する二光束の
光路ずれを生じないようにでき、混合波を確実に得るこ
とができる。
【0051】さらに、スケール11の移動量を干渉光の
明暗として検出するに際し、互いに逆方向に位相シフト
された1次回折光A1,B1同士の干渉を利用している
ので、スケール11が回折格子12の一ピッチ分だけ変
位したとすると、各検出器41A,41Bからは、二周
期分の完全正弦波信号φA,φBを得ることができる
(二回の明暗を得ることができる)。このため、回折格
子12の一ピッチを光学的に二分割したことになるの
で、分解能の向上を図ることができる。
【0052】また、一方の検出器41Aに1/4波長板
42を設けたので、二つの検出器41A,41Bから得
られる正弦波信号φA,φBは、互いに90度位相の異
なるものとなり、これによりスケール11の変位方向を
把握することができる。
【0053】〔第二実施例〕図5には、本発明の第二実
施例である格子干渉型変位検出装置60が示されてい
る。図5(A)は格子干渉型変位検出装置60の発光側
の構成図(第一の面20内)、図5(B)は受光側の構
成図(第二の面30内)である。格子干渉型変位検出装
置60は、前記第一実施例の格子干渉型変位検出装置1
0と略同様な構成を有し、無偏光ビームスプリッタ15
および光量モニタ16の設置の有無が異なるのみである
ので、同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略
し、以下には異なる部分のみを説明する。
【0054】前記第一実施例の格子干渉型変位検出装置
10では、透過型の回折格子14上の点Kからレーザ光
源13とは反対側に向かう混合波を分岐する無偏光ビー
ムスプリッタ15と、レーザ光源13側に向かう混合波
が入射される光量モニタ16とが設けられていたが(図
1(B)参照)、本第二実施例では、これらは設けられ
ていない。つまり、本第二実施例では、図5(B)に示
すように、透過型の回折格子14上の点Kからレーザ光
源13とは反対側に向かう混合波は、検出器41Bに送
られ、レーザ光源13側に向かう混合波は、検出器41
Aに送られるようになっている。
【0055】このような第二実施例においては、前記第
一実施例と同様にして各1次回折光A1,B1が透過型
の回折格子14上の点Kに集められる。そして、この点
Kで各1次回折光A1,B1の各々が分岐され、1次回
折光A1の回折光と1次回折光B1の透過光との混合波
が検出器41Aに送られ、1次回折光A1の透過光と1
次回折光B1の回折光との混合波が検出器41Bに送ら
れる。
【0056】このような第二実施例によれば、前記第一
実施例の無偏光ビームスプリッタ15の設置による検出
信号の質の向上効果を除き、前記第一実施例と同様な効
果を得ることができる。すなわち、第一の面20および
第二の面30を設けたことによる各機器の配置構成の自
由度の向上効果、入射角θ1と回折角θ2との一致によ
る検出信号の質の向上や回折効率の向上効果、スケール
11として反射型の回折格子12を用いたことによる装
置の小型化やスケールの取り付け自由度の向上効果、1
/4波長板51,52の設置による二光束の偏光方向の
直交化効果、透過型の回折格子14の光束分岐手段21
および光束混合手段31への兼用による装置の小型化や
コスト低減効果、透過型の回折格子14とスケール11
の回折格子12とを同一ピッチとしたことによる光路ず
れ防止効果、1次回折光A1,B1同士の干渉を利用す
ることによる分解能の向上効果、1/4波長板42の設
置による各正弦波信号φA,φBの90度位相ずらし効
果、という各効果を得ることができる。
【0057】なお、本発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成も含
み、例えば以下に示すような変形等も本発明に含まれる
ものである。すなわち、発光側の光学系が配置される第
一の面20および受光側の光学系が配置される第二の面
30は、図2に示したような配置に限定されるものでは
なく、例えば、図6(A)に示すようなプリズム81を
用いて第一の面20および第二の面30を折り曲げるこ
とによりプリズム81の上側部分で第一の面20と第二
の面30とを平行に配置するようにしてもよく、あるい
は図6(B)に示すようなシリンドリカルレンズ82、
図6(C)に示すような透過型の回折格子83を用いて
同様な配置としてもよく、要するに第一の面20と第二
の面30とは、スケール11の同一側であって異なる面
内に配置されていればよい。
【0058】また、前記各実施例では、1/4波長板5
1,52は、分岐光束Bおよびこの分岐光束Bの回折点
P2における1次回折光B1が通過する位置に設けられ
ていたが、分岐光束Aおよびこの分岐光束Aの回折点P
1における1次回折光A1が通過する位置に設けられて
いてもよく、要するに、各分岐光束A,Bのうちいずれ
か一方の光束が1/4波長板を二回通過するようになっ
ていればよい。
【0059】また、前記各実施例では、1/4波長板5
1,52は、第一の面20内の光路および第二の面30
内の光路に別々に設けられていたが、これらの二つの光
路に跨がるように一枚の1/4波長板を設けてもよい。
さらに、前記各実施例では、1/4波長板51,52を
設けることにより、透過型の回折格子14上の点Kに集
まる二つの光束の偏光方向を互いに直交した状態として
いたが、二光束の偏光方向を直交させる手段は、このよ
うな1/4波長板の設置に限定されるものではなく、例
えば、透過型の回折格子14上の点Rで分岐された後の
各分岐光束A,Bをそれぞれ偏光素子(図7の偏光素子
606A,606Bと同様なもの)を通過させることに
より、二光束の偏光方向を直交させてもよい。
【0060】また、前記各実施例では、透過型の回折格
子14は、光束分岐手段21および光束混合手段31に
兼用されていたが、光束分岐手段21を構成する透過型
の回折格子と光束混合手段31を構成する透過型の回折
格子とを別々に設けるようにしてもよい。しかし、装置
の簡略化、小型化、コスト低減の点から、前記各実施例
のように一枚の透過型の回折格子としておくことが好ま
しい。さらに、前記第一実施例では、光量モニタ16が
設置されていたが、この光量モニタ16は省略してもよ
い。
【0061】また、前記各実施例では、スケール11
は、図3または図4に示すようなガラス11Aと体積位
相型の回折格子(ホログラム回折格子)12とミラー面
11Bとによる積層構造となっていたが、スケール11
はこのような構造に限定されるものではなく、例えば、
ミラーの表面に回折格子を形成したスケールなどであっ
てもよく、要するに反射型の回折格子を有するスケール
であればよい。
【0062】そして、回折格子12のピッチ、レーザ光
源13の波長は、それぞれ前記各実施例で挙げられてい
た500nm程度、780nm程度のものが好適である
が、このような数値に限定されるものではなく、本発明
の構成を実施できれば適宜な数値を選択してよい。
【0063】また、前記第一実施例では、無偏光ビーム
スプリッタ15は、スケール11に対して直角をなすよ
うに設けられていたが、無偏光ビームスプリッタ15の
設置方向は任意であり、要するに、透過型の回折格子1
4により混合された混合波を二波に分岐できればよい。
【0064】さらに、前記各実施例では、レーザ光源1
3、光束分岐手段21、光束混合手段31、および検出
器41A,41Bなどの光学系に対してスケール11が
変位可能に設けられていたが、スケール11に対してこ
れらの光学系が変位するものであってもよく、あるいは
両者が共に変位するものであってもよく、要するに、ス
ケール11と光学系とが相対変位するようになっていれ
ばよい。
【0065】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、発
光側の光学系の各光束の光路と、受光側の光学系の各光
束の光路とが、異なる面内に配置されているので、発光
側の光学系を構成する各機器と受光側の光学系を構成す
る各機器とを互いの配置位置に影響されることなく設置
でき、各機器の配置構成の自由度を向上できるうえ、各
分岐光束の入射角と各1次回折光の回折角とを一致させ
ることができ、検出信号の質の向上や回折効率の向上を
図ることができるとともに、スケールとして反射型の回
折格子を用いているので、発光側の光学系と受光側の光
学系とをスケールの同一側に配置でき、装置の小型化や
スケールの取り付け自由度の向上を図ることができると
いう効果がある。
【0066】そして、光束混合手段を構成する透過型の
回折格子で生成された二つの混合波のうち光源とは反対
側に向かう混合波を二波に分岐する無偏光ビームスプリ
ッタを設けた場合には、検出器に送られる混合波を同じ
回数だけ回折された光束どうしの混合波とすることがで
きるので、検出信号の質をより一層向上できるという効
果がある。
【0067】また、光束分岐手段の透過型の回折格子上
で分岐された二つの分岐光束のうちいずれか一方の光束
およびこの光束の1次回折光の各光路の途中に、それぞ
れ同じ方位の偏光成分の位相を90度遅らせるように配
置された1/4波長板を設けた場合には、光束混合手段
の透過型の回折格子上に集まる二つの光束の偏光方向
を、容易に互いに直交した状態にすることができるとい
う効果がある。
【0068】さらに、光束分岐手段を構成する透過型の
回折格子および光束混合手段を構成する透過型の回折格
子を、一枚の透過型の回折格子により構成した場合に
は、装置を簡略化できるため、装置の小型化、コスト低
減をより一層図ることができるという効果がある。そし
て、透過型の回折格子とスケールの回折格子とを、同一
ピッチとした場合には、光源の波長が変動した際に、混
合する二光束の光路ずれを生じないようにすることがで
き、混合波を確実に得ることができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す構成図。
【図2】前記第一実施例の異なる面(第一の面および第
二の面)の配置状態を説明する概略斜視図。
【図3】前記第一実施例のスケールの断面図。
【図4】前記第一実施例のスケールの別の断面図。
【図5】本発明の第二実施例を示す構成図。
【図6】本発明の変形例を示す概略構成図。
【図7】従来例を示す構成図。
【符号の説明】
10,60 格子干渉型変位検出装置 11 スケール 12 反射型の回折格子 13 レーザ光源 14 光束分岐手段および光束混合手段に兼用された透
過型の回折格子 15 無偏光ビームスプリッタ 21 光束分岐手段 31 光束混合手段 41A,41B 検出器 51,52 1/4波長板 A,B 分岐光束 A1,B1 1次回折光 P1,P2 回折点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 哲郎 神奈川県川崎市高津区坂戸1−20−1 株 式会社ミツトヨ内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射型の回折格子を有するスケールと、
    光束を出射する光源と、この光源からの光束を二波に分
    岐しかつその各分岐光束を前記スケールの回折格子上の
    異なる二点に入射させる光束分岐手段と、前記スケール
    の回折格子によって生成された複数の光束を混合させる
    光束混合手段と、この光束混合手段によって混合された
    混合波を電気信号に変換する検出器とを備えた格子干渉
    型変位検出装置であって、 前記光束分岐手段は、前記光源からの光束を回折および
    透過させることにより二波に分岐しかつその各分岐光束
    を前記スケールの回折格子上の異なる二点に入射させる
    透過型の回折格子を含み構成されるとともに、 前記光束混合手段は、前記スケールの回折格子上で回折
    された二つの光束の交点位置に配置され各々の光束を分
    岐させて一方の光束の回折光と他方の光束の透過光とを
    混合させることにより二つの混合波を生成する透過型の
    回折格子を含み構成され、 前記光源から出射されて前記光束分岐手段を介して前記
    スケールの回折格子上に至る各光束の光路と、前記スケ
    ールの回折格子上で回折されて前記光束混合手段を介し
    て前記検出器に至る各光束の光路とを、前記スケールの
    同一側であって異なる面内に配置したことを特徴とする
    格子干渉型変位検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した格子干渉型変位検出
    装置において、前記光束混合手段は、前記透過型の回折
    格子で生成された混合波のうち前記光源とは反対側に向
    かう混合波を二波に分岐する無偏光ビームスプリッタを
    含み構成されていることを特徴とする格子干渉型変位検
    出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載した格子
    干渉型変位検出装置において、前記光源からの光束が分
    岐される前記光束分岐手段の透過型の回折格子上の点と
    この点で分岐された各分岐光束のうちいずれか一方の分
    岐光束が入射される前記スケールの回折格子上の点との
    間の光路の途中、および前記一方の分岐光束が入射され
    る前記スケールの回折格子上の点とこの点で回折された
    光束が前記光束混合手段の透過型の回折格子上に至る点
    との間の光路の途中には、それぞれ同じ方位の偏光成分
    の位相を90度遅らせるように配置された1/4波長板
    が設けられていることを特徴とする格子干渉型変位検出
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    した格子干渉型変位検出装置において、前記光束分岐手
    段を構成する透過型の回折格子および前記光束混合手段
    を構成する透過型の回折格子は、一枚の透過型の回折格
    子により構成されていることを特徴とする格子干渉型変
    位検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    した格子干渉型変位検出装置において、前記透過型の回
    折格子と前記スケールの回折格子とは、同一ピッチであ
    ることを特徴とする格子干渉型変位検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    した格子干渉型変位検出装置において、前記スケールの
    回折格子に入射される各分岐光束の入射角と、これらの
    各分岐光束が前記スケールの回折格子上で回折されて生
    成された各1次回折光の回折角とは、一致していること
    を特徴とする格子干渉型変位検出装置。
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